JP2844801B2 - バンパの取付部構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、自動車用のバンパの取付部構造に関する
ものである。

従来の技術 自動車用のバンパの中には、バンパレインフォース及
びバンパステイを用いないで、サイドメンバに直接的に
バンパ本体を取り付ける構造のものがある。

例えば、第４図に示すように、フロントサイドメンバ
１にはその端部に取付フランジ部２を形成してあり、こ
の取付フランジ部２に対応して、バンパ本体３に取付部
４を設定してある。そして、この取付部４にフロントサ
イドメンバ１の取付フランジ部２を前後方向で合わせて
ボルト５によって締め付けるのである。

また、第５図に示すようにバンパ本体３の取付部4aで
あって、フロントサイドメンバ１の取付フランジ部２の
ボルト挿通孔に対応する位置に切欠部5aを形成し、ボル
ト６を一体化したブラケット７によってボルト６を上記
切欠部5aに係止した状態でフロントサイドメンバ１の取
付フランジ部２に締め付けるものもある。

この種の構造としては、例えば特開昭60−110548号公
報に示されるものがある。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来のバンパの取付部構造にあっ
ては、両者ともバンパ本体３とフロントサイドメンバ１
とを前後方向で取り付ける構造であったため、バンパ本
体３の前後方向の位置が決定され、例えばバンパ本体３
の両側後端部と車体のホイールアーチ部との寸法のバラ
ツキがあった場合にこれを吸収することができないとい
う問題がある。

また、バンパ本体３を取り付ける作業を行う場合に、
仮止めができずバンパ本体３を支持しながら取付け作業
を行う必要があり作業性が悪いという問題がある。

そこで、この発明は、車体に対する位置決めを容易に
なし得ると共に取付作業性が良好なバンパの取付部構造
を提供するものである。

課題を解決するための手段 サイドメンバの端部に、前方に高い傾斜面を設け、こ
の傾斜面に整合する取付面を備えたブラケットを上記傾
斜面に対して前後方向に位置調整自在に取り付け、上記
ブラケットにバンパ本体の取付部に上下位置調整可能に
係止し車幅方向から遊挿して取り付ける取付片を設ける
一方、上記バンパ本体には、サイドメンバの下面に対し
て前後方向に位置調整可能に取り付ける他の取付部を設
けてある。

作用 ブラケットの取付面をサイドメンバの傾斜面に取り付
け、ブラケットの取付片をバンパ本体に係止させてバン
パ本体を仮止めした状態でブラケットの取付片にバンパ
本体を取り付ける。

ここで、サイドメンバに対してブラケットを前後方向
に位置調整してバンパ本体をサイドメンバに対して適正
な位置に取り付ける。

実施例 以下、この発明の実施例を図面と共に説明する。

第１〜３図において、サイドメンバとしてのフロント
サイドメンバ８にはその端部に、前方に高い傾斜面９を
形成してある。

この傾斜面９には後述するブラケット16の取付孔11を
左右に一対形成してある。

一方、フロントサイドメンバ８にはその下面に取付孔
12を設けてあり、後述するバンパ本体13の他の取付部と
しての棚部14の取付孔15と整合するようになっている。

上記ブラケット16は金属で成形されたものであり、上
記フロントサイドメンバ８の傾斜面９と同様の角度をも
ち傾斜面９と整合する取付面17を備えている。

また、この取付面17には、前記フロントサイドメンバ
８の傾斜面９の取付孔11に対応する位置に前後方向に長
い長孔18を設けてあり、フロントサイドメンバ８に対し
てブラケット16が前後方向に位置調整自在になってい
る。

そして、ブラケット16の取付面17の上縁には、上方に
延びる取付片19を設けてある。

この取付片19には、フロントサイドメンバ８側に向か
ってボルト20を取り付けてあり、後述するバンパ本体13
にナット21で締め付けるようになっている。

バンパ本体13は樹脂によって成形されたものであっ
て、その裏面側には、車幅方向及び上下方向に複数のリ
ブ22a,22bを設けて補強してある。

上記リブ22a,22bのうち隣接する上下のリブ22bには、
前記ブラケット16の取付片19に対する取付部23,23を形
成してあり、一方、上記各取付部23間の下方にある車幅
方向のリブ22aには、フロントサイドメンバ８の下面を
保持するために延出する棚部14を設けてある。

各取付部23は上下に各々スリット23a,23bを備え、ス
リット23a,23bは上下にある程度の幅を有し共に一方側
が開放して車幅方向に形成してある。

上方のスリット23aはブラケット16の取付片19のボル
ト20を裏側から受容するもので、下方のスリット23bは
ブラケット16の取付片19の基部を受容するものである。

尚、取付部23の裏側にはボルト20の頭部20a及びブラ
ケット16の取付片19を差し込むための係止壁24を形成し
てある。

一方、棚部14は、フロントサイドメンバ８の下面の取
付孔12に対応する位置に前後方向に長い取付孔15を備え
ている。

尚、25はヘッドランプ、26,27は各々ボルトとナット
を示す。

上記実施例の取付部構造によれば、ブラケット16の長
孔18とバンパ本体13の棚部14の取付孔15とによってフロ
ントサイドメンバ８に対するバンパ本体13の前後方向の
移動が許容されるため、フロントサイドメンバ８に対す
るバンパ本体13の前後方向の位置を調整することができ
る。

また、バンパ本体13の上下方向の位置は、フロントサ
イドメンバ８の下面にバンパ本体13の棚部14を取り付け
ることにより特定されるため、位置決めが容易に行え
る。

一方、フロントサイドメンバ８の傾斜面９に沿ってブ
ラケット16が移動することによって生じずるブラケット
16のバンパ本体13に対する上下移動はスリット23a,23b
の上下方向の幅寸法でこれを許容するため問題はない。

したがって、フロントサイドメンバ８に対して適正な
上下方向の位置を保ったまま、バンパ本体13を前後方向
で自由に調整できるため、例えばバンパ本体13の両側後
端部と車体のホイールアーチ部との寸法のバラツキを吸
収でき外観品質を高めることができる。

また、ブラケット16を角度をもったフロントサイドメ
ンバ８の傾斜面９に取り付けるためこの取付作業の際に
工具等がヘッドランプ25と干渉するのを防止することが
できる。

そして、バンパ本体13の取付部23のスリット23a,23b
に対して車幅方向からブラケット16の取付片19及びボル
ト20を挿入するだけで、バンパ本体13がブラケット16、
即ちフロントサイドメンバ８に対して仮止めされるため
取り付けの際バンパ本体13を支持する必要がなくボルト
20にナット21を締め付ける作業が行い易い。

尚、この発明は上記実施例に限られるものではなく、
例えば、車体後部のバンパにも適用することができる。

発明の効果 以上説明してきたようにこの発明によればブラケット
の取付面をサイドメンバの傾斜面に取り付け、ブラケッ
トの取付片をバンパ本体に係止させてバンパ本体を仮止
めできるため取り付けの際にバンパ本体を支持する必要
がなく、したがって取付け作業性が向上するという効果
がある。

そしてバンパ本体がサイドメンバに対して前後方向に
位置調整自在となっているため、バンパ本体と車体との
整合性が図れ車体外観品質を向上することができる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の斜視図、第２図は同第１
図のII−II線に沿う断面図、第３図は第２図の部分拡大
図、第4,5図は各々従来技術の斜視図である。 ８……フロントサイドメンバ（サイドメンバ）、９……
傾斜面、13……バンパ本体、16……ブラケット、17……
取付面、19……取付片、23……取付部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】サイドメンバの端部に、前方に高い傾斜面
   を設け、この傾斜面に整合する取付面を備えたブラケッ
   トを上記傾斜面に対して前後方向に位置調整自在に取り
   付け、上記ブラケットにバンパ本体の取付部に上下位置
   調整可能に係止し車幅方向から遊挿して取り付ける取付
   片を設ける一方、上記バンパ本体には、サイドメンバの
   下面に対して前後方向に位置調整可能に取り付ける他の
   取付部を設けたことを特徴とするバンパの取付部構造。