JP2837246B2 - 新規なシンジオタクチックポリプロピレン - Google Patents

新規なシンジオタクチックポリプロピレン

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JP2837246B2
JP2837246B2 JP19072990A JP19072990A JP2837246B2 JP 2837246 B2 JP2837246 B2 JP 2837246B2 JP 19072990 A JP19072990 A JP 19072990A JP 19072990 A JP19072990 A JP 19072990A JP 2837246 B2 JP2837246 B2 JP 2837246B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は結晶化速度の速い新規なシンジオタクチック
ポリプロピレンに関する。さらに詳しくは成形用等に有
用な新規なシンジオタクチックポリプロピレンに関す
る。
〔従来の技術〕
シンジオタクチックポリプロピレンは古くよりバナジ
ウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒を用
いて低温で重合する方法によって得られることが知られ
ていたが、従来の方法では、得られるポリマーのシンジ
オタクティシティが低く、本来のシンジオタクチックポ
リプロピレンの特徴を表しているとは言い難かった。
これに対し、特開平2-41303号公報には下記式 R″(CpRn)(CpR′m)MeQk (但し各Cpはシクロペンタジエニル又は置換されたシ
クロペンタジエニル環であり:各Rnは同一又は異なって
いてもよく、1〜20炭素原子を有するヒドロカルビル残
基であり:R″は触媒に立体規則性をもたらすCp環の間の
構造的架橋であり:Meは元素の周期律表の4b、5b、又は6
b族の金属であり:各Qは1〜20の炭素原子を有するヒ
ドロカルビル残基又はハロゲンであり:0≦k≦3:0≦n
≦3:及び1≦m≦4であり、:及びR′mは(CpRn)が
(CpR′m)と立体的に相違しているように選択される、
によって表記されるシンジオタクチックポリオレフィン
を製造するために使用されるメタロセン触媒。
を一成分とする触媒を使用することによってシンジオ
タクティシティーの良好なポリα−オレフィンが製造で
きることが記載されている。
特開平2-41305号公報では上記特開平2-41305号公報に
おける触媒を使用してえたシンジオタクチックポリプロ
ピレンが開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記特開平2-412303号公報、特開平2-41305号公報の
方法で得られたシンジオタクチックポリプロピレンはバ
ナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒
を用いて低温で重合する方法によって得られたシンジオ
タクチックポリプロピレンと比較すると格段に高いシン
ジオタクティシティーを有し物性も優れたシンジオタク
チックポリプロピレンであり新規な樹脂としての用途が
期待されている。
しかしながら特開平2-41305号公報、特開平2-41305号
公報の方法で得られたシンジオタクチックポリプロピレ
ンの実用化について検討する過程において、特に樹脂と
して加工方法等の実用化の検討の際に樹脂を溶融した後
に冷却して成形品を得る場合に固化しにくいという欠点
があり加工上問題点があることがわかった。
例えば、上記の方法で得られたシンジオタクチックポ
リプロピレンを造粒する際に、アイソタクチックポリプ
ロピレンで行われている通常の方法及び装置ではストラ
ンドが完全には固化しないのでストランドがが切れたり
して連続的に造粒することが困難であり、その解決のた
めに加工性の良好なシンジオタクチックポリプロピレン
が所望されていた。
〔課題を解決するための手段〕
本願発明者は上記問題点を解決するために鋭意検討し
た結果本願発明に到達した。
すなわち本発明は (A)13C-NMRスペクトルにおいてシンジオタクチック
ペンタッド連鎖に帰属されるメチル基のシグナル強度が
全メチル基のシグナル強度の0.8以上であり、 (B)135℃テトラリン中で測定した極限粘度数〔η〕
が0.01〜10dl/gの範囲にあり、 (C)ゲルパーミエイションクロマトグラフィで測定し
た分子量分布指数(Mw/Mn)が1.5〜20の範囲にあり、 (D)示差走査熱量計によって測定した融点(Tm)が13
0〜170℃の範囲にあり、 (E)完全融解後示差走査熱量計よって測定した結晶化
温度(Tc)が105〜125℃の範囲にあり、 (F)示差走査熱量計よって110℃で測定した等温半結
晶化速度(t1/2)が2分以下であることを特徴とするシ
ンジオタクチックポリプロピレン が上記問題点を解決できる新規なシンジオタクチック
ポリプロピレンであることにある。
上記シンジオタクチックポリプロピレンの製造方法は
特に制限はないが、例えば特殊な触媒系を使用すること
で本願発明のシンジオタクチックポリプロピレンを容易
に製造することができる。
本願発明のシンジオタクチックポリプロピレンを製造
する触媒の例としては、 例えば遷移金属触媒と助触媒よりなる触媒系において 遷移金属化合物として例えば 一般式(I) (但し、A1はシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基を示し、A2はフルオレニル基、置換フルオ
レニル基を示す。A3は炭素数4〜20のヒドロカーボンジ
イリデン基、R1、R2はハロゲン原子、水素原子、炭素数
1〜10のアリール基、アルキル基をしめす。Mはチタ
ン、ジルコニウム、ハフニウムである) で表される遷移金属化合物を使用することによって容
易に本願発明の新規なシンジオタクチックポリプロピレ
ンを製造することができる。
上記遷移金属化合物(I)は、1分子中に2つの遷移
金属原子を有する新規なメタロセン化合物である。
A1は無置換シクロペンタジエニル基から4置換シクロ
ペンタジエニル基までのいずれでもよく、A2は無置換フ
ルオレニル基から8置換フルオレニル基までのいずれで
もよい。
A3は炭素数4〜20のヒドロカーボンジイリデン基を示
す。
A3の具体例としては、例えば、2,3−ブタンジイリデ
ン基、2,4−ペンタンジイリデン基、1,3−シクロペンタ
ンジイリデン基、4−シクロペンテン−1,3−ジイリデ
ン基、2,5−ヘキサンジイリデン基、1,4−シクロヘキサ
ンジイリデン基、6−メチル−2,4−ヘプタンジイリデ
ン基、ビシクロ〔3,3,0〕オクタン−3,7−ジイリデン
基、ビシクロ〔3,3,1〕ノナン−3,7−ジイリデン基、9,
10−アントラセンジイリデン基などを挙げることができ
る。
R1、R2はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン
原子、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、t−ブチル基、フェニル基などの炭素数1〜10のア
リール基、アルキル基であり、好ましくは塩素原子、メ
チル基である。
R1、R2は互いに同じでも異なっていてもよい。
Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、好ましくは
ジルコニウム、ハフニウムであり、同一であっても異な
っていても良い。
本発明の新規遷移金属化合物(I)の合成経路は例え
ば、1,4−シクロヘキサンジイリデンビス〔(シクロペ
ンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジハロ
リド〕の場合には下記のように示される。
C6H8O2+2C5H6→C6H8(=C5H4)2+2H2O C6H8(=C5H4)2+2LiC13H9+2HCl →C6H8〔(C5H5)C13H92+2LiCl C6H8〔(C5H5)C13H92+4nBuLi →C6H8〔(LiC5H4)LiC13H82+4C4H10 C6H8〔(LiC5H4)LiC13H82+2ZrX4 →C6H8〔(C5H5)(C13H8)ZrX22+4LiX (Xはハロゲン原子である) さらに、上記C6H8〔(C5H5)(C13H8)ZrX22は、RLiやR
MgCl(Rは炭素数1〜10のアルキル基)などの周期律表
I A族、周期律表II A族の金属アルキル化合物と反応さ
せることにより、Xの少なくとも1つをRで置換した化
合物を得ることができる。
本発明の新規遷移金属化合物(I)の具体例として
は、例えば、2,3−ブタンジイリデンビス〔(シクロペ
ンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムクロリ
ド〕、2,3−ブタンジイリデンビス〔(シクロペンタジ
エニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロリド〕、
2,3−ブタンジイリデンビス〔(シクロペンタジエニル
−9−フルオレニル)ジルコニウムジメチル〕、2,3−
ブタンジイリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−
フルオレニル)ハフニウムジメチル〕、2,5−ヘキサン
ジイリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリド〕、2,5−ヘキサンジ
イリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレ
ニル)ハフニウムジクロリド〕、2,5−ヘキサンジイリ
デンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレニ
ル)ジルコニウムジメチル〕、2,5−ヘキサンジイリデ
ンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)
ハフニウムジメチル〕、1,4−シクロヘキサンジイリデ
ンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド〕、1,4−シクロヘキサンジイ
リデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレニ
ル)ハフニウムジクロリド〕、1,4−シクロヘキサンジ
イリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレ
ニル)ジルコニウムジメチル〕、1,4−シクロヘキサン
ジイリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオ
レニル)ハフニウムジメチル〕、6−メチル−2,4−ヘ
プタンジイリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−
フルオレニル)ジルコニウムジクロリド〕、6−メチル
−2,4−ヘプタンジイリデンビス〔(シクロペンタジエ
ニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロリド〕、6
−メチル−2,4−ヘプタンジイリデンビス〔(シクロペ
ンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジメチ
ル〕、6−メチル−2,4−ヘプタンジイリデンビス
〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニ
ウムジメチル〕、ビシクロ〔3,3,0〕オクタン−3,7−ジ
イリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド〕、ビシクロ〔3,3,0〕
オクタン−3,7−ジイリデンビス〔(シクロペンタジエ
ニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロリド〕、ビ
シクロ〔3,3,0〕オクタン−3,7−ジイリデンビス〔(シ
クロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウム
ジメチル〕、ビシクロ〔3,3,0〕オクタン−3,7−ジイリ
デンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレニ
ル)ハフニウムジメチル〕、ビシクロ〔3,3,1〕ノナン
−3,7−ジイリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9
−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド〕、ビシクロ
〔3,3,1〕ノナン−3,7−ジイリデンビス〔(シクロペン
タジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロリ
ド〕、ビシクロ〔3,3,1〕ノナン−3,7−ジイリデンビス
〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコ
ニウムジメチル〕、ビシクロ〔3,3,1〕ノナン−3,7−ジ
イリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレ
ニル)ハフニウムジメチル〕、9,10−アントラセンジイ
リデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド〕、9、10−アントラセン
ジイリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオ
レニル)ハフニウムジクロリド〕、9,10−アントラセン
ジイリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオ
レニル)ジルコニウムジメチル〕、9,10−アントラセン
ジイリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオ
レニル)ハフニウムジメチル〕などを挙げることができ
る。
重合の際、本発明の遷移金属化合物とともに使用され
る助触媒としては公知のアルミノキサン類の他に、特表
平1-501950号公報、特表平1-502036号公報に記載されて
いるようなホウ素化合物を助触媒として使用することも
できるが、活性および入手のし易さからアルミノキサン
類が好ましい。
アルミノキサン類としては一般式 および/または (ここでRは炭素数1〜3の炭化水素基、nは2以上
の整数を示す) で表わされる化合物であり、特にRがメチル基である
メチルアルミノキサンでnが5以上、好ましくは10以上
のものが利用される。上記アルミノキサン類には若干の
アルキルアルミニウム化合物が混入していても差しつか
えない。
上記アルミノキサン類の製造法は公知であり、例えば
結晶水を含む塩類(硫酸銅水和物、塩化マグネシウム水
和物など)に炭化水素溶媒中、トリアルキルアルミニウ
ムを添加して反応させる方法、あるいは有機化合物溶媒
中でトリアルキルアルミニウムと水を直接反応させる方
法などを例示することができる。
本発明における遷移金属化合物に対するアルミノキサ
ンの使用割合としては10〜10000モル倍、通常50〜5000
モル倍である。
本発明の方法で行われる重合方法及び重合条件につい
ては特に制限はなくα−オレフィンの重合で行われる公
知の方法が用いられ、不活性炭化水素媒体を用いる溶媒
重合法、または実質的に不活性炭化水素媒体の存在しな
い塊状重合法、気相重合法も利用でき、重合温度として
は−100〜200℃、重合圧力としては常圧〜100kg/cm2
行うのが一般的である。好ましくは−50℃〜100℃、常
圧〜50kg/cm2である。
重合に際し使用される炭化水素媒体としては例えばブ
タン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの飽
和炭化水素の他に、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素も使用することができる。
本発明のシンジオタクチックポリプロピレンは13C-NM
Rスペクトルにおいてシンジオタクチックペンタッド連
鎖に帰属されるメチル基のシグナル強度が全メチル基の
シグナル強度の0.8以上である。すなわち13C-NMRスプク
トルで測定したシンジオタクチックペンタッド分率(rr
rr)が0.8以上のシンジオタクチックポリプロピレンで
ある。
13C-NMRスペクトルの測定は試料を、10%−1,2,4−ト
リクロロベンゼン/重水素化ベンゼン溶液に溶解し140
℃で測定した。
また、本発明のシンジオタクチックポリプロピレンは
135℃テトラリン中で測定した極限粘度数〔η〕が0.01
〜10dl/gの範囲、好ましくは0.1〜8.0dl/gの範囲の値を
持つ。
また、本発明のシンジオタクチックポリプロピレンは
ゲルパーミエイションクロマトグラフィで測定した分子
量分布指数(Mw/Mn)が1.5〜20の範囲、好ましくは2.0
〜10の範囲である。
分子量分布指数(Mw/Mn)の測定は試料をo−ジクロ
ルベンゼンに溶解しゲルパーミエイションクロマトグラ
フィにかけポリスチレン換算の数平均分子量Mn、重量平
均分子量Mwを算出して計算し求めた。該シンジオタクチ
ックポリプロピレンの示差走査熱量計(DSC)によって
測定した融点(Tm)が130〜170℃、好ましくは140〜165
℃の範囲、完全融解後示差走査熱量計よって測定した結
晶化温度(Tc)が105〜125℃の範囲にある。
示差走査熱量計よる融点(Tm)並びに結晶化温度(T
c)の測定は、それぞれ昇温速度と降温速度は10℃/min
としてピーク温度を測定した。
さらに、該シンジオタクチックポリプロピレンの示差
走査熱量計によって110℃で測定した等温半結晶化速度
(t1/2)が2分以下である 等温半結晶化速度の測定は示差走査熱量計を用い230
℃で完全溶解した後、110℃で結晶化によるピークが頂
点に達するまでの時間とした。
ことを特徴とするシンジオタクチックポリプロピレン
である。
本発明の方法で得られるポリα−オレフィンは結晶化
温度が高く、また結晶化速度が速いという特徴を有して
いる。
結晶化速度が遅いと樹脂をペレット化する際に結晶化
しにくく、ストランドをペレットに切断しにくかった
り、樹脂を成形する際に金型から取り出しにくかったり
加工する際に問題が発生するが本願発明の方法で得られ
たポリα−オレフィンは従来の欠点を解消することがで
きる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1 メタロセン化合物の合成 〔1,4−ビスシクロペンタジエニリデンシクロヘキサ
ン〕 充分窒素置換した500ml4つ口フラスコに1,4−シクロ
ヘキサンジオン15gとシクロペンタジエン36gをメタノー
ル200mlに溶解した。この溶液にピロリジン34mlを0℃
で30分かけて滴下し、室温に戻して30分攪拌した。酢酸
28mlを加えることにより反応を停止し、固体を濾別し、
さらにメタノールで洗浄.乾燥することにより茶色の1,
4−ビスシクロペンタジエニリデンシクロヘキサン39gを
得た。
〔1,4−ビスシクロペンタジエニル−1,4−ビフルオレ
ニルシクロヘキサン〕 充分窒素置換した500ml4つ口フラスコに、フルオレン
16.6gをテトラヒドロフラン150mlに溶解し、メチルリチ
ウムでリチウム化することによりフルオレニルリチウム
のテトラヒドロフラン溶液を得た。この溶液に上記合成
した1,4−ビスシクロペンタジエニリデンシクロヘキサ
ン1,4gをテトラヒドロフラン200mlで希釈した溶液を−1
0℃で30分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を室
温まで上昇させさらに15時間攪拌を続けた。3.6%塩酸
水200mlを装入することにより反応を停止し、生成した
固体を濾別し、エーテル洗浄.乾燥することにより白色
粉末の1,4−ビスシクロペンタジエニル−1,4−ビフルオ
レニルシクロヘキサン18.5gを得た。
〔1,4−シクロヘキサンジイリデンビス〔(シクロペ
ンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド〕 上記合成した1,4−ビスシクロペンタジエニル−1,4−
ビフルオレニルシクロヘキサンをn−ブチルリチウムで
リチウム化することにより、1,4−ビスシクロペンタジ
エニル−1,4−ビフルオレニルシクロヘキサンのテトラ
リチウム塩を調製した。次に充分窒素置換した500mlガ
ラス製フラスコに四塩化ジルコニウム6.1gを塩化メチレ
ン100mlに懸濁させた。この懸濁液に−78℃で溶解させ
た0.013モルの1,4−ビスシクロペンタジエニル−1,4−
ビフルオレニルシクロヘキサンのテトラリチウム塩の塩
化メチレン溶液300mlを導入した。−78℃で4時間攪拌
した後、室温まで昇温し、その温度でさらに15時間反応
を続けた。塩化リチウムの白色沈澱を含む赤褐色溶液を
濾別、濃縮し、−30℃で24時間冷却することによってオ
レンジ色の1,4−シクロヘキサンジイリデンビス〔(シ
クロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド3.1gを得た。
生成物の元素分析値を以下に示す。
C wt% H wt% Clwt% Zr wt% 分析値 58.6 3.72 16.5 21.2 計算値 58.1 3.78 16.7 20.4 又この物の1H-NMRスペクトルの測定結果を図1に示
す。
重合方法 2lのSUS製オートクレーブを窒素置換した後トルエン
1装入し、上記調製した1,4−シクロヘキサンジイリ
デンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド〕3.0mg、東ソー・アクゾ
社製メチルアルミノキサン(重合度17.7)0.4gを加え
た。プロピレンを加えて系内を3kg/cm2Gに保ちながら2
0℃で1時間重合を行った。
重合後スラリーを取り出し、濾過.乾燥してシンジオ
タクチックポリプロピレンパウダー100.0gを得た。また
濾液のトルエンを減圧留去してトルエンに可溶な成分1.
1gを得た。
パウダーの135℃のテトラリン溶液で測定した極限粘
度(以下ηと略記する)は0.60dl/g、GPC(ゲル.パー
ミエイションクロマトグラフィー)で測定した分子量分
布指数(Mw/Mn)は2.7であった。13C-NMRを測定し、約2
0.2ppmのメチル基に帰属するピークより求めたシンジオ
タクチックペンタッド分率は0.91であった。また、得ら
れたシンジオタクチックポリプロピレンを230℃で融解
させ、110℃に冷却することにより測定した等温半結晶
化速度(t 1/2)は1分22秒、融点149℃、結晶化温度10
7℃であった。
実施例2 2lのSUS製オートクレーブを窒素置換した後実施例1
で合成した1,4−シクロヘキサンジイリデンビス〔(シ
クロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド〕2.0mg、メチルアルミノキサン0.13gを加え
た。液体プロピレン400gを系内に導入し、50℃で1時間
重合を行った。未反応のプロピレンをパージし、減圧乾
燥することによって197.0gのシンジオタクチックポリプ
ロピレンパウダーを得た。
パウダーのηは0.52dl/g、(Mw/Mn)は2.6、シンジオ
タクチックペンタッド分率は0.83、t 1/2は1分12秒、
融点145℃、結晶化温度106℃であった。
比較例1 常法により合成したイソプロピリデン(シクロペンタ
ジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド
3.0mgをメタロセン化合物成分として用いた以外実施例
1の〔重合方法〕と同様にして重合を行った。得られた
シンジオタクチックポリプロピレンパウダーは126.4g、
トルエン可溶分0.7gであった。パウダーのηは1.39dl/
g、(Mw/Mn)は2.2、シンジオタクチックペンタッド分
率は0.91、t 1/2は3分42秒、融点150℃、結晶化温度92
℃であった。
実施例3 メタロセン化合物の合成 実施例1で合成した1,4−ビスシクロペンタジエニル
−1,4−ビフルオレニルシクロヘキサン5gをn−ブチル
リチウムを用いリチウム化することにより1,4−ビスシ
クロペンタジエニル−1,4−ビフルオレニルシクロヘキ
サンのテトラリチウム塩を調製した。
次に充分窒素置換した500mlのガラス製フラスコに四
塩化ジルコニウム2.2gと四塩化ハフニウム3.0gとの混合
物を塩化メチレン溶液100mlに懸濁させた。この懸濁液
に上記合成した1,4−ビスシクロペンタジエニル−1,4−
ビフルオレニルシクロヘキサンのテトラリチウム塩の塩
化メチレン溶液300mlを−78℃で装入し、−78℃で4時
間攪拌した後、室温まで昇温し、さらに室温で15時間反
応を続けた。
塩化リチウムの白色沈澱を含む赤褐色溶液を濾過し、
濾液を濃縮し、−30℃で24時間冷却することによって固
体が析出した。濾過、乾燥することによってオレンジ色
の固体2.6gが得られた。
上記オレンジ色の固体の元素分析値は C 52.16%、H 3.21%、Cl 14.33% Zr 9.04%、Hf 20.50% であった。
重合試験結果 2lのSUS製オートクレーブを窒素置換した後、上記で
合成したオレンジ色の固体2.0mg、メチルアルミノキサ
ン0.2gを加えた、次いで液化プロピレン400gをオートレ
クーブに装入し、50℃で1時間重合した。
未反応のプロピレンをパージし、得られた重合体を減
圧乾燥することによって116.2gのシンジオタクチックポ
リプロピレンパウダーを得た。
このパウダーのηは0.93dl/g、(Mw/Mn)は6.8、シン
ジオタクチックペンタッド分率は0.82であった。またt
1/2は1分50秒、融点145℃、結晶化温度105℃であっ
た。
〔発明の効果〕
本発明の方法で得られるシンジオタクチックポリプロ
ピレンは結晶化速度の速く、成形加工性を改良すること
ができ工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
図1は本願発明の実施例1で得られた1,4−シクロヘキ
サンジイリデンビス〔(シクロペンタジエニル−9−フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリドの1H-NMRの測定結
果を示す。 図2は実施例1で得られた本発明のシンジオタクチック
ポリプロピレンのX線回折パターンを示す。なお図中θ
はブラッグ角(°)を示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 10/06 C08F 110/06 C08F 210/06 C08F 4/60 - 4/70 CAS ONLINE

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)13C-NMRスペクトルにおいてシンジ
    オタクチックペンタッド連鎖に帰属されるメチル基のシ
    グナル強度が全メチル基のシグナル強度の0.8以上であ
    り、 (B)135℃テトラリン中で測定した極限粘度数〔η〕
    が0.01〜10dl/gの範囲にあり、 (C)ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)
    で測定した分子量分布指数(Mw/Mn)が1.5〜20の範囲に
    あり、 (D)示差走査熱量計によって測定した融点(Tm)が13
    0〜170℃の範囲にあり、 (E)完全融解後示差走査熱量計よって測定した結晶化
    温度(Tc)が105〜125℃の範囲にあり、 (F)示差走査熱量計よって110℃で測定した等温半結
    晶化速度(t1/2)が2分以下であることを特徴とするシ
    ンジオタクチックポリプロピレン
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