JP2775706B2 - 幅広い分子量分布を有するシンジオタクチックポリ―α―オレフィンの製造方法 - Google Patents

幅広い分子量分布を有するシンジオタクチックポリ―α―オレフィンの製造方法

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JP2775706B2 JP2007173A JP717390A JP2775706B2 JP 2775706 B2 JP2775706 B2 JP 2775706B2 JP 2007173 A JP2007173 A JP 2007173A JP 717390 A JP717390 A JP 717390A JP 2775706 B2 JP2775706 B2 JP 2775706B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高活性重合触媒を用いるシンジオタクチッ
クポリ−α−オレフィンの製造方法に関する。詳しくは
2種類以上の遷移金属化合物とアルミノキサンからなる
触媒の存在下に幅広い分子量分布を有するシンジオタク
チックポリ−α−オレフィン及びこれを製造する方法に
関する。
〔従来の技術〕
遷移金属化合物とアルミノキサンからなる触媒の存在
下にポリ−α−オレフィンを製造する方法は公知であ
る。このような触媒を用いると分子量分布の狭い、すな
わちMw/Mnが2〜3のポリ−α−オレフィンが得られ
る。
特開昭60−35008には少なくとも2種の遷移金属化合
物とアルミノキサンからなる触媒を用いてエチレンを重
合あるいはエチレンとα−オレフィンとの共重合をして
幅広い分子量分布を有するポリ−α−オレフィンを製造
する方法が開示されているが、シンジオタクチックポリ
−α−オレフィンの製造方法については記載されていな
い。
シンジオタクチックポリ−α−オレフィンは古くより
バナジウム化合物と有機アルミニウムからなる触媒で低
温重合する方法によって得られることが知られていた
が、従来の方法では得られるポリマーのタクティシティ
ーが悪く、本来のシンジオタクチックポリ−α−オレフ
ィンの特徴を表しているとは言い難かった。
これに対し、J.A.Ewenらによりイソプロピリデン(シ
クロペンタジエニル−1−フルオレニル)基を配位子と
する遷移金属化合物とアルミノキサンからなる触媒によ
ってシンジオタクチックペンタッド分率が0.8を越える
ようなタクシティティーの良好なポリプロピレンが得ら
れることが初めて発見された。(J.Am.chem.soc.、199
8、110、6255−6256)。
しかし、得られたシンジオタクチックポリプロピレン
のGPC(ゲル・パーミエイションクロマトグラフィー)
で測定した分子量分布指数Mw/Mnが2〜3であるため溶
融樹脂の流動性が不良であり、また溶融樹脂のメルトテ
ンションが低いため押出成型で糸を作ると糸切れし易
く、シートにすると垂れ下がりが起こって良好なシート
にすることが困難であった。
J.A.Ewenらの方法に類似した少なくとも1つのフルオ
レニル基を配位子とする遷移金属化合物とアルミノキサ
ンからなる触媒が特開昭64−66214に開示れているが、
本願発明のようにシクロペンタジエニル基とフルオレニ
ル基が結合した化合物を配位子とした遷移金属化合物の
記載はない。
特開昭64−66214に開示されているように単に遷移金
属にフルオレニル基が遷移金属化合物とアルミノキサン
を触媒として用いてα−オレフィンを重合しても本願発
明の触媒系で生成するシンジオタクチックなポリ−α−
オレフィンは得られず、全く別の触媒系である。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記J.A.Ewenらの方法は遷移金属当りの活性が良好で
あり、しかも得られるポリマーのシンジオタクティシテ
ィーが高く優れた方法であるが、得られるポリマーの分
子量分布が狭く、押出成形法などの多くの用途では加工
性が不良で好ましくないという問題点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題点を解決して、分子量分布が広
く、加工性が良好なシンジオタクティシティーの高いポ
リ−α−オレフィンを生産性よく高活性で製造する方法
について鋭意検討し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は(A)遷移金属化合物と(B)アルミ
ノキサンからなる触媒を用いてα−オレフィンを重合ま
たは共重合する方法において、(A)遷移金属化合物と
して、シクロペンタジエニル基とフルオレニル基が炭化
水素基を介して結合した化合物を配位子とする周期律表
IV B族の遷移金属化合物を少なくとも2種組み合わせて
使用し、その際少なくとも1つの種類がシクロペンタジ
エニル基とフルオレニル基がシクロアルキリデン基を介
して結合した化合物を配位子とする周期律表IV B族の遷
移金属化合物であることを特徴とする幅広い分子量分布
を有するシンジオタクチックポリα−オレフィンの製造
方法である。
本願発明の方法の採用によって得られるシンジオタク
チックポリ−α−オレフィンのGPC(ゲル・パーミエイ
ションクロマトグラフィー)で測定した分子量分布指数
Mw/Mnが4以上、特に4〜20程度と分子量分布の広くな
り、溶融物の流動性及び加工性が良好なシンジオタクチ
ックポリ−α−オレフィンがえられる。
本発明において使用されるシクロペンタジエニル基と
フルオレニル基が炭化水素基を介して結合した化合物を
配位子とする周期律表IV B族の遷移金属化合物とは、一
般式(I) で示される化合物である。一般式(I)におけるA1はシ
クロペンタジエニル基、A2はフルオレニル基である。A3
はアルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキリデン
基、好ましくはアルキリデン基、シクロアルキリデン
基、さらに好ましくはシクロアルキリデン基である。
R1、R2はアリール基、アルキル基、シクロアルキル基ま
たはハロゲン原子、水素原子、シリル基である。Mはチ
タン、ジルコニウム、ハフニウムであり好ましくはジル
コニウム、ハフニウムである。
本発明における(A)成分である遷移金属化合物の具
体例としては例えば、エチレン(シクロペンタジエニル
−1−フルオレニル)チタニウムジメチル、エチレン
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニ
ウムジメチル、エチレン(シクロペンタジエニル−1−
フルオレニル)ハフニウムジメチル、エチレン(シクロ
ペンタジエニル−1−フルオレニル)チタニウムジクロ
リド、エチレン(シクロペンタジエニル−1−フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(シクロペン
タジエニル−1−フルオレニル)ハウニウムジクロリ
ド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−1−フ
ルオレニル)チタニウムジメチル、イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニ
ウムジメチル、イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル−1−フルオレニル)ハウニウムジメチル、イソプロ
ピリデン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)
チタニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペン
タジエニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−1−フ
ルオレニル)ハウニウムジクロリド、シクロヘキシリデ
ン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)チタニ
ウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエ
ニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イ
ソプロピリデン(シクロペンタジエニル−1−フルオレ
ニル)ハフニウムジクロリド、シクロブチリデン(シク
ロペンタジエニル−1−フルオレニル)チタニウムジメ
チル、シクロブチリデン(シクロペンタジエニル−1−
フルオレニル)ジルコニウムジメチル、シクロブチリデ
ン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ハフニ
ウムジメチル、シクロブチリデン(シクロペンタジエニ
ル−1−フルオレニル)チタニウムジクロリド、シクロ
ブチリデン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、シクロブチリデン(シク
ロペンタジエニル−1−フルオレニル)ハフニウムジク
ロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル−
1−フルオレニル)チタニウムジメチル、シクロヘキシ
リデン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジ
ルコニウムジメチル、シクロヘキシリデン(シクロペン
タジエニル−1−フルオレニル)ハフニウムジメチル、
シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル−1−フル
オレニル)チタニウムジクロリド、シクロヘキシリデン
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド、シクロヘキシルデン(シクロペンタジ
エニル−1−フルオレニル)ハフニウムジクロリドなど
を挙げることができる。
シクロアルキリデン(シクロペンタジエニル−1−フ
ルオレニル)基を配位子とする遷移金属化合物の合成経
路は例えばシクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル
−1−フルオレニル)基を配位子とする場合は下記のよ
うに示される。
C13H10+MeLi→LiC13H9+CH4 ……(1) LiC13H9+C6H10=C5H4+HCl→ C6H10(C5H5)C13H9+LiCl ……(2) C6H10(C5H5)C13H9+2BuLi→ Li2[C6H10(C5H4)C13H8] ……(3) Li2[C6H10(C5H4)C13H8]+MX4→ [C6H10(C5H4)C13H8]MX2 ……(4) (ここでXはハロゲン原子であり、Mはチタン、ジルコ
ニウム、ハフニウムである) 上記反応式(2)で使用される6、6−ペンタメチレ
ンフルベンすなわちC6H10=C5H4の製法は公知である。
(J.Org.Chem.、1984.49.1849−1853)。
シクロヘキシリデン(シクロペンタジエン−1−フル
オレン)と同様に炭素数4〜10のシクロアルキリデン
(シクロペンタジエン−1−フルオレン)、例えばシク
ロブテニリデン(シクロペンタジエン−1−フルオレ
ン)、シクロデカニリデン(シクロペンタジエン−1−
フルオレン)等も合成することができる。
配位子としてシクロアルキリデン(シクロペンタジエ
ン−1−フルオレン)を配位子とした場合は触媒活性の
経時変化が無く特に好ましい結果を与える。
上記反応経路にしたがって得られたシクロヘキシリデ
ン(シクロペンタジエン−1−フルオレン)を配位子と
する遷移金属化合物の合成方法について以下に述べる。
このようなシクロアルキリデン(シクロペンタジエン
−1−フルオレン)のジアルカリ金属化はシクロアルキ
リデン(シクロペンタジエン−1−フルオレン)とアル
カリ金属又は有機アルカリ金属化合物とを反応すること
によって行なうことができる。その際に使用する溶媒と
してはジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、ジメ
トキシエタンなどのエーテル類、ヘプタン、ヘキサン、
ペンタンなどの飽和炭化水素化合物を使用することがで
きる。シクロアルキリデン(シクロペンタジエン−1−
フルオレン)に対するアルカリ金属または有機アルカリ
金属化合物の使用割合は2.0〜10.0、好ましくは2.0〜4.
0モル比、反応温度は−100〜150℃、好ましくは−90℃
〜90℃の範囲である。
例えば上記方法によってシクロアルキリデン(シクロ
ペンタジエン−1−フルオレン)をアルキルリチウムで
ジリチウム化し、シクロアルキリデン(シクロペンタジ
エニル−1−フルオレニル)ジリチウムとし次の反応に
用いる。
Li2[A3(C5H4)C13H8](A3炭化水素残基)とMX4
の反応において使用される溶媒としては例えば、クロロ
ホルム、塩化メチレンなどのハロゲン炭化水素、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素の他に、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
などのエーテル類も使用することができる。
また反応を行う際のLi2[A3(C5H4)C13H8]/MX4のモ
ル比は0.9〜3.0好ましくは1.0〜1.5である。反応温度は
−100℃〜100℃、好ましくは−90℃〜50℃の範囲であ
る。また、これにより生成した[A3(C5H4)C13H8]MX2
(Xはハロゲン原子)におけるXは、一般式RLi(但し
Rは炭素数1〜10の炭化水素基を示す)で示される有機
リチウム化合物、例えばメチルリチウムなどのアルキル
リチウムと反応させることより容易にアルキル基に置換
される。
その際に使用する溶媒としては例えば、クロロホル
ム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素の他に、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
などのエーテル類も使用することができる。また反応を
行う際の[A3(C5H4)C13H8]MX2に対するRLiの使用モ
ル比は1.0〜100好ましくは1.0〜3.0である。反応温度は
−100℃〜100℃、好ましくは−90℃〜80℃の範囲であ
る。
生成した化合物(I)は再結晶あるいは昇華により精
製することができる。
上記方法によって炭素数4〜10のシクロアルキリデン
(シクロペンタジエン−1−フルオレン)、例えばシク
ロブテニデン(シクロペンタジエン−1−フルオレ
ン)、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエン−1−
フルオレン)、シクロデカニリデン(シクロペンタジエ
ン−1−フルオレン)等を配位子とする各種遷移金属化
合物を合成することができる。
上記遷移金属化合物を2種以上組み合わせる方法、例
えばジルコニウムとハフニウム、チタンとジルコニウム
などのように異なった金属の組み合わせでも良いし、ま
た同じ金属で配位子の異なる遷移金属化合物を組み合わ
せでも利用することができる。この際肝要なのは、少な
くとも1つの種類として、シクロアルキリデン基を介し
てシクロペンタジエニル基とフルオレル基が結合した化
合物を配位子とする周期律表IV B族の遷移金属化合物を
用いることである。使用される遷移金属化合物のうち最
も使用モル数の少ない遷移金属化合物の使用モル数を1
モルとしたときの、その他の遷移金属化合物の使用割合
は1〜200モル倍、好ましくは1〜100モル倍である。
本発明において使用される触媒のうち(B)成分であ
るアルミノキサンとしては一般式 (ここでRは炭素数1〜3の炭化水素基、nは2以上の
整数を示す。) で表わされる化合物であり、特にRがメチル基であるメ
チルアミノキサンでnが5以上、好ましくは10以上のも
のが利用される。
上記アルミノキサンの製造法は公知であり例えば、結
晶水を含む塩類(硫酸銅水和物、塩化マグネシウム水和
物など)に炭化水素中、トリアルキルアルミニウムを添
加して反応させる方法、あるいは有機化合物溶媒中でト
リアルキルアルミニウムと水を直接反応させる方法など
を例示することができる。
上記触媒成分(A)及び/または(B)はそのままで
も、チーグラー型触媒を担持する公知の担体上に担持し
て使用してもよい。
上記遷移金属触媒中の全金属に対するアルミノキサン
の使用割合としては10〜10000モル倍、通常50〜5000モ
ル倍である。本発明において重合の際に供給されるα−
オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどの炭素数
3〜25のα−オレフィンを挙げることができる。
本発明においては、α−オレフィンの単独重合のみな
らずシンジオタクチック構造を表わす限り、例えばプロ
ピレンとエチレン、プロピレンと1−ブテンなどの炭素
数2〜25程度のエチレンまたはα−オレフィンの共重合
体を製造する際にも利用できる。
重合、または共重合に際し使用される炭化水素媒体と
しては例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロヘ
キサンなどの飽和炭化水素の他にベンゼン、トルエン、
キサレンなどの芳香族炭化水素原料であるα−オレフィ
ンも使用することができる。
また、重合条件については特に制限はなく不活性炭化
水素媒体を用いる溶媒重合法(懸濁重合、溶液重合)ま
たは実質的に不活性炭化水素媒体の存在しない条件で重
合する塊状重合法、気相重合法も利用できる。
重合温度としては−100〜200℃、重合圧力としては常
圧〜100kg/cm2で行うのが一般的である。好ましくは−5
0〜100℃、常圧〜50kg/cm2である。
また、本願発明の方法で生成するポリマーの分子量を
調整するために水素などの分子量調節剤を添加して重合
することもできる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例によって説明する。
実施例1 遷移金属化合物の合成 上方により合成したイソプロピリデン(シクロペンタ
ジエン−1−フルオレン)をリチウム化し四塩化ジルコ
ニウムと反応することによってイソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリドを得た。同様にイソプロピリデン(シクロペン
タジエン−1−フルオレン)のリチウム塩と四塩化ハフ
ニウムを反応することによってイソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル−1−フルオレニル)ハフニウムジク
ロリドを得た。シクロヘキシリデン(シクロペンタジエ
ン−1−フルオレン)をリチウム化し、四塩化ジルコニ
ウムと反応させることによってシクロヘキシリデン(シ
クロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリドを以下の方法によって合成した。
[シクロヘキシリデン(シクロペンタジエン−1−フル
オレン)] 充分に窒素置換した300mlガラス製フラスコ中にフル
オレン11.4gをテトラドロフラン150mlに溶解させた。こ
の溶液にメチルリチウムのエーテル溶液70ミリモルを−
78℃で滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温まで上昇
させ、そのままの温度で3時間撹拌した。この反応溶液
にテトラヒドロフラン50mlで希釈した6、6−ペンタメ
チレンフルベン10g(J.Org、Chem.、1984.49.1849−185
3に記載された方法によって合成した)を滴下した。滴
下終了後、反応温度を室温まで上昇させ、さらに10時間
撹拌を続けた。3.6%塩酸水200mlを装入することにより
反応を停止し、エーテル層を水洗、蒸発乾固させること
により黄白色の固体を得た。この固体をアセント100ml
で洗浄することにより白色のシクロヘキシリデン(シク
ロペンタジエン−1−フルオレン)12.4gを得た。
この化合物の物性値を下に示す。
元素分析値 C24H24 C H 計算値(%): 92.31 7.69 実測値(%): 92.22 7.72 [シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル−1−フ
ルオレニル)ジルコニウムクロリド] 上記合成したシクロヘキシリンデン(シクロペンタジ
エン−1−フルオレン)をn−ブチルリチウムでリチウ
ム化することにより、シクロヘキシリデン(シクロペン
タジエン−1−フルオレン)のジリチウム塩を調整し
た。次に充分窒素置換した500mlガラス製フラスコに四
塩化ジルコニウム5.5gを塩化メチレン100mlに懸濁させ
た。この懸濁液に−78℃で溶解させたシクロヘキシルデ
ン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジリチ
ウムの塩化メチレン溶液300mlを−78℃で導入した。−7
8℃で4時間撹拌した後、室温まで昇温し、その温度で
さらに15時間反応を続けた。塩化リチウムの白色沈澱を
含む赤褐溶液を濾別し、赤褐色濾液を濃縮し、−30℃で
24時間冷却することによって赤色結晶のシクロヘキシリ
デン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジル
コニウムクロリド2.3gを得た。
この化合物の物性値を下に示す。
元素分析値 C24H22ZrCl2 C H Cl 計算値(%): 61.00 4.66 15.00 実測値(%): 60.98 4.66 15.01 同様にしてシクロヘキシリデン(シクロペンタジエン
−1−フルオレン)のリチウム塩と四塩化ハウニウムを
反応させることによってシクロヘキシリデン(シクロペ
ンタジエニル−1−フルオレニル)ハフニウムジクロリ
ドを得た。
〔触媒溶液の調整〕
以下のようにして触媒溶液A、B、C、Dを調整し
た。
触媒溶液A 上記合成したイソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド10mgを
トルエン10mgに溶解した。この溶液に更に東ソー・アク
ゾ(株)製メチルアルミノキサン(重合度17.7)1.3gを
加えることによって紫色の触媒溶液Aを調製した。
触媒溶液B 上記合成したイソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル−1−フルオレニル)ハフニウムジクロリド20mgをト
ルエン20mlに溶解した。この溶液にメチルアルミノキサ
ン2.2gを加えることにより赤色の触媒溶液Bを調製し
た。
触媒溶液C 上記合成したシクロヘキシリデン(シクロペンタジエ
ニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド10mg
をトルエン10mgに溶解した。この溶液にエチルアルミノ
キサン1.2gを加えることにより紫色の触媒溶液Cを調製
した。
触媒溶液D 上記合成したシクロヘキシリデン(シクロペンタジエ
ル−1−フルオレニル)ハフニウムジクロリド20mgをト
ルエン20mlに溶解した。この溶液にメチルアルミノキサ
ン2.1gを加えることにより赤色の触媒溶液Dを調製し
た。
〔重合方法〕
2オートクレーブを窒素置換した後、ペンタン1
装入し、上記調製した触媒溶液Cをジルコニウム原子換
算で9.5×10-4ミリモル、触媒溶液Dをハフニウム原子
換算で5.7×10-3ミリモル加えた。プロピレンを加えて
系内を9kg/cm2に保ちながら40℃で1時間重合を行っ
た。重合後スラリーを取り出し、ヘプタン1を加え、
濾過、乾燥することによりシンジオタクチックポリプロ
ピレン116.3gを得た。また濾液を減圧留去して溶媒を取
り除くと、溶媒に可溶な成分は0.1gであった。パウダー
の135℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度(以下η
と略記する)は2.11dl/g、GPCで測定したMw/Mnは6.4、
13C−NMRによって測定したシンジオタクチックペンタッ
ド分率は0.90であった。
比較例1 実施例1の〔触媒溶液の調製〕で得た触媒溶液Aのみ
をジルコニウム原子換算で4.6×10-3ミリモル使用した
以外は実施例1の〔重合方法〕と同様にして重合を行っ
た。得られたポリマーは溶媒不溶分122.4g、可溶分0.2g
であった。パウダーのηは1.36、Mw/Mnは2.213C−NMRで
測定したシンジオタクチックペンタッド分率は0.90であ
った。
比較例2 実施例1の〔触媒溶液の調整〕で得た触媒溶液Bのみ
をハフニウム原子換算で4.6×10-3ミリモル使用した以
外は実施例1の〔重合方法〕と同様にして重合を行っ
た。得られたポリマーは、溶媒不溶分35.8g、可溶分0.1
gであった。パウダーのηは4.74dl/g,Mw/Mnは2.8であっ
た。
比較例3 実施例1の〔触媒溶液の調製〕で得た触媒溶液Cのみ
をジルコニウム原子換算で4.6×10-3ミリモル使用した
以外は実施例1の〔重合方法〕と同様にして重合を行っ
た。得られたポリマーは溶媒溶分109.8g、可溶分0.1gで
あった。パウダーのηは1.20dl/g、Mw/Mnは2.1であっ
た。
比較例4 実施例1の〔触媒溶液の調製〕で得た触媒溶液Dのみ
をハフニウム原子換算で4.6×10-3ミリモル使用した以
外は実施例1の〔重合方法〕と同様にして重合を行っ
た。得られたポリマーは、溶媒不溶分41.7g,可溶分0.1g
であった。パウダーのηは4.61dl/g、Mw/Mnは2.6であっ
た。
実施例2 実施例1の〔触媒溶液の調整〕で得た触媒溶液Aをジ
ルコニウム原子換算で2.3×10-4ミリモル、触媒溶液C
をジルコニウム原子換算で2.3×10-3ミリモル使用した
以外は実施例1の〔重合方法〕と同様にして重合を行っ
た。得られたポリマーは溶媒不溶分120.5g、可溶分0.1g
であった。パウダーのηは1.23dl/g、Mw/Mnは4.1であっ
た。
〔発明の効果〕 本発明の方法を実施することで幅広い分子量分布を有
するインジオタクチックポリ−α−オレフィンを安定し
た性能で製造することができ、工業的に極めて価値があ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 小林 均 (56)参考文献 特開 平2−41303(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70 C08F 10/00 - 10/14 C08F 110/00 - 110/14 C08F 210/00 - 210/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)遷移金属化合物と(B)アルミノキ
    サンからなる触媒を用いてα−オレフィンを重合または
    共重合する方法において、(A)遷移金属化合物とし
    て、シクロペンタジエニル基とフルオレニル基が炭化水
    素基を介して結合した化合物を配位子とする周期律表IV
    B族の遷移金属化合物を少なくとも2種組み合わせて使
    用し、その際少なくとも1つの種類がシクロペンタジエ
    ル基とフルオレニル基がクロアルキリデン基を介して結
    合した化合物を配位子とする周期律表IV B族の遷移金属
    化合物であることを特徴とする幅広い分子量分布を有す
    るシンジオタクチック−α−オレフィンの製造方法。
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