JP2836680B2 - ポリカーボネート樹脂よりなる光ディスク基板の製造法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂よりなる光ディスク基板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、光学的特性の優
れた光ディスク基板の製造に用いられる材料、特に透明
性が優れ、光学的な歪みが小さい成形物を製造する方法
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】光ディスク基板に使用する成形物、例え
ば、板状、シート状の成形物は透明であると共に光学的
歪みの小さいものであることが必要とされる。特にディ
ジタル信号を利用して光情報材料として供する場合、例
えばディジタルオーディオディスク、ディジタルビデオ
ディスク、更には情報読み取り、書き込みを目的とした
ディスクにおいては透明性の要求が極めて厳格であり、
光学的歪みについては実成形品において位相差にしてシ
ングルパス±20nmの範囲内であることが要求され
る。 【0003】かつ、かかるディスクにおいては、反りが
ないこと、耐熱性に優れていること等も要求されてい
る。このような成形物を工業的に製造するには、透明
性、寸法安定性、耐熱性等に優れているポリカーボネー
ト樹脂を用い射出成形法によって成形を行なうのが有利
である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしポリカーボネー
ト樹脂は、溶融粘度が高い為、通常の成形条件では複屈
折が大きくなる欠点を有している。そこで溶融粘度を下
げるべく、分子量を下げたり、成形時に溶融樹脂温度を
上げる等の方法により複屈折を小さくする検討はなされ
ているが、いまだに充分な解決には至っていない。更に
は、ポリカーボネート樹脂からなる基板の複屈折は経時
変化を受け易く、長時間連続使用される製品に於いては
トラブル発生の原因となる可能性が高い。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らはポリカーボ
ネートよりなる光ディスク基板の持つ上記の欠点を解決
すべく鋭意検討した結果、特定の射出成形条件で成形し
た後、特定の条件で熱処理をほどこすことにより複屈折
が極めて小さく、かつ経時変化もない光ディスク基板を
得られることを見い出し、本発明に到達した。 【0006】すなわち本発明は、複屈折が小さくまた経
時変化もない基板を製造することを目的とするものであ
る。ポリカーカーボネート樹脂を用いて光ディスク基板
を製造するに当たり、平均分子量が9,000〜22,
000のポリカーボネート樹脂に亜リン酸エステルを
0.01〜2.0重量%含有させたものを原料とし、第
1工程では、樹脂温度300〜400℃、金型温度50
〜150℃で射出成形し、複屈折が−40〜−8nmの
範囲の基板を成形し、第2工程では、示差走査熱量計で
測定した樹脂のガラス転移温度をT℃とした時、(T−
85)℃から(T−15)℃の温度範囲で、1分以上熱
処理して複屈折を4nmより大きく変化させ、複屈折が
−20〜+20nmの基板を得ることを特徴とするポリ
カーボネート樹脂よりなる光ディスク基板の製造法によ
り達成される。 【0007】以下本発明を具体的に説明する。本発明で
使用するポリカーボネート樹脂は、一種または二種以上
のビスフェノール類とホスゲンまたはジフェニルカーボ
ネートのような炭酸エステルとを反応させることにより
製造されるものである。ここでビスフェノール類として
は具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニ
ルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ジベンジルメタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イ
ソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−セカンダリーブチルフェニル)プロパ
ン、4,4′−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン等が挙げられる。 【0008】かかるビスフェノール類とホスゲンからポ
リカーボネート樹脂を製造する方法は具体的には塩化メ
チレン、1,2−ジクロルメタンなどの不活性溶媒存在
下、一種または二種以上のビスフェノール類に酸受容体
としてアルカリ水溶液またはピリジン等を入れ、ホスゲ
ンを導入しながら反応させる。酸受容体としてアルカリ
水溶液を使う時は触媒としてトリメチルアミン、トリエ
チルアミン等の第3級アミンあるいは、テトラブチルア
ンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウム
ブロミド等第4級アンモニウム化合物を用いると反応速
度が増大する。また必要に応じて分子量調節剤としてフ
ェノール、p−ターシャリーブチルフェノール等一価の
フェノールを共存させる。反応温度は0〜100℃であ
る。触媒は最初から入れてもよいしオリゴマーを造った
後に入れて高分子量化する等任意の方法がとれる。尚、
二種以上のビスフェノール化合物により共重合体を製造
する場合は(イ)最初に同時にホスゲンと反応させて重
合する、(ロ)一方をまずホスゲンと反応させ、ある程
度反応を行なった後他方を入れて重合する、(ハ)別々
にホスゲンと反応させて各々のオリゴマーをつくり、そ
れらを反応させて重合する、等任意の方法がとれる。 【0009】更に本発明で使用するポリカーボネート樹
脂は、別途重合した二種以上のビスフェノール類からな
る異なる構造の二種以上の樹脂を混合したものでもよ
い。この方法としては、それぞれの粉末あるいは粒状物
を混合した後、押出機、ニーダー、混練ロール等で溶融
状態にして混合する方法、溶液ブレンド法等任意の方法
がとれる。本発明に使用するポリカーボネート樹脂の平
均分子量は9,000〜22,000である必要があ
り、好ましくは9,500〜18,000程度である。
ここで言う平均分子量とはポリマー6.0g/lの塩化
メチレン溶液を用い20℃で測定されるηspから下記の
式−1および式−2より求められる値である。 【0010】 【数1】【0011】式中 C:ポリマー濃度(g/l) 〔η〕:極限粘度 K′:0.28 K:1.23×10-5 α :0.83 M :平均分子量 すなわち平均分子量があまり高いと、光学的歪の少ない
成形物を製造する為には、400℃を超える樹脂温度で
成形を行なうことが必要となり、このような高温では樹
脂の分解を避けることができず、成形物の表面にシルバ
ーストリークを生ずるとか、着色を招く等の不都合があ
る。 【0012】一方、平均分子量があまり低いと、光学的
歪の少ない成形物を得ることはできるが、樹脂の強度が
低く成形時の金型から離型の際に破損し易く、また成形
物が得られても機械的強度は小さい。なお、本発明で使
用するポリカーボネート樹脂を射出成形する際には亜リ
ン酸エステル類を樹脂に対して0.01〜2.0重量%
添加する。これは樹脂の分解による着色、透明性の低下
を抑制する上で好ましい。 【0013】かかる亜リン酸エステルの具体例として
は、トリブチルホスファイト、トリス−(2−エチルヘ
キシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリ
ステアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、
トリクレジルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)
ホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファ
イト、デシルジフェニルホスファイト、フェニルジ−2
−エチルヘキシルホスファイト、フェニルジデシルホス
ファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、ジステア
リルペンタエリスリチルホスファイト、ジフェニルペン
タエリスリチルホスファイト等が挙げられる。 【0014】本発明においては、上記の様にして得られ
たポリカーボネート樹脂を第一工程において樹脂温度3
00〜400℃、金型温度50〜150℃で射出成形す
る。この成形において樹脂温度をあまり高くすると樹脂
の分解が避けられなくなり、着色、シルバーストリーク
の発生を招き透明性が劣るようになる。逆に樹脂温度を
あまりに低くすると、光学的歪の発生しにくい本発明の
ポリカーボネート樹脂を使用しても、光学的歪の小さい
成形物を得ることができなくなる。好ましい樹脂温度は
300〜400℃程度である。 【0015】更に、この成形において金型温度は50〜
150℃、好ましくは60〜145℃程度である。金型
温度が高すぎると離型時の変形が大きくなり、反りの小
さい成形物が得られなくなる。逆にあまり低いと、光学
的歪の小さい成形物が得られなくなる。尚、この第1工
程では複屈折の値として−40nm〜−8nmの範囲に
入っていることが必要である。 【0016】次に本発明の第2工程では、第1工程で得
られた基板を熱処理する。ここで熱処理温度は、示差走
査熱量計で測定した樹脂のガラス転移温度をT℃とした
時(T−85)℃から(T−15)℃の範囲内である。
すなわち(T−85)℃よりも低い温度で熱処理した場
合には複屈折の経時変化を解決できない。一方、(T−
15)℃よりも高い温度で熱処理した場合、射出成形時
にスタンパーより転写されたグループやピットの形状が
変化してしまうので好ましくない。また熱処理時間は1
分以上、好ましくは3分以上行なう必要がある。すなわ
ち、あまり短時間では複屈折の経時変化を解決できな
い。 【0017】かかる熱処理は熱風乾燥機、熱風トンネ
ル、真空乾燥機等を所定の温度に設定し、所定の時間基
板を滞留させることにより達成される。この熱処理によ
り複屈折を4nmより大きく変化させる。熱処理後の複
屈折は−20nmから+20nmの範囲内にする。本発
明によるポリカーボネート樹脂は光ディスク用材料とし
て有用である。ここで、光ディスクとは、コンパクトデ
ィスク、レーザーディスク等の再生専用型;文書ファイ
ル、静止画ファイル、動画ファイルとして使用されるラ
イトワンス型;光磁気ディスク等のイレザブル型のもの
を含む。このうちとくに耐熱性が要求される分野、例え
ばイレザブル型の光ディスクに好適である。 【0018】 【実施例】以下に実施例により詳細に説明する。尚、以
下の例中「部」はすべて「重量部」を示す。また物性の
測定値は以下の方法によって測定した値を用いた。 (イ)複屈折(Δn) 厚さ1.2mm、直径130mmのディスクの中央から
2.8cmの位置での複屈折を溝尻光学社製エリプリメ
ーターを用いて測定した。 (ロ)ガラス転移温度(T) パーキンエルマー社製 示差走査熱量計を用いて測定し
た。 (ハ)グルーブ溝深さ ランクテーラーホブソン社製 タリステップを用いて測
定した。 【0019】<ポリカーボネート樹脂の製造例A>5%
水酸化ナトリウム水溶液にビスフェノールAを溶解して
調製した ビスフェノールAナトリウム塩13%の水溶液 100 部 p−ターシャリーブチルフェノール 0.35部 2%トリエチルアミン水溶液 2.44部 塩化メチレン 539 部 を混合撹拌し、これにホスゲン56.8部を導入しなが
ら界面重合を行なった。反応混合物を分液し、ポリカー
ボネート樹脂を含有する塩化メチレン溶液を、水、塩酸
水溶液、次いで水を用いて洗浄し、塩化メチレンを蒸発
させて平均分子量15,500のポリカーボネート樹脂
を得た。 【0020】<ポリカーボネート樹脂の製造例B> (イ)オリゴマーの製造 1,1 −ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン 100部 水酸化ナトリウム 40部 水 600部 塩化メチレン 375部 上記混合物を撹拌機付反応器に仕込み800rpmで撹
拌した。これにホスゲン57部を1時間の間に吹き込
み、界面重合を行なった。反応終了後ポリカーボネート
オリゴマーを含有する塩化メチレン溶液のみを捕集し
た。得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液の分析結果
は下記のとおりであった。 オリゴマー濃度 22.5重量% (注1) 末端クロロホーメート基濃度 0.42規定 (注2) 末端フェノール性水酸基濃度 0.020規定 (注3) 【0021】以上の方法で得られたオリゴマー溶液を、
以下オリゴマー溶液−aと略称する。 注1)蒸発乾固させて測定。 注2)アニリンと反応させて得られるアニリン塩酸塩を
0.2規定水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定。 注3)四塩化チタン、酢酸溶液に溶解させたときの発色
を546nmで比色定量。 【0022】 (ロ)ポリカーボネートの製造 ポリカーボネートオリゴマー溶液−a 140 部 p−ターシャリーブチルフェノール 1.9部 塩化メチレン 80 部 上記混合物を撹拌機付反応器に仕込み550rpmで撹
拌した。更に下記組成の水溶液、すなわち、 水酸化ナトリウムの7.3%水溶液 80部 トリエチルアミンの2%水溶液 1部 を加え、3時間界面重合を行ない反応混合物を分液し、
ポリカーボネート樹脂を含む塩化メチレン溶液を、水、
塩酸水溶液、ついで水を用いて洗浄し、最後に塩化メチ
レンを蒸発させて樹脂を取り出した。この樹脂の平均分
子量は11,200であった。 【0023】<ポリカーボネート樹脂の製造例C> (イ)オリゴマーの製造 水酸化ナトリウム水溶液にビスフェノールAを溶解して
調整した ビスフェノールAナトリウム塩の16.6%水溶液 100 部 p−ターシャリーブチルフェノール 0.23部 塩化メチレン 40 部 ホスゲン 7 部 上記組成の混合物を定量的にパイプリアクターへ供給
し、界面重合を行なった。反応混合物を分液し、ポリカ
ーボネートオリゴマーを含有する塩化メチレン溶液のみ
を捕集した。 【0024】得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液の
分析結果は下記のとおりであった。 オリゴマー濃度 24.5重量% 末端クロロホーメート基濃度 1.3規定 末端フェノール性水酸基濃度 0.3規定 以上の方法で得られたオリゴマー溶液を以下オリゴマー
溶液−bと略称する。 【0025】 (ロ)ポリカーボネートの製造 ポリカーボネートオリゴマー溶液−b 370 部 p−ターシャリーブチルフェノール 1.0部 塩化メチレン 300 部 上記混合物を、攪拌機付反応器に仕込み、550rpm
で撹拌した。更に下記組成の水溶液、すなわち、 2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンの ナトリウム塩の17%水溶液 200部 水酸化ナトリウムの25%水溶液 20部 トリエチルアミンの2%水溶液 2部 を加え、約1.5時間界面重合を行ない、反応混合物を
分液し、ポリカーボネート樹脂を含む塩化メチレン溶液
を、水、塩酸水溶液、ついで水を用いて洗浄し、最後に
塩化メチレンを蒸発させて樹脂を取り出した。この樹脂
の平均分子量は17,000であり、NMRの分析結果
から共重合されている2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)プロパンの量は30.5重量%で
あった。 【0026】 【表1】 【0027】<ポリカーボネート樹脂の製造例D>p−
ターシャリーブチルフェノールの量を0.22部に減少
させた以外は製造例Aと同様に重合を行ない、平均分子
量23500のポリカーボネートを得た。 実施例1 製造例Aで製造したポリカーボネート樹脂フレーク10
0部にトリスノニルフェニルホスファイト0.05部を
混合し、40mmφベント付押出機を用いて260℃で
溶融混練した後押し出しペレット化した。このペレット
を射出成形機(名機社製 M−140A)を用い金型可
動側にグルーブ付スタンパーを取り付け、樹脂温度37
0℃、金型温度110℃にて厚さ1.2mm、直径13
0mmの円盤状に成形した。 【0028】かかる基板(A)の複屈折は−25nmで
あり、グルーブ溝深さは720Åであった。この基板
(A)を80℃恒温熱風乾燥機中で60分熱処理した基
板(B)の複屈折は、2nmと極めて小さく、またグル
ーブ溝深さは、720Åと変わらなかった。更に、基板
(B)を50℃−90%RHの恒温恒湿槽に480時間
滞留させた基板(C)の複屈折は2nm、グルーブ溝深
さは720Åであり経時変化は全くなかった。 【0029】比較例1 実施例1で得られた基板(A)を熱処理しないで実施例
1と同条件下480時間保持したところ複屈折は−5n
mと大きく経時変化してしまった。 比較例2 実施例1で得られた基板(A)をガラス転移温度より3
℃低い145℃で60分、実施例1と同様に熱処理した
ところグルーブ溝が200Åとなってしまった。 【0030】比較例3 実施例1で得られた基板(A)をガラス転移温度より9
8℃低い50℃で60分実施例1と同様に熱処理した基
板(B)の複屈折は−22nmと熱処理前後でほとんど
変わらなかった。この基板(B)を実施例1と同条件下
480時間保持したところ、複屈折は−4nmと大きく
経時変化してしまった。 【0031】比較例4 実施例1で得られた基板(A)を、80℃で30秒、実
施例1と同様に熱処理した基板(B)の複屈折は−21
nmであった。この基板(B)を実施例1と同条件下4
80時間保持したところ複屈折は−4nmと大きく経時
変化してしまった。 【0032】比較例5 実施例1で製造例Aのポリカーボネートの代わりに、製
造例Dで得たポリカーボネートを用いた以外は実施例1
と同様にして基板の成形を行い、実施例1と同様に熱処
理を行なった。基板の成形直後の複屈折は+35nmで
あり、グルーブ溝深さは720Åであった。熱処理後の
基板の複屈折は55nmであり、大変大きかった。 実施例2、3 実施例1で得られた基板(A)を表−2に示した温度及
び時間の条件で熱処理した基板(B)の複屈折は極めて
小さく、また基板(C)においては経時変化もなかっ
た。 【0033】 【表2】 【0034】実施例4 製造例Bで製造したポリカーボネート樹脂100部にト
リスノニルフェニルホスファイト0.04部を混合し、
40mmφベント付押出機を用いて270℃で溶融混練
した後、押し出しペレット化した。このペレットを実施
例1と同様の操作で樹脂温度385℃、金型温度135
℃にて成形した。 【0035】かかる基板(A)の複屈折は−8nmであ
り、グルーブ溝深さは680Åであった。この基板
(A)を110℃で60分、実施例1と同様に熱処理し
た基板(B)の複屈折は3nm(変化量11nm)と極
めて小さく、またグルーブ溝深さは680Åと変わらな
かった。更に、基板(B)を実施例1と同条件下、48
0時間保持したところ、複屈折の経時変化は全くなかっ
た。 【0036】実施例5 製造例Cで製造したポリカーボネート樹脂100部に2
−エチルヘキシルジフェニルホスファイト0.05部を
混合し、40mmφベント付押出機を用いて260℃で
溶融混練した後、押し出しペレット化した。このペレッ
トを実施例1と同様の操作で樹脂温度350℃、金型温
度100℃にて成形した。かかる基板(A)の複屈折は
−30nmであり、グルーブ溝深さは730Åであっ
た。 【0037】この基板(A)を80℃で60分、実施例
1と同様に熱処理した基板(B)の複屈折は1nm(変
化量31nm)と極めて小さく、またグルーブ溝深さは
730Åと変わらなかった。更に、基板(B)を実施例
1と同条件下480時間保持したところ、複屈折の経時
変化は全くなかった。 【0038】 【発明の効果】以上説明した様に、本発明の製造法によ
って得られる成形物は複屈折が極めて小さく、かつ複屈
折の経時変化もなく、光ディスク基板として用いるのに
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦部 宏 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 抜井 正博 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−126119(JP,A) 特開 昭61−20719(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.ポリカーボネート樹脂を用いて光ディスク基板を製
    造するに当たり、平均分子量が9,000〜22,00
    0のポリカーボネート樹脂に亜リン酸エステルを0.0
    1〜2.0重量%含有させたものを原料とし、第1工程
    では、樹脂温度300〜400℃、金型温度50〜15
    0℃で射出成形し、複屈折が−40〜−8nmの範囲の
    基板を成形し、第2工程では、示差走査熱量計で測定し
    た樹脂のガラス転移温度をT℃とした時、(T−85)
    ℃から(T−15)℃の温度範囲で、1分以上熱処理し
    て複屈折を4nmより大きく変化させ、複屈折が−20
    〜+20nmの基板を得ることを特徴とするポリカーボ
    ネート樹脂よりなる光ディスク基板の製造法。
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JPS58126119A (ja) * 1982-01-22 1983-07-27 Mitsubishi Chem Ind Ltd 光学的特性のすぐれた成形物の製造法
JPS6120719A (ja) * 1984-07-09 1986-01-29 Asahi Chem Ind Co Ltd 光デイスク用プラスチツク基板の製造方法

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JPH09225958A (ja) 1997-09-02

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