JP2509724B2 - 光学式ディスク基板の製造方法 - Google Patents
光学式ディスク基板の製造方法Info
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Description
ク基板を直接製造し、異物強度が低く高品質な光学式デ
ィスク基板を製造する方法に関する。
モリあるいは光磁気ディスク等のレーザ光を利用して情
報の記録及び/または再生を行なう光学式記録媒体にあ
っては、成形性,強度,光線透過率及び耐湿性の点で優
れているポリカーボネートが多く用いられている。
等)がビットエラーの発生に大きな影響を与えることが
知られている。
過程等においてフィルタで濾過するなどして異物の低減
化を図っており、例えば特開昭61−90345号あるいは同6
3−91231号に記載されているような技術が提案されてい
る。
中から異物を取り除くだけでは不十分であり、原料のペ
レット化工程における塵埃の混入防止あるいは押出成形
時における炭化物の生成,混入防止等を図らなければな
らないことから、特開昭58−126119号あるいは同61−95
914号に記載されているような技術も提案されている。
ーボネートフレークに酸化防止剤を配合してペレット化
したペレットを用いて光学式ディスク基板の成形を行な
うものである。しかし、この技術は、ペレット化の際の
溶融加熱により材料の熱劣化をもたらすとともに、ペレ
ット化工程における異物の混入を十分防止することがで
きないという問題があった。したがって、高性能化にも
おのずから限界があった。
タクリレート(MMA)を懸濁重合して得たビーズ状の透
明アクリル樹脂をペレット化することなく、そのまま射
出成形して光学式のディスク基板を製造するものであ
る。しかし、この技術は、耐熱性,耐湿性,強度の低い
アクリル系樹脂に応用可能なものであり、光学式ディス
ク用の材料として優れた性能を有するポリカーボネート
には、その重合法の違いからビーズ状ポリマーは得られ
ず、そのまま適用することはできないという問題点があ
った。
物の混入を少なくするとともに、熱履歴を少なくして樹
脂の熱分解を抑えることにより、異物強度の低い、すな
わち、記録媒体としたときのビットエラー率(BER)を
低減した光学式ディスク基板の製造方法の提供を目的と
する。
板の製造方法は、粘度平均分子量10000〜22000の未溶融
の粒状ポリカーボネートを射出成形して、異物強度が1
×105μm2/g以下のディスク基板を製造するようにして
ある。そして好ましくは、上記粒状ポリカーボネート
が、500〜2000μmの粒径からなるポリカーボネートで9
5wt.%以上をしめるようにしてあり、また上記粒状ポリ
カーボネートの嵩密度を0.6〜0.8g/cm3としてある。
ディスク基板を製造すると、材料自体の異物強度を低く
できるとともに、樹脂の熱履歴を一回だけとして樹脂の
熱分解を少なくし炭化物の混入を最小限に抑えることが
できるので、異物含量が少なくビットエラーの少ない高
性能な光学式ディスク基板を容易に得られる。
さからなる単位重量当りの異物の、各々の粒径の平方と
個数との積の和である。異物は、評価すべき材料(原料
または基板等)を大過剰の有機溶媒(特に塩化メチレ
ン)に溶解した溶液中に検出されるものである。異物強
度は、式 I=Σ{[1/2(di+di+1)]2 ×(ni−ni′)}÷W で表わされる。式中、Iは異物強度であり、diは第i番
目の粒径区分値(μm)であり、niは粒径di+1未満及び
粒径di以上であって溶液中に検出される異物の個数であ
り、ni′は使用前の溶液中に含まれている異物の個数で
あり、そしてWは材料の重量(g)である。
ある。
適当な数値のd10、d11等を用いる。
基板に種々の経由から入りこむ汚染物質、例えば不純
物、ダストまたは原料樹脂の炭化物を意味するが、塩化
メチレン不溶成分である“異物”から算出した前記の異
物強度を用いて光学式ディスク基板のビットエラー率を
正確に評価することができる。
式情報記録媒体用として十分信頼性のある光学式ディス
ク基板を得られる。
い一具体例について説明する。
ポリカーボネート樹脂を用いる。このとき、ポリカーボ
ネート樹脂は、粘度平均分子量10000〜22000、好ましく
は12000〜20000とし、従来一般に用いられて溶融ペレッ
ト化したものではなく、未溶融の粒状とする。
基板の強度,透明性,複屈折等の光学的性質の向上や均
一性を得るための良好な成形姓を確保するためである。
なく、例えば、粘度平均分子量が10000〜22000、好まし
くは12000〜20000のものであり、二価フェノールとホス
ゲンまたはジフェニルカーボネートのような炭酸エステ
ルとの反応により製造されるものである。二価フェノー
ル類としては、ハイドロキノン、4,4′−ジオキシフェ
ニル、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(ヒ
ドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(ヒドロキシ
フェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、及びこれらの低級アルキ
ル、ハロゲン等の置換体をあげることができるが、2,
2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以
下、ビスフェノールAという)、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−ヘキサフルオロプロパン等を使用すること
が好ましい。
混合して使用することもできる。
は、一部分枝構造といったものであってもよい。
トの製造時に、p−t−ブチルフェノールのような末端
停止剤の添加により行なうことができる。粘度平均分子
量が10000未満であるとディスク基板の強度が実用に耐
えられなくなり、22000を越えると成形性,光学的特性
の点で十分な性能を有するディスク基板を得られない。
溶液中のポリカーボネート樹脂の比粘度ηsp測定し、式 ηsp/C=[η](1+0.28ηsp) [ここで、Cはポリカーボネート樹脂濃度(g/)であ
る] および [η]=1.23×10-5Mv 0.83 によって算出することができる。
の方法により製造した後、溶液状態において濾過処理を
したり、粒状の原料を、例えば加熱条件下でアセトンな
どの貧溶媒で洗浄したりして低分子量成分や未反応成分
などの不純物や異物を除去することが好ましい。いずれ
にしても、射出成形前の原料は、異物,不純物,溶媒な
どの含有量を極力低くしておくことが必要である。
の添加剤を加えることも可能である。
粒径が500〜2000μmのものを95wt.%以上とすることが
好ましい。これは、粘度平均分子量が22000以下の場
合、一般的には微粉末ポリマーとなって、溶融時の脱
気、均一送りが不可能または困難で、安定して射出成形
できず良好なディスク基板を得られなくなるので、粒径
分布を上記のようにすることが好ましい。
のを95wt.%以上とすることがより好ましい。このよう
にすると、粒径分布が狭く、射出成形時のスクリュ可塑
化を、あたかも溶融ペレットであるかのごとく安定して
行なうことができる。
性,脱気性,計量性等を良くするために0.6〜0.8g/cm3
とすることが好ましい。
製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を含む)
を用いる。この射出成形機としては一般的に使用されて
いるものでよいが、炭化物の発生を少なくしディスク基
板の信頼性を高める観点からすると、シリンダ内壁面に
Co−Ni−Mo−Crからなる合金(例えばCo5〜80%、Ni5〜
80%、Mo0.1〜10%、Cr1〜20%からなる合金)ライニン
グを行なうとともに、スクリュ表面にTiCとTiNの二層コ
ーティングを行なったものを用いることが好ましい。
る合金ライニングや、スクリュの表面にTiCとTiNを二層
にコーティングすると、樹脂との非付着性や表面の耐蝕
性により、高温(400℃)になっても炭化物の発生を防
止できる。
温度は50〜140℃、好ましくは80〜130℃とする。
ラス転移温度以上に加熱して、樹脂射出成形後にディス
ク基板取り出し可能温度まで冷却するようにしてもよ
い。これにより、光学的に優れた基板を得ることができ
る。
サイズは、半径40〜170mm,厚み1〜3mmのものが多い。
また、光学式ディスク基板の異物強度は1×105μm2/g
以下となるようにし、ビットエラー率をさらに低減さ
せ、より確実な信頼性を得るためには5×104μm2/g以
下となるようにすることが好ましい。
ダ内壁面及びスクリュ表面に加工を施した射出成形機を
用いるか及び/または粒状ポリマーの製造過程におい
て、溶融状態で充分な水洗い,酸洗い,アルカリ洗いを
繰返したり、水や温水で粒状化し、さらに、アセトン等
の貧溶媒で洗浄し(必要により加熱)低分子量成分(分
子量3000以下)を5wt.%以下、未反応ビスフェノールA
などの不純物を20ppm以下、塩化メチレン等の溶剤を20p
pm以下とした粒状ポリカーボネートを用いることが効果
的である。
スク基板と、従来方法で製造した光学式ディスク基板の
性能を比較する。
度平均分子量15600,粒径分布700〜1400μmが96.5wt.
%,嵩密度0.68g/cm3]を用い、成形温度360℃,金型温
度120℃の条件下で、表1に表示の処理をした射出成形
機を使用して130mmφ×1.2mmの光学式ディスク基板を成
形した。
タリングにより形成し、ビットエラーの測定を行なっ
た。
1に示す。
リカーボネートペレット[粘度平均分子量15400,大きさ
3mmφ×3mm]を用いた以外は、実施例1に準じて行なっ
た。その結果を表1に示す。
ク基板の方が、異物強度及びビットエラーの点で優れて
いることが判明した。すなわち、本発明方法によると、
異物強度10000μm2/g以下の高性能ディスク基板が得ら
れることが明らかである。
によれば、未溶融の粒状ポリカーボネートから直接射出
成形してディスク基板を製造しているので、材料自体の
異物強度を低くできるとともに、樹脂の熱履歴を一回だ
けとして樹脂の熱分解を少なくし炭化物の混入を最少限
に抑えることができるので、異物含量が少なくビットエ
ラーの少ない高性能な光学式ディスク基板を容易に得ら
れる。
Claims (3)
- 【請求項1】粘度平均分子量10000〜22000の未溶融の粒
状ポリカーボネートを射出成形して、異物強度が1×10
5μm2/g以下のディスク基板を製造することを特徴とし
た光学式ディスク基板の製造方法。 - 【請求項2】上記粒状ポリカーボネートが、500〜2000
μmの粒径からなるポリカーボネートで95wt.%以上を
しめていることを特徴とした特許請求の範囲第1項記載
の光学式ディスク基板の製造方法。 - 【請求項3】上記粒状ポリカーボネートの嵩密度が、0.
6〜0.8g/cm3であることを特徴とした特許請求の範囲第
1項記載の光学式ディスク基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008904A JP2509724B2 (ja) | 1989-01-20 | 1990-01-18 | 光学式ディスク基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1-9994 | 1989-01-20 | ||
JP999489 | 1989-01-20 | ||
JP2008904A JP2509724B2 (ja) | 1989-01-20 | 1990-01-18 | 光学式ディスク基板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02276040A JPH02276040A (ja) | 1990-11-09 |
JP2509724B2 true JP2509724B2 (ja) | 1996-06-26 |
Family
ID=26343528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008904A Expired - Lifetime JP2509724B2 (ja) | 1989-01-20 | 1990-01-18 | 光学式ディスク基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2509724B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002338701A (ja) * | 2001-05-18 | 2002-11-27 | Teijin Chem Ltd | 光学用ポリカーボネート樹脂成形材料および光ディスク基板 |
CN107922629B (zh) * | 2015-08-11 | 2021-03-30 | 三菱工程塑料株式会社 | 聚碳酸酯树脂颗粒和其制造方法 |
-
1990
- 1990-01-18 JP JP2008904A patent/JP2509724B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02276040A (ja) | 1990-11-09 |
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