JP2831808B2 - ラセミβ−ラクタム類の光学分割法 - Google Patents

ラセミβ−ラクタム類の光学分割法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はβ−ラクタム類の立体異性体(特にラセミ
体)の光学分割法に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
β−ラクタム類は抗生物質をはじめとする医薬品や、
その他の医薬品原料として重要な物質である。医薬品の
生体に対する作用は、例えばサリドマイドのように各立
体異性体で異なることが多い(G.Blaschke,Angew,Chem.
Int.Ed.Engl.,19,13(1980))ので、その分離は極めて
重要である。
従来、β−ラクタム類の立体異性体入手方法として
は、不斉合成法、ラセミ体のジアステレオマー誘導体分
離法、ラセミ体のクロマトグラフィー分離法等が知られ
ている。この中で、クロマトグラフィー分離法による立
体異性体の分離法は、純度の高い立体異性体が得られる
点で優れており、ソーベックスの手法を用いれば連続操
作も可能であるなどの利点を有しているが、これまでβ
−ラクタム類のラセミ体の分離並びに立体異性体の分離
に用いられてきた分離カラムの能力は充分ではなく、分
離不能なβ−ラクタム類も少なくなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、
特定の多糖誘導体を主成分とする分離剤を用いるとβ−
ラクタム類の立体異性体(特にラセミ体)が効率良く分
離できることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、セルロース又はアミロースの有する
水酸基上の水素原子の一部又は全部を下記の式(1)又
は(2) 〔式中、Rは (t−Buはtert−ブチル基)を示す。〕 で示される原子団で置換してなる多糖誘導体を主成分と
する分離剤を用いて、下記一般式(3)〜(5)で示さ
れるラセミβ−ラクタム類を光学分割することを特徴と
するラセミβ−ラクタム類の光学分割法を提供するもの
である。
(式中R1,R2,R3,R4は水素原子、 −OCH2OCH2CH2OCH3を示し、R1とR2、又はR3とR4の少な
くともいずれか1つの組合せが異る置換基である。
またR5を示す。) (式中R1,R2は前記の意味を示す。) (式中R1,R2,R3,R4,R5は前記の意味を示す。) 以上のごときβ−ラクタム類は、セルロース又はアミ
ロースの有する水酸基上の水素原子の一部又は全部を前
記の式(1)又は(2)で示される原子団で置換してな
る多糖誘導体を主成分とする分離剤によって、その立体
異性体(特にラセミ体)が効率良く光学分割される。
本発明における多糖はセルロース又はアミロースであ
る。
これら多糖の数平均重合度(1分子中に含まれるピラ
ノース或いはフラノース環の平均数)は5以上、好まし
くは10以上であり、上限は2000、好ましくは500以下で
あることが取り扱いの容易さにおいて好ましい。
導入される原子団としては、多糖の水酸基と反応して
上記(1)又は(2)式で示される、エステル結合又は
ウレタン(カルバメート)結合を形成する化合物であ
る。
前記多糖誘導体は、例えば以下の様な方法で合成され
る。
1) エステル結合 本発明の多糖のエステル誘導体をなすカルボニル基は
前述の一般式(1)で示され、対応する多糖が有する全
水酸基のうち30%乃至100%、好ましくは50%以上、更
に好ましくは85%以上が該カルボニル基とエステル結合
を形成しているものである。
本発明に係るエステル誘導体の合成は、対応するカル
ボン酸を塩化チオニル、オキサリルクロリドなどを用い
て酸クロリドとした後、ピリジン溶媒中、対応する多糖
と反応させることにより、容易に得られる。
2) カルバメート結合 本発明の多糖のカルバメート誘導体をなすカルバモイ
ル基は前述の一般式(2)で示され、対応する多糖が有
する全水酸基のうち30%乃至100%、好ましくは50%以
上、更に好ましくは85%以上が該カルバモイル基とウレ
タン結合を形成しているものである。
本発明に係るカルバメート誘導体の合成には通常のア
ルコールとイソシアナートからウレタンを生ずる反応を
そのまま適用できる。例えば、適当な溶媒中で三級アミ
ン等のルイス塩基、又は錫化合物等のルイス酸を触媒と
して、対応するイソシアナートと多糖を反応させること
により得ることができる。また、イソシアナートの合成
は、例えば、対応するアニリン誘導体のアミノ基にホス
ゲンを作用させることにより容易に得ることができる。
前記多糖誘導体を分離剤として液体クロマトグラフィ
ー法に応用するには、その粉体としてカラムに充填する
方法が簡便である。多糖誘導体を粉砕するかビーズ状に
することが好ましく、粒子は多孔質であることがより好
ましい。更に分離剤の耐圧能力の向上、溶媒置換による
膨潤、収縮の防止、理論段数の向上のために多糖誘導体
を担体に担持させることも好ましい。
粉体として用いる場合の粒子の大きさおよび担体の大
きさは使用するカラムの大きさによって異なるが、1μ
m〜1mmであり、好ましくは1μm〜300μmである。担
体は多孔質であることが好ましく、その平均孔径は10Å
〜100μmであり、好ましくは、50Å〜50000Åである。
担体に担持させる多糖誘導体の量は担体に対して1〜10
0重量%、好ましくは5〜50重量%である。
多糖誘導体を担体に担持させる方法は化学的方法でも
物理的方法でもよい。物理的方法としては、多糖誘導体
を可溶性の溶剤に溶解させ、担体と良く混合し、減圧ま
たは加温下、気流により溶剤を留去させる方法や、多糖
誘導体を可溶性の溶剤に溶解させ、担体と良く混合した
後、多糖誘導体に対し不溶性の溶剤に分離させることに
よって可溶性溶剤を拡散させてしまう方法もある。この
様にして得られた分離剤は、加熱、溶媒の添加、洗浄な
どの適当な処理を行うことによって、その分離能を改善
することも可能である。
用いる担体としては多孔質有機担体または多孔質無機
担体があり、好ましくは多孔質無機担体である。多孔質
有機担体として適当なものは、ポリスチレン、ポリアク
リルアミド、ポリアクリレート等からなる高分子物質が
挙げられる。多孔質無機担体として適当なものは、シリ
カ、アルミナ、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チ
タン、ケイ酸塩などであり、これらの表面に、カルバメ
ート誘導体との親和性を良くしたり、担体自身の表面の
特性を改質するために処理を施したものを用いても良
い。表面処理の方法としては有機シラン化合物によるシ
ラン化処理やプラズマ重合による表面処理方法等があ
る。
液体クロマトグラフィーを行う場合の展開溶媒として
は多糖誘導体を溶解またはこれと反応するものを除いて
特に制約はない。多糖誘導体を化学的方法で担体に結合
したり、架橋により不溶化した場合にはこれと反応する
ものを除いて特に制約はない。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例と比較例によって詳述するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜5 表1に示す分離剤を用い、以下に示す分離対象物(ラ
セミ体混合物)の分離を行った。その結果を表1に示
す。
(上記式においては、Acはアセチル基、Meはメチル基、
i−Prはイソプロピル基、+はt−ブチル基を示す。) 尚、実施例1に使用した分離カラムは、アミロース
(S)−α−メチルベンジルカルバメートをテトラヒド
ロフランに溶解し、ジフェニルシラン処理したシリカゲ
ル(Merck社製:Lichrospher Si−1000)と混和した後テ
トラヒドロフランを減圧留去して得られた充填剤を、メ
タノールを用いたスラリー法により内径0.46cm、長さ25
cmのステンレス製カラムに充填して調製した。また実施
例2,3,4,5に使用した分離カラムは、セルロース3,5−ジ
メチルフェニルカルバメート、セルロースp−メチルベ
ンゾエート、アミロース3,5−ジメチルフェニルカルバ
メート及びアミロースp−t−ブチルフェニルカルバメ
ートをそれぞれ同様の方法で調製した。
測定には、日本分光製TRI ROTAR−V型高圧ポンプ、
同社製UV−100−V紫外検出器を用いた。
表中の容量比(k1′)、分離係数(α)及び分離度
(Rs)は、それぞれ下式により定義される。
(分離度が1以上であればほぼ完全分離であることを示
す)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 57/00 370 C08B 33/02 C07F 7/18 C07D 205/08 P C08B 3/00 499/00 A 33/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース又はアミロースの有する水酸基
    上の水素原子の一部又は全部を下記の式(1)又は
    (2) 〔式中、Rは (t−Buはtert−ブチル基)を示す。〕 で示される原子団で置換してなる多糖誘導体を主成分と
    する分離剤を用いて、下記一般式(3)〜(5)で示さ
    れるラセミβ−ラクタム類を光学分割することを特徴と
    するラセミβ−ラクタム類の光学分割法。 (式中R1,R2,R3,R4は水素原子、 −OCH2OCH2CH2OCH3を示し、R1とR2、又はR3とR4の少な
    くともいずれか1つの組合せが異る置換基である。 を示す。) (式中R1,R2は前記の意味を示す。) (式中R1,R2,R3,R4,R5は前記の意味を示す。)
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