JP2829028B2 - 文書処理システム及び字体生成方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は、文書印刷に適用される印字体を生成する
のに好適な文書処理システム及び字体生成方法に関す
る。

（従来の技術） 一般に計算機を利用した文書処理システムによる文書
の印刷では、文字コードに対応付けてフォントメモリ等
に記憶された固定の形状の文字フォントが用いられてお
り、印刷文書の字体（書体）は固定であった。また、シ
ステムによっては、若干の選択の余地として、例えば明
朝体／ゴシック体の切替えや、拡大／白黒反転等の切替
えが利用者に許されているものもあるが、印字体をベー
スにした印刷であることには変わりはない。

（発明が解決しようとする課題） 上記したように従来の文書処理システムにおける文書
印刷は、基本的には固定の文字フォントを用いて行われ
ているため、印刷された文書は文字が整っており、公文
書などの事務的書類には適しているが、その反面、手書
きの書面から感じられる筆者の個性や親近感が失われる
といった問題があった。

したがってこの発明の解決すべき課題は、文書印刷に
供される文字の字体（フォント形状）を利用者の好みに
応じて変形することができ、もって手書き風の文書の印
刷が行えるようにすることである。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） この発明は、各種文字の基本的な字体構造を字体構成
要素とその結合の仕方によって記述した原字体群が格納
される原字体群ファイルと、上記字体構成要素に関連付
けられる変形規則を表わす各種変形則パラメータが格納
される変形則ファイルと、上記変形則パラメータの調整
を指示するための指示入力手段と、この指示入力手段か
らの指示に応じて変形則パラメータの調整を行うパラメ
ータ調整手段と、変形則ファイルに格納されている変形
則パラメータおよび原字体群ファイルをもとに印字に適
用する字体群を生成する字体生成手段とを設けたことを
特徴とするものである。この発明は更に、上記パラメー
タ調整手段における上記指示入力手段からの指示入力の
受付可能期間中、上記各種変形則パラメータによってそ
れぞれ表わされる変形規則の字体への適用効果を同パラ
メータの調整状況に応じてダイナミックに画面表示する
と共に、上記各種変形則パラメータによってそれぞれ表
わされる変形規則の字体構成要素への適用効果である同
パラメータに固有の字体特徴部分の変形度合いを各パラ
メータ毎に視覚化して、同パラメータの調整状況に応じ
てダイナミックに画面表示するようにしたことを特徴と
する。

（作用） 上記の構成によれば、原字体群ファイル内の印字に供
される原字体に対して、その構成要素（例えば画、即ち
ストローク）に関連付けられる変形規則を表わす変形則
ファイル内の変形則パラメータに従う変形が字体生成手
段によって施されることにより、変形字体が生成され
る。上記変形則ファイル内の各種変形則パラメータは、
利用者が指示入力手段（端末）を操作して調整を指示す
ることで、パラメータ調整手段によって調整されるの
で、利用者の好みに合った字体を生成することができ
る。また、利用者が指示入力手段を操作する場合に、上
記各種変形則パラメータによってそれぞれ表わされる変
形規則の字体への適用効果が同パラメータの調整状況に
応じてダイナミックに画面表示されると共に、上記各種
変形則パラメータによってそれぞれ表わされる変形規則
の字体構成要素への適用効果である同パラメータに固有
の字体特徴部分の変形度合いが各パラメータ別に視覚化
されて、同パラメータの調整状況に応じてダイナミック
に画面表示されるので、利用者は自身の指示具合を画面
上で確認することができ、所望の字体の生成のための指
示入力が効率的に行える。

（実施例） 第１図はこの発明を適用する文書処理システムの一実
施例を示す要部の機能ブロック構成図である。同図にお
いて、11は印字に適用される全ての文字について、その
基本的な字体構造を字体構成要素とその結合の仕方によ
って記述した原字体群が格納される原字体群ファイルで
ある。この実施例では、上記字体構成要素として画（ス
トローク）が用いられる。12は上記字体構成要素に関連
付けられる変形規則（字体変形則）を、字体を特徴づけ
る変形のタイプ（例えば字体の縦横の比、縦画の傾き、
横画の傾き、角の丸み、縦画の反りなど）毎に、その変
形の度合いで表わすための変形則パラメータ（字体変形
則パラメータ）群が可能される変形則ファイル、13は原
字体群ファイル11に格納されている原字体に変形則ファ
イル12内の変形則パラメータの示す変形規則を適用し
て、印字に適用する字体（印字体）を生成する字体生成
機構である。

14は利用者との間のインタフェースを成す端末、例え
ばキーボードおよびCRTディスプレイを備えたCRT端末、
15はCRT端末14を介して利用者と会話を行いながら変形
則ファイル12内の変形則パラメータを調整するパラメー
タ調整機構である。このパラメータ調整機構15によって
変形則パラメータの調整が行われるモードをパラメータ
調整モードと呼ぶ。16は印刷の対象となる文書ファイ
ル、17は字体生成機構13を利用して文書ファイル16の印
刷を行う文書印刷機構、18は文書印刷機構17によって印
刷出力される文書である。

第２図はパラメータ調整モードにおけるCRT端末14の
表示画面（以下、パラメータ調整画面と称する）の構造
を示す。このパラメータ調整画面は、変形則ファイル12
内の現変形則パラメータ群によって表わされる変形度合
いが、各パラメータ毎に図式化して表示されるパラメー
タイメージ表示画面21と、現変形則パラメータ群が適用
された代表文字列が表示される代表文字列表示画面22と
から成る。

次に、第１図の構成の動作を第２図を参照して説明す
る。

本実施例の動作は、字体の変形則パラメータを調整す
る第１の段階と、第１の段階で調整された変形則パラメ
ータに従って実際の印字に用いる字体を生成し、文書印
刷を行う第２の段階の２段階から成る。

まず第１の段階では、第１図のシステムがパラメータ
調整モードに設定される。このモードは、利用者がCRT
端末14を用いて所定の操作を行うことで設定され、これ
によりパラメータ調整機構15が起動される。パラメータ
調整機構15はCRT端末14によって起動されると、その時
点における変形則ファイル12内の各変形則パラメータの
示す字体特徴部分（字体の縦横の比、縦画の傾き、横画
の傾き、角の丸み、縦画の反りなど）の変形度合い（パ
ラメータ値）を各パラメータ毎に図式化（視覚化）し
て、第２図に示すパラメータイメージ表示画面21を形成
する。同時にパラメータ調整機構15は、字体生成機構13
を用いて、原字体群ファイル11内の原字体群のうち予め
定められた幾つかの代表的（典型的）原字体に上記各変
形則パラメータを適用させ、上記変形則パラメータに従
って字体変形された文字列を生成させる。そしてパラメ
ータ調整機構15は、字体生成機構13によって生成された
（現在の変形則パラメータ群に対応する）代表文字列か
ら成る代表文字列表示画面22を形成し、この代表文字列
表示画面22およびパラメータイメージ表示画面21から成
るパラメータ調整画面をCRT端末14のCRTディスプレイに
表示する。

利用者は、CRT端末14のCRTディスプレイにパラメータ
調整画面が表示されると、同画面を目視しながら、CRT
端末14のキーボード、マウス等を用い、所望の字体とな
るように各変形則パラメータの設定値を変更するための
操作を行う。パラメータ調整機構15はCRT端末14からの
パラメータ変更指示があると、変形則ファイル12内の対
応する変形則パラメータを指示された値に書換える。そ
してパラメータ調整機構15は、字体生成機構13を用いて
上記の書換え後の変形則ファイル12内の変形則パラメー
タ群を適用した代表文字列を再度生成させ、新たな代表
文字列表示画面22を形成すると共に、上記の書換え後の
変形則ファイル12内の変形則パラメータ群に対応するパ
ラメータイメージ表示画面21を再度形成し、CRT端末14
のCRTディスプレイ上のパラメータ調整画面を表示し直
す。以上の繰返しにより、利用者は、変形則ファイル12
内の各種変形則パラメータを、所望の字体を実現するの
に最適な状態に設定することができ、第１の段階は終了
となる。

次の第２の段階では、第１図のシステムが文書印刷モ
ードに設定される。このモードでは、文書印刷機構17が
起動される。文書印刷機構17は、印刷すべき文書ファイ
ル16の文字（文字コード）列を例えば１文字単位で字体
生成機構13に渡す。これにより字体生成機構13は、文書
印刷機構17から渡された文字に対応する原字体を原字体
群ファイル11から取出し、その構成要素（画、ストロー
ク）を、変形則ファイル12に格納されている変形則パラ
メータ群の示す変形度合いに従って変形することによ
り、上記取出した原字体に対応する変形印字体を生成す
る。文書印刷機構17は、字体生成機構13によって生成さ
れた変形印字体を用いて文書ファイル16の文書印刷を実
行し、文書18を出力する。

なお、前記実施例では、印刷に用いる印字体を、文書
印刷モード時に（印刷対象となる文書ファイル16の文字
列に対応させて）字体生成機構13から生成出力させるも
のとして説明したが、これに限るものではない。例え
ば、パラメータ調整モードの終了時に字体生成機構13を
自動起動し、その時点における変形則ファイル12内の変
形則パラメータ群を原字体群ファイル11の原字体群に適
用して変形印字体群を生成させ、原字体群ファイル11と
同一構造の変形字体群ファイルを生成しておくようにし
てもよい。この場合、文書印刷機構17は上記変形印字体
群ファイルから文書ファイル16の文書印刷に必要な印字
体を直接に取出すことができるので、印刷処理の高速化
が図れる。また、利用者の操作に従って変更された変形
則ファイル12の内容を別のファイルとして登録してお
き、必要に応じて変形則ファイル12に呼出すことも可能
である。同様に、基本（標準）の変形則ファイルを用意
しておくことで、変形則ファイル12の内容を変更して
も、必要に応じて標準の状態に戻すことが可能である。

［発明の効果］ 以上詳述したようにこの発明によれば、変形則ファイ
ル内に用意され、字体構成要素に関連付けられる変形規
則を表わす変形則パラメータ群が、利用者の指示によっ
て任意に調整され、この調整後の変形則パラメータ群の
表わす変換規則に従って基本となる印字体（原字体）に
対する変形が施され、実際に印字（印刷）に用いられる
印字体（変形印字体）が生成されるので、この変形印字
体を用いて文書印刷を行うことにより、利用者の好みに
合った、或は利用者の筆跡に似た、更には文書の目的に
合った雰囲気の字体の文書を作成することができる。

更に、この発明によれば、各変形則パラメータによっ
てそれぞれ表わされる変形規則の適用効果を同パラメー
タの調整状況に応じてダイナミックに画面表示するよう
にしているので、利用者は自身の指示具合を画面上で確
認することができ、所望の字体の生成のための指示入力
が効率的に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を適用する文書処理システムの一実施
例を示す要部ブロック構成図、第２図は同実施例で適用
されるパラメータ調整画面の一例を示す図である。 11…原字体群ファイル、12…変形則ファイル、13…字体
生成機構、14…CRT端末（指示入力手段）、15…パラメ
ータ調整機構、16…文書ファイル、17…文書印刷機構、
18…文書、21…イメージ表示画面、22…代表文字列表示
画面。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各種文字の基本的な字体構造を字体構成要
   素とその結合の仕方によって記述した原字体群が格納さ
   れる原字体群ファイルと、 上記字体構成要素に関連付けられる変形規則を表わす各
   種変形則パラメータが格納される変形則ファイルと、 この変形則ファイルに格納されている上記変形則パラメ
   ータの調整を指示するための指示入力手段と、 この指示入力手段からの指示に応じて上記変形則パラメ
   ータの調整を行うパラメータ調整手段であって、上記指
   示入力手段からの指示入力の受付可能期間中、上記各種
   変形則パラメータによってそれぞれ表わされる変形規則
   の字体への適用効果を同パラメータの調整状況に応じて
   ダイナミックに画面表示すると共に、上記各種変形則パ
   ラメータによってそれぞれ表わされる変形規則の字体構
   成要素への適用効果である同パラメータに固有の字体特
   徴部分の変形度合いを各パラメータ毎に視覚化して、同
   パラメータの調整状況に応じてダイナミックに画面表示
   するパラメータ調整手段と、 上記変形則ファイルに格納されている上記変形則パラメ
   ータおよび上記原字体群ファイルをもとに印字に適用す
   る字体群を生成する字体生成手段とを具備することを特
   徴とする文書処理システム。
2. 【請求項２】各種文字の基本的な字体構造を字体構成要
   素とその結合の仕方によって記述した原字体群が格納さ
   れた原字体群ファイル、および上記字体構成要素に関連
   付けられる変形規則を表わす各種変形則パラメータが格
   納された変形則ファイルを用いて字体を生成する字体生
   成方法であって、 上記変形則ファイルに格納されている上記変形則パラメ
   ータを調整するための指示入力が受け付け可能なパラメ
   ータ調整モードにおいて、外部からのパラメータ変更指
   示に応じて指定された上記変形則パラメータの値を変更
   する一方、 上記パラメータ調整モードの期間中、上記各種変形則パ
   ラメータによってそれぞれ表わされる変形規則の字体へ
   の適用効果を同パラメータの調整状況に応じてダイナミ
   ックに画面表示すると共に、上記各種変形則パラメータ
   によってそれぞれ表わされる変形規則の字体構成要素へ
   の適用効果である同パラメータに固有の字体特徴部分の
   変形度合いを各パラメータ毎に視覚化して、同パラメー
   タの調整状況に応じてダイナミックに画面表示し、 文書印刷モードにおいて、上記変形則ファイルに格納さ
   れている上記変形則パラメータおよび上記原字体群ファ
   イルをもとに印字に適用する字体群を生成することを特
   徴とする字体生成方法。