JP2828228B1 - 多層構成体および多層容器 - Google Patents

多層構成体および多層容器

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JP2828228B1 JP18580898A JP18580898A JP2828228B1 JP 2828228 B1 JP2828228 B1 JP 2828228B1 JP 18580898 A JP18580898 A JP 18580898A JP 18580898 A JP18580898 A JP 18580898A JP 2828228 B1 JP2828228 B1 JP 2828228B1
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Abstract

【要約】 【課題】 柑橘系果汁等の食品のフレーバ成分、あるい
は化粧品、香料などの良質の香り成分等が容器に吸収さ
れず、かつ該容器を気密にするための蓋材と底材とのシ
ールに関し、シール性および開封性に優れた、最内層に
EVOH層を配してなる多層容器を提供すること。 【解決手段】 エチレン含有量30〜85モル%のEV
OH(C)を最内層とし、(C)層に隣接するEVOH
(D)層を有し、かつ下記(IV)〜(VI)式を満足する
多層構成体(Z)。 50≧CH(C)−CH(D)≧5 (IV) 0.15≧η(D)−η(C)≧0.01 (V) 99/1≧L(D)/L(C)≧20/80 (VI) 但し、CH(C)、CH(D)とはEVOH(C)、E
VOH(D)のエチレン含有率(モル%)を示す。ま
た、η(C)、η(D)とはEVOH(C)、EVOH
(D)の30℃、15%含水フェノール溶液での溶液粘
度(l/g)を示す。さらに、L(C)、L(D)とは
EVOH(C)、EVOH(D)の厚み(μ)を示す。
好適実施態様として、上記多層構成体(Z)と、エチレ
ン含有量20〜85モル%のEVOH(E)層を最内層
とする多層構成体(W)とからなり、多層構成体(Z)
の(C)層と多層構成体(W)の(E)層とが直接接触
し、ヒートシールされるように構成された多層容器があ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品や飲料、たと
えばオレンジジュース、レモンジュース等の柑橘系のス
トレートジュース等が含有する良質のフレーバー、ある
いは化粧品、香料などの良質の香りを減少、悪化させる
ことなく、包装、収容しうる多層構成の容器において、
該容器の蓋材と底材との熱シールが容易であり、かつ容
易に開封可能な容器、さらには、該容器と各種内容物と
からなる高品質で保存性にすぐれた包装体、特に食品包
装体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品等の容器として、従来から使
用されているガラス瓶、金属缶ばかりでなく、熱可塑性
樹脂の多層体からなる容器や、紙と熱可塑性樹脂の層と
からなる複合容器が用いられるようになってきた。それ
に伴って、内容物が食品である場合、その風味の悪化が
問題になっている。とくに、柑橘系果汁、またはそれを
多く含む食品の場合、そのフレーバ成分を構成している
d−リモネンなどのテルペン系炭化水素は、容器の最内
層に使用されているポリエチレンなどのポリオレフィン
樹脂に吸収されやすい。保存中に食品のフレーバー成分
が減少したり、バランスがくずれたりすれば、食品の風
味が悪化し、商品価値を失うことが避けられない。ポリ
オレフィン樹脂の代わりにエチレン−ビニルアルコール
共重合体(以下EVOHと記す)を最内層に使用した場
合、特開昭63−3950において提案されているよう
に、フレーバー成分の吸収が著しく少ないため風味の悪
化は比較的少なく好適である。
【0003】ところで、容器には必ず蓋材と底材とがあ
り、両者をシールして容器内を気密にする必要があり、
いかに低い温度で強力なシール強度が得られるかが第一
の技術課題である。次に重要な第二の技術課題は、一見
第一の技術課題と矛盾するように思われるが、該気密容
器のシール部分をいかに容易に開封できるかである。そ
こで、上記したフレーバー成分の吸収が著しく少ないE
VOHを最内層にした蓋材と底材をもちい、EVOH同
士が直接接触するかたちで両者をシールして気密容器を
作りシール性および易開封性について評価を行った結
果、シール温度が高すぎ、外層基材(ポリプロピレン、
ポリスチレンなど)が変形したり、シール強度が高すぎ
るためか、開封が困難であるなど、実使用上多くの問題
があることが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題点のない、すなわち柑橘系果汁等の食品のフレーバ成
分、あるいは化粧品、香料などの良質の香り成分等が容
器に吸収されず、かつ該容器を気密にするための蓋材と
底材とのシールに関し、シール性および開封性に優れ
た、最内層にEVOH層を配してなる多層容器、さらに
は該容器と内容物とからなる高品質で保存性に優れた包
装体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下のよう
な構成とすることにより解決される。すなわち、本発明
は、エチレン含有量30〜85モル%のEVOH(C)
を最内層とし、(C)層に隣接するEVOH(D)層を
有し、かつ下記(IV)〜(VI)式を満足する多層構成体
(Z)である。 50≧CH(C)−CH(D)≧5 (IV) 0.15≧η(D)−η(C)≧0.01 (V) 99/1≧L(D)/L(C)≧20/80 (VI) 但し、CH(C)、CH(D)とはEVOH(C)、E
VOH(D)のエチレン含有率(モル%)を示す。ま
た、η(C)、η(D)とはEVOH(C)、EVOH
(D)の30℃、15%含水フェノール溶液での溶液粘
度(l/g)を示す。さらに、L(C)、L(D)とは
EVOH(C)、EVOH(D)の厚み(μ)を示す。
【0006】また、上記多層構成体(Z)と、エチレン
含有量20〜85モル%のEVOH(E)層を最内層と
する多層構成体(W)とからなり、多層構成体(Z)の
(C)層と多層構成体(W)の(E)層とが直接接触
し、ヒートシールされるように構成された多層容器であ
る。
【0007】本発明者らは、3種3層あるいは4種4層
の共押出シート製膜設備を用いて熱可塑性樹脂/接着性
樹脂(以降Adと記す)/EVOH構成の熱成型カップ
用厚手シートおよび蓋用薄手シートを作製した。そし
て、上記厚手シートはEVOH層が最内層に位置するよ
うに熱成型を行いカップを得、このカップに水を充填し
たのち、蓋用薄手シートのEVOH層が最内層に位置す
るようカップにかぶせ、温度コントロールしたヒートシ
ーラーでカップのフランジ部分をヒートシールした。そ
の後、このカップのヒートシール部の接着性およびイー
ジーピール性を評価した。その結果、驚くべきことに、
上記(IV)〜(VI)式を満足するEVOHを用いること
により低温ヒートシールが可能なだけでなく、イージー
ピール性も改善されることが判明した。
【0008】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、エチレン含
有量30〜85モル%のEVOH(C)を最内層とし、
(C)層に隣接するEVOH(D)層を有し、かつ下記
(IV)〜(VI)式を満足する多層構成体(Z)である。 50≧CH(C)−CH(D)≧5 (IV) 0.15≧η(D)−η(C)≧0.01 (V) 99/1≧L(D)/L(C)≧20/80 (VI) 但し、CH(C)、CH(D)とはEVOH(C)、E
VOH(D)のエチレン含有率(モル%)を示す。ま
た、η(C)、η(D)とはEVOH(C)、EVOH
(D)の30℃、15%含水フェノール溶液での溶液粘
度(l/g)を示す。さらに、L(C)、L(D)とは
EVOH(C)、EVOH(D)の厚み(μ)を示す。
【0009】また、上記多層構成体(Z)と、エチレン
含有量20〜85モル%のEVOH(E)層を最内層と
する多層構成体(W)とからなり、多層構成体(Z)の
(C)層と多層構成体(W)の(E)層とが直接接触
し、ヒートシールされるように構成された多層容器であ
る。
【0010】CH(C)−CH(D)が50モル%以上
の場合、EVOH(C)層とEVOH(D)層との層間
接着強度が十分でないためか層間デラミしやすい。一方
5モル%以下の場合、イージーピール性が悪い。好適に
は48≧CH(C)−CH(D)≧10である。また、
η(D)−η(C)が0.15l/g以上の場合ヒート
シール強度が十分でなく、一方0.01l/g以下の場
合にはイージーピール性が悪くなる。好適には0.12
≧η(D)−η(C)≧0.02である。さらに、重要
な項目として、EVOH(C)層とEVOH(D)層と
の厚み比率があげられる。すなわちL(D)/L(C)
が99/1以上の場合、ヒートシール強度が十分でな
い。一方、20/80以下では、(C)層が厚くなりす
ぎて、(C)層を(D)層から剥離する際、(C)層を
容易に切断できなくなり、イージーピール性の点で好ま
しくないし、またガスバリアー性の面でも好ましくな
い。好適には95/5≧L(D)/L(C)≧30/7
0である。一般的には、CH(C)−CH(D)および
η(D)−η(C)の値が大きく、かつL(D)/L
(C)の値が大きいほうがより好適である。
【0011】またこの構成においては下記式を満足する
ものがより好適である。 50≧|CH(C)−CH(E)|≧5 (VII) 好適には48≧|CH(C)−CH(E)|≧10 0.15≧|η(E)−η(C)|≧0.01 (VIII) 好適には0.12≧|η(E)−η(C)|≧0.02 {CH(C)−CH(E)}×{η(E)−η(C)}>0 (IX) 但しCH(E)はEVOH(E)のエチレン含有量を示
し、η(E)はEVOH(E)の30℃、15%含水フ
ェノール溶液での溶液粘度(l/g)を示す。
【0012】ここで、|CH(C)−CH(E)|が50
モル%以上の場合、ヒートシール強度が十分でなく、一
方5モル%以下の場合、ヒートシール温度が高くなるだ
けでなく、イージーピール性が悪い。より好適には48
≧|CH(C)−CH(E)|≧10である。また、|η
(E)−η(C)|が0.15l/g以上の場合、ヒー
トシール強度が十分でなく、一方0.01l/g以下の
場合にはイージーピール性が悪くなる。より好適な方向
としては、|CH(C)−CH(E)|、および|η
(E)−η(C)|の値が大きいほうが改善効果が高
い。より好適には0.12≧|η(E)−η(C)|≧
0.02である。また{CH(C)−CH(E)}×{η
(E)−η(C)}が負になるとイージーピール性、ヒ
ートシール性が悪くなる。
【0013】本発明においてEVOH(C)とはエチレ
ン含有量30〜85モル%、好適には40〜70モル%
であり、これに積層されるEVOH(D)とは、上記
(IV)〜(VI)式を満足する範囲で選択される。またE
VOH(E)としてはエチレン含有量20〜85モル%
のEVOHならばいずれも使用しうるが、上記(VII)
〜(IX)式を満足する範囲で選択されることがより効果
的である。エチレン含有量が所定値未満では溶融成形性
が悪く、一方所定値をこえると、ガスバリアー性が不足
する。また、けん化度が所定値未満では、ガスバリアー
性および熱安定性が悪くなる。
【0014】該EVOHには本発明の目的が阻害されな
い範囲で、他の共単量体〔例えば、プロピレン、ブチレ
ン、不飽和カルボン酸又はそのエステル{(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メチル、エチ
ル)など}、ビニルシラン化合物(ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシランなど)、ビニルピロ
リドン(N−ビニルピロリドンなど)を共重合すること
も出来るし、さらに可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂(変性ポリア
ミド、変性ポリエステル、部分けん化エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ビニルシラン化合物変性ポリオレフィン
など)をブレンドすることも自由である。なかでも、ビ
ニルシラン化合物を共重合したEVOH、あるいは/お
よびEVOHに上記他の樹脂をブレンドすることはより
好適である。また、本発明に用いるEVOHの好適な溶
液粘度としては30℃、15%含水フェノールでの値と
しては、0.04〜0.20l/g、好適には0.05
〜0.16l/gである。
【0015】本発明において多層構成体(Z)および
(W)のEVOH層に積層される層としては熱可塑性樹
脂層あるいは/および紙の層などがあげられるが、特に
限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル
共重合体、アイオノマー、熱可塑性ポリエステル、ポリ
アミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビ
ニル、紙、アルミニウムなどから選ばれる少なくとも一
種類、あるいはそれ以上の物である。
【0016】本発明においてEVOHと該熱可塑性樹
脂、紙あるいはアルミニウム(以降、基材と称する)と
を多層化するために、使用される接着性樹脂としては、
EVOH層と該基材層とを強固に接着するものであれ
ば、特に限定されるものではないが、不飽和カルボン酸
又はその無水物(無水マレイン酸など)をオレフィン系
重合体または共重合体〔ポリエチレン{低密度ポリエチ
レン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLD
PE)、超低密度ポリエチレン(SLDPE)、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸エステル(メチルエステル、またはエチルエステル)
共重合体〕にグラフトしたものが、好適にもちいられ
る。
【0017】本発明に用いられるEVOHは、周知の溶
融成形法、圧縮成形法によりフィルム、シート、ボトル
などの任意の成形品に成形する事が出来るが、前述した
とおり、該成形物を多層構造体の一層として使用すると
き、顕著な特徴が発揮されるので、以下この点について
説明を加える。まず、多層構成体を得る方法としては、
該EVOHと熱可塑性樹脂とをしばしば接着性樹脂を介
して押出ラミネート法、ドライラミネート法、共押出ラ
ミネート法、共押出シート成形法、共押出パイプ成形
法、共射出成形法、溶液コート法などにより積層体を
得、場合によっては、該積層体を真空圧空深絞り成形、
二軸延伸ブロー成形、二軸延伸機に供し、加熱延伸する
など、二次成型加工される。
【0018】多層構成体の厚み構成に関しても、特に限
定されるものではないが、成形性およびコスト等を考慮
した場合、全厚みに対するEVOH層の厚み比率は0.
2〜50%程度が好適である。また、多層構成体の構成
としては、EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂
層、EVOH層/熱可塑性樹脂層、EVOH層/接着性
樹脂層/熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/
接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、EVOH層/接着性樹
脂層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可
塑性樹脂層、EVOH層/接着性樹脂層/紙あるいはア
ルミニウム、EVOH層/紙あるいはアルミニウム、E
VOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層/接着性樹脂
層/紙あるいはアルミニウム、EVOH層/接着性樹脂
層/熱可塑性樹脂層/紙あるいはアルミニウム、EVO
H層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層/紙あるいはアル
ミニウム/熱可塑性樹脂層などが代表的なものとしてあ
げられる。多層構成体において熱可塑性樹脂層を複層設
ける場合は、これらの樹脂は異なっていてもよいし、ま
た同じものでもよい。また、EVOH層がEVOH
(C)層(最内層)およびEVOH(D)層の複層から
なる場合は(C)層と(D)層間に通常は接着性樹脂層
を設けないが、イージーピール性を損なわない範囲であ
れば接着性樹脂層を設けることは自由である。
【0019】本発明において、最内層にEVOH層を有
する多層構成体の最内層同士が直接接触し、ヒートシー
ルされるように構成された容器としては、カップ、ボト
ルなどの底材と蓋材からなり、両者がヒートシール可能
な容器、あるいは最内層にEVOH層を有するフィルム
状物の最内層同士がヒートシールされるように構成され
た容器などがあげられる。
【0020】ヒートシールする方法としては、たとえば
該多層構成体の端部あるいはフランジ部に同種あるいは
異種の該多層構成体を上蓋とし、かつ最内層のEVOH
層どうしが互いに接するように配し、熱板シーラー、イ
ンパルスシーラー、超音波シーラー、摩擦熱シーラーあ
るいは誘電加熱シーラーなどによりヒートシールする方
法があげられる。この時、シールされるEVOH層の片
面あるいは両面にコロナ処理、火炎処理、アンカーコー
ト剤の塗布、あるいは水を塗布することはシール強度の
増加、あるいはシール温度の低下に有効であり好まし
い。とくに、水を塗布すること、あるいは含水系の充填
物により液噛みシールは特に好適である。一方、EVO
H層の含水率が高いほどEVOHの軟化、融解によるシ
ール温度の低下に有効であるが時としてシール部で白
化、発泡が生じ、外観上好ましくない場合がある。従っ
て、EVOH層の含水率は5重量%以下、好適には1%
以下である。
【0021】ところで、ヒートシール部の開封性、すな
わちイージーピール性に関しては、本発明のEVOH多
層構成体を用いることにより大幅に改善されるが、さら
によりイージーピール性を増すために、ヒートシール部
あるいは/およびその近ぼうのEVOH層にEVOH層
を貫通しない程度の深さで切込みあるいは無水の微少穴
を開けるなどの方法が有効である場合がある。
【0022】このようにして得られた本発明の多層容器
は、ガスバリアー性がきわめて良く、保香性を要求され
る容器などに有効であり、液性品、たとえば液体あるい
はペースト状の飲料や食品、たとえばオレンジジュー
ス、レモンジュース、プラムジュース、葡萄ジュース、
イチゴジュース、あるいはネクター等の加工果汁飲料を
含む果汁飲料;トマトジュース、各種野菜ジュース;砂
糖あるいは果糖等の糖類、クエン酸、着色剤、香料等を
用い、あるいは必要に応じてビタミン類を添加した合成
果汁を含む合成飲料;乳酸菌飲料;調理済みカレー、ビ
ーフシチュー等のシチュー類;コンソメスープ、ポター
ジュスープ、味噌汁等のスープ;ぜんざい、ゆであず
き、汁粉、あんみつ、みつまめ、ゼリー等のし好食品;
ベーコン、カマボコ、ハンバーグ、ソーセージ、ハムな
どの水産加工あるいは畜産加工製品;ミカン、パイナッ
プル、チェリー等の果実製品;醤油、ソース、食酢、ド
レッシング、ケチャップ、マヨネーズ、食用油、味噌等
の調味料;マーガリン、バター、ジャムなどのし好品;
ビール、酒、ウイスキー、ブドウ酒、あるいはジンフィ
ーズなどの各種カクテルを含む酒精飲料等の各種内容物
を保存するための容器として有効である。さらには、上
記飲料水や食品以外のものとしてリンゲル液等の液状の
医薬、農薬あるいは化粧品、香料、洗剤類等の各種内容
物を保存するための容器としても好適に用いられる。こ
れらの中でも、特に柑橘果汁またはそれを多く含む清涼
水の容器として好適に用いられる。また、この容器に食
品、とくに液状食品、化粧品、香料等上記の内容物を充
填し、ヒートシールして得た包装体は、高品質で保存性
が高いので極めて有効である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、これによりなんら限定されるものではない。
【0024】実施例1 EVOH(D)として、エチレン含有量32モル%、け
ん化度99.4%、溶液粘度η(30℃、15%含水フ
ェノールでの値)0.11l/gのEVOH(D)(ク
ラレ製エバール)、EVOH(C)として、エチレン含
有量60モル%、けん化度99.4%、溶液粘性η
(C)0.07l/gのEVOH(クラレ製エバー
ル)、また基材としてポリスチレン(以降PSと称する
出光スチロールET−61) 、および接着性樹脂(以
降Adと称する)として無水マレイン酸変性エチレン−
酢酸ビニル樹脂を用い4種4層共押出装置にかけ、多層
シートを作成した。シートの構成は最外層PSが800
μ、Ad層50μ、EVOH(D)が45μまた最内層
EVOH(C)が5μのシートを得た。そして、このシ
ートをEVOH層が内側になるよう真空圧空熱成形機に
かけ180℃で成形をおこない絞り比0.5のカップ状
容器を得た。
【0025】また、蓋材として、エチレン含有量60モ
ル%、けん化度99.4%、溶液粘度η(C)0.07
l/gのEVOH(C)(クラレ製エバール)、エチレ
ン含有量32モル%、けん化度99.4%、η(D)
0.11l/gのEVOH(D)(クラレ製エバー
ル)、また基材としてポリプロピレン(以降PPと称す
る三菱石油化学ノーブレンMA−6) 、およびAdと
して無水マレイン酸変性ポリプロピレンを用い4種4層
共押出装置にかけ、多層シートを作成した。シートの構
成は最外層PPが160μ、Ad層20μ、EVOH
(D)が17μおよび最内層EVOH(C)が3μのシ
ートを得た。
【0026】上記カップに水を入れEVOH層同士が接
する様上記上蓋材を被せ、液噛み状況下カップフランジ
部を120℃熱板でシールした。シール部の接着強度は
1100g/10mm巾と強く、イージーピール性が非
常に良好であり、かつ、高いバリアー性を有する容器で
あった。
【0027】実施例2 EVOH(E)として、エチレン含有量32モル%、け
ん化度99.4%、溶液粘度η0.11l/gのEVO
H(E)(クラレ製エバール)、また基材としてPS
(出光スチロールET−61)、およびAdとして無水
マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル樹脂を用い3種3
層共押出装置にかけ、多層シートを作成した。シートの
構成は最外層PSが800μまたAd層50μ、最内層
EVOH(E)が50μのシートである。そして、この
シートをEVOH層が内側になるように真空圧空熱成形
機にかけ180℃で成形をおこない、絞り比0.5のカ
ップ状容器を得た。
【0028】上記カップに水を入れEVOH層同士が接
するように、実施例1で用いたのと同じ上蓋材を被せ、
液噛み状況下カップフランジ部を120℃熱板でシール
した。シール部の接着強度は1100g/10mm巾と
強く、イージーピール性が非常に良好であり、かつ、高
いバリアー性を有する容器であった。
【0029】実施例3、4 表1、2に示す以外は、実施例2と同様の条件で行っ
た。その結果を表2に示す。
【0030】比較例1 蓋材として、エチレン含有量32モル%、けん化度9
9.4%、溶液粘度η(D)0.11l/gのEVOH
(D)(クラレ製エバール)、また基材としてPP(三
菱石油化学ノーブレンMA−6)、および接着性樹脂A
dとして無水マレイン酸変性ポリプロピレンを用い3種
3層共押出装置にかけ、多層シートを作成した。シート
の構成は最外層PPが160μまたAd層20μ、最内
層EVOH(D)が20μである。
【0031】実施例2で得られたのと同じカップに水を
入れEVOH層同士が接する様上記上蓋材を被せ、液噛
み状況下カップフランジ部を120℃熱板でシールし
た。シール部の剥離は不可能で、イージーピール性は不
良であった。
【0032】比較例2、3 表1、2に示す以外は、比較例1と同様の条件で行っ
た。その結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ヒートシールが低温度
で可能なだけでなく、開封時のイージーピール性が良好
であり、さらに、長期保存による内容物のフレーバー成
分の低減、酸化劣化による風味の悪化を大幅に改善しう
る多層容器および包装体を得ることができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量30〜85モル%のEV
    OH(C)を最内層とし、(C)層に隣接するEVOH
    (D)層を有し、かつ下記(IV)〜(VI)式を満足する
    多層構成体(Z)。 50≧CH(C)−CH(D)≧5 (IV) 0.15≧η(D)−η(C)≧0.01 (V) 99/1≧L(D)/L(C)≧20/80 (VI) 但し、CH(C)、CH(D)とはEVOH(C)、E
    VOH(D)のエチレン含有率(モル%)を示す。ま
    た、η(C)、η(D)とはEVOH(C)、EVOH
    (D)の30℃、15%含水フェノール溶液での溶液粘
    度(l/g)を示す。さらに、L(C)、L(D)とは
    EVOH(C)、EVOH(D)の厚み(μ)を示す。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多層構成体(Z)と、エ
    チレン含有量20〜85モル%のEVOH(E)層を最
    内層とする多層構成体(W)とからなり、多層構成体
    (Z)の(C)層と多層構成体(W)の(E)層とが直
    接接触し、ヒートシールされるように構成された多層容
    器。
  3. 【請求項3】 下記(VII)〜(IX)式を満足する請求
    項2記載の多層容器。 50≧|CH(C)−CH(E)|≧5 (VII) 0.15≧|η(E)−η(C)|≧0.01 (VIII) {CH(C)−CH(E)}×{η(E)−η(C)}>0 (IX) 但し、CH(C)、CH(E)とはEVOH(C)、E
    VOH(E)のエチレン含有率(モル%)を示す。ま
    た、η(C)、η(E)とはEVOH(C)、EVOH
    (E)の30℃、15%含水フェノール溶液での溶液粘
    度(l/g)を示す。EVOHはエチレン−ビニルアル
    コール共重合体を示す。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の容器に内容物
    を充填し、ヒートシールしてなる包装体。
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