JP3702503B2 - 油性食品用容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、油性食品用容器に関するもので、より詳細には、光線による接着劣化が防止され且つ内容物の保存性も向上した油性食品用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来包装容器としては、金属缶、ガラスビン、各種プラスチック容器等が使用されているが、軽量性や耐衝撃性、更にはコストの点からプラスチック容器が各種の用途に使用されている。
【0003】
しかしながら、金属缶やガラスビンでは容器壁を通しての酸素透過がゼロであるのに対して、プラスチック容器の場合には器壁を通しての酸素透過が無視し得ないオーダーで生じ、内容品の保存性の点で問題となっている。
【0004】
これを防止するために、プラスチック容器では容器壁を多層構造とし、その内の少なくとも一層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の耐酸素透過性を有する樹脂を用いることが行われている。
【0005】
プラスチック容器では、光、特に紫外線による内容物の劣化が問題であり、これを防止するために容器を構成するプラスチックに紫外線吸収剤を配合することも行われている。
【0006】
特開昭63−218049号公報には、透明の合成樹脂チューブに紫外線遮断性インキ及び/または紫外線吸収剤を添加して成る練り香辛料用チューブが記載されており、具体的には、ポリオレフィン内外層及び酸素不透過性フィルム中間層から成る多層容器の外層或いは接着剤層に紫外線遮断性インキ及び/または紫外線吸収剤を練り込むことが記載されている。
【0007】
特開昭64−38230号公報には、容器本体の外殻が少なくとも3層のプラスチック層により形成されている多層容器において、中間プラスチック層に紫外線吸収剤が配合されているプラスチック容器が記載されており、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等から成る内外層、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA、ポリアミド等から成る第一及び第三の中間層及びエチレンビニルアルコール共重合体等から成る第二の中間層の多層容器の第一及び第三の中間層にいる。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】
食用油脂の場合、分子内に不飽和結合が存在し、酸素の存在によりこれが過酸化物を形成して、内容物のフレーバー特性を損なうことが知られている。プラスチック容器を多層化して、酸素バリアー性樹脂を設ける方法は、過酸化物生成によるフレーバー低下を抑制するのにある程度役立つが、実際には瓶詰め製品を店頭に陳列した段階で既に着臭を生じており、油脂食品のフレーバー保持、保存性向上という見地からは未だ満足しうるものでない。
【0009】
前記従来技術に見られるように、多層容器の樹脂層に紫外線吸収剤を配合する方法は、容器内容物に紫外線が透過するのを防止する上で確かに有効であるが、この方法では、未だ光により多層容器の接着劣化が生じる傾向があり、油のカルボニル生成や過酸化物生成による変質を完全に防止する上で十分満足しうるものではなかった。
【0010】
本発明者らは、多層容器のエチレンビニルアルコール共重合体中に紫外線吸収剤を配合することにより、油を充填し且つ光が照射された場合に生じる接着劣化が有効に防止されると共に、紫外線吸収剤の劣化も少なく少量で有効であり、油のカルボニル生成や過酸化物生成による変質を完全に防止できることを見いだした。
【0011】
即ち、本発明の目的は、油を充填し且つ光が照射された場合に生じる接着劣化が有効に防止され、油のカルボニル生成や過酸化物生成による変質を完全に防止され、これにより油性食品のシェルフライフを著しく延長させることが可能な油性食品用容器を提供するにある。
【0012】
本発明の他の目的は、紫外線吸収の効果の持続性及び衛生的特性に優れており、しかも油の変質防止が、従来の多層容器に比して、エチレンビニルアルコール共重合体層の厚みを小さくして同様に達成される油性食品用容器を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、紫外線吸収剤を含有するエチレンビニルアルコール共重合体層を、ポリオレフィンを主体とする内外層に対して、接着剤樹脂層を介して中間層として設けた積層体から形成されており、且つ前記紫外線吸収剤は、エチレンビニルアルコール共重合体100重量部当たり0.03乃至0.1重量部の量でエチレンビニルアルコール共重合体層に含有されていることを特徴とする油性食品用容器が提供される。
【0014】
紫外線吸収剤としては、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール或いは2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが、エチレンビニルアルコール共重合体に配合したとき、熱安定性もあり、また接着劣化防止にも有効に作用するので特に望ましい。
【0015】
紫外線吸収剤を、エチレンビニルアルコール共重合体100重量部当たり、特に0.05乃至0.08重量部の量で含有させることが好ましい。
【0016】
【作用】
本発明の油性食品用容器は、エチレンビニルアルコール共重合体から成る中間層と、ポリオレフィンを主体とする内外層と、これらを接着する接着剤樹脂層との積層体から成るが、この積層体のエチレンビニルアルコール共重合体に紫外線吸収剤を配合したことにより、油を充填し且つ光が照射された場合に生じる接着劣化を有効に防止でき、容器製造の際の紫外線吸収剤の劣化も少なくすることができ、少量の配合で油のカルボニル生成や過酸化物生成による変質を防止し、シェルフライフを著しく延長することができる。
【0017】
従来、密封包装容器内の油の酸化劣化は、器壁を通して透過する酸素によるものと信じられており、例えば、室温及び明所において90日間貯蔵した場合、ポリオレフィン単層容器においては、30℃80%RHでの酸素透過度が108cc/m2 ・day・atmであり、内容物の油の過酸化物価(POV)が21meq/kg及びカルボニル価が5.7に達するのに対して、ポリオレフィンの内外層間にエチレンビニルアルコール共重合体の中間層を設けた多層容器(詳細は後述する例参照)では、酸素透過度が4.8cc/m2 ・day・atmであり、過酸化物価(POV)を2.5meq/kg及びカルボニル価を3.5に減少させることができるが、フレーバーテストの結果では、未だ油に若干の着臭を生じている。
【0018】
これに対して、ポリオレフィンの内外層間にエチレンビニルアルコール共重合体の中間層を設けると共にこの中間層に紫外線吸収剤としてのチヌビン 326を配合した多層容器(詳細は後述する例参照)では、酸素透過度が10cc/m2 ・day・atmと上記のものよりも増加しているにもかかわらず、過酸化物価(POV)が1.0meq/kg及びカルボニル価が3.0と顕著に減少し、フレーバーテストの結果でも、油に着臭を生ぜず、フレーバー保持性が向上しているのである。
【0019】
以上の結果によると、密封容器内での油の変質防止には、器壁を通しての酸素の透過防止も重要であるが、酸素透過度の低いレベルでは、紫外線の遮断が油の酸化防止、フレーバー保持性の向上に重要であるという意外な事実が明らかとなる。
【0020】
本発明では、紫外線吸収剤をエチレンビニルアルコール共重合体中間層に含有させることも重要である。後述する例に示すとおり、油を充填し且つ光が照射される条件の元では、エチレンビニルアルコール共重合体層と接着剤樹脂層との界面での接着劣化を生じるが、紫外線吸収剤をエチレンビニルアルコール共重合体に配合することにより、この接着劣化を有効に防止できる。また、エチレンビニルアルコール共重合体に紫外線吸収剤を配合すると、他の樹脂層に紫外線吸収剤を配合する場合に比して、少ない配合量で十分な効果を得ることができ、更に熱成形時における紫外線吸収剤の劣化も少なく、効果の持続性、安定性にも優れている。更にまた、中間層に紫外線吸収剤を配合しているので、紫外線吸収剤が内容物中に溶出することもなく、衛生的特性にも優れている。
【0021】
上記の作用効果は、多数の実験の結果現象として見いだされたものであり、その理由は次のように推測される。即ち、本発明による作用効果は、エチレンビニルアルコール共重合体と紫外線吸収剤との組み合わせに基づく効果であり、この組み合わせが、紫外線吸収剤の熱劣化に対しても、エチレンビニルアルコール共重合体の紫外線劣化に対しても有効に防止作用を行い、更に油性内容物の劣化防止にも有効に機能していると考えられる。
【0022】
更に、本発明によれば、油性内容物の酸化防止に必要な酸素透過度が従来のものよりもかなり高いレベルまで許容できるので、高価なエチレンビニルアルコール共重合体中間層の厚みを薄くすることができ、コストを低減できるという利点もある。
【0023】
【発明の好適態様】
本発明の油性食品用容器の多層構造の一例を示す図1において、この容器壁1は、紫外線吸収剤配合エチレンビニルアルコール共重合体の中間層2と、該中間層2の両側の接着剤樹脂層3a,3bを介して設けられたポリオレフィンの内層4及び外層5とから成っている。
【0024】
容器の多層構造の他の例を示す図2において、この容器壁1は、図1と同様の層構成を有するが、接着剤樹脂層3a,3bと内層4及び外層5との間に、ポリオレフィンを主体とするスクラップ樹脂(リグラインド)層6a及び6bが設けられている。図2の容器におけるポリオレフィンの内層4及び外層5は、バージンのポリオレフィンで構成されるが、中間層6a及び6bは、容器製造の際副生するバリや、不良成形品を再利用するためのものである。
【0025】
本発明に用いる紫外線吸収剤としては、従来この種の用途に使用されている紫外線吸収剤は全て使用できるが、熱安定性が比較的良好でエチレンビニルアルコール共重合体に配合容易であり、特に好適なものとして、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール[チヌビン 326]及び2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール[チヌビン P]が挙げられる。
【0026】
他に使用可能な紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’、5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’、5’−ジペンチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’、5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロべンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0027】
本発明では、上記紫外線吸収剤をエチレンビニルアルコール共重合体に配合する。エチレン−ビニルアルコール共重合体としては、従来ガスバリアー性樹脂として使用されているものは全て使用できるが、特に好適には、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使用される。このエチレンビニルアルコール共重合体ケン化物は、フイルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般に、フエノール:水の重量比で85:15の混合溶媒中30℃で測定して0.01 dl/g 以上、特に0.05 dl/g 以上の粘度を有することが望ましい。
【0028】
紫外線吸収剤は、エチレンビニルアルコール共重合体100重量部当たり、0.03乃至0.1重量部、特に0.05乃至0.08重量部の濃度で用いる。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲よりも低いと、油性内容物の酸化劣化を防止することが困難となる傾向があり、一方上記範囲よりも多いと、経済性やフレーバー保持の点で不都合となる場合がある。
【0029】
また、紫外線吸収剤配合エチレンビニルアルコール共重合体層は、容器の大きさや、容器内に許容される酸素量によっても相違するが、一般に3乃至20μm、特に5乃至10μmの厚みを有することが望ましい。
【0030】
本発明において、これら中間層の両側に設けるオレフィン系重合体としては、ASTM D 570で測定した吸水率が0.5 %以下、特に0.1 %以下の低吸水性オレフィン系重合体が使用され、その代表例として、低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、アイソタクテイツクポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)或いはこれらのブレンド物等のオレフイン系樹脂を挙げることができる。
【0031】
エチレン−ビニルアルコール共重合体とオレフィン系重合体との間には積層に際して十分な接着性が得られないので、両者の間に接着剤樹脂層を介在させる。
【0032】
このような接着剤樹脂としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、カルボン酸アミド、カルボン酸エステル等に基づくカルボニル(−CO−)基を主鎖又は側鎖に、1乃至700ミリイクイバレント(meq)/100g樹脂、特に10乃至500meq /100g樹脂の濃度で含有する酸変性オレフィン系重合体が挙げられる。接着剤樹脂の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフイン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフイン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド等の1種又は2種以上の組合せである。これらの樹脂は、同時押出による積層に有用である。
【0033】
本発明の多層構造物において、オレフィン系重合体の内外層は、一般に150乃至350μm、特に200乃至300μmで且つ中間層の厚みの15乃至70倍、特に30乃至60倍の厚みを有するのがよい。また、内層と外層との厚みは、等しくてもよく、内層又は外層の何れか一方が他方の層よりも厚さの大きい構造となっていてもよい。
【0034】
既に図2に示したとおり、内外層の表面がバージンのポリオレフィンで形成されているという条件下で、容器製造の際副生するバリや、不良成形品をスクラップ樹脂中間層として用いることもできる。バージンのポリオレフィンにたいするスクラップ樹脂の使用量は、一般に1:1乃至1:1.5の比が適当である。
【0035】
本発明の容器は、前述した層構成とする点を除けば、それ自体公知の方法で製造が可能である。
【0036】
多層同時押出に際しては、各樹脂を各樹脂層に対応する押出機で溶融混練した後、T−ダイ、サーキュラーダイ等の多層多重ダイスを通して所定の形状に押出す。押し出されたボトル乃至チューブ形成用パリソンを一対の割型でピンチオフし、その内部に流体を吹込むことにより容易に容器への成形が行われる。
【0037】
【実施例】
本発明を次の例で説明する。
実施例1
エチレン含有量が32モル%、ケン化度が99%及び極限粘度(フェノール85重量%と水15重量%混合溶媒、30℃)が0.12リットル/gのエチレン−酢酸ビニルアルコール共重合体ケン化物100重量部に2−(3´−t−ブチル−2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール〔チヌビン326〕0.05重量部、低密度ポリエチレン30重量部及び無水マレイン酸グラフト変性低密度ポリエチレン10重量部を溶融ブレンドして中間層用ブレンド物を調製した。
このブレンド物を中間層押出機に且つ高密度ポリエチレン(密度0.945g/cm3 及びメルトフローレート0.3g/10min)を内外層押出機に夫々供給し、2種3層ダイスを通して共押出し、ダイレクトブロー成形により、胴部の各層の厚みが内層250μm、中間層10μm及び外層200μmで内容積が320mlのボトルに成形した。
比較のために、上記チヌビン326が添加されていない以外は上記実施例1と同様のボトル(比較例1)及び上記中間層を省略した以外は実施例1と同様のボトル(比較例2)をも製造した。
これら3種のボトルに窒素置換したサラダ油300mlを充填し、キャップで密封した。
このサラダ油充填ボトルを1500Luxの蛍光灯で10時間照射し、14時間暗所に保存する操作を、1ケ月、2ケ月、3ケ月及び6ケ月反復した。
各試験後、ボトルを開封し、油の過酸化物価(POV,meq/kg)を測定した。結果を下記表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003702503
上記表1の結果は、エチレン−ビニルアルコール共重合体中に紫外線吸収剤を含有させることが油の変質防止に有効であることを示している。
【0039】
実施例2
上記実施例1において、チヌビン326の代わりに、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール〔チヌビン P〕0.1重量部を配合する以外は実施例1と同様にして、ボトルを製造した。
このボトルにサラダ油を充填し、実施例1と同様に試験を行った結果、6ケ月後の過酸化物価は2.2meq/kgであった。
【0040】
実施例3
実施例1のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100重量部にチヌビン326 0.05重量部を配合したブレンド物を第1中間層、(実施例1の高密度ポリエチレンを内外層、無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレンを接着剤層、及びボトルのバリ等を粉砕して得られるスクラップ(組成は上記各樹脂のブレンド)を第2中間層として、4種6層のボトルを実施例1と同様に製造した。
胴部の各層の構成は、内層250μm、接着剤層3μm、第1中間層5μm、接着剤層3μm、第2中間層5μm及び外層200μmであり、内容積は320mlであった。
このボトルにサラダ油を充填し、実施例1と同様に試験したところ、6ケ月後の過酸化物価は1.0meq/kgであった。
また、本実施例3のボトルと前記比較例2のボトルとについて、保存後の油の色調をロビンボンド法で測定したところ、下記表2の結果が得られた。
【0041】
【表2】
Figure 0003702503
【0042】
実施例4
上記各ボトルに充填、保存したサラダ油について、20名のパネラーを用いて、10段階評点法で、対照品として暗所冷蔵保存品を用いて評価した。
結果は下記表3の通りであった。
【0043】
【表3】
Figure 0003702503
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、多層容器のエチレンビニルアルコール共重合体中に紫外線吸収剤を配合することにより、油を充填し且つ光が照射された場合に生じる接着劣化を有効に防止できると共に、油のカルボニル生成や過酸化物生成による変質をほぼ完全に防止でき、これにより油性食品のシェルフライフを著しく延長させることが可能である。また、本発明による油性食品用容器は、紫外線吸収の効果の持続性及び衛生的特性に優れており、しかも油の変質防止が、従来の多層容器に比して、エチレンビニルアルコール共重合体層の厚みを小さくして同様に達成でき、コストの点でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油性食品用容器の多層構造の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の油性食品用容器の多層構造の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 容器壁
2 紫外線吸収剤配合エチレンビニルアルコール共重合体の中間層
3a及び3b 接着剤樹脂層
4 ポリオレフィンの内層
5 ポリオレフィンの外層
6a及び6b ポリオレフィンを主体とするスクラップ樹脂層

Claims (6)

  1. 紫外線吸収剤を含有するエチレンビニルアルコール共重合体層を、ポリオレフィンを主体とする内外層に対して、接着剤樹脂層を介して中間層として設けた積層体から形成されており、且つ前記紫外線吸収剤は、エチレンビニルアルコール共重合体100重量部当たり0.03乃至0.1重量部の量でエチレンビニルアルコール共重合体層に含有されていることを特徴とする油性食品用容器。
  2. 紫外線吸収剤が2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールである請求項1記載の油性食品用容器。
  3. 紫外線吸収剤が2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールである請求項1記載の油性食品用容器。
  4. 接着剤樹脂層が酸変性オレフィン系重合体である請求項1乃至3の何れかに記載の油性食品用容器。
  5. ポリオレフィンから成る内層及び外層の少なくとも一方と接着剤樹脂層との間にポリオレフィンを主体とするスクラップ樹脂層が設けられている請求項1に記載の油性食品用容器。
  6. 前記紫外線吸収剤を含有するエチレンビニルアルコール共重合体層が3乃至20μmの厚みを有している請求項1乃至5の何れかに記載の油性食品容器。
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