JP2815516B2 - 調味ペースト - Google Patents

調味ペースト

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JP2815516B2
JP2815516B2 JP4283619A JP28361992A JP2815516B2 JP 2815516 B2 JP2815516 B2 JP 2815516B2 JP 4283619 A JP4283619 A JP 4283619A JP 28361992 A JP28361992 A JP 28361992A JP 2815516 B2 JP2815516 B2 JP 2815516B2
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cheese
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史治 竹田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クリームチーズを主原
料とし、ガーリックを含有し、更にタイム、及びローレ
ルを含有し、かつソフト化された低pH調味ペーストに
関するものであり、更に詳しくは、クリームチーズを主
原料とし、クリームチーズに特有の油っこい風味、及び
発酵乳臭を確実に抑制し、かつタイム、及びローレルの
ハーブの風味を充分に生かし、ガーリック風味と調和さ
せることが可能で、調味材料として利用できることはも
とより、惣菜的な感覚で利用することも可能なきわめて
汎用性の高い全く新しいタイプの調味ペースト食品であ
って、常温で流通可能であると共に、チューブ等の容器
から絞り出し可能な、ソフトな物性を具備した低pH調
味ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、調味ペーストに類似した製品とし
て、例えば、サンドイッチ、カナッペ等に利用するスプ
レッド製品、フラワーペースト製品等が知られており、
当該スプレッド製品等は、パン等の間にはさむ形で、あ
るいはパン等の上にのせるフィリング(食材)として利
用され、また、パン等の間に水気をはじく薄い膜をつく
るために、あるいはパン等に塗ってそのまま食す等の形
で利用されている。このようなスプレッド製品として
は、バター、マーガリン、マヨネーズ等を主原料とした
ものが中心であり、種々のタイプのものが数多く知られ
ている。
【0003】しかしながら、これらの製品は、いずれの
タイプのものも、比較的油脂の含量が多く、高カロリー
で、かつ味覚的に油っぽいものであり、また、単なる調
味料的な感覚で利用するタイプにほとんど限られてお
り、その汎用性は低いものである。更に、物性的には、
比較的固い物性のものが多く、チューブ等の絞り出しタ
イプの容器に入れても、使用時に容易に絞り出すことが
できない等、いわゆる調味ペースト的製品として利用す
るには問題のあるものである。
【0004】一方、クリームチーズ等のチーズを主原料
としたペースト状製品等も数多く開発されており、例え
ば、チーズの有する特性に加えて、蛋白質、ビタミンを
天然物により強化するために、チーズと、牛、豚等の内
蔵を混和したペースト状の食品(特開昭48−2265
5号公報)が提案されており、また、チーズに水可溶湿
潤性の溶剤であるプロピレングリコール、補助材等を添
加し、加熱攪拌混練することからなる食品用着香料等の
食品全般の基礎材としてのペースト状チーズの製造法
(特開昭51−98360号公報)等が提案されてい
る。
【0005】更に、ナチュラルクリームチーズ、澱粉質
材料、マーガリン、果汁、醗酵乳等からなる材料を乳
化、殺菌、ペースト化することを特徴とする菓子パンの
フィリングとして用いられるチーズ加工フラワーペース
トの製法(特開昭57−194748号公報)が提案さ
れており、また、魚介類とチーズの混合物をそのまま加
熱調理して、魚介類とチーズからなる煉製品又はプロセ
スチーズを製造する方法(特開昭62−205737号
公報)等が提案されている。
【0006】しかしながら、これらのものは、チーズを
主原料として使用し、当該チーズに肉類、魚介類、マー
ガリン、果汁、醗酵乳等の通常の食品材料を栄養的見地
等から混入したもの、特殊な溶剤を添加したもの、特殊
な加工処理を施したもの等、多岐に及ぶものであるが、
いずれの製品も、通常の乳製品のチーズをベースとした
当該チーズそのものの油っぽい風味、及び発酵乳臭をそ
のまま特有の風味として充分に生かしたチーズ製品の一
種として位置づけられるものである。
【0007】しかして、このようなチーズを主原料とし
てチーズそのものの風味を生かしたチーズ製品を製造す
るために、当該チーズをベースとして、前記したような
通常の食品材料をそのまま混入し、当該食品材料を含む
チーズ製品を得ることは、ごく普通に行われていること
であり、技術的にみても、格別の特徴を有するものはそ
れ程多いものではないが、それと反対に、使用する食品
材料の風味を充分に生かした形で製品化すること、すな
わち、特にチーズそのものの有する特有の油っぽい風
味、及び発酵乳臭を確実に抑制し、かつ食品材料を、そ
のデリケートな風味を充分に生かす形で配合することは
必ずしも容易なものではない。
【0008】そして、一口にチーズと言っても、その種
類は、多種多様であり、特に、食品の風味を問題とする
場合は、当該チーズについて必ずしも軌を一に論じられ
るものではないが、一般に、プロセスチーズは、各種の
チーズを乳化剤と混ぜて、加熱融解して型詰めしたもの
であることから、デリケートな風味料、香味料等の場合
には、単にそれを原料中に混入しても、その作用効果を
有効に保持させることは困難な場合が多い。
【0009】また、前記スプレッド製品、フラワーペー
スト製品等の加工に適した軟質チーズは、クリームと牛
乳の混合物を原料として使用したものであり、一般に、
おだやかな風味を有する熟成させないクリームチーズタ
イプのものと、カビ等によって熟成させた個性的なタイ
プのものがあるが、このうち、後者のものは、熟成によ
る個性的な特有の風味を生かした製品であることから、
デリケートな風味を有する食品材料を添加しても、その
風味を充分に生かすことは困難な面があり、一般に、製
品の特性上、これらを添加することになじまない。ま
た、前者の比較的おだやかな風味を有するクリームチー
ズの場合であっても、当該クリームチーズにデリケート
な風味を有する食品材料を配合した場合、一般に、当該
クリームチーズの有する特有の油っぽい風味、及び発酵
乳臭によるマスキング作用により、当該食品材料のデリ
ケートな風味を生かすことはかなり難しい側面がある。
【0010】一方、前記軟質タイプのクリームチーズと
同様な物性を有する新しいタイプの製品として、植物性
のクリームチーズが知られており、洋菓子(スフレ、フ
ラン他)、パン(フィリング)、デザート、調理等の分
野で、当該クリームチーズの特有の油っぽい風味、及び
発酵乳臭を生かす形で、クリームチーズと同じ感覚で使
用されている。
【0011】当該植物性のクリームチーズは、油脂分を
すべて植物油脂を用いて製造された製品であり、低カロ
リー、低コレステロールで、比較的作業性が良いもので
ある。
【0012】このように、クリームチーズを主原料とし
た製品は、当該クリームチーズに特有の油っぽい風味、
及び発酵乳臭を不可避的に有しており、いずれの製品
も、むしろ当該特有の風味等を生かす形で製品化が行わ
れているのが普通であり、従って、従来のスプレッド製
品、フラワーペースト製品等も、製品の特性上、洋風的
な感覚、かつ調味料的な感覚でしか利用できず、その汎
用性は低いものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、このような各種クリームチーズ等をベースとしたス
プレッド製品、フラワーペースト製品等にみられる種々
の特性を種々検討し、そして、ハーブ等の天然のデリケ
ートな風味を有する食品材料をそのまま生かすような形
で製品中に含有せしめる方法を種々検討する中で、クリ
ームチーズに特有の前記油っぽい風味、及び発酵乳臭を
確実に抑制し、当該デリケートな風味を充分に発揮させ
ると共に、従来にない新しい使用形態の製品を開発する
ことを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、クリーム
チーズを主原料とし、ガーリックを含有せしめ、かつタ
イム、及びローレルを含有せしめ、pHを調整し、これ
に必要に応じて副原料としてマヨネーズを含有させてそ
の物性を調整し、全体としてソフト化したものが、クリ
ームチーズに特有の油っぽい風味、及び発酵乳臭が確実
に抑制され、かつハーブの天然のデリケートな風味を充
分に生かすことができ、常温で流通させることが可能な
新しいタイプの調味ペースト製品を製造し得ることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、クリームチーズ特有
の油っぽい風味、及び発酵乳臭が確実に抑制され、タイ
ム、及びローレルのハーブの有する特有のデリケートな
風味とガーリック風味が充分に生かされた、優れた風味
バランスを有するソフト化された低pH調味ペーストを
提供することを目的とするものである。
【0015】また、本発明は、クリームチーズを主原料
とし、常温で流通させることが可能な低pHの新しいタ
イプの低pH調味ペーストを提供することを目的とする
ものである。
【0016】また、本発明は、クリームチーズを主原料
とし、副原料としてマヨネーズ等を使用し、チューブ等
の絞り出し容器から容易に絞り出すことが可能な新しい
タイプのソフト化された低pH調味ペーストを提供する
ことを目的とするものである。
【0017】更に、本発明は、クリームチーズを主原料
とし、タイム、及びローレルのハーブの有する天然のデ
リケートな風味を消失、失効させることなく製品中にそ
のまま保持させることを可能とすると共に、惣菜的な感
覚で利用できる、きわめて汎用性の高い前記低pH調味
ペーストを提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために採用される本発明の構成は、次の(1)〜
(7)の技術的手段からなる。
【0019】(1)クリームチーズを主原料とし、ガー
リックを含有し、更にタイム、及びローレルを含有し、
pH3.7〜4.2の低pHに調整されてなる低pH調
味ペースト。
【0020】(2)クリームチーズが、調味ペースト全
体に対して20〜50重量%の割合で含まれている前記
(1)記載の調味ペースト。
【0021】(3)調味ペーストが、チューブ等の絞り
出し可能な容器に収納されている前記(1)記載の調味
ペースト。
【0022】(4)調味ペーストが、副原料として、マ
ヨネーズを含有する前記(3)記載の調味ペースト。
【0023】(5)ガーリックが、調味ペースト全体に
対して1〜7重量%の割合で含まれている前記(1)記
載の調味ペースト。
【0024】(6)タイムが、調味ペースト全体に対し
て0.05〜2重量%の割合で含まれている前記(1)
記載の低pH調味ペースト。
【0025】(7)ローレルが、調味ペースト全体に対
して0.05〜1.5重量%の割合で含まれている前記
(1)記載の低pH調味ペースト。
【0026】続いて本発明の構成について詳細に説明す
る。本発明で主原料として使用するクリームチーズは、
牛乳などを原料として得られる通常のクリームチーズ、
脱脂粉乳に植物性油脂を添加し、乳化させたものを発酵
させた植物性クリームチーズ、及びそれと類似の植物性
チーズ製品もしくはこれらと同効の製品等を適宜利用す
ることができる。
【0027】通常のクリームチーズは、クリーム、又は
クリームと牛乳の混合物を均質化処理して殺菌し、スタ
ーターとレンネットを用いて凝固させることにより製造
される軟質タイプのチーズ製品であり、おだやかな風味
を有する熟成させないチーズとしてしられているもので
ある。当該クリームチーズは、原料の配合、及び製造プ
ロセスによって種々の製品があるが、本発明の原料とし
ては、一般に、軟質タイプの製品であれば、いかなる種
類のものであっても適宜使用することができる。
【0028】一方、植物性クリームチーズは、脱脂粉乳
に植物性油脂を添加し、乳化させたものを発酵させたも
のであり、市販の植物性クリームチーズ、及びそれと類
似の植物性チーズ製品もしくはそれと同効の製品を適宜
使用することができる。当該植物性クリームチーズを使
用した場合は、低カロリー、低コレステロールの製品を
得ることができる。
【0029】本発明において、当該クリームチーズは、
調味ペースト全体に対して20〜50重量%、好ましく
は30〜40重量%の特定の割合で含有させることが必
要である。この場合、当該クリームチーズの含有量が少
ないと、全体として調味料的な要素が強くなり、いわゆ
る本発明が目標とする惣菜感が失われてしまい好ましく
なく、一方、その含有量が多いと、全体として油っぽい
味覚になり、発酵乳臭が強く、天然の風味材料の有する
風味を失い、全体の風味バランスを欠くと共に、固い物
性になり、チューブ等の絞り出し容器に収納した場合
に、絞り出すことが困難になり好ましくない。
【0030】次に、本発明の調味ペーストは、天然の風
味材料であるタイム、及びローレルのハーブの有するデ
リケートな良好な風味を充分に生かし、全体としての風
味バランスを優れたものにすると共に、調味ペースト全
体をソフト化してその物性を改善するために、前記主原
料のクリームチーズの物性に応じて、副原料としてマヨ
ネーズ等を添加し、均一に攪拌し、混練する。当該マヨ
ネーズとしては、通常のマヨネーズはもとより、マヨネ
ーズと同効の食品材料であれば、適宜のものを使用する
ことができる。
【0031】このように、主原料としてのクリームチー
ズに、副原料としてのマヨネーズ等を添加し、均一に攪
拌し、混練することによって、調味ペースト全体の物性
をソフト化し、かつ低温度下においても、チューブ等の
絞り出し容器から容易に絞り出すことが可能なソフトな
物性を確実、かつ安定に維持できる。
【0032】また、ガーリックとの組み合わせにおい
て、タイム、及びローレル以外のハーブ、すなわち、タ
ラゴン、オレガノ、バジル、シソ、セロリ、パセリ、セ
ージ、マジョラム、ローズマリー、ペパーミント、スペ
アミント、サボリー等の各種ハーブを使用しても、天然
の風味材料の有するデリケートな風味を充分生かすこと
ができ、全体の風味のバランスを整えることができると
いう相剰的な作用効果を得ることができない。
【0033】次に、本発明で使用するガーリックについ
ては、調味ペースト全体に対して1〜7重量%、好まし
くは3〜5重量%の割合で含有させることができる。こ
れよりも少ない場合、惣菜的な感覚の製品が得られず、
かつタイム、及びローレルとの相剰的作用を引き出すこ
とができない。これよりも多い場合、全体の風味バラン
スがくずれ、好ましくない。当該ガーリックは、生、パ
ウダー、オイル等のような性状のものを使用してもよい
が、生のものを使用した方がガーリックの有する自然な
香り、味覚を調味ペーストに付与することができ、かつ
調味ペーストとの一体感が生じるので好ましい。
【0034】本発明で使用するタイムについては、調味
ペースト全体に対して0.05〜2重量%、好ましくは
0.2〜1.2重量%の割合で含有させることができ
る。これよりも少ない場合、ガーリック、及びローレル
との相剰的作用を引き出すことができない。これよりも
多い場合、薬味臭が強く発現し、全体の風味バランスが
くずれ、好ましくない。
【0035】本発明で使用するローレルについては、調
味ペースト全体に対して0.05〜1.5重量%、好ま
しくは0.1〜0.5重量%の割合で含有させることが
できる。これよりも少ない場合、ガーリック、及びロー
レルとの相剰的作用を引き出すことができない。これよ
りも多い場合、苦味が増長し、全体の風味バランスがく
ずれ、好ましくない。
【0036】使用するタイム、及びローレルの形態、す
なわち、これらのハーブを添加、混入する際の形態とし
ては、0.1〜5mm、好ましくは0.6〜2mmの大
きさが好ましい。タイム、及びローレルのハーブの形態
がこれよりも小さい場合は、見栄えが悪く、外観的に当
該ハーブの存在が感じられない。また、これよりも大き
い場合は、調味ペーストをチューブ等の絞り出し容器か
ら絞り出すことが難しくなると共に、調味ペーストとし
て実際に食した時に、調味ペースト中の当該ハーブが偏
在したものとなり、その風味が不均一となり好ましくな
い。
【0037】本発明の調味ペーストを、常温で流通する
のに適した形に製品化するために、原料中に有機酸を含
有させ、かつ最終的に低温加熱殺菌処理することが必要
である。すなわち、通常の高温加熱殺菌処理を施すと、
タイム、及びローレルのハーブの有する天然のデリケー
トな風味が消失し、失効してしまい、本発明の調味ペー
ストを得ることは不可能である。そこで、本発明におい
ては、調味ペーストの原料中に、酢等の有機酸を含有さ
せて、そのpHを3.7〜4.2に調整し、低温加熱殺
菌処理を施す。当該pH調整のために、クエン酸、リン
ゴ酸、酢等の有機酸を使用することができるが、当該有
機酸の中でも静菌作用があり、クリームチーズと風味的
に好適に適合する酢を利用することが好ましい。
【0038】また、低温加熱殺菌処理の条件は、品温が
70〜85℃、好ましくは75〜80℃になるまで温湯
中に浸漬する方法が好適なものとして例示されるが、タ
イム、及びローレルのハーブの有する天然のデリケート
な風味を消失、失効させない方法であれば、適宜の方法
を使用することができる。なお、当該加熱殺菌処理を高
温で実施した場合には、調味ペーストの乳化が破壊され
たり、褐変が生じる等の品質劣化がみられ、また、各原
料の風味がミックスされてしまい、それぞれの原料の風
味、特に、タイム、及びローレルのハーブの有する天然
のデリケートな風味を充分に発揮させることができない
と共に、加熱臭が生起する等して、本発明の調味ペース
トを得ることは全く不可能である。
【0039】本発明の調味ペーストの各原料の配合、及
び製造工程としては、先ず、クリームチーズに、醸造酢
等の有機酸を加え、これを均一に攪拌してpH調整を行
い、ガーリックを加え、必要に応じて、食塩、化学調味
料、各種粉末スパイス等の粉体原料等、適宜の副次的材
料を、適宜の形態で加え、次いで、クリームチーズの物
性に応じ副原料としてのマヨネーズを加え、更に、タイ
ム、及びローレルを加え、原料全体を均一に攪拌し、混
練したものを、チューブ等の絞り出し容器等に充填し、
前記低温殺菌処理を施すか、又は、低温殺菌処理を施し
た後、容器に充填し、冷却して、本発明のソフト化され
た調味ペースト製品が得られる。
【0040】本発明の調味ペーストは、クリームチーズ
に特有の油っぽい風味、及び発酵乳臭を確実に抑制し、
かつタイム、及びローレルの有する天然のデリケートな
風味を充分に生かしガーリック風味と調和させた形で製
品中に配合することを最大の特徴点とするものであるこ
とから、当該風味を損なわない範囲において、適宜の調
味料等により調味加工等を施すことができることは言う
までもない。
【0041】また、チューブ等の絞り出し容器について
も、特に制限されるものではなく、前記タイム、及びロ
ーレルのハーブの有する天然のデリケートな風味を確
実、かつ安定に保持し得る材質のものであれば適宜の材
質、形態のものが使用可能である。
【0042】本発明の調味ペーストは、単に各種食品の
調味素材として有用なものであるばかりでなく、クリー
ムチーズに特有の油っぽい風味、及び発酵乳臭を確実に
抑制し、かつタイム、及びローレルの有する天然のデリ
ケートな風味をガーリック風味と調和させながら充分に
生かした新しいタイプの食品として、いわゆる惣菜的な
感覚で、直接食することが可能なものである。このよう
な本発明の調味ペーストの応用例としては、例えば、ス
ティックサラダ、フライドホテト等のデッィプソースと
して、また、カナッペ、サンドイッチ、パン等のスプレ
ッドとして、また、エビフライ、カツ料理等のソースと
して、また、お好み焼き、ハンバーグ等のトッピングと
して、更に、ポテトサラダ、蒸し鳥、冷奴等の調味等に
好適に利用されるが、これに限らず、適宜の食品の調味
素材もしくは惣菜として利用し得るものであることは言
うまでもない。
【0043】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を具体的に説明
するが、本発明は、当該実施例に限られるものではな
い。 実施例1 脱脂粉乳に植物性油脂を添加し、充分乳化させたものを
発酵して製造した市販の植物性のクリームチーズ(不二
製油社製)34重量部に、醸造酢2重量部を加え、ガー
リックペースト3重量部、液体調味料のピクルスペース
ト7重量部を加え、マイクロスピードミキサーにより均
一に攪拌し、pH3.8になるようにpH調整を行っ
た。
【0044】次いで、食塩1重量部、化学調味料0.5
重量部に、更に、オニオンパウダー、ガーリックパウダ
ー等の粉末スパイス1.3重量部からなる粉体原料を加
え、混合した後、マヨネーズ50重量部を加えた。次い
で、タイム1.0重量部、ローレル0.2重量部を加
え、充分混合した後、チューブ容器に充填し、80℃、
湯殺菌14分間の低温殺菌処理を施し、これを冷却して
本発明の絞り出し可能なチューブ容器入り調味ペースト
製品を得た。
【0045】比較例1 植物性のクリームチーズに代えて、通常のクリームチー
ズを使用し、かつガーリックペーストを配合しないこと
以外は、実施例1と同様の方法により、調味ペースト製
品を得た。
【0046】比較例2 植物性のタイム、及びローレルを配合せず、かつクリー
ムチーズに加えるマヨネーズの使用量を10重量%にす
ること以外は、実施例1と同様の方法により、調味ペー
スト製品を得た。
【0047】実施例1で得た本発明の調味ペースト製品
と、比較例1、及び比較例2で得た調味ペースト製品の
風味について10人のパネルにより官能評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果から明らかなように、本発明の
調味ペースト製品は、クリームチーズに特有の油っぽい
風味、及び発酵乳臭が確実に抑制され、また、タイム、
ローレルのハーブのデリケートな風味が充分に生かさ
れ、かつ調味ペースト全体の風味のバランスがきわめて
優れており、惣菜的な感覚で利用し得る汎用性の高いも
のであることが判明した。
【0050】一方、比較例1の調味ペースト製品は、ク
リームチーズに特有の発酵乳臭が強く感じられると共
に、油っぽい風味が強く感じられ、惣菜感がなく、若干
重くしつこい風味を有していた。また、ハーブの風味が
消失、失効し、全く感じられず、調味ペースト全体とし
て風味のバランスが悪く、汎用性の低いものであること
が判明した。
【0051】また、比較例2の調味ペースト製品も、ほ
ぼ比較例1と同様のものであり、特に油っぽい風味、が
強く感じられ、重くしつこい風味を有していた。また、
全体の風味バランスは悪いものであり、かつ物性がかな
り固く、チューブ等の絞り出し容器から絞り出しにくい
ものであることが判明した。
【0052】比較例3 タイムに代えてタラゴンを1重量部使用する以外は、実
施例1と同様の方法により、調味ペーストを得た。
【0053】比較例4 ローレルに代えてローズマリーを0.2重量部使用する
以外は、実施例1と同様の方法により、調味ペーストを
得た。
【0054】実施例1で得た本発明の調味ペースト製品
と、比較例3、及び比較例4で得た調味ペースト製品の
風味について10人のパネルにより官能評価を行った結
果、比較例3、及び比較例4のものは、油っぽい風味、
及び発酵乳臭が強く、また全体の風味バランスも不良で
あり、本発明の目標とする調味ペースト製品として採用
し得ないものであった。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、クリー
ムチーズを主原料として使用すると共に、必要に応じて
副原料としてマヨネーズを使用し、これにガーリックを
含有させ、かつタイム、及びローレルを含有させること
により、クリームチーズに特有の油っぽい風味、及び発
酵乳臭を確実に抑制し、かつ当該ハーブの天然のデリケ
ートな風味を消失、失効させることなく充分に生かし、
ガーリックの風味と調和させることを可能にしたもので
あり、このことによって、例えば、マヨネーズのように
単なる調味料としてではなく、惣菜的な感覚でも利用す
ることができる等、従来の製品のは全くみることのでき
ないきわめて汎用性が高い新しいタイプの調味ペースト
を得ることを可能にするものである。
【0056】また、主原料として使用するクリームチー
ズと、副原料として使用するマヨネーズとを特定の量で
組み合わせることにより、全体がソフト化され、チュー
ブ等の絞り出し容器から容易に絞り出すことが可能であ
り、製造時における作業性もよく、かつパン等の食品に
も塗り易い特徴を有する等、その利用性においても優れ
た特徴を有する調味ペーストを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/24 A23C 1/00 - 23/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリームチーズを主原料とし、ガーリッ
    クを含有し、更にタイム、及びローレルを含有し、pH
    3.7〜4.2の低pHに調整されてなる低pH調味ペ
    ースト。
  2. 【請求項2】 クリームチーズが、調味ペースト全体に
    対して20〜50重量%の割合で含まれている請求項1
    記載の低pH調味ペースト。
  3. 【請求項3】 調味ペーストが、チューブ等の絞り出し
    可能な容器に収納されている請求項1記載の調味ペース
    ト。
  4. 【請求項4】 調味ペーストが、副原料として、マヨネ
    ーズを含有する請求項3記載の調味ペースト。
  5. 【請求項5】 ガーリックが、調味ペースト全体に対し
    て1〜7重量%の割合で含まれている請求項1記載の低
    pH調味ペースト。
  6. 【請求項6】 タイムが、調味ペースト全体に対して
    0.05〜2重量%の割合で含まれている請求項1記載
    の低pH調味ペースト。
  7. 【請求項7】 ローレルが、調味ペースト全体に対して
    0.05〜1.5重量%の割合で含まれている請求項1
    記載の低pH調味ペースト。
JP4283619A 1992-09-30 1992-09-30 調味ペースト Expired - Lifetime JP2815516B2 (ja)

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