JP2805681B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JP2805681B2
JP2805681B2 JP7348207A JP34820795A JP2805681B2 JP 2805681 B2 JP2805681 B2 JP 2805681B2 JP 7348207 A JP7348207 A JP 7348207A JP 34820795 A JP34820795 A JP 34820795A JP 2805681 B2 JP2805681 B2 JP 2805681B2
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祐一郎 櫛田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、熱可塑性とゴム弾
性を併有する熱可塑性エラストマー組成物に関し、より
詳しくは熱可塑性物質として通常のプラスチックと同様
の押出成形、射出成形、ブロー成形、ロール成形、カレ
ンダー成形等の成形法を適用することが可能で、しかも
ゴムのような弾性を示すポリ塩化ビニルとニトリルゴム
を含む熱可塑性エラストマー組成物、その成形品及び該
組成物の製法に関する。本発明の熱可塑性エラストマー
組成物は異形押出しを行っても成形品の細部形状が正確
で表面が平滑な成形品が得られ、しかも通常の加硫ゴム
のような煩瑣な加硫工程を経ずに弾性物質を得ることが
できる利点がある。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂は一般に化学的、物理的
性質にすぐれており、可塑剤を配合することにより適度
の弾力性を有し、柔軟性に富む軟質成形品を与えるの
で、フィルム、シート、チューブ、容器等各種成形品原
料樹脂として多用されている。
【0003】しかしながら、軟質塩化ビニル系樹脂成形
品はクリープ性が強く、圧縮永久歪も大きい。すなわ
ち、圧縮力を取り除いた時の復元性に劣るという短所を
有する。例えば、通常の塩化ビニル系樹脂に可塑剤を配
合して得られる軟質成形品は、JIS K-6301に基づいて測
定した圧縮永久歪(以下、圧縮永久歪の測定は特に記載
のない限り、JIS K-6301、条件70℃×22時間、25
%圧縮である)が60〜70%ときわめて大きく、この
ため、パッキン等低い圧縮永久歪が要求される用途への
使用が制限されている。
【0004】したがって、この圧縮永久歪を低減するた
めに軟質塩化ビニル樹脂配合物に更に部分架橋ニトリル
ゴムを配合して使用する方法が従来より行われてきた。
この技術は例えば次の文献に記載されている。 Rubber Age, July, 1973,P.43〜47 Rubber World, March, 1973, P.42〜50 Rubber Chemistry and Technology, Rubber Review
s for 1978,P.395〜397 L'Officiel des Plastique et du caoutchauc, Ma
i, 432〜437 (1979)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法では圧縮永久歪を40〜50%にすることはできても
40%以下にすることは難しく、加硫ゴムの代替品とし
て使用するには未だ改良は不充分であった。しかも、塩
化ビニル樹脂の圧縮永久歪を下げるための成分である部
分架橋ニトリルゴム(以下、ニトリルゴムをNBRとす
る)の増量に伴って、圧縮永久歪は40%程度まで低下
するものの、それと共に他の重要な性質である引張強
度、伸び、引裂強度が低下するという欠点が生じてく
る。一例を挙げれば表1のような結果となる。
【0006】
【表1】
【0007】したがって、従来より使われている加硫ゴ
ムの用途に代替することができる熱可塑性エラストマー
としては、強度及び圧縮永久歪の両者共に良好な特性を
有することが求められていた。
【0008】特開昭61−195144号公報には塩化
ビニル樹脂、可塑剤、ゴム状物質、有機過酸化物及び多
官能アクリレートまたはメタクリレートからなる組成物
を、インテンシブミキサーで温度が170℃以上になる
まで混練する技術が開示されている。そして、ゴム状物
質として部分架橋NBRも記載され、圧縮永久歪及び成
形品の外観が改善されている旨開示されている。しかし
ながら、複雑な断面形状を有する異形押出し成形品にお
いて細部の形状までも正確に安定して得られることに関
しては何ら教示されていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加硫ゴム
の用途に耐え得るゴム弾性と、熱可塑性樹脂に用いられ
る種々の成形法が適用できる熱可塑性とを併有し、低い
圧縮永久歪と高い強度を有するばかりでなく、複雑な断
面形状を有する異形押出しであっても細部の形状まで正
確に安定して成形され、表面が格段に平滑な成形品が製
造可能な熱可塑性エラストマー組成物につき種々検討し
た。その結果、塩化ビニル系樹脂と粉末状の部分架橋ニ
トリルゴム、可塑剤及び充填剤を適正量含む系に有機過
酸化物系の硬化剤を加え、混練下に架橋反応させること
により熱可塑性を保ったまま、圧縮永久歪及び破断時の
応力が共に向上し、かつ成形加工性に優れ、特に異形押
出しにより複雑な形状でも細部まで正確に安定して成形
され、表面肌が格段に平滑な成形品を製造することが可
能な熱可塑性エラストマー組成物が得られることを見出
した。
【0010】本発明は塩化ビニル系樹脂100重量部、
粉末状部分架橋ニトリルゴム20〜300重量部、可塑
剤25〜200重量部、充填剤10〜200重量部、及
び有機過酸化物系の硬化剤を140〜220℃で溶融混
練しながら上記ニトリルゴムを硬化剤で架橋反応させる
ことにより熱可塑性と、ゴム弾性を併有させることを特
徴とする熱可塑性エラストマー組成物、その成形品、及
び該組成物の製法である。
【0011】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は1
40〜220℃で、好ましくは150〜210℃の温度
で混練した時、組成物中の硬化剤が反応し、熱可塑性を
保持しつつ、120kg/cm2 以上の高い引張強度と
40%以下の優れた圧縮永久歪を示す。更に、本発明の
熱可塑性エラストマー組成物はすぐれた加工性を有し、
特に、異形押出しの場合に、複雑な細部形状を期待通り
に正確に安定して押出し可能であり、得られた成形品の
表面肌は格段に平滑である。ここでいう異形押出しと
は、プラスチックの押出し製品の断面形状を、単純な形
状でなく不整形にする押出しである。例えば、この押出
しによって複雑な形状をもつ自動車の部品として使われ
るグラスランチャンネルやウエザーストリップ更にはパ
ッキン、ガスケット、グリップ、クッション材等不整形
の製品を製造することができる。
【0012】このように硬化剤を添加し反応させた上
で、なお熱可塑性エラストマーとしての加工性を保持
し、かつ圧縮永久歪と破断時の引張強度を向上させるこ
とができるのは、硬化剤が、組成物の熱可塑性を保つ役
目をしているポリ塩化ビニルとほとんど反応せず、NB
Rのみと反応するためであることは表2に示す実験結果
より明らかである。すなわち、NBRの場合は硬化剤を
添加するとゲル含量が増加し、かつ膨潤度が低下する事
実より架橋反応が起こっていることがわかるが、ポリ塩
化ビニルの場合はこの条件下ではゲル含量がほとんど増
えず、ポリ塩化ビニルはほとんど反応していないことが
わかる。したがって、ポリ塩化ビニルとNBRとの混合
物では硬化剤は主としてNBRと反応し、ポリ塩化ビニ
ルはほとんど反応しないことが推察される。
【0013】
【表2】
【0014】なお、表2の試験は次のようにして行っ
た。予めジャケット温度を150℃に設定したブラベン
ダープラストグラフに表2に示す実験No.6〜14の
処方で配合物60grを入れ60rpmで10分間混練
し、ブロック状または粉末状の配合物を得た。得られた
ブロック状の配合物はロールでシーティング後細断し、
粉末状の配合物はそのままテトラヒドロフラン中に0.
5%の濃度で分散させ、軽く振とうさせながら室温で2
0時間放置後、濾別して得た不溶分重量からゲル含有量
(%)を、又濾別した不溶性ポリマー分の膨潤状態(テ
トラヒドロフランを含んだ状態)の重量を、乾燥後の重
量で除して膨潤度をそれぞれ求めた。
【0015】本発明は低い圧縮永久歪、ゴムとしての望
ましいその他の特性を備えるばかりでなく、成形品の外
観、特に表面が平滑で、細部形状が正確な異形押出し成
形品を安定して得られることが重要である。この効果は
塩化ビニル系樹脂、粉末状部分架橋NBR、可塑剤、更
に充填剤の量が適正に保たれた混合物を混合下で反応さ
せることにより得られる組成物により初めて達成された
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において使用される塩化ビ
ニル系樹脂は、一般の塩化ビニル系樹脂でよく、平均重
合度700〜6000のものが一般に使用される。ま
た、塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルと次に挙げるモ
ノマーとの共重合体を含むものである。上記モノマーと
しては、例えば、脂肪酸ビニルエステル、ビニリデンハ
ライド、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸ア
ルキルエステル、アクリロニトリル、アルキルビニルエ
ーテル、スチレン及びその誘導体が挙げられる。
【0017】本発明で使用されるNBRは、結合アクリ
ロニトリル量20〜45%が好ましく、粒子径が通常1
mm以下、好ましくは0.5mm以下の粉末状部分架橋
NBRである。特定量の粉末状部分架橋NBRと適正量
の充填剤を併用する本発明により得られる組成物は、そ
の成形品の表面が平滑で、グラスランチャンネル(図
1)やウエザーストリップ(図6)のような複雑な形状
を有する異形成形品であっても細部の形状が正確で安定
した押出し加工性を有する。本発明における粉末状部分
架橋NBRの配合量は塩化ビニル系樹脂100重量部に
対し20〜300重量部である。20重量部未満では圧
縮永久歪を減少させる効果が弱すぎ、300重量部を越
えると加工性が悪くなっていずれも好ましくなく、特に
望ましい範囲は30重量部以上、200重量部以下であ
る。
【0018】可塑剤は塩化ビニル系樹脂の軟質成形品製
造のために使用され得るものであれば特に限定はなく、
フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、ピロメリ
ット酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコール
エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、クエン酸
エステル系の可塑剤、更にはエポキシ系可塑剤、ポリエ
ステル系可塑剤等が使用できる。可塑剤の配合量は塩化
ビニル系樹脂100重量部に対して25〜200重量部
である。25重量部未満では加工性が悪く、かつ硬くな
りすぎ、エラストマーとしての性質を示さない。200
重量部を越えると物性が低下し、実用の範囲から外れ
る。
【0019】本発明で用いる硬化剤は有機過酸化物系硬
化剤である。例えばラウリルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ビス2,4ジクロロベンゾイルパー
オキサイド、ジキュミルパーオキサイド、ジターシャリ
ーブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン、1,
1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、トリスα−α−ジメチ
ル−α−(ターシャリーブチルパーオキシ)メチルベン
ゼン、α−α−ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピ
ルベンゼン、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘキ
シル)パーオキシジカーボネート、ターシャリーブチル
パーオキシベンゾエート等が好ましい。
【0020】他に促進剤として、アルデヒドアンモニア
類、アルデヒドアミン類、グアニジン、チオウレア類、
チアゾール類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン
酸塩類、チウラム類が使われる。
【0021】更にこれらの硬化反応の補助剤としてジベ
ンゾp−キノンジオキシム、p−キノンジオキシム、p
−フェニレンビスマレイミド、トリアルキルシアヌレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート及びネオペンチルグリコールジアクリ
レート等が用いられる。
【0022】硬化剤の量は硬化剤の種類及び促進剤との
組合せにより変化するが、通常の塩化ビニル系樹脂とN
BRの合計量100重量部に対して0.1重量部以上を
添加する。
【0023】本発明においては適正な量の充填剤を用い
ることが好ましい。充填剤としては、カーボンブラッ
ク、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、アスベス
ト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレ
ー、シリカ、ホワイトカーボン等を塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して10〜200重量部用いる。充填剤
は本発明の塩化ビニル系樹脂と粉末状部分架橋ニトリル
ゴムとの系において、加工性を顕著に改良する効果を有
し、特に異形押出しを可能にする。得られた成形品の表
面は平滑であり、細部の形状を正確に安定して成形でき
る。充填剤が塩化ビニル系樹脂100重量部に対して1
0重量部未満でも200重量部を越えても本発明の効果
が得られなくなる。
【0024】また、この他にも熱安定剤、滑剤、加工助
剤、顔料、難燃剤等も必要に応じて適量配合することが
できる。熱安定剤としては、三塩基性硫酸鉛等の鉛系熱
安定剤、ジブチル錫マレート等の錫系熱安定剤、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸等を
挙げることができ、必要に応じて適量用いられる。
【0025】顔料としては、カーボンブラック、クロム
イエロー、酸化チタン、フタロシアニングリーン等を挙
げることができ、必要に応じて適量用いられる。加工助
剤としては、低分子量ポリエチレン、高級脂肪酸エステ
ル等通常塩化ビニル系樹脂に使用されるものが用いられ
る。
【0026】本発明の熱可塑性エラストマー組成物には
必要に応じて改質のために他のプラスチック、ゴム等を
加えて使用することも可能である。例えば、ポリウレタ
ン、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ABS樹脂、
MBS樹脂、ナイロン、ポリクロロプレン、EPDM、
変成EPDM等である。
【0027】本発明における溶融混練には、通常の軟質
塩化ビニル樹脂配合物の混練と同様、オープンロール、
密閉式混練機(例えば、バンバリーミキサー、加圧式ニ
ーダー、インテンシブキサー)や通常の1軸押出機、2
軸押出機、コニーダー、同方向回転2軸押出機(東芝機
械社製TEMや池貝鉄工社製PCM)、ニーダールーダ
ー式高速撹拌押出機(神戸製鋼社製FCM)、表面に複
数の溝を有する円錐形の回転子とこの回転子の外形に対
応した凹みを有し、その凹面側表面に複数の溝を有する
バレルとを組合せた構造を有する混練押出機であるプラ
スティフィケーター(PLASTIFIKATOR,西ドイツの WENER
AND PFLEIDERNER 社製)やプラスチケーター(一機製
作所製)、複数の円盤状部分を有する押出用スクリュー
とスクリューの外面形状に対応した形状を有するバレル
とを組合せた構造を有する押出機であるKCK連続混練
押出機(株式会社ケイ・シー・ケイ製)、ブラベンダー
ミキサー等の混練機を用いることができる。
【0028】これらの混練機の中でも、混練時間を自由
に選択できる密閉式混練機や混練効果のすぐれた同方向
回転2軸押出機、プラスティフィケーター、プラスチケ
ーター、KCK連続混練押出機が好適に用いられる。
【0029】混練は配合物自体の温度が通常は140〜
220℃になるようにジャケット温度、回転速度、混練
時間を調節して行われる。通常の加硫ゴムを製造する前
段階の混練においては、硬化剤の架橋反応を押さえるた
め配合物の温度を約120℃になるように維持しながら
混練するのと異なり、本発明では混練中に硬化剤の反応
を起こさせるために140〜220℃、好ましくは15
0〜210℃の範囲で各々の硬化剤にあった温度まで上
げて混練する点が著しく異なっている。混練物の温度が
140℃未満では硬化剤が充分に反応せず、一方220
℃を越えると、組成物が熱分解を起こしていずれの場合
も目的とする成形用組成物が得られない。
【0030】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の成
形に際しては、押出成形、射出成形、カレンダー成形又
は圧縮成形等通常の樹脂材料の成形に使用される成形機
の適用が可能である。したがって、一般の加硫物に必要
とされる時間のかかる加硫工程を排除して所望の成形品
が得られる。更に、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物を所望の形状に成形する時に発生する成形不良品やス
プルランナー等の成形された不良部分は、加硫ゴムの場
合と異なり、必要に応じて粉砕等の処理を経て該組成物
或いは熱可塑性樹脂と共に再度加熱成形できる長所を有
する。なお、混合機での混練に際しては、これらの一部
又は全部の原料を予めヘンシェルミキサー、リボンブレ
ンダーで予備ブレンドしてその後で混合機にかけてもよ
いし、予備ブレンドなしに一挙に混合機にかけてもよ
い。又は、一部の原料を予め予備ペレット化してその後
に混合機にかけてもよい。
【0031】本発明による異形押出し成形品は耐クリー
プ性、高温時の形状保持性、低い圧縮永久歪、高い機械
的強度を有する。この特性を活かして、本発明の異形押
出し成形品は従来通常の加硫ゴムが使われていた各種用
途に使用でき、成形品の形状に制限されず、例えばパッ
キン、ガスケット、シート、ホース、チューブ、ロー
ル、グリップ、グロメット、グラスランチャンネル、ウ
エザーストリップ、マッドガード、ダストブーツ、各種
容器、クッション材等の工業用、自動車用、建材用等の
幅広い用途に好適に使用される。
【0032】
【実施例】本発明の理解を更に容易にするために、以下
実施例及び比較例を上げて説明するが、本発明はこれら
によって限定されるものではない。
【0033】実施例1 * 平均重合度1700の塩化ビニル樹脂(デンカビニールSH−170、 電気化学工業社製) 100重量部 * 部分架橋粉末状NBR(ケミガムP8B1A2、グッドイヤー社製、 ムーニー値79、結合アクリロニトリル33% 50重量部 * ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP) (大日本インキ社製、W520) 90重量部 * Ba−Zn脂肪酸塩複合系安定剤(BZ−100J、勝田化工社製) 3重量部 * エポキシ化大豆油(アデカサイザー 0−130P、 アデカアーガス化学社製) 3重量部 * 炭酸カルシウム(NS−400、日東粉化工業社製) 50重量部 * パーヘキサ3M−40( 1,1−ビス−ターシャリーブチルパーオキシ −3,3,5 −トリメチルシクロヘキサン、純分40重量%、 日本油脂社製) 1重量部 * トリアリルイソシアヌレート(黒金化成社製) 5重量部 をジャケット温度150℃の森山製作所製加圧式ニーダ
ーに入れて、前ロール51rpm、後ロール34rpm
で10分間混練した。樹脂組成物の温度は175℃であ
った。なお、添加単位はポリ塩化ビニル1kgを基準と
し、上記重量部比率で添加した。合計重量は約3kgで
あった。
【0034】得られた組成物を、表面温度を180℃に
予めセットした12インチ2本ロールに巻きつけ、10
分間混練して得たシートをプレス成形して、各試験片を
作製し、引張試験、引裂試験、圧縮永久歪の各試験に供
した。又、シートの一部を取り、シートペレタイザーに
て角形のペレットを作製し、これを用いて軟質異形押出
しを行い、成形物の細部形状や表面の平滑性等の外観及
び吐出量から加工性を評価した。その結果を表3に併記
した。
【0035】
【表3】
【表3】
【0036】比較例1〜9、13及び14 表3の配合を用いた以外は実施例1と同様にして組成物
を製造し、これを用いて異形押出しを行い、その結果を
表3に記載した。表3において、JSR PN−30A
は、日本合成ゴム社製、未架橋の粉末状NBRであり、
ムーニー値56、結合アクリロニトリル35%品であ
る。カーボンブラックは三菱化成社製、ダイヤブラック
Hである。
【0037】なお、表3の測定法は次の方法によった。 (1)成形物の細部形状 40mmφの押出機に異形押出し用ダイスを付け、シリ
ンダー温度170℃、ダイス温度180℃、ストレーナ
ー80メッシュ、50rpmで押出して、成形物の細部
形状を評価測定した。細部とは、第1図に示すグラスラ
ンチャンネル下脇部から突出している細く尖った部位で
ある。 評価基準 ◎ : 細部形状も正確に成形されている。 ○ : 形状がやや劣るが許容範囲内である。 × : 欠けた部位がある。
【0038】(2)表面の平滑性 (1)と同一方法で成形して評価測定した。 評価基準 ◎ : 全く滑らか △ : 凹凸が大きく、許容範囲外である。 × : 凹凸が大きく、かつ欠けた部位がある。 (3)吐出量 (1)と同一方法で押出した場合の一定時間当たりの吐
出重量を測定し、これをgr/分の単位に換算して示し
た。 (4)引張強さ(TB )JIS K 6723に準じ
た。 (5)伸び (EB )JIS K 6723に準じ
た。 (6)引き裂き(TR)JIS K 6301のB法に
よった。 (7)圧縮永久歪(CS )JIS K 6301によ
り、70℃×22時間、圧縮率25%で行った。
【0039】比較例10 炭酸カルシウムの量を6重量部に代えた以外は、実施例
1と同様にして得られた成形物の外観を評価した。結果
は成形物の表面の平滑性及び細部形状共に評価△であっ
た。
【0040】実施例2 実施例1で作製した組成物を表面温度180℃に予めセ
ットした12インチ2本ロールに巻きつけてシートを作
製した。これをシートペレタイザーにかけ角形のペレッ
トを作製した。このペレットから40mm押出機にて自
動車部品であるグラスランチャンネル、ウエザーストリ
ップ及びチューブを作製し、実用的な物性を測定した。
その結果を表4に示した。
【0041】比較例11〜12 比較例3及び比較例9で作製した組成物を用い、実施例
2と同様の手順でグラスランチャンネル、ウエザースト
リップ及びチューブを作製し、実用的な物性を測定し
た。その結果を表4に併記した。比較例11は比較例3
の組成物、比較例12は比較例9の組成物を用いた。
【0042】
【表4】
【0043】表4より、いずれの項目に関しても、実施
例2の方が比較例10よりすぐれていることが明らかで
ある。なお、表4の試験法は下記の方法によった。 (1)グラスランチャンネル 図1に示す断面形状の試料成形品、グラスランチャンネ
ル1を40mm押出機を用いて押出し成形して作製し
た。長さ20cmのグラスランチャンネル1を図2に示
す金属製ケーシング2に収納し、図3に示すようにガラ
ス製スペーサー3を挿入した。スペーサー3の厚み、S
=5mmであった。これをギアオーブン試験機中に入
れ、90℃、24時間放置後取り出し、直ちにスペーサ
ー3を取り外し30分間放置後の図4に示す残留歪みX
mmを測定した。圧縮永久歪は次式により算出した。 圧縮永久歪(%)=(X/S)×100
【0044】(2) チューブ 内径約4mmφ、外径約7.5mmφのチューブを40
mm押出機にて作製した。得られた長さ約50cmのチ
ューブ4の一方に外系8mmφのチューブ状コネクター
5を差し込み長さ14mmだけ挿入し、他方は閉塞し
た。これをギアオーブン試験機で100℃×8時間熱処
理後、水圧ポンプ6を図5に示すようにセットした。7
はハンドル式加圧機、8は水、9はゲージである。水圧
ポンプを15〜25kg/cm2 /分の速度で昇圧して
いった時の水漏れ開始圧力を測定した。
【0045】(3)ウエザーストリップ 図6に示す試料成形品、ウエザーストリップ10を40
mm押出機を用いて作製した。ウエザーストリップ10
を圧縮永久歪測定用の試料保持板11に接着剤を用いて
固定し、図7に示す治具12を用いて圧縮永久歪を測定
した。下圧縮板13、上圧縮板14が高さ調節ネジ15
により支持されている。スペーサー16及び図6に示し
た試料保持板に固定した試料ウエザーストリップ10
を、下圧縮板13と上圧縮板14の間に挟み、ナット1
7を回転させて上圧縮板14を下行させる。上圧縮板1
4がスペーサー16に当接したとき下行は停止する。ス
ペーサー16は試料であるウエザーストリップ10を圧
縮率が30%となるように高さX2 を前もって調節し
た。
【0046】このようにセットした試料を治具ごとギア
オーブン試験機中に入れ、90℃、24時間放置後取り
出し、直ちに上圧縮板14を上行させ、試料ウエザース
トリップ10が充分に復元できる空間を保持し、30分
後に試料高さ(X1 )を測定した。圧縮永久歪は次式で
算出した。 圧縮永久歪=(X0 −X1 )/(X0 −X2 )×100 X0 =最初の試料高さ X1 =試験後の試料高さ X2 =圧縮時の試料高さ
【0047】
【発明の効果】本発明により得られる熱可塑性エラスト
マー組成物は、塩化ビニル系樹脂と特定比率の粉末状部
分架橋NBRと可塑剤と有機過酸化物系硬化剤、更には
充填剤を用いて混練下に反応させてなる加工性に優れた
熱可塑性エラストマー組成物であり、ゴムのような煩瑣
な加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形法
を使用できる。そして特に、異形押出しにより複雑な形
状でも細部まで正確に安定して成形され、表面が格段に
平滑な成形品を製造することが可能な熱可塑性エラスト
マー組成物である。本発明によれば、複雑な異形形状の
成形品であっても、表面が平滑で細部の形状まで正確に
安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は異形押出しで得られるグラスランチャン
ネルの断面形状である。
【図2】図2はグラスランチャンネルを圧縮永久歪測定
用ケーシングに収納した断面図である。
【図3】図3は圧縮永久歪測定用スペーサーを挿入した
断面図である。
【図4】図4は圧縮永久歪の測定方法の説明図である。
【図5】図5はチューブの水漏れ開始圧力測定器具の説
明図である。
【図6】図6は本発明の異形押出しで得られるウエザー
ストリップの斜視図である。
【図7】図7はウエザーストリップの圧縮永久歪を測定
する方法の説明図である。
【符号の説明】
1 グラスランチャンネル 2 ケーシング 3、16 スペーサー 4 チューブ 5 コネクター 6 水圧ポンプ 7 加圧式加圧機 8 水 9 ゲージ 10 ウエザーストリップ 11 試料保持板 12 治具 13 下圧縮板 14 上圧縮板 15 高さ調節ネジ 17 ナット
【表3】
【表3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 27:06 B29L 31:30 (56)参考文献 特開 平2−124958(JP,A) 特開 昭61−195144(JP,A) 特開 昭59−45339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 9/02,27/06 C08K 3/00 - 5/59

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部、粉末状
    部分架橋ニトリルゴム20〜300重量部、可塑剤25
    〜200重量部、充填剤10〜200重量部及び有機過
    酸化物系硬化剤を含む混合物を混練りしてなる異形押出
    しが可能な熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    粉末状部分架橋ニトリルゴム20〜300重量部、可塑
    剤25〜200重量部、充填剤10〜200重量部及び
    有機過酸化物系硬化剤を含む混合物を混練りしてなる熱
    可塑性エラストマー組成物を成形してなる異形押出し成
    形品。
  3. 【請求項3】 異形押出し成形品がグラスランチャンネ
    ルであることを特徴とする請求項2記載の異形押出し成
    形品。
  4. 【請求項4】 異形押出し成形品がウエザーストリップ
    であることを特徴とする請求項2記載の異形押出し成形
    品。
  5. 【請求項5】 塩化ビニル系樹脂100重量部、粉末状
    部分架橋ニトリルゴム20〜300重量部、可塑剤25
    〜200重量部、充填剤10〜200重量部及び有機過
    酸化物系硬化剤を140〜220℃の温度で混練下で反
    応させることを特徴とする異形押出しが可能な熱可塑性
    エラストマー組成物の製法。
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