JP3322087B2 - Abs系樹脂複合体 - Google Patents

Abs系樹脂複合体

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JP3322087B2
JP3322087B2 JP22529995A JP22529995A JP3322087B2 JP 3322087 B2 JP3322087 B2 JP 3322087B2 JP 22529995 A JP22529995 A JP 22529995A JP 22529995 A JP22529995 A JP 22529995A JP 3322087 B2 JP3322087 B2 JP 3322087B2
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達哉 落合
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は耐クリープ特性及び接着
強度に優れ、パッキン、目地材、シール材またはガスケ
ット等として使用しうるABS系樹脂複合体に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車、電気機器、建築物等の機密性を
保つパッキン、目地材、シール材、ガスケット等には、
その材料として軟質塩化ビニル樹脂、加硫ゴム等が使用
されている。これらガスケットは、軟質塩化ビニル樹
脂、加硫ゴムを単独で押出成形または射出成形により、
あるいは型内加硫により所望形状に成形して使用する
が、これを一般に金属、硬質合成樹脂等の支持基板にビ
ス止めまたは接着剤でもって固定して使用される場合が
多い。しかし、機密性能(シーリング性能)に優れた材
料として天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、
EPDM等の加硫ゴム製のものを使用する場合、その製
造時に加硫工程を経るために高価な加硫設備が不可欠で
あり、かつ充分な加硫効果を上げるために加熱設備も必
要になるという欠点があり、また生産効率が悪く、結果
として高価な製品になってしまう。一方、軟質塩化ビニ
ル樹脂製のものを使用する場合、その生産性は優れてい
るものの、耐クリープ特性が劣り、長期使用によるシー
リング効果が維持できないという欠点がある。
【0003】また、近年、特に自動車工業において、自
動車の燃費向上を目的として自動車部品の軽量化が厳し
く要求されており、樹脂製部品の使用に拍車がかかり、
かつ資源再利用の観点からリサイクルの容易な樹脂材料
の開発が望まれている。例えば、自動車部品として加硫
ゴムを用いた場合リサイクルが難しく、また、軟質樹脂
の支持体として金属を用いた場合、軽量化という観点か
らは不利であり、さらにリサイクルの際には金属と軟質
樹脂の分離という作業が必要であり、リサイクル性の点
でも劣っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、塩素化
ポリエチレンエラストマー組成物の優れた特徴、例えば
耐クリープ特性、圧縮永久歪、柔軟性、成形加工性、耐
候性、低温特性等を損なうことなく、かつリサイクル可
能な自動車、電気機器、建築物等の部品につき鋭意検討
したところ、塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を
曲げ弾性率の大きなABS系樹脂に複合したものが、軽
量であり、かつ上述の優れた諸物性を発揮し、ガスケッ
ト等の用途に長期にわたって使用でき、またリサイクル
が容易であることを見いだし、本発明を完成するに到っ
た。すなわち、本発明の目的は、高温クリープ特性(圧
縮永久歪)、耐候性、接着強度に優れ、かつリサイクル
が容易な、パッキン、目地材、シール材またはガスケッ
ト等(本発明ではこれらを総称して単にガスケットとい
う)に使用しうる塩素化ポリエチレンエラストマー組成
物とABS系樹脂との複合体を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、JIS K7203に基づく曲げ弾性
率が1000kg/cm2以上の値を有するABS系樹脂と、
塩素化度20〜45重量%、結晶融解熱量5〜35cal/
g である結晶性塩素化ポリエチレン100重量部に可塑
剤5〜200重量部を配合した塩素化ポリエチレンエラ
ストマー組成物とが複合されてなるABS系樹脂複合体
及びその製造方法にある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のABS系樹脂複合体の構
成要件であるABS系樹脂は、アクリロニトリル(A
N)とスチレン(ST)の共重合体であるアクリロニト
リル−スチレン(AS)共重合体とゴム成分であるポリ
ブタジエン(PBD)の2成分からなり、ABS系樹脂
中のゴム成分の含有率は、5〜80重量%、好ましくは
10〜30重量%が望ましい。AS共重合体の組成比と
してはST/AN比で90/10〜50/50の範囲に
ある。AS共重合体の共重合成分としてメチルメタクリ
レート、α−メチルスチレン、N−フェニルマレイミド
等のモノマーを用いてもよい。また、ゴム成分としてア
クリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、エチ
レン−プロピレンゴム等を用いてもよい。ABS系樹脂
には必要に応じて安定剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、発泡剤、着色剤、衝撃吸収剤、加工助剤等が配合
されていてもよい。
【0007】ABS系樹脂に複合する塩素化ポリエチレ
ンエラストマー組成物は、結晶性塩素化ポリエチレンと
可塑剤とを必須成分としている。結晶性塩素化ポリエチ
レンは、塩素化度20〜45重量%及びDSC法結晶融
解熱量5〜25cal/gの範囲にあることが必要であり、
この結晶融解熱量の範囲はポリエチレンの結晶残、いわ
ゆる結晶化度が10〜50%の範囲にある。DSC(示
差走査熱量測定)法結晶融解熱量とは示差熱量計を用
い、昇温速度10℃/minで測定したDSCチャートの
全結晶ピーク面積より計算した値をいい、5cal/g未満
であれば実質上残存結晶が無いことを示している。
【0008】また後述のDSC法結晶融点とは、DSC
法結晶融解熱量測定時の全結晶ピーク中の最高ピークを
示す温度である。本発明で使用する塩素化ポリエチレン
の結晶融点は110〜140℃の範囲にある。塩素化ポ
リエチレンの塩素化度が20%未満では可塑剤との相溶
性が悪く、硬度も低く出来ず、また耐候性に劣り、一
方、45%を越えるとゴム弾性が低下し、目的とする圧
縮永久歪及び低温特性が得られない。また、結晶融解熱
量が5cal/g未満になると圧縮永久歪の改良効果が失わ
れ、一方25cal/gを越えると硬度を低くすることがで
きず、加工性も劣る。
【0009】本発明で用いる塩素化ポリエチレンは、特
にDOP吸油量が25以上であるのが望ましい。DOP
の吸油量とは23℃の温度条件下で塩素化ポリエチレン
粉末100gにDOPを少しずつ加えながら攪拌し、塩
素化ポリエチレン粉末が団子状の塊になるDOPの添加
容量をml数で表し、DOP吸油量25以上とは、DO
Pを25ml添加してもなお塊にならず粉末状を呈して
いるもの、または固まったように見えても、僅かな力、
衝撃でもって分散することを意味している。測定法は、
JIS K5101に準じて行った。DOP吸油量25
以上の塩素化ポリエチレンを使用することにより、結晶
性塩素化ポリエチレンエラストマー組成物の低温特性、
耐ブロッキング性及び押出成形性を改良することができ
る。
【0010】塩素化ポリエチレンエラストマー組成物の
一成分である可塑剤は、塩化ビニル系樹脂に用いられる
ものなら特に限定されるものではなく、例えばジ−2−
エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレー
ト、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート、ジ
ヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;ジ
オクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の直鎖二
塩基酸エステル系可塑剤;トリメリット酸エステル系可
塑剤;ポリエステル系高分子可塑剤;エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ樹脂等のエポキシ系
可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリキシリルホス
フェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステ
ル系可塑剤が挙げられ、これら一種または二種以上を混
合して使用する。
【0011】可塑剤の使用量は、後述する併用される添
加剤の種類、添加量あるいは目的とする製品の硬度によ
って適宜決定されるが、塩素化ポリエチレン100重量
部に対して10〜160重量部の範囲から選択され、特
に15〜75重量部の範囲が好ましい。可塑剤が少なす
ぎると低硬度のものが得られず、逆に多すぎるとブリー
ド現象を抑えることが難しくなる。
【0012】塩素化ポリエチレンエラストマー組成物に
は、その溶融流動性、ABS系樹脂との接着性及び押出
成形外観を改良する目的で塩化ビニル系樹脂を含有せし
めるのが好ましい。塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルま
たは塩化ビニルとこれに共重合可能なコモノマーとの混
合物を懸濁重合法、塊状重合法、微細懸濁重合法または
乳化重合法等通常の方法によって製造されたものすべて
が用いられる。コモノマーとしては、例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニル
エステル類、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタク
リル酸エステル類、ジブチルマレエート、ジエチルマレ
エート等のマレイン酸エステル類、ジブチルフマレー
ト、ジエチルフマレート等のフマール酸エステル類、ビ
ニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルオ
クチルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、エチレ
ン、プロピレン、スチレン等のα−オレフィン類、塩化
ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン
化ビニリデンまたはハロゲン化ビニル類、ジアリルフタ
レート、エチレングリコールジメタクリレートなどの多
官能性単量体が挙げられ、勿論、コモノマーは、上述の
ものに限定されるものではない。コモノマーは塩化ビニ
ル系樹脂の構成成分中30重量%以下、好ましくは20
重量%以下の範囲である。
【0013】このようにして製造された塩化ビニル系樹
脂の平均重合度は、通常400〜8000の範囲であ
り、好ましくは平均重合度400〜1500、特に40
0〜1000程度のものが用いられる。塩化ビニル系樹
脂の使用量は、結晶性塩素化ポリエチレン100重量部
に対して5〜100重量部、特に5〜70重量部の範囲
であるのが好ましい。添加量があまり少ないと流動性、
接着性等は顕著に改良されず、多すぎると圧縮永久歪等
の物性が劣る傾向にある。
【0014】本発明の複合体に用いる塩素化ポリエチレ
ンエラストマー組成物は、それにテトラヒドロフラン
(THF)不溶解架橋成分を含むゴム物質を含有せしめ
ることにより、耐クリープ特性、圧縮永久歪をより改善
することができる。THF不溶解架橋成分を含むゴム物
質としてはアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンゴ
ム(MBS)、アクリルゴム(AR)、スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、エ
チレン−酢酸ビニルゴム(EVA)、ウレタンゴム(U
R)等各種ゴム製造時に多官能性モノマーを重合系に加
えるか、またはゴム製造後有機過酸化物でもって架橋処
理するなどの方法により、ゴム分子中に架橋構造を導入
することによって製造される。これらのうちでもゴム物
質製造時に多官能性モノマーを加えて架橋構造を構成し
たものを使用するのが望ましい。特に本発明ではNBR
が好んで使用される。THF不溶解架橋成分はゴム物質
の20重量%以上あるのが望ましく、好ましくは50重
量%以上、特に80重量%以上であるのが良い。THF
不溶解架橋成分が20重量%よりも少ないと耐クリープ
性の改良効果が明確ではなく、できるかぎり高架橋度の
ものを用いるのが望ましい
【0015】これらゴム物質の添加量は、結晶性塩素化
ポリエチレン100重量部に対して400重量部以下、
好ましくは20〜300重量部の範囲である。ゴム物質
の添加量があまり少ないと耐クリープ特性の改良効果が
認められず、また400重量部よりも多くなるとエラス
トマー組成物の加工性、成形性が劣る傾向がある。な
お、塩素化ポリエチレンエラストマー組成物にゴム物質
を含有する場合には、可塑剤を15重量部以上含有させ
るのが望ましく、可塑剤量が少なすぎると硬度が高く、
エラストマー組成物の弾性が損なわれる恐れがある。
【0016】塩素化ポリエチレンエラストマー組成物に
は、また圧縮永久歪を損なわない範囲で充填剤を添加す
るのが望ましい。充填剤は、過剰量の可塑剤を吸収する
とともに混練、成形を円滑にする作用がある。充填剤と
しては、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、酸
化チタン、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、ハイドロタルサイト、クレー、シリカ、ホワイ
トカーボン等が挙げられる。充填剤の添加量は結晶性塩
素化ポリエチレン100重量部に対して500重量部以
下の範囲から選択され、エラストマー組成物の諸物性を
考慮すると10〜200重量部の範囲が望ましい。充填
剤の添加量があまり少ないと、混練、成形性を改良する
効果が小さく、500重量部より多くなると逆に成形性
が悪くなる傾向にあり、成形性を損なわない範囲で添加
するのが経済性の点からも望ましい。さらに、エラスト
マー組成物には必要に応じて安定剤、滑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、着色剤等の各種添
加剤を配合してもよい。
【0017】塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を
調製するには、結晶性塩素化ポリエチレン及び可塑剤並
びに必要に応じて上述の各種添加剤を、結晶性塩素化ポ
リエチレンの結晶融点以上の温度に加熱しながら剪断力
下混練するのが望ましい。この条件下で混練することに
より、圧縮永久歪、低温特性の優れたエラストマー組成
物を得ることができる。結晶融点以下の温度では、可塑
剤が結晶性塩素化ポリエチレンのアモルファス部分にだ
けしか浸透せず、混練後の結晶構造はあまり変わらない
が、結晶融点以上の温度に加熱して剪断力下に混練する
ことにより、結晶部分にも可塑剤が浸透し、塩素化ポリ
エチレンが再結晶化する際に、新たな分子鎖間のネット
ワーク構造が生成し、圧縮永久歪等のゴム弾性が向上す
るものと推察される。
【0018】上述の配合成分を混合するのに用いる装置
は、実質的に均一に混合できるならいかなる装置でもよ
く、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、プ
ラネタリーミキサー等が挙げられ、また混合物を混練す
るには、例えば押出機、ロ−ル、バンバリーミキサー、
ニーダー等の加熱しながら剪断力下混練できる装置が使
用される。混練方法として多段の添加口のある押出機に
て前段で塩素化ポリエチレン及び各種添加剤を投入し、
後段で可塑剤を注入する方法を採用することもできる。
加熱温度の上限は、塩素化ポリエチレンの熱劣化が無視
できる範囲内、具体的には210℃以下であるのが望ま
しい。なお、混練温度は、130〜210℃、好ましく
は150〜200℃の範囲内にあるのが望ましい。
【0019】本発明のABS系樹脂複合体は、ABS系
樹脂及び塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を複合
するにある。複合する方法は、例えば帯状あるいは帯状
異形のまたは棒状の押出ABS系樹脂成形品の上に上述
の塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を押出被覆す
る方法、ABS系樹脂及びエラストマー組成物を複数の
押出機を用いて共押出し、押出ダイス内またはその近傍
で複合する方法、ABS系樹脂及びエラストマー組成物
それぞれから各種成形方法で成形品を製造し、両者を熱
融着する方法等各種方法が採用される。また、ABS系
樹脂からなる成形品を金型内にセットした後、塩素化ポ
リエチレンエラストマー組成物を射出成形する、いわゆ
るインサート成形により複合体を形成する方法、さらに
は、ダブルインジェクション成形、サンドイッチ射出成
形等により複合体を形成する方法を用いてもよい。
【0020】特に、ABS系樹脂が帯状または帯状異形
に形成され、その帯状面上にエラストマー組成物からな
る帯状または帯状異形成形品の帯状端部が融着または接
着した長尺構造の複合体、ABS系樹脂と塩素化ポリエ
チレンエラストマー組成物からなるそれぞれの帯状又は
帯状異形成形品の帯状端部同士が融着又は接着した長尺
の複合体は,自動車等車輛、電気機器、建築物等のガス
ケット(パッキング、目地剤、シール材を含む)として
の利用価値が高い。勿論、ガスケットは上記構造のもの
に限定されるものではない。
【0021】
【発明の効果】本発明のABS系樹脂複合体は、ABS
系樹脂に塩素化ポリエチレンエラストマー組成物を複合
形成しているので、耐熱変形性が著しく良好であり、A
BS系樹脂に複合されたエラストマー組成物の熱変形も
生じず、エラストマー組成物のすぐれた耐クリープ性、
圧縮永久歪、低温特性(柔軟性)、耐候性が保持され、
高温または日光に晒される、例えば自動車、建築用の、
また低温に維持される、例えば電気冷蔵庫または冷凍庫
等の電気機器類のガスケット、パッキング、目地材、シ
ール材として使用した場合、長期間にわたってその効果
が発揮される。また、本発明のABS系樹脂複合体を共
押出で製造した場合、ABS系樹脂及びエラストマー組
成物の接着が良好で、剥離強度が高い。さらに本発明の
ABS系樹脂複合体は、金属等の支持具を使用していな
いので、不要になった複合体はそのまま破砕し、擬木、
支柱、外溝資材としてリサイクル使用できる。
【0022】
【実施例】次に本発明のABS系樹脂複合体を実施例に
て詳述するが、本発明はその要旨を逸脱しないかぎり、
以下の実施例に限定されるものではない。 〈塩素化ポリエチレンエラストマー組成物の調製〉表−
1に示した原料の塩素化ポリエチレン、可塑剤、ポリ塩
化ビニル、ゴム物質及び充填剤それぞれを表−3に示す
量(重量部)並びにBa−Zn系複合安定剤5重量部を
ヘンシェルミキサーにて加熱混合し、これをジャケット
温度120℃のバンバリーミキサーで80回転、3分間
混練した。この時、組成物は180℃の樹脂温度で排出
した。該組成物をロールにてシート化し、シートカット
法でペレット化した。また、ロールシートを180℃で
5分間プレス成形し、所定の試験片を作成し、圧縮永久
歪及び反発弾性を測定した。
【0023】
【表1】 表−1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 原料 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (1)塩素化ポリエチレン 塩素化度 結晶融解熱 結晶融点 DOP吸油量 (%) (cal/g) (℃) A 31 8.3 118 50以上 B 30 10.7 122 50以上 C 26 14.5 120 50以上 ──────────────────────────────────── (2)可塑剤 ジ−2−エチルヘキシルフタレート ──────────────────────────────────── (3)ポリ塩化ビニル 重合法 重合度 懸濁重合 800 ──────────────────────────────────── (4)ゴム物質 AN含量 THF不溶解架橋成分 ムーニー粘度 (重量%) (重量%) (JIS K6300) NBR 40 95 60 ──────────────────────────────────── (5)充填剤 炭酸カルシウム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0024】試験方法: (1)圧縮永久歪 JIS K6301に基づき、25
%圧縮、70℃、22時間の条件で測定。 (2)反発弾性 JIS K6301に基づき23℃
で測定。 〈ABS系樹脂複合体の製法〉表−2に示すABS系樹
脂を用いて、上述の塩素化ポリエチレンエラストマー組
成物との共押出成形により複合体を製造した。40mm
φ押出機にてABS樹脂ペレットを、20mmφ押出機
にて塩素化ポリエチレンエラストマー組成物ペレットを
押出し、帯状異形ABS樹脂板(断面形状E字型幅16
mm、厚さ1.5mm)の背の表面に塩素化ポリエチレ
ンエラストマー組成物の帯状板(高さ10mm、厚さ2
mm)の一端が融着された擬E型断面の複合体を連続共
押出にて製造した。融着時のダイ温度は190℃であっ
た。 ABS樹脂と塩素化ポリエチレンエラストマー組
成物との融着強度をオ−トグラフを用いて180°剥離
試験にて評価し、表−3に示した。
【0025】
【表2】 表−2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ABS系樹脂 曲げ弾性率 硬 度 MFR*1 (kg/cm2) (g/10分) ───────────────────────────────── タフレックスYT−346 22000 70以上 10 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *1 220℃、10kgf(JIS K 7210)
【0026】
【表3】 *2 値の高い方がパッキンとしての保持力が大きい。 *3 オレフィン系熱可塑性エラストマー *4 押出成形時に剥がれてしまう。
【0027】上記の通り、オレフィン系エラストマーを
用いたABS系樹脂複合体は、全く融着せず目的とする
成形品が得られない。一方、本発明の塩素化ポリエチレ
ンエラストマー組成物との複合体については成形外観も
良好で、融着強度も高く強固に接着している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−41039(JP,A) 特開 平4−335047(JP,A) 特開 平6−336542(JP,A) 特開 平4−339845(JP,A) 特開 平6−336541(JP,A) 特開 平5−1187(JP,A) 特開 平5−247289(JP,A) 特開 平5−247290(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08L 23/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】JIS K7203に基づく曲げ弾性率が
    1000kg/cm2以上の値を有するABS系樹脂と、塩素
    化度20〜45重量%、結晶融解熱量5〜25cal/gで
    ある結晶性塩素化ポリエチレン100重量部に可塑剤1
    0〜160重量部を配合した塩素化ポリエチレンエラス
    トマー組成物とが複合されてなるABS系樹脂複合体。
  2. 【請求項2】塩素化ポリエチレンがジ−2−エチルヘキ
    シルフタレート(DOP)を油として用いたときの吸油
    量が25以上のものである請求項1記載のABS系樹脂
    複合体。
  3. 【請求項3】塩素化ポリエチレンエラストマー組成物が
    塩化ビニル系樹脂を含有する請求項1または請求項2記
    載のABS系樹脂複合体。
  4. 【請求項4】塩素化ポリエチレンエラストマー組成物が
    テトラヒドロフラン(THF)不溶解架橋成分を含むゴ
    ム物質を含有する請求項1及至請求項3いずれかの項に
    記載のABS系樹脂複合体。
  5. 【請求項5】ABS系樹脂と塩素化ポリエチレンエラス
    トマー組成物とを共押出成形することを特徴とする請求
    項1及至請求項4いずれかの項に記載のABS系樹脂複
    合体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1及至請求項4いずれかの項に記載
    のABS系樹脂複合体からなるガスケット。
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