JP2801788B2 - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物とエポキシ樹脂との複合成形品 - Google Patents

ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物とエポキシ樹脂との複合成形品

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JP2801788B2
JP2801788B2 JP3069747A JP6974791A JP2801788B2 JP 2801788 B2 JP2801788 B2 JP 2801788B2 JP 3069747 A JP3069747 A JP 3069747A JP 6974791 A JP6974791 A JP 6974791A JP 2801788 B2 JP2801788 B2 JP 2801788B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ樹脂との接着性
に優れ、エポキシ樹脂又はエポキシ樹脂製品を密接に保
持又は内装するのに好適なポリアリーレンサルファイド
樹脂組成物より成形した、エポキシ樹脂を接着保持又は
内装した複合成形品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】IC、
トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサー、コイ
ルおよびコネクターなどの種々の電子部品は、各端子間
の電気的絶縁、機械的強度の保持、温度や浮遊不純物な
どの外部環境からの内部保護がその性能維持のため必要
不可欠である。そのためかかる電子部品等の機能部品は
合成樹脂を用いて密封するいわゆる封止が一般に行われ
ている。かかる封止用樹脂材料としては電気絶縁性、機
械的保護効果、外部環境との保護、更には封止する機能
部品との気密性等の見地から専らエポキシ樹脂が使用さ
れている。然し乍らこの様なエポキシ樹脂体は更にこれ
を支持、固定するための基板や容器等の支持体に密接に
内蔵又は固定する必要があり、かかるエポキシ樹脂体を
保持又は内蔵するための基板やパッケージ材料として
は、第一にエポキシ樹脂との接着性に優れ、しかも苛酷
な使用環境に耐えうる耐熱性、難燃性、機械的物性等を
備えた材料が要求されるが、かかる性能を充分に備えた
樹脂材料は未だ得られていないのが実情であり、かかる
目的に適合したエポキシ接着性に優れ、しかもその支持
又は外装保護体としての要件を備えた樹脂材料の開発が
望まれている。例えば従来かかる目的で使用されるエポ
キシ樹脂体用パッケージ材料としてはポリエステル系樹
脂等のエンジニアリング樹脂が用いられているが、これ
らの材料はその用途によっては機械的物性、耐熱性、難
燃性、耐薬品性等の点で不充分であった。
【0003】一方、ポリアリーレンサルファイド樹脂
(PAS)は適当な強化剤又は充填剤を配合することに
より優れた機械的物性を有し、又、耐熱性、耐薬品性、
難燃性の点でも保護材料として好適であるが、この樹脂
材料は一般にエポキシ系樹脂との接着性が劣り、この点
でかかる用途に対する大きな支障となっていた。又この
樹脂の接着性は成形品の接着面の機械的粗面化、プラズ
マ処理等の物理的処理、化学エッチング等の化学的処理
等により多少改善されるが、かかる手段はコストの上昇
をまねき、経済的に好ましくないのみならず、その接着
性も必ずしも充分ではない。
【0004】本発明は、かかる現状に鑑み、機能部品等
を封入したエポキシ樹脂体を保持又は内蔵するための基
板、又は容器、その他、外装となる成形品として優れた
機械的物性、耐熱性、耐薬品性、難燃性を有し、しか
も、特にエポキシ樹脂と強固な接着性を有するPAS系
樹脂材料を提供し、簡易な方法で強固にエポキシ樹脂と
接着した複合成形品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる目的
でポリアリーレンサルファイド樹脂のエポキシ樹脂との
接着性(密着性)を改善するため鋭意検討した結果、ポ
リアリーレンサルファイド樹脂に、繊維状充填剤ならび
に特定のタルクを配合し、さらにポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーを添加することにより、エポキシ樹脂
との接着性(密着性)が顕著に向上することを見出し本
発明を完成するに至った。即ち本発明は (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 100重量部に、 (B) 繊維状充填剤2〜100 重量部、 (C) 平均粒径 0.1〜20μm のタルク2〜150 重量部、 に(D) ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー0.5 〜
30重量部を配合してなるエポキシ樹脂との接着性の改良
された樹脂組成物を成形した成形品とエポキシ系樹脂体
を接合した複合成形品に関する。
【0006】先づ本発明の組成物の構成成分について説
明する。本発明のエポキシ接着性組成物における(A) 成
分としてのポリアリーレンサルファイド樹脂は、主たる
繰り返し単位が-(-Ar-S-)-(但しArはアリーレン基)で
構成されたものである。アリーレン基(-Ar-)としては、
例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フ
ェニレン基、置換フェニレン基(但し置換基はアルキル
基、好ましくはC1〜C5のアルキル基、又はフェニル
基)、p,p'−ジフェニレンスルフォン基、p,p'−ビフェ
ニレン基、p,p'−ジフェニレンエーテル基、p,p'−ジフ
ェニレンカルボニル基、ナフタレン基などが使用でき
る。この場合、前記のアリーレン基から構成されるアリ
ーレンサルファイド基の中で、同一の繰り返し単位を用
いたポリマー、即ちホモポリマーを用いることができ、
又、組成物の加工性という点から、異種繰り返し単位を
含んだコポリマーが好ましい場合もある。
【0007】ホモポリマーとしては、アリーレン基とし
てp−フェニレン基を用いた、p−フェニレンサルファ
イド基を繰り返し単位とする実質上線状のものが特に好
ましく用いられる。又、コポリマーとしては、前記のア
リーレン基からなるアリーレンサルファイド基の中で、
相異なる2種以上の組み合わせが使用できるが、中でも
p−フェニレンサルファイド基を主とし、m−フェニレ
ンサルファイド基を含む組み合わせが特に好ましく用い
られる。この中でp−フェニレンサルファイド基を60モ
ル%以上、より好ましくは70モル%以上含む実質上線状
のものが、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性上の点
から適当である。この場合、成分の繰り返し単位がラン
ダム状のものより、ブロック状に含まれているもの(例
えば特開昭61−14228号公報に記載のもの)が、加工性
が良く且つ、耐熱性、機械的物性も優れており、好まし
く使用できる。本発明に使用する(A) 成分としてのポリ
アリーレンサルファイド樹脂は、比較的低分子量の線状
ポリマーを酸化架橋又は熱架橋により溶融粘度を上昇さ
せ、成形加工性を改良したポリマーも使用できるが、2
官能性モノマーから縮重合によって得られる実質的に線
状構造の高分子量ポリマーを使用することもできる。本
発明の目的からは後者の実質的に線状構造ポリマーのほ
うが物性上好ましい場合が多い。又、本発明のポリアリ
ーレンサルファイド樹脂としては、前記のポリマーの他
に、モノマーの一部分として3個以上の官能基を有する
モノマーを混合使用して重合した架橋ポリアリーレンサ
ルファイド樹脂、又はこれを、前記の線状ポリマーにブ
レンドした配合樹脂も用いることができ好適である。
【0008】本発明に使用する(A) PASの粘度は特に
限定する必要はなく成形加工性を有するものであればよ
いが、中でも温度310 ℃、剪断速度1200/秒の条件下で
測定した溶融粘度が5×10〜1×104 ポイズ、特に好ま
しくは 100〜5000ポイズの範囲にある実質上線状のポリ
マーが適当である。50ポイズ未満では、流動性が良すぎ
て溶融加工が困難であり、仮に成形物が得られたとして
も、機械的強度などが低く基板又は外装品として好まし
くない。又、1×104 ポイズを越えるものは流動性が悪
く溶融加工が困難である。
【0009】次に本発明の組成物を構成する(B) 繊維状
充填剤は、機械的強度、耐熱性等の性能を向上させるた
めに有効であり、これにはガラス繊維、炭素繊維、アス
ベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジル
コニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、
チタン酸カリ繊維などの無機質繊維状物質が挙げられ
る。なお、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂など
の高融点有機質繊維状物質も使用することができる。最
も代表的な繊維状充填剤はガラス繊維であり、中でも平
均径2〜20μm 、平均繊維長30〜800 μm のガラス繊維
を含むものが好適である。繊維状充填剤(B) の配合量は
PAS樹脂(A) 100 重量部に対し2〜100 重量部であ
り、好ましくは5〜70重量部である。これが過少である
と成形品の機械的強度が低下し、又、過大であると成形
性を悪化させ、且つ歪、変形等を生じエポキシ樹脂との
接着性にも問題を生じることがあり好ましくない。
【0010】次に本発明は(C) 成分として平均粒径 0.1
〜20μm のタルクを配合するところに特徴がある。本発
明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の構成成分
として使用するタルクは一般に含水ケイ酸マグネシウム
(SiO2 58〜64%, MgO2 28〜32%, Al2O3 0.5〜5%,
Fe2O3 0.3 〜5%) を主成分とするものであり、特に本
発明のエポキシ樹脂との接着性を改善する目的からする
と平均粒径が 0.1〜20μm 、好ましくは1〜10μm の板
状結晶であり、含水率が1%以下好ましくは 0.5%以
下、 600℃強熱減量6%以下好ましくは4%以下のもの
である。多少不純物を有するものであってもよいが、精
製したものの方が好ましい。(C) 成分のタルクの配合量
は、(A) PAS 100重量部に対し2〜150 重量部であ
り、好ましくは3〜100 重量部である。(C) 成分の配合
量が過少であると本発明の目的とする、エポキシ樹脂と
の接着性の向上効果が得られず、又、過大であると成形
加工性に問題を生じ、機械的物性の点からも好ましくな
い。又、(B) 成分と(C) 成分の総量が、(A) PAS 100
重量部に対し200 重量部以下とすることが同様の理由に
より好ましい。
【0011】ところでPAS樹脂に繊維状充填剤を配合
した強化樹脂組成物は一般に公知であり、又、これに更
に、タルクも含め、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
マイカ、クレー、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガ
ラスフレーク、各種金属酸化物等の粉粒状、平板状充填
剤を配合することも一般に知られており、そり変形の防
止、耐熱性の向上、電気的性質の改善等に有効であると
されている。しかし本発明の如く、特定のタルクを繊維
状充填剤と共に併用配合することによって、エポキシ系
樹脂との接着性が著しく改善されることは従来全く知ら
れていない意外な効果であって、しかも類似の粉粒状又
は板状充填剤であるマイカ、炭酸カルシウム、ガラスビ
ーズ、シリカ等にはこの効果が全く見られないことは極
めて意外な現象である。本発明はかかる効果により、機
能部品等をエポキシ系樹脂で封止する様な場合、その支
持体としての要件であるエポキシ樹脂との接着性に優
れ、しかも機械的物性、耐熱性、難燃性等これらのエポ
キシ樹脂体を支持する基板又は容器として、エポキシ樹
脂と接合した複合成形品とした場合の優れた特性を付与
することに成功したのである。
【0012】本発明に於て使用する(B) 成分の繊維状充
填剤及び(C) 成分のタルクは、そのまま使用してもよい
が、公知の表面処理剤例えば有機シラン系化合物、有機
ボラン系化合物、エポキシ系化合物、有機チタネート系
化合物、イソシアネート系化合物等のカップリング剤等
で表面処理又収束処理して使用してもよく、又組成物の
調製の際同時に添加してもよい。特にアミノアルコキシ
シラン、エポキシアルコキシシラン、ビニルアルコキシ
シラン、メルカプトアルコキシシラン等による表面処
理、又は添加は機械的物性に対し有効である。
【0013】本発明のエポキシ樹脂接着性PAS樹脂組
成物は、上記(A), (B), (C) 成分と共に更に(D) オレフ
ィン系熱可塑性エラストマーを配合することがエポキシ
樹脂との接着性を更に一層向上する上で好ましい。配合
する熱可塑性エラストマーとして好ましい物質は以下の
如きα−オレフィンを主体とする共重合体又はグラフト
共重合体である。即ち、 a)エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン(例えばプ
ロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルブテ
ン−1、4−メチルペンテン−1等、特にプロピレン、
ブテン−1)との共重合体 b)上記a)に、α, β−不飽和カルボン酸又はその誘導体
(例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マ
レイン酸、フマル酸又はこれらのアルキルエステル、グ
リシジルエステル、無水物、イミド等)がグラフト重合
した、グラフト共重合体 c)α−オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、ブテ
ン−1等)とα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体
(例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マ
レイン酸、フマル酸、又はこれらのアルキルエステル、
グリシジルエステル、無水物等)との共重合体 d)上記c)の共重合体と、スチレン、アクリロニトリル等
のビニル化合物又はα, β−不飽和カルボン酸又はその
誘導体の少なくとも一種よりなる重合体又は共重合体が
化学的に結合した構造のグラフト共重合体 等があげられる。これらのa)〜d)のオレフィン系(共)
重合体は何れか単独でもよく、又二種以上が混合したも
のでもよく、更には夫々を段階的に(共)重合又はグラ
フト重合させた、多相構造の重合体であってもよい。特
に好ましい物質は、エチレンとプロピレン又はブテン−
1の共重合体に無水マレイン酸又はマレインイミドをグ
ラフト共重合したグラフト変性体、エチレンとアクリル
酸アルキルエステル共重合体、及びこれに無水マレイン
酸をグラフト共重合したグラフト変性体、α−オレフィ
ン特にエチレンとアクリル酸又はメタクリル酸グリシジ
ルエステルとの共重合体、及びこの共重合体とスチレ
ン, アクリロニトリル, アクリル酸アルキルエステル,
メタクリル酸アルキルエステル等の少なくとも一種以上
の重合又は共重合セグメントが化学的に結合しているグ
ラフト共重合体等が挙げられる。
【0014】尚、本発明のPAS組成物にはその目的を
逸脱しない範囲で、上記成分以外に他の熱可塑性樹脂、
例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、
ポリスチレン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、他のポリオ
レフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系
樹脂、ポリスルホン系樹脂、エポキシ樹脂、天然ゴム、
合成ゴム等を補助的に少量配合することもできる。又、
前述の成分以外に他の粉粒状又は板状充填剤を少量併用
してもよく、更に難燃剤、酸化防止剤、紫外線防止剤等
の各種安定剤、滑剤、離型剤、核剤、発泡剤、架橋剤、
着色剤等の添加剤を必要に応じ加えても差し支えない。
【0015】本発明のPAS組成物の調製法は種々の公
知の方法で溶融混練して調製することが出来る。例えば
所要の成分を予めタンブラー又はヘンシェルミキサーの
如き混合機で均一に混合し、これを一軸又は二軸の押出
機に供給し、溶融混練してペレットとしてこれを成形に
供するのが一般的である。又、ペレット化に際し、押出
機で一旦溶融した樹脂成分に(B) 成分等を加えてもよ
く、この方法によれば繊維状物の破損を防ぐ上で有効で
ある。又、必要成分を混合後、直接成形機に供給し、溶
融混練後そのまま成形してもよい。
【0016】本発明のPAS樹脂組成物の成形品は一般
に行われる成形法によってエポキシ樹脂を支持又は内装
するための基板又は容器その他の外装用成形品とするこ
とが出来、射出成形、圧縮成形、真空成形等その目的に
応じ何れの成形法を用いてもよいが、特に好ましいのは
射出成形法である。
【0017】本発明のエポキシ樹脂を支持又は内装した
複合成形品は、例えば本発明のPAS組成物により成形
した基板又は容器に支持すべき機能部品等をセットし、
これに後述の如き熱硬化性エポキシ樹脂を注入硬化さ
せ、機能部品等をエポキシ樹脂にて封入すると同時にP
AS組成物成形品に接着固定することによって調製され
る。又、予め機能部品等をエポキシ樹脂にて封入し硬化
したエポキシ樹脂体を金型にセットし射出成形法により
インサート成形してその外装支持体をPAS樹脂組成物
で成形して複合成形部品を形成してもよい。
【0018】本発明のPAS樹脂組成物成形品は機械的
粗面化、プラズマ処理等の物理的処理、化学的エッチン
グ等の特別の表面処理を施すことなく実用上充分なエポ
キシ樹脂との接着性が得られるが、特に強力な接着性を
要するような場合には勿論かかる表面処理を併用しても
よく、一層の効果を得ることができる。
【0019】本発明のPAS樹脂組成物成形品の接着の
対象となるエポキシ樹脂は特に限定するものではなく通
常機能部品の封止剤又は接着剤、塗料等として使用され
る硬化性のエポキシ系樹脂であればよく、一般にはビス
フェノールA等の如き活性水素化合物とエピクロールヒ
ドリンとの反応、或は二重結合化合物の酸化等によって
得られるエポキシ基を有する有機化合物に硬化剤又は触
媒の存在下で室温下で放置又は加熱することによって反
応し硬化する物質であり、目的に応じ各種の粘度のもの
を用いることができる。又、本発明のPAS樹脂組成物
成形品は上部の如きエポキシ系、塗料による塗装に対し
てもその接着性に効果を有する。
【0020】
【発明の効果】上記説明及び実施例に示す如く本発明の
PAS樹脂組成物よりなる成形品は、特にエポキシ系樹
脂との接着性、密着性に優れ、高い接着強度を有するの
みならず低温と高温の繰返しによるサーマルショックに
対しても優れた剥離抵抗を有し、しかも機械的物性、耐
熱性、難燃性、耐薬品性を有し、エポキシ樹脂と接着し
た複合成形品は苛酷な条件に耐え得る性能を有し、かか
る条件で使用される機能部品を封止したエポキシ樹脂を
支持又は内装する基板又は容器等の支持体として好適で
あり、又、エポキシ系樹脂塗料による塗装品としても優
れている。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】比較例1〜14 (A) ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)(呉羽
化学工業(株)製フォートロンKPS )に対し、(B) ガラ
ス繊維及び(C) タルク(平均粒径約4μm 及び約7〜10
μm )を表1に示す量で加え、ヘンシェルミキサーで5
分間混合し、次いでこれをシリンダー温度 310℃の2軸
押出機に供給し、溶融混練して、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂組成物のペレットをつくった。次いでこのペ
レットより射出成形機でシリンダー温度 320℃、金型温
度 150℃で各種試験片を成形し、下記の各種試験を行っ
た。尚、比較のため(B) ガラス繊維の存在しない場合、
(C) タルクの存在しない場合、タルクの粒径が本発明の
範囲外の場合、及びタルクの代りに他の一般的粉粒状充
填剤(C)'を使用した場合についても同様に比較試験した
結果も併せて表1に示す。
【0023】引張試験;ASTM D-638に準じて引張強度及
び引張伸度の測定を行った。 エポキシ樹脂との接着強度;上記のASTM試験片をほぼ中
央で切断しトリクロロエタンで洗浄後、エポキシ接着剤
(日本チバガイギー(株)製XN1244)を所定の面積(13
mm×7mm)に塗布して接着し、 120℃で1時間硬化させ
た後、23℃で1日放置した後、引張試験を行い、引張剪
断接着強度の測定を行った。 ヒートサイクルによる剥離試験;射出成形機で箱型成形
品(外寸20×40×80mm、肉厚2mm)を成形し、得られた
成形品にビスフェノールA型エポキシ樹脂(アミン系硬
化剤を含む)を注入し、まず60℃で30分間、次いで85℃
で3時間の硬化条件で硬化させた。その後、常温にて1
時間放置し、最後に 150℃で3時間の熱処理を行った。
次にこのエポキシ樹脂を内装、接着した箱を、−40℃で
1時間、次に 140℃で1時間のヒートサイクルにかけ、
10サイクルごとに取り出して、PAS樹脂製の箱の側面
を観察し、エポキシ樹脂との接触界面の剥離状態を目視
により調べた。最初に剥離の生じたサイクル数を以って
ヒートショックに対する耐抗性とした(接着界面に剥離
を生じたときは色調の変化を生じるため確認できる)。
【0024】実施例1〜8、比較例15〜19 前記比較例と同様の(A) PPS、(B) ガラス繊維及び
(C) タルク(平均粒径約10μm )と(D) 各種ポリオレフ
ィン系エラストマーを表2に示す量で配合し、前記と
様にして評価した。結果を表2に示す。尚、本例で使用
したポリオレフィン系エラストマーは以下の如き物質で
ある。エラストマー1 EGMA(エチレン/グリシジルメタクリレート 85/
15共重合体) エラストマー2 EGMA−ポリアクリロニトリル・スチレン(70−30)
グラフト共重合体 エラストマー3 EGMA−ポリメタクリル酸メチル(70−30)グラフト
共重合体 エラストマー4 エチレン/エチルアクリレート共重合体に無水マレイン
酸をグラフトしたグラフト共重合体(グラフト率約3.0
%)
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 81/02 23:00 51:06)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 100重量部に、 (B) 繊維状充填剤2〜100 重量部、 (C) 平均粒径 0.1〜20μm のタルク2〜150 重量部(D) ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを0.5 〜30
    重量部 を配合して成るポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
    を成形した成形品とエポキシ系樹脂体を接合してなる複
    合成形品。
  2. 【請求項2】 繊維状充填剤(B) がガラス繊維である請
    求項1記載の複合成形品。
  3. 【請求項3】 (D) 成分のポリオレフィン系熱可塑性エ
    ラストマーが、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィ
    ンとの共重合体、α−オレフィンとα,β−不飽和酸又
    はその誘導体とからなるオレフィン系共重合体、又はこ
    れらの共重合体にスチレン,アクリロニトリル,α,β
    −不飽和カルボン酸又はその誘導体の一種以上よりなる
    重合体又は共重合体が化学的に結合したグラフト共重合
    体、又はこれらの混合物である請求項1又は2記載の複
    合成形品。
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