JP2794999B2 - エコーキャンセル方式 - Google Patents

エコーキャンセル方式

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JP2794999B2
JP2794999B2 JP3228616A JP22861691A JP2794999B2 JP 2794999 B2 JP2794999 B2 JP 2794999B2 JP 3228616 A JP3228616 A JP 3228616A JP 22861691 A JP22861691 A JP 22861691A JP 2794999 B2 JP2794999 B2 JP 2794999B2
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    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B3/00Line transmission systems
    • H04B3/02Details
    • H04B3/20Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other
    • H04B3/23Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers

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  • Signal Processing (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠距離電話回線等の回
線エコーやTV会議システムの音響信号等に含まれるエ
コーを消去することができるエコーキャンセル方式に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ここでは、電話回線におけるエコーキャ
ンセラ装置を中心に従来技術について説明する。図1
は、64kbit/sPCMインターフェイスを持った
従来のエコーキャンセラ装置1を用いたPCM電話回線
の基本構成図を示したものである。エコーキャンセラ装
置1の入力出力信号は64kbit/s(8kHzサン
プリング、8ビット非線形量子化)PCMでインターフ
ェイスされ、装置内で、入力信号に対しては非線形PC
Mを線形PCMのディジタル信号に変換して処理し、出
力信号は8ビット非線形PCMに変換して出力すること
を前提として説明する。ここで、非線形量子化器で量子
化された通常の8ビットPCMコードを非線形PCM信
号、線形量子化されたディジタル信号を線形PCM信号
と呼ぶ。
【0003】PCM電話回線では、通常、回線構成上図
1に示すように2線4線変換器を用いており、遠端話者
のPCM音声信号がPCM復号器によりアナログ信号に
変換された後、2線4線変換器4を介してエコーとして
相手側回線に漏れ込み、遠端話者に伝送されてしまう。
この時、衛星回線のように回線遅延時間が大きいと、こ
のエコーが通話品質を劣下させてしまい通話がしにくく
なる。これを解決するために、最近では図1のごとくP
CMインターフェイスを持つエコーキャンセラ装置1を
導入しエコーを消去する方法が用いられている。
【0004】図1において、遠端話者のPCM音声信号
は、エコーキャンセラ装置1の受信入力端子2(Sin) を
介して、受信出力端子3(Rout)から出力され、少なくと
も1個のPCM復号器62、2線4線変換器4及び少な
くとも1個のPCM符号器61からなるエコーパスを経
て送信入力端子5(Sin) に回線エコーとして回り込み伝
送される。この回線エコーを消去するため、送信入力端
子5に入力された非線形PCM送信入力信号を線形コー
ド変換器631により線形の振幅特性を持ったディジタ
ル信号である線形PCM送信入力信号に変換した後、疑
似エコー発生器6で得られた疑似エコーを減算器7を介
して差し引き、残留エコーを得、さらに非線形コード変
換器64により線形PCM信号で表わされている残留エ
コーを非線形PCMの非線形送信出力信号に変換後、再
び64kbit/sPCM信号として送信出力端子8(S
out)から出力する。ここでは詳細な説明を省略するが、
残留エコーをセンタクリッパに通した後に非線形コード
変換器64に入力する場合もある。また、残留エコー
は、疑似エコー発生器6に入力され下記のエコーパス推
定のために使われている。ここで、エコーキャンセラ装
置1の受信出力端子3(Rout)から送信入力端子5(Sin)
に回線エコーとして回り込み伝送されるまでに通過した
2線4線変換器4を含めた回線をエコーパスとして表現
する。
【0005】また、PCM多リンク接続の電話回線の場
合には、非線形PCM信号をアナログ信号に変換するP
CM復号器62と2線4線変換器4との間に64kbi
t/sPCM符号器61及び復号器62と同一のものが
複数個それぞれ挿入された状態となる。ー方、2線4線
変換器4とアナログ信号を非線形PCM信号に変換する
64kbit/sPCM符号器61との間に同様に複数
個の64kbit/sPCM符号器61及び復号器62
と同一のものが複数個挿入される。
【0006】線形コード変換器632により8bit非
線形PCMコードのPCM受信入力信号を例えば14b
it線形PCMコードの線形PCM受信入力信号に変換
後、疑似エコー発生器6に入力する。疑似エコー発生器
6では、前記エコーパスの伝送特性を線形FIR型ディ
ジタル・フィルタで近似して、その伝送系のインパルス
応答を与えるフィルタ係数を残留エコーレベルが最小と
なるように適応制御して(伝送系のインパルス応答を推
定していることになる)、さらに、それと線形PCM受
信入力信号とを用いて線形PCMの疑似エコーを発生さ
せている。疑似エコー発生器6におけるサンプル毎のフ
ィルタ係数更新のための適応制御アルゴリズムとして
は、計算時間の制限から現状では計算量の少ないLMS
(Least Mean Square)法や学習同定
法と呼ばれる方法等が使用されている。また、端子3か
らは非線形PCM受信入力信号がそのまま受信出力信号
として送出される。以後の説明では、前記のFIR型モ
デルによる疑似エコー発生器6と適応制御アルゴリズム
として学習同定法を用いたエコーキャンセラ装置を例に
とり説明する。
【0007】図2は従来のエコーキャンセラ装置1の基
本構成を示した図で、上記の疑似エコー発生器6、減算
器7、非線形PCM信号を線形PCM信号に変換する線
形コード変換器631及び632、線形PCM信号を非
線形PCM信号に変換する非線形コード変換器64、下
記のダブルトーク検出器13及び低レベル信号検出器1
4とから構成される。
【0008】擬似エコー発生器6はFIR型適応ディジ
タル・フィルタで構成されており、線形コード変換器6
32を介して得られたタップ数分の線形PCM受信入力
信号系列を記憶するXレジスタ9、フィルタ係数を記憶
するHレジスタ10、Xレジスタ9内の線形PCM受信
入力信号とHレジスタ10に格納しているフィルタ係数
とからFIRフィルタ出力である疑似エコーを生成する
ための積和回路11、フィルタ係数の適応制御のために
フィルタ係数修正量を計算し、前サンプル時点のフィル
タ係数を格納しているHレジスタ10の内容に加算する
ことによりフィルタ係数を更新する係数制御回路12と
からなっている。係数制御回路12におけるHレジスタ
10のフィルタ係数修正量の計算には、減算器7の出力
として得られる残留エコーとXレジスタ9内の受信入力
信号系列とを用いる。ダブルトーク検出器13では、下
記のようにダブルトークを検出して制御信号を係数制御
回路12に送出する。低レベル信号検出器14では、線
形コード変換器632から得られた線形PCM受信信号
系列から低レベル信号であることを検出して制御信号を
係数制御回路12に送出する。
【0009】Xレジスタ9は、フィルタのタップ数をN
とすると、N個のシフトレジスタからなり、その内容を
X0 、X1 、X2 、・・・、XN-1 とし、現サンプリン
グ時点tでの線形PCM受信入力信号をx[t]とする
と、レジスタに過去のx[t−(N−1)]までの線形
PCM受信入力信号が格納されている。エコー消去のた
めのサンプリング時点での処理が行われる毎に、それら
の内容はシフトされ、新たに新しい線形PCM受信入力
信号が格納される。
【0010】Hレジスタ10は、フィルタ係数を格納し
たタップ係数個のレジスタからなり、その内容をH0 、
H1 、H2 、・・・、HN-1 と表し、係数制御回路12
を介してレジスタ内容が更新される。
【0011】積和回路11では、本回路を介して、Xレ
ジスタ9に格納されている線形PCM受信入力信号系列
と、Hレジスタ10に格納されているフィルタ係数から
積和演算を行いフィルタ出力である線形PCM信号で現
された疑似エコーを生成する。
【0012】ここで、係数制御回路12におけるフィル
タ係数の更新アルゴリズムについて以下具体的に説明す
る。サンプリング時点tにおけるFIRフィルタのXレ
ジスタ9の内容を(1)式で表す。
【数1】
【0013】また、サンプリング時点tにおけるHレジ
スタ10の内容を(2)式で表す。
【数2】
【0014】この時、疑似エコー発生器6からの疑似エ
コーとしてのFIRフィルタ出力y[t]は(3)式で
与えられる。
【数3】
【0015】以後、これを(4)式と表す。
【数4】
【0016】残留エコーは、送信入力端子5から線形コ
ード変換器631を介して得られた線形PCM送信入力
信号をe[t]とすると(5)式で与えられる。
【数5】
【0017】ここで、残留エコーer[t]の電力が常
に最小となるように係数制御回路12においてHレジス
タ10のフィルタ係数を更新すればエコーを減少させる
ことができる。
【0018】係数制御回路12における学習同定法を用
いたフィルタ係数の適応制御アルゴリズムは、フィルタ
係数修正量ΔHtを(6)式で表すと、(7)式で与え
られる。(6)式内のgはステップゲインで、0<g<
2の領域内で、フィルタ係数が収束することが知られて
いる。
【数6】
【数7】
【0019】図3は、従来型エコーキャンセラ装置1の
係数制御回路12の一実施例を示している。学習同定法
を使ったフィルタ係数の適応制御回路を示しており
(6)式及び(7)式を実現した回路である。端子12
0を介してXレジスタ9に格納されている線形PCM受
信入力信号系列が入力され、端子121を介して残留エ
コーが入力される。乗算器151では、残留エコーと線
形PCM受信入力信号系列との乗算処理が行われる。ス
テップゲイン選択器153では端子122を介して入力
されるダブルトーク検出器13及び端子123を介して
入力される低レベル信号検出器14からの制御信号を使
ってステップゲインを選択し乗算器152に出力する。
乗算器152では、ステップゲイン選択器153で選択
されたステップゲインと乗算器151の出力信号の乗算
を行う。一方、端子120を介してXレジスタから得ら
れた受信入力信号系列から電力計算器150において電
力を求める。除算器154では、乗算器152の出力信
号を電力計算器150の出力の電力で除算する正規化処
理を行う。その出力を(6)式のフィルタ係数修正量と
して、端子125を介して入力されるHレジスタ10に
格納されている現在のフィルタ係数Htとレジスタ加算
器155を介して加算し、端子124を介して更新後の
フィルタ係数Ht+1としてHレジスタに格納する。レ
ジスタ制御器156では、端子122を介して入力され
るダブルトーク検出器13及び端子123を介して入力
される低レベル信号検出器14からの制御信号を使っ
て、レジスタ加算器155のレジスタ更新停止処理の制
御を行う。
【0020】上記のフィルタ係数更新アルゴリズムにお
いては、残留エコーは(5)式のごとく単に回線エコー
と疑似エコーとの差だけから構成される必要があるが、
線形コード変換器631から得られた線形PCM送信入
力信号には非線形PCM符号化に伴う量子化雑音が常に
存在している。従って、アナログ回線に接続するため線
形A/D、D/A変換器を用いた入出力インターフェイ
スを持つエコーキャンセラに比較して、受信入力信号と
は相関のない独立な量子化雑音が存在する。この量子化
雑音は疑似エコー発生器6で推定できず、たとえ疑似エ
コーが受信入力信号内の回線エコーと一致し、消去され
ても、残留エコー内にそのまま量子化雑音が残る。従っ
て、(6)式のフィルタ係数修正量ΔHtを誤った方向
に修正してしまい、その修正量がHレジスタ10の内容
に加算されるので、誤ったフィルタ係数としてHレジス
タが更新され、疑似エコーが回線エコーとずれてしま
う。特にエコー・リターン・ロスが小さく、エコーの振
幅が大きい場合にはそれに比例して大きい量子化雑音が
発生することから、疑似エコーの推定精度を劣化させて
しまう。この為、減算器7の入出力信号の電力比で与え
られるエコー・リターン・ロス・エンハンスメントがP
CM符号化で決定される信号対量子化雑音比以上には改
善できない。また、送信入力側のエコーパスがPCM多
リンク構成されていると、リンク数毎に平均して3dB
ずつ量子化雑音は増加する。これらの理由から、低レベ
ルのエコーと回線エコーの量子化雑音成分によって電話
音声品質が劣化してしまう。
【0021】送信入力端子5(Sin) に大きな回線雑音が
加わった場合や、近端話者の音声が加わった場合(ダブ
ルトーク)にもこれらの量子化雑音は増加する。特にダ
ブルトーク状態では、近端話者信号、回線雑音に加えて
量子化雑音により急激なフィルタ係数の誤修正を生じH
レジスタ10を発散させてしまう。このため、一般には
近端話者が話中であることをいち早くダブルトーク検出
器13を使って検出して、係数制御回路12におけるフ
ィルタ係数更新処理を止めるか、あるいはフィルタ係数
修正量の計算におけるステップゲインgを小さくするか
のいずれかの処理を行っているが、この場合にも量子化
雑音による悪影響は避けられない。
【0022】従来ダブルトーク検出器13に使用するダ
ブルトーク検出方式の一実施例を以下に示す。
【0023】(ダブルトーク検出方式)受信入力端子2
(Rin) を介して得られた線形PCM受信入力信号xの平
均電力をXav、送信入力端子5(Sin) を介して得られ
た線形PCM送信入力信号eの平均電力をEav、ダブ
ルトーク検出マージンをLm(dB)とし、これら信号
を比較して(8)式が成り立つ時、ダブルトークと判定
する。
【数8】
【0024】ダブルト−ク検出器13では、上記の受信
入力信号x、送信入力信号e各々からの平均電力Xav
及び平均電力Eavをもとめ(8)式を計算することに
よりダブルト−ク判定を行い、(8)式が成り立つ時に
は、係数制御回路12へダブルトーク検出信号を送出し
て、フィルタ係数更新停止処理またはステップゲインg
を減少させる。
【0025】また、端子2(Rin) に低レベル音声信号が
入力され、これと同時に端子5(Sin) より大きな回線雑
音が加わると、そのままではフィルタ係数推定誤差が大
きくなる。そのため、低レベル信号検出器14では、線
形PCM受信入力信号の平均電力を計算し、これがスレ
ショルド以下の時、ダブルトーク検出時と同様に、低レ
ベル信号検出信号を係数制御回路12へ送出し、フィル
タ係数更新停止処理またはステップゲインgを減少させ
る。
【0026】
【従来の方式の問題点】上記の64kbit/sPCM
インターフェイスを持つエコーキャンセラ装置の動作の
説明の如く、PCM回線を用いた電話回線で使用する場
合には、送信入力側のPCM回線で生じた量子化雑音を
エコーキャンセラが推定することができず、残留エコー
として回線エコーの量子化雑音が残りエコー消去特性が
劣化する。
【0027】即ち、64kbit/sPCMインターフ
ェイスを使用する回線構成におけるエコーキャンセラ方
式では、疑似エコー発生器6においてエコーパス特性を
線形のFIRフィルタで推定しているため、PCMの非
線形処理がエコーパスの回線構成に含まれていると、こ
の非線形処理により発生した量子化雑音成分を推定する
ことができず、残留エコーとして残り、エコー消去特性
を劣化させ、低レベルエコーとして電話音声品質を劣化
させる。これまで、このような非線形処理を伴うPCM
回線に接続した場合にも優れたエコー消去能力を有する
エコーキャンセラ装置はない。また、PCM符号器61
がオーバロードした場合にも大きな量子化雑音が発生し
同様な問題が生じる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PCM回線
の非線形処理により発生した量子化雑音或はPCMオー
バロードがある回線においても優れたエコー消去能力を
有するエコーキャンセル方式を提供することを目的とす
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めの本発明によるエコーキャンセラ装置は、エコーパス
を推定するためのFIRフィルタによる疑似エコー発生
器6と減算器7との間に疑似エコーに対して量子化雑音
を発生させる為の非線形量子化処理器を導入して、回線
エコーのみならず回線エコーの量子化雑音をも消去させ
ることを特徴としており、エコー消去特性の優れた高品
質な音声通話を可能とする新しいエコーキャンセラ装置
を提供する。
【0030】
【実施例】以下に本発明によるエコーキャンセラ装置の
構成及びその動作について4つの実施例を挙げ詳細に説
明する。
【0031】
【実施例1】本発明の実施例として、1つの疑似エコー
発生器6を用いた場合のエコーキャンセラ方式について
説明する。その一構成例を図4に示す。非線形量子化処
理器27、疑似エコー発生器6と減算器7との間にこれ
を接続するかバイパスするための接続切り替えスイッチ
28、このスイッチ28を制御するスイッチ制御回路2
9を新たに付加している。図4では、従来装置と重複す
る部分は省略し、説明に必要な構成だけを示している。
【0032】ここで、動作モードとして従来と同様の動
作をする線形処理モードと下記に述べる非線形処理モー
ドを設ける。非線形処理モードでは、疑似エコー発生器
6の出力に対して、その出力を非線形PCMコードに変
換し、更に得られた非線形PCMコードを線形PCMコ
ードに再変換処理する線形→非線形→線形PCMコード
変換処理を行わせる非線形量子化処理器27を経て疑似
エコー発生器の出力である疑似エコーの振幅に対応した
量子化雑音を発生させ付加しこれを新たに疑似エコーと
して、端子281を介して減算器7に入力する。
【0033】線形処理モードでは、従来の如く疑似エコ
ー発生器6の出力を端子282を介して直接減算器7に
入力する。これらのモードをスイッチ回路28によって
選択させ残留エコーを求める。スイッチ回路28ではス
イッチ制御回路29からのモード制御情報により端子2
81あるいは端子282の接続の選択が行われる。スイ
ッチ制御回路29では、線形コード変換器631からの
線形PCM送信入力信号の電力と減算器7の出力の残留
エコーの電力を計算し、エコー消去量を求め、これを基
にエコーキャンセラの収束状態を検出し、スイッチ回路
28及び疑似エコー発生器6内のステップゲインを制御
する。エコーキャセラが動作開始時等に収束してないと
見なされる状態では、線形処理モードとしてスイッチ回
路28の接続を端子282とし、しかも疑似エコー発生
器6のステップゲインも比較的大きい値を設定し、従来
のエコーキャンセラと同様な動作を行わせる。また、収
束していると判断された場合には、非線形処理モードと
して、スイッチ28の接続を端子281とし、非線形量
子化処理器27を介して得られた疑似エコーを減算器7
に入力しエコーキャンセラを動作させる。
【0034】エコーキャンセラの初期動作状態において
は、収束していないことから線形処理モードが選択さ
れ、一方、収束した状態と見なせる場合には、一般にエ
コー消去量が大きくなることから、これが予め定められ
たスレショルドを越えておれば収束したと見なし、非線
形処理モードとして線形→非線形→線形PCMコード変
換により生成された量子化雑音を持つ疑似エコーを非線
形量子化処理器27を介して減算器7に入力する。
【0035】線形PCM送信入力信号は回線エコーの量
子化雑音を含んでおり、しかも256通りのレベルしか
持たない。一方、疑似エコー発生器6の出力が、例えば
14ビットの線形コードで現されていると仮定すると、
16384通りのレベルが存在し、線形PCM送信入力
信号との差をゼロとすることはほとんどできず、残留エ
コーが残る。しかし、エコーキャンセラが収束状態にあ
るとき、疑似エコー発生器6の出力をPCM符号化と同
様の非線形量子化して、256通りのレベルになるよう
に量子化雑音を付加した疑似エコーを減算器7に入力す
ると、線形PCM送信入力信号と全く同一の値とするこ
とが可能となり、残留エコーはゼロとなり、回線エコー
のみならずその量子化雑音も消去できることになる。
【0036】この場合には、疑似エコー発生器6からの
出力が線形PCM送信入力信号と同一となるような量子
化ステップ幅以内の出力を発生できるように疑似エコー
発生器6内のステップゲインを予め決められた小さい値
に設定する必要がある。これにより、収束状態を保ち線
形PCM送信入力と同一のレベルコードの疑似エコーを
発生し易くすることができる。このように、収束状態で
は、疑似エコー発生器6の出力を一旦PCM処理して等
価な量子化雑音を発生させることにより、回線エコーの
みならず送信入力信号内の量子化雑音をも打ち消すこと
ができる。
【0037】更に、ダブルトーク検出器13および低レ
ベル信号検出器14を併用してもよい。すなわち、ダブ
ルトークの状態が発生すると、ダブルトーク検出器13
の検出出力にしたがって、従来のエコーキャンセラのよ
うに線形処理モードに戻し、疑似エコー発生器のステッ
プゲインを0とし、適応係数制御を停止しても良いし、
非線形処理モードのままで、ステップゲインを0とし、
適応係数制御を停止してもよい。
【0038】ー方、線形PCM受信入力信号が低レベル
で、低レベル信号検出器14が低レベル信号を検出した
場合には、従来と同様に線形処理モードにして適応係数
制御を停止するか、あるいは非線形処理モードでそれを
停止してもよい。特性にほとんど差はない。
【0039】以上のような構成を行うことにより、通常
状態での回線エコーを消去するだけでなく、PCM回線
で生じた量子化雑音をも消去できる。
【0040】
【実施例2】本実施例は多リンクPCM回線を対象とし
て適用でき、1リンクPCM回線でもより高いエコー消
去特性を持った本発明のエコーキャンセラ方式の一実施
例である。その構成例を図5示す。また、非線形量子化
処理器271の詳細な構成例を図5Aに示す。これらの
構成例は、説明に必要な構成だけを示している。
【0041】特に、図4の非線形量子化処理器27と異
なり、図5に示すごとく非線形量子化処理器271で
は、非線形処理モードにおいて疑似エコー発生器6の出
力を多出力型非線形量子化器2712で、非線形PCM
コードに変換した後、その非線形コードに隣接した予め
決められた複数個、例えばM個の非線形PCMコードを
用意して、それぞれの非線形PCMコードを逆量子化し
た線形PCM出力値を得、最適疑似エコー選択回路27
11において、それらのM個の線形PCM出力値の間
で、線形コード変換器631を介し、非線形量子化処理
器271の入力端子283から入力される線形PCM送
信入力信号との差が最小になる出力値を最適線形PCM
疑似エコーとして選択し、減算器7に入力して、減算器
7の出力として残差エコー信号を得る。複数の非線形P
CMコードとしては基となるコードを中心として前後の
隣接したコードを決められた数程用意すれば良い。
【0042】実施例1では、非線形量子化処理器27か
ら1つの線形PCM疑似エコーが出力され、それが線形
PCM送信入力信号とずれると完全には量子化雑音を消
去できない部分が発生する。特に、非線形処理モードで
動作させるときの疑似エコー発生器6のステップゲイン
を大きくするとこのような状態が発生し易く、特性劣化
を生じる。また、PCM多リンク回線構成では線形PC
M送信入力信号内の量子化雑音の振幅がリンク数に従っ
て大きくなっており、実施例1の構成では十分に量子化
雑音を消去できない。本発明の実施例2の如く複数の非
線形PCMコードに対応した線形PCM出力値の中から
最適な線形PCM疑似エコーを得ることができる非線形
量子化処理器271を導入することにより、線形PCM
送信入力信号と一致させることができ、幅広く量子化雑
音を消去できる。従って、多リンクPCM回線に適した
エコーキャンセラ装置を実現できる。また、これは1リ
ンクのPCM回線にも有効である。
【0043】ダブルトーク時あるいは低レベル受信入力
時には実施例1と同様な動作をさせれば良い。動作の説
明は省略する。また、非線形処理モードで動作させる際
の疑似エコー発生器6のステップゲインは実施例1の非
線形処理モードの時のより若干大きい値を用いることも
でき、収束速度が改善される。
【0044】
【実施例3】図6は、2個の疑似エコー発生器を並列に
配置した本発明のPCMインターフェイスを持つエコー
キャンセラ装置の一実施例である。その基本構成とし
て、2個の疑似エコー発生器を、各々主疑似エコー発生
器21及び副疑似エコー発生器22と呼び、それらの構
成は基本的に疑似エコー発生器6と基本的に同一でよ
い。先に出願した特願平3−73757においてすでに
説明した如く、主疑似エコー発生器21と副疑似エコー
発生器22を持ったエコーキャンセラは、従来方式よ
り、ダブルトーク時および低レベル受信入力時、及び低
エコーリターンロス時いずれの場合においてもエコー消
去能力は優れている。 従って、図6に示した如く、P
CMインターフェイスのための線形コード変換器63
1、非線形コード変換器64、及び主疑似エコー発生器
21と主減算器25との間に非線形量子化処理器27を
導入することにより、前記実施例と同様な理由からPC
M符号化により発生する量子化雑音を消去できる。
【0045】図7、図8は、各々本発明に用いているの
主疑似エコー発生器21及び副疑似エコー発生器22の
構成例である。動作並びに構成は先に出願した特願平3
−73757と同一である。
【0046】ここで、動作を簡単に説明する。主減算器
25の出力である残留エコーを主残留エコーと呼びe1
と表し、副減算器26の出力である残留エコーを副残留
エコーと呼びe2と表す。更に、主及び副疑似エコー発
生器21、22の収束状態を判定し、Hレジスタ処理を
するための収束比較制御器24と、収束比較制御器24
の出力にもとづき副疑似エコー発生器22内の副Hレジ
スタ221のフィルタ係数値を主疑似エコー発生器21
内の主Hレジスタ211の対応したフィルタ係数に各々
加算処理するためのレジスタ加算器23とを設けてい
る。主疑似エコー発生器21内のフィルタ係数は、主係
数制御回路213において主Xレジスタ210内の線形
PCM受信入力信号系列と主残留エコーとを用いて前記
と同様の適応制御アルゴリズムにより更新され、主Hレ
ジスタ211に格納される。また、副疑似エコー発生器
22内のフィルタ係数も同様に、副係数制御回路223
において副Xレジスタ220内の線形PCM受信入力信
号系列と副残留エコーとを用いて前記と同様の適応制御
アルゴリズムにより更新され、副Hレジスタ221に格
納される。
【0047】図7及び図8の主及び副疑似エコー発生器
21、22は、各々主及び副Xレジスタ210、22
0、主及び副Hレジスタ211、221、主及び副積和
回路212、222、主及び副係数制御回路213、2
23とから構成される。主及び副Xレジスタ210、2
20は、Xレジスタ9と同一構成で、また、主及び副積
和回路212、222は積和回路11と同一構成とす
る。主Hレジスタ211はHレジスタ10にレジスタ加
算器23への出力端子217及びレジスタ加算器23か
らの入力端子218を追加した構成となっている。副H
レジスタ221はHレジスタ10にレジスタ加算器23
への出力端子227を追加した構成となっている。
【0048】図9に主係数制御回路213の構成例を示
す。収束比較制御器24からの制御信号を端子214を
介して入力し、ステップゲイン選択器2133において
ステップゲインを選択し、レジスタ制御器2136にお
いてレジスタ加算器2135の制御を行う点を除いて係
数制御回路12と同一の構成となっている。副係数制御
回路223は主係数制御回路213と同一構成であるの
で説明を省略する。
【0049】ダブルトークや低レベル信号を検出して、
フィルタ係数の更新停止、ステップゲイン選択処理及び
Hレジスタ処理を行うためのダブルトーク検出器13及
び低レベル信号検出器14を有した場合について以下に
その動作を説明する。
【0050】主疑似エコー発生器21内の主係数制御回
路213におけるステップゲインは、実施例1と同様に
主疑似エコー発生器21の出力を非線形量子化処理器2
7を介して線形PCM疑似エコーを得たとき、線形PC
M送信入力信号と同一のレベルとなる量子化ステップ幅
に収まる程度に常に小さな値とする。一方、副疑似エコ
ー発生器22内の副係数制御回路223のステップゲイ
ンは理論上の最大値あるいは主係数制御回路213内の
ステップゲインと等しいかあるいは大きい値とする。
【0051】主疑似エコー発生器21を介して得られる
主残留エコーe1のレベルと副減算器26を介して得ら
れる副残留エコーe2のレベルとを収束比較制御器24
において比較し、3通りのレベル状態に応じて下記の処
理を行う場合を示す。先に出願した特願平3−7375
7に詳細を示す如く、副残留エコーe2のレベルがe1
のレベルより小さく、副疑似エコーの減算によるエコー
消去効果がスレショルド条件を満足しているとHレジス
タ加算モード、e2のレベルがe1のレベルに比較し
て、十分に小さくなっていない状態をレジスタ独立動作
モード、また、寧ろ副疑似エコーの減算により、副残留
エコーレベルがあるスレショルド以上増加した場合をレ
ジスタ加算禁止モードとする。
【0052】Hレジスタ加算処理モードでは、H2レジ
スタの内容をH1レジスタにそれぞれ加算した後、H2
レジスタをリセットしてそれぞれ主及び副疑似エコー発
生器21、22を動作させる。また、レジスタ独立動作
モードでは、そのままそれぞれの主及び副疑似エコー発
生器21、22を動作させる。更に、レジスタ加算禁止
モードでは、H2レジスタをリセットした後、再び主及
び副疑似エコー発生器をそれぞれ動作させる。
【0053】ここで、副疑似エコー発生器22のエコー
消去特性が主疑似エコー発生器21のエコー消去特性よ
り良い場合とその他の場合に分けて本発明によるエコー
キャンセラ装置の動作と効果をより具体的に説明する。
【0054】(1)副疑似エコー発生器22のエコー消
去特性が主疑似エコー発生器21のエコー消去特性より
良い場合 図6において、副疑似エコー発生回路22のステップゲ
インが主疑似エコー発生器21のそれより大きいため、
エコーパスの推定ずれがあると副残留エコーe2の方が
主残留エコーe1よりも急速に小さくなり、判定条件を
満たすと、Hレジスタ加算モード処理が行われる。
【0055】これにより主疑似エコー発生器21のエコ
ーパス推定が改善されることになる。
【0056】副疑似エコー発生器22内の係数制御回路
223のステップゲインは十分に大きいので、短時間内
で収束判定条件をみたし、Hレジスタ加算処理が行われ
るので、主疑似エコー発生器21の主係数制御回路21
3のステップゲインが小さいにも係わらず等価的に学習
同定法の最大適応制御速度で主残留エコーを減少させる
ことができる。
【0057】(2)その他の場合 Hレジスタ加算処理等は行われず、主疑似エコー発生器
21は小さなステップゲインで動作するので、ダブルト
ーク時においても送信出力のエコー消去特性はあまり変
化しない。しかも、Hレジスタ加算モードとならないと
言うことは、線形のエコーパス特性はほぼ一致している
とみさせ、このモードを継続することにより、徐々にP
CM符号化による量子化雑音を消去してエコー消去特性
は向上する。
【0058】
【実施例4】本実施例は多リンクPCM回線あるいは1
リンクでより高品質なエコーキャンセラ方式を実現する
ための、実施例3の非線形量子化処理器27に変えて図
5Aの非線形量子化処理器271を導入する本発明によ
る実施例である。その構成例を図10に示す。本構成例
は、実施例2と同様に複数の非線形PCMコードに対応
した線形PCM値を用意して、線形コード変換器631
から得られた線形PCM送信入力信号との差が最小な最
適線形PCM疑似エコーをその中から選択し、それを主
減算器25に入力し、その出力として主残留エコーを求
め、さらに非線形コード変換64にて非線形PCMに変
換して送信出力として端子8から送出する。
【0059】この処理を行うことにより、幅広く最適な
線形PCM疑似エコーを選択できることから多リンクP
CM回線で発生する量子化雑音も消去できエコー消去特
性を向上できる。
【0060】また、上記の実施例では、非線形量子化処
理器271に線形PCM送信入力信号を入力し最適線形
PCM疑似エコーを選択し、その後主減算器25で残留
エコーを求めているが、主減算器25を非線形量子化処
理器271内に含めた構成とし、処理を実施して最小と
なる残留エコーを直接非線形量子化処理器271から出
力してもよい。
【0061】ROMを用いて非線形PCM送信入力信号
と、主疑似エコー発生器21の出力を非線形PCM変換
した値とを入力アドレスとして格納された残留エコーを
抽出することとし、複数の隣接非線形PCMコードに対
してもそれぞれ残留エコーを得、その中で最小となる残
留エコーを選択するような構成としても良い。
【0062】さらに、複数個用意された非線形PCM疑
似エコーの非線形PCMコードの内、両端のコード間の
間に非線形PCM送信入力信号のコードが存在している
場合はゼロを出力し、その他の場合には非線形PCM送
信入力信号とのコード差の小さい方の領域の端の疑似エ
コーの非線形PCMコードと非線形PCM送信入力信号
コードとをROMのアドレスとして格納されている値を
残留エコーとして取り出すよう構成しても良い。
【0063】尚、本発明に於て説明を省略したが、副疑
似エコー発生器の出力に対しても非線形量子化処理器を
導入した構成にしても良い。
【0064】また、特願平3−73757に述べた他の
構成や制御等においても本発明は同様に適用できる。
【0065】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明は次の
ような効果を有している。 (1)主及び副の2つ以上の疑似エコー発生器を有し、
主疑似エコー発生器の出力に対して量子化雑音が生成で
きる非線形量子化処理器を付加し、主疑似エコーに量子
化雑音を発生させた後エコー消去処理を行わせ主残留エ
コーを得ると共に、副疑似エコー発生器からの副疑似エ
コーを用いて更に副残留エコーを得、これらの残留エコ
ー電力の基に主疑似エコー発生器内のHレジスタに副疑
似エコー発生器内のHレジスタの対応したフィルタ係数
を各々加算し、更に副疑似エコー発生器内のHレジスタ
を特定の値にリセットし動作させるレジスタ制御処理を
させることにより、回線エコーのみならず従来方式では
消去できないPCM回線で生じた量子化雑音をも消去
し、しかもダブルトーク時、低レベル受信入力信号時で
も、高品質で安定に動作するエコーキャンセを実現する
ことができる。
【0066】(2)(1)の方式に於て、主疑似エコー
発生器の出力に対して複数の量子化雑音を持った主疑似
エコーを発生させ、その中で送信入力信号との差が最小
となる最適な疑似エコーを選択し、これを用いて主残留
エコーを求める機能を付加することにより、回線エコー
のみならず多リンクPCM回線で発生した量子化雑音を
も消去でき、より良いエコー消去特性を示すエコーキャ
ンセラを実現できる。
【0067】(3)1つの疑似エコー発生器をもつエコ
ーキャンセラにおいて、疑似エコー発生器の出力に対し
て、そのまま送信入力信号との差をとり、残留エコーを
求める場合と、その出力に対して非線形量子化処理器に
より量子化雑音を付加させた疑似エコーを生成し送信入
力信号との差をとり、残留エコーを求める場合とを選択
制御させることにより、回線エコーのみならずPCM回
線で生じる量子化雑音も消去するエコーキャンセラを実
現することができる。
【0068】(4)(3)の方式に於て、疑似エコー発
生器の出力に対して複数の量子化雑音を持った疑似エコ
ーを発生させ、その中で送信入力信号との差が最小とな
る最適な疑似エコーを選択する非線形量子化処理器を用
いることにより、回線エコーのみならず多リンクPCM
回線で発生した量子化雑音をも消去でき、より良いエコ
ー消去特性を示すエコーキャンセラを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PCM回線に適用した従来型エコーキャンセラ
装置1の基本構成図である。
【図2】従来のエコーキャンセラ装置1の構成例であ
る。
【図3】従来のエコーキャンセラ装置1の係数制御回路
12の構成例である。
【図4】本発明によるエコーキャンセラ装置の構成例で
ある。
【図5】本発明によるエコーキャンセラ装置の構成例で
ある。
【図5A】本発明による非線形量子化処理器271の構
成例である。
【図6】本発明によるエコーキャンセラ装置の構成例で
ある。
【図7】本発明による主疑似エコー発生器21の構成例
である。
【図8】本発明による副疑似エコー発生器22の構成例
である。
【図9】本発明による主係数制御回路213の構成例で
ある。
【図10】本発明によるエコーキャンセラ装置の構成例
である。
【符号の説明】
1 従来型エコーキャンセラ装置 2 エコーキャンセラ装置の受信入力端子(Rin) 3 エコーキャンセラ装置の受信出力端子(Rout) 4 2線4線変換器 5 エコーキャンセラ装置の送信入力端子(Sin) 6 疑似エコー発生器 7 減算器 8 エコーキャンセラ装置の送信出力端子(Sout) 9 Xレジスタ 10 Hレジスタ 11 積和回路 12 係数制御回路 120 Xレジスタ入力端子 121 残留エコー入力端子 122 ダブルトーク検出信号入力端子 123 低レベル信号検出信号入力端子 124 Hレジスタ出力端子 125 Hレジスタ入力端子 13 ダブルトーク検出器 14 低レベル信号検出器 150 電力計算器 151 乗算器 152 乗算器 153 ステップゲイン選択器 154 除算器 155 レジスタ加算器 156 レジスタ制御器 21 主疑似エコー発生器 210 主疑似エコー発生器21内主Xレジスタ 211 主疑似エコー発生器21内主Hレジスタ 212 主疑似エコー発生器21内主積和回路 213 主疑似エコー発生器21内主係数制御回路 2130 電力計算器 2131 乗算器 2132 乗算器 2133 ステップゲイン選択器 2134 除算器 2135 レジスタ加算器 2136 レジスタ制御器 2137 Xレジスタ入力端子 2138 Hレジスタ出力端子 2139 Hレジスタ入力端子 214 制御信号入力端子 215 疑似エコー出力端子 216 残留エコー入力端子 217 レジスタ加算器出力端子 218 レジスタ加算器入力端子 219 受信信号入力端子 22 副疑似エコー発生器 220 副疑似エコー発生器22内副Xレジスタ 221 副疑似エコー発生器22内副Hレジスタ 222 副疑似エコー発生器22内副積和回路 223 副疑似エコー発生器22内副係数制御回路 2237 Xレジスタ入力端子 2238 Hレジスタ出力端子 2239 Hレジスタ入力端子 224 制御信号入力端子 225 疑似エコー出力端子 226 残留エコー入力端子 227 レジスタ加算器出力端子 229 受信信号入力端子 23 レジスタ加算器 24 収束比較制御器 25 主減算器 26 副減算器 27 非線形量子化処理器 271 非線形量子化処理器 2711 最適疑似エコー選択回路 2712 多出力型非線形量子化器 28 スイッチ回路 281 スイッチ回路28の端子 282 スイッチ回路28の端子 83 非線形量子化処理器271の入力端子 29 スイッチ制御回路 61 PCM符号器 62 PCM復号器 631 線形コード変換器 632 線形コード変換器 64 非線形コード変換器 71 減算器7の入力端子 72 減算器7の出力端子 73 疑似エコー発生器6の入力端子 74 疑似エコー発生器6の出力端子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−327559(JP,A) 特開 平4−286218(JP,A) 特開 平4−213927(JP,A) 1991年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集〔分冊〕(1991−3−15) P.3・310 1991年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集〔分冊〕(1991−8−15) P.3・240 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 1/76 - 3/23 H04B 7/00 - 7/015 H04B 14/02 - 14/06 H03H 21/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信回路に挿入される減算器と、受信入
    力信号と残留エコーの関係に従って、前記減算器に疑似
    エコー信号を供給する疑似エコー発生手段を有するエコ
    ーキャンセル方式において、 主疑似エコー発生手段と副疑似エコー発生手段を具備
    し、 主疑似エコー発生手段は信号中のエコーに対応する主疑
    似エコーを提供し、 副疑似エコー発生手段は前記減算器の出力である主残留
    エコーより副疑似エコーを引いた副残留エコーを提供
    し、 前記主疑似エコーと副疑似エコーを比較する制御器を設
    け、 該制御器の出力により、前記各疑似エコー発生手段の内
    部状態を制御するエコーキャンセル方式において、 主疑似エコー発生手段または副疑似エコー発生手段の少
    なくとも1つの出力にエコーパス上で送信入力信号に加
    わる量子化雑音を相殺するための非線形量子化処理手段
    が設けられることを特徴とするエコーキャンセル方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエコーキャンセル方式に
    おいて、非線形量子化手段を複数個設け、 該手段の出力と送信入力信号との比較結果を最小とする
    ように該出力信号の中のひとつを選択する非線形量子化
    処理手段を設けることを特徴とするエコーキャンセル方
    式。
  3. 【請求項3】 送信回路に挿入される減算器と、受信入
    力信号と残留エコーの関係に従って、前記減算器に疑似
    エコー信号を供給する疑似エコー発生手段を有するエコ
    ーキャンセル方式において、 疑似エコー発生手段の出力に非線形量子化処理手段と、 該非線形量子化処理手段の出力と前記疑似エコー発生手
    段の出力の一方を選択して前記減算器に入力するスイッ
    チ回路と、 残留エコー及び送信信号に従って前記スイッチ回路の切
    り替え及び前記疑似エコー発生手段の内部状態を制御す
    る制御器とを設けることを特徴とするエコーキャンセル
    方式。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエコーキャンセル方式に
    おいて、非線形量子化手段を複数個設け、 該手段の出力と送信入力信号との比較結果を最小とする
    ように該出力信号の中のひとつを選択する非線形量子化
    処理手段を設けることを特徴とするエコーキャンセル方
    式。
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1991年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集〔分冊〕(1991−3−15)P.3・310
1991年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集〔分冊〕(1991−8−15)P.3・240

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