JP2769857B2 - フルカラー用トナー画像の定着方法 - Google Patents

フルカラー用トナー画像の定着方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真用トナーに関し、とりわけ、定着
ローラーの耐久性を著しく高めたフルカラー用トナー画
像の定着方法に関する。
[従来の技術] 従来、電子写真法としては米国特許第2297691号明細
書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報
に記載されている如く多数の方法が知られているが、一
般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体
上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用い
て現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転
写した後、加熱あるいは圧力などにより定着し複写物を
得るものである。
また、電気的潜像をトナーを用いて可視化する現像方
法も種々知られている。
例えば、米国特許第2874063号明細書に記載されてい
る磁気ブラシ法、同2618552号明細書に記載されている
カスケード現像法及び特開昭62−63970号記載のジャン
ピング−ブラシ現像法,液体現像法等多数の現像法が知
られている。これらの現像法などに用いられるトナーと
しては、従来、天然或いは合成樹脂中に染料、顔料を分
散させた微粉末が使用されている。更に、第3物質を種
々の目的で添加した現像微粉末を使用することも知られ
ている。
近年、白−黒複写機からフルカラー複写機への展開が
急速になされつつあり、2色カラー複写機やデジタル化
したフルカラー複写機の発売も市場では行われつつあ
る。
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は、一般
に3原色であるイエロー,マゼンタ,シアンの3色のカ
ラートナー又はそれに黒色を加えた4色を用いて全ての
色の再現を行うものである。
その一般的方法は、先ず原稿からの光をトナーの色と
補色の関係にある色分解光透過フィルターを通して光導
電層上に静電潜像を形成する。次いで現像,転写工程を
経てトナーは支持体に保持される。次いで前述の工程を
順次複数回行い、レジストレーションを合せつつ、同一
支持体上にトナーは重ね合せられ、ただ一回のみの定着
によって最終のフルカラー画像が得られる。
このような、複数回の現像を行い、定着工程として同
一支持体上に色の異なる数種のトナー層の重ね合せを必
要とするカラー電子写真法では、カラートナーが持つべ
き定着特性は極めて重要な要素である。
すなわち、定着したカラートナーは、トナー粒子によ
る乱反射を出来る限り抑え、適度の光沢性や艶が必要で
ある。
また、トナー層の下層にある異なる色調のトナー層を
妨げない透明性を有し、色再現性の広いカラートナーで
なければならない。
これらを満足しうるカラートナーとして、本出願人等
は特開昭50−62442号公報、特開昭51−144625号公報,
特開昭59−57256号公報で新規なカラー用結着樹脂と着
色剤の組合せを開示してきた。
これら記載のカラートナーは、かなりのシャープメル
ト性を有しており、定着時完全溶融に近い状態までトナ
ー形状が変化し、好ましい光沢性及び色再現性が得られ
る。しかし、耐オフセット性は未だ充分とは言えない。
定着ローラーには大別して、シリコンゴムローラーと
テフロンコート系ローラーがあるが特にシリコンゴムロ
ーラーを定着ローラーとして用いる場合、離型用オイル
塗布如何によらず、繰り返し使用による本質的なシリコ
ンゴム表面の離型性の低下ゆえに、高温オフセットが発
生し易くなる。シリコンゴムローラーにおいて、使用開
始初期は、ローラー表面の平滑性や清浄性のゆえ、ある
程度の離型性は維持され得る。しかし、カラー画像のよ
うに画像面積が大きく支持体上のトナー保持量も、白黒
複写画像にくらべて格段に多いカラー複写を複写し続け
ると、徐々にローラーの離型性は低下する。この離型性
の悪化のスピードは、白黒複写の数倍に達する。このこ
とにより、僅か数千〜数万枚後にローラー表面にトナー
の被膜や粒状の付着物が形成され、あるいは、熱ローラ
ー通過時画像面のトナー上層部がはぎ取られる、所謂高
温オフセットが発生する。
一方、テフロンコート系ローラーは、一般に耐久性は
良好であるが、トナーを圧力で延展し易く、従って、コ
ピー画像に於て解像力を低下させたり、地肌汚れを目立
たせたりする欠点がある。これらの欠点を改良する為
に、ゴムの上に100〜300μmのPFA(パーフルオロアル
コキシ樹脂)チューブを被覆したもの(特公昭58−4374
0号公報)がある。これらのローラーを用いた場合、ト
ナーの圧展によるコピー画像の解像力低下は改良され
る。
しかし、一般にテフロンコート系ローラーを定着ロー
ラーに用いる場合、加圧ローラーには、例えば芯金外周
面を比較的厚いゴム等の弾性材層で被覆したものが使用
されている。
この場合、第1図に示したものとは逆に、定着ローラ
ーと加圧ローラーの中心を結ぶ線の垂直方向より定着さ
れた後に定着ローラーから排紙される方向が、定着ロー
ラー側になっている。
この為、定着された画像は、定着ローラーと加圧ロー
ラーが接触しているニップ部を通り過ぎても定着ローラ
ーに引きずられ、いわゆる“つれまわり”現象を起こ
し、オフセットが発生する。これを防止する為に、排紙
用の分離ヅメを付ける方法もあるが、この分離ヅメは定
着ローラーに接触しており、従って傷をつけたり、画像
面にスジ跡を残したりする為、特に画像面積の広い写真
などのフルカラーの複写に於ては画質を著しく低下させ
ることになる。
この問題を解決或いは軽減すべく種々の方策が、定着
器及びトナーで試みられているが未だ充分な解決はされ
ているとはいえない。
定着器としては、表面剥離性の優れた材料を用いる。
或いはオイルをローラーに塗布する等の工夫がなされ、
現在商品化されている複写機の熱ローラ定着器は何らか
の形でオイル塗布を行っているのが殆どである。ところ
が、離型性を増すための多量のオイル塗布は、シートの
オイル汚れ、コスト増等の好ましくない問題を引き起こ
している。
又トナーとしては、剥離性を増す為に加熱時に充分溶
融するような低分子量のポリエチレン、ワックスを添加
する方法も行われているが、オフセット防止には効果が
ある反面多量の含有はカラートナーのOHP画像の透明性
を損なうこと、帯電特性が不安定になること、耐久性が
低下する等の悪影響も認められ、充分なものとはいい難
い。
また、特にカラー複写特有の問題として、最低3色の
カラートナー、好ましくは4色のカラーバランスが調和
していなければならず、従って、定着特性や色再現性に
於ても各色バランスのとれたものでなければならない。
原理的には色の3原色であるイエロー,マゼンタ,シ
アンの3色が有れば、減色混合法によって殆ど全ての色
を再現することが可能のはずであり、それゆえ現在市場
のフルカラー複写機は3原色のカラートナーを重ね合せ
て用いる構成となっている。これにより理想的にはあら
ゆる色をあらゆる濃度範囲を実現できるはずであるが、
現実的にはトナーの分光反射特性,トナーの重ね合せ定
着時の混色性,彩度の低下など未だ改善すべき点を有し
ている。
3色の重ね合せで黒色を得る場合は、前述のように単
色カラーよりもさらに3倍のトナー層が転写紙上に形成
されることになり、さらに耐オフセット性に対し困難を
要する。
しかるに本発明者等は、カラートナーの改良と定着装
置の改良を相補完する形で鋭意研究を進め、以下のこと
を把握した。
即ち、カラートナー用として顔料系着色剤を用いる
と、定着ローラーの汚染は染料系着色剤を用いたものに
比べ、著しく減少する。従って、定着ローラーの耐久性
も改良されることになる。しかし、顔料系着色剤のみを
使用した場合、特にマゼンタトナーについては、得られ
た画像は彩度のおちた色再現性の悪いものとなる。
マゼンタトナーと定着性について本出願人は特開昭62
−15555〜7号に於て、ローダミン系の塩基性染料を単
独又は顔料と共に用いることにより、ローダミン系油溶
染料よりもシリコンゴム定着ローラーへの染着オフセッ
トを著しく改良することが可能であることを示した。
しかし、本発明者らの詳細なる検討結果、ローダミン
系塩基性染料の単独使用については、これが水に解離し
易い塩を形成している為、帯電特性に劣り、温度や湿度
などの環境の影響を大きく受けることを把握した。
また、顔料−染料併用系のトナーでは、彩度をあげる
ことは可能であるが、併用系であるが故の欠点を有して
いる。
それは、用いる染料と顔料の親和性が悪いため、分散
工程中結着樹脂中で相互が反発し合い色調の均一化が難
しい。また、それぞれの染顔料の結着樹脂への相溶性が
一様でない為、両者が同時に同一の分散状態にはなら
ず、顔料が分散不良を起こしているか、或いは、分散時
間が長くなり過ぎたことによる染料の分離が発生し易く
なる。この様に着色剤が偏在したものをトナーとして用
いると、電子写真としての帯電特性に劣り、カブリの原
因やトナーの機内飛散による汚染、さらにはOHP画像の
透光性をも低下させることになることも把握した。
また特開昭62−15555〜7号の実施例で、荷電制御剤
としてフェノール樹脂を用い、着色剤にこのローダミン
系塩基性染料と顔料との併用系を掲げシリコンゴムロー
ラーへの染着オフセットが全く発生しないことを示し
た。
しかし、これも前述した様に、着色剤の分散が悪く、
帯電特性に劣るトナーは凝集し易い性質を有し、特に現
像時にトナーがキャリアの周囲に付着して、トナーと共
にキャリアも現像されるいわゆる“キャリア引き”とい
われる現象が発生する。
そこで、本発明者らが鋭意検討を行い、顔料−染料併
用系に於て、フェノール樹脂で処理した染料を用いるこ
とにより、染料のマイグレーションを防止し、色再現性
が良好で定着特性も良好なカラートナーを発明するに至
った。
これは以下の理由によるものと推察される。
本発明に於るマゼンタトナーの構成は、特開昭62−15
555〜7号の実施例に於るものに近いが、予めフェノー
ル樹脂にて処理した染料を、顔料及び結着樹脂などと混
練してトナーを得る場合と、顔料,染料,フェノール樹
脂及び結着樹脂を一度に混練してトナーを得る場合と
は、着色剤の分散状態が全く異なる。これは、明確では
ないが、フェノール樹脂と染料間との間における作用
が、顔料や結着樹脂の存在によって変わる為と考えられ
る。これは、フェノール樹脂を添加することによる定着
性改良の効果が認められないことからもただ単にフェノ
ール樹脂を混練時に投入するだけでは有効ではないこと
がわかる。
このことにより、前述した様に顔料−染料併用系で且
つフェノール樹脂を含有していても、分散の悪いもの
は、“キャリア引き”などの現象が起き、このキャリア
が定着機を通過する際に、特にシリコンゴムローラーの
場合は、ゴムにキャリアが埋め込まれ、結果的には定着
ローラーの寿命を短くすることになる。
従って、染料を予めフェノール樹脂で処理するのとそ
うでないのとは、トナーにした場合その性質が全く異な
るものである。
さらに、本発明者らは定着ローラー及び加圧ローラー
からなる定着装置に於て、白紙を通したときにその排紙
方向が、定着ローラーと加圧ローラーの中心を結ぶ線の
垂直方向より加圧ローラー側になる様にすることによ
り、定着画像面の定着ローラーによる“つれまわり”を
防止することができることを知見した。
この定着装置と前記カラートナーを用いることによ
り、色再現性が良好なる複写画像が得られ、定着ローラ
ーの耐久性を飛躍的に延ばすことが可能であることを把
握した。
[発明が解決しようとする課題] 先述の問題点に鑑み、本発明の目的は、フルカラー複
写において、良好な定着性及び混色性を示すフルカラー
用トナー画像の定着方法を提供することにある。
また別の目的は、充分な摩擦帯電性を持ったフルカラ
ー用トナー画像の定着方法を提供することにある。
また別の目的は、画像品質を著しく高める光沢性の高
いフルカラー用トナー画像の定着方法を提供することに
ある。
また別の目的は、繰り返し複写によっても、キャリア
スペントしにくい耐久性に優れたフルカラー用トナー画
像の定着方法を提供することにある。
また別の目的は、高温オフセットが充分に防止され、
定着可能温度域の広い定着方法を提供することにある。
また別の目的は、繰り返しの定着通紙によっても耐オ
フセット性が維持される定着方法を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段及び作用] 具体的には、本発明は、マゼンタトナー,シアントナ
ー,イエロートナー及び黒色トナーの少なくとも2種以
上を使用して多色電子写真法により形成したフルカラー
用トナー画像を、加熱装置を有し且つ芯金上にゴム状弾
性体層を有している定着ローラーと加熱装置を有し且つ
芯金上にゴム状弾性体層を有している加圧ローラーとを
有している熱ローラー定着装置で、転写材に定着する定
着方法であり、 該マゼンタトナーは、キナクリドン系顔料及び予めフ
ェノール系樹脂で処理されたキサンテン系染料を含有し
たポリエステル樹脂粒子及び流動向上剤を有するトナー
であり、 該シアントナーは、銅フタロシアニン系ブルー顔料を
含有したポリエステル樹脂粒子及び流動向上剤を有する
トナーであり、 該イエロートナーは、アゾ系イエロー顔料を含有した
ポリエステル樹脂粒子及び流動向上剤を有するトナーで
あり、 該黒色トナーは、着色剤としてカーボンブラックを含
有したポリエステル樹脂粒子及び流動向上剤を有するト
ナーであり、 排紙方向が、定着ローラーと加圧ローラーの中心を結
ぶ線の垂直方向より加圧ローラー側になる様に加圧ロー
ラーの硬度を定着ローラーの硬度よりも高くした熱ロー
ラー定着装置を使用するが、又は、排紙方向が、定着ロ
ーラーと加圧ローラーの中心を結ぶ線の垂直方向より加
圧ローラー側になる様に定着ローラーの径を加圧ローラ
ーの径よりも大きくした熱ローラー定着装置を使用し
て、フルカラー用トナー画像を転写材に定着することを
特徴とするフルカラー用トナー画像の定着方法に関す
る。
以下に、本発明を具体的に詳述する。
本発明に用いられるフルカラートナー用のポリエステ
ル樹脂の組成は以下の通りである。
すなわち、かかる組成は、全成分中45〜55mol%がア
ルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分である。
アルコール成分としては、エチレングリコール,プロ
ピレングリコール,1,3−ブタンジオール,1,4−ブタンジ
オール,2,3−ブタンジオール,ジエチレングリコール,
トリエチレングリコール,1,5−ペンタンジオール,1,6−
ヘキサンジオール,ネオペンチルグリコール,2−エチル
−1,3−ヘキサンジオール,水素化ビスフェノールA,又
(A)式で表わされるビスフェノール誘導体; (式中Rはエチレン又はプロピレン基であり、x,yはそ
れぞれ1以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は2
〜10である) 又(B)式で示されるジオール類; 等のジオール類, グリセリン,ソルビット,ソルビタン等の多価アルコ
ール類が挙げられる。
また、全酸成分中50mol%以上を含む2価のカルボン
酸としては、フタル酸,テレフタル酸,イソフタル酸,
無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無
水物;こはく酸,アジピン酸,セバシン酸,アゼライン
酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物またさ
らに、炭素数6〜18のアルキル基で置換されたこはく酸
もしくはその無水物;フマル酸,マレイン酸,シトラコ
ン酸,イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無
水物等が挙げられ、又、3価以上のカルボン酸として
は、トリメリット酸,ピロメリット酸,ベンゾフェノン
テトラカルボン酸やその無水物等が挙げられる。
本発明の実施上特に好ましいポリエステル樹脂のアル
コール成分としては、前記(A)式で示されるビスフェ
ノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸,テレ
フタル酸,イソフタル酸又はその無水物;こはく酸,n−
ドデセニルコハク酸又はその無水物,フマル酸,マレイ
ン酸,無水マレイン酸等のジカルボン酸類,トリメット
酸又はその無水物のトリカルボン酸類が挙げられる。
これは、これらの酸,アルコールで得られたポリエス
テル樹脂がシャープな溶融特性を示し、フルカラー用及
び熱ローラー定着用トナーとして混色性が良好で、耐オ
フセット性に優れているからである。
さらに、ここで得られたポリエステル樹脂のガラス転
移温度は、50〜75℃好ましくは55〜65℃、さらに数平均
分子量n1,500〜7,000好ましくは2,000〜5,000、重量
平均分子量w6,000〜150,000好ましくは10,000〜100,0
00であることが望ましい。
またその酸価は、90以下好ましくは50以下、OH価は、
50以下好ましくは30以下であることが望ましい。これ
は、分子鎖の末端基数が増えるとトナーにしたとき、ト
ナーの帯電特性に於て環境依存性が大きくなる為であ
る。
本発明に用いられるマゼンタ用キナクリドン系顔料と
キサンテン系染料は、以下の通りである。
キナクリドン系顔料の代表例としては、 などがある。中でも.C.I.Pigment Red 122は特にマゼ
ンタ用着色剤として適している。
又、本発明に用いるキサンテン系染料の代表例として
は、 が挙げられる。
〜はいずれも鮮明な青味系ピンク色を有してい
る。
,は塩基性染料であるため、若干の吸湿性があ
り、また樹脂との相溶性を考慮すると、本発明において
は、油溶性であり、樹脂との相溶性に優れ、着色力が大
きいC.I.Solvent Red 49.が特に適している。
また、本発明で用いられるキサンテン系染料処理用の
フェノール樹脂は、そのモノマー構成として以下のもの
が挙げられる。
フェノール類としては、フェノール,クレゾール,キ
シレノール,アルキルフェノール,パラフェニルフェノ
ール,ビスフェノールA等、又、アルデヒド類として、
ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド,ヘキサメチ
レンテトラミン,フルフラール等、公知のものが全て使
用可能である。
中でも、特にtert−ブチルフェノールとホルムアルデ
ヒドの縮合物であるフェノール樹脂を用いることが染料
の分散状態が良好であり、好ましい。
本発明に於るキサンテン系染料をフェノール樹脂で予
め処理する方法としては、 (1) キサンテン系染料とフェノール樹脂を二本ロー
ルミル,バンバリーミキサー,ニーダー,三本ロールミ
ルなどにより溶融混練させる方法、 (2) フェノール樹脂を適当な溶媒に溶解し、そこに
キサンテン系染料を溶解又は分散させた後に溶媒を除
去,乾燥する方法、 (3) フェノール,ホルムアルデヒドの混合物にキサ
ンテン系染料を溶解分散させ、アルカリを加えて加熱三
次元化する方法、 (4) フェノール,ホルムアルデヒドの混合物にキサ
ンテン系染料を溶解分散させ、酸触媒下でノボラック樹
脂を作っておき、これに橋かけ剤としてヘキサメチレン
テトラミンなどを加えて硬化する方法、 などが挙げられる。
これらの方法でフェノール樹脂で予め処理されたキサ
ンテン系染料は、乾燥,粉砕した後、結着樹脂であるポ
リエステル樹脂と溶融混練し、均一に分散せしめられ
る。
また本発明に於て、フェノール樹脂にてキサンテン系
染料を処理する場合、キナクリドン系顔料もキサンテン
系染料と同様に分散させ処理することもできる。
さらに、本発明に於て、フェノール樹脂にてキサンテ
ン系染料を処理する場合、ポリエステル樹脂もキサンテ
ン系染料の溶融又は溶解又は分散時に、溶融又は溶解す
ることもできる。
本発明に用いる銅フタロシアニン系ブルー顔料として
は、C.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメントブルー16,
C.I.ピグメントブルー17又は式で示される構造を有す
るフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5
個置換した銅フタロシアニン顔料などである。
.銅フタロシアニン顔料 本発明に用いるアゾ系イエロー顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,C.I.ピグメントイエロー2,C.I.ピグ
メントイエロー3,C.I.ピグメントイエロー4,C.I.ピグメ
ントイエロー5,C.I.ピグメントイエロー6,C.I.ピグメン
トイエロー7,C.I.ピグメントイエロー10,C.I.ピグメン
トイエロー11,C.I.ピグメントイエロー12,C.I.ピグメン
トイエロー13,C.I.ピグメントイエロー14,C.I.ピグメン
トイエロー15,C.I.ピグメントイエロー17などが挙げら
れる。
その含有量としては、OHPフィルムの透過性に対し敏
感に反映するイエロートナーについては、結着樹脂100
重量部に対して12重量部以下であり、好ましくは0.5〜
7重量部が望ましい。
12重量部を越えると、イエローの混合色であるグリー
ン,レッド、又、画像としては人間の肌色の再現性に劣
る。
その他のマゼンタ,シアンのカラートナーについて
は、結着樹脂100重量部に対しては15重量部以下、より
好ましくは0.1〜9重量部が望ましい。
特に2色以上の着色剤を併用して用いる黒色トナーに
ついては20重量部以上の総着色剤量の添加はキャリアへ
のスペント化を生じ易くなるのみではなく、着色剤がト
ナー表面に数多く露出することによるトナーのドラム融
着や、定着性の不安も増加させる。従って、着色剤の量
は結着樹脂100重量部に対して3〜15重量部が好まし
い。
黒色トナーの着色剤に使用されるカーボンブラックの
粒径は、50〜70mμであり、好ましくは50〜60mμであ
る。粒径が50mμ未満のカーボンブラックを含有したト
ナーは、色度が黄味に移行し、鮮鋭な黒色が得られない
ばかりでなく、カーボンブラックの分散が非常に困難と
なりトナー表面に露出するカーボンブラックが不均一と
なる。よって、流動性向上剤の付着性が悪化し流動性が
著しく低下するため良好な摩擦帯電量が得られず、結果
としてカブリやトナー飛散の原因となる。また、粒径が
70mμを越える場合は、カーボンブラックの黒色度が低
く、鮮烈な黒色を呈する画像は得られない。
また、このカーボンブラックの吸油量は、50〜100cc/
100gであり、好ましくは60〜80cc/100gである。吸油量
が100cc/100gを越えると、カーボンブラックのストラク
チャーが長くなり、導電性が増加するとともにトナーの
摩擦帯電量が低下し、カブリや飛散の原因となる。また
吸油量が50cc/100g未満であると、高画像濃度が得られ
ない。
樹脂中に含有される該カーボンブラックは、結着樹脂
100重量部に対して2.1〜10.0重量部、好ましくは、3.0
〜6.0重量部である。カーボンブラック含有量が2.1重量
部未満であると、高画像濃度が得られず、ベタ部一様性
が低下し、10.0重量部を越えると、充分な摩擦帯電量が
得られない。
上記カーボンブラックの物性測定において、粒径は走
査電子顕微鏡写真の粒子径を直接選別的にカウントする
ことにより測定した。
又、吸油量の測定法については後記の通りとする。
本発明に係るトナーには、負荷電特性を安定化するた
めに、荷電制御剤を配合することも好ましい。その際ト
ナーの色調に影響を与えない無色または淡色の負荷電性
制御剤が好ましい。負荷電制御剤としては、例えばアル
キル置換サリチル酸の金属錯体(例えば、ジーターシャ
リーブチルサリチル酸のクロム錯体または亜鉛錯体)の
如き有機金属錯体が挙げられる。負荷電制御剤をトナー
に配合する場合には、結着樹脂100重量部に対して0.1〜
10重量部、好ましくは0.5〜8重量部添加するのが良
い。
以上前述した材料を用いて得たマゼンタトナー,シア
ントナー,イエロートナー,黒色トナーの分級品の(後
述するシリカ,酸化アルミニウム,酸化チタンなどの流
動向上剤を有しない着色剤含有樹脂粒子)粒度分布は、
複写画像品質から体積平均粒径が4.0〜16.0μm、好ま
しくは6.0〜14.0μm,個数平均分布の5.04μm以下が50
%以下、好ましくは40%以下であり、体積平均分布の2
0.2μm以上が9%以下、好ましくは5%以下であり、
さらに、体積平均粒径と個数平均粒径の比α(α=体積
平均粒径/個数平均粒径)が1.7以下、好ましくは1.4以
下であることが望ましい。
本発明に用いられる流動向上剤としては、着色剤含有
樹脂粒子に添加することにより、流動性が添加前後を比
較すると増加しうるものであれば、どのようなものでも
使用可能である。
例えばフッ素系樹脂粉末、すなわちフッ化ビニリデン
微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末など;又は
脂肪酸金属塩、すなわちステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸鉛など;又は金属酸化物、
すなわち酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛粉末
など;又は微粉末シリカ、すなわち湿式製法シリカ、乾
式製法シリカ、それらシリカにシランカップリング剤、
チタンカップリング剤、シリコンオイルなどにより表面
処理を施した処理シリカなどがある。
好ましい流動向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物
の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる
乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるもので、
従来公知の技術によって製造されるものである。例えば
四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応
を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なもので
ある。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl 又、好ましい流動向上剤としては、上記製造工程と同
様にして得られる酸化アルミニウム、酸化チタンが挙げ
られる。
その粒径は平均の一次粒径として、0.001〜2μmの
範囲内である事が望ましく、特に好ましくは、0.002〜
0.2μmの範囲内の微粉体を使用するのが良い。
本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸
化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例え
ば以下の様な商品名で市販されているものがある。
AEROSIL 130 (日本アエロジル社) 200 300 380 TT600 MOX170 MOX 80 COK 84 Ca−O−SiL M− 5 (CABOT Co.社) MS− 7 MS−75 HS− 5 EH− 5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica (ダウコーニングCo.社) Fransol (Fransil社) さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により
生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微
粉体を用いることがより好ましい。該処理シリカ微粉体
において、メタノール滴定試験によって測定された疎水
化度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処
理したものが特に好ましい。
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応、あるいは
物理吸着する有機ケイ素化合物などで化学的に処理する
ことによって付与される。
好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気
相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合
物で処理する。
その様な有機ケイ素化合物の例は、ヘキサメチルジシ
ラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、
トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、
メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラ
ン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチル
クロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α
−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロルエチルト
リクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、
トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメ
ルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニル
ジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラ
メチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジ
シロキサン及び1分子当り2から12個のシロキサン単位
を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合
した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等があ
る。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられ
る。
その処理シリカ微粉体の粒径としては0.003〜0.1μm
の範囲のものを使用することが好ましい。市販品として
は、タラノックス−500(タルコ社)、AEROSIL R−972
(日本アエロジル社)などがある。
着色剤含有樹脂粒子への添加量としては、該樹脂粒子
100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5
重量部である。0.01重量部未満では、流動性向上に効果
はなく、10重量部を越えると、カブリや文字のにじみ、
機内飛散を助長する。
本発明に用いられる定着装置としては、白紙を通した
ときに、その排紙方向が、定着ローラーと加圧ローラー
の中心を結ぶ線の垂直方向より加圧ローラー側になる様
にすれば、本発明に用いることが可能である。
排紙方向を加圧ローラー側になる様にする方法として
は、例えば、 加圧ローラーの硬度を定着ローラー硬度より高くす
る、(この加圧ローラー硬度を高くする方法としては、
(i)芯金につける弾性体の硬度を定着ローラーのもの
より高くしたものを用いる方法、(ii)定着ローラーと
同じ弾性体を用いる場合、定着ローラーの弾性体層厚さ
より薄くすることにより、ローラーとして硬いものにす
る方法とがある。) 定着ローラーの径を加圧ローラー径より大きくす
る、 などが挙げられる。
さらに、加熱装置を定着ローラー側だけでなく、加圧
ローラー側にも取り付けることにより、定着ローラー側
だけに取り付けた場合よりも“つれまわり”を著しく減
少することが可能である。
これらの方法を取り入れた定着装置として、例えば定
着ローラーとして弾性体がシリコンゴム系でRTV又はLTV
単層のローラー又は定着オイルによるゴムの膨潤を少な
くする為、下層にHTV層を設け、定着オイルとの濡れを
よくする為に上層にRTV又はLTV層を設けた二層構造のも
のが挙げられ、そのゴム硬度(JIS−A)が30〜70度、
(二層の場合は二層合わせたときの)好ましくは35〜60
度であり、層厚さは0.5〜5mm、好ましくは1.0〜3.5mmで
あり、加圧ローラーとしては硬度40度以上、好ましくは
50度以上のものでシリコンゴム系でもフッ素ゴム系でも
テフロンコート系であってもかまわない。
又、定着ローラーとして、耐定着オイル性や耐摩耗性
の向上を目的として、シリコンゴム−フッ素ゴム系,シ
リコンゴム又はフッ素ゴム−テフロンコート系などの二
層構造を有するものやシリコンゴム又はフッ素ゴム−テ
フロンコート−シリコンゴムなどの三層構造を有するも
のを用いてもかまわないが、この場合も前記した硬度範
囲に入ることが肝要である。
定着ローラー径としては、複写機の小型化が要求され
ている為、あまり大きくできない。又、定着ローラー径
を小さくすると、ニップが充分にとれない為、トナーが
充分に融解せず、従って混色性が悪くなったり、混色性
を上げる為に定着速度をおとさねばならなくなる。従っ
て、定着ローラー及び加圧ローラー径としては、40〜80
mmφが適当である。
以下に、本発明に於る各測定法について述べる。
(1) ガラス転移温度Tgの測定 本発明に於ては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定す
る。
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量す
る。
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空の
アルミパンを用い、測定温度範囲30℃〜200℃の間で、
昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。
この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲におけるメイ
ンピークの吸熱ピークが得られる。
このときの吸熱ピークが出る前と出た後のベースライ
ンの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発明に於るガ
ラス転移温度Tgとする。
(2) 分子量分布の測定 本発明に於ては、高速液体クロマトグラフィー(日本
分光社製JASCO TRI ROTAR−VI HPLC system)にて測定
した。カラムは、東洋ソーダ工業社製Toso TSK gel−20
00,−3000,−4000,−5000を用い、溶媒はTHFを用いた。
Detectorは、昭和電工社製Shodex RISE−51であり、測
定条件は、Flow rateが1.0ml/min,カラム温度40℃,Inj
vol.75μで行った。
試料の分子量は、試料の有する分子量分布を数種の単
分散ポリスチレン標準試料により作製した検量線の対数
値とカウント数との関係から算出した。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例え
ば、Pressure Chemical Co.製或いは東洋ソーダ工業社
製の分子量が6×102,2.1×103,4×103,1.75×104,5.1
×104,1.1×105,3.9×105,8.6×105,2×106,4.48×106
のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン
試料を用いるのが適当である。
(3) 粒度分布測定 測定装置としては、コールターカウンターTA−II型
(コールター社製)を用い、個数平均分布,体積平均分
布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1
パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し電解液
は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散
剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスル
ホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を0.5〜50mg
加える。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間
分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型に
より、アパチャーとして100μmアパチャーを用いて2
〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布,個
数平均分布を求める。
これら求めた体積平均分布,個数平均分布より、体積
平均粒径,個数平均粒径,個数平均分布の5.04μm以
下、体積平均分布の20.2μm以上の各値を得る。
(4) 吸油量(DBP法)の測定 吸油量の測定は、ASTM法D 2414−79に準拠して行う。
アブソープトメーターのコックを操作し、自動ビュレ
ット系統に気泡が残らない様に完全にDBP(ジブチルフ
タレイト)を満たし、装置の各諸元を次の条件にする。
スプリング張力 2.68kg/cm ローター回転数 125rpm トルク用リミットスイッチの目盛 5 ダンパーバルブ 0.150 DBPの滴下速度 4ml/min DBPの滴下速度を実測により調整したのち、アブソー
プトメーター混合室に一定量の乾燥試料を入れ、ビュレ
ットカウンターを0点に合わせ、スイッチを自動にして
滴下を開始する。トルクが設定点(この場合5)になる
とリミットスイッチが作動して滴下が自動的に停止し、
その時のビュレットカウンターの目盛(V)を読み、次
式によって吸油量を算出する。
OA:吸油量(ml/100g) V :終点(リミットスイッチ作動点)までに用いたDBP
の使用量(ml) W :乾燥試料の重さ(g) [実施例] 以下に実施例をもって本発明を詳細に説明する。
実施例1 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して得
られたポリエステル樹脂(n=3,000,w=17,000,T
g=57℃,酸価=9.0,OH価=17)100重量部に対して、下
記第1表の処方量の着色剤及び荷電制御剤を用いてフル
カラートナーを得た。
その製造方法は、マスターバッチ法で行った。先ず、
ポリエステル樹脂と前記着色剤量の6倍量のものを3本
ロールミルで溶融混練し、冷却後ハンマーミルにて1mm
以下に粗砕し、マスターバッチ用着色樹脂を得た。次い
で、前記所定量になる様にポリエステル樹脂,荷電制御
剤及びマスターバッチ用着色樹脂を秤量し、ヘンシェル
ミキサーにより予備混合した。この後、3本ロールミル
で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm
程度に粗粉砕し、次いで、エアジェット方式による微粉
砕機で30μm以下の粒径に微粉砕した。さらに、得られ
た微粉砕物を分級して、マゼンタトナーについては体積
平均粒径8.02μm、個数平均粒径6.20μm(従って、α
=1.29)、個数平均分布の5.04μm以下が30.0%、体積
平均分布の20.2μm以上が0.0%に調整した。他トナー
について、その粒度分布は第2表に示した。流動向上剤
としてヘキサメチルジシラザンで処理したシリカ微粉末
を、各分級品100重量部に0.5重量部,酸化アルミニウム
微粉末を0.2重量部,を外添添加し、フルカラー用トナ
ーとした。
キャリアとしては、スチレン−アクリル酸2−エチル
ヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比50:20:3
0)を0.5重量%コーティングしたCu−Zn−Fe系フェライ
トキャリア(平均粒径40μm;250メッシュパス400メッシ
ュオン83重量%)を用い、各色トナー濃度が5重量%に
なるよう現像剤を調製した。
これらの現像剤及びトナーを用いて、キヤノン製フル
カラー複写機CLC−1の改造機(定着器を改造)で画出
し試験を行った。定着ローラーとしては、RTV/HTVシリ
コンゴム二層のもので、ゴム層厚3.0mm,硬度40度,定着
ローラー径40mmφのものを用い、加圧ローラーとして
は、フッ素ゴム系ローラーで、硬度50度,層厚1mm,径が
40mmφのものを用いた。また、加熱装置は加圧ローラー
側にも取り付けた。また、転写材として普通紙を使用し
た白紙通紙テストでは、その排紙方向は、加圧ローラー
側になった。
画出し試験の結果、フルカラーモードで2.5万枚の耐
刷後でも定着ローラーへのオフセットは全くなく、カブ
リのないオリジナルカラーチャートを忠実に再現し、黒
画像部は隠ぺい性に優れた深みのある黒色を呈した彩や
かなフルカラー画像が得られた。
実施例2 プロポキシ化ビスフェノール,エトキシ化ビスフェノ
ール,テレフタル酸及びトリメリット酸を縮合して得ら
れたポリエステル樹脂(n=3,500,w=19,000,Tg
=59℃,酸価=10,OH価=20)100重量部に対して、上記
処方量(第3表)の着色剤及び荷電制御剤を用いて、実
施例1と同様に行い、第4表に示した粒度分布のトナー
分級品を調製した。流動向上剤として、ヘキサメチルジ
シラザンで処理したシリカ微粉末を各トナー分級品100
重量部に0.5重量部を外添添加し、フルカラー用トナー
とした。
キャリアは、ビニリデンフルオライド−テトラフルオ
ロエチレン共重合体(共重合重量比8:2)とスチレン−
アクリル2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共
重合比45:20:35)を50:50の重量比率で0.7重量%コーテ
ィングしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリア(平均粒径
49μm,250メッシュバス400メッシュオン91.0重量%)を
用い、各色トナー濃度が9重量%になるよう現像剤を調
製した。
これらの現像剤及びトナーを用いて、実施例1と同様
の定着装置を用いてキヤノン製フルカラー複写機CLC−
1で画出し試験を行った。
その結果、フルカラーモードで1.0万枚の耐刷後で
も、定着ローラーへのオフセットはなく、カブリのない
オリジナルカラーチャートを忠実に再現し、黒画像部は
隠ぺい性に優れた深みのある黒色を呈した彩やかなフル
カラー画像が得られた。
実施例3 定着ローラーは、シリコンゴム(HTV)−テフロン膜
コート(4フッ化エチレン樹脂)−シリコンゴム(LT
V)の三層構造のもので、層圧2.0mm,硬度50度,ローラ
ー径60mmφのものを用い、加圧ローラーとしては、フッ
素ゴム−テフロンコート(4フッ化エチレン樹脂)の二
層構造のもので、層厚1.0mm,硬度60度,ローラー径60mm
φのものを用いた。加熱装置は、加圧ローラー側にも取
り付けた。この定着装置を用いた白紙通紙テストでは、
その排紙方向は、加圧ローラー側になった。この定着装
置をキヤノン製フルカラー複写機CLC−1に取り付け、
実施例1のトナー及び現像剤を用いて画出し試験を行っ
た。
その結果、フルカラーモードで2.0万枚の耐刷後でも
定着ローラーへのオフセットは全くなくカブリのないオ
リジナルカラーチャートを忠実に再現し、黒画像部は隠
ぺい性に優れた深みのある黒色を呈した彩やかなフルカ
ラー画像が得られた。
実施例4 定着ローラーは、RTV/HTVシリコンゴム二層のもの
で、層厚2.0mm,硬度45度,ローラー径80mmφのものを用
い、加圧ローラーとしては、シリコンゴム(HTV)−フ
ッ素ゴム二層構造のもので、層厚1.0mm,硬度50度,ロー
ラー径60mmφのものを用いた。加熱装置は、加圧ローラ
ー側にも取り付けた。この定着装置を用いた白紙通紙テ
ストでは、その排紙方向は、加圧ローラー側になった。
この定着装置をキヤノン製フルカラー複写機CLC−1に
取り付け、実施例1のトナー及び現像剤を用いて画出し
試験を行った。
その結果、フルカラーモードで3.0万枚の耐刷後でも
定着ローラーへのオフセットは全くなく、カブリのない
オリジナルカラーチャートを忠実に再現し、黒画像部は
隠ぺい性に優れた深みのある黒色を呈した彩やかなフル
カラー画像が得られた。
比較例1 マゼンタトナー用着色剤として、C.I.ベーシックバイ
オレット10を1.2重量部用いた以外は実施例1と同様に
して、マゼンタトナー分級品を調製した(体積平均粒径
8.38μm,個数平均粒径6.28μm(α=1.33),個数平均
分布5.04μm以下29.1%,体積平均分布20.2μm以上0.
0%)。他色については、実施例1で用いたものを使用
した。
この後は実施例1と同様にして、画出し試験を行っ
た。
その結果、フルカラーモードで5千枚の耐刷後定着ロ
ーラーを観察すると、“キャリア引き”現象により、キ
ャリアが定着ローラーに埋め込まれていることが分かっ
た。さらに4千枚の耐刷後、定着画像は、初期のものと
比べるとその表面ががさついたものであった。
比較例2 定着ローラーとして、フッ素ゴム−テフロンコート
(4フッ化エチレン樹脂)二層のもので、硬度70度,層
厚1.0mm,ローラー径60mmφのものを用い、加圧ローラー
としては、シリコンゴム(HTV)一層のもので、硬度55
度,層厚5.0mm,ローラー径60mmφのものを用いた。加熱
装置は、定着ローラー側のみに取り付けた。この定着装
置を用いた白紙通紙テストでは、その排紙方向は、定着
ローラー側になった。
この定着装置をキヤノン製フルカラー複写機CLC−1
に取り付け、実施例1のトナー及び現像剤を用いて画出
し試験を行った。
その結果、画出し1枚目から画像が定着ローラーに巻
き付く、いわゆる“オフセットジャム”が発生し、耐刷
テストはできなかった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のフルカラー用トナー画
像の定着方法により、画出し試験、例えば3万枚の耐刷
後でも、オフセットは発生せず、カブリのないオリジナ
ルカラーチャートを忠実に再現するフルカラー画像を得
ることができる。
また、黒画像部は、隠ぺい性に優れた深みのある黒色
を得ることができる。
また、複写機内のトナーの搬送性は良好で、安定した
画像濃度が得られ、カブリ,トナー飛散も殆どない良好
な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の特徴を説明するため、定着ローラー
と加圧ローラーの中心線を結ぶ線の垂直方向より排紙さ
れる方向が、加圧ローラー側になっているものを示した
ものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−208775(JP,A) 特開 昭64−9466(JP,A) 特開 昭61−296376(JP,A) 特開 昭58−108256(JP,A) 特公 昭51−24256(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/20 G03G 9/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マゼンタトナー,シアントナー,イエロー
    トナー及び黒色トナーの少なくとも2種以上を使用して
    多色電子写真法により形成したフルカラー用トナー画像
    を、加熱装置を有し且つ芯金上にゴム状弾性体層を有し
    ている定着ローラーと加熱装置を有し且つ芯金上にゴム
    状弾性体層を有している加圧ローラーとを有している熱
    ローラー定着装置で、転写材に定着する定着方法であ
    り、 該マゼンタトナーは、キナクリドン系顔料及び予めフェ
    ノール系樹脂で処理されたキサンテン系染料を含有した
    ポリエステル樹脂粒子及び流動向上剤を有するトナーで
    あり、 該シアントナーは、銅フタロシアニン系ブルー顔料を含
    有したポリエステル樹脂粒子及び流動向上剤を有するト
    ナーであり、 該イエロートナーは、アゾ系イエロー顔料を含有したポ
    リエステル樹脂粒子及び流動向上剤を有するトナーであ
    り、 該黒色トナーは、着色剤としてカーボンブラックを含有
    したポリエステル樹脂粒子及び流動向上剤を有するトナ
    ーであり、 排紙方向が、定着ローラーと加圧ローラーの中心を結ぶ
    線の垂直方向より加圧ローラー側になる様に加圧ローラ
    ーの硬度を定着ローラーの硬度よりも高くした熱ローラ
    ー定着装置を使用するか、又は、排紙方向が、定着ロー
    ラーと加圧ローラーの中心を結ぶ線の垂直方向より加圧
    ローラー側になる様に定着ローラーの径を加圧ローラー
    の径よりも大きくした熱ローラー定着装置を使用して、
    フルカラー用トナー画像を転写材に定着することを特徴
    とするフルカラー用トナー画像の定着方法。
  2. 【請求項2】ポリエステル樹脂が、アルコール成分とし
    て下記式(A) (式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x,yは
    それぞれ1以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は
    2〜10である) を使用して生成されたポリエステル樹脂である請求項1
    に記載のフルカラー用トナー画像の定着方法。
  3. 【請求項3】ポリエステル樹脂は、ガラス転移点が50〜
    75℃であり、数平均分子量(Mn)が1,500〜7,000であ
    り、重量平均分子量(Mw)が6,000〜150,000である請求
    項1又は2に記載のフルカラー用トナー画像の定着方
    法。
  4. 【請求項4】ポリエステル樹脂は、ガラス転移点が55〜
    65℃であり、数平均分子量(Mn)が2,000〜5,000であ
    り、重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000である請
    求項1又は2に記載のフルカラー用トナー画像の定着方
    法。
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