JP3148959B2 - 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用カラートナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用カラートナー

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JP3148959B2 JP07741793A JP7741793A JP3148959B2 JP 3148959 B2 JP3148959 B2 JP 3148959B2 JP 07741793 A JP07741793 A JP 07741793A JP 7741793 A JP7741793 A JP 7741793A JP 3148959 B2 JP3148959 B2 JP 3148959B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷等における静電荷像を現像する為のモノカラー
複写機からフルカラー複写機に至る迄の静電荷像現像用
トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く、多数の方法が知られているが、一般には光
導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気
的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーにより現像し、
必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、
加熱、圧力或いは溶剤蒸気等により定着し複写物を得る
ものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー像を紙等のシ
ートに定着する工程に関しては種々の方法や技術が開発
されている。現在最も一般的な方法は加熱ローラーによ
る圧着加熱方式である。この加熱ローラーによる圧着加
熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を形
成した加熱ローラーの表面に被定着シートのトナー像面
を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を
行うものである。この方法によれば、加熱ローラー表面
と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、
トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極め
て良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電
子写真複写機において非常に有効である。しかしなが
ら、加熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態で加圧下
で接触するためにトナー像の一部が定着ローラー表面に
付着・転移し、次の被定着シートにこれが再転移してい
わゆるオフセット現象を生じ、被定着シートを汚すこと
がある。即ち、定着温度領域の広い耐オフセット性の高
いトナー用結着樹脂の開発が望まれているのが現状であ
る。
【0004】また、2色カラー複写機やフルカラー複写
機の検討及び実用化も多くなされている。例えば「電子
写真学会誌」Vol 22,No.1(1983)や
「電子写真学会誌」Vol 25,No.1,P.52
(1986)のごとく色再現性、階調再現性の報告もあ
る。しかし、テレビ、写真、カラー印刷物のように実物
と直ちに対比されることはなく、また、実物よりも美し
く加工されたカラー画像を見なれた人々にとっては、現
在実用化されているフルカラー電子写真画像は必ずしも
満足しうるものとはなっていない。
【0005】複数回の現像を行い、同一支持体上に色の
異なる数種のトナー層の重ね合せを必要とするフルカラ
ー電子写真法では、カラートナー用結着樹脂が持つべき
条件としては下記の事項が挙げられる。 (1) 定着したトナーは、光に対して乱反射して、色
再現を妨げることのないように、トナー粒子の形が判別
できないほどのほぼ完全溶融に近い状態となることが必
要である。 (2) そのトナー層の下にある異なった色調のトナー
層を妨げない透明性を有しなければならない。
【0006】このように、モノカラー複写機用では定着
温度領域の広い耐オフセット性の高いトナー用結着樹脂
の開発が望まれ、フルカラー複写機用としては、定着温
度領域が広いだけではなく、樹脂の透明性と定着された
ときに定着面がフラットになることが要求されている。
これら樹脂の透明性や定着面の平滑性は、紙等に定着さ
せてその反射画像を見る場合だけでなく、OHPシート
等に定着させて見る透過光画像の画質にも多大な影響を
及ぼす。
【0007】さらに近年においてはモノカラーからフル
カラー複写機に至るまで、高画質化、高速化、加熱ロー
ラーのヒートアップタイムの短縮化及び消費電力の低減
化等多くのことが要求されている。
【0008】これらのことを満足させる為には、トナー
の小粒径化により、原稿により忠実な画像を形成させ、
低温で定着が可能かつ、定着領域が広く透明性に優れ、
定着されたときに定着面がフラットになる様なトナーが
必要である。
【0009】しかし、原稿により忠実な画像を形成させ
る為に、ただ単に、トナーの小粒径化を行うと、トナー
の帯電量が、急激に大きくなる。従って環境の影響を受
け易くなり、現像性の悪化、特にカブリ、トビチリ、飛
散による画質低下を引き起こしたり、転写効率が低下す
る。さらに帯電量が大きい為に現像されなかったり、現
像されても転写効率の低下の為に、得られた画像は濃度
が低く貧弱なものとなる。さらに、粒径が小さく、帯電
量が大の為に、クリーニング不良が発生し易い。また、
定着時に定着ローラーに付着する、いわゆる静電オフセ
ットという現象も発生する。
【0010】さらに、小粒径化に伴い、表面エネルギー
が増大し、流動性が悪化する。流動性が悪化すると、特
にハーフトーン画像においてはガサツイた画像となる。
また流動性を改良する為に、シリカ等の流動化剤を多く
添加すると、定着性が悪化する。
【0011】従って、これらの要求性能を同時に満足す
ることは極めて難しい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はこれら
の問題点を改良した静電荷像現像用トナーを提供するこ
とにある。即ち、 トナーの小粒径化により、原稿に忠実な画像を形成
させ、帯電特性が良好でしかも使用中に常に安定した荷
電性を有し、流動性、クリーニング性にすぐれ鮮明で、
カブリ、トビチリ、飛散のない画像が得られること、 低温定着が可能でかつ静電オフセットのしない定着
温度領域が広いこと、 ハーフトーン画像においても常に安定したガサツキ
のない画像が得られること、 フルカラー用トナーとして用いた場合に定着したト
ナーが光に対し乱反射して色再現を妨げることのないよ
う、平滑な定着面を形成し得ること、 フルカラー用トナーとして用いた場合に、そのトナ
ー層の下にある異なった色調のトナー層を妨げない混色
性を有すること、 等を満足する静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、ビニ
ル系樹脂又はポリエステル系樹脂を主結着樹脂成分とす
る静電荷像現像用トナーにおいて、トナーの重量平均粒
径が3〜8μmであり、ポリエーテル変性シリコーン化
合物、高級脂肪酸エステル変性シリコーン化合物及び高
級アルコキシ変性シリコーン化合物からなるグループか
ら選択される融点が15〜200℃の変性シリコーン化
合物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー
に関する。また、本発明は、後述の式(A)で示され
るビスフェノール誘導体を有するアルコール成分と、
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、こはく酸、n
−ドデセニルコハク酸、フマル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、及びそれらの無水物からなるグループから選
択されるジカルボン酸類、及びトリメリット酸及びその
無水物からなるグループから選択されるトリカルボン酸
類を有する酸成分とを縮合重合して得られるポリエステ
ル系樹脂を主結着樹脂成分として含有し、且つ染料及び
/又は顔料を含有する静電荷像現像用カラートナーにお
いて、該トナーの重量平均粒径が3〜8μmであり、融
点が15〜200℃の変性シリコーン化合物を含有する
ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナーに関す
る。
【0014】ここで、以上のような構成とした根拠につ
いて以下に述べる。
【0015】トナーの重量平均径は、通常10μm程度
である。しかし、トナー粒径はおおよそ4〜25μmの
幅の粒度分布を有しており、粒度の大きいトナーが現像
されると、特にハーフトーン部分ではガサツイた画像と
なる。トナー帯電量及び現像条件によっても異なるが、
特に現像され易いトナー粒径がトナー重量平均粒径にお
いてそれよりも小さい場合は、複写機による耐久画出し
枚数が多くなるにつれて粒径の大きいトナーが残ってゆ
く為に徐々に画質が低下してゆく現象が見られる。また
逆に、現像され易いトナー粒径が大きいときは、小さい
粒径のトナーが初期画像においてカブリとなって現われ
る。近年、重量平均径で9μm程度のトナーも提案され
実用化されているが、たしかに前記した定着性や現像性
については改良され細線の再現性という面では画質は向
上しているが、ハーフトーン部においては、未だ充分と
は言えない。
【0016】そこで、本発明においては、融点が15〜
200℃である変性シリコーン化合物を用いる。この化
合物はオフセット防止剤としての役割だけではなく、カ
ラートナーとして用いた場合には、透明性にもすぐれ
る。さらに、従来トナー用として用いられてきたワック
スと異なり、結着樹脂にたいしての可塑効果がなく、従
って、保存安定性に優れる。さらに、トナーに適度で均
一な滑性を与えるので、特にトナー粒径を従来のものよ
り小さくした場合において良好な帯電特性を示し、現像
ドラムからのクリーニング性においてもすぐれたものと
なる。
【0017】トナーの流動性や現像性の改良や、光導電
性トナーにおける光導電性物質の分散性改良を目的とし
て、シリコーンオイルをトナーに添加する方法は、例え
ば、特開昭54−54039号公報,特開昭62−62
66号公報などで開示されている。これらの方法では、
確かに、流動性や現像性、分散性の改良効果はあるが、
ハーフトーン画像の画質はトナー粒径が大きい為、未だ
充分とはいえない。さらに、変性シリコーン化合物を用
いて、上記課題を解決する為にはある程度の量(2〜3
0重量部)を添加する必要があるが、これらの方法で
は、摩擦帯電不良を起こし易いため、濃度が低下した
り、あまりにもすべり易い為クリーニング不良をおこし
たりする。
【0018】本発明に用いられるビニル系結着樹脂を構
成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例え
ば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−
エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−
ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−
n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p
−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−
n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ク
ロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロ
スチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、
等のスチレン誘導体と、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のエチレン及び不飽和モノオレフィ
ン類と、ブタジエン、イソプレン等の不飽和ジオレフィ
ン類と、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フ
ッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類と、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステ
ル類と、メタクリル酸及びメタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−
オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−
エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル
酸フェニル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エス
テル類ト、アクリル酸及びアクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、ア
クリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類と、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブ
チルエーテル等のビニルエーテル類と、ビニルメチルケ
トン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケ
トン等のビニルケトン類と、N−ビニルピロール、N−
ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニ
ルピロリドン等のN−ビニル化合物と、ビニルナフタリ
ン類と、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミド等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体
と、アクロレイン類さらに、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、マレイン酸、及びそれらのメチル,エチル,ブチ
ル,2−エチルヘキシル等のモノエステル等の酸モノマ
ー等を1種又は2種以上使用して重合させたものが用い
られる。
【0019】本発明に用いられるビニル系結着樹脂のガ
ラス転移温度は45〜90℃好ましくは50〜65℃
で、数平均分子量Mn1000〜30000、好ましく
は2000〜25000、重量平均分子量Mw6000
〜800000、好ましくは8000〜600000で
あることが望ましい。
【0020】さらに好ましいビニル系結着樹脂として、
GPCによる分子量分布において分子量5000〜30
000と、50000〜600000のそれぞれの範囲
に少なくとも1つの極大値を有することが望ましい。
【0021】またその酸価は90以下好ましくは50以
下であることが望ましい。これは酸価が大きくなると、
トナーの帯電特性において、環境依存性が大きくなる為
である。
【0022】本発明に用いられるポリエステル樹脂の組
成は以下の通りである。
【0023】本発明に用いられるポリエステル樹脂は、
全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、
55〜45mol%が酸成分である。
【0024】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(A)
式で表わされるビスフェノール誘導体
【0025】
【化2】 また(B)式で示されるジオール類
【0026】
【化3】 等のジオール類;グリセリン、ソルビット、ソルビタン
等の多価アルコール類が挙げられる。
【0027】酸成分としては、カルボン酸類が用いら
れ、全酸成分中50mol%以上を含む2価のカルボン
酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無
水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、また
さらに炭素数6〜18のアルキル基で置換されたこはく
酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラ
コン酸、イタコン酸、などの不飽和ジカルボン酸又はそ
の無水物等が挙げられ、3価以上のカルボン酸としては
トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸やその無水物等が挙げられる。
【0028】本発明の実施上特に好ましいポリエステル
樹脂のアルコール成分としては前記(A)式で示される
ビスフェノール誘導体であり、酸成分としてはフタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こは
く酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマ
ル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のジカルボン酸
類、トリメリット酸又はその無水物のトリカルボン酸類
が挙げられる。
【0029】これは、これらの酸、アルコールで得られ
たポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を示し、フル
カラー用及び熱ローラー定着用トナーとして混色性が良
好で、耐オフセット性にすぐれているからである。
【0030】さらにここで得られたポリエステル樹脂の
ガラス転移温度は50〜75℃好ましくは55〜65
℃、さらに数平均分子量Mn1500〜50000好ま
しくは2000〜20000、重量平均分子量Mw60
00〜100,000好ましくは10000〜90,0
00であることが好ましい。
【0031】またその酸価は90以下好ましくは50以
下、OH価は50以下好ましくは30以下であることが
望ましい。これは、分子鎖の末端基数が増えるとトナー
にしたときトナーの帯電特性において環境依存性が大き
くなる為である。
【0032】本発明に用いられる融点が15〜200℃
である変性シリコーン化合物としては、ポリエーテル変
性シリコーン化合物、高級脂肪酸エステル変性シリコー
ン化合物、高級アルコキシ変性シリコーン化合物等が挙
げられる。
【0033】これらの変性シリコーン化合物の添加量は
トナー用結着樹脂100重量部に対して2〜30重量部
添加することが望ましい。添加量が2重量部未満では添
加効果は殆んどなく、逆に多すぎると、トナーの帯電量
が低下し、現像されなくなるからである。
【0034】本発明のトナーを一成分トナーとして用い
るために、磁性粉を含有せしめても良い。このような磁
性粉としては、磁場の中に置かれて磁化される物質が用
いられ、鉄,コバルト,ニッケル等の強磁性金属の粉末
もしくはマグネタイト,ヘマタイト,フェライト等の合
金や化合物がある。この磁性粉の含有量はトナー重量に
対して15〜70重量%である。
【0035】また一成分,二成分トナーを問わず着色剤
としては、カーボンブラック,チタンホワイトやその他
あらゆる顔料及び/又は染料を用いることができる。例
えば本発明のトナーを磁性カラートナーとして使用する
場合には、染料としては、C.I.ダイレクトレッド
1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレ
ッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダ
ントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.
I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、
C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブル
ー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダン
トブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.
ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6
等がある。顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、
ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフト
ールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエ
ローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデ
ンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロン
オレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、
パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウ
ム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マ
ンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレッ
トレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレー
キ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、
ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、
クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリー
ンG等がある。
【0036】また、本発明のトナーを二成分フルカラー
用トナーとして使用する場合には、次の様なものが挙げ
られる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメ
ントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,1
0,11,12,13,14,15,16,17,1
8,19,21,22,23,30,31,32,3
7,38,39,40,41,48,49,50,5
1,52,53,54,55,57,58,60,6
3,64,68,81,83,87,88,89,9
0,112,114,122,123,163,20
2,206,207,209、C.I.ピグメントバイ
オレット19、C.I.バットレッド1,2,10,1
3,15,23,29,35等が挙げられる。
【0037】かかる顔料を単独で使用しても構わない
が、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方が
フルカラー画像の画質の点からより好ましい。かかるマ
ゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,
3,8,23,24,25,27,30,49,81,
82,83,84,100,109,121、C.I.
ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレッ
ト8,13,14,21,27、C.I.ディスパース
バイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッ
ド1,2,9,12,13,14,15,17,18,
22,23,24,27,29,32,34,35,3
6,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイ
オレット1,3,7,10,14,15,21,25,
26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0038】その他の着色顔料として、シアン用着色顔
料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,
16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッ
ドブルー45又は化4式で示される構造を有するフタロ
シアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換し
た銅フタロシアニン顔料等である。
【0039】
【化4】 イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエ
ロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,
13,14,15,16,17,23,65,73,8
3、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられ
る。
【0040】尚、着色剤の使用量は結着樹脂100重量
部に対して、0.1〜60重量部好ましくは0.5〜5
0重量部である。
【0041】また、本発明に係るトナーは、負帯電性,
正帯電性を限定するものではないが、負帯電性トナーを
つくる場合は、負荷電特性を安定化させる目的で荷電制
御剤を添加しても構わない。負荷電制御剤としては、例
えばフェノール系樹脂,ポリメタクリル酸,スチレンと
アクリル酸,メタクリル酸の共重合体,マレイン酸付加
スチレンブタジエン共重合体等のようにカルボキシル基
を含有している樹脂、ポリエステルのように縮重合して
ポリマー鎖末端にカルボキシル基又は−OH基を有する
樹脂や例えば、アゾ系金属錯体やアルキル置換サリチル
酸の金属錯体(例えばジターシャリブチルサリチル酸の
クロム錯体,アルミニウム錯体,亜鉛錯体など)のごと
き有機金属錯体が挙げられる。
【0042】正帯電性のトナーをつくる場合には、正帯
電性を示す荷電制御剤として、ニグロシンやトリフェニ
ルメタン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピリ
ジン等を用いても構わない。また、カラートナーを作る
場合には、正帯電性を示すメタクリル酸ジメチルアミノ
メチル等の含アミノカルボン酸エステル類をモノマーと
して0.1〜40モル%、好ましくは1〜30モル%含
有させた結着樹脂を用いるか、あるいは、トナーの色調
に影響を与えない無色又は淡色の正荷電制御剤を用いて
も構わない。正荷電制御剤としては、例えば構造式化
5,6で示される四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0043】
【化5】
【0044】
【化6】 上記構造式化5及び化6で示される四級アンモニウム塩
の中でも、特に次の構造式化7,及び8で表わされる正
荷電制御剤を使用することが、環境依存の少ない良好な
帯電性を示すことから好ましい。
【0045】
【化7】
【0046】
【化8】 また正帯電性トナーにおいて結着樹脂の樹脂成分とし
て、正帯電特性を示すメタクリル酸ジメチルアミノメチ
ル等の含アミノカルボン酸エステル類を用いる場合、正
荷電制御剤又は負荷電制御剤を必要に応じて使用する。
尚、負帯電性トナーの場合、負荷電制御剤の使用量は、
結着樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部好
ましくは0.5〜10重量部が望ましい。
【0047】正帯電性トナーにおいて、樹脂成分として
正帯電特性を示すメタクリル酸ジメチルアミノメチル等
の含アミノカルボン酸エステル類を用いない場合は、正
荷電制御剤を結着樹脂100重量部に対して0.1〜1
5重量部、好ましくは0.5〜10重量部使用すること
が望ましい。また、含アミノカルボン酸エステル類を用
いる場合は、環境依存性の少ない良好な帯電性をもたせ
る目的で必要に応じて、正荷電制御剤及び/又は負荷電
制御剤を結着樹脂100重量部に対して0〜10重量
部、好ましくは0〜8重量部用いることが望ましい。
【0048】さらに、本発明に係るトナーにおいて、ト
ナーの流動性を向上させる目的で、流動性向上剤を添加
しても構わない。
【0049】本発明に用いられる流動向上剤としては、
着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、流動性が添
加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのよう
なものでも使用可能である。例えば<フッ化ビニリデン
微粉末,ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素
系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸鉛等の脂肪酸金属塩<酸化亜鉛粉末等
の金属酸化物、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の微
粉末シリカ、それらシリカをシランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、シリコーンオイル等により表面処
理を施した処理シリカ等がある。
【0050】好ましい流動向上剤としては、ケイ素ハロ
ゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるもので、従来公知の技術によって製造されるもので
ある。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における
熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は
次の様なものである。
【0051】 SiCl4 +2H2 +O2 →SiO2 +4HCl また、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム
又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロ
ゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属
酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも
包含する。その粒径は、平均の一次粒径として、0.0
01〜2μmの範囲内であることが望ましく、特に好ま
しくは、0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉
体を使用するのが良い。
【0052】本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物
の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体とし
ては、例えば以下の様な商品名で市販されているものが
ある。
【0053】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社) さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生
成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉
体を用いることがより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって測定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0054】疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処
理することによって付与される。好ましい方法として
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0055】そのような有機ケイ素化合物の例は、ヘキ
サメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルク
ロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジク
ロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチル
クロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジ
ルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロル
シラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロ
ルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロ
ルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチ
ルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレー
ト、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジ
ビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニル
テトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12
個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞ
れ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポ
リシロキサン等がある。これらは1種あるいは2種以上
の混合物で用いられる。
【0056】その処理シリカ微粉体の粒径としては、
0.003〜0.1μmの範囲のものを使用することが
好ましい。市販品としては、タラノックス−500(タ
ルコ社)、AEROSIL R−972(日本アエロジ
ル社)等がある。
【0057】また、正帯電性トナーについては、その流
動性を向上させるだけでなく、環境依存の小さい良好な
帯電性を得る為、正帯電性のシリカ微粒子を用いても構
わない。かかる正帯電性のシリカ微粒子を得るために
は、アミノ基を含有するカップリング剤ないしはシリコ
ーンオイルで処理するのが良い。そのような処理剤とし
ては、例えば次式化9〜10で示されるアミノシランカ
ップリング剤等がある。
【0058】
【化9】
【0059】
【化10】 シリコーンオイルとしては一般に次式化(11)で示さ
れる側鎖にアミノ基を有する部分構造を具備しているア
ミノ変性シリコーンオイル等が用いられる。
【0060】
【化11】 尚、上記化11式中、R1は水素、アルキル基、アリー
ル基、又はアルコキシ基を表わし、R2はアルキレン
基、フェニレン基を表わし、R3,R4は水素、アルキル
基或いはアリール基を表わす。但し、上記アルキル基、
アリール基、アルキレン基、フェニレン基はアミンを含
有していても良いし、また帯電性を損ねない範囲でハロ
ゲン等の置換基を有していても良い。m及びnは正の整
数を示す。
【0061】かかるアミノ基を有するシリコーンオイル
としては例えば以下のものがある。
【0062】 25℃における粘度 アミン当量 商品名 (cps) SF8417(トーレ・シリコーン社製) 1200 3500 KF393 (信越化学社製) 60 360 KF857 (信越化学社製) 70 830 KF860 (信越化学社製) 250 7600 KF861 (信越化学社製) 3500 2000 KF862 (信越化学社製) 750 1900 KF864 (信越化学社製) 1700 3800 KF865 (信越化学社製) 90 4400 KF369 (信越化学社製) 20 320 KF383 (信越化学社製) 20 320 X−22−3680(信越化学社製) 90 8800 X−22−380D (信越化学社製) 2300 3800 X−22−3801C(信越化学社製) 3500 3800 X−22−3810B(信越化学社製) 1300 1700 尚、アミン当量とは、アミン1個あたりの当量(g/e
qiv)で、分子量を1分子あたりのアミン数で割った
値である。
【0063】これらのアミノ基を含有するカップリング
剤ないしはシリコーンオイルで処理したシリカ微粒子
を、さらに前記した有機ケイ素化合物により疎水化処理
して用いることが好ましい。
【0064】本発明に係るトナーを二成分トナーに用い
る場合は、その効果を充分に発揮し得るように用いられ
るキャリアが重要な役割を果たす。本発明に使用される
キャリアとしては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、
ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希
土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物及びフェライ
ト等が使用できる。また、その製造方法として特別な制
約はない。
【0065】また、上記キャリアの表面を樹脂等で被覆
する系は、J/B現像法において特に好ましい。その方
法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸
濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に粉
体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも適用で
きる。
【0066】キャリア表面への固着物質としては、トナ
ー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチ
レン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフ
ッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、
ジターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチ
ラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性
染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末等
を単独或は複数で用いるのが適当であるが、必ずしもこ
れに制約されない。
【0067】上記化合物の処理量は、キャリアが前記条
件を満足するよう適宜決定すれば良いが、一般には総量
で本発明のキャリアに対し0.1〜30重量%(好まし
くは0.5〜20重量%)が望ましい。また、これらキ
ャリアの平均粒径は、10〜100μm、好ましくは2
0〜70μmを有することが好ましい。
【0068】特に好ましい態様としては、Cu−Zn−
Feの3元系のフェライトであり、その表面をフッ素系
樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の組み合せ、例えばポ
リフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメタアクリレー
ト樹脂、ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチ
ルメタアクリレート樹脂、フッ素系共重合体とスチレン
系共重合体等を90:10〜20:80、好ましくは7
0:30〜30:70の比率の混合物としたもので、
0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%コー
ティングし、250メッシュパス、400メッシュオン
のキャリア粒子が70重量%以上ある上記平均粒径を有
するコートフェライトキャリアであるものが挙げられ
る。該フッ素系共重合体としては、フッ化ビニリデン−
テトラフルオロエチレン共重合体(10:90〜90:
10)が例示され、スチレン系共重合体としてはスチレ
ン−アクリル酸2−エチルヘキシル(20:80〜8
0:20)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル
−メタクリル酸メチル(20〜60:5〜30:10〜
50)が例示される。上記コートフェライトキャリアは
粒径分布がシャープであり、本発明のトナーに対し好ま
しい摩擦帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上さ
せる効果がある。
【0069】本発明に係るトナーと混合して二成分現像
剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃
度として、2〜15重量%、好ましくは4〜13重量%
にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2%
より小さいと画像濃度が低く実用不可となり、15%を
超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用
寿命を短める。
【0070】以下に本発明に用いる測定法について述べ
る。 (1)ガラス転移温度Tgの測定 本発明においては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定
する。測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを
精密に秤量する。
【0071】かかる試料をアルミパン中に入れ、リファ
レンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30
〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿
下で測定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃
の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
このときの吸熱ピークが出る前と出た後のベースライン
の中間点の線と示差熱曲線との交点を、本発明に係るガ
ラス転移温度Tgとする。 (2)融点の測定 ガラス転移温度の測定と同様に測定試料を作製し、同装
置にて、測定温度30〜150℃の間で昇温速度10℃
/minで昇温後10分間150℃で保持する。その後
30〜50℃/minで−50℃まで急冷し、再び10
分間−50℃で保持する。その後10℃/minで15
0℃まで昇温する。このとき、メインピークの吸熱ピー
クが得られる。このときの吸熱ピークを本発明における
融点とする。 (3)分子量の測定 本発明において、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムの分子量は次の条件
で測定される。
【0072】すなわち、40℃のヒートチャンバー中で
カラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒
としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流
速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調
整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入し
て測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有
する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料
により作製された検量線の対数値とカウント数との関係
から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料と
しては、例えば、Pressure Chemical
Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6
×102 ,2.1×103 ,4×103,1.75×1
4 ,5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×10
5 ,8.6×105 ,2×106 ,4.48×106
ものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン
試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI
(屈折率)検出器を用いる。
【0073】なお、カラムとしては、103 〜2×10
6 の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリス
チレンゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、W
aters社製のμ−styragel 500,10
3 ,104 ,105 の組合せや、昭和電工社製のsho
dex KF−80Mや、KF−801,803,80
4,805の組合せ、KA−802,803,804,
805の組合せ、あるいは東洋曹達製のTSKgel
G1000H,G2000H,G2500H,G300
0H,G4000H,G5000H,G6000H,G
7000H,GMHの組合せが好ましい。 (4)酸価 酸価はエステル化の進行具合を短時間に精度よく指示す
るものとして重要である。一般にエステル化のチェック
は酸価80位から始め、20〜50位の間で必要に応じ
終了する。ここで酸価とは、樹脂1g中に含まれるカル
ボキシル基を中和するのに必要なカ性カリのミリグラム
数として定義されている。したがって酸価は末端基の数
を示していることになる。測定の方法はつぎのとおりで
ある。
【0074】サンプル2〜10gを200〜300ml
の三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=3
0:70の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。
溶解性が悪いようであれば少量のアセトンを加えてもよ
い。0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッ
ドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10
カ性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液
の消費量からつぎの計算で酸価を求める。
【0075】 酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量 (ただしNはN/10KOHのファクター) (5)重量平均粒径 粒度分布については、種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターを用いて行
った。
【0076】すなわち、測定装置としてはコールターカ
ウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数
平均分布,体積分布を出力するインターフェイス(日科
機製)及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノ
ン製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて
1%NaCl水溶液を調製する。測定法としては前記電
解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性
剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1
〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分
散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型
により、アパチャーとして100μmアパチャーを用い
て、トナーの体積,個数を測定して2〜40μmの粒子
の体積分布と個数分布とを算出した。それから本発明に
係る、体積分布から求めた重量基準の重量平均径を(各
チャンネルの中央値をチャンネルごとの代表値とす
る)、体積分布から求めた。
【0077】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0078】(樹脂製造例1) ・スチレン 340g ・メタクリル酸n−ブチル 240g ・ベンゾイルパーオキシド 6g ・トルエン 1000g これらを反応容器に入れ、90℃×16時間反応させ、
Mn=4000、Mw=20000、Tg=58℃のポ
リマーを得た。ここで得られたポリマーを樹脂Aとす
る。
【0079】(樹脂製造例2) ・スチレン 310g ・メタクリル酸n−ブチル 270g ・ベンゾイルパーオキシド 1g ・ポバール 3g これらを反応容器に入れ、懸濁重合させた後、アルカリ
洗浄によりボパールを除去し、Mn=80000、Mw
=500000、Tg=55℃のポリマーを得た。ここ
で得られたポリマーと、樹脂Aを3:7の重量比で溶液
中にて溶解混合させ、乾燥して得られたポリマーを樹脂
Bとする。
【0080】樹脂BのMn=8000、Mw=3800
0、Tg=57℃でGPCの分子量分布において、20
000と、500000にそれぞれ1つずつの極大値を
有していた。
【0081】(樹脂製造例3) ・プロポキシ化ビスフェノールA 64g ・エトキシ化ビスフェノールA 68g ・テレフタル酸 20g ・ドデセニルコハク酸 18g ・トリメリット酸 30g これらを縮合重合してMn=4000、Mw=2000
0、Tg=60℃、酸価=10のポリエステルを得た。
ここで得られたポリエステルを樹脂Cとする。
【0082】実施例1 ・樹脂A 100重量部 ・化3式で示した構造を有する銅フタロシアニン顔料 5.0重量部 ・ジターシャリブチルサリチル酸の亜鉛錯体 4.0重量部 ・ポリエーテル変性シリコーン化合物(融点25℃) 5.0重量部 をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粉砕、分級
し、さらに流動向上剤としてヘキサメチルジシラザンで
処理したシリカ微粉末を分級品100重量部に対して
0.8重量部を外添添加してトナーとした。
【0083】このときのトナーの重量平均粒径は、4.
8μmであった。
【0084】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)を0.5重量%コーティングしたC
u−Zn−Fe系フェライトキャリア(平均粒径30μ
m)を用い、トナー濃度が3.0重量%になるよう現像
剤を調製した。
【0085】これらの現像剤及びトナーを用いてキヤノ
ン製フルカラー複写機CLC−500で画出しテストを
行った。
【0086】2万枚画出し後も、カブリのない、ハーフ
トーンのガサツキもなく、鮮明な画像が得られた。また
OHPに定着させた画像の透光性も良好であった。
【0087】実施例2 ・樹脂B 100重量部 ・磁性酸化鉄 90重量部 ・ニグロシン 3重量部 ・高級脂肪酸エステル変性シリコーン化合物(融点64℃) 5重量部 をロールミルにより溶融混練し、冷却後粉砕、分級し、
さらにこの分級品100重量部に対して流動向上剤とし
て正荷電性疎水化処理乾式シリカ0.8重量部を外添添
加して一成分系磁性トナーとした。
【0088】このトナーの重量平均粒径は4.0μmで
あった。
【0089】このトナーをキヤノン製複写機NP−48
35を用いて画出し試験を行った。その結果、10万枚
の耐刷後でも、定着ロールへのオフセットはなく、カブ
リやとびちりのない、さらにハーフトーンのガサツキも
ない鮮明な画像が得られた。
【0090】実施例3 結着樹脂として樹脂C100重量部及びシリコーン化合
物として高級アルコキシ変性シリコーン化合物(融点5
0℃)5重量部を用いた以外は実施例1と同様にして重
量平均粒径3.5μmのトナーを作製した。
【0091】このトナーを用いて実施例1と同様に現像
剤を調製し、CLC−500にて画出し試験を行った。
その結果、2万枚の耐刷後でも、定着ロールへのオフセ
ットはなく、カブリやとびちりのない、さらにハーフト
ーンのガサツキもない鮮明な画像が得られた。またOH
Pに定着させた画像の透光性も良好であった。
【0092】比較例1 ポリエーテル変性シリコーン化合物を用いなかった以外
は、実施例1と同様に行い、重量平均粒径3.7μmの
トナーを得た。実施例1と同様に現像剤を調製し、CL
C−500にて画出し評価したところ、チャージアップ
による濃度低下が見られた。またカブリ、とびちりも悪
く、定着ロールへのオフセットもやや悪かった。
【0093】
【発明の効果】トナーの小粒径化により、原稿に忠実な
画像を形成させ、帯電特性が良好でしかも使用中に常に
安定した荷電性を有し、流動性,クリーニング性にすぐ
れ鮮明で、カブリ,トビチリ,飛散のない、画像が得ら
れる。更に、低温定着が可能でかつ静電オフセットのし
ない定着温度領域が広く、ハーフトーン画像においても
常に安定したガサツキのない画像が得られ、またOHP
に定着させた画像の透光性も良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−184356(JP,A) 特開 平3−257463(JP,A) 特開 平4−119361(JP,A) 特開 昭59−37555(JP,A) 特開 昭59−200264(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系樹脂又はポリエステル系樹脂を
    主結着樹脂成分とする静電荷像現像用トナーにおいて、
    トナーの重量平均粒径が3〜8μmであり、ポリエーテ
    ル変性シリコーン化合物、高級脂肪酸エステル変性シリ
    コーン化合物及び高級アルコキシ変性シリコーン化合物
    からなるグループから選択される融点が15〜200℃
    変性シリコーン化合物を含有することを特徴とする静
    電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 該トナーは、該変性シリコーン化合物を
    該結着樹脂100重量部に対して2〜30重量部含有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  3. 【請求項3】 該主結着樹脂成分がビニル系樹脂であ
    り、該ビニル系樹脂は、ガラス転移温度が45〜90℃
    であり、数平均分子量(Mn)が1,000〜30,0
    00であり、重量平均分子量(Mw)が6,000〜8
    00,000であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該主結着樹脂成分がポリエステル樹脂で
    あり、該ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が50〜
    75℃であり、数平均分子量(Mn)が1,500〜5
    0,000であり、重量平均分子量(Mw)が6,00
    0〜100,000であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 下記式(A) 【化1】 で示されるビスフェノール誘導体を有するアルコール成
    分と、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、こは
    く酸、n−ドデセニルコハク酸、フマル酸、マレイン
    酸、無水マレイン酸、及びそれらの無水物からなるグル
    ープから選択されるジカルボン酸類、及びトリメリット
    酸及びその無水物からなるグループから選択 されるトリ
    カルボン酸類を有する酸成分とを縮合重合して得られる
    ポリエステル系樹脂を主結着樹脂成分として含有し、且
    つ染料及び/又は顔料を含有する静電荷像現像用カラー
    トナーにおいて、該トナーの重量平均粒径が3〜8μm
    であり、融点が15〜200℃の変性シリコーン化合物
    を含有することを特徴とする静電荷像現像用カラートナ
    ー。
  6. 【請求項6】 該トナーは、該変性シリコーン化合物を
    該結着樹脂100重量部に対して2〜30重量部含有す
    ることを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用カ
    ラートナー。
  7. 【請求項7】 該ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度
    が50〜75℃であり、数平均分子量(Mn)が1,5
    00〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)が
    6,000〜100,000であることを特徴とする請
    求項5又は6に記載の静電荷像現像用カラートナー。
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