JP2768637B2 - 圧延荷重予測方法 - Google Patents

圧延荷重予測方法

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JP2768637B2 JP22037294A JP22037294A JP2768637B2 JP 2768637 B2 JP2768637 B2 JP 2768637B2 JP 22037294 A JP22037294 A JP 22037294A JP 22037294 A JP22037294 A JP 22037294A JP 2768637 B2 JP2768637 B2 JP 2768637B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚鋼板の制御圧延時等
に用いられる、圧延荷重予測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般の圧延機において、製品の板厚、形
状等に直接影響を与える圧延機の各操作量(例えば、ロ
ールギャップ等)は、そのときの圧延条件から圧延荷重
を予測し、その予測圧延荷重を用いて設定される。従っ
て、圧延荷重の予測値が大きくずれると、圧延後の板厚
及び形状等に悪影響を及ぼすことになる。
【0003】前記圧延荷重を予測するための予測式は、
一般に次式によって示される。
【0004】
【数4】P=Kf ・B・ld ・Qp …………(1) ここで、P :圧延荷重 Kf :材料変形抵抗 B :圧延幅 ld :ロール偏平後の接触弧長 Qp :圧下力関数 前記圧延荷重予測式の精度は、その式を構成する材料変
形抵抗Kf 、圧下力関数Qp の精度に左右される。
【0005】前記圧下力関数Qp は、従来より種々の検
討がなされ、熱間圧延ではSimsの式、あるいは、志
田の式等が提案されている(例えば、「板圧延の理論と
実際」社団法人日本鉄鋼協会 昭和59年9月1日発行
第37ページ参照)。また、従来では、圧下力関数Q
p のモデル式の未知数を、当該パスにおける圧下率、出
側板厚等の圧延条件をパラメータとして、オンラインで
の実験データに基づく重回帰によって求める方法がとら
れていた。
【0006】前記変形抵抗Kf についても、圧延対象鋼
種の化学成分、温度、歪等をパラメータとして、モデル
式の未知数をオンラインでの実験データに基づく重回帰
によって決定する方法がとられていた(例えば、「第3
版 鉄鋼便覧 第III 巻(1)圧延基礎・鋼板」社団法人
日本鉄鋼協会 昭和55年6月30日第2刷発行 第6
2〜67ページ参照)。
【0007】前記変形抵抗Kf のモデル式に用いられる
温度Tは、板厚方向に予め推定される温度分布の板厚方
向平均温度、あるいは、測定可能な圧延時の鋼板表面温
度が採用されていた。尚、変形抵抗Kf は温度、歪、歪
速度によって変化し、また、α相温度域、α+γ相温度
域、γ相温度域で異なること等についても知られている
(例えば、前記の「板圧延の理論と実際」第162〜1
66ページ参照)。
【0008】一方、圧延変形理論の解析手法として有限
要素法が公知であり(例えば、前記の「板圧延の理論と
実際」第67〜72ページ参照)、前記圧延荷重Pは、
圧延材の板厚方向の温度分布を考慮した三次元剛塑性有
限要素法により正確に求めることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】圧下力関数Qp につい
ては、前記従来法のようにオンラインでの実験データに
基づいた重回帰によって、モデル式の未知係数を決定す
る場合は、実験データに含まれる圧延条件とは無関係な
外乱をも係数に取り込んでしまう危険性があり、正確な
圧下力関数を求めることが困難であるという問題があっ
た。
【0010】また、志田の式を用いる場合は、図11に
示すように板厚が薄いときは、かなり正確に求められる
が、図12に示すように板厚が厚くなると実際と異なる
ものになり、実用的でないと言う問題があった。即ち、
図11、12に示すものは、三次元剛塑性有限要素法に
より求めた圧延荷重から算出した圧下力関数と、志田の
式による圧下力関数とを比較したものであり、図12の
左側部分において両者の間に大きな差異が認められる。
この差異は、ピーニング効果によるものであり、志田の
式ではピーニング効果を伴う圧延に対して適用できない
ことが分かる。(尚、ピーニング効果とは、板噛み込み
時の剪断変形により圧延荷重が立ち上がる現象をいう。
荷重が大きく且つ板厚が大きく、hm /ld (hm :ロ
ールバイト内の平均板厚、ld :接触弧長)が1.0を
越える場合、このピーニング効果を考慮しなければ正確
に荷重を予測することができない。)また、変形抵抗K
f については、各温度域で異なることは知られている
が、しかし、変形抵抗予測モデル式に対しては、単一の
温度しか入力していなかったので、板厚方向に単相の均
一な変形抵抗しか推定することが出来なかった。
【0011】しかし、実際の圧延において特に厚板圧延
では、圧延中の鋼板は板厚方向に比較的大きな温度分布
を有し、単相のみで相変態は進展し得ない。例えば、図
13に示すように、相変態温度域で圧延される制御圧延
材等で特に水冷を伴う場合、水冷停止時には表面層がA
r1点以下まで冷却され、圧延開始時にはAr1〜Ac1点
(一般にTAr1 <TAc1 )付近まで復熱し、この時点で
圧延されると言った複雑な過程をたどる。そのため、圧
延時には表面層でフェライトα相、中央部でオーステナ
イトγ相といった二相を板厚方向に有する状態で圧延を
行う場合が生じる。(尚、このとき生じ得る変態挙動
は、復熱(昇温)による逆変態であり、復熱後の温度が
Ac1点未満であれば、Ar1点以上であってもα→α+γ
の相変態は生じない。) 従って、変形抵抗Kf を推定する際、温度Tに関し、板
厚方向平均温度あるいは、測定された表面温度を採用す
る従来の変形抵抗予測モデルでは、板厚方向に単相の均
一な変形抵抗しか推定することができず、さらに、復熱
による逆変態が考慮されないため、相変態温度域での圧
延に対して、各層で独立して進展する複雑な相変態挙動
を荷重予測に反映することは困難であった。
【0012】従って、従来、特に制御圧延材において、
圧延荷重の推定精度は、高精度な板厚、形状を確保する
上で十分なものではなかった。そこで、本発明は、前記
従来の問題点を解決するためになされたものであり、圧
延荷重予測の高精度化を図り、特に制御圧延において優
れた板厚精度と形状を有する鋼板を製造するための圧延
荷重の予測方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は次の手段を講じた。即ち、請求項1記載の
本発明の特徴とするところは、圧延荷重式P=f(Q
p)の構成要素である圧下力関数Qp を求めるのに際
し、 三次元剛塑性有限要素法によって圧延荷重を計算
し、該計算された圧延荷重を用いて、前記圧延荷重式か
ら圧下力関数の値を求め、該求めた圧下力関数値から、
圧下率、入側出側板厚、ロール半径をパラメータとし
て、重回帰により、次式を得、
【0014】
【数5】 Qp1=α1 +(α2 ・r+α3 )・{√(R’/H)−α4 } ここで、r :圧下率=(H−h)/H R’:偏平後のロール半径 H :入側板厚 h :出側板厚 α :回帰係数同じく、ロールバイト内の平均板厚及びロール偏平後の
接触弧長をパラメータとして、重回帰により次式を得、
【0015】
【数6】 Qp2=β1 +β2 ・( hm /ld ) ここで、hm :ロールバイト内の平均板厚=H−h/3 ld :ロール偏平後の接触弧長 hm /ld =H・(2+r)/{3・√(r・H・R’)} β:回帰係数前記二つの式を用いて、圧下力関数を次式により求め、
【0016】
【数7】Qp =max(Qp1,Qp2) により求め、前記求めた圧下力関数Qp を用いて前記圧
延荷重式により圧延荷重を予測する点にある。
【0017】請求項2記載の発明の特徴とするところ
は、圧延荷重式P=g(Kf )の構成要素である材料変
形抵抗Kf を、各鋼種毎にα相温度域、α+γ相温度
域、γ相温度域でそれぞれ独立して求め、且つ、該各温
度域での材料変形抵抗Kf は圧延での累積歪と圧延待ち
時間での歪回復とを考慮したものであり、圧延材の板厚
方向温度分布に従い、該圧延材の板厚方向をα相温度
域、α+γ相温度域、γ相温度域に分割し、各温度域に
対応した前記材料変形抵抗Kf を板厚方向に占める分割
領域の比率でもって板厚方向に平均化することにより該
圧延材の全体の材料変形抵抗Kf を求め、前記求めた全
体の材料変形抵抗Kf を用いて前記圧延荷重式により圧
延荷重を予測する点にある。
【0018】なお、圧延材の板厚方向において、α相温
度域に冷却された後、α+γ相温度域あるいはγ相温度
域に復熱した領域(逆変態が生じた領域)がある場合に
は、当該領域の変形抵抗をα相温度域の変形抵抗式によ
り求める。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明によれば、圧下力関数Qp
は、圧延材の板厚方向の温度分布を考慮した三次元剛塑
性有限要素法によって計算される圧延荷重から算出した
圧下力関数を基にして、志田の式に修正を加えて得られ
る式Qp1と、同様にして算出した圧下力関数についてロ
ールバイト内の平均板厚及びロール偏平後の接触弧長を
パラメータとして重回帰により得られる式Qp2とで構成
され、当該パスにおける両式Qp1.Qp2の最大値を選択
する機能max(Qp1,Qp2)により設定される値Qp
=max(Qp1,Qp2)を、圧延荷重予測式P=f(Q
p )における圧下力関数Qp とするので、ピーニング効
果の影響を受ける圧延条件及びピーニング効果の影響を
受けない圧延条件の両方において、高精度に圧延重Pを
予測することが出来る。
【0020】請求項2記載の発明によれば、温度領域が
通常の板厚方向に単相の場合、または、相変態温度域で
の圧延に対しては二相を板厚方向に有する場合、夫々、
高精度に変形抵抗を推定し、もって圧延荷重予測を高精
度化を図ることができる。請求項3記載の発明によれ
ば、圧延前の温調工程で水冷を伴う制御圧延において水
冷後に表面層が復熱する場合、高精度に変形抵抗を推定
できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明方法を適用した圧延荷重予測システ
ムのフローチャートである。図2は、本実施例で採用し
た圧延材の水冷開始から圧延開始までの表面温度の変化
を示したものであり、図3は、前記圧延材の変形抵抗の
温度依存性を示すグラフである。これら図2、3より当
該圧延材の表面層は、水冷終了時点でAr1点以下まで冷
却され、その直後圧延開始までの時間にAr1〜Ac1点付
近まで復熱していることが分かる。
【0022】尚、このとき生じ得る変態挙動は復熱(昇
温)による逆変態であり、復熱後の温度がAc1点未満で
あれば、Ar1点以上であってもα→α+γの相変態は生
じない。よって、本実施例では、表面層でα相、中央部
ではγ相となる。なお、本実施例で採用した前記圧延材
の成分を次の表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】さて、本実施例の圧延荷重予測方法に用い
られる圧延荷重予測式は、前記(1)式で示された従来と
同じモデル式が採用される。即ち、圧延荷重予測式は次
式で示される。
【0025】
【数8】P=Kf ・B・ld ・Qp …………(1) ここで、P :圧延荷重 Kf :材料変形抵抗 B :圧延幅 ld :ロール偏平後の接触弧長 Qp :圧下力関数 図1に示す如く、本実施例では、前記圧延荷重予測式P
の構成要素である材料変形抵抗Kf 及び圧下力関数Qp
が、次の手順で求められる。
【0026】先ず、圧延材の温度が温度予測モデルによ
り推定される。温度予測モデルは、例えば、次式によっ
て表される。
【0027】
【数9】 Ti,j =g(c,ρ,λ,α,h,Ta, xi ,tj )……(2) ここで、c:鋼板比熱、 ρ:鋼板密度、 λ:鋼板熱伝導率、 α:鋼板表面の熱伝達率、 h:板厚、 Ta:雰囲気温度、 xi:板厚方向位置、 tj:時間 i:板厚方向位置を示すパラメータ(=1〜n) j:時間のパラメータ(=1〜m) 前記温度予測モデルにより、板厚方向温度分布(Ti,j
)、及び、温度履歴(Ti,j −Ti,j -1)を求める。
【0028】変形抵抗数式モデルは、各相温度域でそれ
ぞれ独立しており、温度、歪、歪速度、パス間時間、前
パスの加工歪等をパラメータとして例えば、次式によっ
て示される。
【0029】
【数10】α相温度域 Kf1=f1 (Ti,j 、ε、ε’、t、ε0 )……(3) α+γ相温度域(TAr1 〜TAr3 ) Kf2=f2 (Ti,j 、ε、ε’、t、ε0 )……(4) α+γ相温度域(TAc1 〜TAc3 ) K'f2 =f2 (Ti,j 、ε、ε’、t、ε0 )……(5) γ相温度域 Kf3=f3 (Ti,j 、ε、ε’、t、ε0 )……(6) ここで、Kf1 :α相温度域での変形抵抗 Kf2 :α+γ相温度域(TAr1 〜TAr3 )での変形抵
抗 K'f2 :α+γ相温度域(TAc1 〜TAc3 )での変形抵
抗 Kf3 :γ相温度域での変形抵抗 ε :現パスでの加工歪 ε’ :歪速度 ε0 :前パスの加工歪 t :パス間時間 ここで、変形抵抗を予測する現パスの実質歪は、温度T
i,j 、パス間時間tをパラメータとしたパス間での歪残
留率λi に前パスでの実質歪を乗じ、これに現パスの加
工歪を加えることによって得られる。よって、前記変形
抵抗は、圧延での歪累積とパス間での圧延待ち時間によ
る歪回復が考慮された式とされている。
【0030】前記(3) 〜(6) 式の変形抵抗を求めるのに
際し、予め決定されたα、α+ γ、γの各相温度域での
変形抵抗式の係数を各鋼種別にテーブル化しておくのが
良い。即ち、係数を制御装置の記憶手段にテーブル化し
ておくことにより、各変形抵抗式の必要な係数は、前記
(2) 式に示される温度予測モデルによって推定される板
厚方向温度分布(Ti,j )と温度履歴(Ti,j −Ti,j
-1)と、及び、鋼種とをそれぞれ入力値として該テーブ
ルから直ちに求めることができ、便利である。
【0031】しかして、前記変形抵抗は以下に示す手順
に従って算出される。先ず、対象圧延材について板厚を
n層に分割し、次パスにおける各層の温度Ti,j 及びT
i,j -1を前記(2) 式に基づき推定する。次に、圧延材の
鋼種および前記推定された温度を入力値として前述のテ
ーブルより各層で用いる前記(3) 〜(6) 式で示す変形抵
抗式の係数を求める。
【0032】更に、次パスの圧延条件が入力され、前記
(3) 〜(6) 式に基づき、各層毎に変形抵抗を算出する。
そして、各相の変形抵抗を、これが板厚方向に占める各
相の分割領域の比率でもって板厚方向に平均化し、この
平均化したものを次パスにおける変形抵抗Kfとする。
【0033】尚、圧延材の板厚方向において、α相温度
域に冷却された後α+γ相温度域あるいはγ相温度域に
復熱した領域(逆変態が生じた領域)がある場合には、
当該領域の変形抵抗を前記(3) 式のα相温度域の変形抵
抗式により求める。次に、前記圧延荷重予測式Pの構成
要素である圧下力関数Qp を、次のようにして求める。
【0034】まず、圧延材の板厚方向の温度分布を考慮
した三次元剛塑性有限要素法によって圧延荷重Pを計算
する。尚、この三次元剛塑性有限要素法によるコンピュ
ータソフトは、一般市販の公知のものを用いれば良いの
で、その説明は省略すが、計算に際して入力すべきデー
タとして、変形抵抗Kf 等が必要であるが、該変形抵抗
Kf は、その材料の有する代表的な数値を用いておけば
よい。そして、前記計算された圧延荷重Pを基にして前
記(1) 式から圧下力関数Qpの値を算出する。その時の
変形抵抗Kf は、前記三次元剛塑性有限要素法において
用いた数値を用いる。そして、その圧下力関数Qp を基
にして、志田の式に修正を加えて次式を得る。即ち、図
4に示すように、前記求めた圧下力関数値を、圧下率、
入側出側板厚、偏平後のロール半径をパラメタとしたグ
ラフにプロットし、該グラフから回帰して次式を求める
のである。
【0035】
【数11】 Qp1=α1 +(α2 ・r+α3 )・{√(R’/H)−α4 }……(7) ここで、r :圧下率=(H−h)/H R’:偏平後のロール半径 H :入側板厚 h :出側板厚 α :回帰係数 同様にして、圧延材の板厚方向の温度分布を考慮した三
次元剛塑性有限要素法によって計算される圧延荷重Pか
ら算出した圧下力関数Qp について、ロールバイト内の
平均板厚hm 及びロール偏平後の接触弧長ld をパラメ
ータとして重回帰により次式をを得る。
【0036】
【数12】Qp2=β1 +β2 ・( hm /ld )……(8) ここで、hm :ロールバイト内の平均板厚=H−h/3 hm /ld =H・(2+r)/{3・√(r・H・
R’)} β:回帰係数 次に、前記(7) 、(8) 式を用いて、その最大値を次式で
求める。
【0037】
【数13】Qp =max(Qp1,Qp2)……(9) 尚、図4に前記(7) 、(8) 式の関係が示され、図5に前
記(9) 式の関係が示されている。以上が、変形抵抗Kf
と圧下力関数Qp を求める手順の説明である。 そして、
これら求めた変形抵抗Kf 及び圧下力関数Qp を前記
(1) 式に用いて、圧延荷重Pを予測する。
【0038】以下、前記実施例の効果を従来法との比較
で説明する。図6に示すグラフは、平均温度を採用した
従来法によって推定した変形抵抗と実測値(実機デー
タ)との比較である。図7に示すグラフは、本発明法
(本実施例)によって推定した変形抵抗と実測値との比
較である。
【0039】尚、前記実測値(実機データ)は、図8に
示すように、圧延機の圧下スクリュー1 の直下に設けら
れたロードセル2 によって測定される実測荷重から前記
(1)式を用いて逆算した各パスの変形抵抗である。な
お、この(1) 式における圧下力関数Qp は、本発明法に
より求めた圧下力関数Qp を用いた。図6から明らかな
如く、従来法では、平均温度を採用し、板厚方向の温度
分布が考慮されていないため、板厚方向に単相の均一な
変形抵抗しか推定することができず、更に、復熱による
逆変態が考慮されていないため、各パスの変形抵抗の予
測値は実測値に対して1〜2kgf/mm2 程度と大きくずれ
ている。
【0040】一方、本実施例では圧延材の表面層で生じ
る前記変態挙動が考慮されるため、図7に示す如く、各
パスの変形抵抗の予測値は実測値と良好に一致してい
る。図9、10に示すものは、本実施例による圧下力関
数値と従来法による圧下力関数値との比較である。これ
らの図から本実施例のものは、圧延条件(入側板厚、圧
下率、およびロール径)に係わらず三次元剛塑性有限要
素法による値と良好に一致していることが分かる。
【0041】尚、本発明は、前記実施例に限定されるも
のでない。
【0042】
【発明の効果】本発明の圧延荷重推定法によれば、まず
圧下力関数については、圧延材の板厚方向の温度分布を
考慮した三次元剛塑性有限要素法によって計算される圧
延荷重から算出した圧下力関数値をもとに志田の式に修
正を加えた式と、さらにピーニング効果を伴う板厚範囲
では、同様にして算出した圧下力関数値についてロール
バイト内の平均板厚およびロール偏平後の接触弧長をパ
ラメータとして回帰した式を採用することによって、厚
鋼板の圧延に適用可能な圧下力関数として圧延荷重予測
式へ提供され得る。
【0043】また、変形抵抗については、α、α+γ、
γ各相の変形抵抗をそれぞれ独立した式で表し、さらに
これらが適用される温度域を設定することにより、予め
推定される板厚方向の温度分布に従い通常の板厚方向に
単相の場合、また、相変態温度域での圧延に対しては、
二相を板厚方向に有する場合、さらに圧延前の温調工程
で水冷を伴う制御圧延において水冷後に表面層が復熱す
る場合について、それぞれ高精度に板厚方向の変形抵抗
を推定することができる。
【0044】よって、圧延荷重を推定するに際して、高
精度の変形抵抗および圧下力関数を用いることができる
ので、圧延荷重予測の高精度化が図れ、特に制御圧延に
おいて優れた板厚精度および形状を有する鋼板を製造す
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の圧延荷重予測方法のフローチャート
である。
【図2】本実施例に用いた圧延材の水冷開始から圧延開
始までの表面温度の時間変化を示すグラフである。
【図3】本実施例に用いた圧延材の変形抵抗の温度依存
性を示すグラフである。
【図4】本実施例における圧下力関数QP1とQP2の関係
を示すグラフである。
【図5】本実施例における圧下力関数QP =max(Q
P1,QP2)の関係を示すグラフである。
【図6】従来法によって推定した変形抵抗と実測値との
比較を示すグラフである。
【図7】本発明法によって推定した変形抵抗と実測値と
の比較を示すグラフである。
【図8】実測値を測定した圧延機の構成図である。
【図9】ロール半径480mmにおける圧下力関数値と
圧下率の関係を示すグラフである。
【図10】ロール半径525mmにおける圧下力関数値
と圧下率の関係を示すグラフである。
【図11】板厚の薄い場合の圧下力関数値と圧下率の関
係を示すグラフである。
【図12】板厚の厚い場合の圧下力関数値と圧下率の関
係を示すグラフである。
【図13】水冷時の板厚方向温度分布の変化を示すグラ
フ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 塑性と加工、26[298](1985)、阿 高、湖海、P.1117−1123 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 37/16 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延荷重式P=f(Qp )の構成要素で
    ある圧下力関数Qp を求めるのに際し、 三次元剛塑性有限要素法によって圧延荷重を計算し、該
    計算された圧延荷重を用いて、前記圧延荷重式から圧下
    力関数の値を求め、該求めた圧下力関数値から、圧下
    率、入側出側板厚、ロール半径をパラメータとして、重
    回帰により、次式を得、 【数1】 Qp1=α1 +(α2 ・r+α3 )・{√(R’/H)−α4 } ここで、r :圧下率=(H−h)/H R’:偏平後のロール半径 H :入側板厚 h :出側板厚 α :回帰係数同じく、ロールバイト内の平均板厚及びロール偏平後の
    接触弧長をパラメータとして、重回帰により次式を得、 【数2】 Qp2=β1 +β2 ・( hm /ld ) ここで、hm :ロールバイト内の平均板厚=H−h/3 ld :ロール偏平後の接触弧長 hm /ld =H・(2+r)/{3・√(r・H・R’)} β:回帰係数前記二つの式を用いて、圧下力関数を次式により求め、 【数3】 Qp =max(Qp1,Qp2) 前記求めた圧下力関数Qp を用いて前記圧延荷重式によ
    り圧延荷重を予測するとを特徴とする圧延荷重予測方
    法。
  2. 【請求項2】 圧延荷重式P=g(Kf )の構成要素で
    ある材料変形抵抗Kf を、各鋼種毎にα相温度域、α+
    γ相温度域、γ相温度域でそれぞれ独立して求め、且
    つ、該各温度域での材料変形抵抗Kf は圧延での累積歪
    と圧延待ち時間での歪回復とを考慮したものであり、 圧延材の板厚方向温度分布に従い、該圧延材の板厚方向
    をα相温度域、α+γ相温度域、γ相温度域に分割し、
    各温度域に対応した前記材料変形抵抗Kf を板厚方向に
    占める分割領域の比率でもって板厚方向に平均化するこ
    とにより該圧延材の全体の材料変形抵抗Kf を求め、 前記求めた全体の材料変形抵抗Kf を用いて前記圧延荷
    重式により圧延荷重を予測するとを特徴とする圧延荷重
    予測方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の圧延荷重予測方法におい
    て、 圧延材の板厚方向において、α相温度域に冷却された
    後、α+γ相温度域あるいはγ相温度域に復熱した領域
    がある場合には、当該領域の変形抵抗をα相温度域の変
    形抵抗式により求めることを特徴とする圧延荷重予測方
    法。
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