JP6438753B2 - タンデム圧延ミルの制御装置およびタンデム圧延ミルの制御方法 - Google Patents

タンデム圧延ミルの制御装置およびタンデム圧延ミルの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は,タンデム圧延ミルの制御装置およびタンデム圧延ミルの制御方法に係り、特に、鋼板の圧延に先立って所望の板厚に圧延するための各スタンドのワークロールの圧下位置を算出するに際して,圧下位置の算出値を目標板厚が得られる値に適切化することで,圧延の安定化と良好な鋼板品質を得るために好適なタンデム圧延ミルの制御装置およびタンデム圧延ミルの制御方法に関する。
タンデム圧延では,圧延に先立って当該鋼板の圧延状態を予測し,ワークロールの圧下位置(上下のワークロールの隙間に対応)やロール速度を決定して,鋼板先端を制御し,その後,検出器から得られる板厚やスタンド間の鋼板張力を用いて,圧下位置やロール速度を適切な値に徐々に修正する手法が用いられる。このため,各圧延スタンドの圧下位置とロール速度の指令値を,予測計算により適切な値に決める必要がある。とりわけ鋼板を1本ずつバッチ圧延する熱間圧延では,鋼板の先端板厚を目標値に精度良く制御し,先端が仕上げミルの各圧延スタンドに噛み込まれて行くときの圧延を安定化するために,各圧延スタンドの圧下位置とロール速度の指令値を,予測計算により適切な値に決める必要がある。最終スタンド出側で目標の板厚を得るために最も重要なのは圧下位置であり,圧下位置を適切に決定する必要がある。以下,本発明で圧下位置とはワークロールの圧下位置を示す。
圧下位置を適切な値に決定するための従来手法として,以下があった。特開2013-198920号公報には,圧延実績の先端部板厚チャートを鋼種と板厚で層別して記憶し,次回圧延される鋼板に該当する層別の先端部板厚チャートとこの鋼板の板厚交差とから,先端からの板厚外れ長さが短くなるように圧下位置の調整を行う手法が示されている。
また特開2004-42058号公報には,スタンド間に中間板厚計を備え,目標中間板厚と中間板厚計の偏差にしたがって下流スタンド(中間板厚計以降のスタンド)の圧下位置を修正する手法が示されている。
特開2013-198920号公報 特開2004-42058号公報
しかしながらこれら従来技術には以下の問題があった。
特許文献1の手法では,実際には該当層別の板厚チャートが毎回類似であるとは限らないため,次回圧延される鋼板の先端の板厚の挙動が、結果的に記憶している板厚チャートと異なっていたときには、適切な圧下位置の調整が行われない恐れがあった。さらにチャートデータを蓄積し,照合する処理により,計算量が増大する問題もあった。
特許文献2の手法では,圧下位置の修正に通常の熱間圧延では備えられていない中間板厚計が必要なため,システム価格が高価になったりシステムのメンテナンスの労力が増大する問題があった。
したがって,本発明が解決しようとする課題は,特別な検出器を備えることなく,簡単な演算で適切な圧下位置の演算ができ,目標板厚が得られる圧下位置を算出するタンデム圧延ミルの制御装置および方法を提供することにある。
この課題を解決するために本願では,上位計算機から受信した次回圧延するコイルの目標板厚や化学組成の情報から各スタンドの圧延荷重を推定し,圧下位置やロール速度の制御指令を算出する制御指令セットアップ部に加えて,スタンド間の板厚を推定する中間板厚算出部,制御対象から取り込んだ圧延実績を用いて各スタンドの圧下位置を推定し,推定した圧下位置と実績圧下位置との偏差を算出する圧下位置偏差算出部,制御指令セットアップ部から取り込んだ仕上げミル出側の目標板厚と圧延実績として得られた実績板厚の偏差を算出する板厚偏差算出部,圧下位置偏差と板厚偏差から圧下位置補正量を算出する圧下位置補正量算出部を備え,制御指令セットアップ部は算出された圧下位置補正量を用いて圧下位置を計算する構成とした。
具体的には,圧下位置補正量算出部は圧延実績を圧下位置計算式に代入して得られた計算結果と実際の圧下位置の偏差を、圧下位置推定誤差として算出する。圧下位置推定誤差を次回の圧下位置計算結果に対して加減算することにより,次コイルでは誤差の少ない圧下位置を計算できる。板厚偏差算出部は板厚制御の結果として得られた仕上げミル最終スタンド出側板厚の目標板厚からの誤差を算出する。板厚誤差が大きいとき,次回の圧延ではこれを低減する方向に圧下位置を補正することにより,次コイルの板厚誤差を低減できる。圧下位置補正量算出部では、圧下位置偏差と板厚偏差を適当な重み付けで加算することで、板厚偏差低減に配慮しつつ圧下位置計算式の誤差を低減できる。制御指令セットアップ部は,圧延理論に基づいて計算した各スタンドの圧下位置を,圧下位置補正量算出部から取り込んだ圧下位置補正量で補正して最終的な圧下位置指令を算出することで,仕上げミル出側の板厚精度を高められる。
本発明によれば,特別な検出器を備えることなく簡単な演算で適切な圧下位置の演算ができ,板厚精度を高めることが可能となる。
本発明のタンデム圧延ミルの制御装置の構成を示した説明図である。 制御指令セットアップ部101の処理である。 ドラフトスケジュール記憶部102の構成である。 速度パターン記憶部103の構成である。 中間板厚推定部111の処理である。 圧下位置偏差算出部112の処理である。 板厚偏差算出部113の処理である。 圧下位置補正量算出部115の処理である。 圧下位置補正量算出ゲイン記憶部114の構成である。 圧下位置補正量記憶部116の構成である。 本発明の第2の実施例のタンデム圧延ミルの制御装置の構成を示した説明図である。 鋼板類似度算出部1102の処理である。 鋼板層別記憶部1101の構成である。
熱間圧延ミルの仕上げスタンドや冷間タンデムミルで,当該鋼板の圧延に先立って所望の板厚に圧延するための各スタンドの圧下位置を計算するとき,簡易な演算で板厚精度を高める圧下位置を算出できる。この結果,先端板厚が高精度な鋼板が得られるとともに,タンデム圧延を安定化できる。また熱間圧延ミルの仕上げスタンドでは,先端通板(鋼板の各スタンドへの噛み込み処理)がスムーズになり,品質不良を低減できる。
図1に本発明の実施例を示す。本実施例ではタンデム圧延ミルの制御装置が熱間タンデム圧延ミルの制御装置の場合の例を示す。本実施例の各算出部或いはフローチャートに示す動作は具体的にはコンピュータで実行できる。タンデム圧延ミルの制御装置100は制御対象150から種々の信号を受信し,制御信号を制御対象150に出力する,まず制御対象150の構成を説明する。本実施例で制御対象150は,仕上げミル160を備えた熱間タンデム圧延ミルであり,図の例で仕上げミル160は複数の圧延スタンドから構成され,本実施例では圧延スタンド161を7つ連続配置した構成となっている。図1で鋼板163は左から右に移動し,前工程である粗圧延機で圧延された厚さ30mm程度の粗材165を圧延し,薄厚の鋼板163を生産する。粗材165は,粗バー,インカミングバー,トランスファーバー等の名称で,呼ばれることもある。仕上げミル160で粗材165は,各圧延スタンド161で圧延により順次薄く加工され,最終の圧延スタンドであるF7の出側で最終的に1mm〜15mm程度の鋼板163として,払い出される。仕上げミル160で,粗材165および鋼板163を直接圧延するのは各圧延スタンド161に備えられたワークロール162で,本発明でロール速度とはワークロール162の周速を意味している。鋼板163の状態を把握するための検出器として本実施例では,仕上げミル160の最終圧延スタンド(F7)出側に,鋼板163の板厚や板幅,温度を測定するマルチゲージ164が備えられている。本実施例では省略しているが,実際には,粗材165および鋼板163の状態を把握するための検出器として,温度計や板の平坦度を計測する形状計,粗材165の先尾端形状イメージを測定するクロッププロファイル計,鋼板163の表面傷を検知する表面疵計等,種々の検出器が,必要に応じて各所に備えられる。
次にタンデム圧延ミルの制御装置100の構成を説明する。タンデム圧延ミルの制御装置100は,圧延される鋼板のそれぞれについて,上位計算機50から,鋼種,目標板厚,目標板幅等の圧延に必要な情報を受信し,ドラフトスケジュール記憶部102と速度パターン記憶部103を参照して,各圧延スタンド161に対して圧延荷重,ワークロール162の圧下位置,ワークロール162のロール速度等を計算する制御指令セットアップ部101,制御対象150からの圧延実績や圧延ミルの制御装置100が実際に制御対象に出力した制御指令値を収集する実績収集部110,実績収集部110が収集したデータを用いて,スタンド間の板厚(以下,中間板厚)を推定する中間板厚算出部111,中間板厚算出部111で推定された入側と出側の板厚と実績収集部110から取り込んだ各圧延スタンド161の圧延荷重を用いて計算した圧下位置の推定値と,実績収集部110から取り込んだ各圧延スタンド161の圧下位置実績値との偏差を算出する圧下位置偏差算出部112,制御指令セットアップ部101から取り込んだF7出側の目標板厚と実績収集部110から取り込んだF7出側の実績板厚の差分を算出する板厚偏差算出部113,圧下位置偏差算出部112から取り込んだ各圧延スタンド161の圧下位置の偏差と板厚偏差算出部113から取り込んだ板厚偏差を用いた計算で各圧延スタンド113の圧下位置の補正量を算出し,制御指令セットアップ部101に出力する圧下位置補正量算出部115により構成される。
以下,各部の動作を詳細に説明する。図2に制御指令セットアップ部101が実行する処理を示す。制御指令セットアップ部101は,上位計算機50から,鋼種,目標板厚,目標板幅等の圧延に必要な情報を受信した後,これから圧延される鋼板163に対する圧下位置やロール速度等の制御指令を算出する。鋼板163が仕上げミル160で圧延されるとき,鋼板163の先端は,制御指令セットアップ部101が出力した制御指令にしたがって圧延されるので,先端から所望の鋼板厚みを得るためには,各スタンドにおける圧延荷重やワークロール162の圧下位置が適切であることが,また鋼板が下流スタンドに噛み込むときの挙動を安定化するためには,各スタンドのロール速度を,鋼板163のマスフロー(板厚と板速の積)に乱れのないバランスのとれた指令にすることが必要である。
まずS2-1でドラフトスケジュール記憶部102の対応する項目から,圧延スタンド161のそれぞれで粗材165および鋼板163をどれくらい薄くするかに対応した情報であるドラフトスケジュールを取り込む。
図3にドラフトスケジュール記憶部102の構成例を示す。図の例でドラフトスケジュールは,各圧延スタンド161における圧延を,入側板厚に対する入側と出側の板厚差をパーセントで格納しており,各ドラフトスケジュールは圧延される鋼板の鋼種,板厚,板幅で層別されている。入側板厚に対する入側と出側の板厚差は圧下率と呼ばれる。例えば鋼種がSS400,目標板厚が2.5mm,目標板幅が900mmの35mmの粗材165を考える。目標板厚は2.0〜3.0mm,目標板幅は1000mm以下の層別が該当する。図3では,F1入側で35mmの粗材165を40%に相当する14mm圧延し,21mmのF1出側板厚を得ることを示している。 F2では21mmの入側板厚を35%圧延し,13.65mmのF2出側板厚を得ることを示している。このように計算して得られたF7出側板厚と目標板厚である2.5mmとの間で生じた偏差は,各スタンドの圧下率を,圧下率に応じて補正することで解消する。このようにして制御指令セットアップ部101は,S2-1で,上位計算機50から受け取った次回圧延される鋼板の鋼種,板厚,板幅からドラフトスケジュール記憶部102の該当層別箇所を検索し,目標とする最終スタンド(本実施例ではF7)出側板厚を得るためも各スタンドの圧下率を計算する。次にS2-2で,速度パターン記憶部103から速度パターンを取り込み,各圧延スタンドのロール速度を計算する。
図4に速度パターン記憶部103の構成を示す。鋼板163の鋼種,目標板厚,目標板幅に対して,F7(最終圧延スタンド)から鋼板163の先端が払い出されるときの鋼板速度(初期速度),その後,第1加速度,第2加速度,定常速度,定常速度から鋼板163の尾端を圧延するときの終期速度まで減速するときの減速度,および終期速度が,各層別で蓄積されている。制御指令セットアップ部101は鋼板163の鋼種,板厚,板幅を判定して,速度パターン記憶部103から対応する速度パターンを抽出する。たとえば鋼種がSS400,板厚1.2〜1.4mm,板幅が1000mm以下のときには,初期速度650mpm,第1加速度2mpm/s,第2加速度12mpm/s,定常速度1100mpm,減速度6mpm/s,終期速度700mpmが設定されることを示している。初期速度とは,鋼板163の先端が最終の圧延スタンド161(F7)から払い出されるときの鋼板163の速度,第1加速度とは,その後,鋼板163が速度を上げていくときの加速レート,第2加速度とは,鋼板163が後段設備であるダウンコイラに噛み込まれた後,定常速度に達するまでの加速レート,減速度とは,鋼板163が安定的に各スタンドを抜けるため終期速度まで減速するときの減速レートである。次にS2-3で各スタンドの圧延温度を計算する。粗材165および鋼板163の温度は,制御対象150の各所に設置されている温度計で検出した値と,熱輻射,熱伝達,さらに圧延による鋼板の変形に起因した加工発熱,圧延時にロール表面に奪われるロール接触伝熱等を考慮した温度予測計算を組み合わせて推定する。温度推定方法は熱力学の文献等で多数紹介されており,さらに圧延における温度変化は,例えば「板圧延の理論と実際(日本鉄鋼協会)」の第6章(圧延における温度変化)で詳しく述べられているので,詳しい説明は省略する。S2-4では,各圧延スタンドで圧延される鋼板の硬さに相当する値である変形抵抗を計算する。変形抵抗の求め方については種々の文献で述べられている,例えば「板圧延の理論と実際(日本鉄鋼協会)」の第7章(変形抵抗)に詳しく説明されている。変形抵抗の代表的な計算式として,推定された圧延時の鋼板温度Tを用いて,

〔数1〕
kf=Kεn(dε/dt)mexp(A/T)

ここで ε:ひずみ,(dε/dt):ひずみ速度
K,n,m,A:鋼種ごとに決まる定数

のように与えられる。(「板圧延の理論と実際」7.54式)
次に,S2-5で各圧延スタンドのロール速度を計算する。S2-2で取り込んだ速度パターンはF7出側の板速なので,これを基に各圧延スタンドの出側板速を,以下により計算する。
まず各圧延スタンドの出側板速を〔数2〕で計算する。

〔数2〕
Vsi=Vs×h /h i

Vsi:第iスタンドの出側板速
hi:第iスタンドの出側板厚
h:第7スタンド(最終圧延スタンド)の出側板厚

次に先進率を用いて,各圧延スタンドの出側板速から各圧延スタンドのロール速度を算出する。ここで先進率とは,ワークロールの周速とワークロールで圧延される板の出側速度との比に対応した値であり,たとえば

〔数3〕
f=F(H,h,R',Kp,tb,tf)

ここで,H:入側板厚,h:出側板厚,R':偏平ロール径,
Kp:変形抵抗,tb:入側張力,tf:出側張力

のように表されることが知られている。詳細は,「板圧延の理論と実際」(日本鉄鋼協会編)等で示されている。先進率を用いると,ロール速度と出側板速の間には〔数4〕の関係がある。

〔数4〕
Vri=Vsi/(1+fi )

Vri:第iスタンドのロール速度
fi:第iスタンドの先進率

先進率を圧延スタンド毎に計算し,各圧延スタンドのロール速度を求める。さらにS2-6で圧延荷重を計算する。圧延荷重予測式の詳細は,「板圧延の理論と実際」(日本鉄鋼協会編)等で示されているが,例えば〔数5〕で表される。

〔数5〕
P = G(w, Kp, Qp, tf, tb, R', H, h,μ)

ここで,w:板幅,Kp:変形抵抗,Qp:圧下力関数,μ:摩擦係数

一般に,圧延荷重予測式と実際の圧延で得られる荷重には乖離があるので,この乖離を減らし,圧延荷重予測の精度を高めるため,実際にはPに適当な補正係数を乗じて圧延荷重を予測する。補正係数の詳細は圧下位置補正量算出部115の説明のところで述べる。最後にS2-7でワークロール162の圧下位置(ロールギャップ)を計算する。圧下位置算出の基本部分は,〔数6〕の関係式で表されるが,実際には算出精度を上げるため,ロールのたわみを制御するベンダー圧を始めとした種々の補正項が付加される。

〔数6〕
S=h−P/K

S:圧下位置,P:圧延荷重,K:ミルばね定数

制御指令セットアップ部101は,次回圧延される鋼板に対応して上記のように計算した圧下位置やロール速度を制御指令として出力する。圧下位置制御部130は,制御指令セットアップ部101が出力した圧下位置の制御指令に対し,ワークロール162の圧下位置が制御指令どおりの値になるように,圧下位置制御を行う。同様に速度制御部140は,制御指令セットアップ部101が出力した速度制御指令に対し,ワークロール162の速度が制御指令どおりの値になるように,速度制御を行う。
制御指令セットアップ部101が,圧延に先立って次回圧延されるコイルについて制御指令を計算するのに対し,以下に示す,中間板厚算出部111,圧下位置偏差算出部112板厚偏差算出部113圧下位置補正量算出部115が実行する一連の演算は,圧延が終わったタイミングで,圧延された鋼板163の圧延実績を用いて行われる。演算の対象になる圧延を当該圧延,当該圧延で生産された鋼板163を当該鋼板と呼ぶ。
図5に中間板厚算出部111が実行する処理を示す。中間板厚算出部111は当該鋼板163について,その圧延実績を基に鋼板163が圧延されたときのF1〜F7の出側板厚t1〜t7を推定する。これらの板厚を以下,中間板厚と称する。また粗材165の板厚を測定する検出器が備えられていないときは,合わせて粗材165の板厚t0の推定も行う。S5-1で最終スタンド(F7)出側のマルチゲージ164で計測した板厚の値t7を取り込む。F7の入側と出側では,板厚と板速の積が一定となる,いわゆるマスフロー一定則が成立する。S5-2ではマスフロー一定則に従い, F7入側板厚(=F6出側板厚)を推定する。すなわち〔数7〕にしたがってt6を計算する。

〔数7〕
t6 = t7×V7×(1+f7)/{V6×(1+f6)}

ここで,t7:計測したF7出側板厚,V7:F7ワークロールの周速,
f7:F7の先進率,V6:F6ワークロールの周速,f6:F6の先進率

先進率f6,f7としては,制御指令セットアップ部101により,当該鋼板の圧延に先立って〔数3〕を用いて算出された値を使用する。先進率は数式を用いた推定により計算されるので,一定の誤差を含んだ値であり,これにより推定した中間板厚にも誤差が重畳している。S5-3〜S5-8では,〔数7〕と同様の処理を繰り返すことにより,F6,F5,F4,F3,F2,F1の順で入側板厚を推定する。すなわち各先進率と圧延スタンド出側の板厚から,スタンド入側の板厚を求める演算を,下流圧延スタンドから順に行う。本実施例では,各スタンドの出側板厚を下流スタンドから順に求める例を示したが,測定されたF7出側板厚と,F7先進率,各スタンドの先進率とロール速度の関係から同時に計算することもできる。
図6に圧下位置偏差算出部112の処理を示す。S6-1で,中間板厚算出部111から当該圧延における当該スタンドの出側板厚を取り込む。次にS6-2で,実績収集部110から当該鋼板の当該スタンドに関連した圧延荷重と圧下位置の実績値を取り込み,圧延荷重の実績値を用いて〔数6〕により,当該スタンドの圧下位置を推定する。圧延荷重と圧下位置の実績値は,当該鋼板の先端部の同一位置で取り込むのが通常で,たとえば各スタンドに鋼板が噛み込まれ,2〜3m程度払いだされた後の値を実績として収集すれば良い。S6-3では,S6-2で取り込んだ圧下位置の実績値と,S6-2で算出した圧下位置の推定値の相違である圧下位置偏差(Ds0_c)iを〔数8〕にしたがって,算出する。

〔数8〕
(Ds0_c)i = (Dsa)i−(Dse)i

ここで,(Dsa)i:当該圧延のiスタンドの実績圧下位置,
(Dse)i:当該圧延のiスタンドの推定圧下位置,

S6-4で,すべてのスタンドについて圧下位置偏差を算出する処理が終了したかどうかを判定し,終了していない場合にはS6-1〜S6-3を繰り返す。すべてのスタンドについて圧下位置偏差を算出する処理が終了していれば,当該鋼板についての圧下位置偏差算出部112の処理を終了する。
図7に板厚偏差算出部113の処理を示す。S7-1で,制御指令セットアップ部101から目標板厚を取り込む。S7-2で実績収集部110からF7出側のマルチゲージ164で測定した実績板厚を取り込む。S7-3で,板厚偏差(hd)7を〔数9〕にしたがって算出する。

〔数9〕
(hd)7 =htarget−ha7

ここで,(hd)7:F7出側の板厚偏差,(ha)7:F7出側の実績板厚
htarget:目標板厚


〔数9〕に示すように,板厚偏差は,マルチゲージ164から検出したF7出側板厚と目標板厚の差分(hd)7により算出される。
図8に圧下位置補正量算出部115の処理を示す。S8-1で,板厚偏差算出部113から板厚偏差を取り込む。S8-2で圧下位置偏差算出部112から当該スタンドの圧下位置偏差を取り込む。S8-3で圧下位置補正量算出ゲイン記憶部114から圧下位置補正量算出ゲインを取り込む。
図9に圧下位置補正量算出ゲイン記憶部114の構成を示す。圧下位置補正量算出ゲインは,圧下位置偏差ゲインと板厚偏差ゲインにより構成され,図9の例で,これらは鋼種,板厚,板幅で層別されており,たとえば鋼種がSS400,板厚が2.0-3.0mm,板幅が1000mm以下のとき,圧下位置偏差ゲインとして0.5が,板厚偏差ゲインとして0.45が格納されていることを示している。また鋼種がSS400,板厚が12.0mm以上,板幅が1400mm以上のとき,圧下位置偏差ゲインとして0.5が,板厚偏差ゲインとして0.55が格納されていることを示している。
S8-4では圧下位置補正量記憶部116から,直近の圧延の結果として記憶している圧下位置補正量の値(Ds0_c)iを取り込む。図10に圧下位置補正量記憶部116の構成を示す。本実施例で,圧下位置補正量記憶部116に記憶されている圧下位置補正量は,鋼種と板厚で層別されており,該当層別の過去の圧延に対応して圧下位置補正量算出部115から出力された各スタンドの圧下位置補正量が記憶されている。該当層別毎に,各スタンド(F1〜F7)について圧下位置補正量の値(Ds0_c)iが格納されており,図10では,鋼種がSS400,板厚が1.6mm以下のとき,圧下位置補正量として,F1から順に,0.21,-0.03,0.14,0.03,-0.1,0.18,0.31が格納された例を示している。S8-5では,S8-1〜S8-4で取り込んだ値とゲインを用い,〔数10〕にしたがって,当該スタンドの圧下位置補正量(Ds0)iを算出し,制御指令セットアップ部101に出力する。

〔数10〕
(Ds0)i =α・(Ds0_c)i+(1−α)・(Ds0_p)i+β・(hd)i

ここで,α:圧下位置偏差ゲイン,β:板厚偏差ゲイン
(Ds0_c)i:圧下位置補正量記憶部116から取り出した
第iスタンドの圧下位置補正量

αは当該スタンドの圧下位置補正量(Ds0)iを算出するにあたり,圧下位置補正量記憶部116に蓄えられている過去の圧延実績に基づく圧下位置補正量と,直近圧延された鋼板163の圧延実績で計算された圧下位置補正量の配分比率を決定する係数で,0〜1の値をとる。αが0のとき,当該鋼板163の圧延実績で計算された圧下位置補正量は無視され,圧下位置補正量記憶部116に蓄えられている過去の圧延実績に基づく圧下位置補正量を用いた計算で,当該スタンドの圧下位置補正量(Ds0)iが決定される。逆に,αが1のとき,当該スタンドの圧下位置補正量(Ds0)iは直近圧延された鋼板163の圧延実績を用いて計算され,圧下位置補正量記憶部115に蓄えられている過去の圧延実績に基づく圧下位置補正量は無視される。0<α<1.0のときはαにしたがった比率でこれらが按分され,たとえばαが0.5のとき,圧下位置補正量記憶部116に蓄えられている圧下位置補正量と,直近圧延実績で計算された圧下位置補正量が同じ割合で按分される。一方,βはF7出側の板厚偏差をどの程度考慮するかに対応した係数で,通常は,0〜1の値をとる。βが0のとき,板厚偏差を考慮しないで圧下位置補正量(Ds0)iを算出することを示している。逆に,βが1のとき,板厚偏差に対応した値をそのまま各スタンドの圧下位置補正量(Ds0)iに加算することを示している。0<β<1.0のときはβにしたがった比率で板厚偏差を考慮し,板厚偏差が減少する方向に各スタンドの圧下位置を補正することを示している。また右辺第3項は板厚偏差が小さいときは小さな値となる。したがって板厚偏差が小さいとき第3項は(Ds0)iの計算結果に影響を及ぼさないので,板厚偏差が小さい良好な状態を維持できる。S8-6では,〔数10〕で算出した当該スタンドの圧下位置補正量(Ds0)iを圧下位置補正量記憶部116に格納する。S8-7ですべてのスタンドについて処理が終了したかを確認し,終了していなければS8-2〜S8-6の処理を繰り返す。すべてのスタンドについて処理が終了したら,当該圧延における圧下位置補正量算出部115の処理を終了する。
計算された圧下位置補正量(Ds0)iは,制御指令セットアップ部101で以下のように使用される。図2のS2-7で,圧下位置は〔数6〕の計算式にしたがって算出したが,圧下位置補正量算出部115から圧下位置補正量を受け取った後は,以下にしたがって圧下位置の算出を行う。すなわち,F7出側で目標板厚が得られる圧下位置を各スタンドで設定するため,各スタンドの圧下位置設定値(S)iを〔数11〕に示すように,圧下位置補正量(Ds0)iを加算して算出する。

〔数11〕
(S)i=(h)i−(P)i/(K)i+(Ds0)i

(S)i:圧下位置,(h)i:目標となる出側板厚,(P)i:圧延荷重,
(K)i:ミルばね定数,ここで,i:第iスタンドに対応した値

実際には圧下位置を高精度に算出するため,ロールのたわみを制御する各スタンドのベンダー圧を始め,圧延荷重が低荷重時の補正項,圧下位置の零点と対応する項,オイル膜厚みの項等,種々の補正項が付加される。
本実施例では,制御対象150として熱間タンデム圧延仕上げミルの例を,またタンデム圧延ミルの制御装置100として,熱間タンデム圧延ミルの制御装置の例を示したが,制御対象が冷間タンデム圧延ミルであっても,本発明をそのまま適用することが可能である。また本実施例では仕上げミル160が7つの圧延スタンド161で構成される例を示したが,タンデムミルとしては4〜6スタンドで構成される場合もある。この場合でも本発明をそのまま適用できる。または仕上げミル160が1スタンドまたは2スタンドで構成され,往復圧延により鋼板163生産する場合もある。この場合でも,入側と出側の板厚を検出もしくは推定することで,本発明をそのまま適用することができる。
図11に本発明の第2の実施例として,〔数11〕で用いる配分係数αを,前後して圧延される鋼板163の類似度にしたがって可変とする機能を追加した場合を示す。鋼種類似度算出部1102は直近圧延された鋼板の鋼種と次回圧延される鋼板の鋼種について,鋼板層別記憶部1101からそれぞれの類似度番号を取り込み,配分係数算出部1103に出力する。配分係数算出部1103は鋼種類似度算出部1102から受け取った前後の鋼板の類似度をもとに,配分係数αの適切な値を算出し,圧下位置補正量算出部115に出力する。圧下位置補正量算出部115はS8-5処理で,配分係数算出部1103から受け取ったαを用いて〔数10〕の計算を行う。
図12に鋼種類似度算出部1102の処理を示す。S12-1で直近圧延された鋼板の鋼種と次回圧延される鋼板の鋼種について,鋼板層別記憶部1101からそれぞれの類似度番号を取り込む。
図13に鋼板層別記憶部1101の構成を示す。それぞれの鋼種に対応付けて類似度番号が定義されており,類似度番号が近いほどそれらの鋼種の特性(変形抵抗等)が類似なことを意味し,類似度番号が異なるほど鋼種の特性が異なることを意味する。たとえば鋼板層別記憶部1101より,SS400の類似度番号は4でSS490の類似度番号は5であり,これらは鋼種としては異なるものの類似度が大きい鋼種であることを示す。一方,SPHCの類似度番号は2であり,SS400とSPHCの類似度はSS400とSS490の関係ほど大きくないことが示されている。さらにSS400とDPの類似度番号は大きく異なっており,これらは異質の鋼種であることを示している。次にS12-2で二つの鋼板の類似度番号VniとVnjの差から,これらの鋼板の類似度Vを〔数12〕にしたがって算出する。

〔数12〕
V=|Vni−Vnj|

〔数12〕より,Vが小さいほど類似度が大きく,Vが大きいほど類似度が小さい。最後にS12-3で,類似度Vを配分係数算出部1103に出力する。配分係数算出部1103では,たとえば〔数13〕により,配分係数αを算出する。

〔数13〕
α=1−(V/Vc)

ただし,Vc < V のとき,V=Vc,Vc:α=0に対応する類似度

〔数13〕により,類似度が大きいとき(Vが小さいとき)αは1に近い値となり,類似度が小さいとき(Vが大きいとき)αは0近い値となる。またVがVcより大きいとき,αは0となる。圧下位置補正量算出部115はこのαを用いて〔数10〕の計算を行う。
以上説明したように,タンデム圧延ミルのセットアップ制御に,有効に適用できる。
100 タンデム圧延ミルの制御装置
101 制御指令セットアップ部
102 ドラフトスケジュール記憶部
103 速度パターン記憶部
110 実績収集部
111 中間板厚算出部
112 圧下位置偏差算出部
113 板厚偏差算出部
114 圧下位置補正量算出ゲイン記憶部
115 圧下位置補正量算出部
116 圧下位置補正量記憶部
1101 鋼板層別記憶部
1102 鋼板類似度算出部
1103 配分係数算出部

Claims (8)

  1. 複数の圧延スタンドを備えたタンデム圧延ミルを制御対象とし,該圧延スタンドに備えられたワークロールで連続的に圧延される鋼板の板厚を所望の値に制御するタンデム圧延ミルの制御装置であって,
    前記鋼板が圧延されたときに,前記複数の各圧延スタンドで取得された圧延実績値を用いて前記各圧延スタンドに備えられたワークロールの圧下位置を推定するとともに,前記推定した圧下位置と,当該圧延で得られる各圧延スタンドでのワークロールの圧下位置実績値とに基づいて,前記各圧延スタンドでのワークロールの圧下位置偏差を算出する圧下位置偏差算出部と,
    前記鋼板の目標板厚と前記タンデム圧延ミルの最終段の圧延スタンドの出側に設けられた板厚計測部により検出される前記鋼板の板厚との偏差を算出する板厚偏差算出部と,
    圧下位置偏差ゲインと板厚偏差ゲインとを記憶する圧下位置補正量算出ゲイン記憶部と,
    前記圧下位置偏差ゲインと前記板厚偏差ゲインとを前記圧下位置補正量算出ゲイン記憶部から取得し,前記圧下位置偏差と前記圧下位置偏差ゲインとを乗じた値と,前記板厚偏差と前記板厚偏差ゲインとを乗じた値とを加算することによって,前記各圧延スタンドでの圧下位置補正量を算出する圧下位置補正量算出部と,
    次に圧延される鋼板について,前記各圧延スタンドでのワークロールの圧下位置を算出し,算出した圧下位置を前記圧下位置補正量で補正して前記各圧延スタンドに設定する圧下位置を算出する制御指令セットアップ部と,
    を備えることを特徴とするタンデム圧延ミルの制御装置。
  2. 前記圧下位置補正量算出ゲイン記憶部は,前記鋼板の鋼種と目標板厚と目標板幅の少なくとも1つに対応づけて前記圧下位置偏差ゲインと前記板厚偏差ゲインとを記憶すること
    を特徴とする請求項1に記載のタンデム圧延ミルの制御装置。
  3. 前記圧下位置偏差ゲインは,前記圧下位置偏差の重要度を表す0以上1以下の定数であり,
    前記板厚偏差ゲインは,前記鋼板の板厚偏差の重要度を表す0以上1以下の定数であることを特徴とする請求項1または2に記載のタンデム圧延ミルの制御装置。
  4. 過去の圧延実績で算出された前記圧下位置補正量を前記鋼板の鋼種と目標板厚と目標板幅に対応づけて前記スタンド毎に記憶した圧下位置補正量記憶部をさらに備え,
    前記圧下位置補正量算出部は,前記圧下位置偏差算出部により算出された圧下位置偏差と,前記板厚偏差算出部により算出された板厚偏差と,前記圧下位置補正量記憶部から取得した過去の圧延で算出された圧下位置補正量とから,前記制御指令セットアップ部に出力する圧下位置補正量を算出すること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタンデム圧延ミルの制御装置。
  5. 前記タンデム圧延ミルの最終段の圧延スタンドの出側に設けられた板厚計測部により検出される前記鋼板の板厚と,前記複数の圧延スタンドそれぞれのワークロールの周速であるロール速度とに基づき,前記複数の圧延スタンドそれぞれの入側の板厚である中間板厚を,前記最終段の圧延スタンドから上流へ向かって順次算出する中間板厚算出部をさらに備え,
    前記圧下位置偏差算出部は,前記圧延した鋼板の圧延実績に基づき当該圧延における前記ワークロールの圧下位置を算出するときには,前記中間板厚算出部で算出された中間板厚を用いて,前記複数の圧延スタンドそれぞれにおけるワークロールの圧下位置を推定すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のタンデム圧延ミルの制御装置。
  6. 鋼板の特性の類似性が大きいほど類似の値となる類似度番号を前記鋼板の鋼種に対応付けて記憶した類似度番号記憶部と,
    前記類似度番号記憶部から前記圧延した鋼板および次に圧延される鋼板のそれぞれの類似度番号を取得し,前記取得した2つの類似度番号の差を類似度として算出する鋼板類似度算出部と,
    前記算出した類似度に基づき,0以上1以下の定数である配分係数を算出する配分係数算出部とをさらに備え,
    前記圧下位置補正量算出部は,前記算出した圧下位置補正量と前記圧下位置補正量記憶部から取得した過去の圧延で算出された圧下位置補正量とを前記算出した配分係数で按分して加算した値と,前記板厚偏差算出部により算出された板厚偏差とから,前記圧下位置補正量を算出すること
    を特徴とする請求項4に記載のタンデム圧延ミルの制御装置。
  7. 前記配分係数算出部は,前記類似度が小さいほど前記配分係数が大きくなり,前記類似度が大きいほど前記配分係数が小さくなるように,前記配分係数を算出すること
    を特徴とする請求項6に記載の圧延ミルの制御装置。
  8. 複数の圧延スタンドで鋼板を連続的に圧延するタンデム圧延ミルを制御するコンピュータが,前記鋼板が圧延されたときに,前記複数の圧延スタンドの各圧延スタンドで取得された圧延実績値を用いて前記各圧延スタンドでのワークロールの圧下位置を推定するとともに,前記推定した各圧延スタンドでの圧下位置と,当該圧延で得られる各圧延スタンドでの圧下位置実績値とに基づいて,前記各圧延スタンドでの圧下位置偏差を算出する圧下位置偏差算出ステップと,
    前記鋼板の目標板厚と前記タンデム圧延ミルの最終段の圧延スタンドの出側で計測した前記鋼板の板厚との偏差を算出する板厚偏差算出ステップと,
    前記圧下位置偏差算出ステップによって算出された前記各圧延スタンドでの各圧下位置偏差に圧下位置偏差ゲインを乗じた値と,前記板厚偏差算出ステップによって算出された板厚偏差に板厚偏差ゲインを乗じた値とを加算することによって前記各圧延スタンドでの圧下位置補正量を算出する圧下位置補正量算出ステップと,
    次に圧延される鋼板について,前記各圧延スタンドでのワークロールの圧下位置を算出するとともに,前記算出した各圧延スタンドでのワークロールの圧下位置を,前記圧下位置補正量算出部で算出した各圧延スタンドでの圧下位置補正量で補正し,前記補正した圧下位置を用いて前記各圧延スタンドに設定する圧下位置を算出する制御指令セットアップステップと,
    を実行する
    タンデム圧延ミルの制御方法。
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