JP2745358B2 - ポジ型感光性平版印刷版 - Google Patents

ポジ型感光性平版印刷版

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JP2745358B2
JP2745358B2 JP4186995A JP18699592A JP2745358B2 JP 2745358 B2 JP2745358 B2 JP 2745358B2 JP 4186995 A JP4186995 A JP 4186995A JP 18699592 A JP18699592 A JP 18699592A JP 2745358 B2 JP2745358 B2 JP 2745358B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポジ型感光性平版印刷版
に関するものであり、特にo−キノンジアジド化合物ま
たはジアゾニウム塩を含有するポジ型感光性組成物に、
特定の化合物を添加して高感度化したポジ型感光性組成
物を含有する感光性平版印刷版に関するものである。更
に詳しくは、現像許容性に影響を及ぼすことなく、感度
を高めたポジ型感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来技術】従来、平版印刷版の用途において、活性光
線により可溶化する、いわゆるポジティブに作用する感
光性組成物として種々の提案が行われ、例えば、アルミ
ニウム基板上にo−キノンジアジド化合物を含有する感
光性組成物、またはジアゾニウム塩を含有する感光性組
成物を設けたものが知られている。o−キノンジアジド
化合物は、最も研究されたポジ型の感光性化合物であ
り、活性光線の照射により分解を起こして5員環のカル
ボン酸を生じ、アルカリ水溶液に可溶になることが知ら
れている。このようなo−キノンジアジド化合物として
は、例えば米国特許第2,766,118 号、同第2,767,092
号、同第2,772,972 号、同第2,859,112 号、同第2,907,
665 号、同第3,046,110 号、同第3,046,111 号、同第3,
046,115 号、同第3,046,118 号、同第3,046,119 号、同
第3,046,120 号、同第3,046,121 号、同第3,046,122
号、同第3,046,123 号、同第3,061,430 号、同第3,102,
809 号、同第3,106,465 号、同第3,635,709 号、同第3,
647,443 号の各明細書をはじめ、多数の刊行物に記され
ている。これらの化合物を用いることにより、良好なポ
ジ型の画質が形成可能であるが、一方o−キノンジアジ
ド化合物が光化学的な増感が困難であり、本質的に量子
収率が1を越えないため、いずれも十分な感度を示すも
のではなかった。従来、このo−キノンジアジド系のポ
ジ型感光性を高める方法については種々の提案がなされ
てきたが、満足するものは得られていない。たとえばo
−キノンジアジド化合物の量を少なくすると、見かけ上
感度は上昇するが、それに伴って現像時における現像許
容性(最適現像結果が得られるに許容される時間幅)が
狭くなり、実用性に乏しい。
【0003】また、o−キノンジアジド化合物にアルカ
リ水溶液溶解性の大きいバインダー樹脂を組み合わせた
系は、上記と同じ結果を与える。また、o−キノンジア
ジド化合物を含む感光性組成物に非感光性の化合物(増
感剤)を添加して、感度を上昇させる技術がいくつか提
案されているが、いずれも十分な効果を得ておらず、ま
た種々の欠点を有しているのが現状である。例えば、米
国特許第3,661,582 号明細書に記載されているように、
一定の複素環式化合物、例えば2−アザシクロナノン−
2−オン、インドール、キナゾリン及びテトラゾールの
添加によって感度を向上させることができるが、この場
合も上記した場合と同様に極度に狭い現像許容性を有す
るにすぎなかった。更に特公昭46−42449 号公報には、
写真感光度を上昇させるための種々の添加剤、例えばト
リフェニルメタン染料、ベンズアルデヒド−m−トリル
ヒドラジン、ハロゲン化炭化水素及びアゾ染料が記載さ
れているが、これらの化合物は顕著な高感度化効果を有
していない。
【0004】また同じ目的で、特開昭50−36203 号に
は、o−安息香酸スルフィミド、ヒダントインおよびそ
の誘導体、チオヒダントイン及びその誘導体が、特開昭
52−80022 号には酸無水物の添加剤が提案されている。
しかしこれらの場合にも、感度の上昇が認められる程度
の添加量においては、現像時における現像許容性が狭く
なる欠点があった。更に特開昭55−73045 号には、感度
上昇を目的としてヒドロキシベンゾフェノンとホルムア
ルデヒドとの縮合生成物の添加が提案されているが、明
らかな感度上昇が認められるにはかなりの添加量が必要
であり、現像許容性と耐薬品性の低下は免れることがで
きなかった。更に特開昭57−118237号、特開昭57−1182
38号には、高感度化の目的で、数種の化合物が記載され
ているが、現像許容性に欠点を有している。一方ジアゾ
ニウム塩を含有するポジ型組成物としては、例えば、米
国特許第3,219,447 号、同第3,211,553 号、特公昭39−
7663号、特開昭52−2519号等に記載されているものがあ
げられるが、低感度であり、画像形成の安定性に欠けて
いるため実用に供することができなかった。これらの感
光性組成物に高感度化を目的として米国特許第3,661,58
2 号、特開昭52−80022 号に記載の化合物の添加を試み
てみたが、o−キノンジアジド系のポジ型感光体と同様
に、高感度化と現像許容性を両立させることはできなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特定
の添加物を含有させることにより現像許容性等他の重要
な特性に不利な影響を与えることなしに感度を向上させ
た、ポジ型感光性平版印刷版を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、o−キノンジ
アジド化合物またはジアゾニウム塩と、下記一般式
(I)で示される化合物とを含有する感光層を有するポ
ジ型感光性平版印刷版を提供するものである。
【0007】
【化3】
【0008】ここでR1 〜R4 は水素原子、水酸基、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基もしくはアルケ
ニル基を表し、同一であっても異なっていても良く、R
5 、R6 は水素原子、アルキル基、もしくは
【0009】
【化4】
【0010】を表し、a,cは0または1を表し、bは
0または1〜4の整数を表す。以下本発明の印刷版用ポ
ジ型感光性組成物について詳細に説明する。本発明の印
刷版用ポジ型感光性組成物は、支持体上にo−キノンジ
アジド化合物またはジアゾニウム塩を含むポジ型の感光
性組成物を設けたものであり、必要に応じてその間に下
塗層を、感光性組成物層の上にマット層を設けたもので
ある。
【0011】本発明に使用される支持体としては、寸度
的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属が
ラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチ
ックフィルム等が含まれる。その中でも寸法安定性がよ
く、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およびアル
ミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であ
り、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着された
プラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含
まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネ
シウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンな
どがある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以
下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、
純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは
精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有
するものでもよい。このように本発明に適用されるアル
ミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従
来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用す
ることができる。本発明で用いられるアルミニウム板の
厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度である。アルミニウム
板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を
除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤またはアル
カリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。
【0012】アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種
々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化す
る方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および
化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機
械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラ
スト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いること
ができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸ま
たは硝酸電解液中で交流または直流により行う方法があ
る。また、特開昭54−63902 号に開示されているように
両者を組み合わせた方法も利用することができる。この
様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアル
カリエッチング処理および中和処理された後、所望によ
り表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理
が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられ
る電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電
解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、
クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの
電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるの
で一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜
80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60
A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の
範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/
m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版
の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分に
インキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要に
より親水化処理が施される。本発明に使用される親水化
処理としては、米国特許第2,714,066 号、同第3,181,46
1 号、第3,280,734 号および第3,902,734 号に開示され
ているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナ
トリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持
体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるかまたは
電解処理される。他に特公昭36−22063 号公報に開示さ
れているフッ化ジルコン酸カリウムおよび米国特許第3,
276,868 号、同第4,153,461 号、同第4,689,272 号に開
示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方
法などが用いられる。
【0013】次に上記一般式(I)で示される化合物が
添加されるポジ型感光性組成物について説明する。ポジ
型感光性組成物としては、従来より公知のo−キノンジ
アジド化合物またはジアゾニウム塩を含む感光性組成物
を使用することができる。これらの感光性組成物は主に
o−キノンジアジド化合物またはジアゾニウム塩とアル
カリ可溶性バインダーからなるが、特にアルカリ可溶性
バインダーがフェノール性樹脂である場合が好ましい。
本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少な
くとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、
活性光線照射によりアルカリ可溶性を増すものであり、
種々の構造の化合物を用いることができる。例えば、
J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」
(John Wiley & Sons. Inc.)第339〜352頁に記載
の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロ
キシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo
−キノンジアジドのスルホン酸エステルまたはスルホン
酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403 号公報
に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジア
ジドスルホン酸クロライドまたはナフトキノン−(1,
2)−ジアジドスルホン酸クロライドとピロガロール−
アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120 号お
よび同第3,188,210 号に記載されているベンゾキノン−
(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライドまたはナフ
トキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド
とフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好
適に使用される。その他の有用なo−キノンジアジド化
合物としては、数多くの特許に報告され知られている。
例えば特開昭47−5303号、特開昭48−63802 号、特開昭
48−63803 号、特開昭48−96575号、特開昭49−38701
号、特開昭48−13354 号、特公昭41−11222 号、特公昭
45−9610号、特公昭49−17481 号、米国特許第2,797,21
3 号、同第3,454,400 号、同第3,544,323 号、同第3,57
3,917 号、同第3,674,495 号、同第3,785,825 号、英国
特許第1,227,602 号、同第1,251,345 号、同第1,267,00
5 号、同第1,329,888 号、同第1,330,932 号、ドイツ特
許第854,890 号などの各明細書中に記載されているもの
をあげることができる。
【0014】また本発明で使用されるジアゾニウム塩と
しては、米国特許第3,219,447 号、同第3,211,553 号、
特公昭39−7663号、特開昭52−2519号、特願平3−3258
59号等に記載の公知のジアゾニウム塩をあげることがで
きる。特に効果的なジアゾニウム塩の例としては下記一
般式(II)、(III)、(IV)、(V)で示される化合物
を挙げることができるがこれに限定されるものではな
い。
【0015】
【化5】
【0016】式中R1 は炭素数3〜18のアルキル基ま
たは置換アルキル基を示し、R2 は水素原子、アルキル
基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ア
ルコキシ基、置換アルコキシ基、フェノキシ基、置換フ
ェノキシ基又はハロゲン原子を示す。X- は対アニオン
を示す。nは1〜4の整数、mは1〜3の整数を示し、
n+m=4である。R3 、R4 は各々独立にアルキル
基、置換アルキル基、アリール基または置換アリール基
を示す。又R3 とR4 は互いに結合してモルホリノ基、
ピペリジノ基、ピペラジニル基、ピロリジニル基等の複
素環式基を形成しても良い。Yは酸素原子、硫黄原子、
−NH−、−CH2 −、又は−C(CH3)2 −を示す。Zは水素
原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換
アリール基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アルキ
ルカルボニル基、置換アルキルカルボニル基、アリール
カルボニル基、置換アリールカルボニル基、シアノ基、
ニトロ基又はハロゲン原子を示す。kは1〜5の整数を
示す。Qは二価の連結基を示す。
【0017】本発明で使用されるo−キノンジアジド化
合物、またはジアゾニウム塩の添加量は好ましくは感光
性組成物全固形分に対し、1〜50重量%、更に好まし
くは5〜30重量%の範囲である。これらの化合物は単
一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよ
い。本発明で使用されるアルカリ可溶性バインダーとし
ては、好ましくはフェノール性ヒドロキシ基、カルボン
酸基、スルホン酸基、イミド基、スルホンアミド基、N
−スルホニルアミド基、N−スルホニルウレタン基、活
性メチレン基等のpKall 以下の酸性基を有するポリマー
である。好適なアルカリ可溶性ポリマーとしては、ノボ
ラック型フェノール樹脂、具体的にはフェノール−ホル
ムアルデヒド樹脂、o−クレゾール−ホルムアルデヒド
樹脂、m−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、p−ク
レゾール−ホルムアルデヒド樹脂、キシレノール−ホル
ムアルデヒド樹脂またはこれらの共縮合物等がある。更
に、特開昭50−125806号公報に記されているように上記
の様なフェノール樹脂と共に、t−ブチルフェノール−
ホルムアルデヒド樹脂のような炭素数3〜8のアルキル
基で置換されたフェノールまたはクレゾールとホルムア
ルデヒドとの縮合物を併用してもよい。またN−ヒドロ
キシスチレン、m−イソプロペニルフェノール、p−イ
ソプロペニルフェノール等の単独または共重合ポリマ
ー、さらにこれらのポリマーの部分エーテル化もしくは
部分エステル化したポリマーも使用できる。更に、アク
リル酸、メタクリル酸等のカルボキシ基含有モノマーを
共重合成分とするポリマー、特開昭61−267042号公報記
載のカルボキシ基含有ポリビニルアセタール樹脂、特開
昭63−124047号公報記載のカルボキシル基含有ポリウレ
タン樹脂も好適に使用される。更にまた、N−(4−ス
ルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−フェニ
ルスルホニルメタクリルアミド、マレイミドを共重合成
分とするポリマー、特開昭63−127239号公報記載の活性
メチレン基含有ポリマーも使用できる。これらのアルカ
リ可溶性ポリマーは単一で使用できるが、数種の混合物
として使用してもよい。感光物組成中のアルカリ可溶性
ポリマーの添加量は、好ましくは感光物組成全固形分に
対し、5〜99重量%、更に好ましくは10〜90重量
%の範囲である。
【0018】次に一般式(I)で示される化合物につい
て説明する。一般式(I)で示される化合物はポジ型の
感光性組成物に添加することにより、現像許容性等他の
重要な特性に不利な影響を与えることなしに感度を向上
させることができる。上記一般式(I)のR1 〜R4
おいて、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子も
しくはヨウ素原子が、アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、 s
ec−ブチル基もしくはt−ブチル基のような炭素数1〜
4のアルキル基が、アルコキシ基としてはメトキシ基、
エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒ
ドロキシプロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキ
シ基、イソブトキシ基、 sec−ブトキシ基もしくはt−
ブトキシ基の様な炭素数1〜4のアルコキシ基が好まし
い。アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、ア
リル基もしくはブテニル基の様な炭素数2〜4のアルケ
ニル基が好ましい。
【0019】一般式(I)で表される化合物は、例えば
Chemishe Beriche 74 巻、1772頁(1941 年) 記載の方法
により得られるp −ヒドロキシフェニルケトン化合物を
用い、特開昭55−162728号に記載の方法、即ち、酸性条
件もしくはアルカリ性条件下で、カルボニルプリカーサ
ーとフェノール誘導体を反応させることにより得られ
る。また、例えば米国特許2965611 号記載の方法によ
り、ハロケトン化合物とフェノール誘導体を酸性条件
下、反応させることにより得られる。反応を酸性条件下
で行う場合、メルカプト基を含有する触媒を使用するの
が好ましい。メルカプト基を含有する触媒の具体例とし
ては、エタンチオール、1−ブタンチオール、チオフェ
ノール、メルカプト酢酸等を挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。縮合反応は理論量以上
のフェノール反応成分を用いて行うのが好ましい。反応
温度は室温〜100℃、もしくはそれ以上の温度が好ま
しい。縮合反応の進行は、クロマトグラフ法または分光
分析法で容易に監視できる。例えば赤外分光分析を用い
て、カルボニル吸収帯の減少によって容易に追跡でき
る。これらの化合物の精製は、再結晶、溶離クロマトグ
ラフィー等で行うことができる。再結晶に好適な溶剤
は、塩化メチレン、ベンゼン、シクロヘキサノン、メタ
ノール、エタノール、及びアルコール−水混合物等であ
る。このようにして得られる一般式(I)で表される化
合物の具体例としては、下記〔I−a〕〜〔I−p〕で
示される化合物等をあげることができるが、これらに限
定されるものではない。これらのポリヒドロキシ化合物
は単独で、もしくは2種以上の組合せで用いられる。
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】一般式(I)で表される化合物の配合量
は、キノンジアジド化合物100重量部に対し、通常1
50重量部以下、好ましくは5〜100重量部である。
この使用比率が5重量部未満では感度上昇効果が実質的
に得られず、また150重量部を超えると残膜率が著し
く低下する。本発明のポジ型感光性組成物には更に必要
に応じて、種々の添加剤を添加することができる。例え
ばオクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂の様な炭素
数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノール
とホルムアルデヒドの縮合物を併用することは、画像の
感脂性を向上させる上で好ましい。
【0027】又更に感度を向上させる目的で、環状酸無
水物類、フェノール類、有機酸類を併用させることもで
きる。環状酸無水物としては米国特許第4,115,128 号明
細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水
フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エント
オキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロ
ル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン
酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水
ピロメリット酸などが使用できる。フェノール類として
は、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エ
トキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベン
ゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4”−
トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,3”,
4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラ
メチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。更に、有
機酸類としては、特開昭60−88942 号、特開平2−9675
5 号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフ
ィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エス
テル類およびカルボン酸類などがあり、具体的には、p
−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホス
ホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン
酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、
p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル
酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキセン−2,2−
ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン
酸、アスコルビン酸などが挙げられる。上記の環状酸無
水物、フェノール類および有機酸類の感光性組成物中に
占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好
ましくは0.1〜5重量%である。
【0028】また、本発明における感光性組成物中に
は、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開
昭62−251740号公報や特願平2−188 号明細書に記載さ
れているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044
号公報、特願平2−115992号明細書に記載されているよ
うな両性界面活性剤を添加することができる。非イオン
界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアリ
ート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオ
レート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両性界面
活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)
グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、
2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシ
エチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−
N,N−ベタイン型界面活性剤(例えば、商品名アモー
ゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。上記非イ
オン界面活性剤および両性界面活性剤の感光性組成物中
に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より
好ましくは0.1〜5重量%である。
【0029】本発明における感光性組成物中には、露光
後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤
としての染料や顔料を加えることができる。焼き出し剤
としては、露光によって酸を放出する化合物(光酸放出
剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙
げることができる。具体的には、特開昭50−36209 号、
同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノ
ンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機
染料の組合せや、特開昭53−36223 号、同54−74728
号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号お
よび同63−58440 号の各公報に記載されているトリハロ
メチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げること
ができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキ
サゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どち
らも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
画像の着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に
他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料も含
めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料をあげ
ることができる。具体的にはオイルイエロー#101、
オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイ
ルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#
603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オ
イルブラックT−505(以上オリエント化学工業
(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイ
オレット(CI42555)、メチルバイオレット(C
I42535)、エチルバイオレット、ローダミンB
(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI4
2000)、メチレンブルー(CI52015)などを
挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に
記載されている染料は特に好ましい。これらの染料は、
感光性組成物全固形分に対し、0.01〜10重量%、好
ましくは0.1〜3重量%の割合で感光性組成物中に添加
することができる。更に本発明の感光性組成物中には必
要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加
えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリ
コール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチ
ル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸ト
リオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アク
リル酸またはメタアクリル酸のオリゴマーおよびポリマ
ー等が用いられる。
【0030】本発明のポジ型感光性組成物は、通常上記
各成分を溶媒に溶かして、支持体上に塗布する。ここで
使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロ
ヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ
−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メ
チル、乳酸エチル、N,N−ジメトキシアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、
N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホ
ラン、γ−ブチルラクトン、トルエン等をあげることが
できるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒
は単独あるいは混合して使用される。溶媒中の上記成分
(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜5
0重量%である。また塗布、乾燥後に得られる支持体上
の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、感光性
印刷版についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2が好ま
しい。塗布する方法としては、種々の方法を用いること
ができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、ス
プレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイ
フ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることがで
きる。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大
になるが、感光膜の皮膜特性は低下する。本発明の印刷
版用ポジ型感光性組成物を用いた印刷版は、支持体上に
o−キノンジアジド化合物またはジアゾニウム塩を含む
ポジ型の感光性組成物を設けたものであるが、必要に応
じてその間に下塗層を、感光性組成物層の上にマット層
を設けることができる。下塗層成分としては種々の有機
化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロー
ス、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホ
スホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基
を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン
酸、アルキルホスホン酸グリセロホスホン酸、メチレン
ジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホ
スホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフ
チルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸など
の有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィ
ン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸お
よびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グ
リシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエ
タノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するア
ミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用い
てもよい。
【0031】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。即ち、水またはメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれら
の混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアル
ミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水または
メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有
機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を
溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合
物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有
機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の
有機化合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々
の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度
は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%で
あり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50
℃であり、浸漬時間は0.1〜20分、好ましくは2秒〜
1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエ
チルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩
酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲で使
用することもできる。又、感光性平版印刷版の調子再現
性改良のために黄色染料を添加することもできる。有機
下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好
ましくは5〜100mg/m2である。上記の被覆量が2mg
/m2よりも少ないと十分な耐刷性能が得られない。ま
た、200mg/m2より大きくても同様である。また、本
発明のポジ型感光性組成物層の表面には、真空焼き枠を
用いた密着露光の際の真空引きの時間を短縮し、且つ焼
きボケを防ぐため、マット層が設けられる。具体的には
特開昭50−125805号、特公昭57−6582号、同61−28986
号の各公報に記載されているようなマット層を設ける方
法、特公昭62−62337 号公報に記載されているような固
体粉末を熱融着させる方法などが挙げられる。本発明に
用いられるマット層の平均径は100μm以下が好まし
く、より好ましい範囲としては2〜8μmである。平均
径が大きくなると、細線が付き難く、ハイライトドット
も点減りし、調子再現上好ましくない。平均径が2μm
以下では真空密着性が不十分で焼きボケを生じる。マッ
ト層の塗布量は5〜200mg/m2が好ましく、更に好ま
しくは20〜150mg/m2である。塗布量がこの範囲よ
り大きいと擦傷の原因となり、これよりも小さいと真空
密着性が不十分となる。
【0032】上記の様にして作成されたポジ型感光性印
刷版は、通常、像露光、現像行程を施される。像露光に
用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、
メタルハライド、キセノンランプ、ケミカルランプ、カ
ーボンアーク等がある。放射線としては、電子線、X
線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i
線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザー
ビーム)も使用される。レーザービームとしてはヘリウ
ム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレ
ーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエキシ
マレーザー等が挙げられる。本発明の印刷版用ポジ型感
光性組成物を用いた印刷版の現像液および補充液として
は従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。
例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナ
トリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナ
トリウム、同カリウム、同アンモニウム、重炭酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同
カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリ
ウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニ
ウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ
塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチル
アミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、
ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−
ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エ
チレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用い
られる。これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を
組み合わせて用いられる。これらのアルカリ剤の中で特
に好ましい現像液としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸
カリウム等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸
塩の成分である酸化珪素 SiO2 とアルカリ金属酸化物 M
2Oの比率と濃度によって現像性の調節が可能となるため
であり、例えば、特開昭54−62004 号公報、特公昭57−
7427号に記載されているようなアルカリ金属ケイ酸塩が
有効に用いられる。更に自動現像機を用いて現像する場
合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充
液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク
中の現像液を交換する事なく、多量のPS版を処理でき
ることが知られている。本発明においてもこの補充方式
が好ましく適用される。
【0033】本発明に使用される現像液および補充液に
は現像性の促進や抑制、現像カスの分散および印刷版画
像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界
面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤
としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および
両性界面活性剤があげられる。更に本発明に使用される
現像液および補充液には必要に応じて、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸の
ナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボ
ン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。上記
現像液および補充液を用いて現像処理された印刷版は水
洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガム
や澱粉誘導体を含む不感脂液で後処理される。本発明の
印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組合せて用いる
ことができる。近年、製版・印刷業界では製版作業の合
理化および標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く
用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後
処理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽お
よびスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に
搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレー
ノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、
最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロー
ルなどによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も
知られている。このような自動処理においては、各処理
液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら
処理することができる。また、実質的に未使用の処理液
で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。こ
の様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印
刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0034】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、これに限定されるものではない。実施例1〜3および比較例a〜e 厚み0.3ミリのアルミニウム板(材質1050)をトリ
クレン洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メ
ッシュのパスミー水懸濁液を用いこの表面を砂目だて
し、よく水で洗浄した。この板を45℃の25%水酸化
ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い水
洗後、更に20%硝酸に20秒間浸漬して水洗した。こ
の時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であっ
た。次にこの板を7%硫酸を電解液として電流密度15
A/dm2 で3g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水
洗乾燥した。この次にこのアルミニウム板に次の感光液
(表1参照)実施例1〜3、および比較例a〜eを塗布
し、100℃2分間乾燥をしてポジ型感光性印刷版1〜
3、およびa〜eを得た。乾燥後の塗布量はすべて2.4
〜2.5g/m2であった。これらのポジ型感光性印刷版を
30アンペアのカーボンアーク灯で70cmの距離から露
光した後、DP−4(商品名:富士写真フィルム株式会
社製)の8倍希釈液により、25℃40秒間自動現像
(800U:富士写真フィルム株式会社製自動現像機に
よる)を行った。この時の適性露光時間は濃度差0.15
のグレースケール(富士写真フィルム株式会社製)で5
段が完全にクリヤーになる点とし、これにより感光性印
刷版の感度とした。またDP−4の8倍希釈液で25℃
のバット現像にて40秒現像時におけるグレースケール
のベタ段数から二段変化する時間(以下現像許容性と称
す。)を求めた。これらのポジ型感光性印刷版の感度
(露光時間)と現像許容性の結果を表2に示す。
【0035】
【表1】 表1 感光液 ─────────────────────────────────── 実施例1 実施例2 実施例3 ─────────────────────────────────── ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−ス 0.90 0.90 0.90 ルホン酸クロライドとピロガロール−アセ (g) トン樹脂とのエステル化合物 クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 1.70 1.70 1.70 t−ブチルフェノール−ホルムアルデヒド 0.05 0.05 0.05 樹脂 ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−ス 0.03 0.03 0.03 ルホン酸クロライド オイルブルー#603 0.02 0.02 0.02 化合物I−a 0.30 − − 化合物I−b − 0.30 − 化合物I−c − − 0.30 テトラヒドロ無水フタル酸 − − − 2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノ − − − ンとホルムアルデヒドとの縮合物 没食子酸 − − − メチルエチルケトン 8 8 8 2−メトキシエチルアセテート 15 15 15 ─────────────────────────────────── 表1(続き) 感光液 ─────────────────────────────────── 比較例a 比較例b 比較例c 比較例d 比較例e ─────────────────────────────────── ナフトキノン-1,2- ジ 0.90 0.70 0.90 0.90 0.90 アジド-5- スルホン酸 クロライドとピロガロ ール−アセトン樹脂と のエステル化合物 クレゾール−ホルムア 2.00 2.20 1.85 1.70 1.90 ルデヒド樹脂 t-ブチルフェノール− 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 ホルムアルデヒド樹脂 ナフトキノン-1,2- ジ 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 アジド-4- スルホン酸 クロライド オイルブルー# 603 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02 化合物I−a − − − − − 化合物I−b − − − − − 化合物I−c − − − − − テトラヒドロ無水フタ − − 0.15 − − ル酸 2,3,4-トリヒドロキシ − − − 0.30 − ベンゾフェノンとホル ムアルデヒドとの縮合 物 没食子酸 − − − − 0.10 メチルエチルケトン 8 8 8 8 8 2−メトキシエチル 15 15 15 15 15 アセテート ───────────────────────────────────
【表2】 表2 性能評価表 ───────────────────────── 感度(露光時間) 現像許容性 ───────────────────────── 実施例1 60(秒) 7分 実施例2 50 7分 実施例3 50 7分 比較例a 120 8分 比較例b 90 3分 比較例c 80 4分 比較例d 85 5分 比較例e 75 4分 ─────────────────────────
【0036】表2からわかるように比較例aに比べ本発
明の一般式(I)の化合物を添加した実施例1〜3は明
らかに感度が上昇(適性露光時間が短い)しており、ま
た現像許容性は比較例aよりわずかに劣るけれども実技
上問題にならない程度である。これに対してo−キノン
ジアジド化合物の量を減少させた比較例bは感度の上昇
は認められるが、現像許容性の低下が大きい。また従来
公知の添加物はいずれも感度は上昇するが、やはり現像
許容性が狭くなってしまう。実施例1〜3と添加物のな
い比較例aを印刷試験したところ、他の性能も問題なく
良好な結果を得た。
【0037】実施例4 ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸クロライド 0.85g とm−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル化合物 クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 1.85g 化合物I−a 0.25g ビクトリア・ピュア・ブルーBOH 0.01g クリスタルバイオレット 0.01g 2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメ 0.03g チル)−s−トリアジン エチレンジクロライド 16g 2−メトキシエチルアセテート 12g 上記組成の感光性塗布液を、電気化学的に粗面化され、
かつ陽極酸化されたアルミニウム板に塗布した。このと
きの乾燥後の膜重量は2.3g/m2であった。こうして得
られた感光板を実施例と同じくして、最適露光時間およ
び現像許容性を調べた。その結果最適露光時間は60秒
であり、現像許容性は7分間であった。以上のようにし
て得られた印刷板をオフセット印刷機にかけて印刷した
ところ、画像良好な印刷物が多数枚得られた。 実施例5,6および比較例f 実施例1で用いたアルミニウム板に、次の感光液(表3
参照)(実施例5,6、および比較例f)を塗布し、1
00℃5分間乾燥をして、ポジ型感光性印刷版5,6お
よび比較例fを得た。乾燥後の塗布量はすべて2.3 〜2.
4g/m2 であった。これらのポジ型感光性印刷版の感度
(露光時間) と現像許容性を実施例1と同様な操作によ
りおこなった。その結果を表4に示す。表4から、本発
明の感光性印刷版(実施例5,6)は、比較例fに比較
し、感度の向上が見られ、現像許容性は実技上、問題に
ならない範囲の低下であることがわかる。
【表3】表3 感光液 実施例5 実施例6 比較例f 下記式(VI)のジアゾニウム塩 0.2 0.2 0.2 (g) クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 1.0 1.0 1.0 オイルブルー♯603 0.02 0.02 0.02 化合物I−d 0.15 −−− −−− 化合物I−i −−− 0.15 −−− メチルエチルケトン 4 4 4 2−メトキシエチルアセテート 7 7 7
【0038】
【化12】
【0039】
【表4】表4 性能評価表 ────────────────────────────── 感度(露光時間) 現像許容性 ────────────────────────────── 実施例5 50秒 7分 実施例6 50秒 7分 比較例f 70秒 8分 ──────────────────────────────

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 o−キノンジアジド化合物またはジアゾ
    ニウム塩と、下記一般式(I)で示される化合物とを含
    有する感光層を有するポジ型感光性平版印刷版。 【化1】 ここでR1 〜R4 は水素原子、水酸基、ハロゲン原子、
    アルキル基、アルコキシ基もしくはアルケニル基を表
    し、同一であっても異なっていても良く、 R5 、R6 は水素原子、アルキル基、もしくは 【化2】 を表し、 a,cは0または1を表し、bは0または1〜4の整数
    を表す。
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