JP3471990B2 - ポジ型感光性平版印刷版およびその製造方法 - Google Patents

ポジ型感光性平版印刷版およびその製造方法

Info

Publication number
JP3471990B2
JP3471990B2 JP27365095A JP27365095A JP3471990B2 JP 3471990 B2 JP3471990 B2 JP 3471990B2 JP 27365095 A JP27365095 A JP 27365095A JP 27365095 A JP27365095 A JP 27365095A JP 3471990 B2 JP3471990 B2 JP 3471990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive
acid
printing plate
lithographic printing
positive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27365095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0990610A (ja
Inventor
幾生 河内
一良 水谷
清隆 吹野
一行 北田
和孝 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP27365095A priority Critical patent/JP3471990B2/ja
Priority to EP19960115583 priority patent/EP0766140B1/en
Priority to DE1996612446 priority patent/DE69612446T2/de
Publication of JPH0990610A publication Critical patent/JPH0990610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3471990B2 publication Critical patent/JP3471990B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/022Quinonediazides
    • G03F7/023Macromolecular quinonediazides; Macromolecular additives, e.g. binders
    • G03F7/0233Macromolecular quinonediazides; Macromolecular additives, e.g. binders characterised by the polymeric binders or the macromolecular additives other than the macromolecular quinonediazides
    • G03F7/0236Condensation products of carbonyl compounds and phenolic compounds, e.g. novolak resins
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/022Quinonediazides
    • G03F7/023Macromolecular quinonediazides; Macromolecular additives, e.g. binders
    • G03F7/0233Macromolecular quinonediazides; Macromolecular additives, e.g. binders characterised by the polymeric binders or the macromolecular additives other than the macromolecular quinonediazides

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポジ型感光性平版印刷
版およびその製造方法に関するものであり、詳しくは水
不溶でかつアルカリ性水溶液可溶な高分子化合物とアル
カリ可溶性ノボラック樹脂を含有する感光層を有するポ
ジ型感光性平版印刷版およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来公知のポジ型感光性平版印刷版は、
バインダーとしてノボラック型フェノール/クレゾール
樹脂を用いていた。この平版印刷版はノボラック樹脂の
性質上被膜がもろく耐摩耗性が劣るため、耐刷力が十分
でない。さらに、耐薬品性が乏しくプレートクリーナー
を頻繁に使用する印刷条件下や、UVインキを使用した
場合、耐刷力が極めて不足する。
【0003】これらを解決するために、バインダーとし
て種々の高分子化合物の添加が検討されている。例え
ば、特公昭52−28401号、特開平1−29124
4号、特開平2−866号等の各公報に記載の高分子化
合物が提案されている。
【0004】しかしながら、上記のバインダーはポジ型
に作用する感光性化合物との相互作用が不十分なため、
現像時の時間および温度の変動や、現像液の濃度の変動
に対する許容性(いわゆる現像ラチチュード)が狭い。
したがって、これらのバインダーを添加すると耐刷力お
よび耐薬品性は向上するものの現像ラチチュードが劣化
するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐刷
力および現像ラチチュードがともに優れるポジ型感光性
平版印刷版およびその製造方法を提供することであり、
特に、プレートクリーナーを頻繁に使用する印刷条件下
や、UVインキを使用した場合にも十分な耐刷力を有
し、現像ラチチュードにも優れるポジ型感光性平版印刷
版およびその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。す
なわち、本発明は、下記(1)〜(3)の構成を有す
る。 (1) 支持体上に、(a)水不溶でかつアルカリ性水
溶液可溶なアクリル系またはウレタン系高分子化合物
と、(b)アルカリ可溶性ノボラック樹脂とを含み、
(a)の高分子化合物と(b)のノボラック樹脂が相溶
しない場合に生じる、(a)の高分子化合物のマトリッ
クス相の中に(b)のノボラック樹脂の球状もしくは扁
平な球状の分散相、または(b)のノボラック樹脂のマ
トリックス相の中に(a)の高分子化合物の球状もしく
は扁平な球状の分散相について、該分散相の最大長径が
0.1〜0.8μmであって、平均長径が0.05〜
0.6μmである分散相を有する感光層を設けたポジ型
感光性平版印刷版。 (2)連続走行する支持体の表面を粗面化した後、この
支持体上に感光液を連続塗布し、塗布後の未乾燥状態の
塗膜に走行方向に対してほぼ直角に設置したスリットノ
ズルにより高圧エアーを吹き付け連続的に乾燥させて上
記(1)のポジ型感光性平版印刷版を得るポジ型感光性
平版印刷版の製造方法。 (3)連続走行する支持体の表面を粗面化した後、この
支持体上に感光液を連続塗布し、塗布後の未乾燥状態の
塗膜に走行方向に対してほぼ直角に設置したスリットノ
ズルにより高圧エアーを吹き付けるとともに支持体の下
面より加熱ロールにより加熱し連続的に乾燥させて上記
(1)のポジ型感光性平版印刷版を得るポジ型感光性平
版印刷版の製造方法。
【0007】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0008】本発明のポジ型感光性平版印刷版は、下記
(a)および(b)の化合物を含み、さらに下記(c)
の化合物を含む感光層を有する。
【0009】(a)水不溶でかつアルカリ性水溶液可溶
なアクリル系またはウレタン系高分子化合物 (b)アルカリ可溶性ノボラック樹脂 (c)ポジ型に作用する感光性化合物
【0010】そして、このような感光層において、
(a)の高分子化合物または(b)のメボラック樹脂の
いずれかが所定大きさの分散相となる。このような分散
相は、(a)の高分子化合物と(b)のノボラック樹脂
とが相溶しない場合に生じ、(a)のマトリックス相の
中に(b)の球状または扁平な球状の分散相が存在する
か、(b)のマトリックス相の中に(a)の球状または
扁平な球状の分散相が存在する。ここで、このような分
散相をもつ構造を海島構造という。
【0011】本発明において海島構造の観察は、感光性
平版印刷版をミクロトーム等で切断して得た感光層断面
に導電性をもたせた後、走査型電子顕微鏡(SEM)で
写真撮影し、円または楕円状の分散相の大きさを画像解
析装置によって評価することができる。撮影した際に画
像が不鮮明な場合は、”ポリマーアロイとポリマーブレ
ンド”(L.A.UTRACKI著、西敏夫訳;東京化
学同人)等に記載の方法に従って、感光層断面を例えば
溶剤エッチングにより処理した後撮影するとより鮮明な
画像が得られる。
【0012】海島構造を有する感光層断面のSEM写真
の例を図1に示す。図1には、陽極酸化皮膜を形成した
支持体上に設けられた感光層が支持体とともに示されて
おり、感光層にて扁平な球状の分散相がマトリックス相
中に存在している様子が観察される。
【0013】このような海島構造において、マトリック
ス相中に存在する分散相の大きさは、後述するように、
塗布溶媒系や塗布後の乾燥条件等に依存するが、これら
の条件を制御することで、最大長径が0.8μm 以下、
好ましくは0.6μm 以下であり、かつ平均長径が0.
6μm 以下、好ましくは0.5μm 以下である。このと
きの最大長径および平均長径は小さい方が好ましく、こ
れらの下限値に特に制限はないが、通常最大長径が0.
1μm 程度、平均長径が0.05μm 程度である。長径
は、分散相粒子を上記のようにして画像解析を行って求
めたものであり、円であるときは直径、楕円であるとき
は長径を意味する。
【0014】分散相の大きさを上記範囲に規制すること
で、耐刷力、現像ラチチュードがともに優れ、しかも、
プレートクリーナーを頻繁に使用する印刷条件下や、U
Vインキを使用した場合にも十分な耐刷力を有し、現像
ラチチュードにも優れたものとすることができる。そし
て、さらに好ましい範囲とすることで、耐刷力、現像ラ
チチュードが著しく優れたものとなる。
【0015】これに対し、最大長径が0.8μm を超え
たり、あるいは平均長径が0.6μm を超えたものにな
ると、部分的な耐摩耗性および耐薬品性の不足、または
部分的な現像性の不足(島部の主成分が(a)水不溶で
かつアルカリ性水溶液可溶なアクリル系またはウレタン
系高分子化合物の場合は耐摩耗性および耐薬品性が、島
部の主成分が(b)アルカリ可溶性ノボラック樹脂の場
合は現像性が不足する。)がマクロに影響し、耐刷力や
現像ラチチュードに問題を生じる。
【0016】本発明のポジ型感光性平版印刷版は、連続
走行する支持体を好ましくは粗面化した後、この支持体
上に感光層形成用の感光性組成物を含む感光液を連続塗
布乾燥して得られる。本発明のこのような製造方法にお
いて、感光層の海島構造の分散相を最大長径0.8μm
以下、平均長径0.6μm 以下にするためには、まず塗
布溶媒の選択が重要な要因であり、適切な塗布溶媒系を
用いることで目的のサイズを有する海島構造になり、耐
刷力および現像ラチチュードがともに優れる感光性平版
印刷版を製造することが可能となる。塗布溶媒系の選択
により分散相を小さくすることについては明確な論理を
見いだせていないが、
【0017】本発明で使用する塗布溶媒としては、シク
ロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、1−メトキシ−2
−プロパノール等のアルコール系、エチレングリコール
モノメチルエーテル等のセロソルブ系、γ−ブチロラク
トン等のラクトン系、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン等のスルホキシド系、エチレンジクロライド等のハロ
ゲン系、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ
−2−プロピルアセテート等のアセテート系、ジメトキ
シエタン等のエーテル系、乳酸メチル、乳酸エチル等の
エステル系、N,N−ジメトキシアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド等のアミド系、N−メチルピロ
リドン等のピロリドン系、テトラメチルウレア等の尿素
系、トルエン等の芳香族系、などが挙げられる。
【0018】なかでも、メチルエチルケトン、1−メト
キシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシ
ド等が好ましい。
【0019】これらの溶媒は単独で用いても混合して使
用してもよい。
【0020】本発明において、感光層の海島構造の分散
相の大きさを所定のものにするには、前記の塗布溶媒系
に加え、感光液塗布後の未乾燥状態の塗膜を乾燥させる
条件も重要な要因となる。本発明では、塗布溶媒系等を
選択することにより、通常の乾燥のみでも感光層の海島
構造の分散相の大きさを所定のものにすることが可能で
あるが、本発明では、未乾燥状態の塗膜を急速乾燥さ
せ、乾燥プロセスで生じる海島構造の生成時間を短縮制
御することにより海島構造の成長を抑え分散相の最大長
径を制御することがより確実に可能になる。急速乾燥の
手段としては本発明で開示するように塗布後、乾燥プロ
セス途中において未乾燥状態の塗膜である未乾燥膜にウ
ェブの走行方向に対してほぼ直角に設置したスリットノ
ズルより高圧エアーを吹き付けることが効果的である。
これにより、感光層の海島構造の分散相の最大長径を
0.8μm 以下、平均長径を0.6μm 以下に制御する
ことが可能であり、耐刷力および現像ラチチュードがと
もに優れ、プレートクリーナーを頻繁に使用する印刷条
件下やUVインクを使用した場合にも十分な耐刷力を有
し、現像ラチチュードにも優れる平版印刷版を製造する
ことができる。
【0021】本発明において、例えば支持体として粗面
化されたアルミニウムウェブを用いて連続塗布乾燥を実
施する装置の一構成例を図2に示す。
【0022】図2の装置は、粗面化されたアルミニウム
ウェブ1に対し感光液を塗布する塗布ヘッド2と、熱風
による乾燥および高圧エアーを吹き付け高速乾燥を行う
第1乾燥ゾーン3と、熱風による乾燥を行う第2乾燥ゾ
ーン4とを有する。第1乾燥ゾーン3には熱風を送るた
めの給気口5と高速乾燥を行うための高圧風発生装置
9、熱交換器10、圧力計11、高圧風吹出しノズル1
2および風量調節ダンパー18、19と、熱風を系外に
排出するための排気口6とが設置されている。また第2
乾燥ゾーン4には熱風を送るための給気口7と熱風を系
外に排出するための排気口8とが設置されている。さら
にこの装置の適宜の位置にはアルミニウムウェブ1を搬
送するためのガイドロール13〜17が設置されてい
る。
【0023】このような装置では、5〜150m/min で
連続走行する粗面化されたアルミニウムウェブ1は塗布
ヘッド2により感光液が5〜40ml/m2 塗布され第1乾
燥ゾーン3へ案内され通常温度50〜150℃の熱風が
給気口5から送り出され、ウェブ1に対して乾燥が進行
する。蒸発した溶剤ガスは熱風に同伴し排気口6より系
外に出される。この第1乾燥ゾーン3内入口付近で熱風
による乾燥を受けた段階では、通常、塗膜は未乾燥状態
である。
【0024】この未乾燥状態の塗膜の搬送位置にウェブ
1の進行方向とほぼ直角に設置された高速吹き出しノズ
ル12から吹き出した高速風により塗膜が極めて急速に
乾燥される。
【0025】高速風吹き出しノズル12へはコンプレッ
サーあるいは高圧ブロアーからなる高圧風発生装置9に
より生成した高圧エアーを熱交換器10により50℃〜
200℃に加熱し風量調節ダンパー18、19により所
望の風量に調節した後、供給する。これにより所望の温
度および風速のスリット状の高圧エアーを未乾燥状態の
塗膜に激しく衝突させることにより極めて短時間に急速
に溶剤を蒸発させ感光膜(感光層)を形成させることが
できる。通常高圧風のノズル12内圧力は300mmAq
(H2 O)〜3kg/cm2であり、好ましくは1000mmAq
〜1kg/cm2である。高圧風吹き出しノズル12の吹き出
し風の風速は20m/s 〜300m/s 程度である。また高
速風吹き出しノズル12のスリット間隔は0.1mm〜5
mm程度であるが、0.3mm〜1mmの範囲が望ましい。さ
らに高圧風のアルミニウムウェブ1への吹き付け角度は
0°〜90°まであるが、10°〜60°が好適であ
る。なお、ノズルの本数は図示例では2本としている
が、乾燥負荷に応じ1〜8本程度とすることができる。
【0026】また、本発明では、高速風による乾燥とと
もに加熱ロールによる乾燥を併用することが好ましく、
例えばガイドロール14を加熱ロールとしてもよい。こ
のような場合は、蒸気等の加熱媒体をロール内部に供給
することによりロールの表面温度を80〜200℃に加
熱することができる。このような加熱ロールによりアル
ミニウムウェブ1の下面からの伝導熱によって熱エネル
ギーを与えることができ、高圧ノズル風単独の場合より
も、さらに急激に溶剤を蒸発させることができる。した
がって、さらに海島構造の分散相の径をより微細化させ
ることが可能である。
【0027】このようにして第1乾燥ゾーン3で高速乾
燥され、膜が形成され同時に膜内の構造が決定される。
その後、ウェブ1は第2乾燥ゾーン4に案内され、給気
口7からの100℃〜150℃の熱風により加熱され
る。これにより、膜内に微量に残留する残留溶剤量が3
0〜200mg/m2 の範囲に制御される。また、溶剤ガス
は排気口8から系外に排出される。
【0028】そして、これらの乾燥操作により所望の膜
構造および膜質を達成することができる。
【0029】また、図示例では、第1乾燥ゾーン3で熱
風乾燥を行ってから熱風乾燥と高圧風による乾燥とを併
せて行うようにしているが、最初の熱風乾燥を省き、塗
布後直ちに高圧風による乾燥を行うものとしてもかまわ
ない。
【0030】本発明では図2のような塗布乾燥装置を用
い、連続的に塗布乾燥することが効率的で好ましい。ま
た支持体の粗面化も塗布ヘッド2の上流に粗面化手段を
設けるなどして、支持体を連続走向させて連続的に行う
ことが生産性を向上させる上で好ましい。
【0031】なお、後記するフッ素系界面活性剤添加の
影響により、海島構造とは異なる層を感光層表面に形成
することがあるが、感光層形成用の全感光性組成物中2
0重量%以下であれば全く問題ない。
【0032】次に、前記(a)〜(c)の化合物につい
て説明する。
【0033】本発明に使用される(a)水不溶でかつア
ルカリ性水溶液可溶なアクリル系高分子化合物は、下記
(1)〜(4)に該当するモノマーのうち少なくとも一
つから誘導される構造単位を有する共重合体である。
【0034】(1)芳香族水酸基を有するアクリルアミ
ド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メ
タクリル酸エステル類およびヒドロキシスチレン類、例
えば、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド
またはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、o−,m−,p−ヒドロキシフェニルアクリレート
またはメタクリレート、o−,m−,p−ヒドロキシス
チレン等が挙げられる。
【0035】(2)アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0036】(3)1分子中に、窒素原子上に少なくと
も一つの水素原子が結合したスルホンアミド基と重合可
能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上有する低分子化合
物、例えば、下記式(I)〜(V)で示される化合物。
【0037】
【化1】
【0038】式中、X1 、X2 はそれぞれ−O−または
−NR7 −を表わす。R1 、R4 はそれぞれ水素原子ま
たは−CH3 を表わす。R2 、R5 、R9 、R12、R16
はそれぞれ置換基を有していてもよい炭素原子数1〜1
2のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基を表わす。R3 、R7 、R13は水素
原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12の
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基を表わす。また、R6 、R17は置換基を有していて
もよい炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基を表わす。R8
10、R14はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子または−
CH3 を表わす。R11、R15はそれぞれ単結合または置
換基を有していてもよい炭素原子数1〜12のアルキレ
ン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレ
ン基を表わす。Y1 、Y2 はそれぞれ単結合または−C
O−を表わす。
【0039】具体例としては、m−アミノスルホニルフ
ェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフ
ェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニ
ルフェニル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0040】(4)1分子中に、下記式(VI)で示さ
れる活性イミノ基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ一
つ以上有する低分子化合物、例えばN−(p−トルエン
スルホニル)メタクリルイミド、N−(p−トルエンス
ルホニル)アクリルイミド等が挙げられる。
【0041】
【化2】
【0042】上記(1)〜(4)に該当するモノマー
は、単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いて
もよいが、さらに重合可能な上記(1)〜(4)以外の
モノマーと組み合わせた共重合体であることが好まし
い。この場合、上記(1)〜(4)のモノマーから誘導
される構造単位を10モル%以上、好ましくは20モル
%以上、さらに好ましくは25モル%以上有することが
好ましい。このような、上記(1)〜(4)のモノマー
と組み合わせて用いられるモノマーは、例えば、下記
(5)〜(15)に挙げられる。
【0043】(5)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エ
ステル類、およびメタクリル酸エステル類、例えば、2
−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート。
【0044】(6)アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、
グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルア
クリレート等の(置換)アルキルアクリレート。
【0045】(7)メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、グリジジ
ルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリ
レート等の(置換)アルキルメタクリレート。
【0046】(8)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリ
ルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロ
ヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリ
ルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフ
ェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアク
リルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリル酸ア
ミド類。
【0047】(9)エチルビニルエーテル、2−クロロ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、等
のビニルエーテル類。
【0048】(10)ビニルアセテート、ビニルクロロ
アセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビ
ニルエステル類。
【0049】(11)スチレン、α−メチルスチレン、
メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン
類。
【0050】(12)メチルビニルケトン、エチルビニ
ルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン等のビニルケトン類。
【0051】(13)エチレン、プロピレン、イソブチ
レン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
【0052】(14)N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等。
【0053】(15)マレイミド、N−アクリロイルア
クリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プ
ロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾ
イル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
【0054】さらに、これらのモノマーと共重合しうる
モノマーを共重合させてもよい。これらの高分子化合物
は、重量平均分子量が2000以上、数平均分子量が1
000以上のものが好ましく用いられる。さらに好まし
くは、重量平均分子量が5000〜300000、数平
均分子量が2000〜250000であり、分散度(重
量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のもので
ある。
【0055】本発明に使用される水不溶でかつアルカリ
性水溶液可溶なウレタン系高分子化合物は、例えば、特
開昭63−124047号、特開昭63−287946
号、特開平2−866号、特開平2−156241号の
各公報に記載のウレタン系高分子化合物が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0056】本発明では上記のアクリル系高分子化合物
とウレタン系高分子化合物とを併用してもよい。
【0057】本発明に使用される(b)アルカリ可溶性
ノボラック樹脂としては、例えば、フェノールホルムア
ルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、
p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合
クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾ
ール(m−、p−、m−/p−の混合のいずれでもよ
い)混合ホルムアルデヒド樹脂等のアルカリ可溶性のノ
ボラック樹脂を挙げることができる。これらのアルカリ
可溶性のノボラック樹脂は、重量平均分子量が500〜
20000、数平均分子量が200〜10000のもの
が用いられる。さらに、米国特許第4123279号明
細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホ
ルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデ
ヒド樹脂のような、炭素原子数3〜8のアルキル基を置
換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮
合物を併用してもよい。
【0058】本発明に使用される(c)ポジ型に作用す
る感光性化合物としては、具体的にはo−ナフトキノン
アジド化合物がある。
【0059】本発明に使用されるo−ナフトキノンアジ
ド化合物としては、特公昭43−28403号公報に記
載されている1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸ク
ロライドとピロガロールアセトン樹脂とのエステルであ
るものが好ましい。その他の好適なオルトキノンジアジ
ド化合物としては、米国特許第3046120号および
同第3188210号明細書中に記載されている1,2
−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとフェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルがある。その他
の有用なo−ナフトキノンアジド化合物としては、数多
くの特許に報告され、知られている。たとえば、特開昭
47−5303号、同48−63802号、同48−6
3803号、同48−96575号、同49−3870
1号、同48−13354号、同37−18015号、
同41−11222号、同45−9610号、同49−
17481号、米国特許第2797213号、同345
4400号、同第3544323号、同第357391
7号、同第3674495号、同第3785825号、
英国特許第1227602号、同第1251345号、
同第1267005号、同第1329888号、同第1
330932号、ドイツ特許第854890号などの各
公報や各明細書中に記載されているものを挙げることが
できる。
【0060】本発明において特に好ましいo−ナフトキ
ノンジアジド化合物は、分子量1000以下のポリヒド
ロキシ化合物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸
クロリドとの反応により得られる化合物である。このよ
うな化合物の具体例は、特開昭51−139402号、
同58−150948号、同58−203434号、同
59−165053号、同60−21445号、同60
−134235号、同60−163043号、同61−
18744号、同62−10645号、同62−106
46号、同62−153950号、同62−17856
2号、特開平1−76047号、同2−213847
号、米国特許第3102809号、同3126281
号、同第3130047号、同第3148983号、同
第3184310号、同第3188210号、同463
6406号などの各公報や各明細書中に記載されている
ものを挙げることができる。
【0061】これらのo−ナフトキノンジアジド化合物
を合成する際は、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシル
基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロ
リドを0.2〜1.2当量反応させることが好ましく、
さらに0.3〜1.0当量反応させることが好ましい。
【0062】また得られるo−ナフトキノンジアジド化
合物は、1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステ
ル基の位置および導入量の種々異なるものの混合物とな
るが、ヒドロキシル基がすべて1,2−ジアゾナフトキ
ノンスルホン酸エステルで転換された化合物がこの混合
物中に占める割合(完全にエステル化された化合物の含
有量)は5モル%以上であることが好ましく、さらに好
ましくは20〜99モル%である。
【0063】またo−ナフトキノンジアジド化合物を用
いずにポジ型に作用する感光性化合物としては、例えば
特公昭56−2696号の明細書等に記載されているオ
ルトニトロカルビノールエステル基を有するポリマー化
合物も本発明に使用することができる。
【0064】さらに光分解により酸を発生する化合物
と、酸により解離する−C−O−C基または−C−O−
Si基を有する化合物との組み合わせ系も本発明に使用
することができる。
【0065】例えば光分解により酸を発生する化合物と
アセタールまたはO,N−アセタール化合物との組み合
わせ(特開昭48−89003号)、オルトエステルま
たはアミドアセタール化合物との組み合わせ(特開昭5
1−120714号)、主鎖にアセタールまたはケター
ル基を有するポリマーとの組み合わせ(特開昭53−1
33429号)、エノールエーテル化合物との組み合わ
せ(特開昭55−12995号)、N−アシルイミノ炭
素化合物との組み合わせ(特開昭55−126236
号)、主鎖にオルトエステル基を有するポリマーとの組
み合わせ(特開昭56−17345号)、シリルエステ
ル化合物との組み合わせ(特開昭60−10247号)
およびシリルエーテル化合物との組み合わせ(特開昭6
0−37549号、特開昭60−121446号)など
が挙げられる。
【0066】感光層を形成する感光性組成物中に含まれ
る本発明に用いられる(a)水不溶でかつアルカリ性水
溶液可溶なアクリル系および/またはウレタン系高分子
化合物の含有量は、全感光性組成物中の3〜90重量
%、好ましくは5〜85重量%であることが好ましい。
また、本発明に用いられる(b)アルカリ可溶性ノボラ
ック樹脂の含有量は、全感光性組成物中の3〜90重量
%、好ましくは5〜85重量%であることが好ましい。
さらに(a)水不溶でかつアルカリ性水溶液可溶なアク
リル系および/またはウレタン系高分子化合物と、
(b)アルカリ可溶性ノボラック樹脂との重量比は3:
97〜97:3、好ましくは5:95〜95:5である
ことが好ましい。また、本発明に用いられる(c)ポジ
型に作用する感光性化合物の含有量は、全感光性組成物
中の5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%であ
る。
【0067】このような量比とすることで、感光層の機
能が十分になり、また海島構造の感光層が可能になる。
【0068】しかしながら、上記の重量比の感光性組成
物を有する感光性平版印刷版のすべてが耐刷力・現像ラ
チチュードともに優れるわけではない。感光性組成物が
上記の重量比であり、しかも感光層が海島構造を有し、
その分散相が最大長径0.8μm 以下、平均長径0.6
μm 以下である場合にのみ優れた性能を発揮する。
【0069】感光層は、前記(a)〜(c)を含む感光
性組成物により形成されるが、感光性組成物にはさらに
必要に応じて、種々の添加剤を加えることができる。
【0070】例えば、感度を向上させる目的で、環状酸
無水物類、フェノール類、有機酸類を併用することもで
きる。環状酸無水物としては米国特許第4115128
号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エ
ンドオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、テトラ
クロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレ
イン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、
無水ピロメリット酸などが使用できる。フェノール類と
しては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p
−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフ
ェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン,4,4’,
4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,
3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−
テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。さ
らに、有機酸類としては、特開昭60−88942号、
特開平2−96755号の各公報などに記載されてい
る、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫黄類、
ホスホン酸類、リン酸エステル類およびカルボン酸類な
どがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデ
シルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、
エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン
酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イ
ソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジ
メトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−
シクロヘキセン−2,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラ
ウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙
げられる。上記の環状酸無水物、フェノール類および有
機酸類の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜1
5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%
である。
【0071】また、本発明における感光性組成物中に
は、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開
昭62−251740号公報や特開平3−208514
号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特
開昭59−121044号公報、特開平4−13149
号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加す
ることができる。非イオン界面活性剤の具体例として
は、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノ
グリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等が挙げられる。両面活性剤の具体例としては、アル
キルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノ
エチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシ
エチル−N−ヒドロキシエチルイミダソリニウムベタイ
ンやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、
商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられ
る。上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の感
光性組成物中に占める割合は、0.05〜15重量%が
好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0072】本発明における感光性組成物中には、露光
後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤
としての染料や顔料を加えることができる。焼き出し剤
としては、露光によって酸を放出する化合物(光酸放出
剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙
げることができる。具体的には、特開昭50−3620
9号、同53−8218号の各公報に記載されているo
−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと
塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223
号、同54−74728号、同60−3626号、同6
1−143748号、同61−151644号および同
63−58440号の各公報に記載されているトリハロ
メチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げること
ができる。このようなトリハロメチル化合物としては、
オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、
どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与え
る。
【0073】画像の着色剤としては、前述の塩形成性有
機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性
有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基
性染料を挙げることができる。具体的にはオイルイエロ
ー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#
312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オ
イルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラ
ックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント
化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリス
タルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレ
ット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダ
ミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン
(CI42000)、メチレンブルー(CI5201
5)などを挙げることができる。また、特開昭62−2
93247号公報に記載されている染料は特に好まし
い。これらの染料は、感光性組成物全固形分に対し、
0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%の
割合で感光性組成物中に添加することができる。
【0074】さらに本発明の感光性組成物中には必要に
応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えら
れる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコー
ル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、
リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオ
クチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル
酸またはメタアクリル酸のオリゴマーおよびポリマー等
が用いられる。
【0075】溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形
分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。また
塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)
は、用途によって異なるが、感光性印刷版についていえ
ば一般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方
法としては、種々の方法を用いることができるが、例え
ば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カー
テン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード
塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少
なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、感光膜
の被膜特性は低下する。
【0076】本発明における感光層中には、塗布性を良
化するための界面活性剤、例えば特開昭62−1709
50号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤
を添加することができる。好ましい添加量は、全感光性
組成物の0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.0
5〜0.5重量%である。
【0077】本発明に使用される支持体としては、寸度
的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記ような金属がラ
ミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチッ
クフィルム等が含まれる。その中でも寸法安定性がよ
く、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およびアル
ミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であ
り、さらにアルミニウムラミネートもしくは蒸着された
プラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含
まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネ
シウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンな
どがある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以
下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、
純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは
精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有
するものでもよい。このように本発明に適用されるアル
ミニウム板は、この組成が特定されるものではなく、従
来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用す
ることができる。本発明で用いられるアルミニウム板の
厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度である。
【0078】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。また、電気化学的な粗面化法として
は塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う
方法がある。また、特開昭54−63902号に開示さ
れているように、両者を組み合わせた方法も利用するこ
とができる。このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処
理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高め
るために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽
極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮
膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には
硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が
用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によ
って適宜決められる。
【0079】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解
質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電
流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間1
0秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の
量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であった
り、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷
時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が
生じ易くなる。陽極酸化処理を施された後、アルミニウ
ム表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使
用される親水化処理としては、米国特許第271406
6号、同第3181461号、第3280734号およ
び第3902734号に開示されているようなアルカリ
金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法が
ある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム
水溶液で浸漬処理されるかまたは電解処理される。他に
特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化
ジルコン酸カリウムおよび米国特許第3276868
号、同第4153461号、同第4689272号に開
示されているようなポリビニルホルホン酸で処理する方
法などが用いられる。
【0080】本発明のポジ型感光性平版印刷版は、支持
体上にポジ型の感光性組成物で形成された感光層を設け
たものであるが、必要に応じてその間に下塗層を、感光
性組成物層の上にマット層を設けることができる。下塗
層成分としは種々の有機化合物が用いられ、例えば、カ
ルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガ
ム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有す
るホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホ
ン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリ
セロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレン
ジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有しても
よいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸
およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有し
てもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン
酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸
などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなど
のアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩な
どのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩などから選ば
れるが、2種以上混合して用いてもよい。
【0081】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。すなわち、水またはメタノール、エタノ
ール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれ
らの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をア
ルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水また
はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの
有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物
を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化
合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して
有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記
の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を
種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の
濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5
重量%であり、浸漬濃度は20〜90℃、好ましくは2
5〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ま
しくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモ
ニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性
物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12
の範囲に修正することもできる。また、感光性平版印刷
版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することも
できる。有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2 が適
当であり、好ましくは5〜100mg/m2 である。上記の
被覆量が2mg/m2 よりも少ないと十分な耐刷性能が得ら
れない。また、200mg/m2 より大きくても同様であ
る。
【0082】また、本発明のポジ型感光性組成物で形成
された感光層の表面には、真空焼き枠を用いた密着露光
の際の真空引きの時間を短縮し、かつ焼きボケを防ぐた
め、マット層が設けられる。具体的には特開昭50−1
25805号、特公昭57−6582号、同61−28
986号の各公報に記載されているようなマット層を設
ける方法、特公昭62−62337号公報に記載されて
いるような固体粉末を熱融着させる方法などが挙げられ
る。本発明に用いられるマット層の平均径は100μm
以下が好ましく、より好ましい範囲としては2〜8μm
である。平均径が大きくなると、細線が付き難く、ハイ
ライトドットも点減りし、調子再現上好ましくない。平
均径が2μm 以下では真空密着性が不十分で焼きボケを
生じる。マット層の塗布量は5〜200mg/m2 が好まし
く、さらに好ましくは20〜150mg/m2 である。塗布
量がこの範囲より大きいと摩擦の原因となり、これより
も小さいと真空密着性が不十分となる。
【0083】上記のようにして作製されたポジ型感光性
平版印刷版は、通常、像露光、現像処理を施される。像
露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水
銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカ
ルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線として
は、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがあ
る。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネル
ギービーム(レーザービーム)も使用される。レーザー
ビームとしてはヘリウム・ネオンレーザー、アルゴンレ
ーザー、クリプトンレーザー、ヘリウム・カドミウムレ
ーザー、KrFエキシマレーザー等が挙げられる。
【0084】本発明のポジ型感光性平版印刷版の現像液
および補充液としては従来より知られているアルカリ水
溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸
カリウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウ
ム、第3リン酸アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、
第2リン酸カリウム、第2リン酸アンモニウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウ
ム、ほう酸ナトリウム、ほう酸カリウム、ほう酸アンモ
ニウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸
化カリウムおよび水酸化リチウムなどの無機アルカリ塩
が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジ
イソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、エ
チレンイミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いら
れる。これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組
み合わせて用いられる。これらのアルカリ剤の中で特に
好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム
等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩の成分
である酸化ケイ素SiO2 とアルカリ金属酸化物M2
の比率と濃度によって現像性の調節が可能となるためで
あり、例えば、特開昭54−62004号公報、特公昭
57−7427号公報に記載されているようなアルカリ
金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0085】さらに自動現像機を用いて現像する場合に
は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)
を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の
現像液を交換することなく、多量のPS版を処理できる
ことが知られている。本発明においてもこの補充方式が
好ましく適用される。本発明に使用される現像液および
補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散および
印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて
種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界
面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン
系および両性界面活性剤があげられる。さらに本発明に
使用される現像液および補充液には必要に応じて、ハイ
ドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの
無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、さらに
有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることがで
きる。上記現像液および補充液を用いて現像処理された
印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、ア
ラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理され
る。本発明の印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組
み合わせて用いることができる。
【0086】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用
いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処
理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽およ
びスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬
送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノ
ズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最
近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール
などによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知
られている。このような自動処理においては、各処理液
に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処
理することができる。また、実質的に未使用の処理液で
処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。本発
明の感光性平版印刷版を画像露光し、現像し、水洗およ
びまたはリンスおよび/またはガム引きして得られた平
版印刷版に不必要な画像部(例えば原画フィルムのフィ
ルムエッジ跡など)がある場合には、その不必要な画像
部の消去が行われる。このような消去は、例えば特公平
2−13293号公報に記載されているような消去液を
不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したの
ちに水洗することにより行う方法が好ましいが、特開平
59−174842号公報に記載されているようなオプ
ティカルファイバーで導かれた活性光線を不必要画像部
に照射したのち現像する方法も利用できる。
【0087】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版
をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61
−2518号、同55−28062号、特開昭62−3
1859号、同61−159655号の各公報に記載さ
れているような整面液で処理することが好ましい。その
方法としては、整面液を浸みこませたスポンジや脱脂綿
にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバ
ット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コータ
ーによる塗布などが適用される。また、塗布した後でス
キージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を
均一にすることは、より好ましい結果を与える。整面液
の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥重量)が
適当である。整面液が塗布された平版印刷版は必要であ
れば乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば富
士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプ
ロセッサー:BP−1300)などで高温に加熱され
る。この場合の加熱温度および時間は、画像を形成して
いる成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で
1〜20分の範囲が好ましい。バーニング処理された平
版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの
従来より行われている処理を施すことができるが水溶性
高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合には
ガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することが
できる。このような処理によって得られた平版印刷版は
オフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いら
れる。
【0088】なお、印刷に用いられるインキは、UVイ
ンキや油性インキなどである。
【0089】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0090】実施例1 厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)をトリ
クロロエチレン洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと
400メッシュのパミス−水懸濁液を用いこの表面を砂
目立てし、よく水で洗浄した。この板を45℃の25%
水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを
行い水洗後、さらに20%硝酸に20秒間浸漬して水洗
した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2
であった。次にこの板を7%硫酸を電解液として電流密
度15A/dm2 で3g/m2の直流陽極酸化被膜を設けた後、
水洗乾燥した。次にこのアルミニウム板に下記下塗り液
を塗布し、80℃、30秒間乾燥した、乾燥後の被覆量
は10mg/m2 であった。
【0091】 (下塗り液) β−アラニン 0.1g フェニルホスホン酸 0.05g メタノール 40g 純水 60g
【0092】さらにこのアルミニウム板に下記感光液A
を塗布し、100℃2分間熱風乾燥(熱風の風速2m/s
)をしてポジ型感光性平版印刷版サンプルNo. 1を得
た。乾燥後の塗布量は2.0g/m2であった。
【0093】(感光液A) (a)水不溶でかつアルカリ性水溶液可溶な高分子化合
物(表1に記載のとおり) (b)アルカリ可溶性ノボラック樹脂(表1に記載のと
おり) (c)ポジ型に作用する感光性化合物(表1に記載のと
おり)
【0094】 p−オクチルフェノール−ホルムアルデヒドノボラック 0.02g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド 0.01g 下記式 (VII)の化合物 0.05g テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g 4−(p−N,N−ジエトキシカルボニルアミノフェニル)−2,6−ビス( トリクロロメチル)−s−トリアジン 0.02g 4−(p−N−(p−ヒドロキシベンゾイルアミノフェニル)−2,6−ビス (トリクロロメチル)−s−トリアジン 0.02g ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレンスルホン酸アニオ ンにした染料 0.03g メガファックF−177(大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系界面活性 剤) 0.06g 塗布溶媒(表1に記載のとおり)
【0095】
【化3】
【0096】サンプルNo. 1において、感光層塗膜の乾
燥を図2に示す乾燥ゾーンで行い、塗布後約10秒後に
スリットノズルにより3000mmAqの高圧エアーを未乾
燥状態の塗膜に吹き付けるほかは同様にしてサンプルN
o. 2を得た。なお、第1乾燥ゾーン3における乾燥時
間は全体で15秒であり、熱風による乾燥の場合の熱風
温度は80℃(風速5m/s )で、高圧エアーの温度は6
0℃(風速200m/s )とした。また、第2乾燥ゾーン
4における乾燥時間は全体で20秒であり、熱風温度は
120℃とした。
【0097】次に、サンプルNo. 1、No. 2の各々にお
いて、感光液Aのかわりに感光液Bを用いて同様にサン
プルNo. 3、No. 4を作製した。感光液Bは感光液A中
の(a)の高分子化合物、(b)のノボラック樹脂、
(c)の感光性化合物および塗布溶媒を表1に示すもの
にかえたものである。
【0098】さらに、サンプルNo. 4において、高圧エ
アーの吹き付けによる乾燥のほか、ガイドロール14を
加熱ロールに変更しての加熱乾燥を加えた乾燥を行うほ
かは同様にしてサンプルを作った。このときの加熱ロー
ルによる乾燥は、高圧エアーの吹き付けによる乾燥とと
もに1.2秒間行った。表4に示す加熱温度に応じてサ
ンプルNo. 5、No. 6とする。
【0099】また、感光液C〜Gを各々用い、乾燥を表
4に示すようにかえて、上記と同様にしてサンプルNo.
7〜No. 16を作った。
【0100】感光液C〜Gは、感光液A中の(a)の高
分子化合物、(b)のノボラック樹脂、(c)の感光性
化合物および塗布溶媒を表1〜表3に示すものに各々か
えたものである。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】これらのポジ型感光性平版印刷版サンプル
No. 1〜No. 16を液体窒素中ミクロトームで切断して
得た断面をメタノールに5秒間浸漬した後、サンプル表
面に導電性を持たせるため、Ptをイオンスパッターで
約100A コーティングした。このサンプルを日立製作
所製走査型電子顕微鏡S−900で写真撮影(12K
V、傾斜なし、30000倍)後、東洋紡製汎用画像解
析装置Image Analyzer V10で解析して海島構造分散相の
最大長径および平均長径を求めた。結果を表4に示す。
【0105】次に、これらのポジ型感光性平版印刷版を
30アンペアのカーボンアーク灯で70cmの距離から露
光した後、DP−4(商品名:富士写真フイルム株式会
社製)の8倍希釈液により、25℃40秒間自動現像
(800U:富士写真フイルム株式会社製自動現像機に
よる)を行った。この時の適性露光時間は濃度差0.1
5のグレースケール(富士写真フイルム株式会社製)で
5段が完全にクリヤーになる点とし、これにより感光性
平版印刷版の感度とした。またDP−4の8倍希釈液で
25℃のバット現像にて40秒現像時におけるグレース
ケールのベタ段数から二段変化する時間(以下「現像ラ
チチュード」と称す。)を求めた。これらのポジ型感光
性平版印刷版の感度(露光時間)と現像ラチチュードの
結果を表4に示す。
【0106】次に、これらの感光性平版印刷版サンプル
を、真空焼枠中で、ハイドライドランプを光源として、
透明ベース上で、ポジ原稿フィルムを通して、60秒間
露光し、次いで、富士写真フイルム株式会社製現像液D
P−4(1:8)、リンス液FR−3(1:7)を仕込
んだ自動現像機を通して処理した。
【0107】得られた平版印刷版のそれぞれを用いて、
ハイデルベルグ社製KOR−D型印刷機でUVインキ
(株式会社T&K TOKA UV BF)を用いて印
刷し、良好な印刷物が得られた枚数を調べた。さらに、
同様の印刷を行い、今度は油性インキを用いて約500
0枚印刷する毎に機械を停止、プレートクリーナーCL
−2(富士写真フイルム株式会社製)で版面をふき、印
刷を続けた。このときに良好な印刷物が得られた枚数を
調べた。結果を表4に示す。
【0108】
【表4】
【0109】表4からわかるように、海島構造の分散相
が最大長径0.8μm 以下で平均長径0.6μm 以下の
条件を満たしていない平版印刷版サンプルNo. 3、No.
9、No. 13、No. 15は耐刷力または感度や現像ラチ
チュードが著しく劣るものとなったり、あるいはこれら
の両方が著しく劣るものとなっている。しかも、耐刷力
はクリーナー(CL−2)を使用すると大きく劣化す
る。一方、海島構造の分散相が最大長径0.8μm 以下
で平均長径0.6μm 以下の平版印刷版サンプルは、耐
刷力、感度および現像ラチチュードのいずれもが良好で
あり、クリーナーを使用しても耐刷力はほとんど低下し
ない。これらの性能は、長径が小さくなるほど向上し、
特に、最大長径0.6μm 以下で平均長径0.5μm 以
下の平版印刷版サンプルNo. 2、No. 6、No. 8、No.
10、No. 12は、非常に優れていることがわかる。
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、特にプレートクリーナ
ーを頻繁に使用する印刷条件下やUVインキを使用した
場合にも耐刷力に優れ、現像ラチチュードにも優れたポ
ジ型感光性平版印刷版となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒子構造を示す図面代用写真であり、本発明に
おける感光層の海島構造を示すSEM写真である。
【図2】本発明に用いる連続塗布乾燥装置の一例を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
1 アルミニウムウェブ 2 塗布ヘッド 3 第1乾燥ゾーン 4 第2乾燥ゾーン 5 給気口 6 排気口 7 給気口 8 排気口 9 高圧風発生装置 10 熱交換器 11 圧力計 12 高圧風吹き出しノズル 13 ガイドロール 14 ガイドロール 15 ガイドロール 16 ガイドロール 17 ガイドロール 18 風量調節ダンパー 19 風量調節ダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北田 一行 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士 写真フイルム株式会社内 (72)発明者 小田 和孝 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士 写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−150453(JP,A) 特開 昭59−95534(JP,A) 特開 平7−168358(JP,A) 特開 平7−234523(JP,A) 特開 平7−89255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、(a)水不溶でかつアルカ
    リ性水溶液可溶なアクリル系またはウレタン系高分子化
    合物と、(b)アルカリ可溶性ノボラック樹脂とを含
    み、(a)の高分子化合物と(b)のノボラック樹脂が
    相溶しない場合に生じる、(a)の高分子化合物のマト
    リックス相の中に(b)のノボラック樹脂の球状もしく
    は扁平な球状の分散相、または(b)のノボラック樹脂
    のマトリックス相の中に(a)の高分子化合物の球状も
    しくは扁平な球状の分散相について、該分散相の最大長
    径が0.1〜0.8μmであって、平均長径が0.05
    〜0.6μmである分散相を有する感光層を設けたポジ
    型感光性平版印刷版。
  2. 【請求項2】 連続走行する支持体の表面を粗面化した
    後、この支持体上に感光液を連続塗布し、塗布後の未乾
    燥状態の塗膜に走行方向に対してほぼ直角に設置したス
    リットノズルにより高圧エアーを吹き付け連続的に乾燥
    させて請求項1のポジ型感光性平版印刷版を得るポジ型
    感光性平版印刷版の製造方法。
  3. 【請求項3】 連続走行する支持体の表面を粗面化した
    後、この支持体上に感光液を連続塗布し、塗布後の未乾
    燥状態の塗膜に走行方向に対してほぼ直角に設置したス
    リットノズルにより高圧エアーを吹き付けるとともに支
    持体の下面より加熱ロールにより加熱し連続的に乾燥さ
    せて請求項1のポジ型感光性平版印刷版を得るポジ型感
    光性平版印刷版の製造方法。
JP27365095A 1995-09-27 1995-09-27 ポジ型感光性平版印刷版およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3471990B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27365095A JP3471990B2 (ja) 1995-09-27 1995-09-27 ポジ型感光性平版印刷版およびその製造方法
EP19960115583 EP0766140B1 (en) 1995-09-27 1996-09-27 Positive presensitized lithographic printing plate and a process for producing the same
DE1996612446 DE69612446T2 (de) 1995-09-27 1996-09-27 Positiv arbeitende vorsensibilisierte lithographische Druckplatte und Verfahren zu deren Herstellung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27365095A JP3471990B2 (ja) 1995-09-27 1995-09-27 ポジ型感光性平版印刷版およびその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003164143A Division JP2004004884A (ja) 2003-06-09 2003-06-09 感光性平版印刷版および平版印刷版の作成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0990610A JPH0990610A (ja) 1997-04-04
JP3471990B2 true JP3471990B2 (ja) 2003-12-02

Family

ID=17530647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27365095A Expired - Fee Related JP3471990B2 (ja) 1995-09-27 1995-09-27 ポジ型感光性平版印刷版およびその製造方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0766140B1 (ja)
JP (1) JP3471990B2 (ja)
DE (1) DE69612446T2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19825244A1 (de) 1998-06-05 1999-12-16 Kodak Polychrome Graphics Gmbh Offsetdruckplatte mit hoher Auflagenstabilität
ATE240833T1 (de) * 1999-07-30 2003-06-15 Lastra Spa Infrarotstrahlungs- und wärme-empfindliche zusammensetzung, und lithographische druckplatte, die mit dieser zusammensetzung beschichtet ist
KR20010112227A (ko) 1999-10-07 2001-12-20 데머 얀, 당코 제니아 떼. 감광성 조성물
US6660445B2 (en) 2000-10-13 2003-12-09 Fuji Photo Film Co., Ltd. Photosensitive composition comprising a vinyl copolymer and an o-naphthoquinone diazide compound
KR100481012B1 (ko) * 2000-11-08 2005-04-06 주식회사 동진쎄미켐 내산성을 지닌 감광성 보호막 조성물
US6548215B2 (en) 2001-02-09 2003-04-15 Kodak Polychrome Graphics Llc Method for the production of a printing plate using the dual-feed technology
US6706454B2 (en) 2001-07-05 2004-03-16 Kodak Polychrome Graphics Llc Method for the production of a printing plate using particle growing acceleration by an additive polymer
JP4691877B2 (ja) * 2002-08-08 2011-06-01 住友化学株式会社 着色感光性樹脂組成物
US7270058B2 (en) 2003-09-17 2007-09-18 Fujifilm Corporation Photosensitive planographic printing plate and method of producing the same
JP2005242241A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版原版
JP2009085984A (ja) 2007-09-27 2009-04-23 Fujifilm Corp 平版印刷版原版
JP4890403B2 (ja) 2007-09-27 2012-03-07 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版
JP5321794B2 (ja) * 2008-09-08 2013-10-23 日産化学工業株式会社 高段差基板向け保護膜用塗布組成物
WO2020162131A1 (ja) * 2019-02-08 2020-08-13 富山県 感光性繊維形成組成物及び繊維パターンの形成方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07120039B2 (ja) * 1986-11-14 1995-12-20 富士写真フイルム株式会社 感光性組成物
JPH06105355B2 (ja) * 1986-12-15 1994-12-21 富士写真フイルム株式会社 感光性組成物
AU681664B2 (en) * 1993-07-20 1997-09-04 Toray Industries, Inc. Photosensitive polymer composition

Also Published As

Publication number Publication date
DE69612446D1 (de) 2001-05-17
JPH0990610A (ja) 1997-04-04
EP0766140A1 (en) 1997-04-02
DE69612446T2 (de) 2001-07-26
EP0766140B1 (en) 2001-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1144956A (ja) 赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物
JP2002357894A (ja) 平版印刷版用原版およびその処理方法
JPH11218914A (ja) 赤外線レーザ用感光性画像形成材料
JP3471990B2 (ja) ポジ型感光性平版印刷版およびその製造方法
JP4474309B2 (ja) 平版印刷版原版及びその作製方法
JP2003005354A (ja) 平版印刷版用原版および平版印刷版の製版方法
US6315467B1 (en) Material having photosensitive resin composition, method for developing lithographic printing plate precursor, and development processing apparatus
JP2005242241A (ja) 平版印刷版原版
JP3738920B2 (ja) ポジ型感光性平版印刷版
JPH11109637A (ja) ポジ型感光性平版印刷版
JP2002055446A (ja) 平版印刷版原版
JP3795658B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP4234899B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2004004884A (ja) 感光性平版印刷版および平版印刷版の作成方法
JP2000035666A (ja) 赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物
JP2003330176A (ja) 赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JP2006003658A (ja) 平版印刷版原版
JP4242576B2 (ja) 平版印刷版用原版及び平版印刷版の製版方法
JP2002062660A (ja) 平版印刷版原版
JP2004252189A (ja) 平版印刷版用原版
JP2002251003A (ja) 赤外線レーザ用感光性画像形成材料の製造方法
JP2006154512A (ja) 平版印刷版原版
JP2002196491A (ja) 赤外線レーザ用感光性画像形成材料
JP2006106058A (ja) 平版印刷版原版
JP2003029412A (ja) 平版印刷版用原版及び平版印刷版の製版方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070912

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees