JP2739171B2 - ステンレス搬送用ローラー - Google Patents
ステンレス搬送用ローラーInfo
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- JP2739171B2 JP2739171B2 JP62162647A JP16264787A JP2739171B2 JP 2739171 B2 JP2739171 B2 JP 2739171B2 JP 62162647 A JP62162647 A JP 62162647A JP 16264787 A JP16264787 A JP 16264787A JP 2739171 B2 JP2739171 B2 JP 2739171B2
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- Japan
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- stainless steel
- roll
- asbestos
- scale
- alumina
- Prior art date
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/52—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
- C21D9/54—Furnaces for treating strips or wire
- C21D9/56—Continuous furnaces for strip or wire
- C21D9/562—Details
- C21D9/563—Rolls; Drums; Roll arrangements
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
- Rollers For Roller Conveyors For Transfer (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
（産業上の利用分野）
本発明は、高温のステンレス板を連続的に焼鈍する熱
処理炉（アニーリング・ラインまたはアニーリング・ピ
ックリングライン）に使用される搬送用のローラーに関
するものである。 （従来の技術及びその問題点） 連続的にステンレスの熱処理を行う加熱炉（焼鈍炉）
には、ステンレス・ストリップの搬入・搬出用に多数の
ロールがその進行方向に対して直角に配置されている。 特に高温のステンレス・ストリップに接触するロール
にあっては、耐熱性、耐摩耗性、平滑性、ステンレス板
への非付着性、ならびにステンレス板に対する非対面攻
撃性が要求されている。 従来この種のロールは、天然のアスベスト繊維の持つ
特性を生かして、アスベスト繊維をゴム状バインダーを
用いてシート状に成形し、このシートを円形に切断加工
して、金属性のシャフトに圧縮積層して表面仕上げを行
い、アスベストディスクロールとして使用していた。 ところが、アスベスト繊維は天然のケイ酸マグネシウ
ム鉱物繊維であり、代表的な組成として、SiO2が43wt
％、MgOが50wt％、他にFe2O3、CaO、Na2O、K2O等の酸化
物を５〜6wt％含んでいる。 このため、高温においては、搬送されるステンレス・
ストリップ表面に発生するスケール（Fe2O3、Fe3O4、Fe
O、Cr2O3等）が、前記Fe2O3、CaO、Na2O、K2O等の酸化
物のいずれか一種または二種以上と反応し、アスベスト
ロール表面に付着すると同時に、搬送されるステンレス
・ストリップの荷重を受けてアスベストロール表面に喰
い込んでしまう。 アスベストロール表面に、いったんスケールが喰い込
んでしまうと、連続搬送されるステンレス・ストリップ
表面上で新たに発生するスケールは、前記喰い込んだス
ケールに付着して二層構造となると同時に、搬送される
ステンレス・ストリップの荷重を受けてアスベストロー
ル表面に喰い込んでしまう。 スケールが繰り返し層状に発達してゆく現象を一般に
『ビルド・アップ』といい、前記スケール一層の厚みは
約15μｍであり、層状に発達したビルド・アップは直径
0.1〜1mm、長さ数mm〜15mm程度になる事もある。 ビルド・アップは、ある程度の大きさに成長すると、
ロール内部への成長がロール内圧により停止し、逆にロ
ール内圧によりロール表層に突出する現象が生じる。前
記現象を一般に『ピック・アップ』といい、、ピックア
ップが発生すると、搬送されるステンレス・ストリップ
表面に押し疵がつき、製品不良が発生してしまう。 従来、前記ピック・アップによる押し疵不良に対し
て、基本的な原因は未解決であり、この対策としては、
経験的にアスベストロールの嵩密度を搬送されるステン
レス・ストリップの材質、厚み等により適当に調整し、
前記ピック・アップが搬送されるステンレス・ストリッ
プにより摩耗するように使用する。即ち、前記ピック・
アップを自己摩耗と同時に落としてしまう方法が採られ
ている。 したがって、この種のアスベストロールのライフはお
のずと摩耗量によって決定づけられてしまう。 また、アスベストは天然鉱物であるため、品質（主に
化学組成）が不均一であり、ロール成形後、表面の一部
分に前記Fe2O3、CaO、Na2O、K2O等の酸化物が高濃度で
存在した場合等、ロールの自己摩耗量よりも、ビルド・
アップ形成の方が早く、ピック・アップすることにより
製品に疵をつけてしまうことがある。 即ち、ロングライフかつ安定操業が望めない欠点があ
る。 これに対して、金属シャフトに対するセラミック溶射
ロール及び金属シャフトとセラミックスリーブとの複合
ロール等が考案されているが、何れも金属とセラミック
の熱膨張係数の違いから、剥離や割れが発生してしま
い、高温部分では実用化にいたっていない。 （問題点を解決するための手段及び作用） 本発明は上記従来技術の欠点を除去解決することを目
的とし、この目的を達成するための手段として特許請求
の範囲に記載したステンレス搬送用ローラーを提供する
ものである。 即ち、本発明はシリカ・アルミナを主成分とするセラ
ミックファイバーと、無機結合材としてAl2O3、TiO2、S
iAlON、ZrB2、MgO、BNのいずれか一種または二種以上
と、有機結合材とから抄造したシートからなるデイスク
板を順次シャフトに嵌装して設けたディスクロールに於
いて、抄造後のシートに含まれる一種または二種以上の
Fe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、Cl、Brを含む酸化物中の
Fe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、Cl、Brの元素換算をした
合計量が0.03wt％以上、0.15wt％以下の範囲とすること
により、ステンレス・ストリップ表面に発生するスケー
ルとの付着性を改良し、ピック・アップによる押し疵不
良に対して優れた効果を持つステンレス搬送用ローラー
を提供するものである。 ところで、本発明においてシリカ・アルミナを主成分
とするセラミック・ファイバーを用いたのは、一種また
は二種以上のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、Cl、Brを含
む酸化物の含有量が少なく、1400℃の高温に耐えうる優
れた耐火性を有する繊維であり、かつ近年省エネルギー
耐火断熱材として注目され、大量に生産されるのでコス
ト的にも有利な材料であるためである。 また、無機結合材としては、スケール（Fe2O3、Fe
3O4、FeO、CrO3等）とのぬれ性が低い（接触角度が大き
い）ことから、Al2O3、TiO2、SiAlON、ZrB2、MgO、BN微
粉のいずれか一種または二種以上が有効であり、高温に
おいてシリカ・アルミナファイバーの繊維を結合するた
め、中心粒径は４μｍ以下が望ましく、ディスクロール
中で5wt％以上は必要であり、逆に60wt％以上添加する
とディスクロールの中温域に於ける強度が著しく劣化
し、ディスク板が脱落する恐れがあるので好ましくな
い。 また、有機結合材としては、アクリル酸エステル、ポ
リアクリルアミド、でん粉、酢酸ビニール、アクリロニ
トルブタジエン、ポリウレタン、SBR等が有効である。 有機質は加熱後、焼失してしまうのでできるかぎり少
ない方がよいが、取り扱い性ならびに加工性から４〜15
wt％必要である。特に好ましくは７〜8wt％が良い。 ディスクロールに於いて、抄造後のシートに含まれる
一種または二種以上のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、C
l、Brを含む酸化物中のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、C
l、Brの元素換算した合計量が0.03wt％以上、0.15wt％
以下としたのは、ステンレス・ストリップ表面のスケー
ルが前記ディスクロールに付着しないようにするためで
ある。 前記一種または二種以上のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、
Ｆ、Cl、Brを含む酸化物がディスクロール中において、
Fe2O3、Na2O、K2O、CaO等の状態で存在すると、融点降
下を引き起したり、アイアン・カルシウム・オキサイド
等の化合物が生じたり、前記スケールがディスクロール
表面に付着し、ビルド・アップの核となってしまうた
め、理想的には0wt％が望ましいが、0.15wt％以下であ
れば、実質的に問題はない。また、0.03wt％以上とした
のは、市販の低ソーダ・アルミナ、シリカ・アルミナセ
ラミックファイバー等に不可避的に含まれる最低含有量
の数値であり、0.03wt％未満は、実質的な意味がないた
めである。 本発明を実施例により説明する。 実施例１ 市販のシリカ・アルミナファイバー（商品名イビウー
ル）60wt％と、市販の微粒低ソーダアルミナ32wt％と、
変性アクリル酸エステルエマルジョンラテックス8wt％
とを水中にて撹拌混合してスラリー状とした後、ポリア
クリルアミド系凝集剤にて凝集させた後、抄紙機により
厚さ18mmのシートを抄造した。 次いで、ウエット状のまま嵩密度1.0（g/cm3）、6mm
厚みにプレス成形を行い乾燥後、カットして20mm角の平
板を作成した。第１表にシリカ・アルミナファイバー
（商品名イビウール）、微粒低ソーダアルミナ、及び抄
造した平板の化学組成を示す。 次に、抄造した平板の上に厚み3mmで20mm角のステン
レス板（SUS304）を載せ、1200℃、大気雰囲気で10時間
加熱し、スケールとの界面を光学顕微鏡にて観察した結
果、スケールの反応（既ち液層の形成）付着は全くなか
った。 実施例２ 実施例１のシートを外径250mm、内径150mmに打ち抜い
た後、嵩密度1.0（g/cm3）、厚み6mmになるようにウエ
ット状のままプレスした後乾燥したディスク板を、外径
150mm、有効面長1500mmの金属性水冷シャフトに全体の
嵩密度1.4（g/cm3）になるようにプレス嵌装し、ステン
レス搬送用ディスクロールを作成した。 前記ディスクロールをステンレスメーカーのカテナリ
ー炉の炉内搬送用ロール、（雰囲気温度1200℃）に使用
したところ、約10,000トンのSUS304鋼板を処理した時点
でロールの摩耗は殆どなく、またビルド・アップ（ピッ
ク・アップ）による疵も発生しなかった。 比較例１ 市販のシリカ・アルミナファイバー（商品名イビウー
ル）60wt％と、市販の微粒アルミナ32wt％を使用して実
施例１と同様の平板を作成し、実施例１と同様のスケー
ルとの反応性テストを行ったところ、部分的にスケール
が付着し茶色い変色が確認され、光学顕微鏡にて界面を
観察した結果、液層の形成が確認された。 第１表に比較例１の平板の化学組成を示す。 比較例２ 市販のディスクロール用アスベクト板を用いて実施例
１と同様のスケールとの反応性テストを行ったところ、
全体的に茶色く変色し、表面にもスケールの付着が確認
され、光学顕微鏡にて界面を観察した結果、液層の形成
が確認された。 第１表に比較例２のアスベスト板の化学組成を示す。 比較例３ 比較例２のアスベスト板を用いて実施例２と同様のテ
ストを行った結果、約3,000トン処理後、搬送板に押し
疵が発生し始めた。また、嵩密度1.3（g/cm3）としたと
ころ、押し疵は発生しなかったが、約10,000トン処理
後、ロール表面は肉厚で約20mm摩耗していた。 （発明の効果） 以上のように本発明に係るステンレス搬送用ローラー
は、従来のアスベストローラーに比較し、一種または二
種以上のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、Cl、Brを含む酸
化物を少なくし、純度の高い材料を使用することで、搬
送するステンレス・ストリップに疵をつけることなく、
かつ耐摩耗性に優れたローラーを提供することが可能と
なった。 また、アスベスト繊維を全く使用していないため、ロ
ールの製造上または使用上「特定化学物質等障害予防規
則」に規定される石綿公害を引き起す恐れの全くないロ
ーラーを提供する事が可能となった。
処理炉（アニーリング・ラインまたはアニーリング・ピ
ックリングライン）に使用される搬送用のローラーに関
するものである。 （従来の技術及びその問題点） 連続的にステンレスの熱処理を行う加熱炉（焼鈍炉）
には、ステンレス・ストリップの搬入・搬出用に多数の
ロールがその進行方向に対して直角に配置されている。 特に高温のステンレス・ストリップに接触するロール
にあっては、耐熱性、耐摩耗性、平滑性、ステンレス板
への非付着性、ならびにステンレス板に対する非対面攻
撃性が要求されている。 従来この種のロールは、天然のアスベスト繊維の持つ
特性を生かして、アスベスト繊維をゴム状バインダーを
用いてシート状に成形し、このシートを円形に切断加工
して、金属性のシャフトに圧縮積層して表面仕上げを行
い、アスベストディスクロールとして使用していた。 ところが、アスベスト繊維は天然のケイ酸マグネシウ
ム鉱物繊維であり、代表的な組成として、SiO2が43wt
％、MgOが50wt％、他にFe2O3、CaO、Na2O、K2O等の酸化
物を５〜6wt％含んでいる。 このため、高温においては、搬送されるステンレス・
ストリップ表面に発生するスケール（Fe2O3、Fe3O4、Fe
O、Cr2O3等）が、前記Fe2O3、CaO、Na2O、K2O等の酸化
物のいずれか一種または二種以上と反応し、アスベスト
ロール表面に付着すると同時に、搬送されるステンレス
・ストリップの荷重を受けてアスベストロール表面に喰
い込んでしまう。 アスベストロール表面に、いったんスケールが喰い込
んでしまうと、連続搬送されるステンレス・ストリップ
表面上で新たに発生するスケールは、前記喰い込んだス
ケールに付着して二層構造となると同時に、搬送される
ステンレス・ストリップの荷重を受けてアスベストロー
ル表面に喰い込んでしまう。 スケールが繰り返し層状に発達してゆく現象を一般に
『ビルド・アップ』といい、前記スケール一層の厚みは
約15μｍであり、層状に発達したビルド・アップは直径
0.1〜1mm、長さ数mm〜15mm程度になる事もある。 ビルド・アップは、ある程度の大きさに成長すると、
ロール内部への成長がロール内圧により停止し、逆にロ
ール内圧によりロール表層に突出する現象が生じる。前
記現象を一般に『ピック・アップ』といい、、ピックア
ップが発生すると、搬送されるステンレス・ストリップ
表面に押し疵がつき、製品不良が発生してしまう。 従来、前記ピック・アップによる押し疵不良に対し
て、基本的な原因は未解決であり、この対策としては、
経験的にアスベストロールの嵩密度を搬送されるステン
レス・ストリップの材質、厚み等により適当に調整し、
前記ピック・アップが搬送されるステンレス・ストリッ
プにより摩耗するように使用する。即ち、前記ピック・
アップを自己摩耗と同時に落としてしまう方法が採られ
ている。 したがって、この種のアスベストロールのライフはお
のずと摩耗量によって決定づけられてしまう。 また、アスベストは天然鉱物であるため、品質（主に
化学組成）が不均一であり、ロール成形後、表面の一部
分に前記Fe2O3、CaO、Na2O、K2O等の酸化物が高濃度で
存在した場合等、ロールの自己摩耗量よりも、ビルド・
アップ形成の方が早く、ピック・アップすることにより
製品に疵をつけてしまうことがある。 即ち、ロングライフかつ安定操業が望めない欠点があ
る。 これに対して、金属シャフトに対するセラミック溶射
ロール及び金属シャフトとセラミックスリーブとの複合
ロール等が考案されているが、何れも金属とセラミック
の熱膨張係数の違いから、剥離や割れが発生してしま
い、高温部分では実用化にいたっていない。 （問題点を解決するための手段及び作用） 本発明は上記従来技術の欠点を除去解決することを目
的とし、この目的を達成するための手段として特許請求
の範囲に記載したステンレス搬送用ローラーを提供する
ものである。 即ち、本発明はシリカ・アルミナを主成分とするセラ
ミックファイバーと、無機結合材としてAl2O3、TiO2、S
iAlON、ZrB2、MgO、BNのいずれか一種または二種以上
と、有機結合材とから抄造したシートからなるデイスク
板を順次シャフトに嵌装して設けたディスクロールに於
いて、抄造後のシートに含まれる一種または二種以上の
Fe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、Cl、Brを含む酸化物中の
Fe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、Cl、Brの元素換算をした
合計量が0.03wt％以上、0.15wt％以下の範囲とすること
により、ステンレス・ストリップ表面に発生するスケー
ルとの付着性を改良し、ピック・アップによる押し疵不
良に対して優れた効果を持つステンレス搬送用ローラー
を提供するものである。 ところで、本発明においてシリカ・アルミナを主成分
とするセラミック・ファイバーを用いたのは、一種また
は二種以上のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、Cl、Brを含
む酸化物の含有量が少なく、1400℃の高温に耐えうる優
れた耐火性を有する繊維であり、かつ近年省エネルギー
耐火断熱材として注目され、大量に生産されるのでコス
ト的にも有利な材料であるためである。 また、無機結合材としては、スケール（Fe2O3、Fe
3O4、FeO、CrO3等）とのぬれ性が低い（接触角度が大き
い）ことから、Al2O3、TiO2、SiAlON、ZrB2、MgO、BN微
粉のいずれか一種または二種以上が有効であり、高温に
おいてシリカ・アルミナファイバーの繊維を結合するた
め、中心粒径は４μｍ以下が望ましく、ディスクロール
中で5wt％以上は必要であり、逆に60wt％以上添加する
とディスクロールの中温域に於ける強度が著しく劣化
し、ディスク板が脱落する恐れがあるので好ましくな
い。 また、有機結合材としては、アクリル酸エステル、ポ
リアクリルアミド、でん粉、酢酸ビニール、アクリロニ
トルブタジエン、ポリウレタン、SBR等が有効である。 有機質は加熱後、焼失してしまうのでできるかぎり少
ない方がよいが、取り扱い性ならびに加工性から４〜15
wt％必要である。特に好ましくは７〜8wt％が良い。 ディスクロールに於いて、抄造後のシートに含まれる
一種または二種以上のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、C
l、Brを含む酸化物中のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、C
l、Brの元素換算した合計量が0.03wt％以上、0.15wt％
以下としたのは、ステンレス・ストリップ表面のスケー
ルが前記ディスクロールに付着しないようにするためで
ある。 前記一種または二種以上のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、
Ｆ、Cl、Brを含む酸化物がディスクロール中において、
Fe2O3、Na2O、K2O、CaO等の状態で存在すると、融点降
下を引き起したり、アイアン・カルシウム・オキサイド
等の化合物が生じたり、前記スケールがディスクロール
表面に付着し、ビルド・アップの核となってしまうた
め、理想的には0wt％が望ましいが、0.15wt％以下であ
れば、実質的に問題はない。また、0.03wt％以上とした
のは、市販の低ソーダ・アルミナ、シリカ・アルミナセ
ラミックファイバー等に不可避的に含まれる最低含有量
の数値であり、0.03wt％未満は、実質的な意味がないた
めである。 本発明を実施例により説明する。 実施例１ 市販のシリカ・アルミナファイバー（商品名イビウー
ル）60wt％と、市販の微粒低ソーダアルミナ32wt％と、
変性アクリル酸エステルエマルジョンラテックス8wt％
とを水中にて撹拌混合してスラリー状とした後、ポリア
クリルアミド系凝集剤にて凝集させた後、抄紙機により
厚さ18mmのシートを抄造した。 次いで、ウエット状のまま嵩密度1.0（g/cm3）、6mm
厚みにプレス成形を行い乾燥後、カットして20mm角の平
板を作成した。第１表にシリカ・アルミナファイバー
（商品名イビウール）、微粒低ソーダアルミナ、及び抄
造した平板の化学組成を示す。 次に、抄造した平板の上に厚み3mmで20mm角のステン
レス板（SUS304）を載せ、1200℃、大気雰囲気で10時間
加熱し、スケールとの界面を光学顕微鏡にて観察した結
果、スケールの反応（既ち液層の形成）付着は全くなか
った。 実施例２ 実施例１のシートを外径250mm、内径150mmに打ち抜い
た後、嵩密度1.0（g/cm3）、厚み6mmになるようにウエ
ット状のままプレスした後乾燥したディスク板を、外径
150mm、有効面長1500mmの金属性水冷シャフトに全体の
嵩密度1.4（g/cm3）になるようにプレス嵌装し、ステン
レス搬送用ディスクロールを作成した。 前記ディスクロールをステンレスメーカーのカテナリ
ー炉の炉内搬送用ロール、（雰囲気温度1200℃）に使用
したところ、約10,000トンのSUS304鋼板を処理した時点
でロールの摩耗は殆どなく、またビルド・アップ（ピッ
ク・アップ）による疵も発生しなかった。 比較例１ 市販のシリカ・アルミナファイバー（商品名イビウー
ル）60wt％と、市販の微粒アルミナ32wt％を使用して実
施例１と同様の平板を作成し、実施例１と同様のスケー
ルとの反応性テストを行ったところ、部分的にスケール
が付着し茶色い変色が確認され、光学顕微鏡にて界面を
観察した結果、液層の形成が確認された。 第１表に比較例１の平板の化学組成を示す。 比較例２ 市販のディスクロール用アスベクト板を用いて実施例
１と同様のスケールとの反応性テストを行ったところ、
全体的に茶色く変色し、表面にもスケールの付着が確認
され、光学顕微鏡にて界面を観察した結果、液層の形成
が確認された。 第１表に比較例２のアスベスト板の化学組成を示す。 比較例３ 比較例２のアスベスト板を用いて実施例２と同様のテ
ストを行った結果、約3,000トン処理後、搬送板に押し
疵が発生し始めた。また、嵩密度1.3（g/cm3）としたと
ころ、押し疵は発生しなかったが、約10,000トン処理
後、ロール表面は肉厚で約20mm摩耗していた。 （発明の効果） 以上のように本発明に係るステンレス搬送用ローラー
は、従来のアスベストローラーに比較し、一種または二
種以上のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、Cl、Brを含む酸
化物を少なくし、純度の高い材料を使用することで、搬
送するステンレス・ストリップに疵をつけることなく、
かつ耐摩耗性に優れたローラーを提供することが可能と
なった。 また、アスベスト繊維を全く使用していないため、ロ
ールの製造上または使用上「特定化学物質等障害予防規
則」に規定される石綿公害を引き起す恐れの全くないロ
ーラーを提供する事が可能となった。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 １．シリカ及びアルミナを主成分とするセラミック・フ
ァイバーと、無機結合材と、有機結合材とから抄造した
シートからなるデイスク板を順次シャフトに嵌装して設
けたディスクロールに於いて、抄造後のシートに含まれ
る一種または二種以上のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、
Cl、Brを含む酸化物中のFe、Na、Ca、Ｋ、Cr、Ｓ、Ｆ、
Cl、Brの元素換算をした合計量が0.03wt％以上、0.15wt
％以下の範囲であることを特徴とするステンレス搬送用
ローラー。 ２．前記無機結合材は、Al2O3、TiO2、SiAlON、ZrB2、M
gO、BNの一種または二種以上であることを特徴とする特
許請求の範囲第１項記載のステンレス搬送用ローラー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62162647A JP2739171B2 (ja) | 1987-06-29 | 1987-06-29 | ステンレス搬送用ローラー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62162647A JP2739171B2 (ja) | 1987-06-29 | 1987-06-29 | ステンレス搬送用ローラー |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS648224A JPS648224A (en) | 1989-01-12 |
| JP2739171B2 true JP2739171B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=15758597
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62162647A Expired - Lifetime JP2739171B2 (ja) | 1987-06-29 | 1987-06-29 | ステンレス搬送用ローラー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2739171B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101643168B1 (ko) * | 2016-03-02 | 2016-07-27 | 대한동방 주식회사 | 향상된 사용수명을 가지는 반송용 롤 및 그것의 제작방법 |
| KR101643167B1 (ko) * | 2016-02-18 | 2016-08-10 | 대한동방 주식회사 | 열처리로에 설치되는 디스크 롤 및 그 디스크 롤의 제작방법 |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5205398A (en) * | 1990-07-27 | 1993-04-27 | Eltech Systems Corporation | Insulating roll cover |
| KR100807396B1 (ko) * | 2000-12-29 | 2008-02-28 | 주식회사 케이씨씨 | 이송용 세라믹 롤러의 제조방법 |
| FR2821857B1 (fr) * | 2001-03-06 | 2004-07-30 | Usinor | Rouleau destine au transport d'une bande metallique dans une installation de recuit continu |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5845837B2 (ja) * | 1975-08-20 | 1983-10-12 | 株式会社東芝 | レ−ザカコウソウチ |
| JPS59200716A (ja) * | 1983-04-28 | 1984-11-14 | Nippon Steel Corp | 熱処理炉用ロ−ル |
-
1987
- 1987-06-29 JP JP62162647A patent/JP2739171B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101643167B1 (ko) * | 2016-02-18 | 2016-08-10 | 대한동방 주식회사 | 열처리로에 설치되는 디스크 롤 및 그 디스크 롤의 제작방법 |
| KR101643168B1 (ko) * | 2016-03-02 | 2016-07-27 | 대한동방 주식회사 | 향상된 사용수명을 가지는 반송용 롤 및 그것의 제작방법 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS648224A (en) | 1989-01-12 |
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