JP2731617B2 - 酸素による脱リグニンと酵素処理によるリグノセルロースの漂白方法 - Google Patents

酸素による脱リグニンと酵素処理によるリグノセルロースの漂白方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、酸素処理とキシラナーゼを用いた酵素処理
とを用いてリグノセルロース質物質を漂白する方法に関
する。
繊維状の形態のリグノセルロース質物質は、紙、厚
紙、建築板等の製造用原料として広く工業的に使用され
ている。上記原料は通常は木材であり、その主成分はセ
ルロース及び3次元構造の高分子物質−リグニンであ
る。リグニンはセルロース質多糖とヘミセルロース多糖
とのマトリックス(matrix)中に入りこんでいると考え
られる。一般的に、上記の相異なる成分同士の間に存在
する結合(bonding)は、化学的性質の異なる結合を介
して成立するとみなされている。例えば、リグニンのブ
ロック(blocks)はヘミセルロース鎖を介して会合して
いると考えられ、該ヘミセルロースはリグノセルロース
質物質のうちの別成分であると考えられる。硬質木材す
なわち広葉樹材においては、主なヘミセルロースはグル
クロノキシランであり、これはD−キシロースの重合体
を包含するものであり、以下キシランという。
強靱で漂白可能な製紙用ファイバーを製造するために
は、リグノセルロース質物質を処理してリグニンを除か
なければならず、また通常は上記処理の最初の部分は、
化学薬品例えば水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム(ク
ラフトパルプを製造するのに使用される)、又は亜硫酸
塩、通常はナトリウム塩又はマグネシウム塩(亜硫酸パ
ルプを製造するのに使用される)の存在下に蒸解釜の中
で行なわれ、このようにして化学パルプが製造される。
このリグニンの除去を脱リグニンという。木材パルプの
リグニン含有量は、パルプ及び紙工業技術協会の標準法
に従って過マンガン酸塩酸化試験法によって測定され、
カッパー価(Kappa number)として報告される。蒸解釜
から得られた化学パルプは、この段階では未だかなりの
量の残存リグニンを含んでおり、若干の場合には別段の
精製をすることなく工作用紙又は包装用紙を製造するの
に適している。しかしながら、大部分の用途、例えば印
刷用紙、筆記用紙及び衛生紙(トイレットペーパー)の
製造に関しては、前記の化学パルプは色が黒すぎるので
漂白することによって増白しなければならない。すなわ
ち、リグノセルロース質物質(該物質を前記では化学パ
ルプと呼んだ)を漂白する方法において本発明の方法を
使用し得るのはまさにこの点である。また、漂白の最初
の段階は別の脱リグニンに帰着する。
パルプを更に脱リグニン化し且つ漂白する慣用の方法
は、3〜6段階程度の段階又は工程を含めて、また工程
同士の間に洗滌工程を伴なうか又は伴なわずに、種々の
多段階の漂白処理順序(bleaching sequences)を使用
しなければならなかった。化学パルプの場合には、漂白
の目的は紙製品及び薄葉紙(ティッシュペーパー)製品
を製造するのに十分に高度の白色度及び強さをもったパ
ルプを提供することにある。この場合の特徴としては、
ISO(国際標準化機構)法による白色度85%〜90%をも
つパルプが製造される。
更に高い白色度をもつパルプが、ある種の未漂白パル
プから製造できるが、更に費用がかかり、且つパルプ強
度特性が低下するという危険性又は犠牲を伴なう。慣用
の漂白方法において所定のパルプ(a given pulp typ
e)に付与される。(encountered)白色度の漸近的な限
界を、本明細書では白色度の最高限度(brightness cei
ling)という。この白色度の最高限度は白色度の或る限
度であり、この或る限度とは、これを越えた場合には、
更に漂白する方法はパルプの品質に対してはあまりにも
有害であるか、法外に不経済的であるか、あるいはある
種の物質に関しては達成できないような限度である。
伝統的には、上記の継続的な漂白処理法は、1つの形
態又は別個の形態で、塩素及び塩素含有化合物を使用す
ることに基づいていた。使用される塩素含有化合物の幾
つかは、塩素(以下、Cと表記する)、二酸化塩素(以
下、Dと表記する)、及び次亜塩素酸塩(以下、Hと表
記する)、通常は次亜塩素酸ナトリウムである。通常
は、塩素は、二酸化塩素と混合して又は混合せずに使用
され、これを用いて化学パルプの漂白を開始させ、次後
にアルカリ性水性媒体中で塩素処理したパルプを抽出す
る(以下、上記2つの工程を一緒にしてC-Eと表記す
る)。上記C工程における塩素装入量(あるいは塩素と
二酸化塩素の合計の装入量、該二酸化塩素は酸化性塩素
当量基準で表示される)は、処理するパルプのリグニン
量(カッパー価)に比例する。前記アルカリ抽出工程は
塩素化され且つ酸化された残存リグニンの大部分を溶解
し;除去するのに使用され、また該抽出工程では若干の
ヘミセルロースも除去される。
塩素含有漂白剤に関連した水質及び大気汚染問題を軽
減することを目的としたより一層厳しい環境規制の出現
と、それに加えて塩素含有廃棄物の除去に必要とされる
大規模な回収設備の出現に関連して、各種漂白方法にお
いて前記塩素含有漂白剤の使用を低減すること、且つ好
ましくは使用を避けることは紛れもない利点である。さ
らにまた、塩素含有廃棄物を、クラフト法の黒色液回収
設備を通して再循環させる場合には、蒸発器及び炉に対
して損傷を生じるであろう。また、炉に対し損傷を生じ
させる塩化ナトリウムの堆積(build-up)も発生するで
あろう。それ故に、パルプ及び紙工業では、前記の問題
を回避し得る別の漂白剤を研究している。
過去20年間におけるパルプ及び紙工業における著しい
技術的進展の1つは、脱リグニン化及び漂白剤として酸
素を使用することに関連している。1つの応用は、塩素
化工程の次後の慣用のアルカリ抽出工程と結合させて酸
素を使用すること(以下、E。と表記する)である。塩
素化工程の次後のアルカリ抽出工程は、酸素と組み合わ
せて又は酸素の代わりに他の酸化性の薬剤例えば過酸化
物(以下、pと表記する)、又は次亜塩素酸塩(以下、
hと表記する)を含有していてもよい。従って、上記の
酸素と組み合わせて、又は酸素の代わりに過酸化物
(p)又は次亜塩素酸塩(h)を含有する各アルカリ抽
出工程を、以下、Epo、Eho、Ep又はEhと表記し、且つ各
々を一般的に酸化的抽出という。
酸素の別の主要な応用は、主としてパルプ化蒸解の次
後で、且つ漂白に先行する脱リグニン(以下、oと表記
する)に対してである。この方法で使用される酸素は、
加圧下にアルカリ性媒体中で未漂白パルプに加えられ
る。酸素の使用は脱リグニン及び漂白方法の別法を提供
するが、それは限定された有用性の唯一のものである。
その理由は、酸素の使用はセルロースの重合度に悪影響
を与え、それが欠点とみなされるからである。セルロー
スの重合度はパルプ強度の指標であり、TAPPI(パルプ
及び紙工業技術協会)の標準法によりパルプ粘度として
測定される。漂白工程に必要な規準(criterion)は、
生成したパルプの粘度が実質的に低下してはならないこ
とである。一般に、この漂白工程ではパルプ化した後に
残るリグニンのうちの最高約50%迄が、許容し得るパル
プ粘度の低下を伴なって除去できるだけであることが認
められる。この漂白工程において脱リグニンを更に多量
に行なう試みは、更に追加的な粘度低下を犠牲にする。
パルプ粘度の低下を最小限にするのを促進するために、
漂白工程にマグネシウムイオンを存在させることが知ら
れている。パルプ粘度の低下はセルロース部分やヘミセ
ルロース部分の化学的変化(分解)から生ずると信じら
れている。
酸素による脱リグニン法を用いる応用は、漂白順序に
おける塩素含有化合物の使用を軽減するのに寄与した。
その理由は、塩素化工程における前記薬品(塩素含有化
合物)の装入量がパルプのリグニン含有量に基づくもの
であり、しかもこのリグニン含有量が酸素を用いて脱リ
グニンすることにより実質的に低減される(約40%〜50
%)からである。
リグノセルロース質物質の処理に酵素を使用するため
に、酵素について研究が行なわれている。例えば、リグ
ニン分解酵素、特に白色腐朽菌(white-rot fungi)か
ら得られるリグニン分解酵素が種々の度合にリグニンを
分解することが知られている。また、セルラーゼ酵素が
セルロースを分解することも知られており、食品工業や
アルコール製造において工業的に重要である。製紙を目
的としたパルプの製造においては、セルラーゼ酵素の作
用は有害である。その理由は生ずるであろうセルロース
の重合度の低下を招来するからである。
リグノセルロース質物質のヘミセルロース成分という
点からみて、木材パルプに対するキシラナーゼ酵素の影
響について報告した種々の研究がある。キシラナーゼは
ヘミセルロースのキシランと予期した通りに選択的に反
応する。
仏国特許出願第2,557,894号明細書(1985年に公開さ
れたもの)には、製紙に必要とされる次後の叩解工程又
は精製工程の総数(amount)を減らすために硬質木材
(広葉樹材)由来の漂白されたクラフト又は軟質木材
(針葉樹材)由来の漂白された亜硫酸化学パルプを、キ
シラナーゼを含有する酵素溶液で処理する方法が記載さ
れている。特に、所望の効果を得るために、漂白された
パルプの処理に多量の酵素が必要とされていた。更に、
精製工程を減らすのに使用する担子菌類のキノコ・スポ
ロトリクム・ジモルホスポルム(Sporotrichum dimorph
osporum)によって分泌されたキシラナーゼは、セルラ
ーゼを含有するものであり、これの有害なセルラーゼ活
性は前記方法に塩化第二水銀を加えることによって抑制
された。水銀含有化合物に接触させることに関連した公
知の毒性作用及び他の有害な作用に帰因して、水銀含有
化合物の使用は許容できない。
Chauvetら〔「Proceedings of the International Sy
mposium on Wood And Pulping Chemistry(木材及びパ
ルプ化学に関する国際シンポジウムの会議録)」、パ
リ、第325頁、1987年〕は、慣用の化学パルプの漂白処
理順序すなわちC/D-E-D-E-Dに対する前処理として使用
するために担子菌類のキノコ・スポルトリクム・ジモル
ホスポルムから得られたキシラナーゼ酵素製剤の使用に
ついて報告した。上記の粗製の酵素複合体は、キシラナ
ーゼ活性以外のポリサッカラーゼ活性の全部を不活性化
するために、塩化第二水銀で処理される。上記のパルプ
の前処理は、酵素処理する工程、次いで洗滌する工程及
び次後の酸水性液浸漬工程からなり、硬質木材試料につ
いて最大14%迄カッパー価の減少を生起する。パルプ強
度は変化しない。
次後の過酸化水素を用いる化学的処理に対して又は漂
白処理順序において、白色度の向上と改善されたカッパ
ー価の減少を目的として、硬質木材及び軟質木材のクラ
フトパルプに対してキシラナーゼを適用することは、Vi
ikariら(「Proceedings of the International Sympos
ium on Wood And Pulping Chemistry」、Paris、1987)
によって検討された。キシラナーゼは、アスペルギルス
・アワモリ(Aspergillus awamori)種の菌類の菌株を
培養することによって得られ、またストレプトマイセス
・オリボクロモゲネス(Streptomyces olivochromogene
s)又はバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)の菌
株を培養することによって得られる。上記で得られたキ
シラナーゼは、バシラス・サチリスから得られたキシラ
ナーゼがキシロシダーゼを含有しない以外は、キシラナ
ーゼ活性とキシロシダーゼ活性の両方を示す。上記酵素
製剤は、ほんのわずか(trace)のセルラーゼ活性を含
んでいる。過酸化水素処理し、次後に酵素処理した後に
は、硬質木材のパルプ又は軟質木材のパルプのどちらで
も白色度ポイントで1.0〜3.4のわずかな(small)白色
度の上昇が認められた。多くの場合、得られたパルプの
粘度は変らないか又はわずかに低くなるだけである。パ
ルプの諸特性に対する酵素処理単独の効果については示
されていない。
Paice〔「Biotech.and Bioeng.」、第32巻、第235〜2
39頁(1988年)〕は、パルプを連続的にキシラナーゼ処
理し、次いで1%水酸化ナトリウムで処理することによ
る硬質木材の未漂白パルプの処理法について記載してい
る。この2工程法は、白色度の上昇とカッパー価の低下
とを与えている。また、次後のC-E-D漂白の後では、白
色度増強の全部ではなく、若干が維持されている。伝え
られるところによれば、上記キシラナーゼはセルラーゼ
を含まないものであり、大腸菌クローンによって生産さ
れたものである。
本発明者らは、今般、酸素を用いた脱リグニン工程と
キシラナーゼ処理工程を含める一連の順序の諸工程より
なる処理法により従来法より化学パルプをより一層効果
的に脱リグニン化でき且つ漂白できることを意外にも知
見した。
従って、本発明の目的は、有意な程の付加的な粘度低
下を招来することなく、リグノセルロース質物質の脱リ
グニンの程度を増大させる方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、塩素含有漂白剤を、慣用されて
いる量よりも減量して使用して、あるいは元素状塩素の
使用を全く省略し、従って環境上からみてより一層受け
入れられる方法を提供することのできるリグノセルロー
ス質物質の漂白方法を提供することにある。
本発明の更にまた別の目的は、リグノセルロース質物
質の白色度の最高限度を効果的に上げるリグノセルロー
ス質物質の脱リグニン及び漂白方法を提供することにあ
る。
従って、本発明の第1の要旨によれば、キシラナーゼ
で加水分解可能なキシロシド結合を有するリグノセルロ
ース質物質の漂白方法において、前記リグノセルロース
質物質を(a)アルカリ性媒体中で酸素又は酸素含有ガ
スで処理し、且つ(b)前記リグノセルロース質物質中
の前記加水分解可能なキシロシド結合の加水分解を行な
うのに十分な量で、実質的にセルラーゼを含有しないキ
シラナーゼを用いて該キシラナーゼでリグノセルロース
質物質を処理して、これにより漂白されたリグノセルロ
ース質物質を得ることを特徴とするリグノセルロース質
物質の漂白方法が提供される。
本発明の漂白方法では、前記のキシラナーゼを用いる
処理を、前記の酸素又は酸素含有ガスを用いる処理に先
行させてもよい。一般に、本発明の漂白方法の好ましい
状態においては、前記の酸素又は酸素含有ガスを用いる
処理が、前記のキシラナーゼを用いる処理に先行する。
酸素又は酸素含有ガスを用いる前記リグノセルロース
質物質の処理は、水性懸濁液中のパルプ化された物質が
約3重量%〜約35重量%の範囲、好ましくは約10重量%
〜約30重量%の範囲から選択される稠度(コンシステン
シー)を有するようにして該パルプ化された物質を、酸
素又は酸素含有ガスを用いて約30〜約250pound/inch2
ージ(psigゲージ)の酸素分圧で且つ約70℃〜約170
℃、好ましくは約100℃〜約150℃、更に好ましくは約10
0℃〜約130℃の範囲内の温度で、約10〜約90分間好まし
くは約20分〜約60分間処理することにより行なわれる。
本発明の方法で用いる酸素含有ガスは、通常は空気で
ある。空気を使用すると酸素を使用する際の圧力よりも
更に高い使用圧力を必要とする。例えば、空気は約150
〜250psigで使用されるのに対し、酸素は30〜150psigの
圧力で有効である。また、酸素ガスは、現場で(in sit
u)生成させ得る。酸素は過酸化水素を分解することに
よって供給し得、また前記の酸素を用いる処理には、活
性化剤、例えば二酸化窒素を使用し得る。
前記の酸素又は酸素含有ガスを用いる処理は、1重量
%〜20重量%(前記リグノセルロース質物質基準)のア
ルカリ又はアルカリ土類塩基の存在下で行なわれる。上
記の塩基は水酸化ナトリウムであり、且つ1重量%〜10
重量%の範囲内の量で使用することが好ましい。
前記に定義した酸素を用いる処理には、粘度保存剤、
例えばマグネシウムイオンを0.05重量%〜1.0重量%の
範囲内の量で加えてもよい。適当なマグネシウム含有化
合物としては、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、
炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウムが挙げられ
る。粘度を保持するための他の適当な添加剤としては、
錯生成剤例えばアミノアルキルホスホネート及びポリア
ミノポリカルボキシレートを含有させてもよい。
実質的にセルラーゼを含有しないキシラナーゼを用い
た前記リグノセルロース質物質の処理は、1重量%〜20
重量%好ましくは2重量%〜12重量%の稠度を有するよ
うにして該リグノセルロース質物質を、1〜500IU/mlの
範囲内のキシラナーゼ濃度のキシラナーゼで20℃〜80℃
の範囲内の温度で1〜48時間処理することにより行なわ
れる。また、前記の処理はpH約4〜約8の水性媒体中で
行なわれる。該水性媒体は所望ならば上記pHを制御する
ために緩衝される。適当な緩衝剤としては酢酸塩緩衝剤
及び酢酸塩/クエン酸塩緩衝剤が挙げられるが、これら
のみに限定されるものではない。
本発明の方法においては、前記キシラナーゼは実質的
にセルラーゼを含有しないとの特性を有するものであ
る。本明細書では、“実質的にセルラーゼを含有しな
い”という用語は、グルコシド結合の望ましくない加水
分解を行なうのに十分な量のセルラーゼが存在しないこ
とを意味する。グルコシド結合の加水分解は、本明細書
に定義した本発明の方法に従って、リグノセルロース質
物質の諸特性を向上させることを目的とした該リグノセ
ルロース質物質の処理には有害であり、且つ望ましくな
い。許容し得るセルラーゼの量は、本発明の実施におけ
る特定の処理対象物の種類に応じて左右される。
本発明の方法の1つの態様によれば、前記の酸素処理
及びキシラーゼ処理は、次の群すなわち、 (i)塩素、二酸化塩素又はこれらの混合物を用いて水
性媒体中で処理する工程、 (ii)二酸化塩素を用いて水性媒体中で処理する工程、 (iii)過酸化物を用いてアルカリ性水性媒体中で処理
する工程、 (iv)次亜塩素酸塩を用いて水性媒体中で処理する工
程、 (v)オゾンを用いて水性媒体中で処理する工程、及び (vi)二酸化窒素を用いて水性媒体中で処理する工程 からなる群から選ばれる1種又はそれ以上の追加の処理
工程を付加的に行なう。
前記の1種又はそれ以上の追加の処理工程は、前記酸
素処理及び前記キシラナーゼ処理に先行してもよいし、
あるいは前記酸素処理と前記キシラナーゼ処理の間で介
在する処理として行なってもよいし、あるいは前記酸素
処理と前記キシラナーゼ処理の後に行なってもよいし、
あるいは上記の別々のタイミングを組み合わせて用いて
もよい。
本発明の方法では、前記の1種又はそれ以上の追加の
処理は前記酸素処理と前記キシラナーゼ処理の次後に行
なうことが好ましい。
本発明の方法の別の態様によれば、本発明の方法は、
少なくとも前記の酸素処理及びキシラナーゼ処理で得ら
れた漂白されたリグノセルロース質物質を、(i)アル
カリ塩基を用いて水性媒体中で抽出する工程、及び(i
i)アルカリ塩基を用いて水性媒体中で酸化的に抽出す
る工程、からなる群から選ばれる追加の処理工程で処理
することを追加的に含む。
前記酸素処理と前記キシラナーゼ処理の次後には、次
の順序の諸工程、すなわち (i)塩素、二酸化塩素又はそれらの混合物を用いて水
性媒体中で処理する工程、 (ii)アルカリ塩基を用いて水性媒体中で抽出又は酸化
的に抽出する工程、及び (iii)二酸化塩素を用いて水性媒体中で処理する工
程、 からなる追加の処理を行なうことが好ましい。
別の好ましい態様では、前記酸素処理と前記キシラナ
ーゼ処理の次には、次の順序の諸工程、すなわち (i)二酸化塩素を用いて水性媒体中で処理する工程、
及び (ii)過酸化水素を用いて水性媒体中で処理する工程、 からなる追加の処理法を行なうものである。
本発明の好ましい態様の方法並びに前記の態様及び好
ましい態様の方法では、特にことわらない限り前記キシ
ラナーゼ処理が前記酸素処理に先行し得る。
本発明の別の要旨によれば、前記の諸方法によって製
造された漂白されたリグノセルロース質物質が提供され
る。
本発明の方法の実施に際して、前記の追加の諸処理は
パルプ漂白の当業者には公知であり、個別的に及び多く
の場合には断続的に(in sequence)、両方共に、当該
技術分野で慣用的に実施されているか又は公知の任意の
合理的な方法で行なわれる。漂白されたパルプの製造に
好適な本発明の諸方法としては、次の一連の順序の処理
法O-X-C/D-E-D(式中、C/Dは塩素、二酸化塩素、又はこ
れらの混合物を示す)で定義される順序の一連の処理工
程が挙げられ、抽出工程(E)は場合によっては前記に
定義した酸化的抽出である。別法として、上記方法は次
の順序の一連の処理工程O-X-D-Pで定義し得る。但しこ
の場合の処理工程には、元素状塩素による処理を含んで
いない。二酸化塩素の製造の特質(nature)によって、
二酸化塩素に含まれる塩素は、それを除去する必要がな
く、且つ本発明の方法にとって有害ではない塩素である
場合が多い。
本発明の実施に使用されるキシラナーゼは、実質的に
セルラーゼを含有しないものであり、任意の適当なキシ
ラナーゼ産生微生物例えばキシラナーゼ産生菌を培養す
ることによって採取される。上記微生物は天然産の菌
株、又はその変異株であり得るか、あるいはキシラナー
ゼの産生を増大させるために及び/又はより一層純粋な
キシラナーゼ混合物(例えば実質的にセルラーゼを含ま
ないものである)を製造するために、遺伝子工学により
製造された菌株、すなわち組換え体菌株であり得る。
前記キシラナーゼは、大腸菌(Escherichia coli)
種、枯草菌(Bacillus subtilis)種又はストレプトマ
イセス(Streptomyces)属の微生物から採取された実質
的にセルラーゼを含有しないものである。上記微生物は
遺伝子工学的に操作され、実質的にセルラーゼ生産活性
をもたないものである。上記キシラナーゼはストレプト
マイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)種か
ら誘導される、キシラナーゼ遺伝子を含有する微生物組
換え体から得られた実質的にセルラーゼを含有しないも
のであるのが更に好ましい。
例えば、Mondueら〔「Gene」、第49(3)巻、第323
〜329頁(1987年)〕はストレプトマイセス属の微生物
の遺伝子工学的に操作した組換え体の調製について報告
し、且つ本発明で使用するのに適した微生物組換え体か
ら実質的にセルラーゼを含まないキシラナーゼの製造に
ついて報告している。前記の組換え体微生物はストレプ
トマイセス属の微生物の変異株を宿主として用い、この
宿主細胞にハイブリドプラスミドを導入することによっ
て作製し得るものであり、前記の宿主としての変異株は
セルラーゼ生産活性を実質的にもたない特性を有するも
のであり、前記ハイブリドプラスミドはキシラナーゼ遺
伝子を適当なプラスミドに組込むことによって構築され
たプラスミドである。前記のキシラナーゼ遺伝子を含む
ハイブリドプラスミドは、該プラスミドが組込まれてい
る宿主微生物中で、セルラーゼを含まないキシラナーゼ
の細胞外分泌を誘発できる。前記ハイブリドプラスミド
は、任意の慣用の方法で、例えばベクタープラスミドに
所望のDNA断片すなわち前記キシラナーゼ遺伝子を組込
むことを目的とした連結反応(ligation)によって構築
できる。前記キシラナーゼ遺伝子は公知菌株ストレプト
マイセス・リビダンス1326から採取し得る。適当なベク
タープラスミドは公知のベクタープラスミドpIJ702であ
り、これはストレプトマイセス・リビダンス3131から採
取し得る。
前記ハイブリドプラスミドはプロトプラストの融合又
は形質導入又は形質転換の技法によって前記宿主微生物
に導入し得る。
従って、本発明の好ましい態様によれば、前記リグノ
セルロース質物質のキシラナーゼ処理に使用するため
の、実質的にセルラーゼを含まないキシラナーゼは、ス
トレプトマイセス・リビダンス66(菌株1326)のキシラ
ナーゼ(xln)遺伝子の相同(homologous)クローニン
グによって得られる。前記キシラナーゼ遺伝子は、マル
チコピー(multi copy)プラスミドpIJ702を使用して、
キシラナーゼ生産活性をもたず、しかも、セルラーゼ生
産活性をもたない2重的な変異株(double mutant stra
in)ストレプトマイセス・リビダンス10-164の機能相補
化(functional complementation)によってクローンし
得る。このクローニング方法はF.MondueらのGene、49
(3)、323-329(1987)に詳細に記載され、1つの上
記クローンすなわちストレプトマイセス・リビダンスIA
F18が得られている。
ストレプトマイセス・リビダンス3131に挿入保留され
ている(harbouring)プラスミドpIJ702はジ・アメリカ
ン・タイプ・カルチャー・コレクション(The American
Type Culture Collection)に受託番号ATCC35287とし
て寄託されている。ストレプトマイセス・リビダンス13
26及び2重的な変異株ストレプトマイセス・リビダンス
10-104は英国アバディーンのザ・ナショナル・コレクシ
ョン・オブ・インダストリアル・アンド・マリン・バク
テリア・リミテッド(the National Collection of Ind
ustrial and Marine Bacteria Limited)に1990年2月
8日付でそれぞれ受託番号NCIMB40257及びNCIBM40258と
して寄託されている。
前記キシラナーゼ(xln)遺伝子の発現と天然基質上
での前記クローン:ストレプトマイセス・リビダンスIA
F18からのキシラナーゼの生産についてはJ-L.Bertrand
らの「Biotechnol.Bioengineering」、33、791-794(19
89)に記載されている。この場合に得られたキシラナー
ゼ酵素の精製と諸特性については、R.Morosoliらの「Bi
ochem.J」、239、587-592(1986)に記載されている。
前記キシラナーゼ生産微生物の培養では、培地中に炭
素源が必要とされ、それはキシラナーゼの生産速度に影
響し得る。例えば、ストレプトマイセス・リビダンス種
の組換え体微生物の培養による実質的にセルラーゼを含
まないキシラナーゼの製造においては、培養に使用する
培地は、適当な界面活性剤例えば「Proceedings of The
6th Canadian Bioenergy R&D Seminor(第6回カナダ
生体エネルギーR&Dセミナーの会議録)」〔カナダ国
バンクーバー(1987年)〕にKluepfelらによって記載さ
れているオリーブ油及び/又はTween80(登録商標)と
一緒に主要炭素源として干し草(hay)、小麦わら、ト
ウモロコシの茎や葉、キシラン及び/又は醸造穀粒粕
(brewer's spent grain)を含有し得る。
また、キシラナーゼを含有する酵素混合物が、かなり
の量のセルラーゼも含有する場合には、該セルラーゼは
キシラナーゼの任意の公知の精製法で除去するか、又は
該セルラーゼは任意の許容される化学的処理又は機械的
処理によって処理することにより選択的に不活性化され
る。
キシラナーゼは培養ブイヨン(broth)中に生産され
たものとして、又はその濃縮混合物として、あるいはキ
シセナーゼの更に濃縮された混合物又はキシラナーゼの
乾燥調剤のいずれかから製造された混合物として、前記
キシラナーゼは施用され得る。
本発明のリグノセルロース質物質のキシラナーゼ処理
は、攪拌しながら又は攪拌しないで行なわれる。前記キ
シラナーゼ処理の処理時間が終ったら、得られた処理さ
れた物質をそのまま使用してもよいし、あるいは濃縮し
てもよく、その後得られた前記処理された物質は別の操
作に使用される。場合によっては洗滌工程を含めてもよ
い。
本発明の方法の別の態様によれば、前記キシラナーゼ
処理の次後に濃縮工程及び/又は洗滌工程を行ない、こ
れによって残留する活性なキシラナーゼを含む濾液を収
得し、この濾液をキシラナーゼで処理すべきリグノセル
ロース質物質に施用することによって再循環して利用す
ることが好ましい。
本発明の方法によれば、慣用の方法で本発明の方法と
同じ程度まで漂白されたパルプに認められる白色度及び
粘度と同等か又はそれよりも良い申し分のない白色度及
び粘度をもった漂白された生成物が提供される。また、
より一層高い白色度の水準が、本明細書に記載の方法を
使用して実用的に達成できる。しかしながら前記白色度
の水準は著しく高い塩素含有量の化学薬品の使用及び/
又は有害な粘度低下を犠牲にしてのみ達成し得るだけで
ある。
本明細書に記載の方法によれば、塩素含有化合物を更
に減量して使用して、且つ元素状塩素を使用する必要を
全く除いても、漂白されたパルプが製造でき、それによ
って本発明の方法を用いたパルプミルから排出される汚
染排水が低減される。
本発明の方法によれば、原料リグノセルロース質物質
から除去されるより有機質の物質をミルの回収工程に再
循環させる機会が与えられ、このようにして漂白方法が
環境汚染する汚染源を低減される。
本明細書において、特にことわらない限りは部及び%
の全てはオーブン乾燥した物質の重量基準である。
本発明の処理されたリグノセルロース質物質を特徴づ
けて特定するパラメーターの測定試験は次の標準法で行
なった。
カッパー価 TAPPI試験法 T-236 M-76 粘 度 TAPPI試験法 T-230 0M-82 白 色 度 TAPPI試験法 T-452 0M-83 本発明を以下の実施例により説明するが、実施例に限
定されるものではない。
実施例1 ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces liv
idans)66(菌株1326)から染色体DNAを抽出し、次いで
制限酵素Sau 3Aで部分的に消化した。
得られた染色体DNA断片を、10〜40%の直線的なショ
糖濃度勾配法を用いて分画した。4〜10kbの断片を豊富
に含有する画分をプールして集め、その後にエタノール
沈澱させた。ストレプトマイセス・リビダンス3131から
採取したベクタープラスミドpIJ702を、制限酵素Bgl II
で完全に消化し、次いでフェノール−クロロホルム混合
液で抽出することにより酵素を除いてDNAを集めた。得
られたプラスミドをエタノール沈澱させ、次いでKendal
lとCullumの「Gene」、29、315(1984)に記載の方法に
よって脱リン酸化した。DNA断片の連結反応について
は、前記の部分的に消化したストレプトマイセス・リビ
ダンス染色体DNA断片と前記の脱リン酸化したベクター
プラスミドpIJ702が5:1の比率で混在する混合物を、0.1
単位のT4 DNAリガーゼを用いて37.5μg/mlの濃度で室温
で1夜処理した。
ストレプトマイセス・リビダンス1326はN−メチル−
N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジンを用いて突然変
異を誘発させたものであり〔Delicら、「Mutation Re
s.」、、167(1970)」、次いでβ−1,4−D−グルカ
ン グルカノハイドロラーゼ(エンドセルラーゼ)生産
活性をもたず且つキシラナーゼ生産活性をもたない2重
的な変異株を選択した。この2重的な変異株は、主な炭
素源として1%カルボキシメチル−セルロースを含有す
る固体最小培地上で検出して選抜した。エンドセルラー
ゼ活性の有無を判定する鑑定のための視覚化は、Teache
rとWoodの「op.cit.」によるコンゴーレッド染色法で行
われた。キシラナーゼ生産活性をもたない変異株の検出
は、上記カルボキシメチル−セルロースを1%オート麦
粕キシランに代えた以外は上記と同じ最小培地を用い
て、上記と同じ方法で行なった。コンゴーレッド染色法
はキシラナーゼ活性の検出にも適用できることが知見さ
れた。上記の両方の場合の検出において、染色されない
帯域が存在しないということは、酵素の生成がないこと
を示すとみなされる。上記のようにして得られた2重的
な変異株であるストレプトマイセス・リビダンス10-164
は極めて安定であり、最も高い形質転換効率を与えるも
のと思われ、それゆえにキシラナーゼ遺伝子の発現系を
出現させるためにかなり好適な宿主微生物として選抜さ
れた。
上記2重的な変異株であるストレプトマイセス・リビ
ダンス10-164のプロトプラスト化及び形質転換はChater
らの「Curr.Topics Microbiol.Immunol.」、97、69(19
82)に記載の方法で行なった。形質転換されたプロトプ
ラストを、メラニンの発現のための補助成分を加えたR5
培地上に塗布接種し、次いでその上を、42℃で、寒天0.
6%を含有するR5培地3mlで覆った。KendallとCullumの
方法〔「op.cit.」(1984)〕に従って30℃で16時間培
養した後に、形質転換体をチオストレプトン耐性の有無
を基準にして選択した。キシラナーゼ生産活性のあるク
ローンの選別は、Bielyらの「Anal.Biochem.」、144、1
42(1985)に従って調製したRBB−キシランを補足成分
として加えた最小培地を用いて行なった。
キシラナーゼを生産するコロニーは、上記培地の基質
を加水分解して透明な帯域を作る。
2つのキシラナーゼ生産クローンを選抜し、これらを
ストレプトマイセス・リビダンスIAF18及びストレプト
マイセス・リビダンスIAF30と命名した。上記ストレプ
トマイセス・リビダンスIAF18及びIAF30中に存在するプ
ラスミド性(plasmidic)DNA物質のアガロースゲル電気
泳動による分析は、存在している上記のプラスミド全部
がベクタープラスミドpIJ702よりも大きいものであるこ
と、すなわちプラスミドpIAF18及びプラスミドpIAF30は
それぞれ5.7kb及び6.7kbの挿入断片を有していることを
示した。これら2つのハイブリドプラスミドを使用して
前記2重的な変異株ストレプトマイセス・リビダンス10
-164を再形質転換させた。全ての場合において、上記形
質転換体の100%は、予じめ計測した酵素活性について
の陽性であったので、推定上のキシラナーゼ(xln)遺
伝子がプラスミドと結合されていることが認められる。
前記プラスミドpIAF18とプラスミドpIAF30の制限酵素マ
ッピングは、制限部位に関して2つの挿入断片の間に違
い(discrepancy)があることを明らかにした。しかし
ながら、上記挿入断片pIAF18に対して内在的なBam HI-S
ph I制限断片をプローブとして用いたサザンブロッティ
ングは、約2kbのDNAが前記2つの挿入断片に共通して含
有されることを示した。
xln遺伝子の発現は、TSB(トリプチケース大豆肉汁培
地)中で及びキシラン培地中で異なる(different)ク
ローンの深部培養によって調べ、野生型(正常型)の菌
株ストレプトマイセス・リビダンス1326及び3131と比較
した。上記キシラン培地(M13培地という)はキシラン
〔オート麦粕から得たもの、Sigma Chemical Co.(米国
ミズリー州セントルイス)製〕10g;(NH4)2SO4,1.4g、K2
HPO4,2.5g;KH2PO4,1.0g;酵母抽出液(Difco製)2g;プロ
テオース・ペプトン(Difco製),1g;MgSO4・7H2O,0.3g;
CaCl2・2H2O,0.3g;Tween 80,2ml;及び微量金属溶液〔Co
Cl2・6H2O(200mg),FeSO4・7H2O(500mg),MnSO4・H
2O(160mg)及びZnSO4・7H2O(14mg)を含有する〕、1m
lの全部を蒸留水100mlに溶解し、pH3に酸性にしたもの
からなる。34℃の培養温度を選択した。その理由はこの
温度がキシラナーゼ活性に対して良好な成長割合を与え
る〔Kluepfelら、「Appl.Microbiol.Biotechnol.」、2
4、230(1986)〕からである。培養48時間(h)及び72
時間(h)について得られた結果を第1表に示す。
a:キシラナーゼ活性の評価は、0.1M McIlvain緩衝液pH
6.0中で1%キシランの水性懸濁液1mlで適当に希釈され
た酵素溶液1mlを60℃で10分間培養することによって行
なった。この反応はジニトロサリチル酸試薬2mlを加
え、次いで15分間加熱することによって終結させた。放
出された還元糖の量は、標準としてD−キシロースを用
いて測定した。キシラン懸濁液1mlからなるブランクを
上記と同じ方法で培養し、それに上記ジニトロサリチル
酸溶液2mlと酵素1mlを加えた。
前記野生型菌株がプラスミドpIJ702を有するか又は有
しないかはいずれにせよ、該野生型菌株をTSB中で生育
させた場合には酵素活性を産生せず、またキシラン培地
中で生産された酵素活性の水準は培養濾液の3〜6IU/ml
の間を変化した。クローンIAF18とIAF30は任意の誘発剤
が存在しない場合でもTSB(0.9〜4.5IU/ml)中で有意な
活性を示した。キシラン培地中で生育させたクローンIA
F18及びIAF30は極めて高い水準のキシラナーゼを産生し
た、例えばクローンIAF18は380IU/mlに達した。全培養
の細胞内画分においては、極くわずかな量のキシラナー
ゼ活性が検出されただけであり、酵素の効率的な分泌を
示していた。
キシランで誘導した後の菌株ストレプトマイセス・リ
ビダンス3131並びにクローンIAF18及びIAF30の培養上澄
濃縮をクマシーブルーで染色した後にSDS-9%PAGEで、
分泌されたキシラナーゼについて分析した。上記2つの
クローンのキシラナーゼ様生成物は推定Mr4000を存して
いた。この値はストレプトマイセス・リビダンス1326か
ら単離された未変性(native)の精製されたキシラナー
ゼのMrに正確に一致し、上記クローンの両方共に少なく
とも完全な構造遺伝子をコードしている挿入断片を有す
ることを示していた。また、前記タンパク質の同一性は
アンチキシラナーゼ抗体を用いてウェスタンブロッティ
ング試験で免疫学的に確認された。
実施例2 ストレプトマイセス・リビダンスIAF18の遺伝安定性
をTSB中で及び1%キシラン(前記のもの)を含有するM
13培地中で、それぞれチオストレプトンの存在下又は不
存在下で酵素産生を試験することによって調べた。両方
の培地中では、得られた酵素濃度(levels)は、少なく
とも10回の連続した移植については一定のままであり、
抗生物質チオストレプトンの不存在によって影響を受け
なかった。マルチコピー遺伝子効果がTBS中で観察され
た。そこでは、24時間後には矛盾なく約2IU/mlが測定さ
れ、48時間後には10IU/mlに達した。生成物のこの濃度
は数日間安定のままであり、且つ34℃で酵素の良好な安
定性によって説明される。M13培地にグルコースを添加
した場合には、異化代謝産物抑制が明白に示され、グル
コースが消費されると酵素産生が開始された。一方、同
じM13培地に主要炭素源としてキシロースを添加した場
合には、第2表に示したようにキシランのみを使用する
ことによって得られたように800IU/mlの細胞外キシラナ
ーゼ濃度が産生された。
キシランを1%又は2%含有するM13培地上で、野生
株ストレプトマイセス・リビダンス1326と、そのクロー
ンストレプトマイセス・リビダンスIAF18との間での酵
素産生についての比較を第3表に示した。同一濃度で、
ストレプトマイセス・リビダンス1326は28IU/mlを産生
し、これに対しストレプトマイセス・リビダンスIAF18
はキシラナーゼ1300IU/ml及び1600IU/mlをそれぞれ分泌
した。
実施例3 本例は従来法による一連の順序の漂白諸工程C/D-E-D-
E-Dで漂白した方法の例であり、本発明の方法による順
序の漂白工程との比較例である。
カッパー価14.1,粘度49.1mPa.s及びISO白色度34.3%
を有する未漂白硬質木材クラフトパルプ150g(オーブン
乾燥品基準)を、従来法による順序の漂白諸工程C/D-E-
D-E-Dにより漂白した。薬剤の装入量及び条件は次の通
りであった。
C/D工程:3%の稠度(コンシステンシー)をもつパルプ
に、塩素2.81%と二酸化塩素0.12%とを50℃で30分間に
わたって加えた。
E1工程:10%の稠度をもつパルプに水酸化ナトリウム1.5
6%を70℃で60分間にわたって加えた。
D1工程:6.0%の稠度をもつパルプに二酸化塩素0.8%と
水酸化ナトリウム0.45%とを70℃で3時間にわたって加
えた。
E2工程:10%の稠度をもつパルプに水酸化ナトリウム0.4
%を70℃で6時間にわたって加えた。
D2工程:6.0%の稠度をもつパルプに二酸化塩素0.1%を7
0℃で3時間にわたって加えた。
最後工程の二酸化塩素工程の後に得られたパルプは、
次の特性を有していた。
白色度 90.0%(ISO) 粘 度 31.9mPa.s 実施例4 本実施例は従来法による一連の順序の漂白工程O-C/D-
E-Dの例であり、本発明の方法による一連の順序の漂白
工程との比較のために示す例である。
カッパー価14.1,粘度49.1mPa.s及びISO白色度34.3%
を有する未漂白の硬質木材クラフトパルプ150g(オーブ
ン乾燥品基準)を、Hobartミキサー中で攪拌しながら水
酸化ナトリウム2.5%及び十分な量の水と一緒に混合し
て10%の稠度にした。次いで得られたパルプを中稠度酸
素反応器(a medium consistency oxygen reactor)に
移した。この反応器中で、前記パルプを酸素で、60lbs/
inch2の圧力で、100℃の温度で60分間処理した。パルプ
のpHは最終的にpH11.4となった。次いで4%の稠度まで
希釈した後にパルプを濾過し、1%の稠度で水洗し、次
いで再度濾過した。洗滌されたパルプは以下の特性を有
していた。
カッパー価 8.3%(未漂白パルプよりも41%低い) 粘 度 25.6mPa.s 白 色 度 50.1%(ISO) 次いで酸素処理したパルプを一連の順序の漂白工程C/
D-E-Dで更に漂白した。薬剤の装入量及び条件は次の通
りであった。
C/D工程:3.0%の稠度をもつパルプに塩素1.65%と二酸
化塩素0.07%とを50℃で30分間にわたって加えた。
E工程:10%の稠度をもつパルプに水酸化ナトリウム0.8
2%を70℃で60分間にわたって加えた。
D工程:6.0%の稠度をもつパルプに二酸化塩素0.25%と
水酸化ナトリウム0.05%とを70℃で3時間にわたって加
えた。
上記の一連の順序の漂白工程O-C/D-E-Dで漂白したパ
ルプは次の特性を有していた。
白 色 度 89.9%(ISO) 粘 度 18.9mPa.s 実施例5 本実施例は従来法の一連の順序の漂白諸工程X-C/D-E-
Dの例を示すものであり、本発明の方法による順序の漂
白工程との比較のために示すものである。上記漂白工程
のXはキシラナーゼ処理工程を表わす。
カッパー価14.1,粘度49.1mPa.s及びISO白色度34.3%
を有する実施例1の未漂白硬質木材クラフトパルプ50g
を実施例1に記載のようにして組換え体として得た微生
物ストレプトマイセス・リビダンスIAF 18から取得した
セルラーゼを含有しないキシラナーゼを用いて処理し
た。処理は、3%のパルプ稠度で、0.1M酢酸ナトリウム
緩衝水溶液中で250rpmで攪拌しながら、pH5及び150IU/m
lのキシラナーゼ濃度で、50℃で16時間行なった。この
酵素処理の次後に、得られたパルプを濾過し、1%の稠
度で洗滌し、次いで再度濾過した。これを洗滌して得ら
れたパルプは次の特性を有していた。
カッパー価 10.8%(未漂白パルプよりも23%低い) 粘 度 53.5mPa.s 白 色 度 40.1%(ISO) 次いで得られたキシラナーゼ処理したパルプを、次の
順序の漂白工程C/D-E-Dで更に漂白した。薬剤装入量及
び条件は次の通りであった。
C/D工程:3.0%の稠度をもつパルプに塩素2.14%と二酸
化塩素0.09%とを50℃で30分間にわたって加えた。
E工程:10%の稠度をもつパルプに水酸化ナトリウム1.2
%を70℃で60分間にわたって加えた。
D工程:6.0%の稠度をもつパルプに二酸化塩素1.0%を7
0℃で3時間にわたって加えた。
上記の順序の漂白工程X-C/D-E-Dで漂白したパルプは
次の特性を有していた。
白色度 90.8%(ISO) 粘 度 30.3mPa.s 実施例6 本例は比較のためにのみ示す例である。
実施例4の未漂白の硬質木材クラフトパルプを、実施
例4記載の酸素処理に供した。次いで、酸素処理したパ
ルプを、キシラナーゼを存在させなかった以外は実施例
5に略述したようなキシラナーゼ処理の条件下で処理し
た。その後に、得られたパルプを濾過し、1%の稠度で
水洗し、次いで濾過した。これを洗浄して得られたパル
プは、以下の特性を有していた。
カッパー価 8.0 粘 度 25.6mPa.s 白 色 度 52.5%(ISO) このようにして酸素処理−緩衝処理と連続的に処理さ
れたパルプは、実施例4の酸素処理されたパルプと同一
のカッパー価及び粘度特性を有することが認められた。
上記の緩衝処理は、前記のパルプ特性に殆ど影響を与え
なかった。
実施例7 本実施例は、本発明の方法の一連の順序の漂白工程O-
X-C/D-E-Dの例を示すものである。
実施例4の未漂白の硬質木材クラフトパルプを、実施
例4記載の酸素処理に供した。次いで、酸素処理したパ
ルプを、実施例5に記載のキシラナーゼ処理に供した。
洗浄後に得られた酸素処理−キシラナーゼ処理されたパ
ルプは、以下の特性を有していた。
カッパー価 5.3(未漂白パルプよりも62%低い) 粘 度 26.6mPa.s 白 色 度 55.9%(ISO) 次いで、上記の酸素処理−キシラナーゼ処理したパル
プを、一連の順序の漂白工程C/D-E-Dで更に漂白した。
薬剤の装入量及び条件は次の通りであった。
C/D工程:3.0%の稠度をもつパルプに,塩素1.05%と二
酸化塩基0.044%とを50℃で30分間にわたって加えた。
E工程:10%の稠度をもつパルプに,水酸化ナトリウム
0.59%を70℃で60分間にわたって加えた。
D工程:6.0%の稠度をもつパルプに,二酸化塩素0.1%
と水酸化ナトリウム0.05%とを70℃で3時間わたって加
えた。
上記の一連の順序の漂白工程O-X-C/D-E-Dで漂白して
得られたパルプは、以下の特性を有していた。
白色度 90.5%(ISO) 粘 度 25.7mPa.s 実施例4で酸素処理単独で処理して得られたパルプの
カッパー価は8.3であり、これは処理前の未漂白パルプ
のカッパー価よりも41%低い。実施例5でキシラナーゼ
処理単独で処理して得られたパルプのカッパー価は10.8
であり、これは処理前の未漂白パルプのカッパー価値よ
りも23%低い。比較として、実施例5について連続的に
酸素処理−キシラナーゼ処理した場合(本実施例)は、
得られたパルプのカッパー価は5.3であり、これは処理
前の未漂白パルプのカッパー価よりも62%低く、酸素処
理及びキシラナーゼ処理別々の処理を基準として該2つ
の処理の間の相乗効果を明確に例証している。前記の酸
素処理及びキシラナーゼ処理別々の処理を単に付加的に
行った場合には、カッパー価6.4を与えることが予期さ
れ、これは処理前の未漂白パルプよりも55%低いカッパ
ー価に相当する。
また、実施例3、4又は5それぞれで例示的に説明し
た一連の順序の漂白工程、C/D-E-D-E-D、O-C/D-E-D又は
X-C/D-E-Dの任意の1つと同等、あるいはそれよりも低
い場合もある最終的な白色度まで漂白するのに必要とさ
れる薬剤装入量と比較して、一連の順序の漂白工程O-X-
C/D-E-Dについて実施例7に示したようにO-X処理したパ
ルプの次後の漂白に関しては、C/D工程、E工程及びD
工程の薬剤装入量が各々有意に低減された。
実施例8 本実施例は、本発明の方法の一連の順序の漂白工程X-
O-C/D-E-Dの例を示すものである。
実施例4の未漂白の硬質木材クラフトパルプを、実施
例5記載のキシラナーゼ処理に供し、次いで実施例4記
載の酸素処理に供した。前記のX-O処理(キシラナーゼ
処理−酸素処理)したパルプは、次の特性を有してい
た。
カッパー価 5.3(未漂白パルプよりも62%低い) 粘 度 30.2mPa.s 白 色 度 62.3%(ISO) 次いで、上記のX-O処理したパルプを、一連の順序の
漂白工程C/D-E-Dで更に漂白した。薬剤の装入量及び条
件は次の通りであった。
C/D工程:3.0%の稠度をもつパルプに,塩素1.05%と二
酸化塩素0.044%とを50℃で30分間にわたって加えた。
E工程:10%の稠度をもつパルプに,水酸化ナトリウム
0.64%を70℃で60分間にわたって加えた。
D工程:6.0%の稠度をもつパルプに,二酸化塩素0.15%
を70℃で3時間わたって加えた。
上記の一連の順序の漂白工程X-O-C/D-E-Dで漂白して
得られたパルプは、次の特性を有していた。
白色度 91.6%(ISO) 粘 度 21.8mPa.s 本実施例8で上記のX-O処理で処理して得られたパル
プのカッパー価は、実施例7でO-X処理(酸素処理−キ
シラナーゼ処理)して得られたパルプのカッパー価と同
一であり、且つ酸素処理及びキシラナーゼ処理の順序に
は拘りなく該2つの処理の間に相乗効果が存在すること
を説明している。また、前記のO-X処理又はO処理(酸
素処理)単独で処理して得られたパルプに比べて、上記
X-O処理して得られたパルプは、向上した白色度及びは
るかに向上した粘度を有していた。
本実施例の一連の順序の漂白工程X-O-C/D-E-Dで漂白
して得られたパルプの、最終的な白色度は91.6%(IS
O)であり、これは低減された量の塩素及び塩素含有化
合物を使用して、且つ望ましくない副作用を伴わずに、
パルプの白色度の最高限度の有効な上昇が得られること
を説明するものである。
実施例9 本実施例は、本発明の方法の一連の順序の漂白工程O-
X-D-E-Dの例を示すものである。
実施例4の未漂白の硬質木材クラフトパルプを、実施
例4記載の酸素処理に供した。次いで、酸素処理したパ
ルプを、実施例5記載のキシラナーゼ処理に供した。得
られたパルプは、以下の特性を有していた。
カッパー価 4.6(未漂白パルプよりも67%低い) 粘 度 24.1mPa.s 白 色 度 60.8%(ISO) 上記の酸素処理−キシラナーゼ処理したパルプを、一
連の順序の漂白工程D-E-Dで更に漂白した。薬剤の装入
量及び条件は次の通りであった。
D1工程:6.0%の稠度をもつパルプに,二酸化塩素0.5%
と水酸化ナトリウム0.25%を70℃で3時間わたって加え
た。
E工程:10%の稠度をもつパルプに,水酸化ナトリウム
0.3%を70℃で60分間にわたって加えた。
D2工程:6.0%の稠度をもつパルプに,二酸化塩素0.1%
を70℃で3時間わたって加えた。
上記の一連の順序の漂白工程O-X-D-E-Dで漂白して得
られたパルプは、以下の特性を有していた。
白色度 90.3%(ISO) 粘 度 22.4mPa.s 本実施例9もまた、前記の酸素処理とキシラナーゼ処
理との間の相乗効果を例証しており、それによってこの
場合には、処理前の未漂白パルプのカッパー価よりも67
%低いカッパー価が得られる。また、上記O-X処理(酸
素処理−キシラナーゼ処理)した後には、良好な粘度と
共に向上した白色度が得られた。
本実施例9で例示的に説明した本発明の方法は、当業
者によって認められる比較的少ない二酸化塩素装入量
で、元素状塩素を使用しないで十分に漂白された高い白
色度が得られ、且つ良好な粘度を維持する機会(opport
unity)を提供する。
実施例10 本実施例は、本発明の方法の一連の順序の漂白工程O-
X-D-Pの例を示すものである。
実施例4の未漂白の硬質木材クラフトパルプを、実施
例4記載の酸素処理に供し、次いで実施例5記載のキシ
ラナーゼ処理に供した。上記のO-X処理(酸素処理−キ
シラナーゼ処理)工程で漂白したパルプは、以下の特性
を有していた。
カッパー価 4.6(未漂白パルプよりも67%低い) 粘 度 24.1mPa.s 白 色 度 60.8%(ISO) 次いで、上記のO-X処理工程で漂白して得られたパル
プを、一連の順序の漂白工程D-Pで更に漂白した。薬剤
装入量及び条件は次の通りであった。
D工程:6.0%の稠度をもつパルプに,二酸化塩素1.0%
と水酸化ナトリウム0.2%を70℃で3時間わたって加え
た。
P工程:10%の稠度をもつパルプに,過酸化水素0.1%と
水酸化ナトリウム0.25%を70℃で60分間にわたって加え
た。
上記の一連の順序の漂白工程O-X-D-Pで漂白して得ら
れたパルプは、以下の特性を有していた。
白色度 90.9%(ISO) 粘 度 20.3mPa.s 本実施例の場合には、わずか4つの処理工程を使用し
ただけで、また元素状塩素を使用しないで十分に漂白さ
れた高い白色度が得られた。
実施例11 実施例4の未漂白の硬質木材クラフトパルプを、最終
のD工程の薬剤装入量をパルプに対して二酸化塩素0.5
%及び水酸化ナトリウム0.1%に代えた以外は、実施例
7に記載の一連の順序の漂白処理工程O-X-C/D-E-Dに供
した。上記O-X-C/D-E-D漂白して得られたパルプは、以
下の特性を有していた。
白色度 91.7%(ISO) 粘 度 25.1mPa.s 本実施例11はまた、本発明の方法について実施例7に
記載の利点を例証している。特に、本実施例の場合に
は、良好な粘度(25.1mPa.s)で極めて高い白色度[91.
7%(ISO)]が得られた。
実施例12 実施例4の未漂白の硬質木材クラフトパルプを、最終
のD工程の薬剤装入量をパルプに対して二酸化塩素0.08
%に代えた以外は、実施例8に記載の一連の順序の漂白
処理工程X-O-C/D-E-Dに供した。上記X-O-C/D-E-D漂白し
て得られたパルプは、以下の特性を有していた。
白色度 89.1%(ISO) 粘 度 21.2mPa.s 本実施例12はまた、本発明の方法について実施例8に
記載の利点を例証している。
前記実施例5に記載のようにキシラナーゼ処理の次後
の洗浄処理は任意のものとみなされるが、一般には、酵
素処理したパルプを長期間保存した場合には、上記洗浄
処理が必要とされ、且つ該酵素を変性することが推奨さ
れる。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キシラナーゼで加水分解可能なキシロシド
    結合を有するリグノセルロース質物質の漂白方法におい
    て、前記リグノセルロース質物質を(a)アルカリ性媒
    体中で酸素又は酸素含有ガスで処理し且つ(b)前記リ
    グノセルロース質物質中の前記加水分解可能なキシロシ
    ド結合の加水分解を行なうのに十分な量で、実質的にセ
    ルラーゼを含有しないキシラナーゼを用いて該キシラナ
    ーゼでリグノセルロース質物質を処理して、これによ
    り、漂白されたリグノセルロース質物質を得ることを特
    徴とするリグノセルロース質物質の漂白方法。
  2. 【請求項2】前記の酸素又は酸素含有ガスを用いる処理
    が前記のキシラナーゼを用いる処理に先行するものであ
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】水性懸濁液中の前記リグノセルロース質物
    質が約3重量%〜約35重量%の範囲から選択される稠度
    (コンシステンシー)を有するようにして該リグノセル
    ロース質物質を、アルカリ性媒体中で酸素又は酸素含有
    ガスを用いて約30psi(ゲージ)〜約250psi(ゲージ)
    の酸素分圧で約70℃〜約170℃の範囲内の温度で約10〜9
    0分間処理する請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】水性懸濁液中の前記リグノセルロース質物
    質が約1重量%〜約20重量%の稠度を有するようにして
    該リグノセルロース質物質を、1〜500IU/mlの範囲内の
    キシラナーゼ濃度のキシラナーゼで20℃〜80℃の範囲内
    の温度で1〜48時間処理する請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記リグノセルロース質物質に対して行な
    う酸素処理及びキシラナーゼ処理に加えて、次の群すな
    わち、 (i)塩素、二酸化塩素又はそれらの混合物を用いて水
    性媒体中で処理する工程、 (ii)二酸化塩素を用いて水性媒体中で処理する工程、 (iii)過酸化物を用いてアルカリ性水性媒体中で処理
    する工程、 (iv)次亜塩素酸塩を用いて水性媒体中で処理する工
    程、 (v)オゾンを用いて水性媒体中で処理する工程、及び (vi)二酸化窒素を用いて水性媒体中で処理する工程か
    らなる群から選ばれる1種又はそれ以上の追加の処理工
    程を付加的に行なう請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】前項5の1種又はそれ以上の追加の処理工
    程を前記の請求項1に記載の酸素処理及びキシラナーゼ
    処理の次後に行なう請求項5に記載の方法
  7. 【請求項7】請求項1又は請求項5に記載の処理で得ら
    れた漂白されたリグノセルロース質物質を、(i)アル
    カリ塩基を用いて水性媒体中で抽出する工程及び(ii)
    アルカリ塩基を用いて水性媒体中で酸化的に抽出する工
    程からなる群から選ばれる追加の処理工程で処理するこ
    とを追加的に含む請求項1又は請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】請求項1又は2の方法で得られた漂白され
    たリグノセルロース質物質は、次の順序の諸工程、すな
    わち (i)塩素又は二酸化塩素又はそれらの混合物を用いて
    水性媒体中で処理する工程、 (ii)アルカリ塩基を用いて水性媒体中で抽出又は酸化
    的抽出する工程、及び (iii)二酸化塩素を用いて水性媒体中で処理する工
    程、からなる追加の処理法で更に処理される請求項1又
    は請求項2記載の方法。
  9. 【請求項9】請求項1又は2に記載の方法で得られた漂
    白されたリグノセルロース質物質は、次の順序の諸工
    程、すなわち (i)二酸化塩素を用いて水性媒体中で処理する工程、
    及び (ii)過酸化水素を用いて水性媒体中で処理する工程か
    らなる追加の処理法を更に受ける請求項1又は2に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】リグノセルロース質物質は硬質木材の化
    学パルプである請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】使用される前記のセルラーゼを含有しな
    いキシラナーゼは、ストレプトミセス属に属するキシラ
    ナーゼ遺伝子含有の微生物から採取されたキシラナーゼ
    である請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】ストレプトマイセス・リビダンスの宿主
    変異株にハイブリドプラスミドを導入することによって
    作製された組換え体微生物から得られたキシラナーゼを
    使用するものであり、前記の宿主として用いる変異株は
    セルラナーゼ生産活性を実質的にもたない特性を有する
    ものであり、前記ハイブリドプラスミドは、ストレプト
    マイセス・リビダンス66から得られたキシラナーゼ(xl
    n)遺伝子をベクタープラスミドpIJ702に組込むことに
    よって構築されたプラスミドである請求項1,2又は5の
    いずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記の宿主として用いる変異株はストレ
    プトマイセス・リビダンスの2重的な変異株10-164であ
    り、この2重的な変異株はセルラーゼ生産活性を実質的
    にもたないこと及びキシラナーゼ生産活性を実質的にも
    たないことの特性を有する菌株である請求項12に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】キシラナーゼ処理の次後に、追加的に洗
    滌工程は又は濃縮工程を行ない、これによって、残留す
    る活性なキシラナーゼを含む濾過を収得し、この濾過を
    キシラナーゼで処理すべきリグノセルロース質物質に施
    用することによって、残留のキシラナーゼを再循環して
    利用する請求項1又は2に記載の方法。
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