JP2711644B2 - 洗い米の製造装置 - Google Patents

洗い米の製造装置

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JP2711644B2
JP2711644B2 JP7020276A JP2027695A JP2711644B2 JP 2711644 B2 JP2711644 B2 JP 2711644B2 JP 7020276 A JP7020276 A JP 7020276A JP 2027695 A JP2027695 A JP 2027695A JP 2711644 B2 JP2711644 B2 JP 2711644B2
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慶二 雑賀
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株式会社東洋精米機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗米を必要とせず水を
入れるだけで直ちに炊飯できる洗い米を製造するための
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】米は消費者に於いて炊飯の都度、何度も
水を入れ替えて洗っている。これは煩わしいし、炊飯に
時間もかかる。また、研ぎ汁による河川汚染の防止の点
からも、出来れば消費者に渡るまでに洗米処理をしてお
くのが望ましい。従来、水で洗った後、乾燥して得られ
る乾燥洗い米としては、例えば、精米した米を洗い水切
りをし自然乾燥または加熱乾燥したもの(特開昭57−
141257号公報)、精米した米を洗い、冷風または
常温の送風により乾燥したもの(特開昭61−1158
5号公報)、白米を水洗、水切りした後、水分を15%
〜16%に調整したもの(特公昭51−22063号公
報)などが知られている。しかしながら、実際には、一
度洗った後、乾燥させた米で、水を加えて炊いた後もお
いしく食べられる乾燥洗い米は今まで製造されていな
い。洗い米を製造する際の問題点は、米の腐敗と砕粒化
である。即ち、米を洗った場合、その間に吸水して含水
率が高くなり、そのままでは腐敗したり、カビが生えた
りしてしまう。しかし、それを避ける為に洗った米を乾
燥させて吸水により一旦上昇した含水率を下げようとす
ると、米にまず亀裂が入り、更に、砕粒化してしまい、
炊いてもダラダラの飯になり到底飯として通用しないも
のになってしまうのである。このように、精白米は一旦
水に漬けたら、これを乾燥せしめると必ず亀裂が入り、
その内に砕粒化してしまうので、今までに知られている
乾燥洗い米は炊いて食しても美味というものでなく、炊
飯には適さなかった。また、乾燥洗い米と同じく研がず
に炊ける米(無洗米)として、水洗い以外の方法で調製
したものも知られている。代表的なものは、精白米に微
量の水分を添加しながら研米を行い除糠して得られた研
磨米と、精白米をアルコールで洗い乾燥してアルコール
を除いた無洗米(特開昭60−54650号公報)であ
る。しかしながら、前者の研磨米は、米を水の中へ漬け
て洗ったものではないから、米肌の肉眼では見えない、
無数で微細な陥没部に入り込んでいるミクロン単位の糠
粉や、小さな洞穴状の胚芽の抜け跡に入り込んでいる糠
粉群などは除去されずに残っている。このため、研磨米
の洗滌水の濁度数値(社団法人 日本精米工業会の測定
方式による洗米時に於ける洗滌水の濁度数値。本明細書
記載の濁度は全て同じ。)は100P.P.M前後にし
かならず、従って炊飯時に際して、普通の精白米が10
回の洗米すすぎが必要なところを5回ですむという程度
のもので、洗米が不要と云うものではない。また、後者
のアルコールで洗った米は、アルコールを完全に除かね
ばならない上に、炊いた米飯の食味も落ちるという問題
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】生の米で、然も洗米の
要らない米は、炊飯時の煩雑さをなくすると同時に汚濁
水の防止にも寄与することから、水を加えるだけで直ち
に炊ける「乾燥洗い米」が消費者より要望されて久し
い。そして、上記のように、従来よりこのような乾燥洗
い米を得るための研究がなされているが、炊いた米飯の
食味が優れたものは今までに製造されていない。本発明
はこのような点に鑑み、水洗後も米粒に亀裂が入らず、
しかも、炊いた米飯の食味が低下しない乾燥洗い米を製
造することが出来る洗い米の製造装置を提供することを
目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、洗米後も亀
裂が入らず、炊いた米飯の食味も優れている洗い米を得
るべく鋭意研究を重ねた結果、精白米の水中での洗滌、
除糠工程及び除水工程を従来とは桁違いに短かい時間内
に行えば、米粒に亀裂が入らず炊飯に適する乾燥洗い米
が得られることを見出し、発明を完成した。即ち、本発
明に係る洗い米の製造装置は、連続洗米機と該洗米機の
次工程に設けた除水装置とを備えた洗い米の製造装置で
あって、前記連続洗米機が、毎分600回転以上で回転
する攪拌体を備え、かつ該連続洗米機に供給される精白
米を前記連続洗米機と除水装置を極短時間で通過させる
ことができ、前記連続洗米機と該除水装置とを通過させ
た洗い米の含水率を16%以下としうる除水能力を備え
ていることを特徴とするものである。上記のような本発
明に係る洗い米の製造装置においては、連続洗米機へ精
白米を供給すると、精白米は該連続洗米機の水中で洗
滌、除糠が行なわれ、更に次工程の除水装置によって強
制的に除水が行なれる。このとき、前記連続洗米機の攪
拌体は毎分600回転以上の高回転で回転しており、極
短時間で充分な洗滌、除糠が行なわれて米肌面にある陥
没部の糠分がほとんど除去された状態で次の除水工程へ
送られ、連続洗米機の水への浸漬から除水までが数分以
内に行なわれる。このため、洗米、除水の間の米粒の主
な吸水部は米粒の表層部であり、除水後の洗い米の米肌
には亀裂が生成しておらず、平均含水率は約13%〜1
6%となる。既に述べたように、洗滌時に水が米粒内部
まで浸透した米は乾燥した時に砕粒化の原因になる亀裂
が生じ、炊いた時においしい米飯とならない。この点、
前記のように、本発明に係る装置を用い、洗滌、除水の
各工程での米粒の吸水部が主に米粒の表面部であるうち
に洗滌と除水を行えば、除水後に亀裂は入らない。この
ような含水状態を保った後の除水時の米粒の平均含水率
(以下、単に「含水率」という。)は16%以下であ
る。吸水部が米粒の表面部である時間巾は、洗滌法、洗
滌条件等によって変わるが数分以内である必要がある。
数分以内とは大体3分〜4分より短い時間であり、好ま
しくは2分〜3分で、更に好ましくは1分以内である。
米粒の含水率が16%をこえないというのは、それ以上
の水分である時は、その後の水分放散により亀裂が生じ
ることと米粒を常温で保存した時に腐敗が防止できる上
限の含水率でもある。含水率の下限を約13%としたの
は、精白米の含水率が通常約13%以上であるからであ
る。尚、本発明で洗い米の「含水率」というのは、付着
水を除いた時の「平均含水率」のことである。含水率は
平均値であるので米粒全体の含水状態が均一かどうかに
は関係なく含水率が上記範囲に含まれるものであればよ
い。尚、含水率は米粒における通常の測定方法(食糧庁
方式)を用いるものである。
【0005】以下、本発明の洗い米の製造装置について
更に詳しく説明する。本発明の洗い米の製造装置におけ
る連続洗米機としては、公知の連続洗米機を用いること
も出来るが一部改造の要がある。即ち、洗米槽を小径と
なし攪拌体の回転数も毎分600回転以上が可能となる
ように改造する必要がある。洗米機で洗滌する場合、そ
の機械の回転数や槽径は処理量との関係で定まるものだ
が、要は供給された精白米が、槽内で充分な洗米に必要
な攪拌回数を受けるだけの時間を経ても、除水後、即ち
付着水分を除かれた時の水分、いわゆる内部含水率が1
6%以下の含水率になっているように洗米機が設計され
ることが重要である。そもそも米は、収穫後、1部の地
域を除き、玄米で含水率15%以下になるよう乾燥する
ことが義務付けられており、それ以上であると検査が通
らないので、通常13%〜14%の含水玄米で流通され
ている。又、調質が行われたとしても、搗精過程で0.
5%〜1%程度の水分発散が避けられないので、結局、
精白米に仕上った時の含水率は14%程度である。その
ように通常の14%前後の含水率の精白米では、腐敗や
発カビのおそれはないが、そのような精白米を、前記の
洗米機で水洗する時に、水洗槽を通過する時の在槽時間
が長いと、その間に米粒内に深く水が浸透し、表面付着
水が除去されても内部含水率が高くなり、腐敗や発カビ
の因となる。そして、それを防ぐために内部水分を乾燥
により除去せしめると、ひずみが生じて砕粒化の原因で
ある亀裂が出来る。そこで、内部水分を除去しなくとも
よいように、表面付着水を除去された時の水分、即ち内
部含水率を16%以下に押える必要があり、その為に
は、洗米時における米粒への給水を出来るだけ防ぐべ
く、洗米機での米粒の在槽通過時間が短くなるよう考慮
して、回転数や槽の大きさを定める必要がある。いずれ
にしても、本発明の目的とする洗い米を製造するには、
連続洗米機の在槽通過時間を従来よりも桁違いに短時間
にしなければならない。尚、在槽時間の設定は、精白米
の吸水性のよしあし、及び洗滌水温によっても勘案する
要がある。即ち、水温が高い程、吸水速度が早くなるの
で在槽通過時間を短くする要がある。要は、連続洗米機
による洗米時に、米粒の内部にはほとんど水が浸透しな
い在槽時間とすることである。このため、本発明では、
連続洗米機の攪拌体の回転数を毎分600回転以上とす
ることで、極く短い在槽通過時間であるにもかかわら
ず、充分な洗米に必要な攪拌が行われ、洗滌と除糠が行
われるようにしている。米粒が連続洗米機の水中で攪拌
される回数が少ないと、必要最小限の洗米効果が得られ
ないから、前記の通り、短かい在槽時間内で、充分な洗
米に必要な数だけ攪拌を行なおうとすれば、洗米機の攪
拌体の回転数を速くする必要がある。つまり、本発明で
は、連続洗米機により洗滌を行う場合、従来とは桁違い
に短かい在槽通過時間内に、充分な洗米に必要な攪拌回
数が行なわれる回転数を設定している。尚、ここに云う
充分な洗米とは、そのまま炊飯した場合、飯が糠臭くな
い程度、即ち、現在一般的に消費者で洗米している程度
を意味するものであり、物理的には精白米表面にある肉
眼では見えない無数の微細な陥没部や、胚芽の抜け跡に
入り込んでいるミクロン単位の糠粉等を、ほとんど除去
している程度、即ち、再びそれを洗米した場合、洗滌水
がほとんど濁らない状態を指すものである。このよう
に、連続洗米機で充分な洗米が行なわれて洗い米が該洗
米機より排出されるが、米粒は大量の洗滌水と共に洗米
機から排出されるので、これを間髪をいれず、直ちに前
記洗米機の後工程に設けた除水装置にて、洗滌水は勿論
のこと、米粒表面に付着している付着水をも除去するの
である。尚、除水装置は、洗滌水及び付着水を除去出来
る機能さえあれば公知の機器でよいが、除水後の洗い米
の含水率が16%以下となるような除水能力を備えてい
ることが必要である。公知の除水装置の中には、吸水の
要因となる洗滌水や付着水の大部分を、瞬間に近い短時
間に除去出来るものがあるから、それを選べばよい。以
上の通りの要領で、精白米を本発明装置の洗米工程と除
水工程を通過させると、精白米は極く短時間に洗滌、除
水が行なわれるので、米粒内に水がほとんど浸透するこ
となく、除水装置より排出されたときには約13%以上
で16%をこえない含水率になっており、長期間室内で
そのまま放置しても表面にはほとんど亀裂も生じず、勿
論砕粒化もしていない乾燥洗い米が得られる。除水した
時の米粒は、付着水を除去したとは云えその表面部は内
部よりも含水率が高いことは想像に易いが、一粒当りの
平均含水率が16%をこえないものになっていると云う
ことは、表面部の含水率の高い部分は極めて薄いもので
あり、それゆえに亀裂さえも生じないのである。つま
り、従来の概念では、洗米すると云うと、即、米粒内部
まで水を吸収し、1粒全体が高含水化すると云うことで
あり、それを除こうとすると、乾燥させる以外になかっ
たのである。然るに、本発明に係る洗い米の製造装置に
よれば、洗米しても高含水化するのは極表面だけで、内
部まで高含水化させないから、1粒全体としては、僅か
に含水率が高くなるだけで、ほとんど元の乾燥した状態
のままになっているのである。それが16%をこえない
含水率と云うことである、尚、除水したての米粒表面部
の水分は間もなく内部に移行し均衡する。
【0006】一般的に、洗米によって含水してから乾燥
させた米に先ず亀裂が入る原因は、ひずみに弱い特性を
有する米粒が吸水、除水の際、その都度、部分的に膨張
と収縮が生じ、ひずみが出来るからである。然らば、洗
米時や除水時に、ひずみの因子となる膨張と収縮が生じ
ない程度の、僅かの吸水量、及び除水量に押えることが
出来れば、精白米をたとえ水中へ漬けて洗米し、乾燥さ
せても亀裂が生じないことになる。ところで、精白米は
吸水に対して極めて特異な物性があり、先ずそれを理解
した上で対応する要がある。即ち、精白米は水中に浸漬
後、約1時間で飽和点の含水率約30%に到達する。尤
も、これも水温や米質によってかなりの時間の差が生じ
る。しかし、いずれの場合でも浸漬時間と水分上昇の関
係は定率で進行するのではなく、極めて反加速度的に進
行する。従って、浸漬直後、最初の1秒間の吸水量は、
最終の10分間の吸水量に匹敵する程、最初は最も急上
昇、更にその最初の1秒間について分析しても、最後の
0.1秒間の吸水量よりも、最初0.1秒間の吸水量の
方が、はるかに多いことは云うまでもないことである。
このように米の吸水特性は、水に浸漬直後より、時間の
経過と共に吸水速度は加速度的に鈍化する。従って、浸
漬直後は極く短時間でも、かなりの量の吸水をするの
で、乾燥させたときにひずみを生じさせないようにする
ためには、それに到らない僅かの時間内に洗米を完了
し、直ちに除水することである。一方、それに関連して
精白米の洗米特性をも考察する要がある。即ち、精白米
の表面には肉眼では見えない無数で微細な陥没部があ
り、それに入り込んでいる澱粉粒や糠粉を除去するに
は、やはり、どうしても米粒群を水の中にザブンと漬け
て、少なくとも30回以上は攪拌して洗米する必要があ
る。その理由は、糠粉等が入り込んでいる陥没部は、開
口面よりも深みが長く、然も大半はミクロン単位の狭い
開口面だから、その奥の方に入り込んでいる糠粉等を除
去するには、水中に浸して激しく攪拌されている間に、
糠粉等を水に浮遊させて洗い流す以外にない。然もその
ような洗米は、前記の通り、僅かの時間内に行なう必要
がある。そのような考察のもとに構成されている本発明
の製造装置により乾燥洗い米を製造する場合は、洗米工
程で、極く短時間に精白米を水の中に漬けた状態で洗米
して除糠を行ない、直ちに除水工程によって洗滌水と表
面付着水の除水が行われるのである。連続洗米機の水へ
の浸漬から除水完了までの時間は数分以内とし、除水さ
れた時の米の含水率は約13%〜16%をこえない範囲
とする。これにより洗米時に水分が米粒内部に浸透する
ことがなく、砕粒化はおろか米粒に亀裂のない整粒の乾
燥洗い米が得られる。以上のように、本発明の洗い米の
製造装置によれば、製造される洗い米は、連続洗米機に
供給される精白米が約2%の水分を吸収するまでの極く
短時間に、水洗から除水までの各行程を全部処理するこ
とにより製造されるものである。又、本発明に係る製造
装置で製造された洗い米は、これを再び水に漬けて洗米
しても水が濁らず、濁度76P.P.M以下である。
尚、この76P.P.Mと云う濁度数値は、精米工業会
の測定方法に於ける数値の最下限で、これ以下の濁度数
値のもの、即ち、これ以上きれいな洗滌水の場合は測定
不能と云うことになる。尤も、この測定方法で測定出来
ない程の除糠度の高い米と云うものは今まで存在しなか
ったから、この測定方法で充分測定出来たわけである
が、本発明装置で製造される乾燥洗い米は、濁度数値が
余りにも低く過ぎ、この測定方法では到底測定出来な
い。従って、本明細書に於いて、「76P.P.M以
下」と表現しているところは、従来の測定方法では測定
出来ないくらい、桁違いに濁度が低いのだと云うことを
意味しているのであり、かなりの下を意味した「以下」
なのである。 尚、本明細書で、乾燥洗い米と表現して
いる「乾燥」なる意味であるが、米粒を常温で保存して
いても、腐敗したり発カビしない限度、即ち、含水率が
ほぼ16%をこえない含水状態を指すのである。又、米
粒の「亀裂」の意味は、肉眼でも明確に確認出来る亀裂
のことを指すのである。更に、「精白米」の意味である
が、完全精白米は勿論のこと、過剰精白米や中途精白米
をも含めて指すのである。又、「洗米」又は「水洗」の
意味は、米粒群を水中に漬かる程の大量の水の中で攪拌
して洗うことである。
【0007】次に、本発明の乾燥洗い米は略脱気状態で
包装される。乾燥洗い米は水洗前に比べて表面が脆くな
っていて、輸送中などに米粒同士が擦れ合うと、米粒表
面に荒れ、即ち、無数の微細な傷が発生したりして、食
味を低下させる原因となる。この為、包装に関しては米
粒同士が擦れ合わないようにすることが必要である。本
発明の包装方法によってこの目的が達成できる。即ち、
被包された乾燥洗い米と包装材との間に、ほとんど余剰
空隙が存在しない密封包装なので米粒は移動抑制され、
粒々間の位置関係もほとんど変わらない状態を保持す
る。従って、持ち運びの時などに包袋が立てたり寝かし
たりされても、袋内での米粒の擦れ合いが起こらず、荒
れが発生しない。又、保管時、或は輸送時などに外圧が
かかっても、それを内部の米粒にかかることを防げるの
で、肌あれや砕粒が生じない。元来、米と云うものは、
真空袋詰が不活性ガス封入袋詰できないかぎり、通気孔
のある包装材によって被包されている。その理由はいろ
いろあるが、米の品質保持の為にしているのが第一の理
由である。そのような包装形態では、輸送時の持ち運び
の際、包袋が立てたり寝かされたりするが、その都度、
袋内の米粒群のみかけ体積が変化する。即ち包袋を横に
寝かせた時は米粒群が薄平ったくなり、最もそのみかけ
体積が小さく、立てた時は米粒群が下に移動してずんぐ
り太くなり、みかけ体積が大きくなる。そしてみかけ体
積が大きくなった分は袋材に設けた通気孔から入った空
気によって占められる。反対に立てた袋を寝かせた時
は、内部の米粒群が薄平ったく広がり、みかけ体積が小
さくなるので、その余った分の空気が包材の通気孔から
排出される。このように米の包袋では立てたり寝かせた
りする都度、包袋内の米粒群が移動するが、その際米粒
どうしが摺れ合うのである。従来の米でもこのような摺
れ合いは弊害はないとは云えないが乾燥洗い米は、洗米
によって米肌に付着していた糠粉、即ちいわゆる「服」
にあたるものを除去しているだけに、裸の米肌どうしの
摺れ合いによる弊害は大きいところ、本発明の包装方法
では米粒群の最もみかけ体積が小さい状態で包袋内の余
剰空気をだいたい脱気して密封しているので、包袋の向
きが変って、みかけ体積が大きくなろうとしても、その
分の空気が外部から入らないから、結局当初の最もみか
け体積の小さい形態のままで維持出来、その結果、米粒
どうしの摺れ合いが起きないと云うことである。次に、
保管時、或は輸送時などに外圧がかかっても、その圧力
を内部の米粒にかかるのを防げるのは、通常この種の米
の包袋保管の際は横に寝かせて積み上げるが、この際本
発明の包袋方法では前述した通り気密性の包材で、ほと
んど余剰空隙が存在しないように脱気して密封されてい
るが、前記の如く包袋が横に寝かされた時は最もみかけ
体積が小さいから、云いかえると米粒群と包袋材との間
で余剰空間が最も大きいわけである。従ってこの包袋の
上に積み上げた包袋の過重がかかっても、この余剰空間
を占めている空気に圧力がかかり、米粒にはそれほどか
からないと云うことである。なお、本発明に於ける気密
性の包袋材とは、アルミニウム蒸着プラスチックフィル
ムや特殊なプラスチックフィルムなどのような通気性の
全くないものを意味するだけではなく、通気孔などがな
くて通気性が低いという程度の意味でもあり、例えば、
通常のポリエチレンフィルムや、フィルムコーティング
紙袋なども含まれる。又、本明細書に記載する「ほとん
ど余剰空間が存在しないような密封した」との意味は、
一般にある真空包袋のように、大気圧以下に減圧して、
加圧緊締状態にするのではなく、むしろ若干の空隙部が
あるものの、寝かしていた包袋を立てた時に米粒群が下
に移動してずんぐり太くならない程度の脱気と密封度を
指すのである。
【0008】
【実施例】
(実施例1)公知の構造の回転式連続洗米機の攪拌体を
毎分600回転となし、その出口のところに連続して除
水装置を設けてなる水洗行程と除水行程を構成し、該洗
米機に3℃の水を注入し乍ら水分14.2%の昭和60
年和歌山産なぎほの精白米を連続的に毎分1kgペースで
投入する。精白米は洗米機の洗米槽の中で運動している
注入水の中にザブンと入り、水中で攪拌され洗米され乍
ら洗米機の出口より洗滌水と共に排出され、直ちに次行
程の除水装置に入るが、ここで洗滌水及び付着水が強制
的に除去されて除水装置より排出される。その間、即ち
1粒当りの精白米が洗米槽の水に漬かった時から除水装
置より排出されるまでの時間は、45秒(大半は除水行
程での時間が占めている)であった。除水行程から出た
ての米は、水分15.9%になって居り、そのまま30
日間室内に放置していても腐敗も発カビもなく、又10
粒に1粒の割合でしか亀裂が入らず(元の精白米が約5
0粒に1粒の割合で亀裂の入った米であった)、又砕粒
化もなく(当初からの砕粒は除く)、元の整粒群のまま
であった。然もその洗い米を再洗米すると、その洗滌水
は濁度76P.P.M以下であり、洗わずに水だけ入れ
て炊いたが、よく洗米されているので通常の米よりも糠
臭もなく鮮度も落ちずおいしいご飯になった。更に前記
のように処理した洗い米をポリエチレン製の包装袋に入
れ横に寝かせた状態で上下両面から平板により軽く押圧
力を加え、扁平に整形すると共に、袋内の余剰空間のほ
とんどを排出させた上で、密封した、これを手で持ち上
げ、立てたり、斜めにしたりして揺り動かしたが、袋内
での米粒の移動はほとんどなかった。また、これを加重
及び配送試験したが、米粒の荒れは起こさなかった。
【0009】(実施例2)上記洗米機の回転数を毎分1
800回転となし、除水装置を高性能にした除水行程を
構成し、25℃の水を注入し乍ら、水分13.8%の昭
和60年和歌山県産日本晴の精白米を連続的に毎分10
kgペースの速さで投入する。この場合は精白米が洗米槽
の水に漬かった時から、除水装置から排出されるまでの
時間は約5秒であった。除水行程より出たての米は含水
率14.5%になって居り、このまま30日間、室内に
放置していても、腐敗も発カビもなく、又亀裂の入った
米粒は1粒もなく(当初からの亀裂米を除く)、勿論、
砕粒にもならず(当初からの砕粒は除く)元の整粒群の
ままであった。その洗い米を再洗すると濁度76P.
P.M以下であり、洗わずに水だけ入れて炊いても鮮度
もよく通常よりおいしいご飯になった。
【0010】(実施例3)本発明の乾燥洗い米を炊いた
ときの食味を評価するためにサンプル1〜4について2
4名のパネルに味覚テストを行った。サンプル米として
は、昭和63年産、あきたこまちの精白米を用い、いず
れも同一原料とした。また、炊飯条件はいずれも同じで
ある。サンプル1(対照品)は通常の方法で洗った後炊
いた米であり、サンプル2(対照品)は熱アルコールで
洗った後乾燥しアルコールを除いた洗い米を炊いたもの
である。サンプル3(対照品)は通常の方法で洗米した
後水切りし乾燥させた米を炊いたものであり、サンプル
4(本発明品)は実施例2の方法で洗米、除水した乾燥
洗い米を炊いたものである。評価方法はサンプル1を基
準にして、それより食味がよいか否かを各パネラーが評
価する方法を用いた。評価点は下記の通りであるが、サ
ンプル1は評価点0とした。 0 サンプル1と同じである。………… 0 0 〃 よりわずかにおいしい…+1 0 〃 より少しおいしい………+2 0 〃 よりかなりおいしい……+3 0 〃 よりたいそうおいしい…+4 0 〃 よりもっともおいしい…+5 0 〃 よりわずかにまずい……-1 0 〃 より少しまずい…………-2 0 〃 よりかなりまずい………-3 0 〃 よりたいそうまずい……-4 0 〃 よりもっともまずい……-5 味覚テストの結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】以上の結果から明らかなごとく、本発明の
乾燥洗い米(サンプル4)は対照品(サンプル2,3)
より大変美味であった。また、通常の方法で洗米、除水
した洗い米よりも本発明の乾燥洗い米の方が炊いたとき
食味が優れている。
【0013】
【発明の効果】本発明に係る洗い米の製造装置は、次の
(1)〜(4)に示すような効果を有するものである。 (1)本発明に係る製造装置によれば、乾燥洗い米を低
コストで生産することができると共に、それを炊飯する
時には、釜に水と共に入れても濁らず、そのままで炊く
事が出来、長年の願望であった消費者の洗米手間を省く
ことが出来る。又、米肌面に亀裂がなく、米肌面陥没部
の糠分がほとんど除かれているので、炊き上がった飯は
糠の臭みがなく、光沢があり、おいしいご飯である。
又、糠粉をほとんど除去された上記洗い米は、従来の米
よりも鮮度が落ちず、保存性がよい。 (2)本発明に係る製造装置により製造される乾燥洗い
米は、ビタミンが従来の米より多く摂取できる。これ
は、上記洗い米は、短時間洗米だから水溶性ビタミンの
流出が少ないし消費者がそれを洗米をせずに食べられる
からである。 (3)本発明に係る製造装置により洗い米を製造する場
合、洗米歩留りがよいので、社会的に有益である。これ
は、従来の米の洗米は、手作業でも機械式でも高圧でゴ
シゴシとやるので、本来米肌に残って欲しい物質も剥離
され流失してしまうが、本発明に係る製造装置では、洗
米槽の水を高速攪拌して洗米するので、米肌には圧力が
かからず、その結果、食味を低下させる残存糠以外の物
質の剥離が少ないからである。 (4)本発明に係る製造装置により製造される乾燥洗い
米は、水を加えただけで炊くことができるので、研ぎ汁
によって河川が汚染されるということがない。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続洗米機と該洗米機の次工程に設けた
    除水装置とを備えた洗い米の製造装置であって、前記連
    続洗米機が、毎分600回転以上で回転する攪拌体を備
    え、かつ該連続洗米機に供給される精白米を前記連続洗
    米機と除水装置を極短時間で通過させることができ、前
    記連続洗米機と該除水装置とを通過させた洗い米の含水
    率を16%以下としうる除水能力を備えていることを特
    徴とする洗い米の製造装置。
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