JP2701630B2 - 放電加工装置 - Google Patents

放電加工装置

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JP2701630B2
JP2701630B2 JP3314494A JP31449491A JP2701630B2 JP 2701630 B2 JP2701630 B2 JP 2701630B2 JP 3314494 A JP3314494 A JP 3314494A JP 31449491 A JP31449491 A JP 31449491A JP 2701630 B2 JP2701630 B2 JP 2701630B2
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electrode
circuit
switch
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真柄卓司
久 山田
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Mitsubishi Electric Corp
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工物と電極間
の間隙を適正に制御しながら被加工物を加工する放電加
工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図36は従来の放電加工装置の放電回路
の接続図である。図において、1は電極、2は電極1に
所定間隙離れて配置された被加工物、3は出力電圧E1
を可変に設定できる第1直流電源、4はダイオード、5
は第1抵抗器、例えば、電流制限用抵抗である。6は第
1スイッチ、例えば、半導体スイッチである。
【0003】電極1はダイオード4の陽極に接続され、
ダイオード4の陰性は第1直流電源3の陰極に接続さ
れ、第1直流電源3の陽極は電流制限用抵抗5の一端に
接続され、電流制限用抵抗5の他端は半導体スイッチ6
の陽極に接続され、半導体スイッチ6の陰極は被加工物
2に接続されている。7は発振回路である。この発振回
路7の出力端子7aは半導体スイッチ6の制御端子6a
に接続されている。なお、第1直流電源3、電流制限用
抵抗5、半導体スイッチ6、ダイオード4、および、発
振回路7より第1回路体が構成される。
【0004】図37は、発振回路7の詳細接続図であ
る。図において、4001はクロックパルス発生器、4
002、4003および4004は2入力OR回路、4
007はフリップフロップ、4008はオンタイムカウ
ンタ、4009はオフタイムカウンタ、4010は発振
回路7の出力端子7aが“1”となる時間を設定するオ
ンタイム設定器、4011は発振回路7の出力端子7a
が“0”となる時間を設定するオフタイム設定器であ
る。
【0005】オンタイム設定器4010はオンタイムカ
ウンタ4008のビット数と同じ数の出力端子を有し、
オフタイム設定器4011はオフタイムカウンタ400
9のビット数と同じ数の出力端子を有している。401
2および4013は一致比較回路である、この一致比較
回路4012はオンタイムカウンタ4008のビット数
と同じ数の入力端子を有する一対の比較データ入力端子
を持っている。
【0006】オンタイム設定器4010の各出力端子
は、一致比較回路4012の一方の比較データ入力端子
に接続され、オンタイムカウンタ4008の各出力端子
は、他方の比較データ入力端子に接続されている。
【0007】一致比較回路4012はオンタイム設定器
4010に設定されたオンタイムデータとオンタイムカ
ウンタ4008の内容とを比較し、両者が一致したとき
出力端子4012aに“1”を出力するとともに、オン
タイムカウンタ4008の内容が、あらかじめ設定され
た所定値になったとき出力端子4012bに“1”を出
力する。
【0008】一致比較回路4013はオンタイムカウン
タ4009のビット数と同じ数の入力端子を有する一対
の比較データ入力端子を持っている。そして、オフタイ
ム設定器4011の各出力端子は一致比較回路4013
の一方に比較データ入力端子に接続され、オフタイムカ
ウンタ4009の各出力端子は他方の比較データ入力端
子に接続されている。
【0009】一致比較回路4013はオフタイム設定器
4011に設定されたオフタイムデータとオフタイムカ
ウンタ4009の内容が一致したとき出力端子4013
aに“1”を出力する。
【0010】フリップフロップ4007のN出力端子4
007Aaは2入力AND回路4005の一方の入力端
子に接続されるとともに発振回路7の出力端子7aに接
続されている。また、2入力AND回路4005の他方
の入力端子はクロックパルス発生器4001の出力端子
4001aに接続されている。さらに、2入力AND回
路4005の出力端子はオンタイムカウンタ4008の
カウント入力端子4008aに接続されている。
【0011】フリップフロップ4007のC出力端子4
007bは2入力AND回路4006の一方の入力端子
に接続され、2入力AND回路4006の他方の入力端
子はクロックパルス発生器4001の出力端子4001
aに接続されている。また、2入力AND回路4006
の出力端子はオフタイムカウンタ4009のカウント入
力端子4009aに接続されている。
【0012】一致比較回路4012の出力端子4012
aは2入力OR回路4003の一方の入力端子に接続さ
れるとともに2入力OR回路4002の一方の入力端子
に接続されている。さらに、2入力OR回路4002の
出力端子はフリップフロップ4007のR入力端子40
07cに接続され、2入力OR回路4003の出力端子
はオンタイムカウンタ4008のリセット入力端子40
08bに接続されている。
【0013】一致比較回路4013の出力端子4013
aは2入力OR回路4004の一方の入力端子に接続さ
れるとともにフリップフロップ4007のS入力端子4
007dに接続されている。さらに、2入力OR回路4
004の出力端子はオフタイムカウンタ4013のリセ
ット入力端子4009bに接続されている。
【0014】発振回路7のリセット端子7dは2入力O
R回路4002の他方の入力端子、2入力OR回路40
03の他方の入力端子、および、2入力OR回路400
4の他方の入力端子に接続されている。さらに、一致比
較回路4012の出力端子4012bは発振回路7の出
力端子7bに接続されている。
【0015】次に、図37に示される発振回路7の動作
について説明する。始めにフリップフロップ4007が
リセットされており、フリップフロップ4007のC出
力端子4007bは“1”であり、N出力端子4007
aは“0”になっているものとする。クロックパルス発
生器4001の出力端子4001aには常に所定周期の
クロックパルスが出力されているので、2入力AND回
路4006を介してクロックパルスがオンタイムカウン
タ4009のカウント入力端子4009aに入力され
る。
【0016】オフタイムカウンタ4009はクロックパ
ルスが入力される毎にカウントアップし、オフタイムカ
ウンタ4009の内容がオフタイム設定器4011の内
容、すなわちオフタイムデータと等しくなったとき一致
比較回路4013の出力端子4013aが“1”となり
2入力OR回路40004を介してオフタイムカウンタ
4009のリセット入力端子4009bを“1”にし、
オフタイムカウンタ4009をリセットする。また、同
時にフリップフロップ4007をセットする。
【0017】フリップフロップ4007がセットされる
とフリップフロップ4007のC出力端子4007bが
“0”になるとともに、N出力端子4007aが“1”
になる。従って、2入力AND回路4006の出力端子
にはクロックパルスは出力されず、オフタイムカウンタ
4009はカウントを停止する。一方、2入力AND回
路4005の出力端子にはクロックパルスが出力され、
オンタイムカウンタ4008はカウントを開始する。
【0018】オンタイムカウンタ4008の内容が、あ
らかじめ設定された所定値になったとき一致比較回路4
012の出力端子4012bにパルスが出力される。こ
のパルスは発振回路7の出力端子7bに出力される。ま
た、オンタイムカウンタ4008がさらにカウントを続
け、オンタイム設定器4010に設定されたオンタイム
データと等しくなると一致比較回路4012の出力端子
4012aが“1”になる。
【0019】出力端子4012aが“1”になると2入
力OR回路4003を介してオンタイムカウンタ400
8のリセット入力端子4008bを“1”にし、オンタ
イムカウンタ4008をリセットするとともに、2入力
OR回路4002を介してフリップフロップ4007の
R入力端子4007cを“1”にし、フリップフロップ
4007をリセットする。従って、ここでオンタイムカ
ウンタ4008、オフタイムカウンタ4009、および
フリップフロップ4007がともにリセットされた状態
になり、始めの状態に戻ることになる。
【0020】その後、上述の動作が繰返される結果、発
振回路7の出力端子7aには、オンタイム設定器401
0に設定されたオンタイムデータの間“1”となり、オ
フタイム設定器4011に設定されたオフタイムデータ
の間“0”となるパルスが出力され、出力端子7aが
“1”に変化した時から所定時間後に出力端子7bにパ
ルスが出力される。
【0021】フリップフロップ4007がセットされて
いるときに発振回路7のリセット端子7dにリセットパ
ルスを与えるとフリップフロップ4007はリセットさ
れる。また、フリップフロップ4007のC出力端子4
007bは発振回路7の出力端子7cに接続されてい
る。
【0022】図36において、8はダイオード、9は出
力電圧E3を有する第3直流電源である。また、10は
第3スイッチ、例えば、半導体スイッチである。ダイオ
ード8の陽極は電極1に接続され、ダイオード8の陰極
は第3直流電源9の陰極に接続され、第3直流電源9の
陽極は半導体スイッチ10の陽極に接続され、半導体ス
イッチ10の陰極は被加工物2に接続されている。
【0023】11、12はそれぞれ分圧用抵抗器であ
り、分圧用抵抗器11の一端は電極1に接続され、他端
は分圧用抵抗器12の一端に接続され、さらに、分圧用
抵抗器12の他端は被加工物2に接続されている。13
は2つの入力端子13a、および、13bを有する差動
増幅器、14は放電検出回路である。
【0024】差動増幅器13の入力端子13aは分圧用
抵抗器11と分圧用抵抗器12の接続点12aに接続さ
れ、差動増幅器13の入力端子13bは被加工物2に接
続されている。また、差動増幅器13の出力端子13c
は放電検出回路14の入力端子14aに接続されてい
る。
【0025】15はワンショットマルチバイブレータ、
16は2入力AND回路である。2入力AND回路16
の一方の入力端子16aは発振回路7の出力端子7bに
接続され、他方の入力端子16bは放電検出回路14の
出力端子14bにされている。また、2入力回路16の
出力端子16cはワンショットマルチバイブレータ15
の入力端子15aに接続され、ワンショットマルチバイ
ブレータ15の出力端子15bは半導体スイッチ10の
制御端子10aに接続されている。なお、点線で示した
17は電極1と被加工物2間の浮遊容量を示している。
なお、第3直流電源9、半導体スイッチ10、および、
ダイオード8より第3回路体が構成され、ワンショット
マルチバイブレータ15および2入力AND回路16か
ら第3スイッチ制御回路が構成される。
【0026】次に、図36に示される回路の動作につい
て図38の動作タイムチャートにより説明する。発振回
路7は所定の周期Taで発振を行い出力端子7aに図3
8bの電圧波形を出力している。この電圧波形はTbの
期間“1”であり、Tcの期間“0”になるパルス波形
である。このパルス波形は半導体スイッチ6の制御端子
6aに加えられ、半導体スイッチ6をTbの期間オンさ
せ、Tcの期間オフさせる。半導体スイッチ6がオンし
ているとき第1直流電源3の電圧E1を電流制御用抵抗
器5およびダイオード4を介して電極1と被加工物2の
間(以後これを加工間隙と称す)に印加し放電を開始さ
せる。
【0027】図38aの波形は加工間隙の電圧(以後こ
れを加工間隙電圧(Eg)と称す)を示している。この
波形は半導体スイッチ6がオンした後、放電が開始され
るまでは加工間隙電圧Egは第1直流電源3の電圧とな
り、放電開始とともに加工間隙電圧Egは低下し、所定
の電圧Vgに変化している。
【0028】分圧用抵抗器12の両端には加工間隙電圧
Egに比例して電圧が発生するので、差動増幅器13の
出力電圧は、加工間隙電圧Egに比例した電圧になる。
また、この電圧は放電検出回路14の入力端子14aに
入力される。放電検出回路14は、この電圧にもとづ
き、加工間隙電圧Egがあらかじめ設定された第1の電
圧ES1と第2の電圧ES2の間の電圧であるか否かを
判定する。
【0029】加工間隙電圧Egが第1の電圧ES1と第
2の電圧ES2との間の電圧であれば、放電が行われて
いるものとして放電検出回路14は出力端子14bに
“1”を出力する。また、加工間隙電圧Egが、第1の
電圧ES1と第2の電圧ES2との間の電圧でなけれ
ば、放電は行われていないものとして放電検出回路14
は出力端子14bに“0”を出力する。
【0030】図38(d)は、この出力端子14bの電
圧波形を示し、図38(c)は発振回路7の出力端子7
bに出力される電圧波形を示している。なお、この出力
端子7bの電圧波形は発振回路7の出力端子7aの立上
がり時点から所定時間Td遅れて立上り所定時間Te後
に立下るパルス波形になっている。
【0031】図38(e)は図38(c)に示される発
振回路7の出力端子7bの信号と、図37(d)に示さ
れる放電検出回路14の出力端子14bの信号とが、2
入力AND回路16の各入力端子にそれぞれ入力された
結果、2入力AND回路16の出力端子16cに出力さ
れる電圧波形を示している。
【0032】この図38(e)に示す電圧波形は、ワン
ショットマルチバイブレータ15の入力端子15aに入
力される。また、ワンショットマルチバイブレータ15
の出力端子15bには、図38(e)の電圧波形の立上
り時に“1”になり、その後所定時間Tonの後に
“0”に戻る図38(f)に示される電圧波形が出力さ
れる。
【0033】図38(f)の電圧波形は半導体スイッチ
10の制御端子10aに入力され、図38(f)の電圧
波形が“1”のとき半導体スイッチ10をオンさせる。
半導体スイッチ10がオンすると半導体スイッチ10、
とダイオード8を介してすでに放電中の加工間隙に第3
直流電源9が接続され、この第3直流電源9により加工
間隙に放電電流が流される。
【0034】図38(g)は加工間隙に流れる電流波形
を示している。この電流波形は、半導体スイッチ6また
は半導体スイッチ10がオンしているとき所定の勾配で
電流が増加し、半導体スイッチ6および半導体スイッチ
10の両方がオフすると、立下がる据歯状波となってい
る。図38(g)に示されるように電流が急峻に変化せ
ず所定の勾配で変化する理由は、回路中に浮遊インダク
タンス(図示せず)が存在するためである。また、通常
第3直流電源9の出力電圧E3は第1直流電源E1に比
べ高い電圧にして、この勾配をより急峻にし、大きい電
流が流れるようにしている。
【0035】このような放電回路において、例えば、半
導体スイッチ10がオンしている時、何等かの原因で放
電が中断すると、加工間隙には第3直流電源9の出力電
圧E3がかかることになり、加工間隙電圧Egは上昇す
る。また、半導体スイッチ6および半導体スイッチ10
がオフした後も、通常数千〜1万PF程度の大きさを有
する浮遊容量17により加工間隙電圧Egは高い電圧の
まま状態が保持される。
【0036】図39は、半導体スイッチ10がオンして
いる時に放電が中断した場合の動作タイムチャートを示
している。図において、図39(a)〜図39(g)
は、それぞれ図38における図38(a)〜図38
(g)と同一の測定点における電圧または電流波形を示
している。図39において、Tは半導体スイッチ10
がオンする時点である。また、Tは半導体スイッチ1
0がオンしているとき放電が中断した時点であり、T
は時点T後半導体スイッチ10がオフする時点であ
る。
【0037】Tは時点Tの後、再び発振器7の出力
端子7aが“1”になり、半導体スイッチ6がオンする
時点である。また、Tは時点Tでオンした半導体ス
イッチ10がオフする時点である。なお、図39におい
て、時点T以前の図43(a)〜図39(f)の波形
は図38に示される波形と同様である。
【0038】時点Tで放電の中断が発生すると、図3
9(g)に示される電流波形は零に低下するとともに図
39(a)に示される加工間隙電圧Egの波形は第3直
流電源9の出力電圧Eまで上昇する。また、図39
(f)に示す波形は図38(f)と同様に立上り後所定
時間Ton経過した時点Tで自動的に零に復帰する。
なお、時点Tの後、時点Tまでの間、図39(a)
の波形は浮遊容量17により第3の直流電流9の出力電
圧Eからほとんど低下することなく高い電圧が保持さ
れる。
【0039】時点Tでは発振回路7の出力端子7aが
“1”になるとともに半導体スイッチ6がオンし、次の
放電動作に入る。なお、時点T以後の動作を示す波形
は図42に示す波形と同様な正常な放電動作が行われる
波形となっている。
【0040】図39(a)に示されるように、半導体ス
イッチ10がオンしている時に放電が中断したために加
工間隙に高い電圧がかかると、加工間隙の平均電圧であ
る平均加工間隙電圧は上昇する。
【0041】一方、放電加工を行うとき必要な加工間隙
を一定に保つための制御は、加工間隙に印加される平均
電圧(以後平均加工電圧と称す)を一定に保持すること
により達成する方法がとられている。すなわち平均加工
電圧が所定値より高いときは加工間隙を狭くし、平均加
工電圧を下げ、所定値より低いときは加工間隙を広く
し、平均加工電圧を上げるように被加工物2を支持する
テーブルまたは、電極1を支持する電極支持体の位置を
移動させ加工を進めている。
【0042】半導体スイッチ10がオンしている時に放
電が中断されたために加工間隙に高い電圧が発生する
と、平均加工電圧は当該加工間隙に相当する電圧以上に
上昇するので、加工間隙を一定に保持する制御が異常動
作するようになる。すなわち、加工間隙は異常に狭くな
り集中放電を発生させ、電極1および被加工物2に損傷
を与え加工精度を低下させることになる。
【0043】加工間隙を一定に保持するための制御方法
として、平均加工電圧を用いずに半導体スイッチ6がオ
ンした後、放電を開始するまでの無負荷時間をカウンタ
等で測定し、この無負荷時間の長短により制御する方法
が考えられるが、このような方法は浮遊容量17が大き
く、加工液に導電性がある放電加工装置においては、電
流制御用抵抗5が存在するために半導体スイッチ6をオ
ンにした後、加工間隙電圧Egが立上るまでの時間がか
かること、および加工間隙電圧Egが電圧Eより低下
する問題などがあるため用いることができない。
【0044】図36に示される従来の放電加工装置の放
電回路は第1直流電源3および第3直流電源9の2個の
電源を用いているが、第1直流電源3のみを有する従来
の放電加工装置もある。図39はこのような放電加工装
置の放電回路の接続図である。
【0045】図40において、4301は出力電圧E3
510を有する第1直流電源、4302は第1スイッ
チ、例えば、半導体スイッチであり、4303は電流制
限用抵抗である。電極1は第1直流電源4301の陰極
に接続され、第1直流電源4301の陽極は電流制限用
抵抗4303の一端に接続され、電流制限用抵抗430
3の他端は半導体スイッチ4302の陽極に接続され、
半導体スイッチ4302の陰極は、被加工物2に接続さ
れている。また、発振回路7の出力端子7aは半導体ス
イッチ4302の制御端子4302aに接続されてい
る。
【0046】次に、図40に示される放電回路の動作に
ついて、図41に示す動作タイムチャートにより説明す
る。発振回路7の出力端子7aには、図41(b)に示
されるように出力が“1”になる期間T44bと、出力
が“0”になる期間T44cとが交互に繰返されるパル
ス波形が出力される。このパルス波系は半導体スイッチ
4302の制御端子4302aに入力され、半導体スイ
ッチ4302を期間T44bでオンにし、期間T44c
でオフにする。
【0047】図41(a)は加工間隙電圧Egの波形を
示している。図41(a)は図41(b)の波形の立上
りの時点T4400で電圧E3510まで上昇し、放電
が開始される時点T4401で電圧Vg1に低下し、図
41(b)の波形の立下りの時点T4402で零になる
波形となっている。
【0048】図41(c)は放電電流の波形を示してい
る。この波形は時点T4401より所定の勾配で電流が
増加し、時点T4402より急勾配で零に減少する波形
となっている。
【0049】図41に示される動作タイムチャートは通
常の動作状態を示しているが、図42は、時点T440
1と時点T4402の間の時点T4501で何等かの原
因により放電の中断が発生し、時点T4402に至って
もなお放電を再開しない場合の動作を示す動作タイムチ
ャートである。
【0050】図42において、時点T4402と、次に
発振回路7の出力端子7aが“1”になる時点T440
3までの間、加工間隙電圧Egは、ほぼ電圧E3510
がそのまま保持されている。このように高い電圧が保持
される理由は加工間隙の浮遊容量4305に電荷が貯え
られているためである。
【0051】時点T4402〜時点T4403の間、加
工間隙電圧Egが高い電圧になっているため平均加工電
圧は、図41に示されるような所定周期毎に1回の無負
荷時間が発生する場合に比べ異なったものとなり、加工
間隙の制御は正常に行われなくなる。
【0052】図43は、図42において、放電の中断が
時点T4501で発生した後、時点T4402以前の時
点T4601で放電が再開された場合を示す図である。
この場合、時点T4501〜時点T4601の間が無負
荷時間となるため、1周期の間に加工間隙電圧Egの高
い無負荷時間が2回発生することになる。従って、平均
加工電圧は異常に高くなり、加工間隙の制御は、やは
り、正常に行われない。
【0053】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の放
電加工装置では、加工間隙と無関係に平均加工電圧が変
化する場合がある。このような場合、加工間隙を異常に
狭くし集中放電を起こさせ、電極1および被加工物2を
損傷し、加工精度を低下させたり、電解あるいは電食に
よる被加工物の表面形状の変化が生じる等の問題点があ
った。
【0054】この発明は上述のような問題点を解決する
ためになされたもので、加工間隙が安定に制御されると
ともに電解あるいは電食による被加工物の表面形状の変
化が防止され、安定で高精度な加工ができる放電加工装
置を得ることを目的とする。
【0055】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる放電加
工装置は、被加工物との間で放電を行う電極と、第1直
流電源と第1スイッチと第1抵抗器とを有し第1スイッ
チを断続的にオンオフすることにより被加工物の電位を
電極の電位より高くする正電圧が第1抵抗器を介して断
続的に被加工物および電極の間に印加されるように接続
された第1回路体と、第2スイッチを有するスイッチ回
路と第2直流電源とを有し第2スイッチを断続的にオン
オフすることにより被加工物の電位を電極の電位より低
くする負電圧が断続的に被加工物および電極の間に印加
されるように接続された第2回路体と、被加工物および
電極の間に印加される正電圧にもとづく制御電圧を出力
する制御電圧出力手段と、制御電圧にもとづき被加工物
および電極間の間隙を制御する加工間隙制御手段と、を
備えるようにしたものである。
【0056】また、被加工物および電極の間に印加され
る電圧の平均値が所定値になるように第2直流電源の出
力電圧を設定する電圧設定手段を有するようにしたもの
である。
【0057】また、第2回路体は、第1直流電源の一方
の端子からの電圧が電極から被加工物へ、他方の端子か
らの電圧が被加工物から電極へ切換えられて印加される
ように切換え可能な切換スイッチ回路からなり、この切
換スイッチ回路により被加工物および電極の間に被加工
物の電位を電極の電位より低くする負電圧が断続的に印
加されるようにしたものである。
【0058】また、被加工物および電極の間の電圧の平
均値が所定値になるように、被加工物の電位を電極の電
位より低くする負電圧の印加時間を設定する負電圧印加
時間設定手段を有するようにしたものである。
【0059】また、被加工物および電極の間の電圧の平
均値が所定値になるように、第1スイッチがオフしてい
る時間を設定する休止時間設定手段を有するようにした
ものである。
【0060】また、被加工物および電極の間の電圧の平
均値が所定値になるように、被加工物の電位を電極の電
位より高くする正電圧の印加時間を設定する正電圧印加
時間設定手段を有するようにしたものである。
【0061】また、第3直流電源および第3スイッチを
有し第3スイッチがオンすることにより被加工物および
上記電極の間に被加工物の電位を電極の電位より高くす
る正電圧が印加されるように接続された第3回路体と、
第1直流電源による被加工物および電極の間の放電を検
出する放電検出回路と、次に第1スイッチがオンする前
の所定時間、放電検出回路の放電検出信号にもとづき第
3スイッチをオンさせる第3スイッチ制御回路と、を有
するようにしたものである。
【0062】また、放電が中断したことを被加工物およ
び電極間の電圧にもとづき検出する放電中断検出手段
と、この放電中断検出手段からの放電中断検出信号によ
り第3スイッチをオフし第2スイッチをオンするように
したものである。
【0063】また、放電が中断したことを被加工物およ
び電極間の電圧にもとづき検出する放電中断検出手段
と、この放電中断検出手段からの放電中断検出信号によ
り第1スイッチおよび第3スイッチをオフし第2スイッ
チをオンするようにしたものである。
【0064】また、制御電圧出力手段は、第2抵抗器お
よびコンデンサの並列接続体と第3抵抗器と整流素子と
の直列接続体を有し、直列接続体は被加工物の電位が電
極の電位より高いときに電流が流れる方向に一端が被加
工物に接続されるとともに他端が電極に接続され、第2
抵抗器の両端に制御電圧が出力されるようにしたもので
ある。
【0065】また、制御電圧出力手段は被加工物および
電極の間の電圧を所定の時間間隔で検出し、この検出結
果にもとづき、被加工物の電位を電極の電位より高くす
る正電圧にもとづく制御電圧を求めるようにしたもので
ある。
【0066】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態1. 図1はこの発明の実施の形態1による放電回路の接続図
である。図1において、501は半導体スイッチ6およ
び半導体スイッチ10がオフし、第1直流電源3および
第3直流電源9にもとづいて電圧が加工間隙に印加され
ているとき、加工間隙電圧Egを負の電圧にする第2回
路体、例えば、逆電圧回路である。図1は、図36に示
される従来の放電加工装置の放電回路に、この逆電圧回
路501を設けたものである。
【0067】次に、逆電圧回路501について、図1に
より説明する。図において、502は第2直流電源、1
02は抵抗器、103は第2スイッチ、例えば、半導体
スイッチである。また、第2直流電源502と抵抗器1
02と半導体スイッチ103との直列体は電極1と被加
工物2の間に接続されている。104は2入力AND回
路であり、この2入力AND回路104の出力端子10
4aは半導体スイッチ103の制御端子103aに接続
されている。なお、抵抗器102、2入力AND回路1
04、および、第2スイッチ103よりスイッチ回路が
構成される。
【0068】2入力AND回路104の一方の入力端子
104bは発振回路7の出力端子7cに接続され、他方
の入力端子104cはワンショットマルチバイブレータ
15の出力端子15cに接続されている。
【0069】逆電圧回路501は、第2直流電源、抵抗
器102、半導体スイッチ103および2入力AND回
路104より構成されている。また、発振回路の出力端
子7cには出力端子7aの反転信号が出力され、ワンシ
ョットマルチバイブレータ15の出力端子15cには出
力端子15bの反転信号が出力されている。
【0070】次に、逆電圧回路501の動作について図
2の動作タイムチャートにより説明する。図2は、半導
体スイッチ6および半導体スイッチ10の遮断時である
offの間における加工間隙電圧Egが異なる他は、
図39に示される従来の放電加工装置の放電回路の動作
タイムチャートと同様である。
【0071】図39においては、Toffの間、すなわ
ち、時点Tと時点Tの間の加工間隙電圧Egは高い
電圧に保たれているが、図2においては時点Tの後、
負の電圧になっている。これは、Toffの間、半導体
スイッチ103がオンすることにより第2直流電源50
2の電圧が加工間隙に印加されるためである。すなわ
ち、半導体スイッチ6および半導体スイッチ10がオフ
の間、逆電圧印加回路501により加工間隙電圧Eg
を、大きさが第2の直流電圧に等しく極性が負の電圧V
cにするようにしている。第2直流電源502の電圧は
放電可能な電圧より低くしておけば、負方向の放電によ
り発生する持続的なアーク放電を防止することができ
る。
【0072】なお、図2は電圧E>電圧Eの場合を
示しているが、これに限らず電圧E≦電圧Eであっ
てもよい。
【0073】図3は放電中に放電が中断する現象が生じ
ない場合における動作タイムチャートである、この図3
は時点Tと時点Tの間で加工間隙電圧Egが所定の
電圧Vgのままである他は図2と同様である。
【0074】図4〜図6は図1に示される放電回路の電
流の流れる方向を示す説明図である。図4における矢印
801は半導体スイッチ6がオンしているときの電流の
流れる方向を示し、図5における矢印901は半導体ス
イッチ10がオンしているときの電流の流れる方向を示
し、図6における矢印1001は半導体スイッチ103
がオンしているときの電流の流れる方向を示している。
【0075】次に、加工間隙を制御するための平均加工
電圧の検出について説明する。加工間隙を制御するため
の平均加工電圧は加工間隙電圧Egが負の電圧になる期
間も含めて平均電圧を求めると加工間隙と平均電圧との
間の正常な関係が保持されなくなる。加工間隙電圧Eg
が正の電圧になる期間のみの平均電圧を求める方法とし
て図7に示すようにダイオードを用いる方法がある。
【0076】図7において391は陰極が電極1に接続
された整流素子、例えば、ダイオードである。392は
一端がダイオード391の陽極に接続された第3抵抗
器、例えば、抵抗器、393は一端が抵抗器392の他
端に接続され、他端が被加工物2に接続された第2抵抗
器、例えば、抵抗器である。394は抵抗器393に並
列に接続されたコンデンサである。
【0077】ダイオード391、抵抗器392、抵抗器
393、および、コンデンサ394より制御電圧出力手
段、例えば、正極性平均加工電圧検出器390が構成さ
れる。そして、この正極性平均加工電圧検出器390に
より、加工間隙の正極性の電圧を平均化した電圧が抵抗
器393の両端の電圧としてとり出される。
【0078】395は被加工物2を保持するXYテーブ
ルを駆動するXYテーブル駆動手段、396はXYテー
ブル駆動手段395に制御信号を送出するXYテーブル
制御手段である。抵抗器393の両端の電圧はXYテー
ブル制御手段396に入力されている。
【0079】正極性平均加工電圧検出器390およびX
Yテーブル駆動制御手段396から加工間隙制御手段3
97が構成される。正極性平均加工電圧検出器390の
検出出力にもとづきXYテーブル駆動制御手段396、
および、XYテーブル駆動手段395を介してXYテー
ブルが駆動され、加工間隙が所定間隔になるように制御
される。
【0080】図7に示す加工間隙制御手段397により
加工間隙に負の電圧が印加される場合があっても加工間
隙に正の電圧のみが印加される場合と同様に加工間隙を
制御することが可能になる。
【0081】正極性平均加工電圧検出器390により極
間短絡、すなわち、電極1と被加工物2とが電気的に接
触したか否かを検出する場合において、電極1および被
加工物2より正極性平均加工電圧検出器390までの距
離が長いと、ノイズ等のために極間短絡が発生しても検
出出力電圧が零ボルトにならず極間短絡を検出するのが
困難になる。このため、電極1および被加工物2から正
極性平均加工電圧検出器390までの距離を短くする目
的で正極性平均加工電圧検出器390は電極1および被
加工物2の近傍に配設している。
【0082】加工間隙を制御するための正極性の平均加
工電圧を求める方法として、上述のような正極性平均加
工電圧検出器390によらず、一定時間毎に加工間隙の
電圧をサンプリングしこのサンプリング値にもとづき算
出するようにしてもよい。
【0083】図7に示す回路により整流して平均加工電
圧を求める方法、および、上述の一定時間毎に加工間隙
の電圧をサンプリングし、サンプリング値にもとづき正
極性の平均加工電圧を算出する方法は、図1に示す放電
回路を有する放電加工装置に限らず加工間隙に正極性の
電圧および負極性の電圧が印加されるいずれの放電加工
装置に適用してもよく、同様の効果がある。
【0084】この発明の実施の形態1によれば、平均加
工電圧を異常に高くすることがなく加工間隙が安定に制
御される効果がある。また、電解あるいは電食による被
加工物2の表面形状の変化を防止するとともに被加工物
2の磁化を防止できる効果もある。
【0085】発明の実施の形態2. 次に、この発明の他の実施の形態として、発明の実施の
形態1における第2直流電源502の出力電圧を制御す
ることにより平均加工間隙電圧を0Vにする場合につい
て図により説明する。図8はこの発明の実施の形態2を
示す放電加工装置の放電回路の接続図である。
【0086】図8において、1101および1102は
分圧用抵抗器、1103はコンデンサである。分圧用抵
抗器1101の一端は電極1に接続され、他端は分圧用
抵抗器1102の一端に接続されている。また、分圧用
抵抗器1102の他端は被加工物2に接続され、コンデ
ンサ1103は分圧用抵抗器1102に並列に接続され
ている。
【0087】1105は差動増幅器であり、この差動増
幅器1105の一方の入力端子1105aは分圧用抵抗
器1101と分圧用抵抗器1102の接続点に接続され
ており、他方の入力端子1105bは被加工物2に接続
されている。なお、分圧用抵抗器1101、1102、
コンデンサ1103、および、差動増幅器1105によ
り平均加工間隙電圧が検出される。
【0088】1107はディジタル可変出力電圧電源で
ある。このディジタル可変出力電源1107は図1に示
される第2直流電源502にディジタル入力信号にもと
づき所定の電圧を出力する可変電圧機構(図示せず)を
設けたものである。
【0089】1106は、入力端子1106aが差動増
幅器1105の出力端子1105cに接続され、この出
力端子1105cに出力される平均加工間隙電圧にもと
づき、平均加工間隙電圧が0Vになるように所定のディ
ジタル信号出力端子1106bに出力するインターフェ
ース回路である。インターフェース回路1106の出力
端子1106bは、ディジタル可変出力電源1107の
制御端子(図示せず)に入力されている。
【0090】図8は、発明の実施の形態1を示す図1に
おいて、第2直流電源502に可変出力電圧機構を設
け、ディジタル可変出力電圧電源1107とし、さら
に、インターフェース回路1106、分圧抵抗器110
1、1102、コンデンサ1103、および、差動増幅
器1105を設けるようにしたものである。また、ディ
ジタル可変出力電圧電源1107の可変出力電圧機構
(図示せず)、分圧用抵抗器1101、1102、コン
デンサ1103、差動増幅器1105、および、インタ
ーフェース回路1106により電圧設定手段1100が
構成されている。
【0091】図9は、インターフェース回路1106の
詳細を示した接続図である。図において、1201は電
圧比較器、1202はクロックパルス発生器、1203
はnビットのアプダウンカウンタ、1204は入力され
るディジタル信号を反転して出力する反転回路、120
5および1206は2入力AND回路である。
【0092】電圧比較器1201の正極性入力端子12
01aはインターフェース回路1106の入力端子11
06aに接続され、電圧比較器1201の負極性入力端
子1201bは接地され、電圧比較器1201の出力端
子1201cは2入力AND回路1205の一方の入力
端子1205aおよび反転回路1204の入力端子12
04aに接続されている。クロックパルス発生器120
2の出力端子1202aは2入力AND回路1205の
他方の入力端子1205bおよび2入力AND回路12
06の一方の入力端子1206aに接続されている。
【0093】反転回路1204の出力端子1204bは
2入力AND回路1206の他方の入力端子1206b
に接続されている。さらに、2入力AND回路1205
の出力端子1205cはアップダウンカウンタ1203
のカウントアップ入力端子1203aに接続され、2入
力AND回路1206の出力端子1206cはアップダ
ウンカウンタ1203のカウントダウン入力端子120
3bに接続されている。
【0094】1207はアップダウンカウンタ1203
に設定する初期値を記憶する初期設定値記憶部である。
この初期設定値記憶部1207はnビットの記憶容量を
有するとともに、記憶されている2進化情報を並列に出
力する出力端子M〜Mを有している。これらの出力
端子M〜Mは、それぞれアップダウンカウンタ12
03のデータ入力端子D〜Dに接続されている。
【0095】1208は加工開始時に加工開始パルスを
出力端子1208aに出力する加工開始パルス発生部で
ある。この加工開始パルス発生部1208の出力端子1
208aは、アップダウンカウンタ1203の入力端子
LDに接続されており、上述の加工開始パルスがアップ
ダウンカウンタ1203の入力端子LDに入力される
と、初期設定値記憶部1207の内容がアップダウンカ
ウンタ1203にセットされる。
【0096】アップダウンカウンタ1203の出力端子
〜Qは、それぞれディジタル可変電圧電源110
7の電圧設定入力端子S〜Sに接続され、アップダ
ウンカウンタ1203の内容にもとづきディジタル可変
電圧電源1107の出力電圧を設定するようにしてい
る。
【0097】次に、インターフェース回路1106の動
作について説明する。まず、加工開始時に加工開始パル
ス発生部1208より加工開始パルスがアップダウンカ
ウンタ1203の入力端子LDに与えられると、初期設
定値記憶部1207の内容がアップダウンカウンタ12
03にセットされる。そして、ディジタル可変電圧電源
1107は、このアップダウンカウンタ1203の内容
にもとづく出力電圧を出力する。この出力電圧は半導体
スイッチ103がオンしているとき電極1と被加工物2
との間に印加される。
【0098】一方、電極1と被加工物2の間の電圧は分
圧用抵抗器1101、1102で分圧されるとともに、
コンデンサ1103と分圧用抵抗器1101、1102
により構成される積分回路により積分され、差動増幅器
1105の出力端子1105cに平均加工間隙電圧を出
力する。この平均加工間隙電圧は帰還信号としてインタ
ーフェース回路1106の入力端子1106aを介して
電圧比較器1201の正極性の入力端子1201aに入
力される。
【0099】目標平均加工間隙電圧値としてOVが電圧
比較回路1201の負極性の入力端子1201bに入力
されているので、平均加工間隙電圧が正の電圧であれば
電圧比較器1201の出力端子1201cは“1”を出
力し、平均加工間隙電圧が負の電圧であれば、出力端子
1201cは“0”を出力する。
【0100】クロック発生器1202は所定周期のパル
スを常時発生しており、電圧比較器1201の出力端子
1201cが“1”のとき、すなわち、平均加工間隙電
圧が正の電圧のときは2入力AND回路1205の出力
端子1205cにクロックパルスの発生器1202の出
力端子1202aの波形と同様の波形のパルスが出力さ
れ、アップダウンカウンタ1203はカウントアップす
る。
【0101】電圧比較器1201の出力端子1201c
が“0”のとき、すなわち、平均加工間隙電圧が負のと
きは2入力AND回路1205の出力端子1205cは
“0”となり、他に、反転回路1204の出力端子12
04bが“1”となるとともに、2入力AND回路12
06の出力端子1206cにクロックパルス発生器12
02の出力端子1202aの波形と同様の波形のパルが
出力され、アップダウンカウンタ1203はカウントダ
ウンする。
【0102】従って、平均加工間隙電圧が0Vになるよ
うな値にアップダウンカウンタ1203の内容が自動的
に設定されるように動作する。ディジタル可変電圧電源
1107は上述のアップダウンカウンタ1203の内容
にもとづく電圧を出力しており、この電圧を半導体スイ
ッチ103がオンしている間加工間隙に負の電圧として
出力することにより平均加工間隙電圧を0Vにしてい
る。
【0103】図10は平均加工間隙電圧の変動にともな
いアップダウンカウンタ1203がどのように動作する
かを示した動作タイムチャートである。図において、図
10(a)は加工開始前には“0”で、加工開始後
“1”になる加工信号、図10(b)はクロックパルス
発生器1202の出力端子1202aの波形、図10
(c)は差動増幅器1105の出力端子1105cの波
形であり、平均加工間隙電圧を示している。
【0104】図10(d)は電圧比較器1201の出力
端子1201cの波形である。図10(e)はアップダ
ウンカウンタ1203のカウントアップ入力端子120
3aの波形、図10(f)はカウントダウン入力端子1
203bの波形、図10(g)はアップダウンカウンタ
1203の内容を示す波形である。
【0105】図10に示されるようにクロックパルス発
生器1202は所定周期のパルスを出力し、平均加工間
隙電圧が正の電圧のときは、電圧比較器1201の出力
端子1201cは“1”となり、負の電圧のときは
“0”となっている。
【0106】電圧比較器1201の出力端子1201c
が“1”のときはクロックパルス発生器1202の出力
端子1202aのパルスがアップダウンカウンタ120
3のカウントアップ入力端子1203aに印加され、出
力端子1201cが“0”のときはクロックパルス発生
器1202の出力端子1202aのパルスがアップダウ
ンカウンタ1203のカウントダウン入力端子1203
bに印加される。従って、アップダウンカウンタ120
3は平均加工間隙電圧が正の電圧のときはカウントアッ
プし、負の電圧のときはカウントダウンする。
【0107】図11は、図8の主要部の信号波形を示す
図である。図11は発明の実施の形態1を示す図2に比
べて、Vcが調整された電圧になっている他は図2と同
様である。
【0108】図12は、放電が中断しない場合における
図8の主要部の信号波形を示す図である。この図12は
加工間隙電圧Egを示す図12(a)が時点Tと時点
の間で上昇せず時点T以前と同じ電圧を維持し、
時点T以降は負の所定電圧に近づく波形となってい
る。また、放電電流igを示す図12(h)は時点T
で零に向わずに時点Tまで電流値を増加する波形とな
っている他は図11と同じである。
【0109】この発明の実施の形態2においては、平均
加工間隙電圧が0Vになるように制御されるため、発明
の実施の形態1における効果をより完全に得るようにす
ることができる。
【0110】発明の実施の形態3. 次に、この発明のさらに他の実施の形態として、半導体
スイッチ103がオンする時間幅を制御することによ
り、平均加工間隙電圧を0Vにする場合について、図に
より説明する。図13は、この場合の放電加工装置の放
電回路の接続図である。
【0111】図13は、図1において2入力AND回路
104の出力端子104aと半導体スイッチ103の制
御端子103aの間に可変パルス幅ワンショットマルチ
バイブレータ1601を設け、さらに、図8と同様に分
圧用抵抗器1101、1102、コンデンサ1103、
および、差動増幅器1105を設け、この差動増幅器1
105の出力端子1105cを可変パルス幅ワンショッ
トマルチバイブレータ1601のパルス幅制御端子16
01cに接続するようにしたものである。
【0112】すなわち、2入力AND回路104の出力
端子104aは可変パルス幅ワンショットマルチバイブ
レータ1601のトリガ端子1601aに接続され、可
変パルス幅ワンショットマルチバイブレータ1601の
出力端子1601bは半導体スイッチ103の制御端子
103aに接続されている。分圧用抵抗器1101、1
102、コンデンサ1103、差動増幅器1105、お
よび、可変パルス幅ワンショットマルチバイブレータ1
601より負電圧印加時間設定手段1600が構成され
る。
【0113】図14は可変パルス幅ワンショットマルチ
バイブレータ1601の詳細接続図である。この図14
は発明の実施の形態2におけるインターフェース回路1
106にコンデンサ1701、抵抗器1702、フリッ
プフロップ1703、2入力OR回路1704、170
5、2入力AND回路1710、カウンタ1706、一
致比較回路1707、および、最大値比較回路1708
を設けるとともに、2入力AND回路1205にさらに
上述の最大値比較回路1708からの出力信号を入力す
る入力端子を追加し、3入力AND回路1709に変更
するようにしたものである。
【0114】可変パルス幅ワンショットマルチバイブレ
ータ1601のトリガ入力端子1601aはコンデンサ
1701の一端に接続され、コンデンサ1701の他端
はフリップフロップ1703のS入力端子1703aお
よび抵抗器1702の一端に接続され、抵抗器1702
の他端は接地されている。また、フリップフロップ17
03のN出力端子1703bは2入力AND回路171
0の一方の入力端子1710aおよび可変パルス幅ワン
ショットマルチバイブレータ1601の出力端子160
1bに接続されている。
【0115】2入力AND回路1710の他方の入力端
子1710bはクロックパルス発生器1202の出力端
子1202aに接続され、2入力AND回路1710の
出力端子1710cはカウンタ1706のカウント入力
端子1706aに接続されている。カウンタ1706の
出力端子P〜Pはそれぞれ一致比較回路1707の
一方の比較入力端子A〜Aに接続され、他方に比較
入力端子B〜Bはそれぞれアップダウンカウンタ1
203の出力端子Q〜Qに接続されている。
【0116】一致比較回路1707の一致出力端子17
07aは2入力OR回路1704の一方の入力端子17
04aおよび、2入力OR回路1705の一方の入力端
子1705aに接続されている。また、2入力OR回路
1704の他方の入力端子1704bおよび2入力OR
回路1705の他方の入力端子1705bは、加工開始
パルス発生器1208の出力端子1208aに接続され
ている。
【0117】2入力OR回路1704の出力端子170
4cはフリップフロップ1703のR入力端子1703
cに接続され、2入力OR回路1705の出力端子17
05cはカウンタ1706のリセット入力端子1706
bに接続されている。最大値比較回路1708の一方の
比較入力端子U〜Uはそれぞれアップダウンカウン
タ1203の出力端子Q〜Qに接続され、他方の比
較入力端子V〜Vはそれぞれ初期設定値記憶部12
07の出力端子M〜Mに接続されている。
【0118】最大値比較回路1708の出力端子170
8aは、一方の比較入力端子U〜Uのデータが他方
の比較入力端子V〜Vのデータより小さいとき
“1”を出力し、大きいとき“0”を出力する。また、
この出力端子1708aは3入力のAND回路1709
の入力端子1709dに接続されている。
【0119】3入力のAND回路1709の他の入力端
子1709a、1709bおよび出力端子1709cの
接続先はそれぞれ図9における2入力AND回路120
5の入力端子1205a、1205bおよび出力端子1
205cの接続先と同じである。
【0120】次に、図14に示される可変パルスワンシ
ョットマルチバイブレータ1601の動作について説明
する。まず、加工開始時に加工開始パルス発生部120
8より加工開始パルスがアップダウンカウンタ1203
の入力端子LDに与えられると、初期設定値記憶部12
07の内容がアップダウンカウンタ1203にセットさ
れる。
【0121】初期設定値記憶部1207には、あらかじ
めアップダウンカウンタ1203のカウント上限値が設
定されているようにしているのでアップダウンカウンタ
1203は加工開始時にカウント上限値にセットされ
る。また、このときカウンタ1706およびフリップフ
ロップ1703は2入力OR回路1705、1704を
介して同時にリセットされる。
【0122】一方、半導体スイッチ6および半導体スイ
ッチ10が共にオフの状態になった時すなわち、発振回
路7の出力端子7cおよびワンショットマルチバイブレ
ータ15の出力端子15cが共に“1”に変化したと
き、2入力AND回路104の出力端子104aに
“1”が出力される。この出力端子104aは可変パル
ス幅ワンショットマルチバイブレータ1601のトリガ
入力端子1601aに接続されている。
【0123】コンデンサ1701および抵抗器1702
より構成される微分回路により、2入力AND回路10
4の出力端子104aが“1”から“1”に変化する立
上り時にパルスがフリップフロップ1703のS入力端
子1703aに入力されフリップフロップ1703がセ
ットされる。フリップフロップ1703がセットされる
とN出力端子1703bが“1”になり、2入力AND
回路1710を介し、カウンタ1706のカウンタ入力
端子1706aにクロックパルス発生器1202の出力
端子1202aのパルスと同様のパルスが印加される。
【0124】このパルスにより、あらかじめリセットさ
れていたカウンタ1706はカウントを開始する。アッ
プダウンカウンタ1203の内容とカウンタ1706の
内容が一致したとき一致比較回路1707の出力端子1
707aに“1”が出力され、フリップフロップ170
3を2入力OR回路1704を介してリセットするとと
もに、カウンタ1706を2入力OR回路1705を介
してリセットする。
【0125】従って、フリップフロップ1703のN出
力端子1703bに接続されている可変パルス幅ワンシ
ョットマルチバイブレータ1601の出力端子1601
bには、入力端子1601aに入力される信号の立ち上
りとともに立上り、アップダウンカウンタ1203にセ
ットされている内容にもとづく時間の後に立下るパルス
が出力される。
【0126】差動増幅器1105の出力端子1105c
がパルス幅制御端子1601cに接続されているので、
例えば平均加工間隙電圧が負の電圧であれば電圧比較器
1201の出力端子1201cが“0”になる。出力端
子1201c“0”がになると2入力AND回路121
0を介してクロックパルス発生器1202の出力端子の
パルスと同様のパルスがアップダウンカウンタ1203
のカウントダウン入力端子1203bに印加されアップ
ダウンカウンタ1203はカウントダウンする。
【0127】アップダウンカウンタ1203がカウント
ダウンすると、可変パルス幅ワンショットマルチバイブ
レータ1601の出力端子1601bに出力されるパル
スの幅が狭くなり、半導体スイッチ103を介して、加
工間隙に負の電圧を印加する時間が減少し、平均加工間
隙電圧を上昇させる。
【0128】平均加工間隙電圧が上昇し正の電圧になる
と、最大値比較回路1708の出力端子1708aが
“1”であれば、3入力のAND回路1709を介し
て、クロックパルス発生器1202のパルスがアップダ
ウンカウンタ1203のカウントアップ入力に印加さ
れ、アップダウンカウンタ1203はカウントアップ
し、平均加工間隙電圧を減少させる。
【0129】従って、最大値比較回路1708の出力端
子1708aが“1”の場合においては、アップダウン
カウンタ1203の内容は平均加工間隙電圧を0Vにす
る値になる。また、アップダウンカウンタ1203の内
容が初期設定値記憶部1207の内容と等しくなったと
きは平均加工間隙電圧が正の電圧であってもアップダウ
ンカウンタ1203はカウントアップせずにアップダウ
ンカウンタの内容はそれ以上大きくならない。
【0130】このアップダウンカウンタ1203の内容
が初期設定値記憶部1207に設定された値より大きく
ならないように制限している理由は、可変パルス幅ワン
ショットマルチバイブレータ1601の出力端子160
1bのパルス幅が、放電休止時間(半導体スイッチ6お
よび半導体スイッチ10が共にオフの時間)以上になら
ないようにするためである。
【0131】図15は平均加工間隙電源の変動にともな
いアップダウンカウンタ1203がどのように動作する
かを示したタイムチャートである。図15は、発明の実
施の形態2を示す図10に、最大値比較回路1708の
出力端子1708aの波形(dd)を加えている他、こ
の波形(dd)が“0”の間はアップダウンカウンタの
カウントアップ入力端子1203aの波形(e)も
“0”になっている。従って、この間アップダウンカウ
ンタ1203の波形(g)はカウントアップが停止され
た波形になっている。なお、図15(a)〜(d)、
(f)はそれぞれ図10(a)〜(d)、(f)と同様
の波形である。
【0132】図16は、放電の中断が発生しない場合に
おける動作タイムチャートである。図16(b)〜
(h)は、それぞれ発明の実施の形態2を示す図12
(b)〜(h)と同様である。また、図16(i)は可
変パルス幅ワンショットマルチバイブレータ1601の
出力端子1601bの波形を示している。また、加工間
隙電圧を示す図16(a)は、出力端子1601bが
“1”のときは負の所定の電圧が印加される波形となっ
ている。なお、この発明の実施の形態3により発明の実
施の形態2と同様の効果が得られる。
【0133】発明の実施の形態4. 次に、この発明のさらに他の実施の形態として、放電休
止時間を制御することにより平均加工間隙電圧を0Vに
する場合について説明する。図17は、発明の実施の形
態4を示す放電加工装置の放電回路の接続図である。こ
の図17は、この発明の実施の形態1を示す図1に、分
圧用抵抗器1101、1102、コンデンサ1103、
差動増幅器1105、および、インターフェース回路2
001から構成される休止時間設定手段2000を設け
るようにしたものである。
【0134】差動増幅器13の出力端子はインターフェ
ース回路2001の入力端子2001aに接続され、イ
ンターフェース回路2001の出力端子は発振回路7の
オフタイム設定器4011の設定入力端子に接続されて
いる。また、オフタイム設定器4011の設定入力端子
とインターフェース回路2001の出力端子は共に、そ
れぞれ発振回路7のオフタイム設定器4011の出力端
子と同数あり、互に、同一位の桁同士が接続されてい
る。
【0135】図18はインターフェース回路2001の
接続図である。図18は発明の実施の形態2におけるイ
ンターフェース回路1106を示す図9と比べ、アップ
ダウンカウンタ1203の出力端子Q〜Qの接続先
が異なる他は同様である。すなわち、第12図において
は、アップダウンカウンタ1203の出力端子Q〜Q
の接続先はディジタル可変出力電圧電源1107であ
るが、図18においては発振回路7のオフタイム設定器
4011の設定入力端子になっている。
【0136】次に、動作について説明する。放電休止時
間に加工間隙に逆極性の電圧を印加することは発明の実
施の形態1と同様であるが、前述のように、平均加工間
隙電圧を0Vに制御するため、インターフェース回路2
001が設けられている。このインターフェース回路2
001の動作は、制御対象が図9においては加工間隙に
印加する負の電圧の大きさであったが、図18において
は放電休止時間となっている他は同様である。
【0137】図19はインターフェース回路2001の
動作タイムチャートである。図19は、発明の実施の形
態2を示す図10と同様である。図20は、この発明の
実施の形態4の動作タイムチャートである。なお、この
タイムチャートは放電の中断が発生していない場合のも
のである。また、図20は、発明の実施の形態2の動作
タイムチャートである図12と比べ、放電休止時間Tk
が異っているが、その他については同様である。また、
この発明の実施の形態4の効果も発明の実施の形態2と
同様である。
【0138】発明の実施の形態5. 次に、この発明のさらに他の実施の形態として、正の電
圧を加工間隙に印加する時間を制御することにより平均
加工間隙電圧を0Vにする場合についても図により説明
する。図21は、発明の実施の形態5を示す放電加工装
置の放電回路の接続図である。図21は、発明の実施の
形態4を示す図17と比べインターフェース回路200
1の出力端子の接続先が異なり、インターフェース回路
2001をインターフェース回路2401)としている
他は同一である。
【0139】すなわち、図17においては、インターフ
ェース回路2001の出力端子の接続先は発振回路7の
オフタイム設定器4011の設定入力端子であるが、図
21においては発振回路7のオンタイム設定器4010
の設定入力端子になっている。また、分圧用抵抗器11
01、1102、コンデンサ1103、差動増幅器11
05および、インターフェース回路2401から正電圧
印加時間設定手段2400が構成されている。
【0140】図22はインターフェース回路2401の
詳細接続図である。この図22は発明の実施の形態3の
インターフェース回路1601を示す図14に比べ、ア
ップダウンカウンタ1203の出力端子Q〜Qの接
続先が発振回路7のオンタイム設定器4010の設定入
力端子になり、コンデンサ1701、抵抗器1702、
フリップフロップ1703、2入力OR回路1704、
2入力OR回路1705、カウンタ1706、一致比較
回路1707、および最大値比較回路1708が除外さ
れ、3入力AND回路1709が2入力AND回路12
05になっているが、その他のついては同様である。
【0141】図23はインターフェース回路2401の
動作タイムチャートである。この図23は発明の実施の
形態3を示す図15と、加工間隙電圧Egの極性が異な
る他は同様である。
【0142】図23(c)に示される加工間隙電圧Eg
の極性が図15と異る理由は、発明の実施の形態3にお
いては、平均加工間隙電圧が例えば、正の電圧であれ
ば、アップダウンカウンタ1203をカウントアップさ
せ加工間隙に負の電圧を印加する時間を増加させ平均加
工隙電圧を減少させる必要があるのに対し、この発明の
実施の形態5においては、平均加工間隙電圧が正の電圧
であればアップダウンカウンタ1203をカウントダウ
ンさせ、加工間隙に正の電圧を印加する時間を減少させ
平均加工間隙電圧を減少させる必要があるためである。
【0143】インターフェース回路2401に最大値比
較回路1708が設けられている理由は、加工間隙に正
の電圧を印加する時間を無制限に大きくすると正常に放
電が行われなくなる場合が生じるためである。インター
フェース回路2401の動作は、最大値比較回路170
8によるカウントアップ制限が発明の実施の形態3と同
様にある他は発明の実施の形態4のインターフェース回
路2001と同様なので詳細な説明を省略する。
【0144】図24は、図21に示される放電回路の動
作タイムチャートである。この図24は、発明の実施の
形態1を示す図3と比べて、半導体スイッチ6の制御端
子の状態が異なっている。すなわち、図3においては図
3(b)が“1”となる時間である半導体スイッチ6が
オンしている時間は一定であるが、図24(b)におい
ては可変になっている。
【0145】図24においては、時点T2701と時点
T2702の間にワンショットマルチバイブレータ15
がトリガされず、発振回路7の出力端子7bにパルスが
出力された後に第1直流電源3による放電が発生した場
合が図示されている。なお、上述の相異点の以外につい
ては図24は図3と同様である。
【0146】図25は、放電が発生しない場合の図21
に示される放電回路の動作タイムチャートである。図に
おいて、半導体スイッチ103の制御端子103aの電
圧波形を示す図25(c)は、半導体スイッチ6の制御
端子の状態を示す図25(b)の反転信号となってい
る。また、加工間隙電圧は、図25(b)が“1”のと
き第1直流電源3の電圧となり、“0”のときは、第2
直流電源502による負の電圧となっている。図25
(d)は発振回路7の出力端子7bの波形であり、図3
と同様である。
【0147】放電検出回路14の出力端子14bの電圧
波形を示す図25(e)、ワンショットマルチバイブレ
ータ15の入力端子15aの電圧波形を示す図25
(f)、半導体スイッチ10の制御端子の電圧波形を示
す図25(g)、および放電電流波形を示す図25
(h)はいずれも0Vのままである。
【0148】この図25は放電が行われない場合も平均
加工間隙電圧が0Vになるように制御される様子を示し
ている。この発明の実施の形態5の効果は発明の実施の
形態2と同様である。
【0149】発明の実施の形態5においては、図24
(b)が“1”になっている時間を可変にし、図24
(b)の波形の立上りより図24(d)の波形の立上り
までの時間Tdは一定としているが、この時間Tdを可
変にするとともに、図24(d)の波形の立上りから図
24(b)の波形の立下りまでの時間を一定にするよう
にしても同様の効果が得られる。
【0150】発明の実施の形態6. 発明の実施の形態2〜発明の実施の形態5において、第
2直流電源502の出力電圧、加工間隙に逆電圧を印加
する時間、放電休止時間、加工間隙に正の電圧を印加す
る時間のうち、いずれか固定パラメータとしているもの
を可変にするようにしてもよい。すなわち、例えば、発
明の実施の形態2〜発明の実施の形態5のうち、いずれ
かを実施したとき、平均加工間隙電圧を0Vに制御する
ため変化させるパラメータの可変範囲に制限があり、平
均加工間隙電圧を0Vに出来ないことがある。このよう
なとき上述の固定パラメータのいずれかを自動的に変化
させるようにして、平均加工間隙電圧を0Vにするよう
に制御してもよい。
【0151】発明の実施の形態7. 発明の実施の形態1〜発明の実施の形態6において抵抗
器102を高抵抗にし、第2直流電源502の出力電圧
を放電可能な高電圧にするようにしてもよい。図26
は、第2の直流502の出力電圧が高い場合において、
抵抗器102の抵抗値が大きい場合と小さい場合につい
て、それぞれ、加工間隙電圧と放電電流を図示した説明
図である。図26(a)および図26(b)はそれぞれ
抵抗器102の抵抗値が小さいときの加工間隙電圧と放
電電流であり、図26(c)および図26(d)はそれ
ぞれ抵抗器102の抵抗値が小さいときの加工間隙電圧
と放電電流であり、図26(c)および図26(d)は
それぞれ抵抗器102の抵抗値が大きいときの加工間隙
電圧と放電電流を示している。
【0152】図26(a)は時点T2901から時点T
2902の間は無負荷時間として高い負の電圧であり、
その後、放電が開始され低い負の電圧E2901となる
波形である。図26(b)は時点T2902より時点T
2903までの間、加工間隙の浮遊容量に貯えられてい
る電荷が放電されるために負の大電流i2901が瞬間
流れ、その後持続アーク電流i2902が流れる波形と
なっている。
【0153】図26(c)は時点T2904より時点T
2905まで無負荷時間として高い負の電圧であり、時
点T2905および時点T2906において、それぞれ
放電が瞬時発生し、低い負の電圧E2901に近づく
が、直ちに高い負の電圧に戻る波形になっている。ま
た、時点T2907では半導体スイッチ103がオフす
るとともに0Vに復帰している。
【0154】図26(d)は時点T2905および時点
2906において加工間隙の浮遊容量に貯えられている
電荷が放電されるために負の大電流が瞬間流れる波形に
なっている。すなわち、図26(a)および図26
(b)に示されるように抵抗器102を電流制限用抵抗
5と同程度の値にし、第2直流電源502の出力電圧
を、第1直流電源3の出力電源E程度にしたとき、負
の方向の放電は時続的なアーク放電となり易い。
【0155】一方、図26(c)および図26(d)に
示されるように抵抗器102の抵抗値を大きくし、20
〜100Ω程度にすると放電電流は持続的でなくなり、
加工間隙の浮遊容量に貯えられている電荷による放電電
流のみになる。従って、負の高い電圧が加工間隙に印加
されても、負の放電電流は、ほとんど流れないので被加
工物2に損傷を与えることなしに平均加工間隙電圧を制
御することが可能である。
【0156】発明の実施の形態8. 次に、この発明のさらに他の実施の形態を説明する。図
27は発明の実施の形態1を示す図1において、第1直
流電源3の出力を正極性または逆極性に切替えて加工間
隙に供給し、第2直流電源502を不用とした発明の実
施の形態8を示す放電加工装置の放電回路の接続図であ
る。
【0157】すなわち、図27は、図1において半導体
スイッチ6とともにオンオフし、第1直流電源3の出力
を正極性で加工間隙に接続または切り離す第1の半導体
スイッチと、半導体スイッチ103とともにオンオフ
し、第1直流電源3の出力を逆極性で加工間隙に接続ま
たは切り離す第2の半導体スイッチを設け、発振回路7
の出力端子7aが“1”のときは第1直流電源3の出力
を正極性で加工間隙に印加し、2入力AND回路104
の出力端子104aが“1”のときは第1直流電源3の
出力を逆極性で加工間隙に印加するように接続切替を行
い第2直流電源502を不用にしている。
【0158】図27において、3001は第1の半導体
スイッチ、3002は第2の半導体スイッチである。第
1の半導体スイッチ3001は図1のダイオード4の陽
極と電極1の間に挿入され、第1の半導体スイッチ30
01の陽極は電極1に接続され、陰極はダイオード4の
陽極に接続されている。また、第1の半導体スイッチ3
001の制御端子は発振回路7の出力端子7aに接続さ
れている。
【0159】図1においては抵抗器102の一端は第2
直流電源502の陰極に接続されているが、図27にお
いては第2直流電源502ではなく、第1直流電源3の
陰極に接続されている。さらに、第2の半導体スイッチ
3002の陽極は第1直流電源3の陽極に接続され、第
2の半導体スイッチ3002の陰極は電極1に接続され
ている。
【0160】第2の半導体スイッチ3002の制御端子
は2入力AND回路104の出力端子104aに接続さ
れている。なお、その他の接続については、図27は図
1と同様である。第1の半導体スイッチ3001、第2
の半導体スイッチ3002、半導体スイッチ103およ
び2入力AND回路104より切換スイッチ回路300
0が構成されている。
【0161】次に、動作について図28に示す動作タイ
ムチャートにより説明する。図28は、放電休止時間の
加工間隙電圧Egが発明の実施の形態1を示す図3と異
なるが、その他については図3と同様である。すなわ
ち、図28(a)は時点T3101と時点T3102の
間において、発明の実施の形態7を示す図26(c)の
時点T2904〜時点T2907の波形と同様の波形に
なっている。
【0162】図29〜図31は、図27において、それ
ぞれ、半導体スイッチ6および第1の半導体スイッチ3
001がオンしている時と、半導体スイッチ10がオン
している時と、半導体スイッチ103、および、第2の
半導体スイッチ3002がオンしている時の放電回路に
流れる電流の方向を示した説明図である。
【0163】すなわち、放電が開始するまでは図29の
矢印3201に示される方向に電流が流れ、放電が開始
すると図30の矢印3301に示される方向に電流が流
れ、放電休止時間には図31の矢印33401に示され
る方向に電流が流れるように加工間隙電圧が印加され
る。
【0164】図27において、抵抗器102の一端は第
1直流電源3の陰極に接続されているが、これに限らず
ダイオード4の陽極に接続するようにしてもよい。さら
に、抵抗器102は第1直流電源3の陰極と半導体スイ
ッチ103の陰極間に挿入されているが、これに限ら
ず、半導体スイッチ103に流れる電流の電流経路上に
挿入されていればよく、例えば、第1直流電源3の陽極
と、第2の半導体スイッチ3002の陽極の間に挿入す
るようにしてもよい。
【0165】この発明の実施の形態8は発明の実施の形
態1と同様の効果を有するとともに、さらに、第2直流
電源を必要としないので、放電回路を安価に構成するこ
とができる効果がある。
【0166】発明の実施の形態9. 発明の実施の形態3〜発明の実施の形態6において、発
明の実施の形態8と同様に第2直流電源502を不用に
するようにしてもよい。この場合、いずれも発明の実施
の形態8と同様の効果が得られる。
【0167】発明の実施の形態10. 発明の実施の形態1〜発明の実施の形態9において、放
電中断検出手段を設け、放電の中断とともに直ちに加工
間隙に逆極性の電圧を印加するようにしてもよい。図3
2により放電中断検出手段の動作について説明する。図
32は、図1において放電の中断を検出する放電中断検
出手段を設けるとともに説明の便宜上第2直流電源の出
力電圧を0Vとしたものである。
【0168】図32において、302は放電中断検出手
段、例えば、放電中断検出回路である。放電中断検出回
路302の入力端子302aは差動増幅器13の出力端
子13cに接続され、出力端子302bは発振回路7の
入力端子7dおよびワンショットマルチバイブレータ1
5の入力端子15dに接続されている。
【0169】放電中断検出回路302の動作について図
33の動作タイムチャートにより説明する。通常、第1
直流電源3の電圧E1は第3直流電源9の電圧E3によ
り低いので、電圧E3より低く電圧E1より高めの電圧
ESOを弁別レベルとして設定する。そして、加工間隙
電圧Egがこの弁別レベルESOより高い電圧になると
放電中断検出回路302は出力端子302bに“1”を
出力するように構成されている。
【0170】加工間隙に第3直流電源9により電圧が印
加されているときに放電が中断すると出力端子302b
に“1”が出力される。放電中断検出回路302の出力
端子302bより“1”出力されると、発振器7の出力
端子7aの出力を時点Tまで“0”にし、ワンショッ
トマルチバイブレータ15の出力端子15bの出力も次
にトリガされるまで“0”にする。なお、発振回路7の
出力端子7aの信号は、所定周期で立上り、所定のパル
ス幅を有するパルスであるが、出力端子7aが“1”の
ときリセット端子7dに“1”の信号が入力されると、
それ以後、次の立上り時点までの間出力端子7aは
“0”になり、その一周期だけ上述のパルス幅が狭くな
る。
【0171】従って、時点T〜時点Tの間は発振器
7の出力端子7cおよびワンショットマルチバイブレー
タ15の出力端子15cには共に“1”が出力されるの
で、2入力AND回路104の出力端子104aには
“1”が出力され半導体スイッチ103がオンになる。
半導体スイッチ103がオンすると、抵抗102を介し
て浮遊容量17に貯えられた電荷が放電され加工間隙電
圧Egは零に低下する。
【0172】発明の実施の形態1〜発明の実施の形態9
においてこの放電中断検出手段を適用すれば、平均加工
電圧の異常上昇をより少なくすることができ、加工間隙
をより安定に制御できる効果がある。電解あるいは電食
による被加工物2の表面形状の変化をより一層減少させ
るとともに被加工物2の磁化をより一層減少させる効果
もある。
【0173】発明の実施の形態11. 発明の実施の形態1〜発明の実施の形態10において
は、第3直流電源9と、ダイオード8、半導体スイッチ
10、ワンショットマルチバイブレータ15、および2
入力AND回路16より構成される第3直流電源9の出
力を加工間隙に印加する回路を省くようにしてもよい。
この場合は、第3直流電源9を用いないため放電電流の
立上りが遅れ加工速度が遅くなる場合があるがその他に
ついては、それぞれ、第3直流電源9を省く前と同様の
効果がある。
【0174】発明の実施の形態12. 発明の実施の形態10における放電中断回路302は加
工間隙電圧EgがESOより高い電圧になったとき放電
が中断したものと判定しているが、これに限らず、次に
説明する放電中断検出手段、例えば、放電中断検出回路
を放電中断検出回路302の代りに用いるようにしても
よい。この場合は、電圧Eと電圧Eの関係は、電圧
<電圧Eに限らなくてもよい。図34は、この発
明の実施の形態12における放電中断検出回路の動作を
説明するための放電回路の接続図である。この図34
は、図1において、ダイオード8、第3直流電源9、半
導体スイッチ10、ワンショットマルチバイブレータ1
5、2入力AND回路9、および、放電中断検出回路3
02、が取り外され、説明の便宜上により第2直流電源
502の出力電圧を0Vとするとともに、放電中断検出
回路3700が設けられたものである。
【0175】図34において、3701はフルップフロ
ップ、3702は無負荷検出回路、3703は2入力A
ND回路である。フリップフロップ3701のS入力端
子3701aは放電検出回路14の出力端子14bに接
続され、R入力端子3701bは発振回路7の出力端子
7cに接続されている。
【0176】出力端子7cは出力端子7aの反転信号が
出力される端子である。差動増幅器13の出力端子13
cは無負荷検出回路3702の入力端子3702aに接
続され、無負荷検出回路3702の出力端子3702b
は2入力AND回路3703の一方の入力端子3703
aに接続されている。また、2入力AND回路3703
の他方の入力端子3703bはフリップフロップ370
1のN出力端子3701cに接続されている。
【0177】2入力AND回路3703の出力端子37
03cは発振回路7のリセット端子7dに接続されてい
る。なお、発振回路7の出力端子7aの信号は、所定周
期で立上り、所定のパルス幅を有するパルスであるが、
出力端子7aが“1”のときリセット端子7dに“1”
の信号が入力されると、それ以後、次の立上り時点まで
の間出力端子7aは“0”になり、その一周期だけ上述
のパルス幅が狭くなる。
【0178】放電中断検出回路3700の動作につい
て、図35の動作タイムチャートにより説明する。図7
は従来例を示す図42と時点T4501〜時点T440
3の間以外は同様である。時点T4501において、放
電が中断されると無負荷検出回路3702の出力端子3
702bに“1”が出力され、2入力AND回路370
3の一方の入力端子3703aが“1”になる。
【0179】無負荷検出回路3702は、加工間隙電圧
Egが、放電時の加工間隙電圧Vgと直流電源4301
の出力電圧(E3510)との間の所定電圧E380
1より大きくなったとき、出力端子3702bに“1”
を出力し、E3801より小さいとき“1”を出力す
るように構成されている。
【0180】一方、フリップフロップ3701は時点T
3801で放電検出回路14が放電を検出し、放電検出
回路14の出力端子14bが“1”になったときにセッ
トされており、フリップフロップ3701のN出力端子
3701cは“1”になっている。従って、無負荷検出
回路3702の出力端子3702bが“1”になると2
入力AND回路3703の出力端子3703cに“1”
が出力される。
【0181】出力端子3703cに“1”が出力される
と発振回路7のリセット端子7dに“1”が入力され、
発振回路7の出力端子7aを“1”から“0”に変化さ
せる。従って、時点T4501で半導体スイッチ430
2はオフになるとともに半導体スイッチ3502がオン
になり、加工間隙に貯えられていた電荷は抵抗器350
1を介して放電され、図35(a)に示されるように、
時点T4501より一度上昇しかけた加工間隙電圧Eg
は直ちに低下する。
【0182】時点T4501で発振回路7の出力端子7
aが“1”から“0”に変化したとき、出力端子7cは
“0”から“1”に変化するのでフリップフロップ37
01のR入力端子3701bに“1”が入力され、フリ
ップフロップ3701はリセットされる。
【0183】時点T4501で半導体スイッチ4302
がオフすると、図35(c)に示される放電検出回路1
4の出力端子14b、および、図35(e)に示される
無負荷検出回路3702の出力端子3702bは共に
“0”になり、放電電流波形を示す図35(f)は零に
変化する。
【0184】時点T4401と時点T3801の間の無
負荷時間においてはフリップフロップ3701はセット
されていないので、この間無負荷検出回路3702の出
力端子3702bが“1”であっても2入力AND回路
3703の出力端子3703cは“0”のままになり、
発振回路7リセットすることはない。上述のように、こ
の放電中断検出手段によれば、電圧Eと電圧Eの関
係は、電圧E<電圧Eに限らなくてもよい。
【0185】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ており、第1直流電源と第1スイッチと第1抵抗器とを
有する第1回路体において第1スイッチを断続的にオン
オフすることにより被加工物の電位を電極の電位より高
くする正電圧が第1抵抗器を介して断続的に被加工物お
よび電極の間に印加され、第2スイッチを有するスイッ
チ回路と第2直流電源とを有する第2回路体において第
2スイッチを断続的にオンオフすることにより被加工物
の電位を電極の電位より低くする負電圧が断続的に被加
工物および電極の間に印加され、制御電圧出力手段によ
り被加工物および電極の間に印加される正電圧にもとづ
く制御電圧を出力され、この制御電圧にもとづき加工間
隙制御手段により被加工物および電極間の間隙が制御さ
れるので、加工間隙が安定に制御されるとともに電解あ
るいは電食による被加工物の表面形状の変化が防止さ
れ、安定で高精度な加工ができる効果がある。
【0186】また、被加工物および電極の間に印加され
る電圧の平均値が所定値になるように電圧設定手段が第
2直流電源の出力電圧を設定するようにしたので、加工
間隙が一層安定に制御されるとともに電解あるいは電食
による被加工物の表面形状の変化が一層防止され、安定
で高精度な加工ができる効果がある。
【0187】また、第1直流電源の一方の端子からの電
圧が電極から被加工物へ、他方の端子からの電圧が被加
工物から電極へ切換えられて印加されるように切換え可
能な切換スイッチ回路からなる第2回路体を設け、この
切換スイッチ回路により被加工物および電極の間に被加
工物の電位を電極の電位より低くする負電圧が断続的に
印加されるようにしたので、負電圧を印加するために別
の電源を用意せずに同様な効果が得られ装置のコストの
増大化を防止できる効果がある。
【0188】また、被加工物および電極の間の電圧の平
均値が所定値になるように、被加工物の電位を電極の電
位より低くする負電圧の印加時間を負電圧印加時間設定
手段が設定するようにしたので、加工間隙が一層安定に
制御されるとともに電解あるいは電食による被加工物の
表面形状の変化が一層防止され、安定で高精度な加工が
できる効果がある。
【0189】また、被加工物および電極の間の電圧の平
均値が所定値になるように、第1スイッチがオフしてい
る時間を休止時間設定手段が設定するようにしたので、
加工間隙が一層安定に制御されるとともに電解あるいは
電食による被加工物の表面形状の変化が一層防止され、
安定で高精度な加工ができる効果がある。
【0190】また、被加工物および電極の間の電圧の平
均値が所定値になるように、被加工物の電位を電極の電
位より高くする正電圧の印加時間を正電圧印加時間設定
手段が設定するようにしたので、加工間隙が一層安定に
制御されるとともに電解あるいは電食による被加工物の
表面形状の変化が一層防止され、安定で高精度な加工が
できる効果がある。
【0191】また、第3直流電源および第3スイッチを
有し第3スイッチがオンすることにより被加工物および
上記電極の間に被加工物の電位を電極の電位より高くす
る正電圧が印加されるように接続された第3回路体を設
け、第1直流電源による被加工物および電極の間の放電
を放電検出回路が検出し、次に第1スイッチがオンする
前の所定時間、放電検出回路の放電検出信号にもとづき
第3スイッチ制御回路が第3スイッチをオンさせるよう
にしたので、同様な効果が得られるとともに加工間隙に
より大きい電流を流すことができ、より高速な加工がで
きる効果がある。
【0192】また、放電が中断したことを被加工物およ
び電極間の電圧にもとづき放電中断検出手段が検出し、
この放電中断検出手段からの放電中断検出信号により第
3スイッチをオフし第2スイッチをオンするようにした
ので、加工間隙がさらに一層安定に制御されるとともに
電解あるいは電食による被加工物の表面形状の変化がさ
らに一層防止され、安定で高精度な加工ができる効果が
ある。
【0193】また、放電が中断したことを被加工物およ
び電極間の電圧にもとづき放電中断検出手段が検出し、
この放電中断検出手段からの放電中断検出信号により第
1スイッチおよび第3スイッチをオフし第2スイッチを
オンするようにしたので、加工間隙がさらに一層安定に
制御されるとともに電解あるいは電食による被加工物の
表面形状の変化がさらに一層防止され、安定で高精度な
加工ができる効果がある。
【0194】また、制御電圧出力手段は、第2抵抗器お
よびコンデンサの並列接続体と第3抵抗器と整流素子と
の直列接続体の一端が被加工物に接続されるとともに他
端が電極に接続され、被加工物の電位が電極の電位より
高いときにこの直列接続体に電流が流れるようにし、第
2抵抗器の両端に制御電圧が出力されるという構成にし
たので、簡単な回路構成で済み装置のコストの増大化を
防止できる効果がある。
【0195】また、制御電圧出力手段は、被加工物およ
び電極の間の電圧を所定の時間間隔で検出し、この検出
結果にもとづき、被加工物の電位を電極の電位より高く
する正電圧にもとづく制御電圧を求めるようにしたの
で、より的確な制御電圧を演算により求めることができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す放電加工装置
の放電回路の接続図である。
【図2】 図1に示す放電回路の動作タイミング図であ
る。
【図3】 図1に示す放電回路の動作タイミング図であ
る。
【図4】 図1に示す放電回路の電流経路を示す説明図
である。
【図5】 図1に示す放電回路の電流経路を示す説明図
である。
【図6】 図1に示す放電回路の電流経路を示す説明図
である。
【図7】 正極性平均加工電圧検出器を用いた加工間隙
制御手段およびXYテーブル駆動手段を示すブロック構
成図である。
【図8】 この発明の実施の形態2を示す放電加工装置
の放電回路の接続図である。
【図9】 図8に示すインターフェース回路の詳細接続
図である。
【図10】 図9に示すインターフェース回路の動作タ
イミング図である。
【図11】 図8に示す放電回路の動作タイミング図で
ある。
【図12】 図8に示す放電回路の動作タイミング図で
ある。
【図13】 この発明の実施の形態3を示す放電加工装
置の放電回路の接続図である。
【図14】 図13に示すインターフェース回路の詳細
説明図である。
【図15】 図14に示すインターフェース回路の動作
タイミング図である。
【図16】 図13に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図17】 この発明の実施の形態4を示す放電加工装
置の放電回路の接続図である。
【図18】 図17に示すインターフェース回路の動作
タイミング図である。
【図19】 図18に示すインターフェース回路の詳細
接続図である。
【図20】 図17に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図21】 この発明の実施の形態5を示す放電加工装
置の放電回路の接続図である。
【図22】 図21に示すインターフェース回路の詳細
接続図である。
【図23】 図22に示すインターフェース回路の動作
タイミング図である。
【図24】 図21に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図25】 図21に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図26】 この発明の実施の形態7の放電加工装置の
加工間隙電圧を示すタイミング図である。
【図27】 この発明の実施の形態8を示す放電加工装
置の放電回路の接続図である。
【図28】 図27に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図29】 図27に示す放電回路の電流経路を示す説
明図である。
【図30】 図27に示す放電回路の電流経路を示す説
明図である。
【図31】 図27に示す放電回路の電流経路を示す説
明図である。
【図32】 この発明の実施の形態10において、放電
中断検出回路の動作を説明するための放電回路の接続図
である。
【図33】 図32に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図34】 この発明の実施の形態12において、放電
中断検出回路の動作を説明するための放電回路の接続図
である。
【図35】 図34に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図36】 従来例を示す放電加工装置の放電回路の接
続図である。
【図37】 図36に示す発振回路の詳細接続図であ
る。
【図38】 図36に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図39】 図36に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図40】 他の従来例を示す放電加工装置の放電回路
の接続図である。
【図41】 図40に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図42】 図40に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【図43】 図40に示す放電回路の動作タイミング図
である。
【符号の説明】
1 電極 2 被加工物 3 第1直流電源 6 半導体スイッチ 7 発振回路 9 第3直流電源 10 半導体スイッチ 14 放電検出回路 32 放電中断検出回路 102 抵抗器 103 半導体スイッチ 390 正極性平均加工電圧検出器 501 逆電圧印加回路 502 第2直流電源 1100 電圧設定手段 1107 第2直流電源 1600 電圧印加時間設定手段 2000 放電休止時間設定手段 2400 放電電圧印加時間設定手段 3000 切換スイッチ回路 3700 放電中断検出回路 4301 第1直流電源 4302 半導体スイッチ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−201014(JP,A) 特開 平3−228520(JP,A) 特開 平2−190218(JP,A)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物との間で放電を行う電極、第1
    直流電源と第1スイッチと第1抵抗器とを有し上記第1
    スイッチを断続的にオンオフするととにより上記被加工
    物の電位を上記電極の電位より高くする正電圧が上記第
    1抵抗器を介して断続的に上記被加工物および上記電極
    の間に印加されるように接続された第1回路体、第2ス
    イッチを有するスイッチ回路と第2直流電源とを有し上
    記第2スイッチを断続的にオンオフすることにより上記
    被加工物の電位を上記電極の電位より低くする負電圧が
    断続的に上記被加工物および上記電極の間に印加される
    ように接続された第2回路体、上記被加工物および上記
    電極の間に印加される上記正電圧にもとづく制御電圧を
    出力する制御電圧出力手段、上記制御電圧にもとづき上
    記被加工物および上記電極間の間隙を制御する加工間隙
    制御手段、を備えた放電加工装置。
  2. 【請求項2】 被加工物および電極の間に印加される電
    圧の平均値が所定値になるように第2直流電源の出力電
    圧を設定する電圧設定手段を有することを特徴とする請
    求項1記載の放電加工装置。
  3. 【請求項3】 第2回路体は、第1直流電源の一方の端
    子からの電圧が電極から被加工物へ、他方の端子からの
    電圧が上記被加工物から上記電極へ切換えられて印加さ
    れるように切換え可能な切換スイッチ回路からなり、こ
    の切換スイッチ回路により上記被加工物および上記電極
    の間に上記被加工物の電位を上記電極の電位より低くす
    る負電圧が断続的に印加されることを特徴とする請求項
    1記載の放電加工装置。
  4. 【請求項4】 被加工物および電極の間の電圧の平均値
    が所定値になるように、上記被加工物の電位を上記電極
    の電位より低くする負電圧の印加時間を設定する負電圧
    印加時間設定手段を有することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項3記載の放電加工装置。
  5. 【請求項5】 被加工物および電極の間の電圧の平均値
    が所定値になるように、第1スイッチがオフしている時
    間を設定する休止時間設定手段を有することを特徴とす
    る請求項1または請求項3記載の放電加工装置。
  6. 【請求項6】 被加工物および電極の間の電圧の平均値
    が所定値になるように、上記被加工物の電位を上記電極
    の電位より高くする正電圧の印加時間を設定する正電圧
    印加時間設定手段を有することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項3記載の放電加工装置。
  7. 【請求項7】 第3直流電源および第3スイッチを有し
    上記第3スイッチがオンすることにより上記被加工物お
    よび上記電極の間に上記被加工物の電位を上記電極の電
    位より高くする正電圧が印加されるように接続された第
    3回路体と、第1直流電源による上記被加工物および上
    記電極の間の放電を検出する放電検出回路と、次に第1
    スイッチがオンする前の所定時間上記放電検出回路の放
    電検出信号にもとづき上記第3スイッチをオンさせる第
    3スイッチ制御回路と、を有することを特徴とする請求
    項1及至請求項6のいずれかに記載の放電加工装置。
  8. 【請求項8】 放電が中断したことを被加工物および電
    極間の電圧にもとづき検出する放電中断検出手段と、こ
    の放電中断検出手段からの放電中断検出信号により第3
    スイッチをオフし第2スイッチをオンすることを特徴と
    する請求項1及至請求項6のいずれかに記載の放電加工
    装置。
  9. 【請求項9】 放電が中断したことを被加工物および電
    極間の電圧にもとづき検出する放電中断検出手段と、こ
    の放電中断検出手段からの放電中断検出信号により第1
    スイッチおよび第3スイッチをオフし第2スイッチをオ
    ンすることを特徴とする請求項7記載の放電加工装置。
  10. 【請求項10】 制御電圧出力手段は、第2抵抗器およ
    びコンデンサの並列接続体と第3抵抗器と整流素子との
    直列接続体を有し、上記直列接続体は上記被加工物の電
    位が上記電極の電位より高いときに電流が流れる方向に
    一端が上記被加工物に接続されるとともに他端が上記電
    極に接続され、上記第2抵抗器の両端に制御電圧が出力
    されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれ
    かに記載の放電加工装置。
  11. 【請求項11】 制御電圧出力手段は被加工物および電
    極の間の電圧を所定の時間間隔で検出し、この検出結果
    にもとづき、上記被加工物の電位を上記電極の電位より
    高くする正電圧にもとづく制御電圧を求めることを特徴
    とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の放電加
    工装置。
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