JP2689695B2 - 車両のトラクションコントロール装置 - Google Patents

車両のトラクションコントロール装置

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JP2689695B2 JP17258690A JP17258690A JP2689695B2 JP 2689695 B2 JP2689695 B2 JP 2689695B2 JP 17258690 A JP17258690 A JP 17258690A JP 17258690 A JP17258690 A JP 17258690A JP 2689695 B2 JP2689695 B2 JP 2689695B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車輪の駆動スリップ(ホイールスピン)を防
止する車両のトラクションコントロール装置に関するも
のである。
(従来の技術) トラクションコントロール装置としては従来、特開昭
64−44368号公報に開示されている如く、車輪の駆動ス
リップ発生時、左右駆動車輪を夫々個別に制動して車輪
の駆動トルクを低減することにより駆動スリップを減少
させるようにしたものがある。
この従来装置においては、左右駆動輪のスリップ状態
を表わす情報に基づき左右駆動輪に対する制動制御パタ
ーンを決定し、それらの内の制動力の小さい方の制動制
御パターンに対し所定の補正を行って制動力の大きい方
に近付けた後に、両制動制御パターンに基づき制動手段
が夫々左右駆動輪の制動制御を行うようにしてある。こ
れにより、左右駆動輪速が交互に変動するのを防止して
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら上記従来例にあっては、左右駆動輪に対
する制動制御パターンの内の制動力の小さい方に対し補
正を行う際に、車両の旋回状態を考慮せずに補正量を一
定にしているため、補正量を大きく設定した場合、高G
旋回走行中に駆動スリップが発生した場合には、旋回外
輪側に必要以上の制動力が加わってアンダーステア傾向
が強まるとともに加速性能の悪化を招き、逆に補正量を
小さく設定した場合、低μ路での旋回走行中に駆動スリ
ップが発生した場合には、旋回内輪側に制動力が集中し
て旋回外輪側の制動力が不足する、いわゆるブレーキの
片効きが生じてオーバーステア傾向が強まることにより
車両の安定性の悪化を招くという問題があった。
また上記補正を行う際に、左右起動輪の実際の制動状
態を考慮していないため、トラクションコントロール用
の制動制御において制御のハンチングが生じたり、高μ
側駆動輪に対する必要以上の制動力により加速性が損な
われるという問題があった。
本発明は制動制御パターンの内の制動力の小さい方に
対する補正量を、車両の旋回状態や左右駆動輪の実際の
制動状態に応じて可変制御することにより、上述した問
題を解決することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この目的のため、本発明の第1の構成は第1図(a)
に概念を示す如く、駆動輪速を検出する第1および第2
の車輪速検出手段と、従動輪速を検出する第3および第
4の車輪速検出手段と、検出された駆動輪速および従動
輪速より車輪の駆動スリップ状態を検出するスリップ検
出手段と、検出された駆動スリップ状態に基づき左右駆
動輪に対する制動制御パターンを夫々決定する制動パタ
ーン決定手段と、得られた制動制御パターンの内の制動
力の小さい方のみを補正する制動パターン補正手段と、
得られた制動制御パターンに基づき左右駆動輪を夫々制
動する制動手段とを具える車両のトラクションコントロ
ール装置において、車両の旋回状態を検出する旋回状態
検出手段を設け、前記制動制御パターンの内の制動力の
小さい方の制動制御パターンに対応する駆動輪が旋回外
輪である場合、該旋回外輪側の駆動輪に対する制動制御
パターンの補正の補正量を検出された旋回状態に基づき
変更するようにするものとし、第2の構成は第1図
(b)に概念を示す如く、駆動輪速を検出する第1およ
び第2の車輪速検出手段と、従動輪速を検出する第3お
よび第4の車輪速検出手段と、検出された駆動輪速およ
び従動輪速より車輪の駆動スリップ状態を検出するスリ
ップ検出手段と、検出された駆動スリップ状態に基づき
左右駆動輪に対する制動制御パターンを夫々決定する制
動パターン決定手段と、得られた制動制御パターンに基
づき左右駆動輪を夫々制動する制動手段とを具える車両
のトラクションコントロール装置において、左右駆動輪
に加えられている制動力を夫々検出する制動力検出手段
と、検出された左右駆動輪の制動力差が補正開始基準値
以上のとき、前記制動制御パターンの内の制動力の小さ
い方のみを左右駆動輪の制動力を同一にしない範囲で制
動力が増大方向に補正する制動パターン補正手段とを設
けるようにするものとする。
(作 用) 本発明の第1の構成によれば、制動パターン補正手段
は、駆動スリップ発生時、左右駆動輪に対する制動制御
パターンの内の制動力の小さい方のみに対し補正を行う
際に、旋回状態検出手段からの情報に基づき、前記制動
制御パターンの内の制動力の小さい方の制動制御パター
ンに対応する駆動輪が旋回外輪である場合、該旋回外輪
側の駆動輪に対する制動制御パターンの補正の補正量を
旋回状態の程度に応じて変更するから、高G旋回走行中
旋回外輪側に必要以上の制動力が加わることによりアン
ダーステア傾向が強まるとともに加速性能の悪化を招く
ような不具合は生じず、また低μ路での旋回走行中旋回
内輪側のみならず旋回外輪側にも適切な制動力が加えら
れることになり、ブレーキの片効きによってオーバース
テア傾向が強まって車両の安定性が阻害される不具合も
生じない。
また本発明の第2の構成によれば、制動パターン補正
手段は、駆動スリップ発生時、制動力検出手段により検
出された左右駆動輪の制動力の差が補正開始基準値(こ
の補正開始基準値は、例えば、前記左右駆動輪の制動力
の内の高い方の値が所定値を越えて高くなればなるほど
低下させるようにする)以上のとき、左右駆動輪に対す
る制動制御パターンの内の制動力の小さい方のみを左右
駆動輪の制動力を同一にしない範囲で制動力増大方向に
補正するから、加速性を損なうことなく、左右駆動輪の
制動力を小さくすることによりトラクションコントロー
ル時の制御のハンチングを防止することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第2図は本発明トラクションコントロール装置の第1
実施例を示すシステム図で1L,1Rは夫々左右従動輪(例
えば左右前輪)、2L,2Rは夫々左右駆動輪(例えば左右
後輪)を示す。車両は車輪2L,2Rを図示せざるエンジン
により駆動されることにより走行し、エンジンはスロッ
トルバルブ4により出力を加減されるものとする。
スロットルバルブ4はステップモータ5により開閉
し、そのステップ数(スロットルバルブ4の開度)をト
ラクションコントロール中以外基本的には運転者が踏込
むアクセルペダル6の踏込量に対応したものにすべく制
御回路7により制御する。この目的のため、スロットル
バルブ4の開度、つまりモータ5のステップ数を検出す
るスロットルセンサ8からの信号THを制御回路7にフィ
ードバックし、アクセルペダル6の踏込量Accを検出す
るアクセルセンサ9からの信号を制御回路7に入力す
る。
制御回路7はマイクロコンピュータ10を具えるととも
に、その入力側に関連してA/Dコンバータ11およびF/Vコ
ンバータ12を、また出力側に関連してステップモータ5
用の駆動回路13およびD/Aコンバータ14を夫々設ける。A
/Dコンバータ11はスロットル開度信号THおよびアクセル
信号Accをアナログ・デジタル変換してマイクロコンピ
ュータ10に入力するとともに、F/Vコンバータ12により
周波数−電圧変換した電圧信号をデジタル信号に変換し
てマイクロコンピュータ10に入力する。
各車輪11,1R,2L,2Rは、ブレーキペダル20の踏力に応
じたブレーキマスターシリンダ21からの液圧PMにより作
動されるホイールシリンダ22L,22R,23L,23Rを具え、こ
れらホイールシリンダの作動により対応車輪が個々に制
動されるものとする。しかして、駆動輪2L,2Rのブレー
キ液圧系には夫々トラクションコントロール用の液圧制
御弁24L,24Rを挿置する。これら液圧制御弁は夫々同使
用、同構造のものとし、スプール25をばね26により図示
の左限位置に弾支し、プランジャ27をばね28により図示
の左限位置に弾支して構成する。
液圧制御弁24L,24Rは夫々、図示の常態でマスターシ
リンダ側の入口ポート29への液圧PMをそのままホイール
シリンダ側の出口ポート30より対応するホイールシリン
ダに出力し、スプール25の右行時プランジャ27によりポ
ート29,30間を遮断するとともにホイールシリンダへの
液圧を上昇させ、スプール25の右行停止時ホイールシリ
ンダの上昇液圧を保持するものとする。
スプール25の上記右行およびその停止を室31内の圧力
により制御し、この圧力を夫々電磁弁40L,40Rにより個
別に制御する。これら電磁弁も同様のものとし、ソレノ
イド41のOFF時(A)で示すポート間接続位置となって
室31をドレイン回路42に通じると共にアキュムレータ43
から遮断し、ソレノイド41の小電流によるON時(B)で
示すポート間接続位置となって室31をドレン回路42およ
びアキュムレータ43の双方から遮断し、ソレノイド41の
大電流によるON時(C)で示すポート間接続位置となっ
て室31をドレン回路42から遮断するとともにアキュムレ
ータ43に通じるものとする。
電磁弁40L,40Rの(A)位置で室31は無圧状態となっ
てスプール25を図示位置にし、電磁弁40L,40Rの(C)
位置で室31はアキュムレータ43の一定値Pcを供給されて
スプール25を図中右行させ、電磁便40L,40Rの(B)位
置で室31は圧力の給排を中止されてスプール25をその時
の右行位置に保持する。
アキュムレータ43にはモータ44で駆動されるポンプ45
からの油圧をチェック弁46を介して蓄圧し、アキュムレ
ータ43の蓄圧値が一定値PCになる時、これを検出してOF
Fする圧力スイッチ47からの信号を受けて制御回路7が
モータ44(ポンプ45)を停止させるものとする。この目
的のため圧力スイッチ47からの信号はマイクロコンピュ
ータ10に入力し、マイクロコンピュータ10からのモータ
制御信号はD/Aコンバータ14によりアナログ信号に変換
してモータ44に供給する。
電磁弁40L,40Rのソレノイド41もマイクロコンピュー
タ10により駆動制御し、そのための制御信号をD/Aコン
バータ14によりアナログ信号に変換してソレノイド41に
供給する。
各車輪1L,1R,2L,2Rに夫々関連して車輪回転センサ50
L,50R,51Rを設け、これらセンサは対応車輪の車輪速
VFL,VFR,VRL,VRRに対応した周波数のパルス信号を発
し、これらパルス信号をF/Vコンバータ12に供給する。F
/Vコンバータ12は各パルス信号をその周波数(車輪回転
数)に対応した電圧に変換してA/Dコンバータ11に入力
し、A/Dコンバータ11はこれら電圧をデジタル信号に変
換してマイクロコンピュータ10に入力する。
また、駆動輪ホイールシリンダ23L,23Rの液圧、つま
り駆動輪ブレーキ液圧PBL,PBRを夫々検出する圧力セン
サ60L,60Rを設け、これらからの信号をA/Dコンバータ11
によりデジタル信号に変換してマイクロコンピュータ10
に入力する。さらに、旋回状態検出手段として車両の横
Gを検出する横Gセンサ16を設け、これからの信号をマ
イクロコンピュータ10に入力する。
マイクロコンピュータ10は各種入力情報を元に第3図
の制御プログラムを実行して、電磁弁ソレノイド41の位
置制御、つまり駆動車輪のトラクションコントロール用
制動制御を行い、さらにポンプモータ44(油圧ポンプ4
5)の駆動制御を行う他、スロットルバルブ4の通常の
開度制御を行う。第3図は図示せざるオペレーティング
システムによりエンジン始動後一定周期ΔT(例えばΔ
T=10msec)毎に定時割込み処理をされるメインルーチ
ンである。
第3図では先ずステップ101,102において、第1回目
の処理に限りマイクロコンピュータ10は内蔵RAM等のイ
ンシャライズ(初期化)を行う。次のステップ103で
は、車輪速VFR,VFL,VRL,VRRおよび横G値Y9を読込み、
これらを基にステップ104で左右駆動輪2L,2Rのスリップ
率SL,SRをSL=(VRL−VFL)/VFL,SR=(VRN−VFR)/VFR
により求めた後、ステップ105で左右駆動輪2L,2Rのスリ
ップ率変化速度=SL−SL-1(ただしSL-1は前回の左
駆動輪スリップ率)および=SR−SR-1(ただし、S
R-1は前回の右駆動輪スリップ率)を求める。
ステップ106では、左右駆動輪スリップ率SL,SRのうち
小さい方をセレクトロースリップ率Smin、大きい方をセ
レクトハイスリップ率Smaxにセットする。次にステップ
107において上記セレクトロースリップ率およびセレク
トハイスリップ率のうち小さい方の値SminをK(例えば
0.6−0.9)の比率で重視するスリップ率の重み付け平均
値SavをSav=K×Smin+(1−K)×Smaxにより求める
とともに、その変化速度avav=Sav−Sav-1(ただ
しSav-1は前回のスリップ率重み付け平均値)を求め
る。
ステップ108では、駆動輪スリップ率SR,Slおよびそれ
らの変化速度R,より駆動輪のブレーキ制御エリア
(ブレーキ制御パターン)AREAR,AREALを夫々決定す
る。このブレーキ制御エリアAREAR(またはAREAL)は、
第4図に示すように1〜5の値を取るもので、ブレーキ
液圧の増圧速度の大きいものから順に並べると急増圧
(AREAR=5)、緩増圧(AREAR=4)、保圧(AREAR=
3)、緩減圧(AREAR=2)、急減圧(AREAR=1)とな
る。なおここでスレップ率閾値S11,S12およびスリップ
率変化速度21,22は車両の走行状態(直進、旋回、
車速、横G等)により決定するものとする。
次のステップ109ではブレーキ制御エリアAREAR,AREAL
が等しいか否かの判別を行い、等しくない場合にはステ
ップ110で横G値Ygが所定値Yg0(例えば0.4G)以下か否
かの判別を行う。ここでYg≦Yg0ならば、AREAR,AREALの
内の低い方に対し補正を行う必要があることから、制御
をステップ111〜113へ進め、一方Yg>Yg0ならば、前記
ステップ109においてYesとなるAREAR=AREALの場合と同
様に上記補正を必要としないことから、上記ステップ11
1〜113をスキップして制御を直ちにステップ114へ進め
る。ステップ111では、左右ブレーキ制御エリアAREAL,A
REARの大小比較を行い、AREAR>AREAL、つまり右駆動輪
の方がブレーキ液圧の増圧速度が大きい場合には、上記
補正の対象となるのは増圧速度が小さい方の左駆動輪で
あり、その左駆動輪に対しステップ112でブレーキ制御
エリアAREALを一段階高めに設定し(AREAL=AREAL+
1)、逆に、AREAR<AREALの場合には、右駆動輪に対し
ステップ113でブレーキ制御エリアAREARを一段階高めに
設定する(AREAR=AREAR+1)。
ステップ112,113およびステップ109のYes、ステップ1
10のNoの次のステップ114では、上述のようにして決定
したブレーキ制御エリアAREAR、AREALに基づき、左右駆
動輪に対し夫々個別にブレーキ制御を行う。なおこのブ
レーキ制御の詳細については、例えば特開平2−81756
号公報の第4図、第5図のステップ602〜ステップ696と
同様に行うものとし、具体的にはブレーキ制御エリアAR
EAR(AREAL)に対応する、前記公報の第11〜13図に示す
ような所定のブレーキ液圧デューティ比(すなわちブレ
ーキ液圧PBR,PBLの変化速度)を決定し、このブレーキ
液圧デューティ比に基づき電磁弁40R(40L)の減圧
(A)、保圧(B)、増圧(C)の制御を行って駆動輪
2R(2L)のホイールシリンダ23R(23L)のブレーキ液圧
PBR(PBL)を制御するものとする。
その後は、ステップ115〜117において油圧ポンプ45の
駆動制御を以下の如くに行う。ステップ115では圧力ス
イッチ47がONか否かを、つまりアキュムレータ43の圧力
PCが所定値に達しているか否かをチェックする。圧力ス
イッチ47は第5図の如くアキュムレータ内圧PCがP1以下
に低下する時ONし、P2以上に上昇する時OFFするヒステ
リシス特性を持つ。圧力スイッチ47のON時ステップ116
でモータ44のONによりポンプ45を駆動してアキュムレー
タ内圧PCを高め、圧力スイッチ47のOFF時ステップ117で
モータ44のOFFによりポンプ45を停止してアキュムレー
タ内圧PCの上昇を停止する。よって、アキュムレータ43
内には常時所定の圧力PCが蓄圧され、前記トラクション
コントロール用のブレーキ液圧上昇制御を行うことがで
きる。
以下第6図の動作例に基づき本発明の第1実施例のト
ラクションコントロールを説明する。この動作例では左
右軌道輪が図示のように夫々異なる程度にホイールスピ
ンし、両駆動輪を夫々異なる制動力(ブレーキ液圧)で
制動制御するものとして説明を展開する。なおこの例で
は横G値Ygが増加を続け瞬時t11に所定値Yg0となるもの
とする。
左側のブレーキ液圧PBLにおいては、無制御(AREAL=
3)の継続中、実線で示すスリップ率SLが境界値S11
なる瞬時t1以後、実線で示すスリップ率変化速度
0<21となることから、第4図に基づくブレー
キ制御エリア判定によりPBLの制御は瞬時t2までは実線
で示す如く緩増圧(AREAL=4になる。瞬時t2以後は
21となるため、同様のエリア判定によりPBLの制
御は瞬時t4までは急増圧(AREAL=5)になる。以下同
様に瞬時t4〜t5間は緩増圧、瞬時t5〜t6間は保圧、瞬時
t6〜t7間は緩減圧(AREAL=2)、瞬時t7〜t8間は保圧
(AREAL=3)、瞬時t8〜t9〜t10間は緩減圧、瞬時t10
以後は(緩減圧の継続に伴う)無制御になる。
この間の右側のブレーキ液圧PBRの制御は、一点鎖線
で示すスリップ率SRおよびその変化速度に基づく同
様のエリア判定により、瞬時t3までは無制限、瞬時t3
t4間は緩増圧、瞬時t4〜t5間は保圧、瞬時t5〜t9間は緩
減圧、瞬時t9以後は(緩減圧の継続に伴う)無制御とな
るところであるが、第3図のステップ110の実行により
横G値Ygが所定値Yg0未満である瞬時t11までの間はステ
ップ111、ステップ113が実行されることになり、ブレー
キ制御エリアの小さい方に該当する右駆動輪が旋回外輪
である場合、該旋回外輪側の右駆動輪のブレーキ制御エ
リアAREARに対し1段階上昇させる補正がなされ、AREAR
は図示点線のようになる。この結果、低μ路等の低G旋
回走行中には旋回内輪側のみならず旋回外輪側にも適切
なブレーキ液圧が加えられることになり、ブレーキの片
効きによりオーバーステア傾向が強まる不具合が生じる
ことはなく、車両の安定性を確保することができる。
一方、瞬時t11以後においてはYg>Yg0となることか
ら、第3図のステップ110の判別の結果、ステップ108で
求めたブレーキ制御エリアAREAR、AREALに対する補正は
行われないことにより、上記と同様のエリア判定により
左側のブレーキ液圧PBLの制御は瞬時t12〜t13間は緩増
圧、瞬時t13〜t14〜t15間は急増圧、瞬時t15〜t16間は
緩増圧、瞬時t16〜t17間は保圧、瞬時t17以後は緩減圧
となり、右側のブレーキ液圧PBRの制御は瞬時t14〜t15
間は緩増圧、瞬時t15〜t16間は保圧、瞬時t16以後は緩
減圧となる。この結果、高G旋回中旋回外輪側に必要以
上のブレーキ液圧が加わることよりアンダーステア傾向
が強まって加速性能が悪化する不具合が生じることはな
くなり、このような瞬時t1以後の一連の駆動輪ブレーキ
液圧制御によるトラクションコントロールの結果、所望
の通り駆動輪の駆動スリップを防止することができる。
なお上記第1実施例では旋回状態検出手段として横G
センサを用いたが、これに限定されるものではなく、例
えば横Gを左右従動輪速差ΔVF=|VFL−VFR|と平均従動
輪速VFAVE=(VFL+VFR)/2との積から求めるようにし
たり(この積が大きいほど横Gが大きくなる)、舵角量
θと平均従動輪速VFAVEとの関係から求めるようにした
り、さらに所定値以上の横G値でONする横Gスイッチを
用いるようにしてもよい。また、ブレーキ液圧に対する
補正を、小さい方に該当するブレーキ制御エリアを1段
階上昇させるものとせずに、代わりに横Gに応じてブレ
ーキ液圧デューティ比を補正したり、増圧・減圧時間の
長さやデューティ周期を補正することにより間接的にブ
レーキ液圧デューティ比を補正するようにしてもよい。
第7図は本発明トラクションコントロール装置の第2
実施例を示すシステム図であり、第2図の第1実施例と
の相違点は、旋回状検出手段として横Gセンサの代わり
に実ヨーレートを検出するレートジャイロ17を用い
たことと、ステアリングホイールの舵角θをディジタル
信号として検出する舵角センサ18を設けたことであり、
実ヨーレートをA/Dコンバータ11でディジタル化し
てマイクロコンピュータ10に入力し、舵角θを直接マイ
クロコンピュータ10に入力する。
マイクロコンピュータ10は各種入力情報を元に第8図
の制御プログラムを実行して駆動車輪のトラクションコ
ントロール用制動制御および油圧ポンプ45の駆動制御等
を行う。すなわち図示しないオペレーティングシステム
によりエンジン始動後一定周期ΔT(例えばΔT=10ms
ec)毎に定時割り込み処理される第8図のメインルーチ
ンにおいて、スタップ121〜127で第3図のステップ101
〜107と同一内容の制御(ただしステップ123では舵角θ
も読込んでおくものとする)を行った後、ステップ128
で左右従動輪速VFL,VFRの平均値VF=(VFL+VFR)/2を
求め、VFを車速とする。ステップ129では舵角センサ18
より読込んだ舵角θおよびステップ128で求めた車速VF
に基づき運転者の目標ヨーレートを求める。この目
標ヨーレートは旋回半径を媒介変数として実験的に
求めたものであり、図示しないテーブル状のマップを
=f(θ,VF)より検索して決定する。
次のステップ130ではレートジャイロ18より実ヨーレ
ートを読み込み、ステップ131では駆動輪スリップ
率SR,SLおよびそれらの変化速度R,より駆動輪の
ブレーキ制御エリアAREAR,AREALを第1実施例と同様に
して夫々決定する。
次いでステップ132では、得られたAREAR,AREALに対し
どのように補正を行うかを決定するため、g,に基
づきブレーキ補正制御エリアI〜Vの判定を行う。この
エリア判定は例えば第9図のマップを用いて実ヨーレー
および実ヨーレートと目標ヨーレートとの偏差
)により検索するものとする。なおこのマ
ップにおいては左旋回時の実ヨーレートを正にして
あり、の絶対値が大きいほどオーバーステア側にな
り、絶対値が小さいほどアンダーステア側になってい
る。また実ヨーレートの絶対値が大きいほど車両挙動
に対する影響が比較的大きいため偏差()を
厳しめに判定し、絶対値が小さいほど車両挙動に対する
影響が比較的小さくなるため偏差()を緩め
に判定するようにしてある。
ここで各ブレーキ補正制御エリアは、エリアIは目標
ヨーレートに対し実ヨーレートがほぼ追従して
いる領域であり、エリアII(IV)は左旋回時(右旋回
時)に対しが過剰(オーバーステア傾向)にな
っているため、車両挙動をアンダーステア側に修正する
必要がある領域であり、エリアIII(V)は左旋回時
(右旋回時)に対しが不足している(アンダー
ステア傾向)ため、車両挙動をオーバーステア側に修正
する必要がある領域であることから、ステップ132の判
定結果に応じて夫々最適の補正を行う。すなわち、ステ
ップ132でエリアIと判定された場合にはステップ133以
後の補正を行わず制御を直ちにステップ141に進め、エ
リアII、エリアIVと判定された場合には制御をステップ
133〜135へ進め、エリアIII、エリアVと判定された場
合には制御をステップ136〜138へ進める。エリアII、エ
リアIVに対応するステップ133では左右ブレーキ制御エ
リアの大小比較を行い、両者が等しい場合には補正を行
わず制御を直ちにステップ141に進め、AREAR>AREALな
らば低い方であって補正対象となるAREALに対しステッ
プ134で1段階上昇させる補正(AREAL=AREAL+1)を
行い、逆にAREAL>AREARならば補正対象となるAREARに
対しステップ135で1段階上昇させる補正(AREAR=AREA
R+1)を行う。
一方、エリアIII、エリアVに対応するステップ136で
は左右ブレーキ制御エリアの大小比較を行い、両者が等
しい場合には補正を行わず制御を直ちにステップ141に
進め、AREAR>AREALならばステップ137で補正対象とな
るAREALが無制御状態(AREAL=3と見做す)か否かの判
別を行い、無制御状態ならば制御を直ちにステップ141
に進め、無制御状態でなければステップ138でAREALを1
段階下降させる補正(AREAL=AREAL−1)を行う。同様
にステップ136においてAREAR<AREALならばステップ139
で補正対象となるAREARが無制御状態か否かの判別を行
い、無制御状態ならば制御を直ちにステップ141に進
め、無制御状態でなければステップ140でAREARを1段階
下降させる補正(AREAR=AREAR−1)を行う。なお次の
ステップ141で、上述のようにして決定したブレーキ制
御エリアAREAR,AREALに基づき左右駆動輪に対し夫々個
別にブレーキ制御を行った後は、ステップ142〜144で第
3図のステップ115〜117と同一内容の制御を行う。
以下第10図の動作例に基づき本発明の第2実施例のト
ラクションコントロールを説明する。なお図中左右駆動
輪のスリップ発生状況(スリップ率SR,SL、スリップ率
変化速度R,)に対するブレーキ制御エリアの判定
方法は第1実施例と同様であるため、SR,等の記入
を省略してある。
この例では、目標ヨーレイトが1点鎖線で示すよ
うに変化するとともに実ヨーレートが実線で示すよ
うに変化する場合、第9図のマップに基づく第8図のス
テップ132のブレーキ補正制御エリア判定によりブレー
キ補正制御エリアはエリアI→エリアII→エリアI→エ
リアIIIとなる。この間、スリップ率SR(SL)、スリッ
プ率変化速度)に基づき決定されるブレーキ
制御エリアAREAR(AREAL)が図示のようになる場合、常
にAREAR>AREALであるため補正対象はAREALとなる。ま
すエリアIにおいては第8図のステップ132−141が実行
されるためAREALに対する補正はなされない。次のエリ
アIIにおいてはステップ132−134の実行により点線で示
すようにAREALに対し1段階上昇させる補正がなされ
る。さらにエリアIIIにおいては、点線で示すように、
瞬時t21〜t22間はステップ132−136−137−138の実行に
よりAREALに対し1段階下降させる補正がなされ、瞬時t
21以前および瞬時t22以後はAREAL=3と見做される無制
御状態であるためステップ132−136−137−141の実行に
より無制御状態が維持され、このように瞬時t23まで無
制御状態が継続することにより、瞬時t23以後緩減圧要
求がなされているにも拘らず無制御状態となる。
この結果、車両挙動がオーバーステア傾向になるエリ
アII,IVにおいては補正対象駆動輪の横力が確保されて
車両挙動がアンダーステア側に修正され、車両挙動がア
ンダーステア傾向になるエリアIII,Vにおいては補正対
象駆動輪の横力が低減さて車両挙動がオーバーステア側
に修正されることにより、第1実施例と同様の効果を得
ることができる。
なおこの第2実施例においては、旋回状態(車両挙
動)をレートジャイロ17からの実ヨーレートにより
検出しているが、従動輪速差から求めた推定ヨーレート
を用いてもよい。また上記制御に代えて目標ヨーレート
と実ヨーレートとの偏差を用いるフィードバッ
ク制御系を構成し、AREAR,AREALの内の小さい方のみな
らず大きい方が駆動輪に対してもデューティ比を細かく
変化させるようにすれば、一層精密な、追従性のよいブ
レーキ制御を行うことができる。
第11図は本発明トラクションコントロール装置の第3
実施例におけるマイクロコンピュータの制御プログラム
を示すフローチャートであり、この第3実施例のシステ
ム構成は第2図の第1実施例と同一のものを用いる。
第11図の制御プログラムにおいて、まずステップ151
で車輪速VFR,VFL,VRR,VRLを読込み(第1回目の処理の
場合、予めイニシャライズを行っておくものとする)、
ステップ152で横Gセンサ16より横G値Ygを読込んだ
後、ステップ153で旋回半径Rを平均従動輪速VFAVE
(VFR+VFL)/2を用いてR=VFAVE 2/Ygにより演算す
る。その後ステップ154では各車輪速を基に駆動輪2R,2L
のスリップ率SR,SLをSR=(VRR−VFR)/VFR,SL=(VRL
−VFL)/VFLにより求め、ステップ155でスリップ率変化
速度=SR−SR-1(ただしSR-1は前回の右駆動輪スリ
ップ率)および=SL−SL-1(ただしSL-1は前回の左
駆動輪スリップ率)を求める。
次のステップ156では得られたスリップ率およびその
変化速度から、左右駆動輪へ付加すべきブレーキ液圧P
BL,PBRの増減圧速度の目標値L,を、
(SL,)、(SR,)によって夫々決
定する(なお、本例ではブレーキ液圧の増減圧速度の目
標値を直接求めているが、これは第1実施例においてブ
レーキ制御エリアAREARまたはAREAL=1〜5を決定して
各々のAREAR,AREALに対応するブレーキ液圧デューティ
比を間接的に求めているのと内容的に同一である)。
次のステップ157では得られたL,が一致するか
否かの判別を行い、一致した場合にはステップ158以後
の補正を行わずに制御を直ちにステップ163に進め、不
一致の場合にはステップ158で第12図のマップに基づき
補正量の決定に用いるゲインKをK=K(Yg)により決
定する。この第12図のマップは横G値Ygが小さいとき
(Yg<G1のとき)最大値K=1となり、その後G1≦Yg
G2の間は横G値の増加に伴い連続的に減少し、横G値Yg
が大きいとき(Yg≧G2のとき)K=0となるものであ
る。なお上記ステップ158ではゲインKを横G値により
求めているが、代わりにステップ153で求めた旋回半径
Rにより求めることもでき、その場合ステップ158をK
=K(R)と変更するとともに第12図のマップの代わり
に第13図のマップを使用する。この第13図のマップは、
旋回半径Rが小さいとき(R<R1のとき)K=0とな
り、R1≦R<R2の間は旋回半径Rの増加に伴い連続的に
増加し、旋回半径Rが大きいとき(R≧R2のとき)最大
値K=1となるものである。
このゲインKを用いて次のステップ159で補正量Δ
をΔ=K|R|により決定し、ステップ160で
か否かの判別を行うことにより補正対象駆動輪
を決定する。この判別によりブレーキ液圧の増減圧速度
L,の内の小さい方に対し補正がなされる。すなわ
の場合にはステップ161で左駆動輪に対し
+Δにより補正がなされ、の場
合によりステップ162で右駆動輪に対し+Δ
により補正がなされる。その後このようにして決定し
た目標値L,に基づきステップ163で左右駆動輪に
対し夫々個別にブレーキ制御を行い、ステップ164で第
3図のステップ115〜117と同様にして油圧ポンプ45の駆
動制御を行う。
この結果、第1実施例と同様の効果が得られ、その
際、本例においては補正を行う場合の補正量を第12図
(または第13図)のマップに基づき連続的に変化させて
いるため、一層精密な、追従性のよいブレーキ制御を行
うことができる。
なお本例では旋回状態を表わすパラメータとして横G
値Yg、旋回半径Rを用いているが、代わりにヨーレート
や操舵角を用いたり、それらを複数組合せて使用しても
よい。さらに本例では旋回半径Rの演算に際し平均従動
輪速VFAVEおよび横G値Ygより演算によって求めたが、
代わりにVFAVEと、従動輪速差ΔVF=|VFL−VFR|と、従
動輪のトレッド幅trとからR=VFAVE/(tr・ΔVF)によ
り求めてもよい。
第14図は本発明トラクションコントロール装置の第4
実施例における、マイクロコンピュータの制御プログラ
ムの要部のみを示すフローチャートであり、この第4実
施例のシステム構成は第2図の第1実施例と同一のもの
を用いる(なお同図中横Gセンサ16は省略してもよ
い)。
第14図は第3図のステップ110に対応するステップ110
−1のみを表しており、その前後のステップは第3図と
同一のものを用いる(ただしステップ102においは車輪
速VFR,VFL,VRR,VRLの他に、圧力センサ60R,60Lより駆動
輪ブレーキ液圧PBR,PBLを読込んでおくものとする)。
ステップ110−1では、第15図のマップを用いてブレー
キ液圧PBR,PBLの差圧ΔP=|PBR−PBL|および最大圧max
(PBR,PBL)より補正エリアか非補正エリアかを判別
し、ブレーキ液圧に対し補正を行うか否かを決定する。
この第15図のマップは最大圧max(PBR,PBL)が所定値P1
以下の領域では差圧ΔPが補正開始基準値以上の場合は
補正エリアとなり、P0未満の場合は非補正エリアとなる
ものであり、さらに最大圧max(PBR,PBL)がP1を超える
領域では最大圧の増加に伴い補正エリアが非補正エリア
側に拡大されていくものである(両エリアの境界線はこ
の領域では2次曲線となる)。この第15図のマップで
は、ブレーキ液圧が大きいほど液圧ゲインが大きくなっ
て左右の差圧が生じ易くなるため補正を行い易くしてあ
る。
以下第16図の動作例に基づき本発明の第4実施例のト
ラクションコントロールを説明する。なお左右駆動輪の
スリップ発生状況(スリップ率SR,SL、スリップ率変化
速度R,)は第10図の動作例と同様とする。
この例ではSR,SL,R,に基づき第1実施例と同様
にしてブレーキ制御エリアAREAR,AREALを決定し(AREAL
を実線、AREARを1点鎖線で表してある)、AREAR,AREAL
の内の小さい方(この場合AREAR)に対し第14図のステ
ップ110−1の実行により補正を行う。ここでステップ1
10−1の判別に際し、実線で示すブレーキ液圧PBLおよ
び点線で示すブレーキ液圧PBR(補正前)はともに全範
囲に亘って所定値P1を超えていないため最大圧max
(PBR,PBL)も所定値P1を超えない。したがって第15図
のマップに基づき差圧ΔPが補正開始基準値P0を超える
か否かのみによって補正エリア、非補正エリアが決定さ
れることになり、ΔPがP0を超える瞬時t31〜t32間(補
正エリア)のみブレーキ液圧PBRに対しブレーキ制御エ
リアAREARを1段階上昇させる補正がなされ、ブレーキ
液圧PBRは1点鎖線で示すように増加してブレーキ液圧P
BLに近づくことになるが、上記補正によりブレーキ制御
エリアAREARが1段階しか上昇しないため、左右駆動輪
のブレーキ制御エリアが同一になることはない。
この結果、加速性を損なうことなく、左右駆動輪の制
動力差を小さくすることによりトラクションコントロー
ル時の制御のハンチングを防止することができる。
なお本例では圧力センサ60L,60Rによってブレーキ液
圧を検出したが、圧力センサを用いずに増減圧時間(例
えば増圧を正、減圧を負とする)の累積値より圧力状態
を推定するようにしてもよい。
(発明の効果) かくして本発明トラクションコントロール装置は上述
の如く、制動制御パターンの内の制動力の小さい方のみ
に対する補正量を、車両の旋回状態や左右駆動輪の実際
の制動状態に応じて可変制御したから、高G旋回走行中
旋回外輪側に必要以上の制動力が加わることによりアン
ダーステア傾向が強まる不具合や加速性能の悪化を招く
不具合は生じず、また低μ路での旋回走行中旋回内輪側
のみならず旋回外輪側にも適切な制動力が加えられるこ
とになり、ブレーキの片効きによってオーバーステア傾
向が強まって車両の安定性が阻害される不具合も生じ
ず、あるいは、加速性を損なうことなく、左右駆動輪の
制動力差を小さくすることによりトラクションコントロ
ール時の制御のハンチングを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明トラクションコントロー
ル装置の概念図、 第2図は本発明装置の第1実施例を示すシステム図、 第3図は同例におけるマイクロコンピュータの制御プロ
グラムを示すフローチャート、 第4図は同例における駆動輪ブレーキ液圧制御の領域マ
ップ図、 第5図は第2図におけるポンプのON,OFF線図、 第6図は同例におけるトラクションコントロールの動作
タイムチャート、 第7図は本発明装置の第2実施例を示すシステム図、 第8図は同例におけるマイクロコンピュータの制御プロ
グラムを示すフロチャート、 第9図は同例におけるブレーキ補正制御エリア判定に用
いるマップを例示する図、 第10図は同例におけるトラクションコントロールの動作
タイムチャート、 第11図は本発明装置の第3実施例におけるマイクロコン
ピュータの制御プログラムを示すフローチャート、 第12図および第13図は同例における補正ゲインKの決定
に用いるマップを例示する図、 第14図は本発明装置の第4実施例におけるマイクロコン
ピュータの制御プログラムの要部のみを示すフローチャ
ート、 第15図は同例における補正エリア判定に用いるマップを
例示する図、 第16図は同例におけるトラクションコントロールの動作
タイムチャートである。 1L,1R……従動輪、2L,2R……駆動輪 4……スロットルバルブ 5……ステップモータ、6……アクセルペダル 8……スロットルセンサ、9……アクセルセンサ 10……マイクロコンピュータ 11……A/Dコンバータ、12……F/Vコンバータ 13……モータ駆動回路、14……D/Aコンバータ 16……横Gセンサ(旋回状態検出手段) 17……レートジャイロ(旋回状態検出手段) 18……舵角センサ 20……ブレーキペダル 21……ブレーキマスターシリンダ 22L,22R,23L,23R……ホイールシリンダ 24L,24R……液圧制御弁 40L,40R……電磁弁 43……アキュムレータ 45……ポンプ 47……圧力スイッチ 50L,50R,51L,51R……車輪回転センサ 60L,60R……圧力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福村 友博 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−13851(JP,A) 特開 昭61−102361(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪速を検出する第1および第2の車輪
    速検出手段と、従動輪速を検出する第3および第4の車
    輪速検出手段と、検出された駆動輪速および従動輪速よ
    り車輪の駆動スリップ状態を検出するスリップ検出手段
    と、検出された駆動スリップ状態に基づき左右駆動輪に
    対する制動制御パターンを夫々決定する制動パターン決
    定手段と、得られた制動制御パターンの内の制動力の小
    さい方のみを補正する制動パターン補正手段と、得られ
    た制動制御パターンに基づき左右駆動輪を夫々制動する
    制動手段とを具える車両のトラクションコントロール装
    置において、 車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段を設け、前
    記制動制御パターンの内の制動力の小さい方の制動制御
    パターンに対応する駆動輪が旋回外輪である場合、該旋
    回外輪側の駆動輪に対する制動制御パターンの補正の補
    正量を検出された旋回状態に基づき変更するようにした
    ことを特徴とする車両のトラクションコントロール装
    置。
  2. 【請求項2】駆動輪速を検出する第1および第2の車輪
    速検出手段と、従動輪速を検出する第3および第4の車
    輪速検出手段と、検出された駆動輪速および従動輪速よ
    り車輪の駆動スリップ状態を検出するスリップ検出手段
    と、検出された駆動スリップ状態に基づき左右駆動輪に
    対する制動制御パターンを夫々決定する制動パターン決
    定手段と、得られた制動制御パターンに基づき左右駆動
    輪を夫々制動する制動手段とを具える車両のトラクショ
    ンコントロール装置において、 左右駆動輪に加えられている制動力を夫々検出する制動
    力検出手段と、検出された左右駆動輪の制動力差が補正
    開始基準値以上のとき、前記制動制御パターンの内の制
    動力の小さい方のみを左右駆動輪の制動力を同一にしな
    い範囲で制動力増大方向に補正する制動パターン補正手
    段とを設けるようにしたことを特徴とする車両のトラク
    ションコントロール装置。
  3. 【請求項3】前記左右駆動輪の制動力の内の高い方の値
    が所定値を越えて高くなればなるほど前記補正開始基準
    値を低下させるようにしたことを特徴とする請求項2記
    載の車両のトラクションコントロール装置。
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