JP3182996B2 - 車輪スリップ制御装置 - Google Patents

車輪スリップ制御装置

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JP3182996B2 JP26003993A JP26003993A JP3182996B2 JP 3182996 B2 JP3182996 B2 JP 3182996B2 JP 26003993 A JP26003993 A JP 26003993A JP 26003993 A JP26003993 A JP 26003993A JP 3182996 B2 JP3182996 B2 JP 3182996B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車輪スリップ制御装置に
関し、車両加速時に駆動輪に発生するスリップを抑制す
る車輪スリップ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より車両加速時に駆動輪にスリップ
が発生したときエンジン出力制御及びブレーキ制御を行
なってスリップを抑制する車輪スリップ制御装置があ
る。
【0003】例えば特開平3−246153号公報に記
載の車輪スリップ制御装置は、駆動輪と従動輪との速度
差に基づいて駆動輪の加速スリップ制御を行ない、ま
た、旋回時には車両のヨーレートが所定値以上のとき左
右の駆動輪に対するブレーキ圧を一律に昇圧する左右統
合制御を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、車両が後輪駆
動の場合、低中速かつ大舵角で旋回中に加速すると後輪
が旋回外側に急激にスリップしやすい傾向がある。ま
た、低中速かつ大舵角で定常円旋回時においても駆動輪
である後輪の旋回半径が前輪より小となり、従動輪速度
が駆動輪速度より大となるため加速スリップ発生時にそ
の検出が遅れてスリップ制御開始が遅れ、また駆動輪ス
リップ量が少なく演算されてスリップ制御量が不足する
等の問題点があった。特に旋回安定性という点では旋回
外側の車輪の横力確保が重要であり、上記の問題に対す
る影響が大きい。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、旋回外側の駆動輪の車輪速度を増量補正することに
より、旋回外輪の安定性を向上させ、車両走行性を向上
させる車輪スリップ制御装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図を
示す。
【0007】同図中、車輪速度検出手段M1は、左右の
駆動輪及び従動輪夫々の車輪速度を検出する。
【0008】補正手段M2は、上記検出された車輪速度
のうち旋回外側の駆動輪の車輪速度に対して車両の運転
状態に応じた増量補正を行なう。
【0009】加速スリップ制御手段M3は、上記補正さ
れた旋回外側の駆動輪の車輪速度と、従動輪及び旋回内
側の駆動輪夫々の車輪速度とに基づき駆動輪のスリップ
を抑制する制御を行なう。
【0010】
【作用】本発明においては、旋回外側の駆動輪の車輪速
度が増量補正されるため、旋回外側の前後輪速度差が大
きくなり、この旋回外側の前後輪速度差に基づく加速ス
リップ制御の制御開始の遅れを防止でき、スリップ制御
量が不足することを防止できる。
【0011】
【実施例】図2は本発明の加速スリップ制御装置を備え
た後輪駆動車両の構成を表わす概略構成図である。
【0012】図に示す如く本実施例の車両には、ブレー
キマスタシリンダ2と、従動輪である左右前輪3,4の
ホイルシリンダ5,6及び駆動輪である左右後輪7,8
のホイルシリンダ9,10、油圧源11、アンチスキッ
ド制御用油圧回路12及び加速スリップ制御用油圧回路
13A,13Bが備えられている。
【0013】ブレーキマスタシリンダ2の第1油圧室2
aから左右前輪3,4のホイルシリンダ5,6に至るブ
レーキ油圧回路には、左右前輪アンチスキッド制御用容
量制御弁14,15が配設されている。また、ブレーキ
マスタシリンダ2の第2油圧室2bから左右後輪7,8
のホイルシリンダ9,10夫々に至るブレーキ油圧回路
には、プロポーショニングバルブ16、後輪アンチスキ
ッド制御用容量制御弁17、並列に配設された第1ソレ
ノイドバルブ18と逆止弁19、及び加速スリップ制御
用容量制御弁20が設けられている。
【0014】アンチスキッド制御時には、油圧回路13
A,13B夫々の第1ソレノイドバルブ18は励磁され
ないで図示の位置にあるため、後輪アンチスキッド制御
用容量制御弁17と加速スリップ制御用容量制御弁20
とは連通状態に保たれる。また、油圧回路13A,13
B夫々の加速スリップ制御用容量制御弁20の制御入力
ポート20aと直列に配設された第2ソレノイドバルブ
21、第3ソレノイドバルブ22が励磁されないで共に
図示の位置にあるため、上記加速スリップ制御用容量制
御弁20の制御油圧室20bは油圧源11のリザーバ2
3と連通状態に保たれる。従って加速スリップ制御用容
量制御弁20のピストン20cは、スプリング20dの
付勢によって図示の位置に保たれる。このとき上記後輪
アンチスキッド制御用容量制御弁17は、その第1制御
入力ポート17aに連通する後輪第1切換弁24と後輪
第1切換弁24に直列接続された後輪第2切換弁25と
の励磁・非励磁の組合せにより、 (A1)油圧源11のポンプ駆動モータ26により駆動
されるポンプ27及びその油圧を蓄積するアキュムレー
タ28からの油圧をブレーキ操作量に応じた油圧に変換
するレギュレータ29の出力ポート29aと、上記第1
制御入力ポート17aとの連通状態。
【0015】(A2)第1制御入力ポート17a、レギ
ュレータ29、リザーバ23の各々との遮断状態。
【0016】(A3)第1制御入力ポート17aとリザ
ーバ23との連通状態。の3状態に変化する。
【0017】一方、第2制御入力ポート17bは、レギ
ュレータ29の出力ポート29aと常時連通する。
【0018】従って、上記3状態に対応して後輪アンチ
スキッド制御用容量制御弁17は次のように作動する。
【0019】即ち、第1制御入力ポート17aを有する
第1油圧室17c内の圧力が増圧(A1)、保持(A
2)又は減圧(A3)され、この第1油圧室17c内の
圧力に応じてブレーキ油圧室17dの容量が変化する。
これにより後輪アンチスキッド制御用容量制御弁17は
第1ソレノイドバルブ18又は逆止弁19を介して左右
後輪ホイルシリンダ9,10内の圧力を増圧(A1)、
保持(A2)又は減圧(A3)する。
【0020】尚左前輪第1,第2切換弁30,31、右
前輪第1,第2切換弁32,33の励磁、非励磁によ
り、左右前輪アンチスキッド制御用容量制御弁14,1
5も左右前輪ホイルシリンダ5,6に対して同様に作用
する。
【0021】また上記のような各第1,第2切換弁2
4,25,30,31,32,33の励磁・非励磁は、
図示しないアンチスキッド制御装置により行なわれる。
【0022】次に加速スリップ制御実行時には、上記油
圧回路13A,13B夫々の第1ソレノイドバルブ18
が励磁されて図2の右側に示す位置に切り替わり連通を
遮断する。このため、第1ソレノイドバルブ18と逆止
弁19とにより、後輪アンチスキッド制御用容量制御弁
17と加速スリップ制御用容量制御弁20との連通が遮
断される。このとき、上記油圧回路13A,13B夫々
の加速スリップ制御用容量制御弁20は、その制御入力
ポート20aに連通する第2,第3ソレノイドバルブ2
1,22の励磁・非励磁の組合せにより、 (B1)アキュムレータ28と制御入力ポート20aと
の連通状態。
【0023】(B2)アキュムレータ28と制御入力ポ
ート20aとの絞り弁を介した連通状態。 (B3)リザーバ23と制御入力ポート20aとの絞り
弁を介した連通状態。 (B4)リザーバ23と制御入力ポート20aとの連通
状態。の4状態に変化する。
【0024】従って、上記各状態に対応して油圧回路1
3A,13B夫々の加速スリップ制御用容量制御弁20
は次のように作動する。
【0025】即ち、制御入力用ポート20aを有する制
御油圧室20b内の圧力が増圧(B1)、徐々に増圧
(B2)、徐々に減圧(B3)、又は減圧(B4)され
ることにより該制御油圧室20bの容積が変化し、ピス
トン20cがスプリング20dの付勢に抗して図2の左
右方向に移動する。これにより、ブレーキ油圧室20e
の出力ポート20fから油圧が左右後輪ホイルシリンダ
9,10夫々に供給される。従って、左右後輪7,8の
ホイルシリンダ9,10内の圧力を増圧(B1)、徐々
に増圧(B2)、徐々に減圧(B3)、又は減圧(B
4)する。
【0026】こうした後輪のブレーキ制御は、加速スリ
ップ制御回路40が加速スリップ発生時に第1ソレノイ
ドバルブ18及び油圧回路13A,13B夫々の第2,
第3ソレノイドバルブ21,22及びポンプ駆動モータ
26を駆動制御することによって行なわれる。
【0027】即ち加速スリップ制御回路40には、ブレ
ーキペダル44aの操作の有無に応じてオン・オフ信号
を出力するペダルスイッチ44、左前輪3の回転速度を
検出する左前輪回転速度センサ45、右前輪4の回転速
度を検出する右前輪速度センサ46、左後輪7の回転速
度を検出する左後輪回転速度センサ47、右後輪8の回
転速度を検出する右後輪回転速度センサ48、左右後輪
7,8を駆動する内燃機関の回転速度を検出する回転速
度センサ49、及び車両運転者がアクセルペダル50を
操作することによって内燃機関の吸気通路53を開閉す
る主スロットルバルブ51の開度を検出するスロットル
ポジションセンサ52からの検出信号が入力され、加速
スリップ制御回路40は各センサからの検出信号に基づ
き後輪の加速スリップ状態を検出して、上記後輪のブレ
ーキ制御を実行する。
【0028】また加速スリップ制御回路40には、内燃
機関の吸気通路48に設けられたサブスロットルバルブ
54を駆動する駆動モータ55が接続され、加速スリッ
プ発生時に、サブスロットルバルブ54を開閉して、左
右後輪7,8を駆動する内燃機関の出力トルクを制御す
るようにされている。
【0029】加速スリップ制御回路40は、図3に示す
如く、CPU40a、ROM40b、RAM40c、バ
ックアップRAM40d等を中心に論理演算回路として
構成され、コモンバス40eを介して入力ポート40f
及び出力ポート40gに接続されて外部との入出力を行
なう。
【0030】既述したペダルスイッチ44、回転速度セ
ンサ49及びスロットルポジションセンサ52の検出信
号は直接、また左右前輪と左右後輪の回転速度センサ4
5,46,47,48の検出信号は波形成形回路40h
を介して、各々入力ポート40fからCPU40aに入
力される。
【0031】また、既述した油圧回路13A,13B夫
々の第1〜第3ソレノイドバルブ18,21,22、ポ
ンプ駆動用モータ26、サブスロットルバルブ55夫々
の駆動回路40i1 ,40j1 ,40k1 ,40i2
40j2 ,40k2 ,40m,40nも備えられ、CP
U40aは出力ポート40gを介して上記各駆動回路4
0i1 ,40j1 ,40k1 ,40i2 ,40j2 ,4
0k2 ,40m,40nに制御信号を出力する。
【0032】図4は加速スリップ制御回路40が実行す
る駆動輪速度補正処理のフローチャートを示す。この処
理は所定時間間隔毎に繰り返し実行される。
【0033】同図中、ステップS10では回転速度セン
サ45,46,47,48夫々の検出信号を読み取っ
て、左前輪wFL,右前輪wFR,左後輪wRL,右後
輪wRR夫々の車輪速度VwFL,VwFR,VwR
L,VwRR夫々を求める。次にステップS20で従動
輪である前輪左右の速度差ΔVF=VwFR−VwFL
を算出する。
【0034】ステップS30では上記速度差ΔVFの符
号が負で右旋回、かつ車体速度VT0が10〜60km/
hの範囲の低中速旋回であるかどうかを判別する。但し
車体速度VT0は前輪の車輪速度VwFR,VwFLの平
均値を用いる。ステップS30で右の低中速旋回と判別
されるとステップS40に進み、そうでなければステッ
プS50に進む。
【0035】ステップS40では旋回内側の制御用駆動
輪速度sVwRRに車輪速度VwRRをそのままセット
し、旋回外側の制御用駆動輪速度sVwRLに車輪速度
VwRLと補正値f(VTO, |ΔVF|)との加算値を
セットして処理を終了する。補正値fは図5に示す如
く、車体速度VT0と速度差ΔVFの絶対値とによる2次
元マップであり、速度差ΔVFの絶対値が大なるほど値
が大きくなり、かつ車体速度VT0が大なるほど値が小さ
くなる。この補正値fは図6(A)に示す車体速度VT0
に基づく補正量と、図6(B)に示す速度差ΔVFに基
づく補正量とを組合せて作成されている。
【0036】旋回時には図7に示す如く前輪(従動輪)
と後輪(駆動輪)とでは旋回半径つまり車輪速度が異な
り、旋回中心は低速ほど後輪側にある。図6(A),
(B)に示す補正量は旋回外側駆動輪速度を旋回外側従
動輪速度に近づける目的で設定されている。補正値は本
来、旋回中心と各車輪との距離に基づき求めるべきであ
るが、算出時間が長くなり、それほどの精度は必要とし
ないため、本実施例では車体速度VT0及び速度差ΔVF
から求める。図6(A)では高速であるほど旋回の舵角
が小さくなるため補正量を小とし、加速スリップ制御の
誤作動や旋回加速不良を防止するために最大値のガード
が設けられている。
【0037】また、図6(B)では従動輪の左右の速度
差が大きく、舵角が大なるほど補正量を大とし、加速ス
リップ制御の誤動作や旋回加速不良を防止するめに最大
値のガードが設けられている。
【0038】ステップS50では上記速度差ΔVFの符
号が正で左旋回、かつ車体速度VT0が10〜60km/
hの範囲の低中速旋回であるかどうかを判別する。ステ
ップS50で左の低中速旋回と判別されるとステップS
60に進み、そうでなければステップS70に進む。
【0039】ステップS60では旋回内側の制御用駆動
輪速度sVwRLに車輪速度VwRLをそのままセット
し、旋回外側の制御用駆動輪速度sVwRRに車輪速度
VwRRと補正値f(VT0,|VF|)との加算値をセ
ットして処理を終了する。
【0040】次に上記加速スリップ制御回路40で実行
される加速スリップ制御について図8〜図10のフロー
チャートに基づき説明する。
【0041】まず図8は所定時間毎に繰り返し実行され
るサブスロットルバルブ54の開閉制御のための制御量
算出を表わすフローチャートである。
【0042】図に示す如く、この処理が開始されると、
まずステップS100を実行し、車体速度VT0と駆動輪
速度VRを算出する。ここで、車体速度VT0は車輪速度
VwFR,VwFLの平均値であり、駆動輪速度VRは
制御用駆動速度sVwRR,sVwRLの平均値であ
る。
【0043】次に、ステップS110では、上記算出さ
れた車体速度VT0より次式を用いて目標駆動輪速度VS
を算出する。
【0044】VS=VT0・a ここでaは1以上の定数で、目標駆動輪速度VSを駆動
輪と路面との間で最大の摩擦力が得られるように設定す
るため、スリップ率を考慮して1.12〜1.20程度
の値が用いられる。
【0045】次にステップS120では、後述の処理で
当該開閉制御の開始時にセットされる開閉制御実行フラ
グFSがリセット状態であるか否か、即ち現在サブスロ
ットルバルブ54の開閉制御が実行されているか否かを
判断し、開閉制御実行フラグFSがリセット状態で、開
閉制御が実行されていないと判断されると、ステップS
130に移行する。
【0046】ステップS130では主スロットルバルブ
51が全閉状態でなく、駆動輪速度VRが目標駆動輪速
度VS以上となっているか否かによって、当該開閉制御
の実行条件が成立しているか否かを判断する。そしてこ
のステップS130で開閉制御実行条件が成立していな
いと判断されるとそのまま処理を一旦終了し、そうでな
ければステップS140に移行する。
【0047】ステップS140では、開閉制御実行条件
成立後、所定時間(例えば8msec)経過したか否か
を判断し、所定時間経過していない場合にはそのまま処
理を終了する。これは路面の凹凸等による瞬間的な駆動
輪7,8の回転変動に対して加速スリップが発生したと
判断してスロットルバルブの開閉制御を実行することの
ないようにするためである。
【0048】次にステップS140で開閉制御実行条件
成立後所定時間経過したと判断されると、続くステップ
S150に移行して開閉制御実行フラグFSをセットし
た後、ステップS160に移行し、回転速度センサ49
により検出される内燃機関の回転速度NEと、スロット
ル開度θとに基づき、サブスロットルバルブ54の制御
量Δθsを算出するために使用される補正係数Kをマッ
ブから補間して求める。
【0049】これはスロットル開度θと内燃機関の出力
トルクとの関係が低開度において感度良く応答し、中開
度から高開度に於てトルクの上昇には殆ど影響がなくな
ることから、必要以上にサブスロットルバルブ54の制
御量が大きくなってサブスロットルバルブ54による制
御の応答性が低下するのを防止するためである。
【0050】尚この補正係数Kの算出にあたっては、制
御開始時等、主スロットル開度θMがサブスロットル開
度θS以下となっている場合には、スロットルポジショ
ンセンサ52により検出される主スロットルバルブ51
の開度θMがスロットル開度θとして用いられ、後述の
開閉制御実行開始後、サブスロットル開度θSが主スロ
ットル開度θMより小さくなった場合には、サブスロッ
トルバルブ54の制御量に基づき得られるサブスロット
ル開度θSがスロットル開度θとして用いられる。
【0051】こうして補正係数Kが求められると、続く
ステップS170に移行し、サブスロットルバルブ54
の制御量Δθsを次式 Δθs=K{α・ΔV+β・ΔΔV}−γ・PBC により算出した後、一旦処理を終了する。
【0052】尚この制御量Δθsは、サブスロットル開
度指令値θsの時間微分値で、サブスロットルバルブ駆
動用の駆動モータ55の目標回転速度となる。
【0053】また、上記式に於いて、αは比例ゲイン、
βは微分ゲイン、ΔVは目標駆動輪速度VSと駆動輪速
度VRとの差(VS−VR)、ΔΔVはその時間微分
値、PBCは後述のブレーキ制御により昇圧される駆動輪
のブレーキ油圧、γはその補正係数である。
【0054】次に上記ステップS120で開閉制御実行
フラグFSがセット状態であると判断された場合、即ち
サブスロットルバルブ54の開閉制御が既に実行されて
いる場合には、ステップS180に移行して、後述のサ
ブスロッルバルブ54の駆動処理で、開閉制御開始後、
サブスロットルバルブ54の開度(サブスロットル開
度)θSが主スロットルバルブ51の開度(主スロット
ル開度)θM以下となったときセットされるフラグFo
がセットされているか否かを判断し、フラグFoがセッ
トされていなければそのままステップS160に移行す
る。
【0055】またフラグFoがセットされていれば、ス
テップS190に移行して、その後サブスロットル開度
θSが主スロットル開度θMより大きくなったか否かを
判断する。そしてθM≧θSであれば再度ステップS1
60に移行し、θM<θSであれば、もはや駆動輪に加
速スリップが発生することはないと判断して、ステップ
S200及びステップS210でフラグFS及びFoを
リセットした後、処理を一旦終了する。
【0056】次に図9は上記のように算出された制御量
θSに基づきサブスロットルバルブ54を開閉するため
に、所定時間毎に実行されるサブスロットルバルブの駆
動処理を表わすフローチャートである。
【0057】図に示す如くこの処理が実行されると、ま
ずステップS300で現在開閉制御実行フラグFSがセ
ットされているか否かを判断し、開閉制御実行フラグF
Sがセットされておれば、ステップS310に移行して
サブスロットル開度θSが主スロットル開度θM以下と
なっているか否かを判断する。そしてθM<θSである
場合には、ステップS320に移行してサブスロットル
バルブ54を急閉すべく駆動モータ55を駆動した後、
処理を一旦終了する。
【0058】一方、θM≧θSである場合には、ステッ
プS330に移行してフラグFoをセットし、次ステッ
プS340で上記設定された制御量ΔθSに応じてサブ
スロットルバルブ54を開閉すべく駆動モータ55を駆
動した後、一旦処理を終了する。
【0059】また次にステップS300で開閉制御実行
フラグFSがリセット状態であると判断されると、ステ
ップS350に移行し、今度はサブスロットバルブ54
が全開状態になっているか否かを判断する。この判断は
サブスロットル開度θSが最大値θSMAX以上となっ
ているか否かによって行なわれ、θS<θSMAXであ
れば、ステップS360でサブスロットルバルブを急開
すべく駆動モータ55を駆動した後、処理を一旦終了
し、サブスロットルバルブ55が全開状態となっておれ
ば、ステップS370で駆動モータ55、即ちサブスロ
ットルバルブ54の駆動を停止した後、処理を一旦終了
する。
【0060】即ち、駆動輪速度VRと制御基準値VSと
により駆動輪の加速スリップが検出されるとサブスロッ
トルバルブ54の開閉制御を開始し、その駆動輪速度V
Rと制御基準値VSとの偏差ΔV及び駆動輪のブレーキ
油圧PBCに基づき制御されるサブスロットルバルブ54
の開度θSが主スロットル開度θMを越えたとき、車両
が加速スリップ制御を実行する必要のない運転状態にな
ったと判断して、サブスロットルバルブ54の開閉制御
を終了する。
【0061】次に図10は加速スリップ制御回路40で
実行されるブレーキ制御処理のフローチャートである。
この処理は左後輪wRL,右後輪wRR夫々について別
々に実行され、かつ上記サブスロットルバルブの制御量
算出処理と共に所定時間毎に繰り返し実行されるもので
ある。
【0062】図に示す如く処理が開始されると、まずス
テップS400にて当該ブレーキ制御の実行開始時にセ
ットされるブレーキ制御実行フラグFBがリセット状態
であるか否か、即ち現在ブレーキ制御の非実行状態であ
るか否かを判断する。
【0063】そしてブレーキ制御実行フラグFBがリセ
ット状態でブレーキ制御が実行されていない場合には、
ステップS410に移行し、ペダルスイッチ44がオフ
状態で車両運転者によるブレーキ操作がなされておら
ず、駆動輪速度sVwRL又はsVwRRが目標駆動輪
速度VS以上となっているか否かによって、当該ブレー
キ制御の実行条件が成立したか否かを判断する。そして
このステップS410でブレーキ制御の実行条件が成立
していないと判断されると処理を一旦終了し、ブレーキ
制御実行条件が成立したと判断されると、ステップS4
20に移行して、ブレーキ制御の実行を表わすブレーキ
制御実行フラグFBをセットした後、ステップS430
に移行する。
【0064】ステップS430では、ブレーキ制御を次
表に示す如く実行する。
【0065】
【表1】
【0066】ここで、ΔVは駆動輪の回転加速度、G1
は正の基準加速度、G2は負の基準加速度を表わし、F
Uは前述した加速スリップ制御装置1に於ける増圧、S
Uは徐々に増圧、FDは減圧、SDは徐々に減圧する制
御を表わす。
【0067】即ちステップS430では、駆動輪速度s
VwRL又はsVwRRに基づき駆動輪加速度ΔVを算
出すると共に、駆動輪速度sVwRL又はsVwRRが
目標駆動輪速度VS以上かつ駆動輪加速度ΔVがG2以
上であれば油圧を上昇させ、それ以外では油圧を下降さ
せることにより、駆動輪の回転速度を迅速に低下させて
いるのである。
【0068】次にステップS440では、ブレーキ油圧
の昇圧制御時間TPの積分値ΣTPと、ブレーキ油圧の
降圧制御時間TDPの積分値ΣTDPに補正係数Kdを
乗じた値(Kc・ΣTDP)との偏差から、当該ブレー
キ制御による駆動輪wRL又はwRRのブレーキ油圧P
BCを算出する。
【0069】そして続くステップS450では、上記算
出されたブレーキ油圧PBCかが0以下の値となったか否
かを判断し、ブレーキ油圧PBCが0以下であれば当該ブ
レーキ制御による加速スリップ制御は終了したとしてス
テップS460に移行し、ブレーキ制御実行フラグFB
をリセットした後、処理を一旦終了し、そうでなければ
そのまま処理を一旦終了する。
【0070】尚上記ブレーキ油圧を算出するのに用いら
れる補正係数Kdは、油圧の昇圧制御と降圧制御とでは
油圧の変化率が異なるために用いられる係数である。
【0071】このように駆動輪のブレーキ制御は、加速
スリップ発生後、一旦昇圧したブレーキ油圧が0になる
までの間、駆動輪速度sVwRL,sVwRR及び駆動
輪加速度ΔVに応じて繰り返し実行される。
【0072】このように、図4に示す処理において、低
中速旋回時にステップS40又はS60により旋回外側
の駆動輪の車輪速度が増量補正される。また図8及び図
9に示すサブスロットル制御においてはステップS10
0により、増量補正された旋回外側の駆動輪の車輪速度
と、従動輪及び旋回内側夫々の車輪速度から制御開始の
判別及び制御量ΔθSを算出するための車体速度VT0が
算出される。従って、ステップS130で判別されるサ
ブスロットル制御の開始が遅れることがなく、またステ
ップS170で算出される制御量Δθが不足することが
防止される。
【0073】更に、図10に示すブレーキ制御は左後
輪,右後輪夫々で独立して制御が行なわれ、旋回外側の
駆動輪(左後輪又は右後輪)は増量補正された車輪速度
を用いてステップS410,S440でブレーキ制御の
制御開始の判別及びブレーキ油圧の算出を行なってい
る。従ってブレーキ制御の開始が遅れることがなく、制
御量が不足することが防止される。
【0074】尚、上記実施例で用いた速度差ΔVFの代
りに舵角センサから得られる検出舵角、又はヨーレート
センサから得られる車両ヨーレートを用いても良い。し
かし、この場合はセンサが余分に必要となる。
【0075】
【発明の効果】上述の如く、本発明の車輪スリップ制御
装置によれば、旋回外側の駆動輪の車輪速度を増量補正
することにより、旋回外輪の安定性を向上させ、車両走
行性を向上させることができ、実用上きわめて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明装置の構成図である。
【図3】加速スリップ制御回路のブロック図である。
【図4】駆動輪速度補正処理のフローチャートである。
【図5】補正値の2次元マップを示す図である。
【図6】補正量のマップを示す図である。
【図7】本発明を説明するための図である。
【図8】サブスロットル制御処理のフローチャートであ
る。
【図9】サブスロットル制御処理のフローチャートであ
る。
【図10】ブレーキ制御処理のフローチャートである。
【符号の説明】
M1 ブレーキ制御手段 M2 第1の上昇温度算出手段 M3 第2の上昇温度算出手段 M4 低下温度算出手段 M5 温度推定手段 M6 エンジン制御手段 M7 配分可変手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 3/00 - 3/56 B60T 8/58 F02D 29/00 - 29/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の駆動輪及び従動輪夫々の車輪速度
    を検出する車輪速度検出手段と、 上記検出された車輪速度のうち旋回外側の駆動輪の車輪
    速度に対して車両の運転状態に応じた増量補正を行なう
    補正手段と、 上記補正された旋回外側の駆動輪の車輪速度と、従動輪
    及び旋回内側夫々の車輪速度とに基づき駆動輪の加速ス
    リップを抑制する制御を行なうスリップ制御手段とを有
    することを特徴とする車輪スリップ制御装置。
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