JP3817846B2 - 複合フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シーラント用樹脂組成物からなる層と基材とから構成される複合フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、食品および医薬品などの包装材として、ナイロンなどの基材上にシーラント(ヒートシール)層を設けた複合フィルムが広く用いられている。この複合フィルムは、基材とシーラント材とをドライラミネート法、押出コーティング法などの方法により積層することにより製造されている。
このような積層法のうち押出コーティング法では、ナイロンなどの基材上にシーラント材を溶融押出することにより複合フィルムを製造している。
【0003】
押出コーティングによる複合フィルムのシーラント材としては、高圧ラジカル重合法ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が使用されている。
高圧ラジカル重合法ポリエチレンは加工性に優れるが、低温シール性、ヒートシール強度、ホットタック性に劣り、エチレン−酢酸ビニル共重合体は低温シール性に優れるが、ヒートシール強度、ホットタック性に劣る。
これらの欠点を改良するために、例えば、シーラント層として、メルトフローレート1〜50g/10分、密度0.910〜0.940g/cm3、融点115〜130℃及びエチレン含有率94〜99.5モル%のエチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体99〜30重量%とメルトフローレート1〜70g/10分の高圧法ポリエチレン1〜70重量%とからなる樹脂組成物からなる層が開示されている(特開昭57−123053号公報)。
しかし、上記樹脂組成物も低温シール性が劣る問題があり、最適とはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、押出加工性が良好で、低温シール性、ヒートシール強度、ホットタック性、高温充填性に優れ、べたつき感のないシーラント用樹脂組成物からなる層及び基材から構成される複合フィルムを提供することにある。
【0005】
かかる事情に鑑み、本発明者らは、シーラント用樹脂組成物について鋭意検討した結果、押出加工性が良好で、低温シール性、ヒートシール強度、ホットタック性、高温充填性に優れ、べたつき感のないシーラント用樹脂組成物からなる層を見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、下記成分A50〜90重量部と下記成分B50〜10重量部とを含有するエチレン系樹脂組成物層及び基材とから構成されることを特徴とする複合フィルムである。
成分A:メルトフローレートが5〜30g/10分、密度が0.890〜0.910g/cm3、冷キシレン可溶分が15重量%以下、示差走査熱量計(DSC)による全融解熱量に対する110℃以上の融解熱量の比率が1〜25%であるエチレン−α−オレフィン共重合体
成分B:高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる(成分A)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、メルトフローレート(MFR)が5〜30g/10分、好ましくは5〜20g/10分、さらに好ましくは8〜15g/10分であり、密度が0.890〜0.910g/cm3、好ましくは0.900〜0.910g/cm3、冷キシレン可溶分(以下、「CXS」と称する)が15重量%以下、好ましくは12重量%、示差走査熱量計(DSC)による全融解熱量に対する110℃以上の融解熱量の比率(以下、「HH110」と称する)が1〜25%、好ましくは5〜20%、さらに好ましくは10〜20%である。。
MFRが5g/10分未満では押出加工性が劣り、30g/10分を越えるとヒートシール強度が劣る。
密度が0.890g/cm3未満ではべたつき易くなり、複合フィルムがブロッキングするため使用が困難となる。0.910g/cm3を越えると低温シール性が悪くなる。
CXSが15重量%を越えるとべたつき易くなり、複合フィルムがブロッキングするため使用が困難となる。
HH110が1%未満では高温充填性が劣り、25%を越えると低温シール性、透明性、耐衝撃性が悪くなる。
【0008】
本発明で用いる(成分A)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、一般にエチレンとα−オレフィンを用いて、高圧イオン重合法、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法等により、少なくとも遷移金属を含む固体系触媒成分と有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下で、通常30〜300℃、常圧〜3000kg/cm2、溶媒の存在下または無溶媒下、気−固、液−固または均一液相下で製造される。中でも製造プロセスとしては、高圧イオン重合法が好ましい。
【0009】
遷移金属を含む固体系触媒成分としては、例えば酸化クロム、酸化モリブデン、三塩化チタン−アルキルアルミニウム、四塩化チタン等のチタン化合物−塩化マグネシウム化合物等のマグネシウム化合物−(塩化)アルキルアルミニウム等が挙げられる。
【0010】
特に、本発明で用いる触媒系は限定されるものではないが、具体例の1つとして特開平7−316220号公報、特開平9−52911号公報が挙げられる。
具体的には、触媒としては、(A)一般式R1 mSiX4-m(ここで、R1は炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、アルケニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。また、mは0≦m<4で表される数字である。)表されるハロゲン化けい素化合物および/または一般式R2 nAlX3-n(ここで、R2は炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、アルケニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。また、nは0≦n<3で表される数字である。)で表されるハロゲン化アルミニウム化合物と、一般式R3MgX及び/またはR4R5Mg(ここで、R3、R4、R5は炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、アルケニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される有機マグネシウム化合物とを溶媒中で反応せしめて得られるハロゲン含有固体マグネシウム成分(a−1)に、チタン化合物(a−2)を反応させることにより得られた固体成分(A−1)と、チタン化合物(a−3)の共存下に有機アルミニウム化合物(A−2)を反応させてなる固体触媒成分(ここでチタン化合物(a−2)と(a−3)は、同一であっても異なっていてもよい。)、及び(B)有機アルミニウム化合物を主成分とすることを特徴とするオレフィン(共)重合用触媒が好ましい(特開平9−52911号公報)。
【0011】
α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等が用いられ、中でも炭素数3〜10のものが好ましい。これらα−オレフィンは1種のみならず2種以上用いることができる。α−オレフィンの含有量は、通常10〜20重量%、好ましくは10〜17重量%である。
【0012】
(成分B)の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンは、特に限定されるものではなく、公知の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンが用いられる。
高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンとしては、MFRが好ましくは4〜20g/10分、より好ましくは4〜15g/10分であり、膨張割合(以下、「SR」と称する)が好ましくは1.6〜2.0、より好ましくは1.65〜1.95である高圧ラジカル重合法ポリエチレンが好適である。SRとは、メルトフローレートを測定する時の膨張割合、すなわち内径bmmのオリフィスから押出された樹脂ストランドの外径をammとしたときのa/bの値をいう。
【0013】
(成分B)の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンは、公知の方法により製造され、例えば有機過酸化物または酸素などの遊離基発生剤を重合開始剤とし、通常重合圧力1000〜3000kg/cm2程度、重合温度130〜300℃程度の条件下にエチレンをラジカル重合させることにより得られるものである。
【0014】
成分Aと成分Bの配合割合は、成分Aが50〜90重量部、好ましくは60〜80重量部であり、成分Bが10〜50重量部、好ましくは20〜40重量部である。
成分Aが過少又は成分Bが過多であると押出加工時に耳切れを起こし、良好な複合フィルムが得られず、また低温シール性、ヒートシール強度、ホットタック性が劣り、一方成分Aが過多又は成分Bが過少であると押出加工時のネックインが大きくなり、良好な複合フィルムが得られない。
【0015】
シーラント用樹脂組成物を得るためのブレンド方法としては、通常の混合操作、例えば、タンブラーブレンダー法、ヘンシェルミキサー法、バンバリーミキサー法または押出造粒法等が挙げられる。
【0016】
シーラント用樹脂組成物には、必要に応じて中和剤、分散剤、酸化防止剤、滑剤、耐候性改良剤、帯電防止剤、顔料、フィラー等の他の附加的成分を本発明の効果を阻害しない範囲で含ませることができる。
【0017】
本発明の複合フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば基材上にシーラント用樹脂組成物を押出コーテイングし複合フィルムを製造する方法が挙げられる。
基材上にシーラント用樹脂組成物を押出コーテイングする方法としては、基材に直接シーラント用樹脂組成物を押出コーテイングしてもよく、また基材と該樹脂組成物との接着力を高めるために、基材に予め公知の方法、例えば有機チタン系、ポリエチレンイミン系、イソシアネート系などのアンカーコート剤を塗布したり、あるいは接着性ポリオレフィン、高圧ラジカル重合法ポリエチレン、高圧ラジカル重合法ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂組成物などの下貼り樹脂層を設けた後に、シーラント用樹脂組成物を押出コーテイングしてもよい。
【0018】
本発明で用いる基材としては、例えばポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等からなる基材が挙げられる。
【0019】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、製膜性、押出負荷などの押出加工性が良好であり、ヒートシール性、ホットタック性及び高温充填性のバランスが良好で、べたつき感のないシーラント用樹脂組成物層と基材とから構成される複合フィルムが提供できる。
【0020】
【実施例】
本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0021】
測定・評価方法はつぎの通りである。
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に基づき測定温度190℃、荷重2.16kgで測定した。
(2)密度
JIS K6760に基づき測定した。
(3)膨張割合(SR)
JIS K7210により測定温度190℃(ただし、上記(1)で測定したMFRが10g/10分以上のサンプルは150℃)、荷重2.16kgでMFRを測定する時、内径bmmのオリフィスから押出された樹脂ストランドの外径をammとしてa/bの値を測定した。なお、内径bmmは2.1mmであった。
【0022】
(4)冷キシレン可溶分(CXS)
FDAの第177章第1520節に記載される、キシレンによる最大溶出量測定法により測定される。具体的には、試料5±0.001gをキシレン1000mlに加熱溶解させ、室温まで冷却した後、25℃で15時間保持する。その後、濾過、濃縮乾固、を行い、冷キシレン可溶分を求める。
CXS(重量%)=可溶分重量(g)/試料重量(g)×100
(5)示差走査熱量計(DSC)による全融解熱量に対する110℃以上の融解熱量の比率(HH110)
パーキンエルマー社製7型DSCを使用し、JIS K7122により全融解熱量および110℃以上の融解熱量を測定し、全融解熱量に対する110℃以上の融解熱量の比率を求めた。尚、試験片の状態調節はJIS K7121の3−(2)項で行った。
(6)ヒートシール性
2枚のフィルムのシーラント層どうしを合わせ、テスター産業製ヒートシーラーを用い、シール面圧1.0kg/cm2、シール時間1.0秒、シール幅10mmの条件で押出加工方向に垂直になるようにヒートシールを行なった。シールバーの温度(ヒートシール温度)を5℃ずつ変えて同様にヒートシールを行なった。
シール面に直角方向に幅15mmの試験片を切り出し、ショッパー型引張試験機を用いて、200mm/分の速度で180度剥離強度を測定した。
a.ヒートシール強度
上記条件で測定した最高シール強度を表す。
b.低温シール性
上記条件で測定したシール強度が4kg/15mm幅を越える最低温度を表す。
【0023】
(7)ホットタック性
押出加工方向と平行になるように切り出された15mm幅のフィルムのシーラント層どうしを合わせ、フィルムの一方の端部に30gの荷重をかけておき、テスター産業製ヒートシーラーを用い、シール面圧1.3kg/cm2、シール時間0.3秒、シール幅10mmの条件でヒートシールを行なう。シール終了から0.14秒後にシール面に荷重による剥離力がかかるように調整し、これにより剥離した距離を測定した。
シールバーの温度(ヒートシール温度)を5℃ずつ変えて同様の試験を行う。i.剥離距離
上記方法により測定される最少剥離距離を表す。
ii.低温ホットタック性
上記方法により測定された剥離距離が6mm以下となる最低温度を表す。
(8)高温充填性
2枚のフィルムのシーラント層どうしを合わせ、テスター産業製ヒートシーラーを用い、シールバーの温度(ヒートシール温度)160℃、シール面圧1.0kg/cm2、シール時間1.0秒、シール幅10mmの条件で押出加工方向に垂直になるようにヒートシールを行なった。
シール面に直角方向に幅15mmの試験片を切り出し、ショッパー型引張試験機を用いて、雰囲気温度を40℃から10℃毎に変更して、200mm/分の速度で180度剥離強度を測定した。
剥離強度は雰囲気温度の上昇に伴って低下する。
この場合、剥離強度が1kg/15mm幅になる最低温度を高温充填温度とした。
高温充填温度が高いほど、高温充填性が良好である。
(9)べたつき性
フィルムを40℃のオーブン中で2週間経時させた後、シーラント層のべたつき感を手触りで評価した。
〇:べたつき感なし △:ややべたつき感あり ×:べたつき感大きい
【0024】
実施例1
触媒成分Cの合成
(1)固体成分(C−1)の合成
(l−i)ハロゲン含有固体マグネシウム成分の合成
攪拌機付き反応器200リットルを窒素で置換した後、有機合成薬品社製ブチルマグネシウムクロリド(2.1mol/リットル ブチルエーテル溶液)88リットルを加え、フラスコ内の温度を25〜30℃に保ちながら、SiCl4 31.4kgを徐々に滴下した。滴下終了後30℃で更に1時間攪拌した後、さらに60℃でl時間反応後、固液分離し、ヘキサンl20リットルで3回洗浄を行った。その後得られた固体を50℃窒素流通乾燥、40℃真空乾燥によりハロゲン含有固体マグネシウム成分(c−l)23.6kgを得た。生成した固体の組成分析を行ったところ固体生成物中にはジブチルエーテルが24.6重量%含まれていた。
【0025】
(1−ii)ハロゲン含有固体マグネシウム成分(c−1)とチタン化合物(c−2)の反応
窒素置換した攪拌機付き反応器に、上記(l−i)で合成したハロゲン含有固体マグネシウム成分(c−1)を入れ、続いて室温で四塩化チタン63リットルを仕込んだ。その後100℃まで昇温し、1時間反応を行った。反応終了後40℃で固液分離した後、ヘキサン120リットルで5回洗浄を行った。
(2−i)チタン化合物(c−3)の共存下の固体成分(C−1)と有機アルミニウム化合物(C−2)との反応
上記(1−ii)で得た固体生成物にn−ヘプタン94リットルを仕込み、70℃に昇温した。次いで、四塩化チタン0.87リットルを加え、その後ジエチルアルミニウムクロライドのへプタン溶液(1mmo1/ml)84リットルを滴下後、l時間反応を行った。反応終了後40℃で固液分離した後、へキサン120リットルで4回洗浄を行った後、80℃窒素流通乾燥して固体触媒成分(C)21.8kgを得た。組成分析の結果固体触媒成分中にはチタン原子が3.56重量%、アルミニウム原子が0.95重量%、ジブチルエーテルが0.1重量%含まれていた。
【0026】
(2)複合フィルム
成分Aとして上記固体触媒成分とジエチルアルミニウムクロライドからなる触媒系を用いて、重合温度230℃、重合圧力800kg/cm2条件下で製造されたエチレン−ヘキセン−1ランダム共重合体(MFR16g/10分、密度0.908g/cm3、CXS9重量%、HH110 16%)75重量部と、成分Bとして高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(MFR9g/10分、SR1.85、密度0.919g/cm3)25重量部とを単軸押出機で190℃にて溶融混合し、シーラント用樹脂組成物を得た。
厚み15μmの2軸延伸ナイロンフィルムを基材(w)とし、その上に、イソシアネート系アンカーコート剤(x)を塗布し、シリンダー先端温度310℃の条件で溶融混練した下記の下貼り用樹脂組成物(y)を厚み25μm、シリンダー先端温度290℃の条件で溶融混練した前記シーラント用樹脂組成物(z)を厚み25μmにそれぞれなるように押出ラミネート加工を行ない、複合フィルム〔(w)/(x)/(y)/(z)〕を得た。
押出ラミネート加工は、住友重機械工業(株)製マルチスロット方式Tダイスを有する65mmφ共押出ラミネーターを使用し、冷却ロールにマットロール(25℃)を装備し、加工速度80m/分の条件で行なった。押出加工時のダイの開口部と樹脂膜の幅の差を示すネックインは、両側合計値で120mm、押出機の負荷を示す樹脂圧力は、85kg/cm2であり、製膜性は問題なかった。
評価結果を表1に示す。
【0027】
下貼り用樹脂組成物(y)としては、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(MFR9g/10分、SR1.85、密度0.919g/cm3)60重量部及び下記の触媒系を用いて、重合温度230℃、重合圧力800kg/cm2条件下で製造されたエチレン−ブテン−1ランダム共重合体(MFR12g/10分、密度0.913g/cm3、CXS12重量%、HH110 27%)40重量部からなる樹脂組成物を用いた。
固体触媒成分の調製
市販無水塩化マグネシウム100g、東邦チタニウム社製TAC−131(TiCl3・1/3AlCl3)100gを40時間ボールミル処理して固体触媒成分を得た。この粉末を分析したところTi 10.9重量%、Al 1.3重量%、Cl 74.6重量%、Mg 12.0重量%を含有していた。
触媒分散液の調製
十分に窒素置換した10リットルのタンクにへプタン7リットルを入れ、さらにトリエチルアルミニウム14ミリモル、上記で得られた固体触媒成分7gを加えた。次にヘキセン−lを315g加え、撹伴を続けたところ、粘稠な固体触媒分散液が得られた。一方、別の十分に窒素置換した10リットルのタンクにヘプタン7リットルを入れ、さらにトリエチルアルミニウム140ミリモル、テトラエトキシシラン14ミリモルを加え、助触媒液とした。
【0028】
実施例2
成分Aとして実施例1で記載した触媒と同様の触媒を用いて実施例1と同様に製造されたエチレン−ヘキセン−1ランダム共重合体(MFR12g/10分、密度0.908g/cm3、CXS8重量%、HH110 16%)に、成分Bとして高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(MFR5g/10分、SR1.86、密度0.919g/cm3)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様に押出ラミネート加工を行ない、複合フィルムを得た。
ネックインは、両側合計値で85mm、押出機の負荷を示す樹脂圧力は、105kg/cm2であり、製膜性は問題なかった。
評価結果を表1に示す。
【0029】
比較例1
成分Aとして実施例1の下貼り用樹脂組成物(y)のエチレン−ブテン−1ランダム共重合体を製造したときと同様の触媒系を用いて得られたエチレン−ヘキセン−1ランダム共重合体(MFR10g/10分、密度0.908g/cm3、CXS18重量%、HH110 30%)に変更した以外は、実施例1と同様に押出ラミネート加工を行ない、複合フィルムを得た。
ネックインは、両側合計値で100mm、押出機の負荷を示す樹脂圧力は、95kg/cm2であり、製膜性は問題なかった。
評価結果を表1に示す。
【0030】
比較例2
成分Aとして比較例1で記載した触媒系と同様の触媒系を用いて得られたエチレン−ヘキセン−1ランダム共重合体(MFR12g/10分、密度0.912g/cm3、CXS12重量%、HH110 30%))に変更した以外は、実施例1と同様に押出ラミネート加工を行ない、複合フィルムを得た。
ネックインは、両側合計値で110mm、押出機の負荷を示す樹脂圧力は、90kg/cm2であり、製膜性は問題なかった。
評価結果を表1に示す。
【0031】
比較例3
成分Aとしてエチレン−ブテン−1ランダム共重合体(住友化学工業(株)製エスプレンSPO N0377、MFR18g/10分、密度0.895g/cm3、CXS8重量%、HH110 0%)70重量部とし、成分Bとして実施例1で使用したものと同じ低密度ポリエチレンを30重量部に変更した以外は、実施例1と同様に押出ラミネート加工を行ない、複合フィルムを得た。
ネックインは、両側合計値で105mm、押出機の負荷を示す樹脂圧力は、100kg/cm2であり、製膜性は問題なかった。
評価結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Claims (4)
- 下記成分A50〜90重量部と下記成分B50〜10重量部とを含有するシーラント用樹脂組成物からなる層及び基材とから構成されることを特徴とする複合フィルム。
成分A:メルトフローレートが5〜30g/10分、密度が0.890〜0.910g/cm3、冷キシレン可溶分が15重量%以下、示差走査熱量計(DSC)による全融解熱量に対する110℃以上の融解熱量の比率が1〜25%であるエチレン−α−オレフィン共重合体
成分B:高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン - 成分Aが、メルトフローレート5〜20g/10分、密度0.900〜0.910g/cm3、冷キシレン可溶分12重量%以下、示差走査熱量計(DSC)による全融解熱量に対する110℃以上の融解熱量の比率5〜20%のエチレン−α−オレフィン共重合体である請求項1記載の複合フィルム。
- 成分Bが、メルトフローレート4〜20g/10分、膨張割合1.6〜2.0の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンである請求項1記載の複合フィルム。
- シーラント用樹脂組成物が、成分A60〜80重量部と成分B40〜20重量部とを含有する請求項1記載の複合フィルム。
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