JP2669546B2 - テレビジョン受像機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はテレビジヨン（TV）受像機におけるビデオ信
号の信号処理に係り、特に、ワイドアスペクト比の受像
機において現行アスペクト比の画像表示に好適なテレビ
ジヨン受像機に関する。

〔従来の技術〕

従来より、テレビジヨン信号ではアスペクト比4:3の
形態のものが採用されてきた。しかしながら、最近、よ
り臨場感のある画像表示の可能なワイドアスペクト比の
テレビジヨン受像機への関心が高まつている。例えば、
次世代のTVとして開発が進められているHDTVではアスペ
クト比が16:9の形態のものを採用している。

〔発明が解決しようとする課題〕

ワイドアスペクト比のテレビジヨン受像機では現行テ
レビジヨンシステムとの両立性について配慮がされてお
らず、この受像機で現行テレビジヨン信号を受像する
と、再生画像が歪むといつた問題があつた。

本発明の目的は、ワイドアスペクト比のテレビジヨン
受像機において、現行テレビジヨン信号も歪なく画像再
生ができるテレビジヨン受像機を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、現行テレビジヨン信号の
ようにアスペクト比が従来の4:3のものに対しては、時
間軸圧縮の処理を施した信号に変換して表示することに
より、再生画像上の歪を除去したものである。

また、時間軸圧縮の処理によつて映像信号の存在しな
い位置には特定の信号を挿入することによつて、視聴者
に異和感をもたせないようにしたものである。

さらに、現行テレビジヨン信号において画面の上下を
欠落させることにより擬似的にワイドアスペクト化した
信号に対しては、画面信号の補間処理を行なうことによ
り、拡大操作を行ないワイドアスペクトのままで表示で
きるようにしたものである。

さらに、現行システムと走査線数の異なるワイドアス
ペクト比のテレビジヨン受像機に対しては、水平，垂直
のいずれに対しても時間軸圧縮をほどこした信号に変換
した場合、あるいは水平同期信号の周波数を変更して表
示するようにしたものである。

〔作用〕

第２図は、走査線数は現行テレビジヨンと一致してい
るワイドアスペクト比、例えば16:9のテレビジヨン受像
機に対して本発明を適用した場合の動作原理図を示す。

同図（ａ）は、現行システムのアスペクト比（4:3）
のテレビジヨン信号をそのままワイドアスペクト比の受
像機で再生した場合の画像を示す。この場合にはアスペ
クト比4:3の画像が16:9のアスペクト比で表示されるた
め、本来、図中実線で表示されるべき画像も、同図点線
で示すように水平方向に引き伸なされた画像として表示
されてしまう。すなわち、画像に歪が生ずる。

一方、同図（ｂ）は、現行のテレビジヨン信号に対し
て、水平方向に時間軸圧縮の処理を行なつて表示した場
合である。この場合にはアスペクト比4:3を保存した正
規の状態で、同図のハツチをほどこした領域内に表示で
きる。したがつて、表示画像には歪は発生しない。な
お、この場合には、画面の両端の領域は情報がないた
め、特定信号、例えば黒レベルの信号などにおきかえて
表示することにより、視覚的にも好ましい画像号示がで
きる。

一方、同図（ｃ）に示すように、現行アスペクト比の
枠内で画面の上下を削つてワイドアスペクト化した画像
に対しては、（ｂ）に示すような時間軸圧縮の処理によ
り、斜線領域に画像が表示される。したがつて、このよ
うな場合には、さらに補間処理などによつて、画像拡大
の操作を行ない、画面全体に表示することもできる。

次に、第３図は、走査線数も現行テレビジヨンと異な
るワイドアスペクト比のテレビジヨン受像機に対して本
発明を適用した場合の動作原理図を示す。なお、この例
においては、走査線数も現行テレビジヨンより多く、ア
スペクト比が16:9のものを示す。

同図（ａ）は、水平方向，垂直方向の時間軸圧縮処理
により現行走査線数の範囲内でアスペクト比4:3の画像
表示を行なうもので、ハツチの領域に現行アスペクト比
の画像が表示できる。なお、ハツチの領域外には表示す
べき情報がないため、前述したように、例えば黒レベル
相当の信号など、特定の信号でマスキングを行なうこと
が望ましい。

また、同図（ｃ）は、（ａ）の形態の信号に対して、
さらに補間処理などによつて画像拡大の操作を行ない、
上下いつぱいの枠まで使用して画像表示を行なうもので
ある。

一方、同図（ｂ）は、水平同期系を変更して、特価的
に現行システムと同一の走査線数の表示形態に変更し、
この変更した同期系で水平に時間軸圧縮した信号を表示
するものである。なお、この場合には受像機の同期系統
が引き込み範囲内にある場合に適用できるものである。

以上、述べたように、本発明によれば、現行テレビジ
ヨンシステムのアスペクト比とは異なるワイドアスペク
ト比の受像機において、現行テレビジヨン信号を歪なく
画像表示することが可能になる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図により説明する。こ
れは、走査線数は現行テレビジヨンと同一でアスペクト
比が例えば16:9の場合における実施例である。また、テ
レビジヨン信号としてはベースバンド領域の信号を想定
して説明する。

テレビジヨン信号は、ワイドアスペクト信号デコーダ
回路1,現行テレビジヨン信号デコーダ回路２でそれぞれ
所定の復調操作を行ない、例えば３原色信号R,G,Bに復
調する。

一方、制御信号発明回路９では、各部の動作に必要な
クロツク信号，同期信号などの各種制御信号を生成す
る。また、モード識別回路10では、例えば識別信号など
より、ワイドアスペクト信号か現行テレビジヨン信号か
のモードを識別判定する。

さて、現行テレビジヨン信号デコーダ回路２の信号
は、水平時間軸圧縮回路３において、第２図（ｂ）に示
すような領域に相当する信号になるように、所定の時間
軸圧縮の処理を行なう。なお、この時間軸圧縮回路はメ
モリ等を利用して簡単に実現できるので具体的な構成等
については説明を省略する。

次に、特定信号挿入回路４では、現行アスペクト比で
表示される領域以外の部分に相当する画像信号部分を、
例えば黒レベル相当などの特定な信号でおきかえるとい
つた処理を行なう。

また、画像拡大処理回路５では、第２図（ｃ）に示し
たように、補間処理などにより拡大画像に相当する画像
信号を生成する。

選択回路６では、第２図（ｂ）の表示形態に対応する
信号系列Ａ′、同図（ｃ）の表示形態に対応する信号系
列Ｂ′のいずれかを選択する。この選択はモード選択信
号によつて行なわれ、通常は系列Ａ′が選択されている
が視聴者によつて系列Ｂ′の信号を選択することができ
る。

そして、選択回路７では、ワイドアスペクト比に対応
する系列Ａの信号、現行アスペクト比に対応する系列Ｂ
の信号がモード識別回路からの表示モード制御信号で選
択される。そして、３原色受像管８に表示する。

本発明の他の実施例を第４図に示す。この実施例は、
先に第３図に示したように走査線数も異なるテレビジヨ
ン受像機において、第３図（ａ）、あるいは（ｃ）の形
態で画像表示を行なう場合を示す。この実施例では、第
１図の水平時間軸圧縮回路４が、水平，垂直時間軸圧縮
回路11となつている以外は同様である。そして、この水
平，垂直時間軸圧縮回路11において、水平方向のみなら
ず、垂直方向に対しても時間軸圧縮処理が行なわれる点
を除けば、動作は第１図と同様なため、詳細な説明は省
略する。

また、本発明の他の一実施例を第５図に示す。これ
は、第３図（ｂ）に対応する画像信号を生成する場合で
ある。この場合には、制御信号発生回路12では、ワイド
アスペクト信号，現行テレビジヨン信号に対してそれぞ
れ異なる形態の水平同期信号系列を発生するといつた相
異点はあるが、その他の動作は同一のため、詳細な説明
は省略する。

以上、本実施例においては、現行テレビジヨン信号デ
コーダ回路の出力信号がR,G,B3原色信号を例に説明した
が、特にこれに限定されることはなく、例えば輝度信
号、２つの色差信号のような形態のものにも適用可能な
ことは明らかである。

〔発明の効果〕

本発明によれば、現行システムのアスペクト比とは異
なるワイドアスペクト比のテレビジヨン受像機におい
て、ワイドアスペクト信号，現行テレビジヨン信号のい
ずれも歪なく画像表示ができるので、同一の受像機でア
スペクト比の異なる複数種類のテレビジヨン信号の受信
が可能である。

なお、本発明の信号処理は、アナログ，デイジタル、
あるいは両者の混合したいずれの形態でも実現すること
ができる。

また、受像管ではフリツカーなどの妨害を低減するた
めに、順次走査の形態のものを使用することもある。こ
の場合には、現行テレビジヨン信号デコーダ回路２は、
例えばIDTVのように走査線２倍化補間などの信号処理を
行なつた信号が出力信号となつているような構成のもの
で実現することが望ましい。

また、本実施例ではアスペクト比16:9を例に説明した
が、これに限定されず、任意のワイドアスペクト比に対
しても適分可能なことは明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図，第４図，第５図はそれぞれ本発明の一実施例の
テレビジヨン受像機の回路ブロツク図、第２図，第３図
は本発明の動作原理の説明図である。 １……ワイドアスペクト信号デコーダ回路、２……現行
テレビジヨン信号デコーダ回路、３……水平時間軸圧縮
回路、４……特定信号挿入回路、５……画像拡大処理回
路、6,7……選択回路、８……３原色受像管、9,12……
制御信号発生回路、10……モード識別回路、11……水
平，垂直時間軸圧縮回路。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ワイドアスペクト比テレビジョン信号或い
   は現行テレビジョン信号の何れのテレビジョン信号も表
   示可能で、現行システムとは異なるワイドアスペクト比
   を有するテレビジョン受像機において、 上記ワイドアスペクト比テレビジョン信号を復調するた
   めの第１の復調手段と、 上記現行テレビジョン信号を復調するための第２の復調
   手段と、 該第２の復調手段から出力された信号に対して水平方向
   の時間軸圧縮の処理を施す時間軸圧縮手段と、 該時間軸圧縮手段から出力された信号に対して画像信号
   の補間処理により水平，垂直方向の画像拡大の操作を施
   す画像拡大処理手段と、 上記第１の復調手段，上記時間軸圧縮手段或いは上記画
   像拡大処理手段の何れかの出力信号を表示するための選
   択手段とを有することを特徴とするテレビジョン受像
   機。