JP2904975B2 - ワイドアスペクト比のテレビジョン受信機 - Google Patents

ワイドアスペクト比のテレビジョン受信機

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、アスペクト比が１
６：９であるワイドアスペクト比のテレビジョン受信機
に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、アスペクト比が１６：９であるワ
イドアスペクト比のテレビジョン受信機に、アスペクト
比が４：３のテレビジョン用に作成された映像信号を入
力して表示する場合、映像の真円率を保つため、映像信
号の時間軸を圧縮し、図４に示すように、映像の両サイ
ドに均一レベルの信号、例えば黒または灰色信号を挿入
して表示しており、この表示方法をサイドパネル方式と
いう。
【０００３】図５は、従来のアスペクト比が１６：９で
あるテレビジョン受信機の表示領域を設定する構成を示
すブロック図である。
【０００４】このテレビジョン受信機は、アスペクト比
が４：３である映像ソフトを１６：９のアスペクト比に
対応するように時間軸圧縮する時間軸圧縮回路１を有し
ており、時間軸圧縮回路１には、設定手段３が設定する
設定値Ａを読み取って時間軸圧縮回路１を制御するコン
トローラ２が接続されている。更に、時間軸圧縮回路１
には、映像信号および水平同期信号が入力されるように
なっている。
【０００５】そして、時間軸圧縮回路１は、図６に詳示
するように、映像信号をＡ／Ｄ変換するＡ／Ｄコンバー
タ７を有しており、Ａ／Ｄコンバータ７には、映像の一
水平走査期間を記憶するラインメモリ８、９が並列に接
続されている。更に、Ａ／Ｄコンバータ７およびライン
メモリ８、９には、水平同期信号が入力されると共にラ
インメモリ８、９に書き込み読み出しの制御信号を与え
るコントローラ１１が接続されており、コントローラ１
１には、サイドパネル信号を発生させるサイドパネル信
号発生回路１２およびサイドパネル信号発生回路１２か
らのサイドパネル信号とラインメモリ８、９の出力とを
加算する加算器１３が接続されている。また、加算器１
３には、加算器１３の出力をＤ／Ａ変換するＤ／Ａコン
バータ１０が接続されており、Ｄ／Ａコンバータ１０は
コントローラ１１に接続されている。
【０００６】なお、図６は、輝度信号の一系統のみを示
しており、輝度、色差方式の場合は時間軸圧縮回路１を
２系統必要であり、ＲＧＢ方式の場合は時間軸圧縮回路
１を３系統必要である。
【０００７】次に動作について説明する。
【０００８】時間軸圧縮回路１は、アスペクト比が４：
３のテレビジョン用に作成された映像信号が入力される
と、その映像信号をＡ／Ｄコンバータ７によりＡ／Ｄ変
換してデジタルデータとする。そして、このデジタルデ
ータは、図７に示すように、ラインメモリ８、９へ交互
に格納される。
【０００９】また、ラインメモリ８、９からデジタルデ
ータを読み出す場合、コントローラ２は設定手段３が設
定する表示領域の設定値を読み取り、書込み周波数より
も高い周波数（例えば、書込み周波数の４／３倍の周波
数）で読み出すことによって、図８（ａ）のような映像
入力信号を図８（ｂ）のような映像信号に加工するよう
に時間軸圧縮回路１を制御して時間軸圧縮を行い、それ
から時間軸圧縮された映像信号は、アスペクト比が１
６：９であるワイドアスペクト比のテレビジョン受信機
の表示面（ＣＲＴ）へ図８（ｃ）に示すように表示され
る。
【００１０】なお、アスペクト比が１６：９であるワイ
ドアスペクト比のテレビジョン受信機の表示面に、図４
に示すような形で表示する際も、図８（ａ）に示す領域
の垂直方向はオーバースキャンを行う。映像入力信号は
もともとアスペクト比が４：３であるため、映像表示領
域を４：３の比率で表示することが多い、すなわち垂直
にオーバースキャンした比率分だけ水平は映像の表示領
域を狭くしていた。これは、放送局等によっては水平方
向の映像を乗せることが可能な領域のすべての領域に映
像信号を乗せていない場合にサイドパネル部と映像開始
位置との間に隙間が生じないようにするためである。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】従来のワイドアスペク
ト比のテレビジョン受信機は、以上のように構成されて
いるので、アスペクト比４：３の映像信号を映出させる
場合に、表示面上の垂直方向にオーバースキャンした比
率分だけ映像信号の映出画面のアスペクト比を４：３に
保つため、かつ映像信号のない部分を表示することを嫌
って水平方向は表示領域を狭くしたため、映像領域がす
べて映し出されず、水平方向の両側に大きなサイドパネ
ル部が現れるという問題点があった。また、全画像領域
を表示面に表示した場合は、サイドパネル部には所定の
中程度の輝度を入れてある場合が多いので、図９に示す
ように、実際の映像の開始部分や終了部分が黒くなり、
縦に黒い線があらわれ、非常に不自然になるという問題
点があった。
【００１２】この発明は、上記のような課題を解消する
ためになされたもので、ワイドアスペクト比のテレビジ
ョン受信機の表示面上にアスペクト比４：３の映像信号
を映出させる場合に、水平方向に圧縮した映像信号の水
平方向をすべて表示面上に映させて両端の黒色部分すな
わちサイドパネル部分の面積を減らすモードと、水平方
向に圧縮した映像信号の水平方向の両側を所定の領域を
カットして表示するモードを選択できるワイドアスペク
ト比のテレビジョン受信機を得ることを目的とする。
【００１３】
【課題を解決するための手段】この発明に係るワイドア
スペクト比のテレビジョン受信機は、アスペクト比が
４：３である映像ソフトを時間軸圧縮する時間軸圧縮回
路と、映像領域のすべてを表示する第１のモードまたは
映像の両側の所定部分をカットした映像領域を表示する
第２のモードを設定する設定手段と、設定手段により第
１のモードが設定された場合にアスペクト比が４：３で
ある映像ソフトの真円率を保ちながら時間軸圧縮して映
像の両側の余った領域に所定レベルの輝度信号を挿入す
るサイドパネル方式で表示するように時間軸圧縮回路を
制御し、かつ、前記設定手段により、第２のモードが設
定された場合には、アスペクト比が４：３のテレビジョ
ン用に作成された映像信号の両側の所定部分をカットす
るときに映像領域の取り込み範囲を設定すると共に、映
像の両側の余った領域に所定レベルの輝度信号を挿入し
サイドパネル方式で表示するように時間軸圧縮回路を制
御する制御回路とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【００１４】また、アスペクト比が４：３である映像ソ
フトを時間軸圧縮する時間軸圧縮回路と、アスペクト比
が４：３のテレビジョン用に作成された映像信号の水平
方向の有信号領域を検出する検出手段と、検出手段が検
出する有信号領域をすべて表示すると共に映像の両側の
余った領域に所定レベルの輝度信号を挿入するように時
間軸圧縮回路を制御する制御回路とを備えたことを特徴
とするものである。
【００１５】
【作用】この発明における、ワイドアスペクト比のテレ
ビジョン受信機は、アスペクト比が４：３である映像ソ
フトをサイドパネル方式で表示するとき、制御回路は、
設定手段により第１のモードが設定された場合、アスペ
クト比が４：３である映像ソフトを真円率を保ちながら
時間軸圧縮して映像の両側に余った領域に所定レベルの
輝度信号を挿入するサイドパネル方式で表示するように
時間軸圧縮回路を制御し、また設定手段により第２のモ
ードが設定された場合、映像信号の両側の所定部分をカ
ットして表示するように時間軸圧縮回路を制御する。
【００１６】また、映像信号の水平方向の有信号領域を
検出手段により検出し、制御回路は、検出手段が検出す
る有信号領域をすべて表示すると共に映像の両側に余っ
た領域に所定レベルの輝度信号を挿入するように時間軸
圧縮回路を制御し、時間軸圧縮回路によりアスペクト比
が４：３である映像ソフトを１６：９のアスペクト比に
対応するように時間軸圧縮する。
【００１７】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図を用いて説明
する。
【００１８】（１）請求項１に記載の発明の一実施例 ワイドアスペクト比のテレビジョン受信機は、図１に示
すように、アスペクト比が４：３である映像ソフトを時
間軸圧縮する時間軸圧縮回路１を有しており、時間軸圧
縮回路１には、時間軸圧縮回路１を制御するコントロー
ラ２が接続されている。そして、コントローラ２には、
設定手段３が設定するアスペクト比が４：３である映像
信号の両側の一部をカットするときに映像の取り込み範
囲を設定する第２のモードである設定値Ａ、または設定
手段４が設定する水平方向のすべての映像領域の取り込
む範囲を設定する第１のモードである設定値Ｂを選択す
る選択スイッチ５が接続されている。更に、時間軸圧縮
回路１には、映像信号および水平同期信号が入力される
ようになっている。なお、時間軸圧縮回路１は、図６に
示した従来例と同一構成となっている。
【００１９】次に、本実施例の作用について説明する。
【００２０】時間軸圧縮回路１は、アスペクト比が４：
３のテレビジョン用に作成された映像信号が入力された
とき、ワイドアスペクト比のテレビジョン受信機の使用
者は、選択スイッチ５により映像の両側の所定部分をカ
ットした映像領域を表示する設定値Ａまたは映像領域の
すべてを表示する設定値Ｂを選択する。
【００２１】そして、選択スイッチ５により映像領域の
すべてを表示する設定値Ｂが選択された場合、コントロ
ーラ２は、設定手段４に記憶されている映像領域の全範
囲を時間軸圧縮回路１に伝達し、時間軸圧縮回路１は図
２（ａ）に示す映像信号の映像領域すべてを取り込み、
アスペクト比が４：３である映像ソフトを真円率を保ち
ながら時間軸圧縮し、映像の両側に余った領域に所定レ
ベルの輝度信号を挿入して図２（ｂ）に示す映像信号を
出力し、図２（ｃ）に示すように水平方向の映像領域す
べてをサイドパネル方式で映出する。
【００２２】また、選択スイッチ５によりアスペクト比
が４：３である映像信号の両側の一部をカットして表示
する設定値Ａが選択された場合、コントローラ２は、設
定手段３に記憶されている映像領域の所定範囲を時間軸
圧縮回路１に伝達し、時間軸圧縮回路１は映像信号の映
像領域の所定範囲を取り込み、映像の両側に余った領域
に所定レベルの輝度信号を挿入してサイドパネル方式で
映出する。
【００２３】（２）請求項２記載の発明の一実施例 ワイドアスペクト比のテレビジョン受信機は、図３に示
すように、アスペクト比が４：３である映像ソフトを時
間軸圧縮する時間軸圧縮回路１を有しており、時間軸圧
縮回路１には、時間軸圧縮回路１を制御するコントロー
ラ２が接続されている。そして、コントローラ２には、
映像信号の水平方向の有信号領域を検出する検出手段と
しての映像信号領域検出回路６が接続されており、映像
信号領域検出回路６および時間軸圧縮回路１には、デジ
タル化された映像信号が入力されるようになっており、
時間軸圧縮回路１には、映像信号および水平同期信号が
入力されるようになっている。
【００２４】次に、本実施例の作用について説明する。
【００２５】映像信号領域検出回路６は、デジタル化さ
れた映像信号が入力されると、所定値の輝度レベルを越
えた水平方向のアドレスすなわち水平方向のクロックの
何クロック目であったかを数フィールドの間メモリし、
そのアドレスを比較して開始線位置を求め、同様の方法
により終了線位置を求める。これにより、映像信号領域
検出回路６は、入力された映像信号の中で実際に映像信
号の有信号領域を検出し、表示すべき映像領域をコント
ローラ２に伝達する。そして、コントローラ２は、時間
軸圧縮回路１の映像信号表示領域とサイドパネル挿入領
域とを制御し、水平方向の映像信号の有信号領域をすべ
て表示する。
【００２６】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、アス
ペクト比が４：３である映像ソフトを１６：９のアスペ
クト比の表面にサイドパネル方式で表示するとき、第１
のモードが設定された場合、アスペクト比が４：３であ
る映像ソフトを真円率を保ちながら時間軸圧縮して映像
の両側に余った領域に所定レベルの輝度信号を挿入する
サイドパネル方式で表示し、また第２のモードが設定さ
れた場合、映像信号の両側の所定部分をカットして表示
するように構成したので、第１のモードが設定された場
合には水平方向の映像信号をすべて表示面上に映出させ
て両端の黒色部分の面積を減らすことができ、第２のモ
ードが設定された場合には、放送波の映像信号等に含ま
れている映像領域内の水平方向の両端部分の無画部分が
表示されることにより、時間軸圧縮回路にて付加したサ
イドパネル部の輝度レベルと一致せず、見苦しいたての
帯となって表示されることが防止できる。
【００２７】また、映像信号の水平方向の有信号領域を
検出手段により検出し、検出した有信号領域をすべて表
示すると共に映像の両側に余った領域に所定レベルの輝
度信号を挿入するように構成したので、面倒な設定動作
を必要とせず、自動的に映像信号の中で水平方向の有信
号領域のみをすべて表示することができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１記載の発明に係るワイドアスペクト比
のテレビジョン受信機の構成を示すブロック図である。
【図２】請求項１記載の発明に係るワイドアスペクト比
のテレビジョン受信機の時間軸圧縮前後における映像信
号の波形と表示された映像状態を示す図である。
【図３】請求項２記載の発明に係るワイドアスペクト比
のテレビジョン受信機の構成を示すブロック図である。
【図４】１６：９の表示面に４：３の映像を表示するサ
イドパネル方式を示す図である。
【図５】従来のワイドアスペクト比のテレビジョン受信
機の構成を示すブロック図である。
【図６】時間軸圧縮回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図７】時間軸圧縮回路のラインメモリの使用状態を示
すタイミングチャート図である。
【図８】従来のワイドアスペクト比のテレビジョン受信
機の時間軸圧縮前後における映像信号の波形と表示され
た映像状態を示す図である。
【図９】従来例の問題点を示す図である。
【符号の説明】
１ 時間軸圧縮回路 ２ コントローラ ３ 設定手段 ４ 設定手段 ５ 選択スイッチ ６ 映像信号領域検出回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 アスペクト比が４：３である映像ソフト
    を時間軸圧縮する時間軸圧縮回路と、 映像領域のすべてを表示する第１のモードまたは映像の
    両側の所定部分をカットした映像領域を表示する第２の
    モードを設定する設定手段と、 設定手段により第１のモードが設定された場合にアスペ
    クト比が４：３である映像ソフトの真円率を保ちながら
    時間軸圧縮して映像の両側の余った領域に所定レベルの
    輝度信号を挿入するサイドパネル方式で表示するように
    時間軸圧縮回路を制御し、かつ、前記設定手段により、
    第２のモードが設定された場合には、アスペクト比が
    ４：３のテレビジョン用に作成された映像信号の両側の
    所定部分をカットするときに映像領域の取り込み範囲を
    設定すると共に、映像の両側の余った領域に所定レベル
    の輝度信号を挿入してサイドパネル方式で表示するよう
    に時間軸圧縮回路を制御する制御回路とを備えたことを
    特徴とするワイドアスペクト比のテレビジョン受信機。
  2. 【請求項２】 アスペクト比が４：３である映像ソフト
    を時間軸圧縮する時間軸圧縮回路と、アスペクト比が４：３のテレビジョン用に作成された 映
    像信号の水平方向の有信号領域を検出する検出手段と、 検出手段が検出する有信号領域をすべて表示すると共に
    映像の両側の余った領域に所定レベルの輝度信号を挿入
    するように時間軸圧縮回路を制御する制御回路とを備え
    たことを特徴とするワイドアスペクト比のテレビジョン
    受信機。
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