JP2662952B2 - 粒子径分布の狭い重合体粒子の製造方法 - Google Patents

粒子径分布の狭い重合体粒子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、粒子径分布の狭い重合体粒子の製造方法に
関する。 [従来技術] 従来、粒子径分布の狭い重合体粒子の製造方法に関し
ては、種々の検討がなされており数多くの特許が出願さ
れてきた。 1つには懸濁重合法と呼ばれるもので、水中で適当な
分散安定剤のもとビニル単量体の液滴を形成させ、適当
な油溶性の重合開始剤を用いて重合体粒子を合成する方
法である。しかし、通常の撹拌条件下で重合を行うと反
応槽壁、撹拌翼等に重合体が付着し、重合体粒子が生成
しても数百μm〜数mmの大径のもので、その粒子径分布
も重合中の液滴の***、合一の確率的要素に大部分が支
配され、非常にブロードなものしか得られなかった。そ
の対策として重合条件、例えばいったん塊状重合する
か、又は一部重合体を単量体に溶解し、ある程度の粘性
を付与してから、懸濁重合を行う方法や、種々の界面活
性の強い懸濁安定剤や水難溶性無機粉末を用いるか又は
併用して重合を行う方法等提案されたが、いずれも生成
粒子は大径で、その分布もわずかながらの改善しか見ら
れなかったのが実状である。 さらに、微小な重合体を得る方法として微細懸濁重合
法と呼ばれるものがある。この方法はかなり濃度の高い
懸濁安定剤のもとでは重合性単量体液滴は安定化される
ことを利用して、***、合一の伴なわない条件のもとで
重合を行おうとするものである。従って、粒子径分布の
狭い重合体粒子を得ようとするならば、重合開始前の重
合性単量体の水性媒体中への分散方法が問題となる。 その為に、ホモミクサー、ホモジナイザー、アトマイ
ザー、一液流体ノズル、気液流体ノズル、電気乳化等、
機械的、物理的手段により水中に懸濁分解させることが
考案されたが微細液滴として分散させることは可能であ
るが、粒子径分布を整えるための条件が微妙であり、分
布を狭くすることはほとんど不可能で、特にこの場合は
比較的濃度の高い分散安定剤のために水相中で重合を併
発し、0.1〜1μmの径の極微粒子の発生が問題であっ
た。 一方、乳化重合法によれば、界面活性剤により生成し
たミセルを介して重合が進行するため、各粒子が均一に
成長し、適当な重合条件の設定により非常に粒子径分布
の整った分散液が得られる。しかし、その重合体粒子径
は0.1〜1μmと非常に小さなものであり、数μm径の
粒子を得るためには新たな粒子の発生を抑制した系にお
いて、上述した微小粒子を核として、重合性単量体を後
添加し、粒子を成長させる、いわゆるシード乳化重合法
を用いる必要がある。しかし、その粒子の成長率は低
く、大系粒子を得るためには数段連続して行う必要があ
り、重合工程も長くコスト的にも不利な点が多い。 特公昭57−24369号にはこのシード乳化重合法を改良
して、種粒子に対して二段膨潤を行い、単量体の吸収効
率を高める方法が記載されている。これによると確かに
粒子径分布の整った、しかも大径の重合体を得ることは
可能ではあるが、この重合法は操作が繁雑であるだけで
なく、重合時間以外に多大の膨潤時間を要し、また、重
合条件も非常に微妙であるといった欠点を有している。 第3の方法として、有機液体中での分散重合と呼ばれ
るものがある。これは重合性単量体は溶解するが、得ら
れる重合体は不溶となり析出する系において重合を行お
うとするものである。しかし、ただ単にこのような系で
重合を行った場合には、重合体は、重合中又は終了時に
粘着性物又はガラス状物、或いは塊状物等を形成し、安
定な重合体分散液を得ることや、重合体粒子として回収
することはできない。しかしながら該重合体を溶解しな
い有機液体中に、一成分が該有機液体に溶解され、他の
一成分が該重合体と相溶するようなブロック共重合体ま
たはグラフト共重合体を分散安定剤として用いる事によ
り、安定な重合体分散液の形成又は粒子として重合体を
回収可能である。該重合体を溶解しない有機液体とは、
重合体の種類により異なるが、一般に無極性溶媒例えば
脂肪族炭化水素など、極性溶媒として炭素数の少ないア
ルコールなどがあげられる。特に脂肪族炭化水素を主体
とした有機液体中で、重合体を分散させた安定な分散液
の製造方法に関する発明には、特公昭46−16887号、昭4
6−38246号、昭46−40685号、昭47−296号等多数あり、
極性溶媒中での分散液の製造方法に関する発明には、特
公昭54−2238号、57−46445号などがある。しかしいず
れも有機液体中での安定な重合体分散液の製造方法に関
するものであって、目標とする粒子径は1μm以下であ
り、粒子径分布の制御も特に必要としないものであっ
た。 また本発明者らは以前親水性有機液体中における粒子
径分布の狭い重合体粒子の製造方法を開示したが5μm
以下の粒子は分布の狭い樹脂粒子の得られる方法ではあ
るが、5μm以上の粒子を得るような条件で行うと粒子
同士の凝集が起こり、大径化したり、必要としない微粒
子の発生が生じたりして粒子径分布が広がってしまう傾
向にあった。 [目 的] 本発明は工業的に反応工程が簡便で品質再現性があ
り、しかも粒子径分布の狭い重合体粒子を得ることがで
きる製造方法を提供することを目的とするものであり、
特に平均粒子径1〜100μmの広い粒子生成条件下にわ
たって粒子径分布の狭い重合体粒子を簡便に得ることが
できる製造方法を提供することを目的とするものであ
る。 [構 成] 本発明者らは上記の課題について従来より研究を重ね
てきたが、親水性有機液体に溶解性の高分子分散剤を用
いるシード重合法により解決し得ることを見出し、本発
明を完成するに至った。 すなわち、本発明は親水性有機液体に該親水性有機液
体に溶解する高分子分散剤を加え、これに該親水性有機
液体には溶解するが、生成する重合体は該親水性有機液
体にて膨潤されるか、ほとんど溶解しない1種又は2種
以上のビニル単量体を加えて種粒子を重合する工程後又
は途中で、種粒子分散液に該親水性有機液体と同一又は
他の親水性有機液体にて希釈した前記ビニル単量体を前
記重合系に加えて種粒子を成長させる工程からなる粒子
径分布の狭い重合体粒子の製造方法である。 (1)種粒子の製造 あらかじめ親水性有機液体中で種粒子を合成する。こ
の際、親水性有機液体に溶解する高分子分散剤を0.1〜1
0重量%、ビニル単量体は高分子分散剤の50倍以下、親
水性有機液体に対し50重量%以下の量を用いると、0.5
〜10μmの分布の狭い重合体粒子を与えやすいが目的と
する粒子径、使用する高分子分散安定剤及びビニル単量
体親水性有機液体により適宜上述の範囲外で行っても良
い。 (2)成長反応(シード重合) 本発明では一旦上述の重合で平均粒子径10μm以下の
粒子径分布の狭い重合体粒子を合成する(種粒子の形
成)。 その系に更にビニル単量体をラジカル重合が起こり、
粒子同士の合一凝集を防ぐ条件下で添加すると一旦形成
された種粒子をその分布を保ったまま成長させることが
できる。 核体粒子成長反応の際のビニル単量体、もしくはビニ
ル単量体溶液は核体粒子の生成が始まってから重合率に
して10%以上となった時点で加えるのが望ましく、ま
た、核体粒子の重合反応が完全に終了してから、二段目
の成長反応を始めても良い。更に核体粒子重合反応液を
精製し、未反応ビニル単量体、及び粗大粒子、微小粒子
を除去した後に成長反応を行っても良い。従って、本発
明でいう核体粒子の重合率10%以上となった時点という
のは核体粒子重合反応の継続中という意味だけでなく、
核体粒子重合反応終了後の精製時をも含むものである。 成長反応は粒子同士の合一を防ぐ為に適当な条件が選
ばれる。成長する重合体は、重合体の種類にかかわらず
ほとんどが成長反応に用いるビニル単量体に溶解され、
または膨潤され、粘着、接着性を持つ。これら粒子が撹
拌、ブラウン運動等の作用で衝突を起こし高分子分散剤
で安定化される上限を越えた場合合一、凝集を起こし粒
子の肥大化、粒子径分布の拡大をうながす。 従って種粒子の持つ粒子径分布をほとんど保ったまま
重合を進行させる為には、粒子同士の衝突頻度を抑える
為にビニル単量体を添加する前に種粒子を親水性有機液
体に対し15重量%以下の濃度に調整する必要がある。 しかしあまり種粒子濃度が低いと、粒子同士の合一は
抑制されるが、新たに粒子が発生する量が極端に多くな
る為(後に分離可能であるが)2〜10重量%が好まし
い。 ここで粒子径をほとんど保ったまま成長するという意
味は得られる重合体粒子の体積平均粒子径と予想成長体
積平均径の比が1.10以下であることを意味する。予想成
長体積平均粒子径とは以下により定義する。 種粒子体積平均粒子径 ×{[(成長反応に有効に用いられるビニル単量体) /(種粒子の総重量)]+1}1/3 ここで成長反応に有効に用いられるビニル単量体重量
とは添加したビニル単量体重量から未反応のもの及び成
長反応に加わらなかったもの(新たに発生した粒子)を
除いた重量である。未反応ビニル単量体はガスクロマト
グラフィー又は回収した粒子重量より、新たに発生した
粒子の重量は液中での重力沈降又は遠心沈降により成長
粒子と分離して求めることができる。 反応中の種粒子の粘着性による合一を防ぐ為にビニル
単量体の濃度も適当な範囲があり、成長反応中、ビニル
単量体は親水性有機液体重量の25重量%以下であること
が好ましい。あまりビニル単量体濃度が稀薄すぎると粒
子同士の合一は抑えられるが、粒子の成長倍率も高くと
れず生産性も悪く、又、重合速度が鈍るため好ましくは
8〜20重量%の範囲で行うのが良い。このように添加す
るビニル単量体の系全体に対する濃度を下げすぎず、ま
た上げすぎない様にする為には添加速度を反応速度に合
わせて適宜調節したりする手段が用いられる。 一方加えるビニル単量体もそのまま加えずある程度親
水性有機液体にて希釈して添加する方法が好ましい。添
加されたビニル単量体は系中に拡散していくわけである
が、その拡散速度は粒子が凝集、合一を越こす時間に比
べて特別速いわけではないと思われる。したがってあら
かじめ希釈したビニル単量体を用いた方が粒子径分布を
維持する為には好ましく親水性有機液体に対し50重量%
以下となるようにして添加するのが良い。 この様に添加するビニル単量体は種粒子を製造したも
のと同じビニル単量体でも、又別のビニル単量体でもよ
く、また2種類以上用いて成長反応を行うこともでき
る。但し精製する重合体又は共重合体は親水性有機液体
に溶解してはならない。 勿論成長反応の際に種粒子を希釈し、ビニル単量体を
希釈する親水性有機液体も種粒子の製造に用いたものと
同一なものであるという制限は全く受けない。むしろ種
粒子同士の合一を防ぐ為に種粒子重合体のSP値よりも種
粒子を製造した親水性有機液体に比べて離れているもの
を選んだ方が好ましい場合がある。しかし、あまりかけ
離れすぎていると新たに発生する粒子数が極端に増加し
たり、粒子同士の凝集頻度が高まる為注意を要する。 高分子分散安定剤も成長反応の際、種粒子が分散液又
は添加するビニル単量体中に加えることができ、粒子の
安定化効果を高め凝集を防ぐことができる。 核体粒子成長の工程を1度ならず数回くり返すことに
より、更に鋭い粒子径分布を保ったまま粒子を成長させ
ることができる事も本発明の大きな特徴である。 以上に述べた本発明の方法によって、体積(重量)平
均粒子径と個数平均粒子径の比が1.15以下で、体積平均
粒子径が1〜100μmの重合体粒子を得ることができ
る。 本発明における種粒子の形成時及び種粒子の成長反応
時に用いるビニル単量体の希釈剤として用いる親水性有
機液体としては、例えばメチルアルコール、エチルアル
コール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、te
rt−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert
−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアル
コール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フ
ルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリ
コール等のアルコール類、メチルセロソルブ、セロソル
ブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
等のエーテルアルコール類などがあげられる。 これ等の有機液体は一種もしくは二種以上の混合物を
用いることができる。なお、アルコール類、及びエーテ
ルアルコール類以外の有機液体で上述のアルコール類及
びエーテルアルコール類と併用することで、有機液体の
生成重合体粒子に対して溶解性を持たせない条件下で種
々SP値を変化させ、重合条件を変えて種粒子同士の合一
及び新粒子の発生を抑制することが可能である。これら
の併用する有機液体としては、ヘキサン、オクタン、石
油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の炭化水素類、四塩化炭素、トリクロルエチレ
ン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類、エ
チルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類、メチラール、ジエチ
ルアセタール等のアセタール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等
のケトン類、ギ酸ブチル、酢酸ブチル、プロビオン酸エ
チル、セロソルブアセテート等のエステル類、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸等の酸類、ニトロプロペン、ニトロベ
ンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリ
ジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等
の硫黄、窒素含有有機化合物類、その他水も含まれる。 上記、親水性有機液体を主体とした溶媒にSO4 2-、NO2
-、PO4 3-、Cl-、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、その他の無機質
イオンが存在した状態でも重合を行っても良い。 また、重合開始時と重合途中、重合末期とそれぞれ混
合溶媒の種類及び組成を変化させ生成する重合体粒子の
平均粒子径、粒子径分布、乾燥条件等を調節することが
できる。 種粒子製造時又は成長粒子の製造時の分散安定剤の適
当な例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α
−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコ
ン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マ
レイン酸等の酸類、あるいは水酸基を含有するアクリル
系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル
酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エ
ステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリ
ンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド等、ビニルア
ルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、例えば
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
プロピルエーテル等、又はビニルアルコールとカルボキ
シル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドある
いはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライ
ド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類、ビニ
ルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、
エチレンイミン等の窒素原子、またはその複素環を有す
るもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチ
レン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアル
キルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポ
リオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレ
ンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオ
キシエチレン等、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロ
ース類、または、上記親水性モノマーとスチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン等のベンゼン核を有す
るもの又はその誘導体又はアクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸もしくはメ
タクリル酸誘導体との共重合体、更に、架橋性モノマー
例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、
ジビニルベンゼン等との共重合体も使用可能である。 これらの高分子化合物分散剤は、使用する親水性有機
液体、目的とする重合体粒子の種及び種粒子の製造か成
長粒子の製造かにより適宜選択されようが、特に重合体
粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で重合体粒子表
面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機液体へ
の親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、立体的
に粒子同士の反発を高める為に、分子鎖がある程度の長
さのもの、好ましくは分子量が1万以上のものが選ばれ
る。しかしあまり分子量が高いと、液粘度の上昇が著る
しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の粒子表
面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要する。 また、先に挙げた高分子化合物分散剤の単量体を一部
目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させてお
くことも粒子の安定化には効果がある。 またこれら高分子化合物分散剤と併用して、コバル
ト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、スズ、鉛、マグ
ネシウム等の金属又はその合金(特に1μ以下が好まし
い)また酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化ケイ素等の酸化物の無機化合物微粉体、
カーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、
クロームイエロー、フタロシアニンブルー、ローズベン
ガル等の顔料、染料類、高級アルコール硫酸エステル
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンス
ルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤、
アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポ
リアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型
や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジ
メチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアン
モニウム塩、ピリジウム塩、アルキルイソキノリニウム
塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽
イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコー
ル誘導体等の非イオン界面活性剤。例えばアラニン型
[例えばドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オ
クチルアミノエチル)グリシン)]等のアミノ酸型やベ
タイン型の両性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒
子の安定化及び粒子径分布の改良を更に高めることがで
きる。 一般に種粒子製造時の高分子分散剤の使用量は目的と
する重合体粒子形成用の重合性単量体の種類によって異
なるが、親水性有機液体に対し、0.1重量%〜10重量%
さらに好ましくは1重量%〜5重量%が好ましい。高分
子分散安定剤の濃度が低い場合には生成する重合体粒子
は比較的大径のものが得られ、濃度の高い場合には小粒
子が得られるが、10重量%を越えて用いても小径化への
効果は少ない。 以上挙げた高分子分散安定剤、及び必要ならば無機微
粉末、染料、顔料、界面活性剤は種粒子の製造の際に必
要であるのは勿論であるが、成長反応の際に粒子同士の
合一を防ぐ目的で添加するビニル単量体溶液や種粒子分
散液に存在させて重合を行っても良い。 初期に生成する種粒子は親水性有機液体中と重合体粒
子表面に平衡を保って分配された高分子分散安定剤によ
って安定化されるが、未反応のビニル単量体が親水性有
機液体中にかなり存在する場合はいくぶん膨潤され粘着
性を持ち、高分子分散安定剤の立体的反発力にうち勝っ
て凝集してしまう。 さらに極端に親水性有機液体に対してビニル単量体の
量が多い場合は、生成する重合体が完全に溶解してしま
い重合がある程度進行しないと析出してこない。この場
合の析出の状態は粘着性の高い塊状物を形成する様式を
とる。 したがって種粒子を製造する時のビニル単量体の親水
性有機液体に対する量はおのずと制限されることにな
り、親水性有機液体の種類によって多少異るが、およそ
50重量%以下、好ましくは30重量%以下が適当である。 本発明において、ビニル系単量体とは、親水性有機液
体に溶解可能なものであり、例えばスチレン、0−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert
−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n
−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n
−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メ
トキシスチレン、n−フェニルスチレン、p−クロルス
チレン、3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル
酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メチクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸モノカル
ボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタク
リル酸誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニ
ル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル類などからなる
単独または相互の混合物及びこれらを50重量%以上含有
し、これらと共重合し得る単量体との相互の混合物を意
味する。 また本発明における重合体は、重合性の二重結合を二
個以上有するいわゆる架橋剤を存在させて重合し、架橋
重合としても良い。 好ましく用いられる架橋剤として、ジビニルベンゼ
ン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体である芳香
族ジビニル化合物、その他エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールメタクリレート、トリ
エチレングリコールメタクリレート、トリチールプロパ
ントリアクリレート、アリルメタクリルレート、tert−
ブチルアミノエチルメタクリレート、テトラエチレング
リコールメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタク
リレートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,N
−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスル
フィド、ジビニルスルホンなど全てのジビニル化合物及
び三個以上のビニル基を持つ化合物等が単独又は混合物
等で用いられる。 このように架橋された種粒子を用いて成長重合反応を
ひき続いて行った場合には、生成する重合体粒子の内部
が架橋されたものとなる。また一方で成長反応に用いる
ビニル単量体溶液に上述の架橋剤を含有させた場合には
粒子表面が硬化された重合体が得られる。 前記単量体の重合開始剤として用いるものは、例えば
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系重合開
始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシ
ド、tert−ブチルパーオクトエートなどの過酸化物系重
合開始剤、過硫酸カリウムの様な過硫化物系開始剤ある
いはこれにチオ硫酸ナトリウム、アミン等を併用した系
等が用いられる。 重合開始剤濃度はビニル単量体100重量部に対して0.1
〜10重量部が好ましい。 種粒子の重合条件は重合体粒子の目標、平均粒子径、
目標粒子径分布に合わせて、親水性有機液体中の高分子
分散剤及びビニル単量体の濃度及び配合比が決定され
る。 一般に種粒子の平均粒子径を小さくしようとするなら
ば、高分子分散剤の濃度を高く、また平均粒子径を大き
くしようとするならば、高分子分散剤の濃度が低く設定
される。 一方、粒子径分布を非常に鋭くしようとするならばビ
ニル単量体濃度を低く、また比較的広い分布でも良い場
合は、ビニル単量体濃度は高く設定されるが、一般的に
高分子分散安定剤の使用量に対し、50倍量を越えて用い
た場合は平均粒子径±25%内の粒子径を持つ粒子が重量
で90%以上の分布を持つものを得ることが難しく、種粒
子としては適さない。 種粒子の製造は親水性有機液体に、高分子分散安定剤
を完全に溶解した後、1種または2種以上のビニル単量
体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉末、界面活
性剤、染料、顔料等を添加し、30〜300rpmの通常の撹拌
にて好ましくはなるべく低速で、しかもパドル型よりも
タービン型の撹拌翼を用いて、槽内の流れが均一になる
ような速度で撹拌しながら用いた開始剤の分解速度に対
応した温度にて加熱し重合が行われる。なお、重合初期
の温度が生成する種粒子径に大きな影響を与える為、ビ
ニル単量体を添加した後に温度を重合温度まで上げた後
に開始剤を少量の溶媒に溶解して投入した方が望まし
い。 重合の際には窒素ガス、アルゴンガス等の不活性気体
にて反応容器内の空気中酸素を充分に追い出す必要があ
る。もし、酸素パージが不充分であると微粒子が発生し
易い。 重合を高重合率域で行うには5〜40時間の重合時間が
必要であるが、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合
を停止させたり、また重合開始剤を順次添加し、重合速
度を速めることができる。 本発明の種粒子の成長工程について以下に要点をあげ
ると 1)生成した種分散液を親水性溶媒にて希釈し所定の種
粒子濃度に調節する。必要であれば高分子分散安定剤、
界面活性剤、顔料等を加え設定した重合温度まで昇温
し、反応器内部の酸素を不活性ガスでパージする。重合
温度は成長反応に用いる単量体によって異るが一般に低
すぎると新しく発生する粒子が多くなり、高すぎると種
粒子同士の合一が著しい。 2)適当な濃度に希釈したビニル単量体と重合開始剤を
系のビニル単量体の濃度が高くなり過ぎない様に徐々に
加えていく。反応器内の撹拌は沈降を起こさない最低の
速度でゆるやかに行うのが好ましい。 ビニル単量体の濃度が低くなってくる重合後期は重合
温度を上げ、反応を完結させることが好ましい。 目的とする粒子の粒子径は添加するビニル単量体の量
により以下の式を用いて定量的に予測できる。 d1=d0{k(x−y)+1}1/3・α d0:種平均粒子径、 k:成長反応に使用したビニル単量体の種粒子量に対する
比、 x:重合率、 y:使用したビニル単量体のうち、新粒子発生に使用され
た割合、 α:種粒子同士の合一により平均粒子径増加(合一率)
に寄与した率(本発明の場合1〜1.10) d1:成長粒子平均粒子径 3)重合終了後は沈降分離、遠心分離、デカンテーショ
ン等の操作により不必要な微粒子、残存モノマー、高分
子安定剤などを除いた後に、重合体スラリーを回収、洗
浄し、濾過、噴霧乾燥等により球状の粒子径分布の整っ
た重合体粒子を粉末として得ることができる。 また成長反応を繰り返す事により更に均一な粒子径の
大径粒子を得ることができる。 以下、本発明の実施例について説明する。 [実施例1] 角度付ファンタービン(4枚羽根)の撹拌翼、冷却器
ガス導入管を取りつけた四ツ口フラスコにモレキュラシ
ーブ5Aにて乾燥したメタノール100重量部を入れ、ポリ
ビニルピロリドン(平均分子量Mn=4万)3.0重量部を
少量ずつ撹拌しながら添加し、完全に溶解させた。さら
にスチレン20重量部、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル0.13重量部添加し、完全に溶解させ透明溶液とし
た。撹拌しながらフラスコ内を乾燥アルゴンガスでパー
ジし、少量フローしながら1時間放置した。 60.0±0.1℃の恒温水槽中で50rpmの撹拌速度で撹拌し
ながら重合を開始した。加熱後15分すると液は白濁し始
めた。重合開始より6時間後には重合率が55%に達して
いる事をエチルベンゼンの内部標準としたガスクロマト
グラフィーにより確認した。 また、この時の液を少量サンプリングし、遠心沈降に
より残存モノマー及びポリビニルピロリドンを除き、コ
ールターカウンターにより粒子径及び粒子径分布を解析
したところ、体積平均粒子径dv=4.8μm個数平均粒子
径dn=4.6μmであった。この時の内部の温度を60℃に
保ちながらスチレン25重量部、2,2′アゾビスイソブチ
ロニトリル0.25重量部、メタノール60重量部の混合溶液
を3時間かけて満たした。添加後液の白濁は薄くなった
が、分散液として均一に保持され、そのまま30時間重合
を行った。重合率は95%に達していることをガスクロマ
トグラフィーにより確認した。 得られた分散液を冷却し遠心分離機にて1000rpmで10
分間遠心分離すると重合体粒子は完全に沈降し上部の液
はわずかに白濁していた。上澄液を除き新たにメタノー
ル100重量部を加え1時間撹拌洗浄した。遠心分離し、
メタノールで洗浄する操作をもう一度くり返し、最後に
水で洗浄し1μmのミクロフィルターにて濾過を行っ
た。濾液は透明であり、1μm以下の粒子は全くないこ
とが確認された。濾別したものは1昼夜風乾し、24時間
50℃にて減圧乾燥し92%の収率で白色粉末の重合体粒子
を得た。(収率は得られた粒子の重量を仕込んだすべて
のビニル単量体で割った値である。一方上澄液の方は高
速で遠心分離し、微粒子と残存するモノマー及びポリビ
ニルピロリドンを分離定量した。) 光学顕微鏡による観察では粒子は完全な球状であり透
明性の高いものであった。100μmのアパーチャーチュ
ーブを用いたコールターカウンターによる分析では体積
平均粒子径dv=8.0μm、個数平均粒子径dn=7.5μm dv
/dn=1.07と非常に分布の狭いものであった。ビニル単
量体追加前の粒子径と重合率からビニル単量体を追加し
なかった場合に完全に反応を進行させたとして推定され
る粒子径dv=5.9μmよりも大きくなっており粒子が確
かに成長していることを確認した。また成長反応に加わ
らず新たに発生した微粒子は追加したスチレンの1.0%
であった。したがって予想される成長後のdvは7.6μm
であり (dv=5.9×{0.95−0.01)・25/20+1}1/3 =7.64)、 実際に成長した粒子との比はα=8.0/7.6=1.05であ
る。 [実施例2] 実施例1と同様な重合装置にモノキュラシーブ5Aで乾
燥したメタノール320重量部、エタノール80重量部を入
れ、ポリアクリル酸(分子量Mn=25万)15重量部を少量
ずつ撹拌しながら添加、完全に溶解させた。さらにメチ
ルトリオクチルアンモニウムクロライド3重量部、疎水
性コロイダルシリカ1.5重量部加えた。メタクリル酸メ
チル(MMA)100重量部、2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル(AIBN)1.2重量部加え、撹拌しながらフラスコ
内を乾燥アルゴンガスでパージし少量フローしながら1
時間放置した。60.0±0.1℃の恒温水槽中で100rpmで撹
拌しながら重合を開始した。加熱後20分してから液は白
濁が強くなり始めた。 重合開始後8時間してからメタノール1200重量部、メ
タクリル酸メチル300重量部、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル3.6重量部の混合溶液を6時間かけて滴下
し、その後20時間重合を行った。ガスクロマトグラフィ
ーによる分析ではモノマー追加前の重合率は62%、最終
重合率は95%であった。 得られた分散液は安定でフラスコ、撹拌翼等への付着
物も全くなく37μmのフィルターをすべて通過し残渣は
なかった。 実施例1と同様に遠心分離、メタノール洗浄撹拌をく
り返し最後に水で洗浄し1μmのミクロフィルターにて
濾過を行ったところ濾液は透明で1μm以下の微細粒子
のないことが確認された。 濾別したものは1夜風乾し24時間50℃にて減圧乾燥
し、94%の収率でポリメタクリル酸メチルの重合体粉末
を得た。光学顕微鏡による観察では粒子は球状を呈し透
明性の非常に高いものであった。100μmのアパチャー
チューブを用いたコールターカウンターによる分析では
dv=10.1μm、dn=9.4μm、dv/dn=1.07と分布の狭い
ものであった。MMA追加前のdv=5.3μm、dn=5.1μ
m、dv/dn=1.04であり、モノマーを追加しない場合の
予想最終粒径dv=6.2μmをはるかに上回るものであ
り、その粒子径分布がほとんど広がっていない事から粒
子の成長反応が進行したことが伺える。 また成長反応に加わらず新たに発生した微粒子は上澄
を高速で遠心沈降して分離、定量した結果追加したMMA
の3.0%であった。従って予想される成長後のdvは9.6μ
mであり、実際に成長した粒子との比(合一率)はα=
1.06である。 [比較例1] 実施例1と同様な重合装置を用いて重合反応を行っ
た。但し種粒子重合反応と成長重合反応に用いた材料を
一度に仕込んだ。すなわちメタノール160重量部にポリ
ビニルピロリドン3重量部を溶解し、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.19重量部を溶解したスチレンモノ
マー45重量部を添加し実施例1と同様に重合を行った。
30時間後冷却洗浄を行い白色粉末を得た。コールターカ
ウンターによる分析ではdv=13.2μm、dn=7.5μm、d
v/dn=1.76μmと粒子径分布の広いものであった。 [比較例2] 実施例2と同様な重合装置を用いて実施例2と同様に
種粒子重合、引き続きモノマー追加重合を行った。但し
重合開始から8時間後にメタクリル酸メチルをメタノー
ルで希釈せずに一時に添加した。そのまま20時間重合を
行いメタノール洗浄、水洗浄の後に乾燥して粒子を得
た。 MMA追加前の粒子径はdv=5.0μm、dn=4.8μm、dv/
dn=1.04であったが(この時の重合率61%)、得られた
粒子は54%の収率でdv=17.5μm、dn=7.2μm、dv/dn
=2.57と分布の広いものであった。 またポリメタクリル酸メチル粉末の他に塊状重合物が
全仕込MMAに対し約30%発生した。予想体積平均粒子径
は9.6μmであり、実際に生成した粒子との比は1.82で
ある。 [実施例3〜8] (種粒子の製造例) 表1に示した重合条件にて実施例1と同様に種粒子を
製造した。但し重合率が95%以上になるまで反応を行い
冷却して重合体粒子の分散液を得た。反応の開始はあら
かじめビニル単量体及び高分子分散液を溶解した溶液を
重合温度まで加熱しておき、少量(全溶媒の5%)の溶
媒に溶解した重合開始剤を投入する操作によった。重合
条件を第1表に示す。 得られた重合体分散液の粒子径を遠心沈降洗浄してコ
ールターカウンターにより求めた。この結果を第2表に
示す。 (成長粒子の製造例) 先に製造した種粒子分散液一部を溶剤にて希釈し、高
分子分散安定剤を追加溶解させた。反応器内の酸素をア
ルゴンにてパージして、酸素濃度0.1vol%以下となった
ところで昇温を開始した。所定の重合温度となったとこ
ろで撹拌しながらビニル単量体、重合開始剤を溶解した
溶液を滴下した。滴下が完了したところで、さらに加熱
を続け重合率が90%以上となったところ冷却、分散液を
得た。 得られた分散液を静置沈降により沈降させ未反応ビニ
ル単量体、分散安定剤及び微粒子を除去した。上澄に含
まれる微粒子は遠心沈降により分離、乾燥、定量した。 重合条件を第3表に示す。 実施例9 実施例4で製造した粒子(乾燥品粉末) 5 重量部 メタノール 100 重量部 PEO(明成化学R−400) 4.0重量部 リン酸三カルシウム 1.0重量部 以上を混合し40℃に加熱撹拌しPEOを溶解した。 この混合物を種粒子分散液として実施例3−8と同様
に成長重合反応を行った。滴下したビニル単量体溶液は
以下の組成である。 MMA 71.4 重量部 エチレングリコールジメタクリレート 3.6 重量部 AIBN 1.84重量部 メタノール 250 重量部 尚、滴下は定量ポンプを用い5時間で行い滴下中の内
温は58℃、また滴下後20時間58℃でその後64℃で5時間
重合を行った。 得られた分散液は沈降分離、デカンテーションを繰り
返すことにより粒子を回収し、最後に希塩酸及び蒸溜水
で洗浄し、乾燥して粉末を得た。粒子は透明、完全真球
であった。 粒子収率は91%、新粒子発生率は2.5%、重合率は93
%であった。得られた粒子を200μmのアパーチャーチ
ューブを用いてコールターカウンターで分析したとこ
ろ、体積平均粒子径dv=39.6μm、個数平均粒子径dn=
37.7μm、比dv/dn=1.051であった。これを予想体積平
均粒子径と比較すると、 であり合一率のα=39.6/38.0=1.042であった。 [効 果」 以上説明したことから明らかなように、本発明の構成
によれば、簡易な方法により再現性よく粒子径分布の狭
い重合体粒子を製造することができるという顕著な効果
を奏するものである。 そして、このような粒子径のそろった重合体粒子は液
晶ディスプレイ、電子写真用液体現像剤等におけるエレ
クトロニクス用スペーサー、光ファイバー、光回路にお
ける光分岐、接合回路、光多重、分波回路、光スイッ
チ、光変調器、光非相反回路、光コネク用ディバイスと
してのマイクロ球レンズ、発光ダイオード用集光レン
ズ、化粧品用充填剤、粉体潤滑剤、自動車用ワックス、
ラテックス凝集反応による抗原、抗体検出用等の機能性
表面活性ミクロスフィア、高性能波体クロマト分離カラ
ム用充填剤、乾式電子写真現像剤用樹脂材料など応用範
囲の広い有用な材料である。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例2における体積及び個数平均粒子径の経
時変化を表す図、第2図は比較例2における体積及び個
数平均粒子径の経時変化を表す図、第3図−aは種粒子
cの体積分布を表す図、第3図−bは種粒子cの個数分
布を表す図、第4図−aは実施例8で得られた成長後の
重合体粒子の体積分布を表す図、第4図−bは同じく個
数分布を示す図、第5図は種粒子Bの粒子構造を表す顕
微鏡写真、第6図は実施例5で得られた成長後の重合体
粒子構造を表す顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 春義 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭61−18966(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.親水性有機液体に該親水性有機液体に溶解する高分
    子分散剤を加え、これに該親水性有機液体には溶解する
    が、生成する重合体は該親水性有機液体にて膨潤される
    か、ほとんど溶解しない1種又は2種以上のビニル単量
    体を加えて種粒子を重合する工程後又は途中で、種粒子
    分散液に該親水性有機液体と同一又は他の親水性有機液
    体にて希釈した前記ビニル単量体を前記重合系に加えて
    種粒子を成長させる工程からなる粒子径分布の狭い重合
    体粒子の製造方法。
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