JP2658526B2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、窓、壁などに据付けられる一体型空気調和
機に複数の室内ユニットが接続可能な空気調和機に関す
る。

従来の技術 従来、複数の部屋を空気調整すべき空気調和機は、第
12図に示す如く構成されていた。

すなわち同図において、91は室外ユニット、92,93は
室内ユニット、94,95は前記ユニット92,93と室外ユニッ
トを接続する冷媒配管、および接続配管をモールドした
接続管体である。前記室外ユニット91は、壁に開けた管
穴を通して導かれる接続冷媒配管で接続され、ベラン
ダ、あるいは室外の床の上に配置される。この構成は、
いわゆる分離型マルチ空気調和機である。

また、米国特許第4641503号明細書には、第９図，第1
0図に示す構成の空気調和機が示されている。同図にお
いて、81は本体で、筒状の外箱82と、基板83上に載置さ
れた圧縮機84、熱源側熱交換器（図示せず）と送風機85
を具備した熱源側ユニット86、前記圧縮機84、熱源側ユ
ニット86、前記圧縮機84、熱源側ユニット86を遮蔽する
仕切板87、さらに複数の室内ユニット88,89との接続部
a,b,c,d,e,f,g,hおよび、電気制御回路が内蔵された電
装箱70が設けられている。71a,71b,72a,72bはそれぞれ
前記本体81と室内ユニット88,89に設けられた接続部で
あり73,74,75,76はそれぞれ接続部ａと72a、接続部ｂと
72b、接続部ｃと71a、接続部ｄと71bを接続する配管
で、前記外箱82に設けられた切欠き77を貫通している。
そして前記本体81は第10図に示すゾーン78に、室内の壁
あるいは、窓が位置するように取り付けられ、室内ユニ
ット88,89は室内の壁面に取り付けられる。

また従来の一体型多室空気調和機は第11図に示す如く
構成されていた。

同図において、60は一体側空気調和機本体で基板に室
内側、室外側を仕切る仕切板を設け、圧縮機、室外側熱
交換器（図示せず）、室内側熱交換器64による周知の冷
凍サイクルを構成し、室内側ファン、室外側ファンを駆
動するファンモータが取り付けられている周知の一体型
空気調和機において、多室型空気調和機は、前記一体型
空気調和機本体右側面に別途設けた室内ユニットを接続
可能とする高低圧配管接続部を68a,68bを正面より直角
方向に取り付けられさらに、前記高低圧配管接続部を覆
うカバー51が正面より前面グリル63の右側に正面より取
り付けられている。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、第12図に示す従来の構成は、室外ユニ
ット91の設置場所を必要とするため、特に高層住宅にお
いては、設置場所となるベランダを必要とする。したが
って設置の制約条件が限られ、ベランダがない高層住宅
には据付けできないことになる。また第９図、第10図に
示す構成は、本体81を壁を貫通して、あるいは窓を貫通
して配置できるため、先の課題は解決できるものの、室
内に突出した本体81には、その室内の空調する機能がな
く、いずれか一方の室内ユニット88を並設しなければな
らない、このことは、室内の空調を行うために本体81を
突出させる工事と、室内ユニット88を取り付ける工事が
必要となり、工事が大がかりとなる、また本体81は単に
室内へ突出し、その室内の空調を行わないため、室内の
美観を損うマイナス要因が強いものである。

また第11図に示す多室型空気調和機においては、高圧
側配管接続部、低圧側配管接続部の弁開閉部が本体正面
より直角方向となり、据付終了時の弁開閉が非常にやり
にくいものである。さらに前記高低圧接続部68a,bを覆
うカバー51が必要となり、前面グリル63との調和も悪く
室内の美観を損うものである。

さらに51のカバー取付部52まで室内側へ突出すゾーン
52の部まで必要となりしたがって工事性，サービス性も
時間がかかるという問題点を有していた。

本発明は、上記従来の課題に鑑み、多室型の空気調和
機を構成するすべてのユニットすなわち本体と室内ユニ
ットに、室内を空調する機能をもたせ、ユニットの設置
場所の制約条件を緩和しつつ複数の室内が合理的に空調
できるようにすること、さらに美観性，据付工事性を向
上させることを目的とするものである。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するための本発明の手段は、室内の空
調を行い、かつ冷凍サイクルシステム，送風装置を具備
した一体型空気調和機において、この冷凍サイクルに、
他室を空調するために別途設けた室内ユニットと接続を
可能とする配管接続部を前記一体型空気調和機の右側面
の正面より平行、すなわち配管接続部の弁開閉が正面よ
り行える位置に取付け、さらに前記配管接続部下部には
露処理用水受皿が配設されているものである。

また本発明の前面グリルにおいては前記配管接続部を
一体にて覆う前面グリルによって構成したものである。

さらに、本発明の他の手段は、室内の空調を行い、か
つ冷凍サイクルシステムと前記送風装置を具備した一体
型空気調和機の冷凍サイクルシステムに、他室に設けら
れた室内ユニットの配管を分岐して設け、さらに前記冷
凍サイクルと分岐路にそれぞれ開閉弁を設けたものであ
る。

作用 上記手段により、室内に設置した一体型空気調和機に
て室内の空調が行え、また室内側への送風を停止するこ
とはもちろん、必要に応じて他室を空調する室内ユニッ
トとの接続が任意に行える。さらに据付工事の際、前記
配管接続部が正面にあり、弁の開閉動作が非常に簡単に
行える。また、前記配管接続部が一体型空気調和機本体
の前面グリルと一体で覆うことが出来、他部品のカバー
を必要としない、部品点数を減らすことが出来るもので
ある。

実施例 以下、本発明の実施例について添付図面の第１図〜第
８図を参考に説明する。

まず、第１図により、全体の概略システム構成につい
て説明する。

同図において、A,Bはそれぞれ異なる室内に取付けら
れる室内ユニット、Ｃは一体型空気調和機で、この一体
型空気調和機Ｃの冷凍サイクルには、前記室内ユニット
A,Bの冷媒配管5,6が分岐して接続されている。次に、第
１図を含め、第２図〜第７図により上記一体型空気調和
機Ｃの具体的な構造について説明する。同図において１
は一体型空気調和機本体で、筒状の外箱1aと２の外箱1a
内に収納された基板1bより構成され、前記外箱1aの側面
には、室外側吸込口1cが形成され、また外箱1aの背面に
は、室外側吹出口（背面開口）1dがそれぞれ設けられて
いる。前記1bの上には、一体形空気調和機の内部を、室
外側と室内側に仕切る仕切板1eが設けられている。

前記室外側には、圧縮希14、室外側熱交換器12、前記
室外側吸込口1cから室外側吹出口1dへの室外側通風回路
を構成するプロペラファン11、このプロペラファン11の
エアガイダ13、前記プロペラファン11を駆動するファン
モータ15が、前記仕切板1eに取付け金具15aを介して設
けられる。

また前記室内側には、主室内側熱交換器３、前記ファ
ンモータ15によって駆動される遠心ファン10が設けら
れ、これらは前記仕切板1e、天板10a等とともに室内側
通風回路を構成している。４は前記室内側通風回路の吹
出部4a側に設けられた左右風向変更羽根である。７は前
記仕切板1eにおける吹出部側面位置に設けられた配管接
続部で、高圧側配管接続部7aと低圧側配管接続部7bの対
が２組設けられている。９は前記室内側の吹出部4a下部
に設けられた電装箱で、一体型空気調和機Ｃおよび複数
の室内ユニットA,Bを接続した場合の運転制御を行う電
気回路部品が収納されている。9aは前記室内ユニットＡ
・Ｂの電源となるコネクタｙで、電線が接続される。ま
た、室内ユニットA,Bは、周知の分離型空気調和機の室
内ユニットの構成でよく、第４図に示すように前面に吸
込口Ｄと吹出口Ｅが設けられ、内部に熱交換器16と送風
機17が設けられている。

２は前記室内側に着脱可能に設けられた前面グリル
で、第５図及び第６図に示すように前記主室内側熱交換
器３と対向する室内側吸込口2aと前記吹出口4aに対向す
る室内側吹出口2bが設けられている。そしてこの室内側
吹出口2bには、上下風向変更羽根2Cが設けられている。
また前記前面グリル２は一体型空気調和機本体Ｃの前面
全体をおおい第６図の27部のゾーンをも一体成型したも
ので、高圧側配管接続部7aと低圧側配管接続部7bを、さ
らに下部に露処理用水受皿26をおおうものである。露は
水受皿26に受けられ室外側へ流れ処理される。

次に、第７図により第１図のに示すシステム構成の冷
凍サイクルについて説明する。ここで、第１図〜第６図
と同じものについては同じ符号を付して説明する。一体
型空気調和機Ｃの主冷凍サイクルは、圧縮機14、室外側
熱交換機12、主開閉弁18、主減圧器22、主室内側熱交換
器３、アキュームレータ32を環状に連結することにより
構成される。そして室内ユニットA,Bの各分岐回路は、
高圧側は、室外側熱交換器12と主開閉弁18の間と高圧側
接続具7aを補助開閉弁19・20と補助減圧器23,24,25を介
して接続することにより構成され、低圧側は、主室内側
熱交換器と圧縮機14の間と、低圧側接続具7bを接続する
ことにより構成される。そしてプロペラファン11、遠心
ファン10が同図の如く位置する。さらに補助減圧器23,2
4の後に補助減圧器25が連結されている。

また、室内ユニットＡ・Ｂは熱交換器16を配管5,6を
介して前記高圧側接続部7a、低圧側接続部7bと接続する
ことにより、主冷凍サイクルとともに冷凍サイクルを構
成している。なお、17aは送風機17を駆動するファンモ
ータを示す。

上記一体型空気調和機Ｃ、室内ユニットA,Bの設置側
を第８図に示す。この設置例では、一体型空気調和機Ｃ
を居間等のＣ室に室内ユニットＡを、寝室等のＡ室に、
室内ユニットＢを子供部屋等のＢ室に設置している。

上記構成において、Ｃ室を冷房する場合は、主開閉弁
18を開き、補助開閉弁19,20を閉じ、圧縮機14を運転す
る。したがって、冷媒は、圧縮機14、室外側熱交換器1
2、主開閉弁18、アキュームレータ32、圧縮機14を循環
し、Ｃ室の冷房が可能となる。また、Ａ室,B室を同時に
冷房する場合は、主開閉弁18を閉じ、補助開閉弁19,20
を開放し、圧縮機14を運転する。したがって冷媒は、圧
縮機14、室外側熱交換器12と流れ、分岐部で補助減圧機
23,24、補助開閉弁19,20と分流し、それぞれ室内ユニッ
トA,Bの熱交換器16を流れ、アキュームレータ32、圧縮
機14と循環し、Ａ室,B室の冷房が可能となる。冷房を行
うＡ〜Ｃ室の組み合わせは、上記の場合に限るものでは
なく、主開閉弁18、補助開閉弁19,20の開閉の組合せで
任意に得られることは言うまでもない。

したがって、一体型空気調和機Ｃを、室内ユニットA,
Bを接続することなく単独で使用すれば、従来と同様の
空調が行え、そしてこの一体型空気調和機Ｃの配管接続
部７に必要台数の室内ユニットA,Bを接続することによ
る室内の空調はもちろんとこと、他室の空調も行える。

なお、本実施例においては冷房の場合について説明し
たが、冷暖房可能なヒートポンプ式一体型空気調和機12
においても同様に実施でき、本発明を要旨を脱するもの
ではない。

また、接続付加できる室内ユニットの数についても、
設計上許容できる数に増減できるものである。

次に一体型空気調和機Ｃの右側面に配設される高低圧
配管接続具7a,7bであるが、弁の開閉動作部が本体正面
より行える位置で配設され従来例（第11図に示す）の様
に右側面方向ではない。

また前面グリル２は一体型空気調和機前面全体をおお
い、着脱可能にしておる。したがって一体型空気調和機
本体の据付の際には、室内に突出すゾーンは第５図に示
す如く28のゾーンまでであり、室内の美観、工事性、サ
ービス性がよいものである。

発明の効果 上記実施例より明らかなように、本発明の一体型空気
調和機は、必要に応じて別途室内ユニットのみ増設する
ことにより、他室も空調できるものである。したがって
増設に要するスペースが室内ユニットを取付けるスペー
スだけとなり、増設にともなう設置条件も緩和される。
また、本発明の多室型空気調和機は、一体型空気調和機
の主冷凍サイクルに、別途室内ユニットの冷凍サイクル
を分岐接続した構成であるため、分離型空気調和機のよ
うに、室外ユニットの設置場所を必要とせず、またこの
一体型空気調和機が室外ユニットの機能を兼ねているた
め、多室型空気調和機において合理的な設置となり、設
置する家置の制約条件を緩和することができる。

また本発明の一体型空気調和機は、室内側前面グリル
が、本体正面全部をおおい、着脱可能に構成され、本体
右側には、配管接続具が正面方向に向いて配設され、配
管接続具の弁開閉動作が正面方向、前面グリルをはずす
ことにより可能となり、さらに水受皿が下部に配設され
ている為、容易に室外に処理されているものである。

したがって室内側へは前面グリル部の厚さより少々の
突出して据付けられ、かつサービス性、据付工事性が容
易となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例における空気調和機を多室
型とした場合の概略システム構成図、第２図，第３図は
それぞれ同空気調和機の一部切欠斜視図，第４図は同多
室型空気調和機に使用する室内ユニットの断面図、第５
図は同空気調和機の外観図、第６図は同空気調和機の正
面図、第７図は同多室型空気調和機の冷凍サイクル図、
第８図は同多室型空気調和機の設置例を示す室内レイア
ウト図、第９図は従来例を示す多室型空調和機のシステ
ム構成図、第10図は同一部切欠斜視図、第11図は異なる
従来例を示す一体型空気調和機の一部切欠分解斜視図、
第12図はさらに異なる従来例を示す多室型空気調和機の
構成図である。 Ａ……室内ユニット、Ｂ……室内ユニット、Ｃ……一体
型空気調和機、１……一体型空気調和機、1a……外箱、
1b……基板、1c……室外側吸込口、1d……室外側吹出
口、1e……仕切板、2a……室内側吸込口、2b……室内側
吹出口、３……主室内側熱交換器、5,6……冷媒配管、
７……配管接続具、7a……高圧側接続具、7b……低圧側
接続具、10……遠心ファン、11……プロペラファン、12
……室外側熱交換器、14……圧縮機、16……熱交換器、
17……送風機、18……主開閉弁、19,20……補助開閉
弁、22……主減圧器、23,24,25……補助減圧器、26……
水受皿。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状に形成された外箱およびこの外箱内に
   引出し可能に収納された基板によって空気調和機本体を
   構成し、前記基板に、この空気調和機本体内を、室内側
   と室外側に仕切る仕切板を設け、前記室外側に、圧縮
   機、室外側熱交換器、室外側ファン、この室外側ファン
   を駆動する室外側ファンモータ、および室外側に開口す
   る室外側吸込口と室外側吹出口を配設するとともに、前
   記室外側通風回路を設け、また前記室内側に、主室内側
   熱交換機、室外側ファンモータに取り付けられた室内側
   ファンが前記ファンモータによって駆動され、室内側に
   開口する室内側吸込口と室内側吹出口を配設するととも
   に、前記主室内側熱交換機、室内側ファンを内蔵した室
   内側通風回路を設け、さらに前記圧縮機、室外側熱交換
   器、主減圧器、主室内側熱交換器を、順次環状に連結し
   た主冷凍サイクルを有する一体型空気調和機において、
   前記主冷凍サイクルに、この冷凍サイクル内の冷媒が分
   流すると分岐回路を設け、この分岐回路を、一端が前記
   室外側熱交換機と前記主減圧器の間に接続され、他端に
   高圧側配管接続具を設けた高圧側分岐管と、一端が前記
   室内側熱交換器および前記圧縮機の間に接続され、他端
   に低圧側配管接続具を設けた低圧側分岐管とより構成
   し、さらに前記主冷凍サイクルにおける前記主減圧器と
   高圧側分岐管分岐点の間に主開閉弁を設け、また前記高
   圧側分岐管に、補助開閉弁と補助減圧器からなる直列回
   路を設けた空気調和機において、前記高圧側配管接続
   具、および低圧側配管接続具を一体型本体の側面、さら
   に前記接続具の弁開閉動作を一体型本体正面より可能に
   する様に取り付け、また、前記高圧側および低圧側配管
   接続具の下部に露処理のための水受皿を配設したことを
   特徴とする空気調和機。
2. 【請求項２】仕切板により、内部が室外側と室内側に仕
   切られた一体型空気調和機において、前記室外側に、圧
   縮機、室外側熱交換器、室外側ファン、室内側ファンを
   駆動するファンモータ、および室外側に開口する室外側
   吸込口と室外側吹出口を配設するとともに、前記室外側
   熱交換器、室外側ファンを内蔵した室外側通風回路を設
   け、また前記室内側に、主室内側熱交換器、室内側ファ
   ンおよび、室内側に開口する室内側吸込口と室内側吹出
   口を配設するとともに、前記主室内側熱交換器、室内側
   ファンを内蔵した室内側通風回路を設け、さらに前記圧
   縮機、室外側熱交換器、主減圧器、主室内側熱交換器を
   従次環状に連結した主冷凍サイクルを有する主空気調和
   機を構成し、さらに前記主空気調和機と独立した室内ユ
   ニットを設け、この室内ユニットを吸込口と吹出口を有
   する本体と、この本体内に設けられかつ前記吸込口と吹
   出口に連通した通風回路と、この通風回路内に設けられ
   た熱交換器および送風機より構成し、前記熱交換器の一
   端を、減圧器を有する高圧側配管を介して前記室外側熱
   交換器と主減圧器の間に接続し、多端を低圧側配管を介
   して前記室内側熱交換器と圧縮機の間に接続した多室型
   空気調和機における一体型空気調和機において、高圧側
   配管接続具および低圧側配管接続具を覆いかつ前記一体
   型空気調和機の吹出口と吸込口を兼ね備えた前面グリル
   を着脱可能に設けた請求項１記載の空気調和機。