JP2651973B2 - 流体封入式筒型マウント - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、内部に封入された流体の流動作
用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式筒型
マウントに係り、特に自動車用エンジンマウントやサス
ペンションブッシュ等として好適に用いられる流体封入
式筒型マウントの構造に関するものである。

【０００２】

【背景技術】従来から、防振連結乃至は支持装置の一種
として、互いに径方向に所定距離を隔てて配された内筒
金具と外筒金具とが、それらの間に介装されたゴム弾性
体にて連結されてなる構造を有し、主として、内外筒金
具間に入力される径方向振動に対して防振効果を発揮し
得る筒型マウントが知られている。また、その防振特性
を向上するために、内筒金具と外筒金具との間に流体室
を形成することにより、封入流体の流動作用（共振作
用、ずり剪断作用、流動抵抗等を含む）に基づいて発揮
される防振効果を利用するようにした流体封入式の筒型
マウントも、種々提案されている。

【０００３】ところで、かくの如き流体封入式筒型マウ
ントにおいては、流体室への流体注入を容易とし、且つ
充分な流体密性を得るために、一般に、特公昭６３−３
７６３号公報や特開昭６２−１９６４３４号公報等に開
示されている如く、内筒金具と、その外側に所定距離を
隔てて配された金属スリーブとを、それらの間に介装さ
れたゴム弾性体にて連結すると共に、それら内筒金具と
金属スリーブとの間に、外周面上に開口するポケット部
を形成し、そして、金属スリーブに対して外筒金具を外
嵌固定することにより、かかるポケット部の開口を、流
体密に覆蓋せしめて流体室とする構造が、採用されてい
る。

【０００４】また、このような流体封入式筒型マウント
では、充分な荷重特性および耐久性を得るために、流体
室のマウント軸方向両側壁部を構成するゴム弾性体を、
マウント軸方向に厚肉とすることが望ましい。ところ
が、かかるゴム弾性体の外周縁部を余り厚肉化すると、
振動荷重入力時に膨出変形せしめられた際に、かかるゴ
ム弾性体が金属スリーブの軸方向端面から軸方向外方に
はみ出してしまい、金属スリーブのエッジ部の当接によ
って亀裂等が発生し易くなるという不具合がある。

【０００５】そこで、従来では、前記公報にも示されて
いるように、一般に、ゴム弾性体の径方向外周縁部を軸
方向に薄肉化することにより、かかるゴム弾性体の外周
縁部の軸方向外側面を、金属スリーブの軸方向端面より
所定寸法だけ軸方向内方に位置せしめて、荷重入力時に
膨出変形させられた際にも、ゴム弾性体が金属スリーブ
の軸方向端面からはみ出さないようにしている。

【０００６】しかしながら、ゴム弾性体の外周縁部に
は、外周面に固着された金属スリーブによって変形が規
制されること等に起因して、荷重入力時にかなり大きな
内部応力が発生することから、上述の如く、ゴム弾性体
の外周縁部を薄肉化すると、かかる発生応力が、薄肉化
されたゴム弾性体の外周縁部に集中的に作用することと
なる。そして、そのために、薄肉化されたゴム弾性体の
外周縁部に亀裂等が発生し易く、充分な耐久性が確保さ
れ難いといった問題を内在していたのである。

【０００７】

【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、流体封入式筒型マウントにおけるゴム弾性
体の外周縁部に集中する応力を緩和し、以て、ゴム弾性
体、延いてはマウントの耐久性を向上せしめることにあ
る。

【０００８】

【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、内筒金具と、その外側に所
定距離を隔てて配された金属スリーブとを、それらの間
に介装されたゴム弾性体にて連結すると共に、かかる金
属スリーブに外筒金具を外嵌固定して、該内筒金具と該
金属スリーブとの間に形成された外周面に開口するポケ
ット部を覆蓋することにより、前記内筒金具と前記外筒
金具との間に流体室を形成してなる流体封入式筒型マウ
ントにおいて、前記流体室におけるマウント軸方向両側
壁部を構成する前記ゴム弾性体の外周縁部を、該マウン
ト軸方向両側壁部の周方向全長に亘って、マウント軸方
向外側面がマウント軸直角方向に広がり、前記金属スリ
ーブの内周面に沿って所定幅で周方向に延びる帯状面と
された厚肉部と成すと共に、かかる厚肉部における帯状
面の内周側端縁部に連接してマウント軸方向断面で湾曲
凹面形状をもって凹んだ凹部を、前記マウント軸方向両
側壁部の帯状面の内周側に沿って、該マウント軸方向両
側壁部の周方向全体に亘って連続して設けることによ
り、かかる厚肉部に隣接する内周側部分を、該マウント
軸方向両側壁部で最も薄肉としたことにある。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。

【００１０】先ず、図１乃至図３には、本発明の一実施
例としてのＦＦ型自動車用エンジンマウントが示されて
いる。これらの図において、１０および１２は、内筒金
具および外筒金具であって、互いに径方向に所定距離を
隔てて配されていると共に、それらの間に介装されたゴ
ム弾性体１４により、互いに連結されている。そして、
かかるエンジンマウントは、それら内筒金具１０および
外筒金具１２が、それぞれ、車体側およびパワーユニッ
ト側の各一方に取り付けられることにより、車両に装着
されることとなり、以て、パワーユニットを車体に対し
て防振支持せしめる。なお、かかる装着時には、パワー
ユニット重量および振動荷重が、主として、図２中の上
下方向に相当する径方向一方向に入力されることとな
り、且つパワーユニット重量によってゴム弾性体１４が
弾性変形せしめられることにより、内外筒金具１０，１
２が略同心的に位置せしめられることとなる。

【００１１】より詳細には、内筒金具１０は、厚肉の円
筒形状を呈している。また、この内筒金具１０の軸方向
中央部分には、略円形ロッド状の支持金具１６と、略溝
形状のストッパ金具１８とが、径方向一方向に対向する
両側外方に向ってそれぞれ突出する状態で、溶接等によ
り固着されている。

【００１２】また、内筒金具１０の径方向外方には、所
定距離を隔てて、金属スリーブ２０が配設されている。
なお、この金属スリーブ２０は、内筒金具１０に対し
て、前記支持金具１６とストッパ金具１８とが対向位置
する径方向において、該支持金具１６側において離隔
し、ストッパ金具１８側において近接する方向に、所定
量だけ偏心して配されている。

【００１３】そして、これら内筒金具１０と金属スリー
ブ２０との間に、ゴム弾性体１４が介装されており、こ
のゴム弾性体１４にて、それら両金具１０，２０が、互
いに弾性的に連結されている。即ち、かかるゴム弾性体
１４は、内筒金具１０と金属スリーブ２０とを備えた一
体加硫成形品として形成されているのである。

【００１４】また、かかる一体加硫成形品を構成する金
属スリーブ２０は、軸方向中央部分に比して軸方向両端
部がそれぞれ所定幅に亘って大径とされた、小径部２２
と大径部２４，２４とから成る段付円筒形状をもって形
成されている。そして、その小径部２２の外周面上に
は、シールゴム層２６が、ゴム弾性体１４と一体的に形
成されている。

【００１５】さらに、この金属スリーブ２０には、内筒
金具１０との偏心方向一方の側に第一の窓部２８が、偏
心方向他方の側に第二の窓部３０が、それぞれ形成され
ている。更に、ゴム弾性体１４には、かかる金属スリー
ブ２０に設けられた第一及び第二の窓部２８，３０に対
応する部位において、第一のポケット部３２および第二
のポケット部３４が形成されている。そして、これら第
一のポケット部３２および第二のポケット部３４は、第
一の窓部２８および第二の窓部３０を通じて、外周面に
開口せしめられている。

【００１６】また、かかる第一のポケット部３２の内部
には、前記支持金具１６が、内筒金具１０側から外方に
向って突出位置せしめられており、この支持金具１６に
て支持されることにより、プレート状の傘金具３６が、
該支持金具１６の突出方向に対して直角な方向に広がっ
て、配設されている。それによって、この傘金具３６の
外周縁部と第一のポケット部３２の内周面との間に、環
状の狭窄部４８が形成されている。なお、この傘金具３
６の外面には、緩衝ゴム３８が、設けられている。

【００１７】更にまた、第二のポケット部３４と内筒金
具１０との間には、ゴム弾性体１４を軸方向に貫通して
延びる空所４０が、該第二のポケット部３４の底面に沿
うように設けられている。そして、この空所４０によ
り、第二のポケット部３４の底壁４２が薄肉化されて、
その変形が容易に許容されるようになっているのであ
る。なお、かかる底壁４２のうち、空所４０を挟んでス
トッパ金具１８に対向位置する周方向中央部分だけは、
厚肉化されて緩衝ゴム部４４とされている。

【００１８】また、金属スリーブ２０の外周面に設けら
れた前記シールゴム層２６には、第一の窓部２８と第二
の窓部３０との間に跨がって周方向に延びる一条の凹溝
４６が、形成されている。そして、この凹溝４６によっ
て、第一のポケット部３２の開口部と第二のポケット部
３４の開口部とが、互いに接続されている。

【００１９】そうして、かくの如き構造とされた一体加
硫成形品に対して、外筒金具１２が外挿されて、金属ス
リーブ２０の外周面に嵌着固定されることにより、第一
のポケット部３２および第二のポケット部３４の開口が
覆蓋されて、それぞれ内部に所定の非圧縮性流体が封入
された受圧室５０および平衡室５２が形成されていると
共に、凹溝４６の外周面開口が覆蓋されて、それら受圧
室５０と平衡室５２とを相互に連通するオリフィス通路
５４が形成されている。なお、本実施例では、オリフィ
ス通路５４および狭窄部４８を通じて流動せしめられる
流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るために、
封入流体としては、水やアルキレングリコール、ポリア
ルキレングリコール、シリコーン油等の低粘性流体が、
好適に用いられることとなる。

【００２０】ところで、このようなエンジンマウントに
おいては、入力荷重が、受圧室５０の周壁部を構成する
ゴム弾性体１４に対して径方向の圧縮荷重として及ぼさ
れることとなる。そこにおいて、かかるゴム弾性体１４
のうち、主に入力荷重を分担することとなる、受圧室５
０におけるマウント軸方向両側の竪壁部５６，５６にあ
っては、図１に示されている如く、それぞれ、内筒金具
１０側から金属スリーブ２０側に行くに従って、次第に
薄肉化する略台形断面形状をもって形成されている。

【００２１】なお、各竪壁部５６の外周縁部は、その軸
方向外側面が、金属スリーブ２０の軸方向端面よりも所
定寸法：ｌだけ軸方向内方に入り込んで位置せしめられ
る肉厚をもって形成されており、該金属スリーブ２０の
内周面に対して加硫接着されている。それによって、荷
重入力時にゴム弾性体１４が変形せしめられた際にも、
該ゴム弾性体１４の金属スリーブ２０からの軸方向外方
へのはみ出しが回避されて、金属スリーブ２０のエッジ
部にて損傷されるのが防止され得るようになっているの
である。

【００２２】また、これら各竪壁部５６の軸方向外側面
は、その外周縁部分が、軸直角方向に広がり、金属スリ
ーブ２０の内周面に沿って、略一定の幅：ｂで、竪壁部
５６の周方向の全体に亘って連続して延びる帯状面５８
とされている。そして、この帯状面５８により、竪壁部
５６の外周縁部分が、周方向の全体に亘って、略一定の
肉厚とされた厚肉部６０とされている。

【００２３】更にまた、各竪壁部５６における帯状面５
８の内周側には、図１に示されたマウント軸方向断面で
湾曲した凹面をもって凹んだ湾曲凹面形状を有し、かか
る帯状面５８の内周側端縁部に連続的に繋がって、該帯
状面５８に沿って、該帯状面５８の全周に亘って周方向
に延びる溝状の凹部６２が、形成されている。そして、
この凹部６２により、上記厚肉部６０に隣接する内周側
部分が、該厚肉部６０よりも薄肉の薄肉部６４とされて
いる。

【００２４】要するに、各竪壁部５６にあっては、金属
スリーブ２０の内周面に沿って厚肉部６０が形成されて
いることにより、軸方向厚さが最も小さい部分（薄肉部
６４）が、金属スリーブ２０よりも径方向内方に、帯状
面５８の幅：ｂだけ隔たった部位に、位置せしめられて
いるのである。そして、それによって、かかる竪壁部５
６においては、その薄肉部６４の形成部位に対して、形
状的な応力集中効果が生ぜしめられることとなる。

【００２５】従って、このような構造とされたエンジン
マウントにあっては、支持荷重や振動荷重が入力された
際に、金属スリーブ２０によるゴム弾性体１４の拘束
（変形阻止）作用等によって、ゴム弾性体１４の外周縁
部に対して集中的に惹起される応力が、薄肉部６４によ
る応力集中効果によって、該薄肉部６４側に効果的に逃
がされて、応力の局部的な集中が有利に緩和乃至は解消
され得るのである。

【００２６】しかも、ゴム弾性体１４の外周縁部におけ
る応力が、薄肉部６４側に逃がされる際に、それらの間
に位置して設けられた厚肉部６０の弾性作用に基づい
て、分散されることから、薄肉部６４への局部的な応力
集中も有効に防止され得るのであり、結果として、発生
応力の広い範囲への拡散が、達成され得ることとなるの
である。

【００２７】そして、それ故、上述の如き構造とされた
エンジンマウントによれば、その荷重特性と耐久性の飛
躍的な向上が実現され得るのである。

【００２８】なお、そこにおいて、厚肉部６０における
帯状面５８の幅：ｂは、余り小さすぎると厚肉部６０に
よる応力分散効果が有効に発揮され難いことから、一般
に、ゴム弾性体１４の径方向寸法（内筒金具１０の外周
面と金属スリーブ２０の内周面との差）：ｒの１０％以
上となるように設定することが望ましく、通常のサイズ
の自動車用エンジンマウントであれば、３mm以上となる
ように設定することが望ましい。

【００２９】また一方、かかる厚肉部６０における帯状
面５８の幅：ｂが、余り大き過ぎると薄肉部６４による
応力の移行効果が発揮され難いことから、一般に、ゴム
弾性体１４の径方向寸法：ｒの２０％以下の値に設定す
ることが望ましい。

【００３０】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。

【００３１】例えば、前記実施例では、金属スリーブ２
０として、軸方向両端部が大径部２４，２４とされた段
付円筒形状のものが用いられていたが、そのような段付
部が形成されていない円筒状のものをも、同様に用いる
ことが可能であることは、言うまでもない。

【００３２】また、オリフィス通路５４の具体的形状や
数等は、マウントに要求される防振特性等に応じて、適
宜、変更されるべきものであって、実施例のものに限定
されるものではない。

【００３３】更にまた、前記実施例では、振動入力時に
内圧変動が惹起される受圧室５０と平衡室５２とによっ
て、流体室が構成されていたが、その他、振動入力時に
内圧変動が惹起される複数の受圧室を備えたものや、或
いは三つ以上の流体室を備えたもの、更には単一の流体
室内に高粘性流体が封入されて該高粘性流体のずり剪断
作用によって減衰効果を得るようにしたものなどにも、
本発明は、同様に適用され得るものである。

【００３４】そして、本発明によれば、そのような各種
の筒型マウントにおいて、支持荷重または振動荷重が及
ぼされる少なくとも一つの流体室（受圧室）における軸
方向両側壁部に対して、前述の如き帯状面５８および凹
部６２が設けられて、厚肉部６０および薄肉部６４が形
成されることとなる。

【００３５】要するに、本発明は、少なくとも一つの流
体室が、金属スリーブの外周面に開口するポケット部を
外筒金具にて覆蓋することにより形成されて、かかる流
体室の軸方向両側の壁部がゴム弾性体にて構成されてな
る構造の流体封入式筒型マウントに対して、何れも、有
効に適用され得るものであることが、理解されるべきで
あり、例えば、そのような流体室に加えて、かかる流体
室に対してオリフィス通路を通じて連通された容積可変
の平衡室が、該流体室の内部を仕切って形成されたもの
や、或いは該流体室に対して周方向に隔たった位置にお
いて内筒金具と金属スリーブとの間に形成されたもの等
に対しても、本発明が、同様に適用され得るものである
ことは、言うまでもない。

【００３６】さらに、前記実施例では、金属スリーブ２
０が、単一の筒体構造をもって形成されていたが、かか
る金属スリーブとして、軸方向或いは周方向に分割され
た複数の分割体からなるものを用いることも、可能であ
る。

【００３７】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに対して適用したものの具体例を示
したが、本発明は、その他、自動車用サスペンションブ
ッシュやデフマウント等、更には自動車以外の装置にお
ける各種の筒型マウントに対して、何れも、適用するこ
とが可能である。

【００３８】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。

【００３９】

【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式筒型マウントにおいて
は、支持荷重や振動荷重等の入力時にゴム弾性体の外周
縁部に対して集中的に惹起される応力が、薄肉部側に効
果的に逃がされると共に、厚肉部によって分散されるこ
とから、発生応力が広い範囲に拡散されて、局部的な集
中が解消乃至は防止され得ることとなる。

【００４０】そして、それによって、ゴム弾性体、延い
ては筒型マウントの荷重特性および耐久性が、極めて効
果的に向上され得るのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としてのエンジンマウントを
示す縦断面図である。

【図２】図１に示されたエンジンマウントの横断面図で
ある。

【図３】図１に示されたエンジンマウントの側面図であ
る。

【符号の簡単な説明】

１０ 内筒金具 １２ 外筒金具 １４ ゴム弾性体 ２０ 金属スリーブ ５０ 受圧室 ５２ 平衡室 ５４ オリフィス通路 ５６ 竪壁部 ５８ 帯状面 ６０ 厚肉部 ６２ 凹部 ６４ 薄肉部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内筒金具と、その外側に所定距離を隔て
   て配された金属スリーブとを、それらの間に介装された
   ゴム弾性体にて連結すると共に、かかる金属スリーブに
   外筒金具を外嵌固定して、該内筒金具と該金属スリーブ
   との間に形成された外周面に開口するポケット部を覆蓋
   することにより、前記内筒金具と前記外筒金具との間に
   流体室を形成してなる流体封入式筒型マウントにおい
   て、 前記流体室におけるマウント軸方向両側壁部を構成する
   前記ゴム弾性体の外周縁部を、該マウント軸方向両側壁
   部の周方向全長に亘って、マウント軸方向外側面がマウ
   ント軸直角方向に広がり、前記金属スリーブの内周面に
   沿って所定幅で周方向に延びる帯状面とされた厚肉部と
   成すと共に、かかる厚肉部における帯状面の内周側端縁
   部に連接してマウント軸方向断面で湾曲凹面形状をもっ
   て凹んだ凹部を、前記マウント軸方向両側壁部の帯状面
   の内周側に沿って、該マウント軸方向両側壁部の周方向
   全体に亘って連続して設けることにより、かかる厚肉部
   に隣接する内周側部分を、該マウント軸方向両側壁部で
   最も薄肉としたことを特徴とする流体封入式筒型マウン
   ト。