JPH0648197Y2 - 筒型マウント装置 - Google Patents

筒型マウント装置

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JPH0648197Y2
JPH0648197Y2 JP1514390U JP1514390U JPH0648197Y2 JP H0648197 Y2 JPH0648197 Y2 JP H0648197Y2 JP 1514390 U JP1514390 U JP 1514390U JP 1514390 U JP1514390 U JP 1514390U JP H0648197 Y2 JPH0648197 Y2 JP H0648197Y2
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peripheral surface
fitting
tubular metal
metal fitting
inner peripheral
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慶太 白木
伸夫 松本
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案は、自動車用エンジンマウント等として好適に用
いられる筒型マウント装置に係り、特に過大な振動荷重
入力時における被連結体の相対的変位量を規制するスト
ッパ機構を備えた筒型マウント装置に関するものであ
る。
(背景技術) 従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、
それら両部材を連結する防振連結体の一種として、径方
向に所定距離を隔てて配された内筒金具と外筒金具と
を、それらの間に介装されたゴム弾性体にて連結せし
め、主としてそれら内外筒金具間の所定径方向に入力さ
れる振動を防振するようにした、所謂筒型マウント装置
が知られており、例えば、自動車用エンジンマウントや
サスペンション・ブッシュ等として好適に用いられてき
ている。
ところで、このような筒型マウント装置であって、その
装着時に、被支持体の重量や被連結体間の伝達トルク等
によって、主たる振動入力方向に初期荷重(プレロー
ド)が及ぼされる場合には、ゴム弾性体の耐久性を確保
するために、かかる初期荷重によってゴム弾性体に引張
変形が惹起される側の内外筒金具間に、軸方向に貫通し
て周方向略半周に亘って延びる空所を形成することによ
り、該ゴム弾性体における引張応力の発生を緩和乃至は
防止することが望ましい。
ところが、自動車用エンジンマウントの如く、特に大き
な初期荷重が入力される場合には、その装着時に、該初
期荷重によるゴム弾性体の変形によって、内筒金具が外
筒金具に対して空所とは反対側の径方向に大きく変位せ
しめられ、かかる空所の内部寸法が増大することとなる
ために、そのような装着状態下、過大な振動荷重の入力
時における、内筒金具の外筒金具に対する、該空所側へ
の径方向(初期荷重の作用方向とは反対向きのリバウン
ド方向)の相対的変位量の規制が難しいという問題があ
った。
そこで、本願出願人は、先に、特願平1−4207号におい
て、前記空所内に、ゴム弾性体から成る該空所の内周面
形状に略対応した板状のストッパ部材を挿入配置せし
め、該空所の内筒金具側内周面に接する状態で、内筒金
具側に支持せしめることにより、該ストッパ部材におけ
る空所の外筒金具側内周面に対する当接によって、上述
の如き、内筒金具の外筒金具に対するリバウンド方向へ
の相対的変位量を規制するようにしたストッパ機構を提
案した。即ち、このようなストッパ機構によれば、マウ
ント装着時に及ぼされる初期荷重による空所の内部寸法
の増大量を考慮して、マウント非装着時における空所の
内部寸法よりも所定寸法大きな肉厚を有するストッパ部
材を、該空所内に嵌め込んで装着せしめることにより、
マウント装着時における内外筒金具のリバウンド方向へ
の相対的変位量の規制が有利に為され得ることとなるの
である。
しかしながら、本願考案者らの更なる検討の結果、かか
る構造のストッパ機構にあっては、ストッパ部材の空所
内面への当接時、特に振動入力方向がマウント軸方向に
傾斜している場合に、摺接音のような異音が生じ易く、
自動車用エンジンマウントとして用いた場合、車両の乗
り心地が害される恐れがあることが、明らかとなったの
である。なお、このような異音の発生は、ストッパ部材
が内筒金具側に完全に固着されていない構造等に起因す
るものと考えられる。
さらに、前記特願平1−4207号においては、かかるスト
ッパ機構を流体入りの筒型マウント装置に対して適用し
たものが示されているが、そのように、ゴム弾性体の外
周面に金属スリーブを加硫接着せしめ、該金属スリーブ
を外筒金具に圧入することにより、かかるゴム弾性体を
外筒金具に取り付けるようにし、そして、内筒金具と前
記外筒金具との間における前記空所とは径方向反対側に
位置する部分において、かかる金属スリーブを貫通して
外周面に開口するポケット部を設け、該ポケット部の開
口を外筒金具に覆蓋することにより、該ポケット部内
に、壁部の一部が前記ゴム弾性体に構成されて振動入力
時に内圧変動が生じせしめられる、内部に所定の非圧縮
性流体が封入されてなる受圧室を画成する一方、内筒金
具と外筒金具との間における前記空所が位置する部分に
おいて、かかる金属スリーブを径方向内方に凹陥せしめ
て、該金属スリーブの凹陥部の内周面により、前記スト
ッパ部材が当接せしめられる空所の外筒金具側内周面を
構成すると共に、該金属スリーブの凹陥部と外筒金具と
の間に、少なくとも一部が可撓性膜にて構成されて容積
変化が許容された、内部に所定の非圧縮性流体が封入さ
れてなる平衡室を画成せしめ、更に、それら受圧室と平
衡室とを互いに連通して、それら両室間での流体の流動
を許容するオリフィス通路を設けてなる構造のものにあ
っては、ストッパ部材が金属面に対して当接されること
となるために、異音の発生がより大きな問題となるので
ある。
(解決課題) ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その解決課題とするところは、
内外筒金具間に設けられた空所内にストッパ部材を挿入
配置せしめてなる、上述の如きストッパ機構を備え、特
にかかるストッパ機構による変位規制時における異音の
発生が、効果的に軽減乃至は防止され得る筒型マウント
装置を提供することを、その目的とするものである。
(解決手段) そして、かかる課題を解決するために、本考案にあって
は、互いに径方向に所定距離を隔てて同心的に若しくは
偏心して配された内筒金具と外筒金具とを、それらの間
に介装されたゴム弾性体にて連結すると共に、該内筒金
具と該外筒金具との間に、軸方向に貫通して周方向略半
径に亘って延びる空所を設けてなる筒型マウント装置に
おいて、かかる空所内に、該空所の内周面形状に略対応
した形状の、ゴム弾性体から成るストッパ部材を挿入配
置せしめて、該空所の内筒金具側内周面に接するよう
に、前記内筒金具側に支持せしめることにより、該スト
ッパ部材における前記空所の外筒金具側内周面に対する
当接によって、前記内筒金具と前記外筒金具との径方向
における相対的変位量を規制せしめるようにする一方、
該ストッパ部材と該空所の内周面との接触面のうち、少
なくとも該ストッパ部材と前記空所の外筒金具側内周面
との当接面に、潤滑剤を塗布せしめたことを、その特徴
とするものである。
また、本考案にあっては、前記ゴム弾性体の外周面に金
属スリーブを加硫接着せしめて、該金属スリーブを前記
外筒金具に圧入することにより、かかるゴム弾性体を該
外筒金具に取り付けるように構成し、前記内筒金具と前
記外筒金具との間における前記空所とは径方向反対側に
位置する部分において、かかる金属スリーブを貫通して
外周面に開口するポケット部を設け、該ポケット部の開
口を前記外筒金具に覆蓋することにより、壁部の一部が
前記ゴム弾性体にて構成されて振動入力時に内圧変動が
生ぜしめられる、内部に所定の非圧縮性流体が封入され
てなる受圧室を形成する一方、前記内筒金具と前記外筒
金具との間における前記空所が位置する部分において、
かかる金属スリーブを径方向内方に凹陥せしめて、該金
属スリーブの凹陥部の内周面により、前記ストッパ部材
が当接せしめられる前記空所の外筒金具側内周面を構成
すると共に、該金属スリーブの凹陥部と前記外筒金具と
の間に、少なくとも一部が可撓性膜にて構成されて容積
変化が許容される、内部に所定の非圧縮性流体が封入さ
れてなる平衡室を画成せしめ、更に、前記受圧室と前記
平衡室とを互いに連通して、それら両室間での流体の流
動を許容するオリフィス通路を設けた、所謂流体入りの
筒型マウント装置をも、その特徴とするものである。
(作用・効果) すなわち、かくの如き本考案に従う構造とされた筒型マ
ウント装置にあっては、空所内に挿入配置されたストッ
パ部材における該空所の外筒金具側内周面に対する当接
によって発揮される、前述の如きストッパ機構を何等阻
害することなく、かかるストッパ部材と空所の内周面と
の当接面に塗布せしめられた潤滑剤によって、変位規制
時における異音の発生が極めて有利に軽減乃至は防止さ
れ得ることとなるのである。
また、ストッパ部材が当接される空所の内周面が金属面
とされた流体封入式の筒型マウント装置においても、本
考案に従い、それらの当接面に潤滑剤を塗布せしめるこ
とにより、変位規制時における異音の発生が有効に軽減
乃至は防止され得るのである。
(実施例) 以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考
案の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明す
ることとする。
先ず、第1図及び第2図には、本考案を自動車用エンジ
ンマウントに対して適用したものの一具体例が示されて
いる。これらの図において、10及び12は、それぞれ、内
筒金具および外筒金具であって、マウント径方向に所定
距離だけ偏心して配置されており、それらの間に介装さ
れたゴム弾性体14によって、互いに弾性的に連結されて
いる。そして、かかるエンジンマウントにあっては、内
筒金具10および外筒金具12において、車体側およびエン
ジンを含むパワーユニット側の各一方に取り付けられ
て、パワーユニットを車体に対して防振支持せしめるよ
うになっており、また、かかる取付状態において、パワ
ーユニットの重量が、初期荷重として、それら両金具1
0、12の偏心方向に及ぼされ、ゴム弾性体14が弾性変形
せしめられることによって、それら両金具10、12が、略
同心的に位置せしめられることとなるのである(第10図
参照)。また、そのような装着状態下、かかるエンジン
マウントには、内筒金具10と外筒金具12との偏心方向
(第10図中、上下方向)に対して、防振を目的とする振
動が入力せしめられることとなる。
より詳細には、前記内筒金具10は、軸方向両端部分に比
して軸方向中央部分が大径化された、全体として厚肉の
段付円筒形状をもって形成されている。また、該内筒金
具10の径方向外側には、全体として略薄肉円筒形状を呈
する金属スリーブ16が、径方向に所定距離を隔てて且つ
所定寸法だけ偏心して配されている。そして、第3図及
び第4図に示されている如く、これら内筒金具10と金属
スリーブ16との間に、前記ゴム弾性体14が介装されてお
り、該内筒金具10の外周面と金属スリーブ16の内周面と
に、それぞれ加硫接着された一体加硫成形品18として形
成されている。
また、かかる一体加硫成形品18には、内筒金具10と金属
スリーブ16との偏心方向における離間距離の小なる側に
おいて、金属スリーブ16の内周面に沿って周方向に略半
周に亘って延びる、略円弧状断面をもって軸方向に貫通
する空所20が形成されている。そして、それによってか
かるゴム弾性体14が、実質的に、内筒金具10と外筒金具
12との偏心方向における離間距離が大なる側においての
み、それら両金具10、12を弾性的に連結するようにして
介在せしめられるようになっており、前述の如き、装着
状態下に及ぼされるパワーユニットの負荷重量による、
ゴム弾性体14の変形時における引張応力の発生が可及的
に低減され得るようになっている。
さらに、ゴム弾性体14には、前記空所20に対して内筒金
具10を挟んで径方向に対向する位置において、金属スリ
ーブ16を貫通して外周面上に開口する凹所状形態をもっ
て、ポケット部22が形成されている。即ち、金属スリー
ブ16には、内筒金具10に対する偏心方向における離間距
離が大なる側に位置せしめられる部位に、窓部24が設け
られており、そしてこの窓部24を通じて、ポケット部22
が、外周面に開口せしめられているのである。
また一方、前記金属スリーブ16にあっては、その軸方向
中央部分が所定幅に亘って小径化されて小径部26とされ
ている。そして、特に、該小径部26における、内筒金具
10と金属スリーブ16との偏心方向における離間距離が小
なる側に位置する部分が、更に径方向内方に凹陥せしめ
られて、前記空所20内に入り込まされることによって、
そこに、外周面に開口する凹所28が形成されていると共
に、かかる凹所28の周方向両端部を接続するように、小
径部26を底部として周方向に延びる周溝30が形成されて
いる。
さらに、このような構造とされた一体加硫成形品18に
は、第5図に示されているように、その空所20の内部に
対して、ゴム材料によって別途形成された、該空所20の
内周面形状に略対応した湾曲板形状を呈するストッパゴ
ム32が、軸方向一方の側から挿入されて配されており、
その長手方向一端側に一体的に設けられた円環状の取付
部34において、内筒金具10の軸方向端部に外嵌固定さ
れ、必要に応じて接着されることによって、空所20の内
筒金具側内周面36に接する状態で、かかる内筒金具10側
に支持せしめられている。
また、かかるストッパゴム32は、図からも明らかなよう
に、一体加硫成形品18における空所20の内周面間寸法よ
りも大きな厚さをもって形成されており、そのために、
該ストッパゴム32の空所20内への挿入によって、ゴム弾
性体14が変形せしめられ、内筒金具10が外筒金具12に対
して、それら両金具10、12の偏心方向における離間距離
が大なる側に所定量だけ変位せしめられることとなる。
そして、マウントの装着時にエンジンユニット重量が及
ぼされて、内筒金具10が外筒金具12に対して、偏心方向
における離間距離が大なる側に、更に変位せしめられる
ことによって、かかるストッパゴム32と空所20の外筒金
具側内周面38とが、振動入力方向に所定距離を隔てて対
向位置せしめられるようになっているのであり(第10図
参照)、以て該ストッパゴム32における空所20の外筒金
具側内周面38に対する当接によって、内筒金具10と外筒
金具12とのリバウンド方向における相対的変位量が、所
定量に規制され得ることとなるのである。なお、ここに
おいて、本実施例では、ストッパゴム32が当接される空
所20の外筒金具側内周面38が、金属スリーブ16における
凹所28の底壁を形成する小径部26の内周面によって構成
されている。
さらに、このストッパゴム32にあっては、その板状部の
全外周面に対して、シリコーンオイルやシリコーングリ
ース等の潤滑剤が塗布せしめられている。なお、かかる
潤滑剤の塗布は、例えば、ストッパゴム32の一体加硫成
形品18に対する組付け前に、該ストッパゴム32を潤滑剤
中に浸漬することによって、或いは該ストッパゴム32の
外周面に対して潤滑剤をハケ塗りしたり、吹き付けたり
する等によって、為されることとなる。尤も、かかる潤
滑剤は、ストッパゴム32の外周面と共に、或いはそれに
代えて、該ストッパゴム32が接触せしめられる空所20内
周面に対して塗布するようにしても良い。
また、前記一体加硫成形品18には、その金属スリーブ16
における周溝30内に対して、それぞれ略半円筒形状を呈
する第一及び第二のオリフィス金具40、42が、それぞ
れ、内筒金具10と金属スリーブ16との偏心方向両側から
嵌入されて円筒状に組み付けられており、更に、その外
周面上に、前記外筒金具12が外嵌、固定されている。
かかる第一のオリフィス金具40にあっては、第6図及び
第7図に示されている如く、その外周面において、略中
央部から渦巻状に拡がり、その内側端部が、連通孔44を
通じて、内周面側に開口せしめられる一方、その外側端
部が、周方向一端側に開口せしめられてなる凹溝46を有
している。
また一方、第二のオリフィス金具42にあっては、第8図
及び第9図に示されている如く、周方向両端部に切欠部
48、48を、また中央部分に切欠窓50、50を、それぞれ有
しており、更にかかる切欠窓50、50をそれぞれ内側から
閉塞するようにして、弾性変形の容易な可撓性膜として
のダイヤフラム52が一体的に加硫接着せしめられてい
る。
そして、かかる第一のオリフィス金具40によって、前記
一体加硫成形品18に設けられたポケット部22の開口が覆
蓋されているのであり、それによって該ポケット部22の
内部において、壁部の一部がゴム弾性体14にて構成され
て、内外筒金具10、12間への振動入力時に、該ゴム弾性
体14の弾性変形に基づいて内圧変動が惹起される受圧室
54が形成されているのである。
また一方、前記第二のオリフィス金具42によって、前記
一体加硫成形品18に設けられた凹所28の開口が覆蓋され
ているのであり、それによって該凹所28の内部に、ダイ
ヤフラム52の弾性変形に基づいて容積変化が許容される
平衡室56が形成されているのである。なお、かかる平衡
室56を画成するダイヤフラム52と外筒金具12との間に
は、それぞれ、該ダイヤフラム52の変形を許容する空間
58が形成されていると共に、それらの空間58、58は、そ
れぞれ、外筒金具12に設けられた貫通孔60を通じて、外
部空間に連通されている。
また、前記外筒金具12の内周面には、略前面に亘って薄
肉のシールゴム層66が一体的に設けられており、該外筒
金具12が金属スリーブ16に対して外嵌されることによ
り、かかるシールゴム層66が、それら外筒金具12と金属
スリーブ16との嵌着面間で挟圧せしめられて、前記受圧
室54および平衡室56内が液密に封止されている。そし
て、これら受圧室54および平衡室56内には、それぞれ、
水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコー
ル、シリコーン油等の所定の非圧縮性流体が封入されて
いるのである。
更にまた、かかる外筒金具12の金属スリーブ16に対する
外嵌によって、前記第一のオリフィス金具40の凹溝46お
よび前記第二のオリフィス金具42の切欠部48における外
周面側の開口がそれぞれ覆蓋されており、以てかかる凹
溝46の内部に、切欠部48内を通じて、前記受圧室54と平
衡室56とに相互に連通せしめ、それら両室54、56間での
流体の流動を許容するオリフィス通路62が形成されてい
るのである。なお、本実施例においては、かかるオリフ
ィス通路62が、渦巻状形態にて延びる長い流路長さをも
って形成されていることにより、その内部を流動せしめ
られる流体の共振作用に基づいて、シェイクやバウンス
等に相当する低周波振動に対して、優れた減衰効果が発
揮され得るようにチューニングされている。
さらに、前記受圧室54の内部には、該受圧室54の内周面
形状に略対応し、且つ該受圧室54の内周面よりも一回り
小さな外周面形状を有する、硬質材料にて形成された可
動ブロック64が、自由に移動可能に収容配置せしめられ
ている。そして、この可動ブロック64の配設により、受
圧室54内が狭窄せしめられ、以て該可動ブロック64の周
囲において、振動入力時におけるゴム弾性体14の変形お
よび該可動ブロック64の変位に基づいて流体の流動が生
ぜしめられるようになっているのである。なお、本実施
例においては、かかる受圧室54内に形成された狭窄部を
流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、エンジン
振動等の高周波振動に対して、優れた振動絶縁効果が発
揮され得るように、かかる受圧室54内に形成される狭窄
部の大きさ、換言すれば可動ブロック64の形状が、チュ
ーニングされている。
そして、このような構造とされたエンジンマウントにあ
っては、前述の如く、その内筒金具10が車体側に、外筒
金具12がパワーユニット側に、それぞれ取り付けられる
ことにより、車体とパワーユニットとの間に介装せしめ
られ、また、かかる装着状態下においては、第10図に示
されている如く、内外筒金具10、12間に及ぼされるパワ
ーユニット重量(初期荷重)によって、それら内外筒金
具10、12が、略同心的に位置せしめられることとなるの
である。
また、かかる装着状態下、該エンジンマウントに対し
て、エンジンシェイクやバウンス等の低周波振動が入力
されると、受圧室54内に惹起される内圧変動に伴い、該
受圧室54と平衡室56との間で、オリフィス通路62を通じ
ての流体の流動が生ぜしめられることとなり、以てこの
オリフィス通路62内を流動せしめられる流体の共振作用
に基づいて、高減衰効果が発揮され得ることとなるので
あり、一方、該オリフィス通路62を通じての流体の流動
抵抗が著しく増大する程の、エンジン二次振動等の高周
波振動が入力された際には、受圧室54内において、可動
ブロック64の回りに形成された狭窄部内に流体の流動が
生ぜしめられることとなり、以てこの受圧室54内を流動
せしめられる流体の共振作用に基づいて、低動ばね化が
図られ、優れた振動絶縁効果が発揮され得ることとなる
のである。
そしてまた、かかるエンジンマウントにおいては、その
装着時にエンジンユニット重量が及ぼされることによっ
て内外筒金具10、12が略同心的に位置せしめられた状態
下、空所20内に挿入されて内筒金具10側に支持せしめら
れたストッパゴム32が、該空所20の外筒金具側内周面38
に対して、主たる振動入力方向に所定距離を隔てて対向
位置せしめられるのであり、そしてかかるストッパゴム
32の外筒金具側内周面38に対する当接によって、過大な
振動荷重入力時における、内筒金具10の外筒金具12に対
する空所20側(リバウンド方向)への相対的な変位量
が、有効に規制され得るのである。
更にまた、そこにおいて、かかるストッパゴム32の外周
面には、シリコーンオイル等の潤滑剤が塗布されている
ことにより、該ストッパゴム32と外筒金具側内周面38と
の当接面間における摩擦係数が大幅に低減せしめられて
いるのであり、それによって、それらストッパゴム32と
外筒金具側内周面との当接時における異音(摺接音)の
発生が、極めて効果的に緩和乃至は防止され得ることと
なるのである。
なお、特に本実施例においては、ストッパゴム32の全外
周面に潤滑剤が塗布されていることから、該ストッパゴ
ム32の外筒金具側内周面38に対する当接時に、該ストッ
パゴム32と内筒金具側内周面36との間にズレが惹起され
た場合でも、かかるズレに起因する異音の発生が有利に
防止され得るのであり、より優れた異音の防止効果が奏
され得るのである。
以上、本考案の一実施例について詳述してきたが、これ
は文字通りの例示であって、本考案は、かかる具体例に
のみ限定して解釈されるものではない。
例えば、前記実施例においては、本考案を流体入りの筒
型マウント装置に対して適用したものの一具体例を示し
たが、かかるマウント装置の具体的構造、即ちオリフィ
ス通路の具体的形態や平衡室の具体的構造、或いは受圧
室内への可動ブロックの配設の有無などは、マウント装
置に要求される防振特性等に応じて決定されるべきもの
であって、本実施例のものに限定されるものでは決して
ない。
また、本考案は、例示の如き流体入りの筒型マウント装
置の他、内部に流体が封入されていない、所謂ソリッド
タイプの筒型マウント装置に対しても、有効に適用され
得るものである。
更にまた、ストッパ部材の内筒金具側への支持構造も、
実施例構造のものに限定されるものではなく、例えば、
該ストッパ部材の長手方向両端部を内筒金具側に係止す
ることによって支持せしめたり、或いは該ストッパ部材
の長手方向端部を内筒金具側に接着せしめることによっ
て支持せしめたりすることも可能である。
さらに、前記実施例では、ストッパ部材の全外周面に対
して潤滑剤を塗布せしめたが、該ストッパ部材と外筒金
具側内周面との当接面にだけ潤滑剤を塗布せしめること
によっても、或る程度の異音発生防止効果が奏され得る
のであり、それによって本考案の目的は達成され得るこ
ととなる。
加えて、前記実施例においては、本考案を自動車用エン
ジンマウントに対して適用したものの一具体例を示した
が、本考案は、その他、自動車用デフマウントやボデー
マウント、サスペンション・ブッシュ等、更には自動車
以外の各種装置における筒型マウント装置に対して、何
れも有利に適用され得るものであることは、勿論であ
る。
その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識
に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様
において実施され得るものであり、また、そのような実
施態様が、本考案の主旨を逸脱しない限り、何れも、本
考案の範囲内に含まれるものであることは、言うまでも
ないところである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案を自動車用エンジンマウントに対して
適用したものの一具体例を示す横断面図であり、第2図
は、第1図におけるII−II断面図である。また、第3図
は、第1図に示されているエンジンマウントを構成する
一体加硫成形品を示す横断面図であり、第4図は、第3
図におけるIV−IV断面図である。更にまた、第5図は、
第4図に示されている一体加硫成形品に対してストッパ
ゴムを装着せしめた状態を示す、第4図に対応する縦断
面図である。また、第6図は、第1図に示されているエ
ンジンマウントを構成する第一のオリフィス金具を示す
断面図であり、第7図は、第6図における平面図であ
る。更にまた、第8図は、第1図に示されているエンジ
ンマウントを構成する第二のオリフィス金具を示す断面
図であり、第9図は、第8図における底面図である。ま
た、第10図は、第1図に示されているエンジンマウント
の車両への装着状態を示す、第1図に対応する横断面図
である。 10:内筒金具、12:外筒金具 14:ゴム弾性体、16:金属スリーブ 18:一体加硫成形品、20:空所 22:ポケット部、24:窓部 32:ストッパゴム、34:取付部 36:内筒金具側内周面 38:外筒金具側外周面、52:ダイヤフラム 54:受圧室、56:平衡室 62:オリフィス通路

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに径方向に所定距離を隔てて同心的に
    若しくは偏心して配された内筒金具と外筒金具とを、そ
    れらの間に介装されたゴム弾性体にて連結すると共に、
    該内筒金具と該外筒金具との間に、軸方向に貫通して周
    方向略半周に亘って延びる空所を設けてなる筒型マウン
    ト装置において、 かかる空所内に、該空所の内周面形状に略対応した形状
    の、ゴム弾性体から成るストッパ部材を挿入配置せしめ
    て、該空所の内筒金具側内周面に接するように、前記内
    筒金具側に支持せしめることにより、該ストッパ部材に
    おける前記空所の外筒金具側内周面に対する当接によっ
    て、前記内筒金具と前記外筒金具との径方向における相
    対的変位量を規制せしめるようにする一方、該ストッパ
    部材と該空所の内周面との接触面のうち、少なくとも該
    ストッパ部材と前記空所の外筒金具側内周面との当接面
    に、潤滑剤を塗布せしめたことを特徴とする筒型マウン
    ト装置。
  2. 【請求項2】前記ゴム弾性体の外周面に金属スリーブを
    加硫接着せしめて、該金属スリーブが前記外筒金具に圧
    入することにより、かかるゴム弾性体を該外筒金具に取
    り付けるように構成し、前記内筒金具と前記外筒金具と
    の間における前記空所とは径方向反対側に位置する部分
    において、かかる金属スリーブを貫通して外周面に開口
    するポケット部を設け、該ポケット部の開口を前記外筒
    金具にて覆蓋することにより、壁部の一部が前記ゴム弾
    性体にて構成されて振動入力時に内圧変動が生ぜしめら
    れる、内部に所定の非圧縮性流体が封入されてなる受圧
    室を形成する一方、前記内筒金具と前記外筒金具との間
    における前記空所が位置する部分において、かかる金属
    スリーブを径方向内方に凹陥せしめて、該金属スリーブ
    の凹陥部の内周面により、前記ストッパ部材が当接せし
    められる前記空所の外筒金具側内周面を構成すると共
    に、該金属スリーブの凹陥部と前記外筒金具との間に、
    少なくとも一部が可撓性膜にて構成されて容積変化が許
    容される、内部に所定の非圧縮性流体が封入されてなる
    平衡室を画成せしめ、更に、前記受圧室と前記平衡室と
    を互いに連通して、それら両室間での流体の流動を許容
    するオリフィス通路を設けた請求項(1)記載の筒型マ
    ウント装置。
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