JP2817574B2 - 流体封入式筒型防振組立体 - Google Patents

流体封入式筒型防振組立体

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JP2817574B2
JP2817574B2 JP13280593A JP13280593A JP2817574B2 JP 2817574 B2 JP2817574 B2 JP 2817574B2 JP 13280593 A JP13280593 A JP 13280593A JP 13280593 A JP13280593 A JP 13280593A JP 2817574 B2 JP2817574 B2 JP 2817574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車のサスペンション用メン
バマウント等に用いられる流体封入式筒型防振組立体に
係り、特に耐久性の向上やばね特性の設計自由度の拡大
が図られる流体封入式筒型防振組立体に関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて、それら両部材を防振連結する防振組立体の
一種として、互いに径方向に所定距離を隔てて配された
内筒金具と外筒金具をゴム弾性体にて連結してなる構造
を有し、主として、内外筒金具間に入力される軸方向の
振動を防振するようにした筒型防振組立体が知られてお
り、例えば、自動車のサスペンション用メンバマウント
やストラットバークッション、サスペンション用アッパ
サポート等として用いられている。
【0003】また、近年では、要求される防振特性の高
度化に対処するために、流体の流動作用に基づいて発揮
される防振効果を利用した流体封入式の筒型防振組立体
が提案されている。例えば、実開平3−12641号公
報には、内外筒金具を連結するゴム弾性体に周方向に延
びる凹溝状のポケット部を形成して、その開口部を外筒
金具で覆蓋すると共に、該ポケット部に環状の仕切部材
を挿入して、その外周面を外筒金具の内周面で支持する
ことにより、仕切部材を軸方向に挟んで位置する一対の
環状の流体室を形成すると共に、それらの流体室を相互
に連結する環状の狭窄流路を仕切部材の内方に形成し、
かかる狭窄流路を通じて流動する流体の共振作用に基づ
いて軸方向の入力振動に対する防振効果を得るようにし
た構造のものが、開示されている。
【0004】ところが、このような従来の流体封入式筒
型防振組立体では、仕切部材の組付け、ひいては防振組
立体の製造が困難であるという問題があった。即ち、仕
切部材は、一般に、周方向に分割された複数の分割体に
て構成され、ゴム弾性体のポケット部に径方向外方から
挿入されるが、それら分割体を環状の組合せ状態に保持
しつつ、外筒金具を外挿し、該外筒金具の内周面によっ
て分割体の外周面を支持せしめることが難しかったので
ある。
【0005】そこで、かかる問題に対処すべく、本願出
願人は、先に、特願平4−166991号において、径
方向で対向位置する一対の窓部を有する金属スリーブ
を、内筒金具の外方に配設し、それら内筒金具と金属ス
リーブをゴム弾性体にて連結すると共に、ゴム弾性体
に、金属スリーブの窓部を通じて外周面に開口し且つそ
れら窓部の周方向端部間においてトンネル状に連続する
環状のポケット部を形成することにより、かかるポケッ
ト部に外方から挿入されて配置される仕切部材の外周面
を、該ポケット部におけるトンネル状部分の内面にて保
持せしめるようにした流体封入式筒型防振組立体を提案
した。
【0006】かかる筒型防振組立体においては、仕切部
材を分割体にて構成し、それら分割体をポケット部に挿
入して組み付けるに際して、分割体の外周面がポケット
部におけるトンネル状部分の内面によって位置決め保持
されることから、かかる分割体を別途保持しなくてもポ
ケット部から脱落することがなく、外筒金具の外挿も容
易となり、優れた製造性が実現されるのである。
【0007】ところが、このような前出願に係る流体封
入式筒型防振組立体について、本発明者らが更なる検討
を加えたところ、かかる流体封入式筒型防振組立体にお
いては、トンネル状のポケット部の外方に位置するゴム
弾性体が、金属スリーブと仕切部材の間で拘束され、弾
性変形が阻止されるために、ゴム弾性体における応力や
変形の集中が惹起されて、ゴム弾性体、ひいては防振組
立体の耐久性が低下するおそれのあることが、見出され
た。
【0008】なお、そのようなゴム弾性体における応力
や変形の集中を軽減するには、金属スリーブの窓部の周
方向の開口幅を大きくし、ポケット部のトンネル状部分
の外方に位置する部分を周方向に狭幅化することによ
り、金属スリーブと仕切部材の間で拘束されるゴム弾性
体を周方向に狭幅化し且つ径方向に薄肉化することが有
効である。
【0009】しかしながら、金属スリーブの窓部の周方
向の開口幅を大きくすると、内筒金具と金属スリーブの
対向面積が減少し、それら内筒金具と金属スリーブを連
結するゴム弾性体のボリュームを確保し難くなるため
に、十分な軸方向ばね剛性が得られ難くなったり、軸方
向ばね特性のチューニング範囲が狭くなるといった不具
合が惹起される。
【0010】また、自動車のサスペンション用メンバマ
ウント等においては、一般に、金属スリーブの窓部が対
向位置する径方向で柔らかいばね特性を、それに直交す
る径方向で硬いばね特性を、それぞれ設定することによ
り、互いに直交する径方向でのばね比を大きくすること
が要求されるが、前述の如く、金属スリーブの窓部の周
方向開口幅を大きくすると、窓部の対向方向に直交する
径方向で内筒金具と金属スリーブを連結するゴム弾性体
のボリュームを確保し難くなり、硬いばね特性を得難く
なるために、大きな径方向ばね比を確保し難くなった
り、径方向ばね比のチューニング範囲が狭くなるといっ
た不具合が惹起される。
【0011】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、金属スリーブと仕切部材の間でのゴム弾性
体の拘束部分を減少させることにより、ゴム弾性体にお
ける応力や変形の集中を緩和し、以て、耐久性の向上し
た流体封入式筒型防振組立体を提供することにある。
【0012】また、本発明は、内筒金具と金属スリーブ
を連結するゴム弾性体のボリュームが十分に確保され
て、大きな軸方向ばね剛性が発揮されると共に、軸方向
ばね特性のチューニング自由度を十分に得ることのでき
る流体封入式筒型防振組立体を提供することも、目的と
する。
【0013】さらに、本発明は、金属スリーブの窓部が
対向位置する径方向で柔らかいばね特性を、それに直交
する径方向で硬いばね特性を、それぞれ容易に得ること
ができ、大きな径方向ばね比を設定することが可能な流
体封入式筒型防振組立体を提供することも、目的とす
る。
【0014】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、内筒金具の外方に所定距離
を隔てて、径方向で対向位置する一対の窓部を有する金
属スリーブを配設し、それら内筒金具と金属スリーブを
ゴム弾性体にて連結すると共に、該ゴム弾性体に、前記
金属スリーブの窓部を通じて外周面に開口し且つそれら
窓部の周方向端部間においてトンネル状に連続する環状
のポケット部を形成し、更に該ポケット部に環状の仕切
部材を収容配置して、かかる仕切部材の外周面を該ポケ
ット部における前記トンネル状部分の内面によって保持
せしめる一方、前記金属スリーブの外周面に外筒金具を
外嵌固定して、該外筒金具にて前記金属スリーブの窓部
を覆蓋すると共に、前記仕切部材の外周面を支持するこ
とにより、該仕切部材を軸方向に挟んで位置する一対の
環状の流体室を形成すると共に、かかる仕切部材の内方
に、それらの流体室を相互に連通する環状の狭窄流路を
形成してなる流体封入式筒型防振組立体において、前記
金属スリーブの各窓部を、周方向の開口幅が軸方向で変
化する段付形状とすることにより、該金属スリーブにお
ける前記ポケット部のトンネル状部分の外方に位置する
部分を、それぞれ、周方向幅の狭い狭幅部とする一方、
該狭幅部の少なくとも軸方向一方の側に、該狭幅部より
も周方向幅の広い広幅部を設けたことにある。
【0015】
【作用・効果】このような本発明に従う構造とされた流
体封入式筒型防振組立体においては、金属スリーブの狭
幅部の内方に、トンネル状のポケット部が形成されてい
ることから、金属スリーブと仕切部材の間で拘束される
ゴム弾性体が周方向に狭幅化され且つ径方向に薄肉化さ
れる。
【0016】それ故、金属スリーブと仕切部材の間で拘
束されるゴム弾性体が減少して、ゴム弾性体における応
力や変形の集中が緩和されるのであり、それによって、
ゴム弾性体、ひいては流体封入式筒型防振組立体の耐久
性が有利に向上され得る。
【0017】また、かかる流体封入式筒型防振組立体に
あっては、金属スリーブの広幅部において、内筒金具と
金属スリーブの対向面積、ひいてはそれら内筒金具と金
属スリーブを連結するゴム弾性体のボリュームが有利に
確保される。
【0018】それ故、ゴム弾性体によって大きな軸方向
ばね剛性を容易に得ることができると共に、軸方向ばね
特性のチューニング自由度も有利に確保され得る。
【0019】更にまた、かかる流体封入式筒型防振組立
体においては、金属スリーブの広幅部で内筒金具と金属
スリーブを連結するゴム弾性体のボリュームが有利に確
保されることにより、それら広幅部が対向位置する径方
向のばね特性を十分に固く設定することができるのであ
り、それによって、大きな径方向ばね比を得ることが可
能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0021】先ず、図1乃至図3には、本発明の一実施
例としての自動車のリヤサスペンション用メンバマウン
トが、示されている。かかるメンバマウント16は、互
いに径方向に所定距離を隔てて配された内筒金具10と
外筒金具12が、それらの間に介装されたゴム弾性体1
4によって連結されてなる構造とされている。そして、
かかるメンバマウント16は、内筒金具10がボデーに
取り付けられる一方、外筒金具12がサスペンションメ
ンバに取り付けられることにより、サスペンションメン
バのボデーに対する取り付け部位に介装されるようにな
っている。
【0022】より詳細には、内筒金具10は、略円筒形
状を有している。また、かかる内筒金具10の径方向外
方には、所定距離を隔てて、金属スリーブ18が、略同
一軸心上に配設されている。
【0023】この金属スリーブ18は、図4及び図5に
も示されているように、薄肉の円筒形状を有している。
また、かかる金属スリーブ18の筒壁部には、径方向一
方向で対向位置する部分に、一対の窓部22,22が形
成されている。これらの窓部22,22は、いずれも、
軸方向略中央部分に段差部20,20が設けられて周方
向の開口幅が変化せしめられた段付の略矩形形状を有し
ている。
【0024】それによって、金属スリーブ18のうち、
窓部22,22の周方向端部間に位置して軸方向に連続
して延びる部分が、それぞれ、周方向幅の狭い狭幅部2
4と周方向幅の広い広幅部26とによって構成されてい
る。換言すれば、金属スリーブ18は、軸方向両端部に
位置する円筒状乃至は円環状の部分が、径方向一方向に
対向位置する部位において、それぞれ、狭幅部24およ
び広幅部26によって軸方向に連結されてなる形状とさ
れている。
【0025】そして、図6乃至図9に示されているよう
に、これら内筒金具10と金属スリーブ18との間に、
ゴム弾性体14が、介装されており、該ゴム弾性体14
によって、内筒金具10と金属スリーブ18が、互いに
連結されている。即ち、ゴム弾性体14は、全体として
略厚肉の円筒形状を呈しており、その内周面に内筒金具
10が、外周面に金属スリーブ18が、それぞれ加硫接
着されてなる一体加硫成形品28として、形成されてい
る。
【0026】また、かかるゴム弾性体14には、その軸
方向中央部分において、前記金属スリーブ18に設けら
れた窓部22,22に対応する位置に、それらの窓部2
2,22を通じて外周面に開口する凹所30,30が、
それぞれ形成されている。更にまた、それらの凹所3
0,30の周方向両側端部間には、内筒金具10と金属
スリーブ18の間を周方向に延び、両凹所30,30を
相互に連通せしめるトンネル状の連通路32,32が、
それぞれ形成されている。そして、これら凹所30,3
0と連通路32,32によって、内筒金具10の回りを
周方向に連続して延びる環状のポケット部34が形成さ
れている。
【0027】また、ゴム弾性体14の軸方向一方の端面
には、内筒金具10を凹所30,30の対向方向に挟ん
だ両側に位置して、一対の所定深さの肉抜部36,36
が形成されており、凹所30,30の壁部が薄肉化され
ている。また一方、内筒金具10を連通路32,32の
対向方向に挟んだ両側には、金属スリーブ18の広幅部
26,26が位置せしめられており、それら広幅部26
と内筒金具10を連結するゴム弾性体14が、軸方向お
よび周方向に厚肉とされている。
【0028】それによって、凹所30,30の対向方向
に相当するゴム弾性体14の径方向のばね剛性が、それ
に直交する径方向のばね剛性よりも小さくなるようにチ
ューニングされ、径方向に大きなばね比が設定されてい
る。また、金属スリーブ18の広幅部26と内筒金具1
0を連結する厚肉のゴム弾性体14によって、軸方向に
大きなばね剛性が設定されている。
【0029】さらに、かかる一体加硫成形品28には、
図1及び図2に示されているように、そのポケット部3
4に対して、全体として略円環形状を有する仕切部材3
8が、収容配置されている。
【0030】この仕切部材38は、それぞれ略半円環形
状を呈する一対の分割体40,40によって構成されて
いる。かかる分割体40は、図10及び図11にも示さ
れているように、周方向中央部分に位置する、所定厚さ
の板状部42と、周方向両側部分にそれぞれ位置する、
外周側が厚肉化された厚肉部44,44とから構成され
ている。
【0031】そこにおいて、この分割体40の内周面
は、一体加硫成形品28のポケット部34の底面より
も、所定寸法大きな曲率半径をもって形成されている。
また、かかる分割体40の外周面は、その板状部42
が、金属スリーブ18と略同一外径の外周面とされてい
る一方、厚肉部44,44が、一体加硫成形品16の連
通路32の内面と略同一外径の外周面とされている。
【0032】さらに、各分割体40には、先端部に鉤形
の係止部を有する係止片46が、周方向一方の端面から
周方向に突出して形成されている一方、周方向他方の端
面には、係止片46が入り込んで係止される係止溝48
が形成されている。即ち、一対の分割体40,40は、
互いに突き合わされる周方向両端部において、それぞ
れ、一方の分割体40の係止片46を他方の分割体40
の係止溝48に係止させることにより、互いに連結固定
されるようになっている。
【0033】そして、これら一対の分割体40,40
は、一体加硫成形品28に対して、それぞれ、金属スリ
ーブ18の窓部22,22を通じて、ポケット部34内
に径方向両側から挿入され、各係止片46,46が係止
溝48,48に係止されることにより、周方向両側端面
が互いに当接した状態で、組み付けられている。また、
そのような組付状態下では、各分割体40の厚肉部4
4,44が、一体加硫成形品28に設けられた連通路3
2内に嵌め込まれて、厚肉部44,44の外周面が、連
通路32の内面に嵌着されて、位置決め保持されてい
る。
【0034】それによって、上記一対の分割体40,4
0が、全体として略円環形状を呈する組付状態に保持さ
れて、仕切部材38が構成されている。また、そのよう
な組付状態下、仕切部材38の内周面は、ポケット部3
4の底面に対して、径方向に所定距離を隔てて対向位置
せしめられている。
【0035】さらに、一体加硫成形品28には、仕切部
材38の組付け後、図1乃至図3に示されているよう
に、外筒金具12が外挿されており、八方絞り加工によ
り、金属スリーブ18の外周面に嵌着固定されている。
また、かかる外筒金具12の軸方向両端部は、それぞ
れ、金属スリーブ18の軸方向両端部にかしめ固定され
ている。
【0036】なお、かかる外筒金具12の金属スリーブ
18に対する外挿,嵌着操作に際し、ポケット部34に
挿入された仕切部材38は、連通路32,32の内面に
よって保持されていることから、かかる仕切部材38を
別途保持しなくても、脱落してしまうようなことがな
い。
【0037】そして、この外筒金具12により、ポケッ
ト部34の開口(窓部22,22)が流体密に覆蓋され
ていると共に、仕切部材38を構成する分割体40,4
0の外周面が、それぞれ外筒金具12の内周面に当接せ
しめられて固定的に支持されている。
【0038】それによって、内筒金具10と外筒金具1
2の間に、仕切部材38を軸方向に挟んで位置する一対
の環状の流体室50,52が形成されている。なお、こ
れら流体室50,52には、水やアルキレングリコー
ル,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の所定
の非圧縮性流体が封入されている。また、外筒金具12
の内周面には、シールゴム層56が、略全面に亘って設
けられており、金属スリーブ18との間で挟圧されてい
る。
【0039】さらに、仕切部材38の径方向内方には、
流体室50と流体室52を相互に連通し、それら両流体
室50,52間での流体の流動を許容する環状の狭窄流
路54が形成されている。
【0040】なお、流体室50,52への流体の封入
は、例えば、一体加硫成形品28に対する外筒金具12
の外挿を、かかる流体中で実施すること等により、行な
われる。
【0041】すなわち、このようにして形成された一対
の流体室50,52には、内外筒金具10,12間への
軸方向の振動入力時に相対的な容積変化が生ぜしめられ
て、狭窄流路54を通じての流体の流動が生ぜしめられ
ることとなり、そして、かかる流体の共振作用に基づい
て、入力振動に対する防振効果が発揮されるようになっ
ている。
【0042】なお、本実施例のメンバマウント16に
は、外筒金具12に対して、更に、円筒形状のストッパ
金具58が外嵌固定されている。かかるストッパ金具5
8は、軸方向両端部にフランジ部60,62を有してお
り、それら両フランジ部60,62上には、軸方向外方
に突出する環状のストッパゴム64,66が、それぞれ
固着されている。そして、これらストッパゴム64,6
6が、内筒金具10が取り付けられる図示しないボデー
側部材に当接することにより、内筒金具10と外筒金具
12の軸方向の相対的変位量が規制されるようになって
いる。
【0043】上述の如き構造とされたメンバマウント1
6では、金属スリーブ18が、ポケット部34を構成す
るトンネル状の連通路32,32の外方に位置せしめら
れた部分において、それぞれ、周方向の幅が狭い狭幅部
24とされていることから、ゴム弾性体14のうち、金
属スリーブ18と仕切部材38の間で拘束される部分
が、周方向に狭幅化され且つ径方向に薄肉化されてい
る。
【0044】それ故、金属スリーブ18と仕切部材38
の間で拘束される部分のゴム弾性体14が減少されて、
ゴム弾性体14における応力や変形の集中が緩和される
のであり、以て、ゴム弾性体14、ひいてはメンバマウ
ント16の耐久性が有利に確保されるのである。
【0045】また、かかるメンバマウント16では、金
属スリーブ18における狭幅部24の軸方向一方の側
に、周方向の幅が広い広幅部26が設けられており、か
かる広幅部26と内筒金具10を連結するゴム弾性体1
4が周方向および軸方向に厚肉とされていることから、
内筒金具10と金属スリーブ18を連結するゴム弾性体
14のボリュームが有利に確保されて、大きなマウント
軸方向ばね剛性を容易に得ることができると共に、マウ
ント軸方向ばね特性のチューニング自由度も有利に確保
され得る。
【0046】更にまた、かかるメンバマウント16にお
いては、金属スリーブ18の広幅部26と内筒金具10
の対向面間において、それら金属スリーブ18と内筒金
具10を連結するゴム弾性体14のボリュームが十分に
確保されることから、それら広幅部26,26が対向位
置する径方向のばね特性を十分に固く設定することがで
き、大きな径方向ばね比を得ることができる。
【0047】また、かかるメンバマウント16において
は、金属スリーブ18と内筒金具10を連結するゴム弾
性体14のボリュームを十分に確保しつつ、金属スリー
ブ18の窓部22を軸方向に大型化することができるこ
とから、ポケット部34、ひいては流体室50の容積を
大きく設定することが可能であり、それによって、流体
の流動作用に基づいて発揮される防振効果の向上も図ら
れ得る。
【0048】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0049】例えば、仕切部材38の具体的形状は、前
記実施例のものに限定されるものではなく、一体加硫成
形品28に形成される連通路32の形状や、流体室46
の形状、更にはメンバマウントに要求される防振特性等
に応じて、適宜に変更されるものであり、かかる仕切部
材を、周方向全周に亘って同一断面形状をもって形成す
ること等も、可能である。
【0050】また、仕切部材38を構成する分割体4
0,40の係止機構も、前記実施例のものに限定される
ものではなく、例えば、一方の分割体40の周方向両端
部に係止片46,46を設ける一方、他方の分割体40
の周方向両端部に係止溝48,48を設けることも可能
である。尤も、そのような係止機構は、本発明において
必須のものではない。
【0051】さらに、前記実施例では、金属スリーブ1
8において、狭幅部24の軸方向一方の側に広幅部26
が形成されていたが、かかる狭幅部24の軸方向両側に
広幅部を形成することも可能である。
【0052】また、前記実施例では、ゴム弾性体14の
軸方向端面に肉抜部36,36を設けることにより、径
方向ばね比の更なる増大が図られていたが、そのような
肉抜36,36は、メンバマウント16に要求される防
振特性等に応じて、適宜、設けられるものであって、必
ずしも必要なものではない。
【0053】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
のメンバマウントに適用したものの一具体例を示した
が、本発明は、その他、自動車用ストラットバークッシ
ョンやボデーマウント、サスペンション用アッパサポー
ト、或いは自動車以外の各種装置における筒形防振組立
体に対して、適用可能である。
【0054】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのメンバマウントを示
す縦断面図であって、図2におけるI−I断面に相当す
る図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示されたメンバマウントの平面図であ
る。
【図4】図1に示されたメンバマウントを構成する金属
スリーブを示す縦断面図である。
【図5】図4におけるV−V断面図である。
【図6】図1に示されたメンバマウントを構成する一体
加硫成形品の縦断面図であって、図7におけるVI−VI断
面に相当する図である。
【図7】図6における VII−VII 断面図である。
【図8】図6における右側面図である。
【図9】図6における左側面図である。
【図10】図1に示されたメンバマウントに用いられる
仕切部材を構成する分割体を示す平面図である。
【図11】図10におけるXI−XI矢視図である。
【符号の説明】
10 内筒金具 12 外筒金具 14 ゴム弾性体 16 メンバマウント 18 金属スリーブ 20 段差部 22 窓部 24 狭幅部 26 広幅部 30 凹所 32 連通路 34 ポケット部 38 仕切部材 40 分割体 50,52 流体室 54 狭窄流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒金具の外方に所定距離を隔てて、径
    方向で対向位置する一対の窓部を有する金属スリーブを
    配設し、それら内筒金具と金属スリーブをゴム弾性体に
    て連結すると共に、該ゴム弾性体に、前記金属スリーブ
    の窓部を通じて外周面に開口し且つそれら窓部の周方向
    端部間においてトンネル状に連続する環状のポケット部
    を形成し、更に該ポケット部に環状の仕切部材を収容配
    置して、かかる仕切部材の外周面を該ポケット部におけ
    る前記トンネル状部分の内面によって保持せしめる一
    方、前記金属スリーブの外周面に外筒金具を外嵌固定し
    て、該外筒金具にて前記金属スリーブの窓部を覆蓋する
    と共に、前記仕切部材の外周面を支持することにより、
    該仕切部材を軸方向に挟んで位置する一対の環状の流体
    室を形成すると共に、かかる仕切部材の内方に、それら
    の流体室を相互に連通する環状の狭窄流路を形成してな
    る流体封入式筒型防振組立体において、 前記金属スリーブの各窓部を、周方向の開口幅が軸方向
    で変化する段付形状とすることにより、該金属スリーブ
    における前記ポケット部のトンネル状部分の外方に位置
    する部分を、それぞれ、周方向幅の狭い狭幅部とする一
    方、該狭幅部の少なくとも軸方向一方の側に、該狭幅部
    よりも周方向幅の広い広幅部を設けたことを特徴とする
    流体封入式筒型防振組立体。
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