JP2618638B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、電導性高分子化合物を固体電解質として用
いた良好な性能を有する固体電解コンデンサの製造方法
に関する。
【従来の技術】
従来の固体電解コンデンサ、例えばアルミニウムを電
極とした固体電解コンデンサは、エッチング処理して表
面にエッチングピットと呼ばれる微細孔を形成した比表
面積の大きい多孔質アルミニウム箔の上に、誘電体であ
る酸化アルミニウム層を設け、この誘電体層と陰極との
間の電解質層を液状の電解液に代えて固体電解質を用い
たものである。 このように液状の電解液に代えて固体電解質を用いる
と、液漏れ等の問題を惹起することがなく好ましいもの
となる。これらの固体電解コンデンサは、陽極酸化皮膜
を有するアルミニウム、タンタルなどの金属に固体電解
質を積層した構造を有したものであり、この種の固体電
解コンデンサの固体電解質には主に硝酸マンガンを熱分
解して形成させた二酸化マンガンを用いられていた。 しかし、この熱分解工程によると、その熱分解の際に
発生するNOXガスの酸化作用などにより誘電体であるア
ルミニウム、タンタルなどの金属酸化皮膜に損傷が生
じ、そのため最終的に得られる固体電解コンデンサの耐
電圧の低下、漏れ電流の増大など、その誘電特性を劣化
させる極めて欠点がある。これらの欠点を補うため、高
熱を加えることなく固体電解質層を形成する方法、つま
り電導性の高い有機半導体材料を固体電解質とする方法
が試みられている。このような固体電解質のうち、電導
性高分子化合物は、製造コストが比較的安く、又誘電体
皮膜との付着性も比較的良いことなどから注目されてき
ている。 このような電導性高分子化合物は、例えば特開昭62−
47109号公報などに見られるように、固体電解コンデン
サの誘電体層上に酸化剤を溶解した水溶液を塗布した
後、溶媒である水を除去し、次にこの酸化剤と電導性高
分子化合物を与えるモノマーを反応させて重合させるこ
とにより作られている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、誘電体層が多孔質のアルミニウム、タ
ンタルなどの金属箔上に形成されていることから、酸化
剤の溶媒として水を単独で用いた場合、多孔質誘電体層
の形成されたエッチングピットの中まで電導性高分子を
与えるモノマーを浸透させ、かつ重合反応を起こさせる
のは困難である。 すなわち、気相重合を行う場合、酸化剤を溶解した水
溶液と前記モノマーとの接触界面においてモノマーの重
合反応が起こり、その結果、その界面にモノマーより形
成された高分子の膜が生成されてしまい、エッチングピ
ット内部での高分子化合物の生成を阻害してしまう。そ
してこのようにエッチングピット内に導電性高分子化合
物を生成することができないという不都合は、固体電解
コンデンサの静電容量の低下や、損失あるいは高周波で
のインピーダンス値の低下をもたらしてしまう。 また、少なくとも固体電解質層形成初期には、一応の
静電容量値が測定されても、エッチングピット内の電導
性高分子の重合度が不十分であることから、寿命試験な
ど一定の時間の経過に伴って、静電容量が大幅に減少し
てしまう欠点がある。 このような問題を解決する目的で、酸化剤水溶液中に
アセトン、アセトニトリルのような低粘度で低沸点を有
する溶媒を添加してみたが、その場合酸化剤の溶媒とし
て水単独を使用した場合に比して、かえって漏れ電流が
大きくなるという結果となった。 そこでこの発明では、水に他の溶媒を加えた複合溶媒
を用いた酸化剤で、高い静電容量とその安定化、損失、
高周波インピーダンスの低減など優れた特性が得られる
酸化剤溶液とその用法を検討し、本発明に至ったもので
ある。
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、電導性高分子化合物を固体電解質と
する固体電解コンデンサを製造するにあたり、多孔質誘
電体層の表面に、有機アミド類、カルボン酸のエステル
類、炭酸のエステル類、リン酸のエステル類、1,3−プ
ロパンジオール、第3級ブチルアルコール、エチレング
リコール、プロピレングリコール、2−(メトキシメト
キシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、ベ
ンジルアルコール、エチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエータル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル、あるいはリン酸、ポリリ
ン酸またはそれらの塩から選択された1または2以上の
高い沸点と高い粘度を有する極性溶媒を配合した酸化剤
水溶液を付着させた状態で、該誘電体層上に気相重合に
よって電導性高分子化合物を生成せしめることを特徴と
している。 本発明において使用される多孔質誘電体の種類には、
特に限定はないが、例えばアルミニウム、タンタル、ニ
オブ、チタン、ジルコニウム等の金属の酸化物を好適に
使用することができる。これらの多孔質誘導体は、その
基盤となる相当する金属板、好適には金属箔を表面をエ
ッチング処理等により多孔質化した後、その表面層を電
解酸化等によって処理して作ることができる。 この発明に従えば、これら多孔質誘電体層に、高い沸
点と高い粘度を有する極性溶媒を配合した酸化剤水溶液
を浸漬、塗布、吹き付け等の手段によって付着させ、こ
の溶液が乾燥しない、即ち表面が濡れた状態で、該誘電
体層上に気相重合によって電導性高分子化合物を生成せ
しめることで、固体電解コンデンサの固体電解質層を形
成するものである。 酸化剤水溶液に配合される高い沸点と高い粘性を持つ
溶媒を選択するのは、この発明の重合法では水を重合時
の触媒として機能させているが、酸化剤溶液の溶媒が水
単独であると、電導性高分子化合物のモノマーが微細な
エッチングピット内に十分行きわたらず、所望の静電容
量が得られない。そこでモノマーをエッチングピット内
に十分に浸透させた上で重合反応を行う必要がある。こ
のためには、溶媒の沸点や粘性を低くして、エッチング
ピット内への浸透性を向上させることか考えられ、低沸
点で低粘度の溶媒を配合すると、エッチングピット内へ
モノマーが侵入する前に酸化剤溶液が蒸散してなくな
り、浸漬が不十分となって、かえって静電容量が減少し
てしまう。 そこで本発明では、高い沸点で高い粘性を持つ極性溶
媒を配合することによって、この問題点を解決したもの
である。 酸化剤溶液に配合され得る高沸点あるいは高粘度の溶
媒としては、当然水の沸点や粘度を上回るものから選択
される。ただし、沸点、粘度の双方についていずれもが
水を上回る必要はない。 例えば沸点が水以下であっても、粘度が水より十分高
ければ本発明の目的に適合するし、溶媒が水より低粘度
であっても、沸点が水より高ければ適合する。最も、沸
点、粘度の何れにおいても、何れか一方が水に比べて著
しく低いものは除外されるべきである。 またこのように溶媒は水との相溶性を有するものが好
ましく、極性溶媒がより一層好ましい。 そして、有機アミド類としては、有機酸アミド及びそ
のN−置換体等が挙げられ、こようなものを具体的に例
示すれば、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジエ
チルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトア
ミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−エチルアセト
アミド、N,N−ジエチルアセトアミド、プロピオンアミ
ド、N−メチルプロピオンアミド、ピロリドン、N−メ
チルピロリドン、N−エチルピロリドン、ピペリドン、
N−メチルピペリドン、N−エチルピペリドン、リン酸
エチルアミド、リン酸ヘキサメチルトリアミド、メチル
オキサゾリジノン、エチルトキサゾリジノンなどがあ
る。 又エステル類は、モノカルボン酸、二価のカリボン酸
あるいは多価カルボン酸のモノエステル類、ジエステル
類あるいは多価エステル類が挙げられる他、炭酸のエス
テル類、あるいはリン酸トリエチル、リン酸トリメチル
等のリン酸のエステル類を挙げることができる。更に、
このようなエステル類のアルコール残基部分あるいは酸
残基部分は、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の親水
性基で置換されていても良く、更に、これらエステル類
はラクトン環を形成しているものであっても良い。この
ようなエステル類の代表的をものとしては、3−メトキ
シブチルアセタート、3−エトキシブチルアセタート、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、エチレング
リコールジアセタート、プロピレングリコールジアセタ
ート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、
γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリ
ロラクトン等がある。 又アルコール類及びエーテル類としては、1価又は2
価のアルコールあるいは多価のアルコール類、第三アル
コールが挙げられる他、エーテルは結合を分子中に1個
又は複数個有するものが挙げられる。このようなものの
具体例としては、1,3−プロパンジオール、第3級ブチ
ルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソ
プロポキシエタノール、ベンジルアルコール、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル
等が挙げられる。 この発明において、使用することのできる水に配合す
る溶媒としては、上記したように、この発明の目的を達
成するようなものであれば、それを使用することができ
るし、又そのような溶媒の二種又はそれ以上のものを組
み合わせて使用することもできる。 本発明において使用される、酸化剤の種類については
特に限定はないが、当然水および配合される溶媒に可溶
なものであることが必要である。酸化剤の代表例として
は、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カ
リウム、ピリジン−N−オキサイド、アルキル−N−ピ
リジンオキサイド、キノン、アルキルキノン、クロラニ
ル、過酸化水素、ジメチルスルホキシド、塩素酸ナトリ
ウム、塩素酸カリウム、塩素酸アンモニウム、臭素酸ナ
トリウム、臭素酸カリウム、臭素酸アンモニウム、硫酸
第二鉄、FeCl3、FeBr3、Fe(NO3、Fe2(C2O4
Fe(ClO4、K3Fe(CN)、(C5H52Fe+FeCl4 -CuCl
2、CuBr2、CuSO4、Cu(NO3、HNO3、PbO2、ジアゾニ
ウム塩等が挙げられるが、特に過硫酸アンモニウム、Fe
Cl3、キノン、FeBr3、(C5H52Fe+FeCl4 -などが好適で
ある。 この発明の前記の極性溶媒を配合した酸化剤水溶液
は、先ず上記酸化剤の一種又はそれ以上の任意の組み合
わせて選択したものを加えるが、あるいは水と前記溶媒
の一種又はそれ以上の任意の組み合わせで選択されたも
のとを混合したものの中に、上記酸化剤の一種又はそれ
以上の任意の組み合わせで選択されたものを溶解するこ
とにより調製される。 この場合に用いられる酸化剤及び溶媒の量は特に限定
されないが、良好な性質を有する固体電解コンデンサを
得るように適宜決定して用いることができる。この発明
の酸化剤溶液として通常用いる配合例としては、過硫酸
アンモニウム等の酸化剤を20〜35重量%含む水溶液に、
上記した溶媒を5〜20重量%加えて得られる。 この溶媒が配合された酸化剤溶液を多孔質誘電体の表
面に付着させるには、塗布、吹き付け等の手段で行う
が、あるいは多孔質誘電体が形成さた電極を前記の溶液
中に浸漬し、その後引き上げて余剰の溶液を除去するな
との手段を用いれば良い。そしてこの溶液が乾燥しな
い、すなわちぬれた状態で気相重合を行う。 気相重合により形成される電動性高分子化合物として
は、下記の式(1)又は式(2)の構造を繰り返し単位
とする高分子化合物である。 (式中、R1〜R8は同一でも異なっていても良く、水素、
塩素、炭素、よう素、ふっ素などのハロゲン、アルキル
基、アルコキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、
ジアルキル置換アミノ基、フェニル基等のアリール基又
はシアノ基を示すか、あるいはR1〜R5のうちから選ばれ
た2つの置換基及びR6とR7は一緒になり、非置換又は置
換された脂肪族又は芳香族環を形成して良く、XはN−
R8、S、O、Se又はTeを示す。 このよう高分子化合物の代表例としては、例えばポリ
ピロール、ポリ−3−メチルピロール、ポリ−N−メチ
ルピロール、ポリチオフェン、ポリ−3−エチルチオフ
ェン、ポリ−3,4−ジメチルチオフェン、ポリフラン、
ポリインドール、ポリアニリン、ポリ−2−メチルアニ
リン、ポリエトキシアニリン等を挙げることができる。 またこれらの電導性高分子には、公知のドーパントを
気相もしくは液相でドープして使用しても良い。これら
のドーパントしては、例えばNO2、BF4、SO3、FeCl3など
が挙げられる。またこれらのドーパントは、前記の酸化
剤としての役割を果たすとともにドーパントとしての役
割を果たすものを、前記の酸化剤溶液による処理に際し
て加えることもできる。又四弗化ほう素塩が含有する化
合物を酸化剤溶液に加えることでドーパントの効果を高
め電導度をより高くすることもできる。 又電導性高分子が形成された後、ドーパント付与剤を
溶解した電解液中で電解処理によりトーピングする手段
もある。 この発明における気相重合方法は、例えば前記の式
(1)又は式(2)の繰り返し単位を有する電導性高分
子を与えるモノマー溶液を、窒素、アルゴン、ヘリウム
等の不活性ガスに同伴させて、高沸点又は高粘度の溶媒
が配合された酸化剤溶液が付着した多孔質誘電体層へ導
入して重合したり、モノマー溶液の蒸気を、酸化剤溶液
が付着した多孔質誘電体層へ導いて重合させることで達
成できる。 気相重合の場合の温度の範囲については特に限定はな
いが、一般には−60℃から+200℃の間の温度で行うこ
とができ、より好ましくは−15℃から+25℃の間の温度
で行う。この気相重合せる場合の温度としては、室温で
行うのが操作の上からも簡単であり、特に好ましいとい
える。 又気相重合により電導性高分子を生成させるのに要す
る時間としては、電導性高分子の生成過程を観察して判
断したり、適当な測定装置を利用して監視するなどの手
段があるが、一般には数分から数時間程度である。
【作用】
本発明によれば、固体電解質となる導電性高分子の気
相重合時にもちいる酸化剤水溶液に、高沸点、高粘度の
溶媒である有機アミド類、エステル類、アルコール類、
あるいはリン酸、ポリリン酸またはそれらの塩から選択
された1または2以上の極性溶媒を配合し、酸化剤溶液
が濡れた状態で重合反応を行わせるため、エッチングピ
ット内部にまで十分に固体電解質層が形成される。 また形成される固体電解質も緻密で、密着度が向上す
る。
【実施例】
以下実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本
発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものでないこ
とはいうまでもない。 (実施例1) 厚さ90μmのアルミニウム箔1.5cm×0.5cm(純度99.9
9%)を基材とし、このアルミニウム箔を陽極として直
流及び交流の交互使用により、その箔の表面を電気化学
的にエッチングして、その箔の表面を多孔質とする。そ
の多孔質表面は、平均細孔径0.1μmで、比表面積約15
倍であった。 次いでこのエッチング処理したアルミニウム箔を、ほ
う酸アンモニウムの液中で電気化学的に処理して、表面
に酸化アルミニウム(Al2O3)の誘電体酸化皮膜を形成
させる。 次に過硫酸アンモニウム((NH42S2O8)、25重量%
及びプロピレンカーボネート5重量%を含む水溶液に、
上記で得られた酸化アルミニウムの誘電体酸化皮膜を有
するアルミニウム箔を、減圧及び加圧を繰り返す中で浸
漬した後、余分に付着する溶液を除去する。そしてその
アルミニウム箔の表面がぬれている状態で、3−メチル
ピロールの入った密閉容器中に置き、気相重合させてポ
リ−3−メチルピロールの電導性高分子膜を形成した。 この酸化剤溶液への浸漬と気相重合の処理を3回繰り
返した。 その後、アクリル系溶剤に銀粉末を分散させた導電ペ
ースト「ドータイトXA−167」(商品名)を電導性高分
子形成層の表面に塗布し、一昼夜乾燥させて固体電解コ
ンデンサとした。 次に得られた固体電解コンデンサの電気的特性を調べ
るために、前記アルミニウム箔の表面に陽極側リード線
を接続し、又上記銀ペースト層の表面に陰極側リード線
を接続し、それらの間で電気特性を測定した。この結果
は、以下に説明する実施例2〜4及び比較例1〜4と共
に第1表に示す。 またこれら実施例、比較例の固体電解コンデンサの銀
ペースト表面に保護の樹脂膜を塗布したものを、恒温槽
内に入れ、85℃で10Vを印加して1000時間の高温負荷試
験を実施した後の電気特性についても測定を行った。こ
の結果は、第2表に示した。 (実施例2) 実施例1の、プロピレンカーボネートの代わりにγ−
ブチロラクトンを、3−メチルピロールの代わりに3,4
−ジメチルチオフェンをそれぞれ使用した他は、実施例
1と同じ条件で固体電解コンデンサを製造した。 (実施例3) 実施例1の、プロピレンカーボネートの代わりにエチ
レングリコールを、3−メチルピロールの代わりにイン
ドールをそれぞれ使用した他は、実施例1と同じ条件で
固体電解コンデンサを製造した。 (実施例4) 実施例1のプロピレンカーボネート5重量%の代わり
に3−メチルオキサゾリジノン10重量%、3−メチルピ
ロールの代わりにピロールをそれぞれ使用した他は、実
施例1と同じ条件で固体電解コンデンサを製造した。 (比較例1〜4) 実施例1〜4において、それぞれ加えた溶媒を加えな
い水溶液とし、それ以外は、実施例1〜4のそれぞれの
番号に対応した条件で固体電解コンデンサを製造した。 この結果からわかるように、本発明の方法により固体
電解質を形成して製造した固体電解コンデンサは、いず
れも高い静電容量値が得られ、しかも高温負荷試験を実
施後でもその減少が少ない。また損失、ESRなども低減
が図れしかもその特性が安定していることがわかる。 一方、溶媒を加えない酸化剤溶液を用いたものも、初
期値においては、実施例にくらべて余り遜色なく静電容
量が得られるものの、高穏負荷試験後の静電容量値の減
少が多く、エッチングピット内で緻密で、密着性の良い
固体電解質層が安定して形成されていないことを示して
いる。又損失、ESRについても同様である。
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、緻密で密着性の
良い導電性高分子からなる固体電解質層を、エッチング
ピットによる多孔質誘電体層上に一様に形成できるの
で、静電容量が大きく、損失やESR値が低い固体電解コ
ンデンサが得られる。しかもこの固体電解質層を形成す
る皮膜は緻密で密着性が良いので、高温負荷などによる
長期の使用でも変化が少なく、安定した特性が維持でき
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電導性高分子化合物を固体電解質とする固
    体電解コンデンサを製造するにあたり、多孔質誘電体層
    の表面に、有機アミド類、カルボン酸のエステル類、炭
    酸のエステル類、リン酸のエステル類、1,3−プロパン
    ジオール、第3級ブチルアルコール、エチレングリコー
    ル、プロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)
    エタノール、2−イソプロポキシエタノール、ベンジル
    アルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、
    ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
    グリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコー
    ルモノメチルエーテル、あるいはリン酸、ポリリン酸ま
    たはそれらの塩から選択された1または2以上の極性溶
    媒を配合した酸化剤水溶液を付着させた状態で、該誘電
    体層上に気相重合によって電導性高分子化合物を生成せ
    しめることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方
    法。
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