JP2603798B2 - 流体封入式エンジンマウント - Google Patents

流体封入式エンジンマウント

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JP2603798B2
JP2603798B2 JP29926193A JP29926193A JP2603798B2 JP 2603798 B2 JP2603798 B2 JP 2603798B2 JP 29926193 A JP29926193 A JP 29926193A JP 29926193 A JP29926193 A JP 29926193A JP 2603798 B2 JP2603798 B2 JP 2603798B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車のエンジ
ンを支承するブッシュタイプの流体封入式エンジンマウ
ントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ブッシュタイプの流体封入式
マウントとして、内筒体と外筒体とを弾性体により連結
し、この弾性体の内部に液体と空気とを封入した流体室
を画成したものが知られられている(例えば、特開平5
−149368号公報参照)。このものにおいては、主
流体室、副流体室、および、両流体室を連通するオリフ
ィスが形成されており、弾性体を介して入力振動を受け
て主流体室の液体がオリフィスを通して副流体室との間
で流動し、このオリフィスを通した液体の液柱共振によ
り振動の減衰が行われるようになっている。この際、上
記の副流体室内の空気の部分が圧縮・膨脹して副流体室
内の液体の部分の容積が拡縮される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ブッシュタイプのマウントにおいては、内外筒体間を連
結する弾性体が上記の流体室以外の部分のすべてに中実
に配設されているため、大振幅の振動を受けた際、弾性
体には大きな引張応力が作用する上、内筒体と外筒体と
の相対変位量は比較的小さいものに限られる。従って、
このようなマウントを、エンジンマウントのごとく比較
的大きな振幅が入力して大きな相対変位を受けるものに
適用するのは不向きである。
【0004】そこで、上記のブッシュタイプのマウント
をエンジンマウントとして適用可能とするために、弾性
体中に大気と連通する貫通空所をゴム薄膜で副流体室と
区画して設け、これにより、弾性体に作用する引張応力
の低減化を図り、大変位にも対応可能とすることも考え
られる。しかしながら、この場合、上記ゴム薄膜が大変
位に伴う大きな内圧を受けて破損するおそれがあり、エ
ンジンマウントには依然として不向きである。
【0005】また、上記のブッシュタイプのマウントの
場合、流体室には液体と空気とが封入されており、これ
をエンジンマウントとして使用した場合、弾性体が大変
位して上記空気が液体中に混入し、混入した気泡が液体
中に残留することが考えられる。そして、このような気
泡が液体中に残留するとオリフィスを通しての液体の流
動量がその気泡の分だけ減少し、オリフィスを介した液
柱共振に基く本来の振動減衰が発揮されなくなる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、貫通空所を設
けることによりブッシュタイプの液体封入式マウントの
エンジンマウントへの適用を図るものにおいて、貫通空
所と流体室とを区画するゴム薄膜の破損のおそれを回避
することにあり、加えて、流体室の液体中に気泡が残留
することを防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、筒軸が横向きに配置された
内筒体と、この内筒体の周囲を囲む外筒体と、この外筒
体と上記内筒体とを互いに連結する弾性体と、上記内筒
体と外筒体との中間位置の上記外筒体寄りの弾性体中に
上記内筒体の周囲を囲むよう埋め込まれた中間筒体と、
上記内筒体の筒軸に直交する方向の両側位置の弾性体中
にそれぞれ画成された主流体室および副流体室と、両流
体室に封入された液体および気体と、両流体室を互いに
連通するオリフィスと、上記内筒体より副流体室側の弾
性体中を上記内筒体の筒軸に平行に貫通する貫通空所と
を備えたものを前提とする。このものにおいて、上記主
流体室を内筒体の下側に、上記副流体室を内筒体の上側
にそれぞれ配置し、上記液体を上記オリフィスの副流体
室側開口より上方位置に液面が位置するよう封入する。
そして、上記中間筒体の副流体室側の部位に内筒体側に
へこむ凹部を形成し、この凹部を構成する筒壁によって
上記貫通空所と副流体室とを区画する構成とするもので
ある。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、主流体室の内部上面を画成する弾性
体の下面に、オリフィスの主流体室側開口に向かって気
泡を上方に導く案内面を形成する構成とするものであ
る。
【0009】さらに、請求項3記載の発明は、請求項2
記載の発明において、オリフィスを主流体室に対して筒
軸に直交する方向であって水平方向両側の外筒体内面寄
りの各位置に開口するよう形成する。そして、内筒体お
よび外筒体の一方を振動発生源に、他方を振動受部にそ
れぞれ連結した状態で、弾性体の案内面を、上記水平方
向中間部位を最下位点とし、この最下位点から上記各オ
リフィスの主流体室側開口に連続する各面により挟まれ
る上側の内角が180度より小さくなるようV字状の断
面形状に形成する構成とするものである。
【0010】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
下側の主流体室と、主流体室にオリフィスを介して連通
された上側の副流体室とに、上記オリフィスの副流体室
側開口より上方位置に液面が位置するよう液体が封入さ
れ、その副流体室の上部に気体が封入されているため、
その気体の圧縮・膨脹作用により主流体室と副流体室と
の間でオリフィスを介した液体の流動が可能となり、こ
のオリフィスを介した液体の液柱共振により上記振動の
減衰が図られる。この振動減衰に際し、貫通空所が設け
られているため、大振幅の振動入力に対して弾性体に作
用する引張応力を過大にすることなしに大変位に対応可
能となる。加えて、その貫通空所と上記副流体室とを区
画する区画壁が、中間筒体の凹部を構成する剛性部材で
ある筒壁によって構成されているため、従来のゴム薄膜
などの弾性膜部材により区画する場合と比べて強度が増
大し、大振幅の振動入力により大内圧を受けても区画壁
の破損のおそれの回避が図られる。これにより、ブッシ
ュタイプの液体封入式マウントにおいて、流体室を画成
する部材の破損のおそれを回避した状態で貫通空所を設
けることが可能となり、エンジンマウントとして好適な
ものとなる。
【0011】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の発明による作用に加えて、弾性体の下面に気
泡をオリフィスに向かって上方に導く案内面が形成され
ているため、比重差により副流体室の液面より上方に集
合した空気が液体中に混入してオリフィスを通って主流
体室に入っても、この主流体室に入った気泡は上記案内
面に導かれてオリフィスの主流体室側開口に至り、この
オリフィスを通して上方の副流体室に排出される。そし
て、気泡はこの副流体室内の液体中を上昇して液面上の
空気の集合している部分に戻る。このため、主流体室の
液体中に気泡が残留することが防止され、オリフィスに
よる本来の振動減衰作用が発揮される。
【0012】さらに、請求項3記載の発明では、上記請
求項2記載の発明による作用に加えて、弾性体下面の案
内面の断面形状が180度より小さい内角を有するV字
状の断面形状になっているため、主流体室に入った気泡
はこの案内面によって水平方向両側のいずれかのオリフ
ィスの開口まで確実に導かれ、気泡の主流体室からの排
出がより確実に行われる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0014】図1〜図3は、本発明の実施例に係る流体
封入式エンジンマウントを示し、1は筒軸Xが略水平方
向となるよう配置された内筒体、2はこの内筒体1の周
囲を囲むよう外周囲に配置された外筒体、3はこの外筒
体2と上記内筒体1とを互いに連結する弾性体、4は上
記内筒体1と外筒体2との中間位置であって上記外筒体
2に近接した位置の弾性体3中に上記内筒体1の周囲を
囲むよう埋め込まれた中間筒体である。また、5は上記
内筒体1の下側の弾性体3内に画成された主流体室、6
は上記内筒体1の上側の弾性体3内に画成された副流体
室、7,7はこれらの両流体室5,6を互いに連通する
オリフィス、8は上記内筒体1より上側の弾性体3中を
上記筒軸Xに変更に貫通する貫通空所である。そして、
上記主流体室5および副流体室6には非圧縮性流体とし
ての液体9と圧縮性の気体としての空気10とが封入さ
れており、液体9は上記副流体室5の上下方向中間位置
であって上記各オリフィス7の副流体室側開口7aより
上方位置に液面9aが位置するよう封入されている。こ
れにより、上記副流体室6の下半部には液室部6aが形
成され、上半部には気室部6bが形成されている。な
お、図1〜図3は、内筒体1が振動受部側である車体
に、外筒体2が振動発生源であるエンジン側に連結され
て、弾性体3にエンジンの自重が作用した状態を示して
いる。
【0015】上記弾性体3は、上記内筒体1および中間
筒体4と一体に加硫成形されたものであり、その外周側
に加硫接着されたゴム薄層3aを介して外筒体2の内周
面に圧入されて上記内筒体1と外筒体2とを互いに連結
している。この弾性体3は、エンジンマウントとして装
着前の状態において図4に実線で示すように内筒体1を
外筒体2に対して相対的に下方に変位した偏心状態で支
持し、エンジンを支承した装着状態においてエンジンの
重量を受けて弾性体3が撓んだ結果、同図に一点鎖線で
示すように内筒体1を筒軸Xについて中間筒体4および
外筒体2と同軸に位置付けて支持するようになってい
る。そして、上記弾性体3の下面3bは、上記エンジン
の自重が作用した状態で、筒軸Xに直交する方向でかつ
水平方向(以下、左右方向という)の中央部3cが下方
に突出し、この中央部3c下端を最下位点として左右両
側に上記各オリフィス7の主流体室側開口7bに向かっ
て斜め上方に延ばされており、この下面3bによって、
上記最下位点を中心として上記の両開口7bにより挟ま
れる内角が180度より小さい略V字状の断面形状の案
内面11が構成されている。
【0016】上記中間筒体4には、図5に詳細を示すよ
うに、外周面の下側部分が切り欠かれて窓部4aが形成
され、上側部分が内方に凹まされて凹部4bが形成され
ている。そして、上記主流体室5は上記窓部4aの部分
を貫通して上記弾性体3の下面3aとこの下面3aと相
対向する外筒体2の内周面とにより画成される一方、上
記副流体室6は上記凹部4bとこの凹部4bの上方を覆
う外筒体2の内周面とにより画成されている。加えて、
上記凹部4bにより上記貫通空所8と副流体室6との間
が区画されており、この凹部4bを構成する中間筒体4
の筒壁が両者8,6を互いに区画する区画壁12を構成
している。
【0017】上記各オリフィス7は、上記ゴム薄層3a
の主流体室5と副流体室6との間の部分が筒軸X方向に
所定幅だけ周方向に切り欠かれて凹溝状とされ、この凹
溝の部分と外筒体2の内周面とに挟まれて形成されてい
る。
【0018】なお、図1,図2中3dは貫通空所8の側
に突出するよう弾性体3と一体形成されたストッパーで
あり、このストッパー3dは上記区画壁12の底壁部に
当たることにより、弾性体3がそれ以上上方に変位しな
いように規制するようになっている。
【0019】次に、上記構成の流体封入式エンジンマウ
ントの製造方法について図6に基いて説明すると、ま
ず、内筒体1および中間筒体4とを上述したごとく弾性
体3と一体加硫成形する。次に、この一体成形物13と
外筒体2とを筒軸Xが上下方向にするように配置し、上
記外筒体2の内周面に対して上から上記一体成形物13
の外周面のゴム薄層3aを圧入していき、主流体室5と
なる空所14の上端部と外筒体2の上端開口縁2aとの
間に隙間15を開けた状態で上記圧入を一時停止する。
そして、上記隙間15から液体9を気室部6bの空気量
を考慮した所定量だけ注入し、その後、上記一体成形物
13を最後まで圧入する。最後に、上記外筒体2の上下
の各開口縁2a,2bをかしめて両者13,2を一体化
する。この製造方法によれば、液体9を満たした液槽中
で組み付けを行う必要がないため、圧入による液体の飛
散の発生や組み付け後に外面に付着した液体の洗浄の必
要などがない。また、真空吸引により上記液槽外で液体
9の注入を行う場合においても、液体9中にマイクロ気
泡が発生しても気室部6bの空気10に入るため、マイ
クロ気泡が残留することによる減衰性能の悪化を排除す
ることができ、製造の際のタクトタイムの短縮化を図る
ことができる。
【0020】次に、上記構成の実施例の作用・効果につ
いて、以下に説明する。
【0021】外筒体2を介して弾性体3に上下方向の振
動が入力すると、内筒体1が上下方向に相対的に変位す
る。この変位により両オリフィス7,7を通して主流体
室5と副流体室6の液室部6aとの間で液体9が流動す
る。そして、この流動により上記両オリフィス7,7を
介した液柱共振が生じ、この液柱共振により上記振動の
減衰が図られる。上記の液体9の流動に際し、副流体室
6の側に液体9が各オリフィス7の副流体室側開口7a
より上方位置まで封入されて液室部6aと気室部6bと
が設けられているため、上記気室部6bの空気10の圧
縮・膨脹作用によって上記各オリフィス7を介した液体
9の流動が可能となる。
【0022】上記振動入力の際、弾性体3の上側に貫通
空所8が存在するため、入力振動が大振幅のものであっ
ても、上記弾性体3は引張応力が過度に大きくなること
なしに大変位することができ、エンジンマウントとして
その機能を発揮することができる。また、上記の大振幅
の振動が入力して液圧が増大しても、副流体室6の液室
部6aが中間筒体4の一部であるほぼ剛体に近い区画壁
12によって画成されているため、上記副流体室6を画
成する部材(区画壁12)の強度を、ゴム薄膜などの弾
性膜部材により画成する場合と比べ、飛躍的に増強する
ことができ、上記液圧による破損のおそれを回避するこ
とができる。このため、ブッシュタイプのエンジンマウ
ントにおいて、貫通空所8を支障なく設けることができ
る。
【0023】そして、上記副流体室6の気室部6bの空
気10が液体9中に混入し、この気泡が液体9の流動に
伴い各オリフィス7を通して主流体室5内に入っても、
その気泡は主流体室5の液体9中を上昇して案内面11
に当たり、この案内面11に案内されて各オリフィス7
の主流体室側開口7bに導かれ、各オリフィス7を通し
て副流体室6に排出される。そして、その気泡は液室部
6aの液体9中を上昇して気室部6bに自然に戻される
ため、主流体室5の液体9中に気泡が残留することを確
実に防止することができ、これにより、上述の各オリフ
ィス7を介した所期の振動減衰性能を維持することがで
きる。
【0024】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、その他種々の変形例を包含するものであ
る。すなわち、上記実施例では、案内面として弾性体3
下面の中央部3cを下方に突出させて下方変位時に外筒
体2の内周面と当たるストッパーの機能を備えた案内面
11を示したが、これに限らず、最下位点を挟む左右各
面により断面形状がV字状とすればよく、例えば最下位
点を挟む左右各面を平面、または、下向きもしくは上向
きに凸の曲面により構成してもよい。
【0025】また、上記実施例では、副流体室6を画成
する凹部4bを左右方向に延びる溝状に構成している
が、これに限らず、例えば窪み状に構成してもよい。
【0026】さらに、上記実施例では、流体室に封入す
る気体として空気10を封入したが、これに限らず、気
体の膨脹・圧縮作用によりオリフィス7,7を介して主
流体室5と副流体室6との間の液体9の流動を可能とす
るものならばいずれを採用してもよく、例えば窒素ガス
などを用いてもよい。
【0027】さらに、上記実施例では、外筒体2をエン
ジン側に、内筒体1を車体側に連結するように構成して
いるが、これに限らず、逆に、外筒体2を車体側に、内
筒体1をエンジン側に連結するように構成してもよい。
この場合、連結前の状態で内筒体が外筒体に対して相対
的に上方に偏心した状態で支持されるように弾性体を構
成すればよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における流体封入式エンジンマウントによれば、下側
の主流体室と、主流体室にオリフィスを介して連通され
た上側の副流体室とに、上記オリフィスの副流体室側開
口より上方位置に液面が位置するよう液体を封入する一
方、その副流体室の上部に気体を封入しているため、そ
の気体の圧縮・膨脹作用により主流体室と副流体室との
間でオリフィスを介した液体の流動を生じさせることが
でき、このオリフィスを介した液体の液柱共振により上
記振動の減衰を図ることができる。
【0029】この振動減衰に際し、貫通空所を設けてい
るため、大振幅の振動入力に対して弾性体に作用する引
張応力を過大にすることなしに大変位に対応することが
できる。加えて、その貫通空所と上記副流体室とを区画
する区画壁として中間筒体の凹部を構成する剛性部材で
ある筒壁によって構成しているため、従来のゴム薄膜な
どの弾性膜部材により区画する場合と比べて強度を増大
させることができ、大振幅の振動入力により大内圧を受
けても区画壁の破損のおそれを回避することができる。
これにより、ブッシュタイプの液体封入式マウントにお
いて、流体室を画成する部材の破損のおそれを回避した
状態で貫通空所を設けることができ、エンジンマウント
として好適なものとして使用することができる。
【0030】また、請求項2記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明による効果に加えて、弾性体の下面
に気泡をオリフィスの主流体室側開口に向かって上方に
導く案内面が形成されているため、大振幅の振動入力に
より気泡が下側の主流体室の液体中に混入しても、その
気泡を上記案内面によってオリフィスまで導きこのオリ
フィスを介して副流体室の気体部分まで戻すことができ
る。これにより、主流体室の液体中に気泡が残留するこ
とを確実に防止することができ、オリフィスによる本来
の振動減衰作用を確実に発揮させることができる。
【0031】さらに、請求項3記載の発明によれば、上
記請求項2記載の発明による効果に加えて、弾性体下面
の案内面の断面形状として180度より小さい内角を有
するV字状の断面形状となるようにしているため、主流
体室に入った気泡を上記案内面によって水平方向両側の
いずれかのオリフィスの開口まで確実に導くことがで
き、主流体室における気泡の残留の防止をより確実に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す横断面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図1のB−B線における断面図である。
【図4】装着前の状態における図1相当図である。
【図5】内筒体と中間筒体との分解斜視図である。
【図6】組み付け手順を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 内筒体 2 外筒体 3 弾性体 3c 中央部(水平方向中間部位) 4 中間筒体 5 主流体室 6 副流体室 7 オリフィス 7a 副流体室側開口 7b 主流体室側開口 8 貫通空所 9 液体 9a 液面 10 空気(気体) 11 案内面 12 区画壁 X 筒軸

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒軸が横向きに配置された内筒体と、こ
    の内筒体の周囲を囲む外筒体と、この外筒体と上記内筒
    体とを互いに連結する弾性体と、上記内筒体と外筒体と
    の中間位置の上記外筒体寄りの弾性体中に上記内筒体の
    周囲を囲むよう埋め込まれた中間筒体と、上記内筒体の
    筒軸に直交する方向の両側位置の弾性体中にそれぞれ画
    成された主流体室および副流体室と、両流体室に封入さ
    れた液体および気体と、両流体室を互いに連通するオリ
    フィスと、上記内筒体より副流体室側の弾性体中を上記
    内筒体の筒軸に平行に貫通する貫通空所とを備えた流体
    封入式エンジンマウントにおいて、 上記主流体室が内筒体の下側に、上記副流体室が内筒体
    の上側にそれぞれ配置され、上記液体が上記オリフィス
    の副流体室側開口より上方位置に液面が位置するよう封
    入されており、 上記中間筒体の副流体室側の部位に内筒体側にへこむ凹
    部が形成され、この凹部を構成する筒壁によって上記貫
    通空所と副流体室とが区画されていることを特徴とする
    流体封入式エンジンマウント。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 主流体室の内部上面を画成する弾性体の下面にはオリフ
    ィスの主流体室側開口に向かって気泡を上方に導く案内
    面が形成されている流体封入式エンジンマウント。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 オリフィスが主流体室に対して筒軸に直交する方向であ
    って水平方向両側の外筒体内面寄りの各位置に開口する
    よう形成されており、 内筒体および外筒体の一方が振動発生源に、他方が振動
    受部にそれぞれ連結された状態で、弾性体の案内面が、
    上記水平方向中間部位を最下位点とし、この最下位点か
    ら上記各オリフィスの主流体室側開口に連続する各面に
    より挟まれる上側の内角が180度より小さくなるよう
    V字状の断面形状に形成されている流体封入式エンジン
    マウント。
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