JP2602756Y2

JP2602756Y2 - 入浴用昇降式搬送車

Info

Publication number: JP2602756Y2
Application number: JP1993075240U
Authority: JP
Inventors: 賢治島村; 信一春田
Original assignee: オージー技研株式会社
Priority date: 1993-12-27
Filing date: 1993-12-27
Publication date: 2000-01-24
Anticipated expiration: 2008-12-27
Also published as: JPH0739831U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、身体に障害を持つ入浴
者の入浴介助に用いる入浴用昇降式搬送車に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来技術としては実開平４−２２９４３
号公報に開示されるものがあり、この公報に示される入
浴装置は、台部と、座部と、車椅子と、スロープフレー
ムと、リフターと、昇降手段とからなっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来技術では、座
部を掛止するリフターの高さは固定されるものであるか
ら、車椅子の高さにリフターの高さを合わさなければな
らず、通常浴槽縁の高さは施設毎に異なるものであるか
ら、設置の都度高さ調節を要しその対応が煩雑であっ
た。又、座部がリフターに乗って浴槽縁を越える時、患
者は長足座位姿勢とならざるを得ず下肢障害者には苦痛
を強いる場合があった。本考案は、機器全体を容易に移
動可能であって、且つ浴槽縁の高さを気にすることなく
使用でき汎用性のあるものとし、苦痛を与えることなく
入浴の介助を行なえる入浴用昇降式搬送車を提供するこ
とを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】即ち本考案は、浴槽
（１）の底面（２）に載置される浴槽脚（３）と洗い場
（４）に載置される洗い場脚（５）とを有する枠体
（７）と、浴槽脚（３）及び洗い場脚（５）の下端のそ
れぞれに設けられる車輪（８）と、枠体（７）に昇降可
能に掛止され入浴者を載せる載せ部（９）と、載せ部
（９）を昇降させる昇降機構（１０）とからなる入浴用
昇降式搬送車である。前記洗い場脚（５）には、該脚
（５）の長さを調節する伸縮調整部（１３）が設けら
れ、前記載せ部（９）は、入浴者が座すシート（３８）
の掛止部（４０）を掛止するリフトアーム（３５）であ
る。

【０００５】

【作用】本考案を入浴介助に使用する時、下面に車輪８
の付いた浴槽脚３を浴槽１の底面２上を移動させ、下端
に車輪８の付いた洗い場脚５を洗い場４上を移動させ、
枠体７を浴槽１方向へ移動させたり、洗い場４方向へ自
在に移動させる。枠体７に掛止される載せ部９は入浴者
を載せ、昇降機構１０は載せ部９を浴槽脚３に沿って昇
降させる。洗い場脚５に設けられた伸縮調整部１３は、
洗い場脚５の長さを調節する。載せ部９を具体化したリ
フトアーム３５は、車椅子３９に着脱可能に載置される
シート３８の掛止部４０を掛止する。

【０００６】

【実施例】本考案の実施例ついて図面を参照して説明す
ると、該実施例は、浴槽１の底面２に載置される浴槽脚
３と洗い場４に載置される洗い場脚５とを接続枠６で接
続してなる枠体７と、浴槽脚３及び洗い場脚５の下端の
それぞれに設けられる車輪８と、枠体７に昇降可能に掛
止され入浴者を載せる載せ部９と、載せ部９を昇降させ
る昇降機構１０とからなる。

【０００７】前記浴槽脚３は、縦部材１１の下端に横部
材１２を延設したＬ字形の部材でなり、前記車輪８は横
部材１２の左右端に取着される。洗い場脚５には、下方
への進出長を調節する伸縮調整部１３が該脚５の中途部
に設けられ、手動で適宜に調節される。伸縮調整部１３
の詳細構成は、外筒１４と、該外筒１４に収納される内
筒１５と、外筒１４の頂部に貫通して回動自在に保持さ
れる調整ネジ１６と、調整ネジ１６を回動させる握り体
１７とからなり、内筒１５の頂部は調整ネジ１６に貫通
状に螺着されていて該調整ネジ１６の回動に従属して上
下に移動する。

【０００８】接続枠６は浴槽脚３の上端から水平方向に
延設され、接続枠６の延設先端に洗い場脚５の上端が取
着され、洗い場脚５の下端に取着される車輪８には回動
を許容又は阻止するペダル１８が設けられる。洗い場脚
５の中途部から縦部材１１に向かって水平方向に摺動枠
１９が延設され、該摺動枠１９の中途部は曲折されその
先端は上方に向い接続枠６に取着される。摺動枠１９
は、浴槽縁２０にノブネジ２１で脱着容易に取付けられ
ネジ５６でなる高さ調節体４５で高さを調節される取付
体２２に開けた案内穴２３に挿通される。取付体２２は
枠体７の転倒防止の作用をしている。縦部材１１の上端
から洗い場４方向へ延設される接続枠６の内部には、接
続枠６に添ってネジシャフト２４が設けられる。

【０００９】接続枠６の延設先部分には、筐体２５が取
着され、該筐体２５には前記ネジシャフト２４を回動さ
せる電動機２６と、電動機２６の電源であるバッテリー
２７が収納され、接続枠６の延設先部分の上面には電動
機２６を正逆転させる上昇・下降スイッチ２８・２９が
設けられ、更に、実施例を移動させる時に掴むハンドル
３０が設けられる。

【００１０】前記ネジシャフト２４には雌ネジ３１が螺
着され、雌ネジ３１にはチエン３２の基端が止着され該
チエン３２は接続枠６の先端に設けたスプロケット３３
に掛け回され先端は載せ部９に止着される。チエン３２
の掛け方の他の実施例では、図示を省略するが、チエン
３２の基端を接続枠６における縦部材１１との接続位置
近辺に止着し、雌ネジ３２にスプロケットを追加して設
け、該スプロケットに前記チエン３２をＵターン状に掛
け回し、しかる後に、スプロケット３３を掛け回し載せ
部９を吊る構成とする。この構成では、チエン３２の先
端は雌ネジ３１の移動距離の二倍移動する。

【００１１】又、接続枠６には雌ネジ３１の移動端を設
定し該雌ネジ３１が接触することにより作動するリミッ
トスイッチ３４が、手動にて容易に移動固定可能に設け
られる。前記載せ部９を具体化したリフトアーム３５
は、基アーム３６から水平に二本のホーク状アーム３７
を延設してなるコ字形の部材であり、基アーム３６の基
端は筒状の摺動筒４４に形成され、縦部材１１に上下方
向に摺動可能に外嵌され、前記チエン３２によって吊下
支持されている。

【００１２】入浴者が座すシート３８は車椅子３９に着
脱可能に載置され、該シート３８の掛止部４０は前記ホ
ーク状アーム３７に掛止できるように断面を逆Ｕ字形と
した長尺部材でなる。尚、掛止部４０の他の実施例とし
て、掛止部４０に前記ホーク状アーム３７を差し込むこ
とが可能な筒状（図示省略）に形成してもよい。ホーク
状アーム３７の延設先部の上面には掛止部４０が抜け落
ちないようにするストッパー４１が形成され、該ストッ
パー４１は手動で引き下げ且つ停止させることができ、
停止を解除させれば上方に突出するよう付勢されるもの
である。

【００１３】前記シート３８には、該シート３８を載せ
た実施例全体を押し又はシート３８を載せた車椅子３９
を押す取手４６、シート３８の前部に吊下状に軸着され
る入浴者の下肢を支持するフットレスト４８と、斜板５
２に接触し該斜板５２に添ってフットレスト４８を上昇
させるフットレストローラー４９、フットレスト４８の
垂下角度を調節するフットレストレバー５０が設けられ
ている。前記車椅子３９には、車椅子３９を案内するガ
イドローラー４７、キャスター４２、ロック片４３、シ
ート３８を載せる部材（図示省略）、シート３８を掛止
する部材（図示省略）が設けられる。床面に案内溝（図
示省略）を設置した場合、前記ガイドローラー４７は前
記案内溝に案内され、車椅子３９を案内溝に従って移動
させるものである。

【００１４】安全対策として、洗い場脚５に安全スイッ
チ５１を設け浴槽縁２０に安全スイッチ５１が当って作
動している時にのみリフトアーム３５が下降する構成と
する。又、ホーク状アーム３７において基アーム３６に
接近する位置に掛止部４０が掛止されたことを検出する
検出器５３を設け、検出器５３が作動している時のみリ
フトアーム３５が下降する構成とする。上記検出器５３
によれば、掛止部４０がホーク状アーム３７に確実に載
っていない時、及びリフトアーム３５が下降している時
にシート３８の下に障害物が在ってそれに当った時、等
にはリフトアーム３５の下降動作は停止される。又、枠
体７の他の実施例として、図示を省略するが、前述の実
施例における縦部材１１、洗い場脚５、及び接続枠６を
対向側にも設け、枠体７を左右対象形状に四輪にしても
よい。この場合は、実施例が転倒する恐れは無く取付体
２２と摺動枠１９は不要となるから除去する。

【００１５】上記実施例のチエン３２の他の実施例とし
て、ベルト（図示省略）を用いてもよい。この場合スプ
ロケット３３はプーリー（図示省略）に代える。次に、
前記ネジシャフト２４の他の実施例としての一つは、図
４に示す通り、スプロケット３３を歯車５４を介して電
動機２６で回動させる。先端を摺動筒４４に止着したチ
エン３２は、スプロケット３３を掛け回した後、縦部材
１１に添って吊り下げ、基端に入浴者の体重を補正する
錘５５を止着する。図５に示すものは、錘５５を取り去
って縦部材１１の下部にスプロケット３３を追加して設
け、このスプロケット３３にチエン３２又はベルト（図
示省略）を無端状に掛け回し、チエン３２又は前記ベル
トの一部を摺動筒４４に止着している。又、図示を省略
するが、ネジシャフト２４の他の実施例としての二つ
は、該シャフト２４の代わりに電動油圧シリンダーを用
い、該シリンダーを接続枠６に添わせて設け、電動油圧
シリンダーの伸縮作動でチエン３２の基端を引いたり戻
したりする。

【００１６】実施例を使用するに当っては、先ず、浴槽
１に設置する際、伸縮調整部１３を操作して接続枠６を
水平にし、洗い場４側に引き出し、ペダル１８を踏んで
車輪８の回動を阻止し、実施例を洗い場４に安定に載置
する。シート３８に入浴者を載せ、該シート３８を載せ
た車椅子３９をリフトアーム３５に向けて移動させ、ホ
ーク状アーム３７の上にシート３８の掛止部４０を位置
させ、リフトアーム３５を僅か上昇させシート３８を車
椅子３９から浮かせ、ストッパー４１を上方に突出さ
せ、車椅子３９を取り去る。介助者は取手４６を掴んで
実施例を浴槽１上へ押し、次に下降スイッチ２９を押
し、リフトアーム３５を下降させ、該リフトアーム３５
と共にシート３８を浴槽１に漬け、入浴する。入浴中に
は、ペダル１８を踏んで車輪８の回動を阻止し実施例を
浴槽１内に安定に載置する。

【００１７】リフトアーム３５の下降作動を説明する
と、先ず、下降スイッチ２９を押し、電動機２６を回動
させる。電動機２６の回動はネジシャフト２４に伝導
し、ネジシャフト２４の回動に従って雌ネジ３１が浴槽
１方向に移動し、雌ネジ３１に連結されるチエン３２が
緩み、リフトアーム３５が下降する。

【００１８】退浴時には、介助者は上昇スイッチ２８を
押し、リフトアーム３５を上昇させ、実施例を洗い場４
側へ引き出し、シート３８を車椅子３９へ移乗し、患者
を所定位置へ戻し入浴を終わる。取付体２２は実施例の
転倒を防止し、又、実施例を前後方向に移動させる時そ
の移動の横揺れを防止する。シート３８が浴槽１方向に
移動する時、フットレスト４８をシート３８に取り付け
た事により、フットレストローラー４９が斜板５２上を
動き浴槽縁２０があっても少々フットレスト４８が上下
動するだけで、該浴槽縁２０を乗り越えることができ
る。

【００１９】尚、ネジシャフト２４を回動させる駆動源
の他の実施例として、図示を省略するが、ネジシャフト
２４を回動させる電動機２６の代わりに回動用ハンドル
を用いて手動式にしてもよい。この場合は、リミットス
イッチ３４を、雌ネジ３１の移動を阻止する阻止具に置
き換える。

【００２０】

【考案の効果】請求項１に記載の考案では、浴槽脚３を
浴槽１に入れ、洗い場脚５を洗い場４に置くだけの簡単
な扱いで設置でき、特別に設置手数を必要とせず、浴槽
１及び洗い場４上を容易に移動できるので入浴操作が簡
単である。又、載せ部９は昇降可能であるから、載せ部
９と車椅子３９との高さ合わせをしないでも簡単に両者
の高さを合わすことができ、好都合である。更に、浴槽
縁を越える時、載せ部９の下に何ら構成部材が無いの
で、又、高く容易に変更できるので、入浴者に長足座位
を強いることは無くなり、従って、この長足座位動作に
よる苦痛を与えることは無くなり、入浴者を快適に安心
した状況の下で入浴介助ができ、好都合である。

【００２１】請求項２に記載の考案は、浴槽１の底面２
と洗い場４との段差が施設毎に違っていても洗い場脚５
の下方突出長を簡単に調節できるので、多くの異なる入
浴施設に対応でき、本考案機器の汎用性を高めることと
なって、好都合である。

【００２２】請求項３に記載の考案は、リフトアーム３
５でシート３８の掛止部４０を掛止するものであるか
ら、シート３８がリフトアーム３５に移乗された入浴時
には、リフトアーム３５と掛止部４０が入浴者の前面を
囲う形状になるので、入浴者に与える不安感を減少させ
ることができ、好都合である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の外観斜視図である。

【図２】本考案の側面図である。

【図３】本考案における車椅子を示す外観斜視図であ
る。

【図４】本考案におけるネジシャフトの他の実施例を示
す部分断面図である。

【図５】本考案における昇降機構の他の実施例を示す部
分断面図である。

【符号の説明】

１浴槽２底面３浴槽脚４洗い場５洗い場脚７枠体８車輪９載せ部１０昇降機構１３伸縮調整部３５リフトアーム３８シート４０掛止部

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】浴槽（１）の底面（２）に載置される浴槽
脚（３）と洗い場（４）に載置される洗い場脚（５）と
を有する枠体（７）と、浴槽脚（３）及び洗い場脚
（５）の下端のそれぞれに設けられる車輪（８）と、枠
体（７）に昇降可能に掛止され入浴者を載せる載せ部
（９）と、載せ部（９）を昇降させる昇降機構（１０）
とからなり、着脱可能に車椅子（３９）に載置されているシート（３
８）を前記載せ部（９）に移乗し、搬送車を前後方向に
移動させて入浴に用いる入浴用昇降式搬送車。
【請求項２】洗い場脚（５）には、該脚（５）の長さ
を調節する伸縮調整部（１３）が設けられていることを
特徴とする請求項１記載の入浴用昇降式搬送車。
【請求項３】載せ部（９）は、入浴者が座すシート
（３８）の掛止部（４０）を掛止するリフトアーム（３
５）であることを特徴とする請求項１記載の入浴用昇降
式搬送車。