JP2599155B2 - 鳥類の大腸菌症の予防及び治療剤 - Google Patents

鳥類の大腸菌症の予防及び治療剤

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JP2599155B2 JP62328325A JP32832587A JP2599155B2 JP 2599155 B2 JP2599155 B2 JP 2599155B2 JP 62328325 A JP62328325 A JP 62328325A JP 32832587 A JP32832587 A JP 32832587A JP 2599155 B2 JP2599155 B2 JP 2599155B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鳥類の大腸菌症の予防及び治療剤並びに予
防及び治療方法に関する。
さらに詳しくは、鳥類の大腸菌症の生薬を含有する予
防及び治療剤並びに生薬を投与することからなる予防及
び治療方法に関する。
[従来の技術] 鶏等の大腸菌症は、Escherichia coliの感染によって
起こる疾病である。発生率、死亡率ともに高く、養鶏業
などへ与える産業的被害も大きいことから鳥類の数ある
疾病の中でその防除対策の確立が急がれる最も重要な疾
病の1つである。本症は、鶏、七面鳥、雷鳥、白鳥、
鳩、アヒル、ウズラ等に見られる。
本疾病は、具体的には敗血症、死ごもり卵の多発、肝
包膜炎、関節炎、腹膜炎、複合CRDなどの病型があり、
他の病原体と混合感染する場合も多い。
本菌による汚染や感染の機会は多く、介卵性感染、呼
吸器感染のほか経口的にも感染する。一たん感染し、発
病した場合には死亡率も高い他、失明、歩行困難等の種
々の後遺性を示す。
このような重大な伝染病であるにもかかわらず、有効
な対策はほとんどなく、適切な飼育管理を行なうことな
どの対策がとられているが、実際には予防できないこと
が多い。
また、これまでに本疾病を予防及び治療するために、
例えば抗生物質やその他の抗菌剤を飼料と共に投与する
方法も行なわれている。しかし、近年特に耐性菌の発生
や動物への抗生物質等の残留性の問題などがあって、抗
生物質等の投与を家禽等に対して行なうことは適当でな
いという気運が高まりつつある。従って、抗生物質など
を用いない本症の予防及び治療方法と予防及び治療剤の
開発が望まれている。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記の問題点を解決すべく研究した結
果、生薬ゴバイシに本疾病を抑制する効果がある事を見
出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の目的は、鳥類の大腸菌感染症の、予防
及び治療剤並びに同症の予防及び治療方法を提供するこ
とにある。
本発明は、ゴバイシを含有する鳥類の大腸菌感染症の
予防及び治療剤を提供するものである。
本発明は、また原末の形態のゴバイシ、有機溶剤、有
機溶媒と水との混合物または水で抽出して得られるゴバ
イシエキス、またはゴバイシ有効成分を含有する上記の
鳥類の大腸菌感染症の予防及び治療剤を提供するもので
ある。
本発明はまたゴバイシを飼料中に配合してなる鳥類の
大腸菌感染症の予防及び治療剤を提供するものである。
更に本発明は、有効量のゴバイシを投与することから
なる鳥類の大腸菌感染症の予防及び治療方法を提供する
ものである。
本発明はまた、原末の形態のゴバイシ、有機溶剤、有
機溶剤と水との混合物または水で抽出して得られるゴバ
イシエキス、またはゴバイシ有効成分の形態で投与する
ことからなる鳥類の大腸菌感染症の予防及び治療方法を
提供するものである。
ゴバイシ(五倍子)は、ヌルデノミミフシアブラムシ
(Melaphis chinensis J.Bell)の刺傷により主として
ヌルデ(Rhus javanca Linn)の葉に生じたゴールで
ある。このものは成分として、タンニン50〜58%、少量
の没食子酸、脂肪、樹脂等を含み、五倍子チンキ、タン
ニン酸、没食子酸、ピロガロール等の製造原料として用
いられている。
上記したように、本発明で用いる生薬ゴバイシは、ヒ
トの薬用植物として従来から使用されていたものである
が、これらを鳥類の疾病の予防及び治療の目的、殊に鳥
類の感染症の予防及び治療の目的で使用する試みはこれ
までになされたことがなかった。
本発明者らは、上記したゴバイシの薬効に着目して種
々研究を行なった結果、鳥類大腸菌症、即ち鳥類が細菌
Escherichia coliに感染することによって発生する病気
の予防及び治療にゴバイシを投与することがきわめて有
効であることを見出して本発明を完成したものである。
即ち、下記するように、ゴバイシ及びその抽出物がイ
ンビトロ及びインビボにおいて細菌Escherichia coliに
対し特異的に静菌作用及び殺菌作用があることが明らか
になった。そしてこのEscherichia coliに対する抑制効
果の結果、ゴバイシを鳥類に投与した場合にEscherichi
a coliに由来する鳥類の疾病である大腸菌症を予防及び
治癒することができたのである。
そしてこの鳥類に特有の疾病に対してゴバイシ及びそ
の抽出物が有効であることは予想もしえなかったこと
で、本発明者らによってはじめて明らかにされたことで
ある。
これら生薬は原末そのまままたは抽出エキス、生薬有
効成分の形態で直接投与したり、またはこれらのものを
飼料に添加したりあるいは溶液製剤、分散製剤、半固形
製剤、粉粒体製剤、成型製剤、浸出製剤、注射用製剤等
に製剤化して使用する。
抽出エキスは、例えば水、有機溶剤または水と有機溶
剤との混合物を使用して溶剤抽出し、それをそのまま
か、濃縮してか、希釈してか、または溶剤を除去して用
いられる。
有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、
n−プロパノール、n−ブタノール、アセトン、酢酸エ
チル、エーテル、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼ
ン、四塩化炭素、石油エーテル等が使用され、特にメタ
ノール、エタノールが望ましい。これらの有機溶剤は1
種または2種以上の混合物として用いることができる。
この溶剤抽出は、生薬をこれらの溶剤に冷浸または温
浸して行なうことができる。冷浸の場合には15〜25℃、
温浸の場合は35〜45℃の温度範囲で行なうことができ
る。抽出時間は、抽出温度によって異なるが、一般的に
は約5日間または可溶性成分が充分に溶けるまでとす
る。
生薬有効成分は、例えば、上記抽出エキスをさらに各
種溶剤を用いて振盪し、この溶剤に移行する画分を採り
出し、その溶剤を留去したものを有効画分、即ち有効成
分として用いることもできる。
この場合に使用される溶剤は、非極性溶剤例えば、低
級脂肪族エーテル類(ジエチルエーテル、エチルメチル
エーテル等);低級ハロゲンアルカン類(クロロホル
ム、ジクロルエタン、ジブロモエタン等);ベンゼン類
(ベンゼン、トルエン、キシレン等);その他の石油系
溶剤(石油エーテル、石油ベンゼン、リグロイン等)等
が例としてあげられる。
また、この有効画分を採り出した残りの水溶液を、水
及びある種の有機溶剤に水を飽和させたものを使用する
ことにより振盪抽出し、水洗し、残分である有機溶剤層
に移行する画分の溶剤を留去したものも、有効画分即ち
有効成分として用いることができる。この有効画分は上
記の有効画分とは、物理化学的性質が異なり、検出され
る成分も異なるものである。
投与量は、生薬の原末重量で換算して0.001mg/体重kg
/日〜100g/体重kg/日の範囲である。この量は予防剤と
して用いる場合と治療剤として用いる場合では異なり、
一般的には後者の方が投与量は多くなる。
投与方法は、経口投与または非経口投与することがで
き、非経口投与としては筋肉内投与、腹腔内投与、経皮
投与、経鼻投与、静脈内投与等が可能である。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば鳥類の大腸菌症
の有効な予防及び治療剤並びに有効な予防及び治療方法
が提供される。
本発明の予防及び治療剤は生薬またはそれから得られ
るエキス等を主薬とするため抗生物質等の場合の耐性菌
の発生や副作用の問題が全くなく、安心して投与するこ
とができる。
また、薬剤の残留による人体への影響の心配がないた
め、肉用鳥や卵用鳥に対する大腸菌症の予防及び治療の
ための薬物として適当である。
さらに、抗生物質等を用いる場合に比べて、安価に同
疾病を予防及び治療することができる。
以下本発明を試験例及び実施例によりさらに詳しく説
明する。
試験例 1 Escherichia coliのゴバイシに対する感受性を調べ
た。
ゴバイシを、ゴバイシの7倍量の50%エタノール水溶
液中に加え、16時間抽出してアルコール抽出物とした。
抽出物を直径8mmのディスクに25μlずつしみ込ませ
乾燥させた。このディスクをEscherichia coliの菌株を
塗ったハート・インフュージョン寒天培地に置き、37℃
で18時間培養した後、阻止円の直径を測定したところ14
mmであった。
実施例 1 基礎飼料 とうもろこし 450重量部 マ イ ロ 260重量部 大 豆 粕 190重量部 魚 粉 (65%) 50重量部 イエローグリス 30重量部 炭酸カルシウム 7重量部 第3りん酸カルシウム 6重量部 食 塩 2重量部 プレミックス 5重量部 前記基礎飼料にゴバイシ粉末を重量比で2%添加し供
試飼料とした。
3週令の健康な鶏20羽に前記供試飼料を自由給餌させ
た。試験開始から5日目に大腸菌症野外感染鶏の肝臓か
ら分離した病原大腸菌を鶏1羽当り5×107個/ml菌液1m
lを静脈内投与した。そして投与後7日間までの大腸菌
症による死亡羽数を観察した。
なお対照区は前記供試飼料の代りに基礎飼料を与えた
以外は前記と同様に行なった。その結果感染の鶏のうち
鶏大腸菌症で死亡した鶏は本発明の試験区では3羽であ
ったが、対照区は18羽であった。
実施例 2 ゴバイシを1kgとり、これを10の水に入れ100℃で1
時間抽出した。この水抽出物を1000倍に希釈し、抽出エ
キスとした。
3週令の健康な鶏を20羽ずつ使用し、試験区には前記
抽出エキスを水の代わりに給与し対照区は水を与えた。
飼料は実施例1で使用した基礎飼料を用いた。試験開始
から5日目に大腸菌症感染鶏の肝臓から分離した病原大
腸菌を1羽当り5×107個/ml菌液1mlを静脈内投与し
た。投与後から7日目までの死亡羽数を調べた結果、試
験区は対照区より鶏大腸菌症による死亡羽数が少なかっ
た。
実施例 3 実施例1で使用した基礎飼料にゴバイシ粉末を重量比
で2%添加し供給飼料とした。
4週令の健康なアヒル30羽に前記供給飼料を自給給餌
し、試験開始から5日目にアヒルの大腸菌症野外感染ア
ヒルから分離した病原大腸菌をアヒル1羽当り5×107
個/ml菌液1mlを静脈内に投与した。投与後から7日目ま
での大腸菌症による死亡羽数を観察した。また対照区は
供試飼料に代えて基礎飼料を用いた以外は前記と同様に
行なった。その結果感染後のアヒルのうち、大腸菌症で
死亡したアヒルは試験区では4羽であったが、対照区は
26羽であった。
実施例 4 ゴバイシを1kgとり、これを10の水に入れ100℃で1
時間抽出した。この水抽出物を1000倍に希釈し、抽出エ
キスとした。
4週令の健康なアヒルを20羽ずつ使用し、試験区には
抽出エキスを水の代わりに与え、対照区には水を与え
た。飼料は実施例1で使用したものと同じ基礎飼料を用
いた。試験開始5日目に大腸菌症野外感染アヒルから分
離した病原大腸菌をアヒル1羽当り5×107個/ml菌液の
1mlを静脈内投与し、その後7日間におけるアヒルの大
腸菌症による死亡羽数を調べた。その結果試験区は対照
区により死亡羽数が少なかった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−26549(JP,A) 特開 昭57−132847(JP,A) 赤松金芳著、「新訂和漢薬」、医歯薬 出版株式会社、昭和55年10月15日、第1 版第5刷発行、第268頁参照

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴバイシを含有する鳥類の大腸菌症の予防
    及び治療剤。
  2. 【請求項2】ゴバイシが、原末の形態である特許請求の
    範囲第1項に記載の予防及び治療剤。
  3. 【請求項3】ゴバイシが、有機溶剤、水と有機溶剤との
    混合物または水で抽出したゴバイシエキス及び/または
    それから得られた有効成分である特許請求の範囲第1項
    に記載の予防及び治療剤。
  4. 【請求項4】ゴバイシが、飼料中に配合されてなる特許
    請求の範囲第1項に記載の予防及び治療剤。
  5. 【請求項5】鳥類が鶏である特許請求の範囲第1項に記
    載の予防及び治療剤。
JP62328325A 1987-12-26 1987-12-26 鳥類の大腸菌症の予防及び治療剤 Expired - Lifetime JP2599155B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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赤松金芳著、「新訂和漢薬」、医歯薬出版株式会社、昭和55年10月15日、第1版第5刷発行、第268頁参照

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