JP2588735B2

JP2588735B2 - 毛髪化粧料

Info

Publication number: JP2588735B2
Application number: JP62323565A
Authority: JP
Inventors: 雅明植村; 恒久千葉; 富幸難波
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1987-12-21
Filing date: 1987-12-21
Publication date: 1997-03-12
Anticipated expiration: 2012-03-12
Also published as: JPH01163113A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は毛髪に対し、ぬれたようなツヤと、なめらか
な感触を付与し、かつウエット感のあるヘアスタイルが
持続する水溶性の毛髪化粧料に関するものである。

［従来の技術］従来、毛髪化粧料には毛髪に光沢やなめらかさを与え
る目的でシリコーン油、エステル油、炭化水素油などの
油分を、可溶化、乳化、溶解してもちいられている。特
にシリコーン油は、表面張力が低く毛髪へのなじみに優
れ、良い光沢が得られる為、近年多用されているもので
ある。一方、なめらかさを付与する目的でカチオン界面
活性剤も多用されている。

又、毛髪セットの目的で高分子化合物；ポリビニルピ
ロリドン系ポリマー、酸性ポリビニールエーテル系ポリ
マー、酸性アクリル系ポリマーあるいはカチオン性ポリ
マー等が配合されている。

［発明が解決しようとする問題点］しかしながら、シリコーン油に代表される油分では、
最近のヘアスタイリングの流行として、ぬれたようなツ
ヤならびにその持続性が要求されるが、その場合につい
ては必ずしも満足のいくものではなかった。更に、毛髪
や手から洗い落とす際にも水洗いで簡単に落とせるもの
でなかった。

又、なめらかさを付与する目的で配合されるカチオン
界面活性剤も、望ましい光沢を与えるものでなく、多量
に配合すると安全性上も好ましくないという欠点があっ
た。

一方、毛髪セットの目的で配合される上述の高分子化
合物も毛髪の固定すなわちセット力に優れるものの、光
沢、なめらかさ、ウエット感のあるヘアスタイリング等
を満足するものではなかった。

本発明者らは、このような事情に鑑み、毛髪に対し、
ぬれたようなツヤと、なめらかな感触を付与し、かつウ
エット感のあるヘアスタイルが持続する水溶性の毛髪化
粧料が得られないものかと鋭意研究を行なった結果、水
溶性高分子と、特定量のグリセリン及びポリオキシアル
キレン変性オルガノポリシロキサンとを配合したもの
が、これらの問題点を解決できることを見出し、本発明
を完成するに至った。

［問題点を解決するための手段］すなわち、本発明は水溶性高分子の一種又は二種以上
を0.1〜３重量％と、グリセリン35〜80重量％と、下記
一般式［Ａ］乃至［Ｄ］で示されるポリオキシアルキレ
ン変性オルガノポリシロキサンの１種又は２種以上とを
配合する事を特徴とする毛髪化粧料。

（式中、Ｒは炭素数１乃至３のアルキル基、又はフェニ
ル基、Ｒ′は水素、又は炭素数１乃至６のアルキル基、
ｐは１乃至５の整数、ｍは０乃至100の整数、ｎおよび
ｘは１乃至100の整数、ｔおよびｙは０乃至50の整数で
あり、ｍ、ｎ、ｘおよびｙは平均数であり、分子中にポ
リオキシアルキレン基を40〜90重量％含有し、且つ25℃
で10〜300センチストークスの粘度を有するように選ば
れる。）以下、本発明の構成について、更に詳細に説明する。

本発明に於て用いられる水溶性高分子は、天然、半合
成、合成及び無機のいずれのものを用いてもよい。天然
の水溶性高分子としては例えば、アラビアガム、トラガ
カントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カ
ラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クイン
スシード（マルメロ）、グリチルリチン酸等の植物系高
分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカ
ン、プルラン等の微生物系高分子等が挙げられる。

半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシ
メチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等
のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロ
ース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫
酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム（CMC）、結晶セルロ
ース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン
酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステ
ル等のアルギン酸系高分子が挙げられる。

合成の水溶性高分子としては例えば、ポリビニルアル
コール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリ
ドン、カルボキシビニルポリマー（カーボポール）等の
ビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、4,00
0,000、600,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリ
アクリルアミド等のアクリル系高分子（ポリエチレンイ
ミン、カチオンポリマー）等が挙げられる。

無機の水溶性高分子としては例えば、ベントナイト、
ケイ酸AlMg（ビーガム）、ラポナイト、ヘクトライト、
無水ケイ酸等が挙げられる。

これらの中から一種又は二種以上が適宜選択され用い
られる。

本発明に用いられる水溶性高分子の中でも、カルボキ
シビニルポリマーが効果の面から特に好ましい。カルボ
キシビニルポリマーは、例えばアクリル酸と架橋剤とを
アゾジイソブチロニトリルの存在下で共重合させること
により得る事ができ、上市されているものでは、例えば
B.F.Goodrich Chemical社製のカーボポール940,941,934
や和光純薬工業製のハイビスワコー104,105等が挙げら
れる。

本発明で用いられる水溶性高分子の配合量は、毛髪化
粧料全量中の0.1〜３重量％、好ましくは0.5〜２重量％
である。0.1重量％未満では、毛髪へ塗布した場合、直
後の固定力が不充分であり、３重量％を越えると必要以
上の固定力となり、使用性もべたつき好ましくない。

本発明で用いられるグリセリンは、従来から調湿剤と
して製品の硬さ、粘度を長時間一定に保持させる目的
で、また皮膚に対する柔軟剤として製品の伸び、滑りを
よくする目的で幅広く化粧品に使用されてきた（化粧品
原料基準，第二版注解，濃グリセリンの項参照）。

本発明の毛髪化粧料におけるグリセリンの配合量は、
毛髪化粧料全量中の35〜80重量％であり、好ましくは40
〜70重量％である。35重量％未満では、ツヤや毛髪のセ
ット性が不充分であり、80重量％を越えると仕上りが重
く更にべたつきが好ましくない。

本発明に用いられるポリオキシアルキレン変性オルガ
ノポリシロキサンは、上記一般式［Ａ］乃至［Ｄ］で表
されるものであり、ポリオキシアルキレン基を該重合体
全重量に対して40〜90重量％、好ましくは50〜80重量％
含有し、且つ25℃において10〜300センチストークスの
粘度を有するものである。即ち、該重合体全重量に対す
るポリオキシアルキレン基の量が40重量％未満の場合に
は、ツヤの持続性、なめらかさが劣り、90重量％を越え
ると、なめらかさや、毛髪のセット性を落とす方向に作
用するため好ましくない。又、粘度については、10セン
チストークスより低い場合は、きしみ感が増し更にツヤ
の持続性が劣り、300センチストークスを越えるとなめ
らかさが劣り好ましくない。

本発明で用いられるポリオキシアルキレン変性オルガ
ノポリシロキサンの配合量は毛髪化粧料全量中の0.1〜3
0重量％が好ましく、更に好ましくは、0.5〜20重量％で
ある。0.1重量％未満では、ツヤの持続性やなめらかさ
が劣り、30重量％を越えても効果は変わらない。

本発明には上記の必須成分の他に、中和剤として塩基
性物質を添加することが好ましい。塩基性物質として
は、通常もちいられる水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化アンモニウム等の水酸化物、Ｌ−アルギニ
ン、Ｌ−リジン等の塩基性アミノ酸やトリエタノールア
ミン、２−アミノ−２−メチルプロパノール、アンモニ
ア等の有機アミンが挙げられる。配合量は中和後のPHが
５〜８の範囲となる量が好ましい。

更に本発明の毛髪化粧料には、効果を発揮するために
は、水又は含水エタノールの配合が好ましい。配合量
は、毛髪化粧料全量中の10〜60重量％が好ましい。10重
量％未満では含水分量が少ない為ぬれたようなツヤがな
くなる傾向にあり、60重量％を越えても効果は変わらな
い。尚、含水エタノールについては、水／エタノール混
合比が50/50〜100/0の間で任意である。

本発明の毛髪化粧料に、目的に応じて本発明の効果を
損なわない量的、質的範囲で、油分、分子中に２個以上
の水酸基を有する多価アルコール等の保湿剤、キレート
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、防腐剤、
ビタミン・ホルモン等の薬剤、コラーゲン・ケラチン・
エラスチン等の加水分解物、アミノ酸、ペプタイド類、
天然多糖類、粉末類、香料等を配合してもよい。

［発明の効果］本発明は、ぬれたようなツヤと、なめらかな感触を毛
髪に付与し、しかもウエット感のあるヘアスタイルが持
続する毛髪化粧料に関するものである。

［実施例］以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、これらによって限定されるものではない。配
合量は全て重量％である。

尚、効果の判定は、以下の評価法によった。

使用性評価方法女性パネル20名により、試料10gを実際に頭髪に直接
塗布し、各自好みのヘアスタイルにセットした後、官能
によって評価した。

評価は以下の４段階評価で行なった。

著しく良好であれば◎、良好であれば○、普通であれ
ば△、劣っていれば×と評価した。

実施例１〜２、比較例１〜６表−１に示す組成の毛髪化粧料を以下の製法にて調製
した。尚、表−１に示したポリオキシアルキレン変性オ
ルガノポリシロキサンは、一般式［Ａ］で示される構造
式（R:メチル基,R′：水素,p＝３）でポリオキシエチレ
ン基含有率50％，粘度120CS/25℃のものである。

（製法） No.1にNo.2、３、５、７、10を溶解した後No.4で中和
し、これにNo.6、８、９を順次添加し表−１に示す試料
を得た。

表−１からわかるように、本発明例では、塗布直後な
らびに、６時間後におけるツヤ、セット力、ウエット
感、又なめらかさ、べたつきのなさが、本発明の範囲か
らはずれる場合に比べ非常にすぐれていることが明らか
である。

実施例３〜６、比較例７〜11 表−２に示す組成の毛髪化粧料を以下の製法にて調製
した。

尚、表−２に示したポリオキシアルキレン変性オルガ
ノポリシロキサンのＲはメチル基、Ｒ′はメチル基、ｐ
＝３であり一般式の構造式、ポリオキシアルキレン含有
率ならびに、粘度の条件は表−２に示した通りである。
また、その配合量は、全て10重量％である。

（製法） No.10にNo.1、２、３、６、９を溶解した後No.4で中
和し、これにNo.7、８を溶かしたNo.5を添加し表−２に
しめす試料を得た。

表−２からわかるように、本発明品は、なめらかさ、
べたつきのなさ、ツヤ、セット力、ウエット感に優れて
いることが明らかである。

実施例７下記処方の毛髪化粧料を実施例１〜６に準じて得た。

（重量％）ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン（一般式［Ｄ］,Rの５％がフェニル基で残りはメチル基,R′は水素,p＝3,ポリオキシエチレン基含有率50％，ポリオキシプロピレン基含有率20％，粘度200CS/25 ℃） 10.0 カルボキシビニルポリマー（商品名；カーボポール940） 0.4 グリセリン 50.0 ソルビトール 1.0 ２−アミノ−２−メチルプロパノール 0.3 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.01 コラーゲン加水分解物 1.0 エタノール 10.0 メチルパラベン 0.1 ポリオキシエチレン（15モル付加）オレイルアルコールエーテル 0.5 香料適量精製水残余実施例８下記処方の毛髪化粧料を実施例１〜６に準じて得た。

（重量％）ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン（一般式［Ｂ］,Rの１％がエチル基で残りはメチル基,R′は水素,p＝3,ポリオキシエチレン基含有率45％，ポリオキシプロピレン基含有率10％，粘度100CS/25℃） 25.0 カルボキシビニルポリマー（商品名；カーボポール941） 0.8 グリセリン 35.0 1,3−ブチレングリコール 1.0 トリエタノールアミン 0.6 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.2 塩酸ピリドキシン 0.1 エタノール 15.0 メチルパラベン 0.1 ポリオキシエチレン（15モル付加）オレイルアルコールエーテル 0.5 香料適量精製水残余実施例９下記処方の毛髪化粧料を実施例１〜６に準じて得た。

（重量％）ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン（一般式［Ａ］,Rはメチル基,R′ の５％がブチル基で残りは水素,p＝3,ポリオキシエチレン基含有率35％，ポリオキシプロピレン基含有率20％，粘度150CS/25℃ ） 1.0カルボキシビニルポリマー（商品名；カーボポール940） 0.3 グリセリン 75.0 ヒアルロン酸ソーダー 0.1 トリエタノールアミン 0.2 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.2 ２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン硫酸ソーダ 0.1 エタノール 5.0 メチルパラベン 0.1 ポリオキシエチレン（15モル付加）オレイルアルコールエーテル 0.5 香料適量精製水残余実施例10 下記処方の毛髪化粧料を実施例１〜６に準じて得た。

（重量％）ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン（一般式［Ｂ］,Rはメチル基,R′ は水素,p＝1,ポリオキシエチレン基含有率 55％，粘度100CS/25℃） 15.0 キサンタンガム（商品名；ケルトロール） 1.5 グリセリン 35.0 1,3−ブチレングリコール 1.0 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.2 プルラン 0.3 エタノール 5.0 メチルパラベン 0.1 ポリオキシエチレン（15モル付加）オレイルアルコールエーテル 0.5 香料適量精製水残余実施例11 下記処方の毛髪化粧料を実施例１〜６に準じて得た。

（重量％）ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン（一般式［Ｃ］,Rの１％がフェニル基で残りはメチル基,R′はブチル基,p＝ 3,ポリオキシエチレン基含有率70％，ポリオキシプロピレン基含有率10％，粘度15CS /25℃） 5.0 ポリビニルピロリドン（商品名;PVP K−30） 3.0 グリセリン 75.0 ジプロピレングリコール 1.0 エラスチン加水分解物 0.3 エタノール 5.0 メチルパラベン 0.1 ポリオキシエチレン（15モル付加）オレイルアルコールエーテル 0.5 香料適量精製水残余実施例12 下記処方の毛髪化粧料を実施例１〜６に準じて得た。

（重量％）ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン（一般式［Ａ］,Rはメチル基,R′ は水素,p＝3,ポリオキシエチレン基含有率 55％，ポリオキシプロピレン基含有率 15％，粘度150CS/25℃） 5.0 ラポナイト（商品名；ラポナイトCP） 2.5 グリセリン 45.0 ジプロピレングリコール 5.0 ケラチン加水分解物 1.0 エタノール 5.0 メチルパラベン 0.1 ポリオキシエチレン（15モル付加）オレイルアルコールエーテル 0.5 香料適量精製水残余以上実施例７〜12の毛髪化粧料は安定性に優れ、使用
性においても従来のものに比べ、ぬれたようなツヤと、
なめらかな感触かつウエット感のあるヘアスタイルが持
続する点ではるかに優れたものであることが確認され
た。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】水溶性高分子の一種又は二種以上を0.1〜
３重量％と、グリセリン35〜80重量％と、下記一般式
［Ａ］乃至［Ｄ］で示されるポリオキシアルキレン変性
オルガノポリシロキサンの１種又は２種以上とを配合す
る事を特徴とする毛髪化粧料。（式中、Ｒは炭素数１乃至３のアルキル基、又はフェニ
ル基、Ｒ′は水素、又は炭素数１乃至６のアルキル基、
ｐは１乃至５の整数、ｍは０乃至100の整数、ｎおよび
ｘは１乃至100の整数、ｔおよびｙは０乃至50の整数で
あり、ｍ、ｎ、ｘおよびｙは平均数であり、分子中にポ
リオキシアルキレン基を40〜90重量％含有し、且つ25℃
で10〜300センチストークスの粘度を有するように選ば
れる。）