JP2575618B2 - 車両の後輪舵角制御装置 - Google Patents

車両の後輪舵角制御装置

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JP2575618B2 JP60089611A JP8961185A JP2575618B2 JP 2575618 B2 JP2575618 B2 JP 2575618B2 JP 60089611 A JP60089611 A JP 60089611A JP 8961185 A JP8961185 A JP 8961185A JP 2575618 B2 JP2575618 B2 JP 2575618B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車両の後輪舵角制御装置に係り、特に後輪に
舵角を生じさせる作動機構を制御して前輪に舵角を生じ
させるハンドルの操舵に応じて後輪の舵角を自動的に制
御する車両(以下、四輪操舵車という)の後輪舵角制御
装置に関する。
〔従来の技術〕
本発明の基礎となつた従来の四輪操舵車の後輪舵角制
御装置(特開昭57−44568号)を第2図を参照して説明
する。
ハンドルの1回転操舵と共にシヤフト2が回転し、こ
の回転はギヤボツクス3に伝達されてリンケージ4の直
線運動に変換される。リンケージ4の直線運動は、ナツ
クルアーム5を支点5aの回りに回転し、前輪6を転舵し
て前輪6に操舵δ(t)を生じさせる(ただし、tは
時間である)。シヤフト2に装着されたセンサ31は、ハ
ンドル1の回転操舵角δ(t)を検出し、センサ32は
ハンドル1の回転操舵角δ(t)に応じて車両に発生
する横加速度を検出する。コンピュータ40はセンサ3
1,32からの検出信号に基づいてアクチュエータ50を作動
させ、ギヤボツクス13を介してリンケージ14に直線運動
を与える。
リンケージ14の直線運動は、ナツクルアーム15を支点
15aの回りに回転し、後輪16を転舵して後輪16に舵角δ
(t)を生じさせる。この後輪の舵角δ(t)は、
コンピュータ40において横加速度に対して比例関係の δ(t)=K・ …(1) と設定されるか、または前輪の舵角δ(t)に比例定
数hを乗算したh・δ(t)を上記(1)式の右辺に
加えて δ(t)=h・δ(t)+K・ …(2) と設定されて制御される。
また、従来では第2図の装置を他に、前輪を転舵する
操舵装置と後輪を転舵する操舵装置とを機械的に連結し
た四輪操舵車において、ハンドルの回転操舵角が小さい
ときでは前輪の舵角と同方向に後輪を転舵し、ハンドル
の回転操舵角が大きいときでは前輪の舵角と逆方向に後
輪を転舵して、後輪の舵角を制御する装置も提案されて
いる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、第2図の従来の後輪舵角制御装置は、
ハンドルの操舵の速さを考慮した構成になつておらず、
また走行条件によつてはハンドルの回転操舵角に比例し
た信号によつて、ハンドルの回転操舵角が小さい場合も
ハンドルの回転操舵角が大きい場合も前輪と同方向に後
輪が転舵され、直進走行時の車両の走行安定性が向上し
ハンドルの修正等が容易になるという利点を有する反
面、旋回運動の応答性が良くならず、旋回半径を小さく
した旋回運動を可能とする構成になつていない。また、
前輪を転舵する操舵装置と後輪を転舵する操舵装置とを
機械的に連結した従来の四輪操舵車にあつては、ハンド
ルの回転操舵角の大きさに応じて前輪と同方向または逆
方向に後輪を転舵するようになつていて、運転車がハン
ドルを操舵する速さを考慮しておらず、例えば運転者が
障害物回避とかレーンチエンジ等の急速な旋回運動を必
要とする緊急操舵時に対応する場合と、直進走行中やゆ
るやかな旋回走行等の通常操舵時に対応する場合とで、
異なつた運動特性を期待してハンドルの操舵の速さを変
化させても、ハンドルの回転操舵角が一定であれば後輪
の舵角は所定の方向に一定の大きさに制御される構成と
なつている。
したがつて、上記の従来の四輪操舵車ではハンドルの
操舵の速さに応じた運転者の期待する運動特性を充分満
足しきれない、という問題があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、従来の問題点を解消するべ
く、ハンドルの操舵の速さに着目して、急速な旋回運動
が要求される状況下では旋回運動の応答性を向上し、ゆ
つくりとした旋回運動が要求される状況下では直進走行
安定性を向上した車両の後の輪舵角制御装置(特願昭59
−102202号)を既に提案した。この車両の後輪舵角制御
装置は、ハンドルの操舵の速さが遅いときすなわち操舵
の角周波数が大きいときは後輪に前輪と逆方向の舵角を
生じさせ、ハンドルの操舵の速さが遅いときすなわち操
舵の角周波数が小さいときは後輪に前輪と同方向の舵角
を生じさせるものである。従つて、この後輪舵角制御装
置によれば、ハンドルの操舵の速さが速いときは、後輪
に前輪と逆方向の舵角が生じるように制御されて、前輪
と後輪に同時に舵角が生じてタイヤに力が発生し、これ
らの力が同方向に回転するヨーイングモーメントとなつ
て等価的にハンドルの回転操舵角に対する操向車輪の舵
角の比、いわゆるクテアリングゲインが増加し(この場
合、操向車輪の舵角が等価的に前輪の舵角と後輪の舵角
との和になる)、車両の旋回運動の応答性を向上させる
ことができる。一方、ハンドルの操舵の速さが遅いとき
は、後輪に前輪と同方向の舵角が生じるように制御され
るため、操向車輪の舵角が等価的に前輪の舵角と後輪の
舵角との差になつてステアリングゲインが減少し、車両
の直進安定性を向上することができる。
ところで、一般的には車両は車速が高くなるに従つて
ハンドルの操舵に対する車両の旋回運動の感度が高くな
り、高速走行状態ではハンドルを僅かに操舵するだけで
も車両は急激に姿勢を変化することがある。したがつ
て、極めて高車速で走行する場合は、ハンドルの操舵の
速さが緊急障害物回避時等の通常では生じ得ない程速い
場合を除いては、ステアリングゲインが減少し車両の直
進安定性が向上する方向、即ち、後輪を前輪と同方向へ
転舵することが望ましい。一方、車両停止時あるいは極
低速走行状態では、車両の方向転換、車庫入れ等の必要
性を考えると、大きく車両の姿勢が変化すること、つま
り車両の旋回半径が小さくなることが望まれる。したが
つて極めて低車速で走行する場合は、ハンドルの操舵の
速さが定常円旋回時のようにほとんど零に近い程遅い場
合を除いては、ステアリングゲインが増加し車両の旋回
運動の応答性が向上する方向、即ち後輪を前輪と逆方向
へ転舵することが望ましい。
そこで、本発明者等は、先に提案した四輪操舵車の後
輪舵角制御装置の特徴に加え、車速に対応した情報量に
応じて後輪の舵角の方向または大きさを制御すれば、よ
り一層望ましい車両の運動特性が得られるとの知見を
得、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、後輪に舵角を生じさせる作動機
構を制御して、前輪に舵角を生じさせるハンドルの操舵
の速さに応じて後輪の舵角方向を決定して後輪の舵角を
自動的に制御する車両の後輪舵角装置において、前記ハ
ンドルの操舵量を検出して操舵量信号を出力する操舵量
検出手段と、車速に関連した物理量を検出して物理量信
号を出力する物理量検出手段と、前記操舵量信号に基づ
いてハンドルの操舵の速さを演算すると共に前記物理量
信号の大きさに応じて単調増加する基準値を設定し、前
記ハンドルの操舵の速さと前記基準値との大小を比較し
て前記ハンドルの操舵の速さが前記基準値より小さいと
きには後輪に前輪と同方向の舵角を生じさせかつ前記ハ
ンドルの操舵の速さが前記基準値より大きいときには後
輪に前輪と逆方向の舵角を生じさせるように前記作動機
構を制御する制御手段と、を設けたことを特徴とする。
〔作用〕
本発明によれば、操舵量検出手段によりハンドルの操
舵量が検出される。この操舵量は、ハンドルの回転変位
角、前輪舵角等のハンドルの操舵角に対応する量であ
る。また、物理量検出手段により、車速、ヨーレート、
車両の横方向加速度、車両とヨーレートとの積、車速と
車両の横方向加速度の積等の車速に関連した物理量が検
出される。制御手段は、操舵量検出手段から出力される
操舵量信号に基づいてハンドルの操舵の速さを演算す
る。このハンドルの操舵の速さは、操舵量信号の角周波
数または操舵量信号の時間tに関する変化率すなわち操
舵速度信号等に対応する。また、制御手段は、物理量検
出手段から出力される物理量信号の大きさに応じて単調
増加するように基準値を設定し、この基準値とハンドル
の操舵の速さとの大小を比較する。そして、制御手段
は、ハンドルの操舵の速さが基準値より小さいときには
後輪に前輪と同方向の舵角を生じさせるように作動機構
を制御し、ハンドルの操舵の速さが基準値より大きいと
きには後輪に前輪と逆方向の舵角を生じさせるように作
動機構を制御する。
したがつて、ハンドルの操舵の速さが車速に関連した
物理量信号の大きさに応じて単調増加する基準値より大
きいときは、制御手段により後輪に前輪と逆方向の舵角
が生じるように作動機構が制御されて、前輪と後輪に略
同時に舵角が生じてタイヤに力が発生し、これらの力が
同方向に回転するヨーイングモーメントとなつて等価的
にハンドルの回転操舵角に対する操向車輪の舵角の比、
いわゆるステアリングゲインが増加し(この場合、操向
車輪の舵角が等価的に前輪の舵角と後輪の舵角との和に
なる)、車両の旋回運動の応答性が向上する。一方、ハ
ンドルの操舵の速さが車速に関連した物理量信号の大き
さに応じて単調増加する基準値より小さいときは制御手
段により後輪に前輪と同方向の舵角が生じるように作動
機構が制御され、操向車輪の舵角が等価的に前輪の舵角
と後輪の舵角との差になつてステアリングゲインが減少
し、車両の直進安定性が向上する。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、ハンドルの操舵
の速さと車速に関連した物理量信号の大きさに応じて単
調増加するよう定められる基準値とを比較して、後輪の
舵角の方向が制御されるので、車速に関連した物理量に
応じた最適の車両運動特性が可能となる。すなわち、ハ
ンドルの操舵の速さが速いか遅いかの判断の基準値が、
車速に関連した物理量信号の大きさに応じて単調増加す
るよう定められるので、ハンドルの操舵の速さのみなら
ず車速に関連した物理量に応じて後輪の舵角の方向が制
御され、各車速毎に異なつた運動特性を期待してハンド
ルを操舵する運転者の意図に応じた車両の運動特性が得
られる、という効果が得られる。
〔態様の説明〕
次に本発明の態様について説明する。本発明は以下の
態様を採り得る。第1の態様は、前記制御手段が、前記
操舵量信号に基づいてハンドルの操舵の速さを演算する
と共に前記物理量信号の大きさに応じて単調増加する基
準値を設定し、前記ハンドルの操舵の速さと前記基準値
とを比較して前記ハンドルの操舵の速さが前記基準値よ
り小さいときには後輪に前輪と同方向でかつ前記操舵量
信号に応じた大きさの舵角を生じさせると共に前記ハン
ドルの操舵の速さが前記基準値より大きいときには後輪
に前輪と逆方向でかつ操舵量信号に応じた大きさの舵角
を生じさせるように前記作動機構を制御するようにした
ものである。
この態様によれば、ハンドルの操舵の速さおよび車速
に関連した物理量に応じて後輪の舵角の方向が制御され
ると共に、後輪の舵角の大きさがハンドルの操舵量に応
じて制御される。このように、後輪の舵角の方向のみな
らず操舵量に応じて後輪の舵角の大きさが制御されるた
め、各車速毎に異なつた運動特性を期待してハンドルを
操作する運転者の意図に応じた車両の最適な運動特性が
得られる、という効果が得られる。
また、第2の態様は、前記制御手段を、前記操舵量信
号に基づいてハンドルの操舵の速さに対応する操舵角周
波数を演算する演算手段と、零に近い微小な値を通りか
つ前記車速に関連した物理量信号の大きさに応じて単調
増加する基準値を設定する設定手段と、前記操舵角周波
数と前記基準値とを比較してその大小を判断する判断手
段と、前記操舵量信号および前記判断手段の判断結果に
基づいて前記操舵角周波数が前記基準値より小さいとき
は前記操舵量信号を所定の増幅率で増幅して出力すると
共に前記操舵角周波数が前記基準値より大きいときは前
記操舵量信号を所定の増幅率で反転増幅して出力し、こ
の出力信号により前記作動機構を制御する処理手段とで
構成したものである。
この第2の態様によれば、操舵量検出手段によりハン
ドルの回転操舵角δ(t)または車両直進方向に対応
したハンドルの位置を基準としたハンドルの変位D、す
なわち前輪の舵角に相当する量が操舵量として検出され
る。また、物理量検出手段により、車速、ヨーレート等
の車速に関連した物理量が検出される。
操舵量検出手段によりハンドルの回転操舵角δ
(t)を検出した場合は、回転操舵角を時間tに関し
て微分することによりハンドルの操舵角周波数ωが定め
られ、またハンドルの変位Dを検出した場合には、変位
Dはハンドルの操舵角周波数ωを用いてX=f(ωt)
と表わされる。従つて、検出手段から出力される操舵量
信号を用いて演算手段がハンドルの操舵角周波数を演算
することによりハンドルの操舵の速さを求めることがで
きる。上記設定手段は、前記物理量信号に基づいて、零
に近い微小な値を通りかつ前記車速に関連した物理量信
号の大きさに応じて連続して単調増加する基準値ω
設定する。上記判断手段は、ハンドルの操舵の速さに対
応するハンドルの操舵角周波数ωと設定手段により設定
された基準値ωとを比較してその大小を判断すること
によりハンドルの操舵の速さを判断する。すなわち、判
断手段は、ω<ωの場合、ハンドルの操舵の速さが遅
いと判断し、ω<ωの場合ハンドルの操舵の速さが速
いと判断する。そして、処理手段は、この判断結果およ
び操舵量信号に基づいて、ω<ωの場合即ちハンドル
の操舵の速さが遅い場合、操舵量信号を所定の倍率kで
増幅して出力し、後輪の舵角を操舵量信号に応じた大き
さで前輪と同方向に転舵するよう作動機構を制御する。
一方ω<ωの場合、即ちハンドルの操舵の速さが速
い場合、操舵量信号を反転(−1倍,極性を反転)する
と共に所定の倍率kで増幅して出力し、後輪の舵角を操
舵量信号に応じた大きさで前輪と逆方向に転舵するよう
に作動機構を制御する。
作動機構は操舵量信号をk倍した信号により、後輪を
前輪と同じ方向へ操舵量に比例した大きさの舵角だけ操
舵するよう制御される。
一方、作動機構は操舵量信号を−k倍した信号によ
り、後輪を前輪と逆の方向へ操舵量に比例した大きさの
舵角だけ操舵するよう制御される。
以上説明してきたように、本発明の第2の態様によれ
ばハンドルの操舵角周波数ωと基準値ωを用いて、そ
の大小を比較することにより後輪の舵角の方向を制御す
ると共に、ハンドルの操舵の速さを判断する基準値ω
を、車速に関連する物理量に応じて零に近い微小な値か
ら連続して変化することが可能である。したがつて、車
速に応じてハンドルの操舵の速さを判断する基準値を連
続して変化することができるので、各車速に適した後輪
の舵角の方向を連続して定めることができるという利点
を有する。
本発明の第3の態様は、前記制御手段を、前記操舵量
信号に基づいてハンドルの操舵の速さに対応する操舵角
周波数を演算する演算手段と、前記車速に関連した物理
量が大きくなるのに伴って零に近い微小な値から単調増
加する基準値を設定する設定手段と、前記操舵角周波数
と前記基準値とを比較してその大小を判断する判断手段
と、前記操舵量信号および前記判断手段の判断結果に基
づいて前記操舵角周波数が前記基準値より小さいときは
後輪に前輪と同方向でかつ前記操舵量信号に応じた大き
さの舵角を生じさせると共に前記操舵角周波数が前記基
準値より大きいときには後輪に前輪と逆方向でかつ前記
操舵量信号に応じた大きさの舵角を生じさせるように前
記作動機構を制御する処理手段と、を含んで構成したも
のである。
以下第3の態様について図面を参照して詳細に説明す
る。なお、以下では制御手段の設定手段、判断手段、処
理手段の作用効果については説明の便宜上特に分けて説
明しない。また、説明を簡単にするため、車速に関連し
た物理量として車速そのものを例にとつて説明する。制
御手段は、操舵量信号と物理量信号としての車速信号と
に基づいて第3図の伝達関数に従つて操舵量信号処理す
る。なお、第3図の|G|はゲインを表わし、∠Gは位相
を表わす。
第4図(B)に示すように、中・高車速においては
(代表例として第3図の車速UMにおいては)、ハンドル
の操舵角周波数ωが車速UM時の基準値ω0Mより小さい場
合、すなわち第3図におけるハンドルの操舵の速さが遅
い場合、操舵量信号はk倍されて出力される。この場
合、制御手段により後輪に前輪と同方向の舵角が生じる
ように作動機構が制御される。一方、ハンドルの操舵角
周波数ωが基準値ω0Mより大きい場合、すなわち第3図
におけるハンドルの操舵の速さが速い場合、操舵量信号
はk倍されると共に位相が180゜遅れた信号として出力
される。すなわち、操舵量信号は−k倍されて出力され
る。この場合、制御手段により後輪に前輪と逆方向の舵
角が生じるように作動機構が制御される。また、操舵角
周波数ωが基準値ω0Mの近傍の場合、すなわち第3図に
おけるハンドルの操舵の速さが両者の中間の速さの場
合、操舵量信号はk倍されると共に位相が0゜〜180゜
遅れた信号となる。例えば、車速UMで操舵角周波数ωが
基準値ω0Mに等しい場合、操舵角信号は位相が90゜遅れ
た信号となり、この場合、後輪の舵角が零となるように
作動機構は制御される。
第4図(A)に示すように、低車速においては(第3
図の車速ULにおいては)、ハンドルの操舵の速さの判断
値である基準値は車速の低下と共に低い周波数となり、
低車速ULにおいては極めて遅いハンドルの操舵角周波数
に相当する大きさω0L(零に近い微小な値の近傍)にな
る。従つて、ハンドルの操舵角の大きさを一定に保持し
て定常の円旋回を行う場合のような非常に遅いハンドル
の操舵の速さの場合を除いて、通常の操舵の速さでは操
舵量信号はk倍されると共に位相が180゜遅れた信号と
して出力される(すなわち、−k倍されて出力され
る)。この場合、制御手段により後輪に前輪と逆方向の
舵角が生じるように作動機構が制御される。
また、第4図(C)に示すように、超高車速において
は(第3図の車速UUにおいては)、基準値は車速が高く
なるに従つて高い周波数になり、車速UUにおいては極め
て速いハンドルの操舵角周波数に相当する大きさω0U
なる。従つて、緊急障害物回避等の非常に速い操舵の速
さの場合を除いて、通常の操舵の速さでは操舵量信号は
k倍されて出力される。この場合、制御手段により後輪
に前輪と同方向の舵角が生じるように作動機構が制御さ
れる。
第5図は、ハンドルの操舵の速さの判断基準である基
準値(操舵判断角周波数)ωと車速との関係の一例
(傾きは種々の値を採り得る)を示したものである。基
準値ωは車速が高くなるに従つて単調に増加してゆ
く。
既に説明してきたようにハンドルの操舵の速さすなわ
ち操舵角周波数が基準値より大きいときは、制御手段に
より後輪に前輪と逆方向の舵角が生じるように作動機構
が制御されて、前輪と後輪に略同時に舵角が生じてタイ
ヤに力が発生し、これらの力が同方向に回転するヨーイ
ングモーメントとなつて等価的にハンドルの回転操舵角
に対する操向車輪の舵角の比、いわゆるステアリングゲ
インが増加し(この場合、操向車輪の舵角が等価的に前
輪の舵角と後輪の舵角との和になる)、車両の旋回運動
の応答性が向上する。一方、ハンドルの操舵の速さすな
わち操舵角周波数が基準値より小さいときは、制御手段
により後輪に前輪との同方向の舵角が生じるように作動
機構が制御され、操向車輪の舵角が等価的に前輪の舵角
と後輪の舵角との差になつてステアリングゲインが減少
し、車両の直進安定性が向上する。
なお、第5図では基準値が車速に対して比例する場合
について説明したが、本態様はこれに限定されるもので
はなく、基準値が車速の増加関数であれば、第5図以外
でも適用することができる。また、物理量として車速を
例にとつて説明したが、車速に関連する物理量であれば
車速以外でも適用することができる。この場合、物理量
信号の絶対値信号(正の極性信号)を用いる必要があ
る。
以上説明してきたように、第3の態様によればハンド
ルの操舵の速さに対応するハンドルの操舵角周波数ω
と、ハンドルの操舵の速さの所定の基準値であるハンド
ルの所定の操舵角周波数ωとを比較し、その値の大小
によりハンドルの操舵の速さを判断すると共に、ハンド
ルの操舵の速さの所定の基準値であるハンドルの所定の
操舵角周波数ωが、車速に関連する物理量に応じて零
に近い微小な値から連続して増加するので、車速が低い
うちはハンドルの所定の操舵角周波数ωとして小さな
値をハンドルの操舵の速さの所定の基準値として用い車
速が高くなるにつれてハンドルの所定の操舵角周波数ω
としてより大きな値をハンドルの操舵の速さの所定の
基準値として用いることができる。したがつて、車速に
応じてハンドルの操舵の速さの所定の基準値を増加する
ことができるので、各車速に適した後輪の舵角の方向を
定めることができるという利点を有する。
即ち、本発明の第3の態様によれば、車速が中高速に
おいてはハンドル操舵が速いときすなわちハンドルの操
舵角周波数が大きいときはステアリングゲインを増加さ
せて車両の急速旋回運動の応答性を向上し、ハンドルの
角周波数が小さいときはステアリングゲインを減少させ
て車両の首ふり、ふらつき等を防止して車両直進時の走
行安定性を向上させることができる、という大きな効果
が得られる。また、車速が低速においては、定常円旋回
時のようにハンドルの操舵が非常に遅い場合を除いては
後輪を前輪と逆方向へ転舵することにより旋回半径を小
さくすることができ、車庫入れ、方向転換等を容易にす
ることができる、という効果が得られる。さらに、高速
が極めて高速においては、緊急障害物回避等のようにハ
ンドルの操舵が非常に速い場合を除いては後輪を前輪と
同方向へ転舵することにより車両の旋回運動の感度が急
激に高くなることを防止して安定した走行をすることが
できる、という効果が得られる。
また、第4の態様は、ハンドルの操舵の速さと基準値
とを比較してハンドルの操舵の速さが基準値より小さい
ときには後輪に前輪と同方向でかつ操舵量信号に応じた
大きさの舵角を生じさせると共にハンドルの操舵の速さ
が基準値より大きいときには後輪に前輪と逆方向でかつ
操舵量信号に応じた大きさの舵角を生じさせるように前
記作動機構を制御するにあたり、操舵量信号に対する後
輪の舵角の大きさの比を調整可能にしたものである。こ
の第4の態様によれば、第6図に示すように制御手段の
出力信号に対する操舵量信号の伝達関数のゲインk(上
記の所定の増幅率kに相当する)を可変とし、予め設定
することが可能である。kは0k1の値を設定する
ことが可能で、例えがk=0と設定すれば制御手段の出
力信号は零信号となり、前記作動機構を制御して後輪の
舵角を零とし、前輪2輪を操向車輪とする従来車の運動
特性が達成できる。
したがつて本発明の第4の態様によれば、制御手段に
より前記作動機構を制御してハンドルの操舵角に対する
後輪の舵角の大きさを予め設定することができるので、
後輪の舵角の大きさを最適に設定することができると共
に、運転者の好みに応じて設定することができる。
そして、第5の態様は、ハンドルの操舵の速さと物理
量信号の大きさに応じて単調増加する基準値の変化の割
合を調整可能にしたものである。
この第5の態様によれば、第7図に示すように、車速
に関連する物理量(第7図では、一例として車速を用い
た)に対する操舵判断角周波数(基準値)の変化率、す
なわち直線の傾きを可変として、所定の変化率で変化す
る基準値を予め設定することができる。
極端な例として、第7図において所定の操舵判断角周
波数ωの変化率を変化し、横軸と等しくなるように傾
き=0と設定すれば制御手段は作動機構を制御して後輪
を前輪に対して、常に逆方向へ転舵することができる。
一方、所定の操舵判断角周波数ωの変化率を変化し第
7図において縦軸と等しくなるように傾き=∞と設定す
れば、制御手段は作業機構を制御して後輪を前輪に対し
て常に同方向へ転舵することができる。
したがって、第5の態様によれば、制御手段がハンド
ルの所定の操舵角周波数ωの車速に関連した物理量に
対する所定の変化率を予め設定することができるので、
制御手段は作動機構を制御して各車速に対応する物理量
に対して後輪の舵角の方向を最適に設定することができ
ると共に運転者の好みに応じても設定することができ
る。
〔実施例〕
以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。第1図は、本発明の一実施例の概略図を示すもので
ある。なお、第1図において第2図と対応する部分には
同一符号を付して説明を省略する。
リンケージ4には、ハンドル1の操舵角に相当する操
舵量(この量は前輪6の舵角にも対応する)を検出する
操舵量検出器100が取付けられている。この操舵量検出
器100は、信号処理回路300に接続されている。信号処理
回路300には、車速を検出する車速検出器200が接続され
ており、信号処理回路200は操舵量検出器100から出力さ
れる操舵量信号に基づいてハンドルの操舵の速さを判断
すると共に、この判断結果と車速検出器200から出力さ
れる車速信号とに基づいてハンドルの操舵の速さおよび
車速に応じて操舵量信号を処理して後輪の舵角の目標値
信号を出力する。後輪16に連結されたリンケージ14に
は、後輪16の舵角に相当する舵角量を検出する後輪舵角
検出器400が取付けられている。また、リンケージ14に
は、油圧を発生する油圧装置600が取付けられている。
後輪舵角検出器400と信号処理回路300は差動増回路500
に接続されている。差動増幅器500は、信号処理回路300
から出力される後輪の舵角の目標値信号と後輪舵角検出
器400から出力される後輪の舵角の実測値信号とを減算
した偏差信号を増幅して油圧装置600へ出力する。上記
の操舵量検出器100、車速検出器200、信号処理回路300
は各々操舵量検出手段、物理量検出手段、制御手段とし
て作用し、リンケージ14、ナツクルアーム15、後輪舵角
検出器400、差動増幅回路500および油圧装置600は作動
機構1000として作用する。
次に本実施例の各部の詳細を説明する。
操舵量検出器100は、第8図(A)に示すように直線
形ポテンシヨメータ103と直流増幅器104と金具101とか
ら成る。直線形ポテンシヨメータ103は、一端が車両の
車体20に固定されるとともに摺動端102がリンケージ4
とともに直線運動する金具101に係止されている。直線
形ポテンシヨメータ103はハンドル1の操舵角に応じて
摺動端102がリンケージ4とともに金具101を介して直線
運動することにより、ハンドル1の操作角に応じた操舵
量を直線変位として検出して電気信号を出力する。この
操舵量は前輪6の舵角にも対応した量である。直流増幅
器104は直線形ポテンシヨメータ103に所定の電圧を印加
するとともに、直線形ポテンシヨメータ103からの電気
信号を増幅して操舵量信号として出力し、信号処理回路
300へ供給する。この操舵量信号は、直流増幅器104によ
り極性が定められ、第8図(B)に示すように、車両直
進状態でのハンドル1に対応する位置を基準としてハン
ドル1を右方向へ操舵して前輪6が右方向へ転舵されて
舵角が生じた場合には正の極性となり、上記と逆に前輪
6が左方向へ転舵されて舵角が生じた場合には負の極性
となる信号である。
車速検出器200は第9図(A)に示すように、ジエネ
レータ201と車速計202とから成る。ジエネレータ201
は、トランミツシヨン(トランスミツシヨンエクステン
シヨンハウジング)60のスピードメータケーブル62の取
出口に取り付けられるとともに、トランスミツシヨン60
内で車速に応じて回転するスピードメータドリプンギヤ
61と、スピードメータに車速に応じた回転を伝達するス
ピードメータケーブル62との間に挿入され、該回転に応
じて交流電圧を発生する。車速計202は、ジエネレータ2
01の発生交流電圧が大きい場合は電圧を降下させるとと
もに交流電圧を全波整流回路にて整流し、得られたリツ
プス電圧をフイルタにて平滑して第9図(B)に示すよ
うに正の直流電圧信号を車速信号として出力して信号処
理回路300へ供給する。
なお、車両が後退して負の極性を有する車速が発生し
た場合でも、前記全波整流回路を通すことにより第9図
(B)に示すように正の電圧が発生する。
信号処理回路300は、第10図に示すように移相回路310
と反転増幅回路320,330と抵抗340とcdsオプトアイソレ
ータ350と可変抵抗360とから成る。なお第10図では説明
の便宜上移相回路310とcdsオプトアイソレータ350は構
成部品cds352を共有して含んでいる。移相回路310は前
記操舵量検出器100に接続されており、前記ハンドル1
の操舵量に応じた電気信号(変位信号)Dが供給され
る。移相回路310は、演算増幅器315、抵抗312,313,cds3
52およびコンデンサ314から構成され、入力抵抗312と帰
還抵抗313との抵抗値は等しく設定されている。
ここで、説明を簡単にするためハンドル1を角周波数
ωで正弦波状に連続して操舵したものとすると、ハンド
ルの回転操舵角δ(t)はωtで表わされるため、車
両直進方向を基準とする回転操舵角ωtでのハンドルの
変位はδh0・sinωt(ただし、δh0はハンドルの振幅
である)と表わされ、これに応じて直線形ポテンシヨメ
ータ103から直流増幅器104を経て出力される変位信号D
もハンドルの振幅に対応する振幅D0で角周波数ωを有す
る正弦波状の連続した電圧信号D=D0・sinωtとな
る。
移相回路310において、入力である変位信号Dの角周
波数ωが小さく零に近い場合には、コンデンサ314のリ
アクタンスは無限大に近くなり、演算増幅器315の正端
子には、一端に変位信号Dが供給されたcds352を介して
信号が入力される。同時に、入力抵抗312にも変位信号
Dが加わつており、入力抵抗312と帰還抵抗313の抵抗比
が1であるから演算増幅器315の負端子に入力された信
号からは利得が−1の信号が出力される。一方、演算増
幅器315の正端子に入力された信号からは利得が2の信
号が出力され、移相回路310全体として利得が2−1=
1の出力が得られる。従つて、変位信号Dの角周波数が
小さく零に近い場合は、入力である変位信号Dと等しい
出力信号Dが得られる。
一方、入力である変位信号Dの角周波数ωが大きく無
限大に近い場合には、コンデンサ314は短絡に近い状態
となり、演算増幅器315の正端子は接地されている場合
と等価になる。この時、演算増幅器315の負端子にのみ
信号が入力されることになり、移相回路310は反転増幅
器自体の機能のみとなる。この場合、入力抵抗312と帰
還抵抗313の抵抗比が1であるから利得は−1となる。
従つて、変位信号Dの角周波数ωが大きく無限大に近い
場合は、入力である変位信号Dを反転した出力信号−D
が得られる。この出力信号−Dは、絶対値(振幅D0)が
入力と等しく、位相が入力信号に対して180゜の遅れた
信号となる。
上記のような作動原理により、移相回路310は変位信
号Dの角周波数が大きくなるにつれて、変位信号Dに対
して位相が0゜から最大180゜まで遅れた出力信号を出
力する。この移相回路310の入出力の伝達特性を第11図
(A)に示す。移相回路310の伝達特性において、位相
が90゜遅れる角周波数ωすなわち基準値はcds352の抵
抗値Rとコンデンサ314の容量Cで定まり となる。
したがつてcds352の抵抗値Rが変化すれば、位相が90
゜遅れる角周波数ωも変化し、抵抗値Rが車速Uに応
じて減少していく特性を有するならば角周波数ωは車
速Uに応じて増加する。このように角周波数ωを変化
させることにより第3図、第4図、第5図で示した特性
が達成できることになる。
反転増幅回路320は、前記車速検出器200に接続されて
車速Uに応じた電気信号(車速信号)1が供給される。
反転増幅回路320は、正端子が接地された演算増幅器32
3、入力抵抗321および帰還抵抗322から構成される。反
転増幅回路320は、入力抵抗321の一端に供給される前記
車速検出器200からの車速信号を入力抵抗321と帰還抵抗
322との抵抗比で定まる増幅率で反転増幅して出力す
る。反転増幅回路330は、正端子が接地された演算増幅
器333、入力抵抗331および抵抗値が手動にて可変な帰還
抵抗332とから成る。この反転増幅回路330は、入力抵抗
331の一端に供給される上記反転増幅回路320から供給さ
れる信号を入力抵抗331と帰還抵抗(可変抵抗)332との
抵抗比で定まる増幅率で反転増幅して出力する。
抵抗340の一端は、前記反転増幅回路330の出力端に接
続され、抵抗340の他端はcdsオプトアイソレータ350の
発光ダイオード351のアノードに接続されている。発光
ダイオード351のカソードは接地されている。反転増幅
回路320,330および抵抗340は、いずれも車速信号がcds
オプトアイソレータ350の発光ダイオード351の定格(電
圧、電流値の定格容量)に合う様に用いられたものであ
る。抵抗340から出力される電気信号は、第9図(B)
の車速信号と同様に、車速に応じて増加する正の電気信
号で、反転増幅回路320,330および抵抗340によりその増
加率(第9図(B)の傾きに相当する変化率)が定めら
れる。反転増幅回路330の帰還抵抗(可変抵抗)332は手
動によりその抵抗値が可変なことにより前記増加率を手
動により変化することが可能であり、これは前記発明の
第5の態様を実現する手段に相当する。
cdsオプトアイソレータ350は、発光ダイオード351とc
ds352から成る。発光ダイオード351は、一端が前記抵抗
340に接続されると共に、他端は接地されている。発光
ダイオード351は、その電流に応じてすなわち抵抗340か
ら供給される電圧に応じて発光し、電流が増加するにつ
れて発光出力が増加する。cds352は、前記移相回路310
の演算増幅器315の正端子側の入力抵抗に相当し、発光
ダイオード351の光の照射により電気伝導度(抵抗値)
が変化する光導電セルである。また、cds352は、第11図
(B)に示すように発光ダイオード351を流れる電流即
ち発光タイオード351の発光出力の増加に応じて、その
抵抗値が減少していく特性を有する。したがつてcds352
は、抵抗340から発光ダイオード351へ供給される電気信
号の電圧が増加するのに応じて、その抵抗値が減少して
いく。この電気信号の電圧は前記車速信号に応じた値で
ある。したがつて前述のように、移相回路310の移相遅
れ90゜の角周波数ω=1/RCは、cds352の抵抗値Rの逆
数に比例する為、車速の増加にしたがつて増加してい
く。
可変抵抗360は、一端が前記移相回路310に接続され
て、手動にてその抵抗値を変化することにより移相回路
310からの出力のゲインを手動で変化でき、前記発明の
第4の態様を実現する手段に相当する。可変抵抗360の
出力端は前記差動増幅回路500に接続されており、信号
処理回路300からの出力信号である後輪の舵角の目標値
信号を差動増幅回路500へ供給する。
作動機構1000は第12図に示すように後輪の舵角に相当
する舵角量を検出する後輪舵角検出器400と;前記信号
処理回路300から出力される後輪の舵角の目標値信号と
後輪舵角検出器400から出力される後輪の舵角の実測値
信号とを減算した後増幅する差動増幅回路500と;差動
幅回路500から出力される後輪の舵角の偏差信号に応じ
て力を発生する油圧装置600と;該力を後輪16へ伝達、
作用して後輪16に舵角を生じさせるリンケージ14、ナツ
クルアーム15、支点15aと;から成る。
後輪舵角検出器400は直線形ポテンシヨメータ403と直
流増幅器404と金具401とから成る。直線形ポテンシヨメ
ータ403は、車両の車体20に固定されるとともに摺動端4
02がリンケージ14とともに直線運動する金具401に係止
され、該摺動端402が後輪16の転舵に応じて直線運動す
ることにより後輪16の舵角を直線変位として検出して電
気信号を出力する。
直流増幅器404は直線形ポテンシヨメータ403に所定の
電圧を印加するとともに、直線形ポテンシヨメータ403
からの電気信号を増幅して後輪の舵角の実測値信号とし
て出力し、差動増幅回路500へ供給する。この後輪の舵
角の実測値信号は後輪の舵角=0を基準として直流増幅
器404により極性が定められ後輪16が右方向へ転舵され
舵角が生じた場合は正の極性の電圧信号となり、後輪16
が左方向へ転舵され舵角が生じた場合は負の極性の電圧
信号となる。
差動増幅回路500は差動増幅器501と増幅器502とから
成る。差動増幅器501は、信号処理回路300から供給され
る後輪の舵角の目標値信号と、後輪舵角検出器400から
供給される後輪の舵角の実測値信号とを減算して増幅器
502へ供給する。増幅器502は、差動増幅器501からの出
力信号を所定の増幅率で増幅して後輪の舵角の偏差信号
として、後輪16に舵角を生じさせる力を発生する油圧装
置600の流量制御弁606へ供給する。
したがって、差動増幅回路500は、信号処理回路300か
らの後輪の舵角の目標値信号と後輪舵角検出器400から
の後輪の舵角の実測値信号との差の信号を増幅した後輪
の舵角の偏差信号を出力し、該偏差信号を零にする制
御、いわゆるフイードバツク制御で後輪16を制御するた
めに必要な装置である。この差動増幅回路500のフイー
ドバツク制御により、後輪の舵角の目標値信号と後輪の
舵角の実測値信号とが等しくなつた時に、後輪16は後輪
の舵角の目標値信号に応じた舵角となり後輪の舵角の偏
差信号が零となる。
なお、差動増幅回路500の増幅器502は、油圧装置600
の流量制御弁を短時間で制御し応答させるために大きな
電気的パワーが必要となることを考慮したものである。
また、上記の後輪の舵角の偏差信号は、正の極性の電圧
信号の場合は後輪16を右方向へ転舵して舵角を発生させ
ようとし、負の極性の電圧信号の場合は後輪16を左方向
へ転舵して舵角を発生させようとする極性を有する。さ
らに差動増幅回路500において、流量制御弁606が電流に
応じて制御されるものであるならば、増幅器502から出
力される後輪の舵角の偏差信号の電圧に比例した電流が
流量制御弁606へ供給されるように電流増幅回路を増幅
器502内へ配設することも可能である。
油圧装置600は、駆動装置601とドライブカツプリング
602とポンプ603とオイルタンク604とアキユムレータ605
と流量制御弁606と;シリンダ607とピストン608とピス
トンロツド609とから成るアクチユエータと;から構成
される。
ポンプ603は、駆動装置601によつてドライブカツプリ
ング602を介して駆動されるベーンポンプで構成され、
予め所定の圧力の作動油をアキユムレータ605に蓄圧す
る。
オイルタンク604は、ポンプ603の吸入側に連通し不要
の油を再循環するための油溜である。アキユムレータ60
5は所定の容積より成る金属容器で構成され、該容器内
をゴムタイアフラムにより2分割し、一方の部屋には所
定の圧力の窒素等のガスを封入し、他方の部屋を配管を
介して前記ポンプ603の吐出口に連通させている。この
アキユムレータ605はポンプ603の能力が差動増幅回路50
0の要求に対して不足する場合にポンプ603の動作不能を
補償するものである。またアキユムレータ605を設ける
ことにより、ポンプ603の小容量化、小型化を可能にす
ることができる。
流量制御弁606は、流入および吐出ポートを配設した
シリンダ内に軸方向に移動するとともに外径が異なつた
部分を有するスプールを介挿したスプール弁から成り、
該スプールの大径部と吐出ポートとの位置関係により、
絞りの開口面積を変化させ吐出流量を制御するものであ
る。流量制御弁606は、前記差動増幅回路500からの後輪
の舵角の偏差信号に応じて流量を制御しアキユムレータ
605内に蓄圧された作動油をアクチユエータへ供給す
る。なお、駆動装置601として車両のエンジンを用いる
ことも可能でその際ドライブカツプリング602はプーリ
を介したベルトを用いることになる。アクチユエータは
車体20に固定されたシリンダ607とピストン608とから成
る油圧シリンダでそのピストンロツド609はリンケージ1
4と一体となつている。流量制御弁606から給排される作
動油の圧力によりピストン608およびピストンロツド609
は直線往復運動を行なう。この直線往復運動はリンケー
ジ14を経てナツクルアーム15をその支点15aまわりに回
転させる。ナツクルアーム15は後輪16と一体で回転し、
該回転により後輪16は転舵され舵角を生じる。
上記の構成の本実施例の車両の後輪舵角制御装置の作
用効果について以下に述べる。操舵量検出手段100によ
り、ハンドルIの回転操舵角δ(t)に応じた直線変
位を検出し、操舵量に応じた電気信号(変位信号)Dを
出力する(以下これを操舵量信号Dと呼ぶ)。一方、車
速検出器200により、車速U(t)を検出し、車速に応
じた電圧信号Eを検出する(以下これを車速信号Eと呼
ぶ)。説明を簡単にする為、再びハンドルIを角周波数
ωで正弦波状に連続した操舵した場合、即ち操舵量信号
D=D0sinωtの場合を考える(D0は振幅でハンドルI
の振幅に対応する)。車速信号Eは信号処理回路300の
反転増幅回路320,330、および抵抗340により所定の増幅
率により増幅された後、cdsオプトアイソレータ350に供
給される。cdsオプトアイソレータ350のcds352は、車速
信号Eと反転増幅回路320,330および抵抗340により定ま
る増幅率とに応じて抵抗値Rが定まり、その抵抗値Rは
車速U(車速信号E)の増加につれて減少する特性を有
している。操舵量信号Dは信号処理回路300の移相回路3
10に供給される。移相回路310は、前記cdss352の抵抗値
Rとコンデンサ314の容量Cで定まる位相差90゜の角周
波数ω=1/RCを有する第11図(A)に示す伝達特性を
有している。したがつて、操舵量信号D=D0sinωtの
角周波数ωが第11図(A)の位相差90゜の角周波数ω
=1/RCより低い場合、移相回路310は操舵量信号Dと等
しい電気信号Dを出力する。一方、操舵量信号D=D0si
nωtの角周波数ωが位相差90゜の角周波数ω=1/RC
より高い場合、移相回路310は操舵量信号Dの極性が反
転した電気信号−Dを出力する。この時、車速が極めて
低い場合、第11図(B)に示した特性のように、cds352
の抵抗値Rは極めて大きな値となり、位相差90゜の角周
波数ω=1/RCは極めて低い値となる。この場合、移相
回路310は、第4図(A)に示す伝達特性に等しい特性
(第4図(A)のk=1)となり、極めて低い角周波数
ωの場合を除いて操舵量信号Dは反転して出力される
(電気信号−Dとなる。)車速が極めて高い場合、第11
図(B)に示した特性のようにcds352の抵抗値Rは極め
て小さな値となり、位相差90゜の角周波数ω=1/RCは
極めて大きな値となる。この場合、移相回路310は第4
図(C)に示す伝達特性に等しい特性(第4図(C)の
k=1)となり、極めて高い角周波数ωの場合を除いて
操舵量信号Dは反転されずに出力される(電気信号Dと
なる)。この状態において、反転増幅回路330の帰還抵
抗(可変抵抗)332の抵抗値の設定値を変化すると、車
速信号Eの増幅率が変化する。したがつて、cdsオプト
アイソレータ350の発光ダイオード351へ供給する電気信
号の電圧が変化する。これにより、cds352の抵抗値Rが
変化して、移相回路310の位相差90゜の角周波数ω=1
/RCの設定値を変化することができる。これは、前記発
明の第5の態様に相当する手段である。可変抵抗360
は、移相回路310からの出力を所定の増幅率で増幅し
て、差動増幅回路500へ供給する。可変抵抗360の抵抗値
を手動にて予め設定することにより、差動増幅回路500
へ供給する電気信号の電圧の大きさを設定することがで
きる。可変抵抗360から出力される電気信号は、前記後
輪の舵角の目標値信号であるので、可変抵抗360の抵抗
値を設定することにより、後輪の舵角の目標値信号の電
圧の大きさを設定することができる。これは、前記発明
の第3の態様に相当する手段である。作動機構1000の後
輪舵角検出器400は、リンケージ14の直線変位を検出す
ることにより、その時の後輪16の舵角に相当する変位を
検出し差動増幅回路500へ後輪の舵角の実測値信号を供
給する。差動増幅回路500は、前記信号処理回路300から
供給された後輪の舵角の目標値信号と、後輪舵角検出器
400から供給された後輪の舵角への実測値信号との差の
信号を作成し増幅して後輪の舵角の偏差信号として前記
油圧装置600の流量制御弁606へ供給する。
流量制御弁606は、後輪の舵角の偏差信号によつて制
御され、アキユムレータ605の油圧をアクチユエータに
導入する。従つて、アクチユエータのシリンダ607内の
圧力が変化してピストン608、ピストンロツド609が移動
される。
ピストンロツド609と一体となつたリンケージ14は前
記油圧により移動し、ナツクルアーム15を支点15aを中
心に回転させ、後輪16を転舵して舵角を生じさせる。
これら一連の動作が、前記後輪の舵角の偏差信号が零
になるまで、即ち後輪16の舵角が信号処理回路300から
出力される後輪の舵角の目標値信号に応じた大きさと方
向を有するまですばやく実施される。
後輪16は、作動機構1000によつて後輪の舵角の目標値
信号の極性が前記操舵量信号Dと等しいときは、ハンド
ルIの操舵の方向と同方向、即ち前輪6と同方向へ前記
可変抵抗360により定まる増幅率に応じた大きさで転舵
される。
一方、後輪の舵角の目標値信号の極性が前記操舵量信
号Dと異符号のときは、ハンドルIの操舵の方向と逆方
向、即ち前輪6と逆方向へ可変抵抗360により定まる増
幅率に応じた大きさで後輪16は転舵される。なお、後輪
の舵角の目標値信号が零のときは後輪16は転舵されず舵
角は零となる。
以上説明してきたように、本発明の実施例の信号処理
回路では、ハンドルの操舵の速さをハンドルの操舵角周
波数ωで判断して、ハンドルの操舵の速さを判断する判
断手段の機能と、ハンドルの操舵の速さに対応した作動
機構を制御する制御信号を出力する処理手段の機能との
両方を同時に実施する簡単な構成の移相回路と可変抵抗
とを用いたので制御手段の構成が簡単になり、車載に適
する、という利点を有する。さらに、本発明の実施例の
信号処理回路では、車速に関連した物理量に応じてハン
ドルの操舵の速さの所定の基準値を変化する変化手段と
して、簡単な構造のcdsオプトアイソレータを用いたの
で、回路構成が複雑にならず車載に適すると共に低コス
トで実現できるという利点を有する。本発明の実施例に
おいては、ハンドルを遅く操舵した場合は前輪の舵角と
同じ方向へ後輪が転舵され、ハンドルを速く操舵した場
合は前輪の舵角と逆の方向へ後輪が転舵されて後輪の舵
角が制御されるため、車両の直進時の走行安定性と旋回
運動の応答性の両方を向上させることができる、という
利点を有する。さらに、本発明の実施例によれば後輪の
前輪に対する舵角の方向を定める舵操の速さの判断基準
(移相回路の伝達特性の位相遅れ90゜となる角周波数ω
)を、車速に応じて増加させることができるので、車
速が低速においては、定常円旋回時のようにハンドルの
操舵が非常に遅い場合を除いては後輪を前輪と逆方向へ
転舵することにより旋回半径を小さくすることができ、
車庫入れ、方向転換等を容易にすることができると共に
車速が極めて高速においては、緊急障害物回避等のよう
にハンドルの操舵が非常に速い場合を除いては後輪を前
輪と同方向へ転舵することにより車両の旋回運動の感度
が急激に高くなることを防止して安定した走行をするこ
とができる、という利点を有する。更に、本発明の実施
例の信号処理回路は、ハンドルの操舵の速さをハンドル
の操舵の角周波数で判断し、角周波数が大きくなるに従
つて入力である変位信号に対して位相が最大で180゜ま
で遅れかつ絶対値がハンドルの操舵の角周波数に拘らず
一定の値で増幅された制御信号を出力すると共に該判断
の基準が車速に応じて変化することを特徴としているの
で、本実施例の信号処理回路で用いた移相回路、cdsオ
プトアイソレータ等に限定されず、本発明の特許請求の
範囲の考え方に基づきハンドルの操舵の速さをハンドル
の操舵の角周波数で判断し、かつハンドルの操舵の速さ
の判断基準を車速に応じて増加させることができるもの
ならばいかなる回路も適用することができる。本発明の
実施例では、信号処理回路において車速に関連する物理
量に応じてハンドルの操舵の速さの所定の基準値に対応
するハンドルの所定の操舵角周波数ωを変化する変化
手段としてcdsオプトアイソレータを用いて移相回路の
抵抗値Rを変化、即ち のRを変化したが、本発明はこれに限定されない。
例えば抵抗値Rを変化してハンドルの所定の操舵角周
波数ωを変化する方法として電圧制御可変抵抗マルチ
プライアやスイツチトキヤパシタによる方法等を用いて
もよい。一方、移相回路のコンデンサ容量Cを変化して
もハンドルの所定の操舵角周波数ωを変化することが
可能で、例えば電圧制御可変容量マルチプライアを用い
てもよい。本実施例では、ハンドルの回転操舵角を検出
する代わりにギヤボツクスに内蔵されたラツクとピニオ
ン等の運動変換機構により変換された直線運動をハンド
ルの操舵の変位として検出する例について説明したが、
例えば、ナツクルアームの回転運動や前輪の舵角を変位
として検出してもよい。
上記で説明した実施例では、検出手段として直線形ポ
テンシヨメータを用いた例について説明したが、本発明
はこれに限定されずハンドルの操舵角または変位に応じ
た慈束変化を検出する電慈センサ、光学センサ、テレメ
ータ等のセンサを使用することが可能である。本発明の
制御手段は実施例で図示したものに限定されず、ハンド
ルの操舵の速さを判断し、この判断に基づいてハンドル
の操舵の速さに応じた信号を出力すると共に該判断の基
準が車速に応じて変化するものであれば、いかなる回路
も使用することができる。また、実施例はアナログ回路
で構成した例を示したが、本発明はこれに限定されず、
マイクロコンピュータ等を利用したデイジタル回路で構
成することもできる。また、本発明の作動機構は実施例
で図示したものに限定されず制御手段から出力される制
御信号に応じて力を発生し、後輪の舵角を制御するもの
であればいかなるものも適用可能であり、実施例で説明
した以外の油圧回路、空圧回路、空気アクチユエータ、
油圧アクチユエータ、または電磁力その他の力で後輪に
力を作用するものでもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロツク図、第2図は
従来の四輪操舵車の後輪舵角制御装置を示すブロツク
図、第3図は本発明の制御手段の伝達関数を示す線図、
第4図(A),(B)および(C)は各車速における伝
達関数および前輪と後輪との舵角の関係を示す線図、第
5図は車速の変化に対する操舵判断角周波数の変化を示
す線図、第6図は伝達関数のゲインの変化を説明するた
めの線図、第7図は操舵判断角周波数の変化率の変化を
説明するための線図、第8図(A)は上記実施例の操舵
量検出器の詳細図、第8図(B)は操舵量信号を示す線
図、第9図(A)は上記実施例の車両検出器の詳細図、
第9図(B)は車速信号を示す線図、第10図は上記実施
例の信号処理回路の回路図、第11図(A)は上記信号処
理回路における移相回路の伝達特性を示す線図、第11図
(B)は上記信号処理回路におけるcdsオプトアイソレ
ータの抵抗値特性を示す線図、第12図は上記実施例の作
動機構の詳細図である。 100……操舵量検出器、200……車速検出器、300……信
号処理回路、400……後輪舵角検出器、500……差動増幅
回路、600……油圧装置、1000……作動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 勝彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鷲見 和正 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−229873(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後輪に舵角を生じさせる作動機構を制御し
    て、前輪に舵角を生じさせるハンドルの操舵の速さに応
    じて後輪の舵角方向を決定して後輪の舵角を自動的に制
    御する車両の後輪舵角制御装置において、前記ハンドル
    の操舵量を検出して操舵量信号を出力する操舵量検出手
    段と、車速に関連した物理量を検出して物理量信号を出
    力する物理量検出手段と、前記操舵量信号に基づいてハ
    ンドルの操舵の速さを演算すると共に前記物理量信号の
    大きさに応じて単調増加する基準値を設定し、前記ハン
    ドルの操舵の速さと前記基準値との大小を比較して前記
    ハンドルの操舵の速さが前記基準値より小さいときには
    後輪に前輪と同方向の舵角を生じさせかつ前記ハンドル
    の操舵の速さが前記基準値より大きいときには後輪に前
    輪と逆方向の舵角を生じさせるように前記作動機構を制
    御する制御手段と、を設けたことを特徴とする車両の後
    輪舵角制御装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記操舵量信号に基づい
    てハンドルの操舵の速さを演算すると共に前記物理量信
    号の大きさに応じて単調増加する基準値を設定し、前記
    ハンドルの操舵の速さと前記基準値とを比較して前記ハ
    ンドルの操舵の速さが前記基準値より小さいときには後
    輪に前輪と同方向でかつ前記操舵量信号に応じた大きさ
    の舵角を生じさせると共に前記ハンドルの操舵の速さが
    前記基準値より大きいときには後輪に前輪と逆方向でか
    つ操舵量信号に応じた大きさの舵角を生じさせるように
    前記作動機構を制御する特許請求の範囲第(1)項記載
    の車両の後輪舵角制御装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、前記操舵量信号に基づい
    てハンドルの操舵の速さに対応する操舵角周波数を演算
    する演算手段と、零に近い微小な値を通りかつ前記車速
    に関連した物理量信号の大きさに応じて単調増加する基
    準値を設定する設定手段と、前記操舵角周波数と前記基
    準値とを比較してその大小を判断する判断手段と、前記
    操舵量信号および前記判断手段の判断結果に基づいて前
    記操舵角周波数が前記基準値より小さいときは前記操舵
    量信号を所定の増幅率で増幅して出力すると共に前記操
    舵角周波数が前記基準値より大きいときは前記操舵量信
    号を所定の増幅率で反転増幅して出力し、この出力信号
    により前記作動機構を制御する処理手段と、を含む特許
    請求の範囲第(1)項記載の車両の後輪舵角制御装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、前記操舵量信号に基づい
    てハンドルの操舵の速さに対応する操舵角周波数を演算
    する演算手段と、前記車速に関連した物理量信号が大き
    くなるのに伴って零に近い微小な値から単調増加する基
    準値を設定する設定手段と、前記操舵角周波数と前記基
    準値とを比較してその大小を判断する判断手段と、前記
    操舵量信号および前記判断手段の判断結果に基づいて前
    記操舵角周波数が前記基準値より小さいときは後輪に前
    輪と同方向でかつ前記操舵量信号に応じた大きさの舵角
    を生じさせると共に前記操舵角周波数が前記基準値より
    大きいときは後輪に前輪と逆方向でかつ前記操舵量信号
    に応じた大きさの舵角を生じさせるように前記作動機構
    を制御する処理手段と、を含む特許請求の範囲第(1)
    項記載の車両の後輪舵角制御装置。
  5. 【請求項5】前記操舵量信号に対する後輪の舵角の大き
    さの比が調整可能にされている特許請求の範囲第(2)
    項記載の車両の後輪舵角制御装置。
  6. 【請求項6】前記物理量信号の大きさに応じて単調増加
    する基準値の変化の割合が調整可能にされている特許請
    求の範囲第(1)項記載の車両の後輪舵角制御装置。
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