JP2574003B2 - 風合いの良好な合成皮革 - Google Patents

風合いの良好な合成皮革

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は風合の改良された合成皮革に関する。
〔従来の技術〕
ポリウレタンを表皮材とする合成皮革は、風合や外観
が良いため靴、衣料、家具あるいは自動車などの車両座
席の材料として多方面に多量に使用されている。該合成
皮革に対し風合や耐久性が強く要望され、特に柔軟性、
耐熱性、耐加水分解性、耐光性、耐かび性などの品質に
対する要求が益々厳しくなつている。
これらの要求性能を満たすために例えば合成皮革に用
いられるポリウレタンの種類およびその成分組成を変更
することが行なわれている。また、合成皮革における繊
維基材の選択、接着層及び表皮層の多層化並びにそれら
の組み合わせにより上述の要求性能を満足すべく様々な
研究が行なわれている。
例えば特公昭55-23956号においては特殊なポリカーボ
ネート系ポリウレタン尿素エラストマーを開示すること
により耐光性および耐加水分解性にすぐれた合成皮革を
提案している。特開昭61-14221号には3−メチル−1,5
−ペンタンジオールとジカルボン酸よりなるポリエステ
ル系ポリオールを用いたポリウレタンが耐かび性に優
れ、また該ポリウレタンは合成皮革に適用可能であるこ
とが示唆されている。特開昭62-22817号では2−メチル
−1,8−オクタンジオール単位を含有する高分子ポリオ
ールを使用したポリウレタンが耐加水分解性に優れてい
ること、また該単位を含むポリエステル系ポリウレタン
溶液をコーテイング剤、含浸剤として繊維などの基体に
付与し合成皮革が得られることの開示がある。
更に特公昭59-1822号においては、接着剤層をポリエ
ーテル系ポリウレタンとし、表皮層をポリカーボネート
系ポリウレタンとすることにより耐加水分解性及び耐光
性に優れ、長期間の使用に耐久性をもつ合成皮革を得ら
れるとされている。さらに特開昭58-144185号において
は微多孔性複合繊維基材上にポリカーボネート系ポリウ
レタン接着剤層、炭素数4以上のグリコールカルボン酸
からなるポリエステル系ポリウレタンの中間層およびポ
リカーボネート系ポリウレタン表皮層が順次積層された
柔軟性車両用合成皮革が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら一般にはポリエステル系ポリウレタンが
最も汎用されており、いずれの性能においても十分に満
足な合成皮革はいまだ得られていない。それ故、市場の
一層の拡大が切望されるが満たされていないのが現状で
ある。
本発明の第一の目的は、上述の多様な要求性能に少し
でも合致した合成皮革を提供することである。
本発明の第二の目的は風合が良好で柔軟な合成皮革を
提供することである。
本発明の別の目的は新規な合成皮革を提供することに
より一層合成皮革の新規な用途の展開を可能とすること
である。本発明の更に別の目的は以下の説明により一層
明らかとなるであろう。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはこのような現状に鑑み鋭意検討した結
果、式(I) で表される基を含有する高分子ジオールを用いたポリウ
レタンを接着剤とし、高分子ジオールとジイソシアネー
トおよび鎖伸長剤とを反応させて得られるポリウレタン
を表皮材とする事により、柔軟性に優れ、かつ耐熱性、
耐久性に優れる合成皮革が得られる事を見出した。即ち
高分子ジオールと有機ジイソシアネートとを反応させて
得られる主剤と、架橋剤とを反応させて得られるポリウ
レタンに於て、主剤が式(I)で表される基を5重量%
以上含有し、100%モジユラスが10〜100kg/cm2であるポ
リウレタンを接着層とし、高分子ジオールとジイソシア
ネートおよび鎖伸長剤とを反応させて得られるポリウレ
タンを表皮材として、繊維基材上に接着剤層、その上に
表皮層を設ける事により風合いの良好で耐加水分解性に
優れた合成皮革が得られることを見出したものである。
まず本発明に使用される接着剤について詳述する。式
(I)で表される基の構造単位を生成しうる化合物とし
ては2−メチル−1,8−オクタンジオールが好ましく、
該化合物は次式 で示される。
本発明に於ける高分子ジオールとしては、ジオール残基
として式(I)で表される基を含有するポリエステルポ
リオールまたはポリカーボネートポリオールが好まし
い。以下これらの高分子ジオールについて述べる。
ポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリ
オールは2−メチル−1,8−オクタンジオールまたは該
ジオールを含有する混合ジオールを用いてつくられる。
2−メチル−1,8−オクタンジオールと混合使用可能な
ジオールとしてはエチレングリコール、2−メチル−1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,9−ノナンジオール、ドデカンジオール、ジエチレン
ジオール、ネオペンチルグリコール等があるが、柔軟
性、耐熱性、耐久性の点で炭素数が大きいほど好ましく
1,6ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ドデカン
ジオール等の炭素数が6以上のジオールが適当である。
また上記ジオールにさらにトリメチロールプロパン、グ
リセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールを
少量併用することもなんらさしつかえない。
ポリエステルポリオールは上記のジオールとジカルボ
ン酸との反応により得られる。ジカルボン酸の構造単位
は式(III) および/または式(IV) であるのが好ましい。前記式(III)において、nは1
〜12の整数を示し、前記式(III)を生成しうる脂肪族
ジカルボン酸の例としては、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカン二酸等
が挙げられる。より好ましくは、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバチン酸である。これらのジカルボン酸はそれ
ぞれ単独でのみならず2種以上組合せても用いられる。
また、前記式(IV)において、Arは炭素数6〜10の2価
の芳香族炭化水素残基、例えばフエニレン基またはナフ
チレン基である。前記式(IV)を生成しうる芳香族ジカ
ルボン酸の具体例としてはテレフタル酸、イソフタル
酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸等およびこれらの任意の割合の混合物が挙げられ
る。より好ましくはテレフタル酸およびイソフタル酸で
ある。また上記芳香族ジカルボン酸より誘導されるその
アルキルエステル化物もジカルボン酸源として使用でき
る。
上記ポリエステルポリオールの製造方法にはとくに制
限がなく、公知のポリエステル縮重合手段が適用可能で
ある。たとえば、構造単位(I)、(III)および(I
V)を生成しうる前記化合物を所望割合で仕込み、エス
テル化および/またはエステル交換触媒の存在下または
不存在下に150〜250℃でエステル化またはエステル交換
し、かつこのようにして得られた反応生成物をさらに高
真空下200〜300℃で縮重合せしめることにより製造でき
る。
次にポリカーボネートポリオールの合成は前記のジオ
ールを用いて (イ) ジオールとホスゲンを反応させて得る方法 (ロ) ジオールとアルキレンカーボネートとのエステ
ル交換反応により合成する方法 (ハ) ジオールとジアルキルカーボネートまたはジア
リールカーボネートとのエステル交換により合成する方
法 があり、いずれの方法で合成したものでも使用可能であ
る。ポリエステルポリオールもポリカーボネートポリオ
ールもその平均分子量は600〜5000の範囲内にあるのが
好ましい。これらのポリオールにおいて数平均分子量が
上記範囲から大きくはずれると常態接着力、濡れ特性、
初期接着力、耐熱水性等の低下が大きくなり好ましくな
い。
本発明において分子内に式(I)で表わされる基を有
する重合体として用いられるポリウレタンポリオールを
製造するために使用される有機ジイソシアネートとして
は、イソシアネート基を分子中に2個含有する公知の脂
肪族、脂環族、芳香族有機ポリイソシアネートが包含さ
れるが、特に4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネー
ト、p−フエニレンジイソシアネート、トルイレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。な
かでも反応活性の異なるイソシアネート基を有するジイ
ソシアネートが好ましい。とりわけ、イソホロンジイソ
シアネートもしくは2,4−トリレンジイソシアネートま
たはそれらを主成分とする混合物が好ましい。なお、前
述した有機ジイソシアネートの外に、トリメチロールプ
ロパンやグリセリン1モルに3モルのトリレンジイソシ
アネートが付加したトリイソシアネート等の多官能ポリ
イソシアネートを少量併量できる。
またこの時に、所望により適当な鎖伸長剤を使用して
もよく、該鎖伸長剤としては、ポリウレタン業界におけ
る常用の連鎖成長剤、すなわちイソシアネートと反応し
得る水素原子を少なくとも2個含有する化合物が包含さ
れる。その例としてはエチレングリコール、2−メチル
−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、キシリレングリコール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、ビスヒドロキシエトキシ
ベンゼン、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオ
ール、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ジヒドラジ
ド、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられ
る。また上記のポリウレタンポリオールを得るための具
体的な操作方法に関しては、公知のウレタン化反応の技
術が用いられる。たとえば、数平均分子量600〜5000の
ポリエステルポリオールと所望により活性水素を有する
低分子化合物とを混合し、約40〜100℃に予熱したの
ち、これらの化合物の活性水素原子数に対するイソシア
ネート基の比(NCO/OH)が1以下となる割合の量の有機
ジイソシネートを加え、50〜120℃で数時間反応するこ
とにより得られる。上記反応はイソシアネート基に不活
性な有機溶媒の存在下でおこなつてもよい。所望により
通常のウレタン化触媒、例えば有機錫化合物、第3級ア
ミン類などを使用してもよい。製造工程において有機溶
媒の存在下に行う場合には、最終混合物の固形分含量が
約10〜90重量%好ましくは20〜80重量%になるように有
機溶媒の使用量を決定すると好都合である。
このようにして得られるポリウレタンポリオールは接
着剤としたときの性能の点から3,000〜70,000の数平均
分子量を有するのが好ましい。
本発明において分子内に式(I)で表わされる基を有
する重合体として好ましく使用される上記のポリエステ
ルポリオールまたはポリウレタンポリオールは分子末端
に少なくとも2個の水酸基を有するのが好ましい。
本発明においては、分子内に式(I)で表される基を
有する重合体だけで接着剤とすることができるが、耐熱
性、耐熱水性の向上を期待する場合には、分子内に式
(I)で表わされる基を有する重合体に該重合体中の水
酸基と反応しうる基を少なくとも3個有する化合物を架
橋剤として配合して接着剤とすることが好ましい。
ここで使用される硬化剤としては、有機ポリイソシア
ネート、エポキシ樹脂またはそれらの混合物等が挙げら
れるが、特に有機ポリイソネートが好ましい。好ましい
有機ポリイソシアネートとしては、分子中にイソシアネ
ート基を3個以上有する化合物、例えばトリメチロール
プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の水酸
基のすべてをトリレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等で
ウレタン化させた化合物が挙げられる。
本発明の接着剤において架橋剤を使用する場合におけ
る主剤と架橋剤の配合割合は、主剤の全水酸基に対する
架橋剤の全イソシアネート基の当量比(NCO/OH)で1〜
20とりわけ1〜10の範囲が好ましい。前記当量比が1以
下であると耐熱性に乏しく、20を越えると接着力が低下
し柔軟性も失われるが、これはイソシアネートの増大に
伴う接着剤の硬度の上昇のために接着界面での応力集中
を引き起こす等に由来する。
このようにポリエステルポリオールまたはポリオール
カーボネートポリオールとジイソシアネートとから、ま
たはこれに鎖伸長剤を加えて接着剤の主剤を作成し、こ
れに加橋剤を加えてポリウレタン系の接着剤とするわけ
であるが、この主剤が式(I)の構造単位を有する成分
を含有することが必要である。これは式(I)で表わさ
れる構造単位を有するものは、炭素数が9と大きく、し
かも側鎖を有しており、ガラス転移温度も低く、結晶性
も阻害するため合成皮革用接着剤として用いた場合ポリ
ウレタンは耐加水分解性、耐寒性に優れ、かつ非常に柔
軟で風合いが良い合成皮革で得られるものと考えられ
る。この効果は式(I)で表わされる成分が主剤中に5
重量%以上含有することが必要で5重量%未満では効果
がないのである。
式(I)で表わされる基を有するポリエステルポリオ
ールまたはポリカーボネートポリオールを単独またはこ
れらの混合物、あるいはこれらのポリオールと式(I)
で表わされる基を有しないポリエステルポリオール、ポ
リカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンやポリ
バレロラクトン系ポリオール、ポリテトラメチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールやポリエチレングリ
コール等のエーテル系ポリオールと併用することも可能
である。この場合これらのポリオールの混合物とジイソ
シアネートとを反応させたものを主剤としても良く、そ
れぞれのポリオールとジイソシアネートとを反応させて
得られたものを2種以上混合したものを用いても良く、
いずれの場合でも主剤中に式(I)で表わされる基を5
重量%以上有することが必要である。
本発明における接着層は100%モジユラスにおいて10
〜100kg/cm2である必要がある。10kg/cm2以下である
と、接着力に乏しいこととなり、逆に100kg/cm2を越え
ると、式(I)を含有する柔軟な主剤を使用する効果が
なくなる。架橋剤量が増えるほどこの100%モジユラス
は増大するので注意を要する。
一方表皮材用のポリウレタンとしては、ジオールとジ
カルボン酸とより得られるポリエステルポリオール、ポ
リカプロラクトンやポリバレロラクトン等のポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレン
グリコール、ポリプロピレングリコールやポリエチレン
グリコール等のポリエーテルポリオールの中の1種また
は2種以上の高分子ジオールと有機ジイソシアネートお
よび鎖伸長剤とを反応させて得られるポリウレタンを用
いても良く、または各ポリオールと有機ジイソシアネー
トと鎖伸長剤とより得られたポリウレタンを2種以上併
用したものでもよい。ここでポリエステルポリオールま
たはポリカーボネートポリオールは、エチレングリコー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル
−1,8−オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチ
レングリコールまたはネオペンチルグリコール等のジオ
ールを用いて前記の接着剤の場合と同じ方法でつくるこ
とができる。
有機ジイソシアネートとしては、イソシアネート基を
分子中に2個含有する公知の脂肪族、脂環族、芳香族有
機ポリイソシアネートが包含されるが、特に4,4′−ジ
フエニルメタンジイソシアネート、p−フエニレンジイ
ソシアネート、トルイレンジイソシアネート、1,5−ナ
フチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート等が挙げられる。中でも4,4′−ジフエニル
メタンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシア
ネートが好ましい。
また鎖伸長剤としてはポリウレタン業界における常用
の連鎖成長剤、すなわちイソシアネートと反応し得る水
素原子を少なくとも2個含有する化合物が包含される。
その例としてはエチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、キシリレングリコール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼ
ン、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,8−オク
タンジオール、1,9−ノナンジオール、イソホロンジア
ミン、ヒドラジン、ジヒドラジド、トリメチロールプロ
パン、グリセリン等が挙げられる。中でもエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、イソホロンジアミン等
が好ましい。
このように表皮材としては通常の合成皮革に使われて
いるジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤よ
り得られるポリウレタンを用いることができるが、中で
も更に柔軟で耐加水分解に優れたものにするには、次の
式(II)で表わされる基を含有するポリウレタンを用い
ることが好ましい。
(ここでR1はメチル基またはエチル基を示し、R2は水
素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基また
はヒドロキシエチル基を示し、n,mはn+m≧2、好ま
しくはn+m≧4を満足する整数である。) 式(II)で表わされる基の構造単位を生成しうる化合物
として例えば2−メチル−1,3−プロパンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−
オクタンジオール等が考えられる。この中でも特に2−
メチル−1,8−オクタンジオールが好ましい。また式(I
I)で表わされる基を生成しうる化合物と併用する他の
ジオールも炭素数が5以上のものが好ましい。これは一
般に炭素数が大きくなるほどガラス転移温度が低くな
り、また耐加水分解性、耐熱性に優れるからである。し
かし、直鎖のジオールのみでは逆に結晶性が増し、硬い
ポリウレタンになりやすいのである。これに対し式(I
I)で表わされる基を有するものが含まれるとこの結晶
性を阻害するため全体として柔軟なポリウレタンを得る
ことができるものと考えられる。式(II)で表わされる
基が、表皮材として用いられるポリウレタンの5重量%
以上含有することが望ましい。
この表皮材として用いるポリウレタンの100%モジユ
ラスは10〜200kg/cm2のものが好ましい。10kg/cm2以下
だと耐マモウ性が乏しくなるし、200kg/cm2以上だと折
角柔軟な接着層と組み合わせた意味がなくなる。またこ
の表皮材を中間層とトツプ層との積層として使用しても
良い。この場合中間層は100%モジユラスが低く柔軟な
ものを用い、一方トツプ層用のポリウレタンは耐摩耗性
を考え100%モジユラスがより高く、硬目のポリウレタ
ンを用いるのが望ましい。トツプ層と中間層との積層と
して使う場合、中間層を発泡させて使うと更に柔軟なも
のになる。
合成皮革は例えば次のような転写法で作成することが
できる。
まず、表皮材用ポリウレタンの溶液をドクターナイフ
にて離型紙上に塗布し、90〜110℃2分間熱風乾燥す
る。得られる表皮層用皮膜の厚みは最終用途によつて異
るが、通常10〜100μmとなるように溶液濃度および塗
布量を調節する。
次いで該表皮層上に接着剤ポリウレタン溶液を塗布す
るとともにラミネートロールの適正なギヤツプで基布を
貼り合せ90〜110℃で2分間熱風乾燥する。接着剤ポリ
ウレタン溶液中のレジン含有量は30〜50%のものを60〜
150g/m2塗布すれば、乾燥后数十mμ厚みの接着層が形
成されることとなる。
その後40〜60℃で2〜3日間エージングする。
その後離型紙を剥離し、必要に応じてグラビアロール
に数回表面仕上げを行う。
基布は合成繊維、例えばポリアミド、ポリエステル、
ビニロン、ポリアクリロニトリルなど半合成繊維、例え
ばレーヨン、キュプラ、アセテートなど、又は天然繊維
として、例えば絹、羊毛、綿又は麻などから得られる編
布、織布、不織布又は含浸布などいずれも使用すること
ができる。勿論、基布の種類、材質は合成皮革の風合い
を決定する重要な要素である。
また合成皮革の製造に於いて、表面にポリウレタンを
仕上げ剤として使用することがあるが、本発明で表皮材
として用いるポリウレタンは仕上げ剤としても使用可能
である。この場合も式(II)で表わされる基を有するポ
リウレタンを使用するのが好ましい。
なお、接着剤および/または表皮剤用のポリウレタン
に顔料あるいは染料を混合することにより着色すること
もなんらさしつかえない。合成皮革にしてから染色して
もかまわない。
〔実施例〕
以下、実施例にて具体的に説明する。
尚、実施例中、柔軟性については手触りにより比較し
次に分類に従つて判定した。
◎ 非常に良好 ○ 良好 △ 少し硬目 × 非常に硬い また耐加水分解性の合成皮革を温度70℃、相対湿度90
%の雰囲気中(ジヤングルテスト条件)、5〜10週間放
置したとき生ずる表面ベトツキ、表面亀裂、表皮層の剥
離より次の分類に従つて評価した。
◎ 非常に良好 ○ 良好 △ 少し悪い × 非常に悪い また以下の表中略号と化合物との関係は次の通りであ
る。
EG エチレングリコール BD 1,4−ブタンジオール HD 1,6−ヘキサンジオール MPD 3−メチル−1,5−ペンタンジオール ND 1,9−ノナンジオール MOD 2−メチル−1,8−オクタンジオール IPDA イソホロンジアミン PCL ポリカプロラクトン PMVL ポリメチルバレロラクトン IPDI イソホロンジイソシアネート HDI ヘキサメチレンジイソシアネート TDI トリレンジイソシアネート MDI 4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート TMP(TDI)3 トリメチロールプロパン・トリレンジイ
ソシアネート付加体 TMP(HDI)3 トリメチロールプロパン・ヘキサメチレ
ンジイソシアネート付加体 TMP(IPDI)3 トリメチロールプロパン・イソホロンジ
イソシアネート付加体 (合成皮革作成例) 離型紙上にナイフコーターを用い、表皮層用ポリウレ
タン溶液(固形分濃度20%)を乾燥厚み25μmになるよ
うに塗布し、100℃で3分間加熱乾燥させて、ポリウレ
タン皮膜を形成する。次に前記表皮層上に接着剤用ポリ
ウレタン溶液(固形分濃度40%)を120g/m2の目付とな
るようナイフコーターを用いて塗布し、直ちにテトロン
を縦糸とし、レーヨンを横糸として混紡した起毛布の非
起毛面を貼り合わせ、次いでラミネートロールにより圧
着する。100℃で2分間乾燥後、50℃にて3日間エージ
ングする。
表皮層としてトツプ層と中間層の2層を設ける場合に
は、離型紙上にて順次、トツプ層、中間層用ポリウレタ
ン溶液より乾燥皮膜を形成させる。実施例1〜5および
比較例1〜6 接着剤の主剤としてアジピン酸と所定のジオールより
得られたポリエステルジオールと有機ジイソシアネート
よりなるポリウレタンを用い、上述の合成比較作成例に
従つて表Iに記載の構成で各種合成皮革を得た。なお比
較例5ではポリエステルジオールとしてポリカプロラク
トングリコールを用いた。
得られた合成皮革の柔軟性および耐加水分解性を測定
し、結果を併せて表Iに示した。
表Iより明らかな如く、式(I)で表される基を含む
ポリエステルジオールよりなるポリウレタンを主剤とす
る接着剤を用いると、風合いの柔軟な合成皮革の得られ
ることがわかる。また、この基を含むポリウレタンは極
めて耐加水分解性に優れていることがわかる。
更に、いかに式(I)で表される基を含んでいても該
接着剤の100%モジユラスが100kg/cm2を超えて大きい
と、柔軟な合皮は望み得ない。このような100%モジユ
ラスの高い接着剤は、その主剤がセグメンテツドポリウ
レタン(segmented polyurethane)の如き構造をして
いるときに入手される。
実施例6、7、8および比較例7 接着剤層の主剤としてポリカーボネートジオールと有
機ジイソシアネートよりなるポリウレタンを用い、実施
例1と同様にして合成皮革を得、次いで各種性能を評価
し、結果を併せて表IIに示した。
これまでの代表としてよく知られてきたヘキサンジオ
ール系ポリカーボネートを用いたポリウレタンを接着剤
として用いた比較例7の合成皮革は耐加水分解性は良好
であるが柔軟性に劣る。これに対し、実施例に従う合成
皮革は、ポリカーボネート系ポリウレタンの良好な耐加
水分解性を保持したままで、柔軟性が著しく改良されて
いることがわかる。また本発明に従がう合成皮革はしな
やかさがあり、触感による風合も極めて良好であつた。
実施例9〜15および比較例8〜10 接着剤層の主剤として数平均分子量(MW)が1000の2
種類の高分子ジオールとジイソシアネートよりなるポリ
ウレタンを用い、表IIIに記載の構成で実施例1と同様
にして各種合成皮革を得た。得られた合成皮革の柔軟性
および耐加水分解性を評価した結果を併せて表IIIに示
す。
表より明かな如く、式(I)で表される基が接着剤中
主剤の5重量%以上を占めるよう考慮すれば一般の他の
高分子ジオールをも必要に応じて混ぜて使うことができ
る。この場合、式(I)で表される基を含む高分子ジオ
ールが優れた耐加水分解性をもつているので、これを損
なわないような配合が望ましい。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明に従えば、特定構造単位
を含有し、且つ特定の物性値を有するポリウレタンを接
着剤層として用い、しかもポリウレタンよりなる表皮層
を組み合せることにより、耐久性および風合が良好で、
柔軟性に富み、商品価値の高い合成皮革が提供される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子ジオールと有機ジイソシアネートと
    を反応させて得られる主剤と、架橋剤とを反応させて得
    られるポリウレタンにおいて、主剤が式(I) で表される基を5重量%以上含有し、100%モジュラス
    が10〜100kg/cm2であるポリウレタンを接着層とし、高
    分子ジオールと有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤と
    を反応させて得られるポリウレタンを表皮剤としてなる
    合成皮革。
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