JP3310413B2 - ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリウレタンの製造方法
に関する。詳細には、耐加水分解性および耐寒性に優れ
ると共に、強度や伸度等の力学的性能にも優れた、各種
の広範な用途に対して極めて有用なポリウレタンを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からポリウレタンは、ポリエステル
ポリオールやポリエーテルポリオール等のポリオールと
ポリイソシアネート、更に必要に応じて活性水素原子を
有する低分子化合物からなる鎖伸長剤等を反応させて製
造されている。このうち、ポリオール成分としてポリエ
ステルポリオールを用いたものは耐加水分解性に劣り、
その結果比較的短時間に表面が粘着性を有するようにな
ったり、または亀裂などを生じて使用上かなり制限され
ることとなる。
【0003】ポリエステルポリオールの代りにポリエー
テルポリオールを使用したポリウレタンは耐加水分解性
の点では優れているが、その反面耐光性が非常に悪く、
更に力学的特性、耐摩耗性、耐油・耐溶剤性の点でポリ
エステルポリオールを使用したポリウレタンに比べて劣
っている。
【0004】また、ポリオール成分として例えば1,6
−ヘキサンジオールポリカーボネートのような耐加水分
解性に優れたポリカーボネートポリオールを使用した場
合には、ポリエーテルポリオールを使用した場合に生ず
る上記の欠点が改善されるが、ポリカーボネートポリオ
ールは極めて高価であり、かつ耐寒性に劣っている。
【0005】一方、耐加水分解性の比較的良好なポリエ
ステル系ポリウレタンとして、ポリカプロラクトンポリ
オールや1,6−ヘキサンジオールとネオペンチルグリ
コールおよびアジピン酸より得られるポリエステルポリ
オール等を使用したポリエステル系ポリウレタンが従来
知られているが、これらのポリエステル系ポリウレタン
もその耐加水分解性は未だ十分満足のゆくものではな
い。
【0006】また、ポリエステル系ポリウレタンで、そ
のポリエステル部分におけるエステル基濃度を小さくす
るとポリエステル系ポリウレタンの耐加水分解性を向上
させるのに効果があり、そのために炭素数の多いグリコ
ールやジカルボン酸から得られるポリエステルポリオー
ルを使用してポリウレタンを製造することが好ましい。
しかしながら、この場合にもポリウレタンの耐加水分解
性は向上するものの、結晶化傾向が大きく、低温雰囲気
に放置すると耐屈曲性や柔軟性等で代表される耐寒性・
低温特性が著しく低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は耐加水
分解性に優れると共に耐寒性にも優れ、その上良好な力
学的性能を有し、広範な用途に有効に使用することので
きるポリウレタンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的のもとに本発
明者らが研究をおこなった結果、ポリカルボン酸単位と
して2−メチルノナン二酸単位を有するポリエステルポ
リオールを使用すると、その結果得られる新規なポリエ
ステル系ポリウレタンが、耐加水分解性に極めて優れ、
しかも耐寒性が非常に良好であり、その上強度や伸度等
の力学的性能にも極めて優れていることを見出して本発
明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、ポリイソシアネー
ト、ポリオール、および必要に応じて鎖伸長剤および/
または他の成分を反応させてポリウレタンを製造する方
法において、上記ポリオールとして、下記の式(I);
【0010】
【化2】 で表されるジカルボン酸単位を主体とするポリカルボン
酸単位、および脂肪族または脂環族の低分子ジオール単
位を主体とする低分子ポリオール単位から主としてなる
数平均分子量500〜10000のポリエステルポリオ
ールを使用することを特徴とするポリウレタンの製造方
法である。
【0011】本発明において、「式(I)で表されるジ
カルボン酸単位を主体とするポリカルボン酸単位」と
は、ポリエステルポリオールを構成するポリカルボン酸
単位の少なくとも50モル%以上、好ましくは60〜1
00モル%が式(I)のジカルボン酸単位、すなわち2
−メチルノナン二酸単位からなっていることを意味す
る。式(I)のジカルボン酸単位の割合が50モル%よ
りも少ないと、得られるポリエステル系ポリウレタンの
耐加水分解性、耐寒性および力学的特性が低下する。こ
こで、式(I)のジカルボン酸単位を構成する2−メチ
ルノナン二酸は、例えば、2−メチル−1,9−ノナン
ジオールから公知の方法により製造することができる。
【0012】上記したように、ポリウレタンに用いるポ
リエステルポリオールは、50モル%以下であれば、他
のポリカルボン酸単位を含むことができるが、該他のポ
リカルボン酸単位としては、下記の式(II);
【0013】
【化3】 [式中、R1は炭素数2〜20の2価の飽和脂肪族炭化
水素基(ただし1−メチルヘプタメチレン基を除く)、
飽和脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す]
で示されるジカルボン酸単位が好ましい。そのようなジ
カルボン酸単位の具体例としては、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸の単位、シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の飽和脂環族ジカルボン酸の単位、フ
タル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカル
ボン酸の単位を挙げることができる。それらのうちで
も、耐加水分解性、低温特性および可撓性に優れるポリ
ウレタンを得るためには、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸の単位がこれら
の性能をあまり低下させない点から特に好ましい。式
(I)のジカルボン酸単位と共存させるポリカルボン酸
単位は1種類であってもまたは2種類以上であってもよ
い。また、少量であれば、必要に応じて3官能性以上の
ポリカルボン酸単位を含有させてもよい。
【0014】また、本発明において、「脂肪族または脂
環族の低分子ジオール単位を主体とする低分子ポリオー
ル単位」とは、ポリエステルポリオールを構成する低分
子ポリオール単位の少なくとも50モル%以上、好まし
くは70〜100モル%が脂肪族または脂環族の低分子
のジオール単位からなっていることを意味する。この低
分子ジオール単位の割合が50モル%よりも少ないと、
得られるポリエステル系ポリウレタンの耐加水分解性、
耐寒性および力学的特性が低下する。
【0015】脂肪族または脂環族の低分子ジオール単位
としては、下記の式(III);
【0016】
【化4】 (式中、R2は炭素数2〜20の2価の飽和脂肪族炭化
水素基または飽和脂環族炭化水素基を表す)で示される
低分子ジオール単位が好ましい。
【0017】式(III)で表されるジオール単位の例と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−
1,8−オクタンジオ−ル、1,9−ノナンジオール、
2−メチル−1,9−ノナンジオール、1,10−デカ
ンジオール等の飽和脂肪族低分子ジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の飽和脂
環族低分子ジオールからなる単位を挙げることができ
る。これらの低分子ジオール単位は単独であっても複数
種を併用してもよい。なお、必要に応じ、低分子ジオー
ル単位として、トリオール等の3官能性以上の低分子ポ
リオールからなる単位を更に少量有していてもよい。
【0018】本発明で使用する上記のポリエステルポリ
オールの製造法には特に制限がなく、公知のポリエステ
ル縮合手段が適用できる。例えば、2−メチルノナン二
酸またはそれを含有するジカルボン酸混合物と、脂肪族
または脂環族式の低分子ジオールを所望割合で仕込み、
エステル化またはエステル交換反応を行い、得られる反
応生成物を重縮合触媒の存在下に高温、真空下で更に重
縮合反応させることによりポリエステルポリオールを製
造することができる。
【0019】そして、本発明で使用する上記のポリエス
テルポリオールは500〜10000の数平均分子量を
有することが必要であり、数平均分子量が500よりも
小さいと得られるポリウレタンの低温特性が不良とな
り、一方10000よりも大きいとポリウレタンの力学
的性能が不良となる。ポリエステルポリオールの数平均
分子量が700〜6000であるのが好ましい。
【0020】また本発明では、ポリイソシアネートと反
応させるポリオールとして、式(I)のジカルボン酸単位
と脂肪族または脂環族の低分子ジオール単位を含む上記
したポリエステルポリオールの他に、少量(通常全ポリ
オール基準で40重量%以下)であれば、ポリエーテル
ポリオールやポリカーボネートポリオール等の他のポリ
オールを使用してもよい。
【0021】本発明ではポリイソシアネートとして、ポ
リウレタンの製造に従来使用されているポリイソシアネ
ートのいずれもが使用できる。ポリイソシアネートの例
としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシア
ネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,
3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、トルイレンジ
イソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、水添化キシリレンジイソシアネート等の脂肪族また
は脂環式ジイソシアネート等を挙げることができ、これ
らのポリイソシアネートは単独で用いても、または2種
以上を併用してもよい。また、必要に応じてトリイソシ
アネート等の3官能性以上のポリイソシアネートを使用
することができ、その場合には熱硬化性ポリウレタンが
形成される。
【0022】更に、本発明では必要に応じて鎖伸長剤を
使用することができる。鎖伸長剤としては2個以上の活
性水素原子を有する低分子化合物を使用するのがよく、
該低分子化合物の例としては、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキ
シエチル)テレフタレート、キシリレングリコール等の
ジオール類、水、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジア
ミン、ピペラジン、フェニレンジアミン、トリレンジア
ミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラ
ジド等を挙げることができる。これらの化合物は単独で
使用しても、または2種以上を併用してもよい。鎖伸長
剤の使用量は、特に限定されることなく、目的とするポ
リウレタンに付与すべき硬度等に応じて適宜選択するこ
とができるが、ポリエステルポリオール1モル当たり、
通常約10モル以下とするのがよく、特に約0.2〜6
モルの割合で使用するのがよい。
【0023】また、本発明では、ポリウレタンの製造に
おいて通常使用されている触媒、反応促進剤、発泡剤、
内部離型剤、充填剤、補強剤、染顔料、安定剤等の任意
の成分を必要に応じて使用することができる。
【0024】ポリウレタンの製造に当たっては、ポリエ
ステルポリオール、鎖伸長剤およびその他の成分が有し
ている活性水素原子の全量に基づいて、該活性水素原子
1当量当たり、イソシアネート基当量が約0.9〜1.
5、特に1程度になるようにしてポリイソシアネートを
使用するのがよい。ポリウレタンの製造法としては、公
知のウレタン化反応技術のいずれもが使用でき、プレポ
リマー法およびワンショット法のいずれもが使用でき
る。
【0025】本発明のポリウレタンの製造法の例を挙げ
ると、ポリエステルポリオールと活性水素原子を有す
る低分子化合物とを混合して40〜100℃に加熱した
後、これらの混合物における活性水素原子とイソシアネ
ート基のモル比が1:1〜1:1.5となる割合の量の
ポリイソシアネートを加えて短時間攪拌した後に例えば
50〜160℃に加熱してポリウレタンを製造する方
法、ポリエステルポリオール、活性水素原子含有低分
子化合物およびポリイソシアネートの混合物を高温(例
えば180〜260℃)で混練してポリウレタンを製造
する方法、多軸スクリュー型押出機等の押出機にポリ
エステルポリオール、活性水素原子含有低分子化合物お
よびポリイソシアネート等を連続的に供給して高温(例
えば180〜260℃)で連続溶融重合してポリウレタ
ンを製造する方法、ポリエステルポリオール、活性水
素原子含有低分子化合物およびポリイソシアネートによ
るポリウレタン形成反応を有機溶媒中で行う方法等があ
るが、勿論これらの方法に限定されない。
【0026】特に、上記の方法により行う場合は、有
機溶媒としてジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ト
ルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、イソプロパ
ノール、エチルセロソルブ等を使用することができる。
これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を併用して
もよい。有機溶媒中でポリウレタンの製造反応を行う場
合は、10〜40重量%の濃度範囲にして行うと高分子
量のポリウレタンを製造することができ好都合である。
【0027】使用するポリエステルポリオール、ポリイ
ソシアネート、鎖伸長剤の種類や分子量、それらの使用
割合等に応じて得られるポリウレタンの分子量や粘度が
異なってくるが、ポリウレタンを0.5g/dlのジメ
チルホルムアミド溶液として30℃で測定したときの対
数粘度が0.5〜2.0g/dlになるようにしてポリ
ウレタンの製造をするのが、得られるポリウレタンの力
学的性能や耐加水分解性などの点から好ましい。しかし
ながら、これに限定されるものではなく、種々の分子量
や粘度のポリウレタンを製造することができる。
【0028】本発明により製造されるポリウレタンは、
耐加水分解性および耐寒性に極めて優れていると共に、
強度や伸度等の力学的性能にも優れていることから、シ
ート、フイルム、ロール、ギア、ソリッドタイヤ、ベル
ト、ホース、チューブ、パッキング材、防振材、靴底、
スポーツ靴、機械部品、自動車部品、スポーツ用品、弾
性繊維、人工皮革、繊維処理剤、接着剤、コーキング
剤、バインダー、塗料などの広範な各種の用途に有効に
使用することができる。以下に本発明を実施例等により
具体的に説明するが、本発明はそれにより限定されな
い。
【0029】
【実施例】以下の実施例、比較例および参考例におい
て、ポリエステルポリオールの数平均分子量およびポリ
ウレタンの対数粘度の測定、並びにポリウレタンの力学
的性能(破断強度および破断伸度)、耐加水分解性およ
び耐寒性の評価は、下記の方法にしたがって行った。
【0030】数平均分子量の測定:ポリエステルジオー
ルの水酸基価により計算して求めた。対数粘度の測定 :ポリウレタンを濃度0.5g/dlに
なるようにジメチルホルムアミドに溶解し、その溶液の
30℃における対数粘度を測定した。
【0031】力学的性能の評価:JIS K7311に
規定された方法にしたがって評価した。すなわち、厚さ
100μmのポリウレタンフイルムをつくり、このフイ
ルムからダンベル状試験片を作製し、これを用いて引張
速度30cm/分で破断強度および破断伸度を測定し、
これらにより力学的性能を評価した。
【0032】耐加水分解性の評価:厚さ100μmのポ
リウレタンフイルムを形成させ、そのフイルムを70
℃、95%の相対湿度下に28日間放置し、その前後で
のフイルムの破断強度を測定し、該放置前の強度に対す
る放置後の強度保持率(%)を求めて評価を行った。
【0033】耐寒性の評価:厚さ100μmのポリウレ
タンフイルムを形成し、このフイルムから作製した試験
片の動的粘弾性を周波数11Hzで測定し、その動的損
失弾性率E”がピークとなる温度(Tα)を求め、それ
により耐寒性を評価した。
【0034】 《参考例 1》[ポリエステルポリオールの製造] 1,4−ブタンジオール1100gおよび2−メチルノ
ナン二酸1880gを反応器に仕込み、常圧下、210
℃で生成する水を系外に留去しながらエステル化反応を
行った。約250gの水が留出した時点でテトライソプ
ロピルチタネート120mgを加え、200〜100m
mHgに減圧しながら反応を続けた。酸価が1.0にな
った時点で真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応
を完結させた。その結果、水酸基価56.2、酸価0.
10および数平均分子量2000のポリエステルジオー
ル(ポリエステルポリオールA)を得た。
【0035】《参考例2〜6》下記の表1に示したジカ
ルボン酸および低分子ジオールを用いた以外は参考例1
と同様にしてエステル化反応および重縮合反応を行っ
て、各々対応するポリエステルジオール(ポリエステル
ポリオールB〜F)を得た。
【0036】なお、表1においてジカルボン酸および低
分子ジオールはそれぞれ次の略号により示した。 MNA:2−メチルノナン二酸 ADA:アジピン酸 SBA:セバシン酸 BD :1,4−ブタンジオール MPD:3−メチル−1,5−ペンタンジオール ND :1,9−ノナンジオール
【0037】
【表1】
【0038】《実施例1〜4および比較例1〜3》参考
例1〜6で得られたポリエステルポリオールA〜F、お
よびポリカプロラクトンジオール(ポリエステルポリオ
ールGとする:数平均分子量2000)の各々を用いて
下記の方法によりそれぞれのポリウレタンを製造した。
すなわち、ポリエステルポリオールA〜Gの各0.02
モル(40g)、1,4−ブタンジオール0.06モル
(5.4g)を三口フラスコにとって80℃に保ち、こ
れに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.
08モル(20g)を加えて30秒間攪拌した後、23
0℃に保ったラボプラストミルに移して5分間混合し
た。その後、80℃で12時間熟成してポリウレタンを
得た。各ポリウレタンの対数粘度を上記した方法により
測定した。上記で得たポリウレタンの各々を240℃で
熱プレスして厚さ100μmのフイルムを作製し、この
フイルムを用いて上記した方法により力学的性能、耐加
水分解性および耐寒性の評価を行った。その結果を下記
の表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】上記表2の結果から、式(I)で表される
ジカルボン酸単位(すなわち2−メチルノナン二酸単
位)から主としてなるポリカルボン酸単位と、脂肪族ま
たは脂環族の低分子ジオール単位とからなるポリエステ
ルポリオールA〜Dを使用している本発明の実施例1〜
4と、2−メチルノナン二酸単位を含まずアジピン酸単
位からなるポリカルボン酸単位を含むポリエステルポリ
オールEを使用している比較例1とを対比した場合に
は、得られるポリウレタンの耐寒性は実施例1〜4およ
び比較例1のポリウレタンにおいてほぼ同程度である
が、実施例1〜4で得られたポリウレタンは特に耐加水
分解性に優れ、しかも力学的性能も良好であることがわ
かる。
【0041】ポリカルボン酸単位としてセバシン酸単位
を含むポリエステルポリオールFを使用して得られた比
較例2のポリウレタンは、耐加水分解性は実施例1〜4
のポリウレタンとほぼ同程度であるものの、実施例1〜
4のポリウレタンに比べて、耐寒性および破断伸度が極
めて劣っていることがわかる。また、表2の結果から、
ポリエステルポリオールとしてポリカプロラクトンジオ
ールを用いている比較例3の場合には、得られるポリウ
レタンの力学的性能および耐寒性は実施例1〜4のポリ
ウレタンとほぼ同様であるが、耐加水分解性が著しく劣
っていることがわかる。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法による場合は、耐加水分解
性および耐寒性に優れると共に、強度や伸度等の力学的
性能にも優れた、各種性能のバランスのとれた良好な品
質のポリウレタンを得ることができ、このポリウレタン
は種々の広範な用途に有効に使用することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソシアネート、ポリオール、およ
    び必要に応じて鎖伸長剤および/または他の成分を反応
    させてポリウレタンを製造する方法において、上記ポリ
    オールとして、下記の式(I); 【化1】 で表されるジカルボン酸単位を主体とするポリカルボン
    酸単位、および脂肪族または脂環族の低分子ジオール単
    位を主体とする低分子ポリオール単位から主としてなる
    数平均分子量500〜10000のポリエステルポリオ
    ールを使用することを特徴とするポリウレタンの製造方
    法。
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