JP2573602B2

JP2573602B2 - 内視鏡

Info

Publication number: JP2573602B2
Application number: JP62108003A
Authority: JP
Inventors: 伸章安久井; 浩司神原; 芳夫田代; 鶴夫羽鳥; 国男大野; 正博川嶋
Original assignee: Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 1986-05-02
Filing date: 1987-05-01
Publication date: 1997-01-22
Anticipated expiration: 2012-01-22
Also published as: JPS63115532A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は挿入部の少なくとも一部を強制的に湾曲する
ようにした内視鏡に関する。

〔従来の技術〕

一般に、内視鏡の挿入部ではその先端の向きを変える
ために先端付近の途中に湾曲部を構成してなり、手元側
操作部での操作により押し引きする操作ワイヤを介して
その湾曲部を遠隔的に湾曲できるようになっている。

そして、この湾曲部はその長手方向に沿って配列した
多数の湾曲駒を互いに枢着して湾曲自在な芯材を構成
し、この芯材の外周に網管および外皮を順次被着してな
るものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来の内視鏡における湾曲部では
多数の湾曲駒を互いに枢着して連結してなる間接機構を
芯材とするため、その分どうしても太径化する。これを
細径化するには限界があり、一定以上細径化することは
困難であった。しかも、最近では種々の臓器に内視鏡を
使用する要請が高まってきている。

そこで、いわゆるマルチルーメンタイプ（蓮根状の孔
をもったもの）の樹脂製チューブを挿入部に用いる内視
鏡が提案されているが、この形式の挿入部を湾曲させる
場合には湾曲ぐせの付いたコイルをそのルーメン（チャ
ンネル）内に挿入することによって湾曲させていた。

しかし、この湾曲操作方式では湾曲する方向が手元側
ではっきりせず、湾曲方向の特定が困難であった。ま
た、湾曲する程度も定まりにくいため、確実な操作がで
きず、操作性が劣るという欠点があった。

一方、上記湾曲駒を使用して湾曲管部の芯材を構成し
た内視鏡においてもその湾曲管部内に操作ワイヤを通す
場合、この操作ワイヤは上記各湾曲駒に付設したガイド
リング等を利用して部分的に案内されるようになってい
る。このため、湾曲駒自体の構成が複雑になるととも
に、そのガイドリング等が部分的に突き出してイメージ
ガイドファイバ等の内蔵物を損傷させる可能性があり、
充分に細径化ができないという欠点があった。

本発明は上記各問題点に着目してなされたもので、そ
の目的とするところは挿入部を容易かつ確実に湾曲操作
できるとともにその挿入部の細径化を達成できる内視鏡
を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段および作用〕

上記問題点を解決するために本発明は挿入部内に、湾
曲操作用ワイヤを挿通してなる内視鏡において、上記挿
入部内に、湾曲操作用ワイヤを挿通案内するガイド用コ
イルを設け、このガイド用コイルは挿入部の湾曲させる
部位に対応した部分を疎巻きとし、上記コイルの疎巻き
部分のピッチを任意に変化させたものである。

そして、上記湾曲操作用ワイヤを手元側で押し引きす
ることにより上記挿入部の湾曲せる部位を湾曲させ得る
とともに、その湾曲する部分を所望の状態で湾曲するよ
うに設定できる。

〔実施例〕

第１図ないし第４図は本発明の第１の実施例を示すも
のである。

第２図は内視鏡１を示している。この内視鏡１は挿入
部２と操作部３からなり、操作部３には接眼部４、挿通
用口部５および湾曲レバー６が設けられている。また、
操作部３には図示しないライトガイド用ケーブルが連結
されている。挿入部２は手元の操作部３側から可撓部
７、湾曲部８および先端部９とに分けられる。

さらに、この挿入部２の本体は１本のいわゆるマルチ
ルーメンチューブ11によって構成されている。このマル
チルーメンチューブ11は蓮根状に複数のルーメン12…を
形成したタイプの樹脂製チューブであり、この実施例で
は５本のルーメン12…を形成してある。つまり、第３図
で示すように中心と上下左右に配置されている。そし
て、中心のルーメン12にはイメージガイドファイバ13が
挿入されており、このイメージガイドファイバ13の先端
は同じルーメン12の先端部分に設けた対物レンズ14に対
して光学的に連結されている。この対物レンズ14は円筒
状のレンズ枠15により固着されている。イメージガイド
ファイバ13の基端側は操作部２内を通じて接眼部４まで
延出してなり、その接眼光学系（図示しない。）に対し
光学的に連結されている。また、左側のルーメン12には
ライトガイドファイバ16が挿入されている。このライト
ガイドファイバ16の基端側にはライトガイド用ケーブル
にまで延出され、図示しない光源からの照明光を導くよ
うになっている。右側のルーメン12はそのまま開口され
るとともに、上記挿通用口部５に連通して処置具等の挿
通チャンネル17を形成している。

一方、上下の各ルーメン12,12にはそれぞれ第１図で
示すように湾曲用コイル18,18が挿入されている。この
湾曲用コイル18,18は挿入部２の可撓部７に対応する部
分では密巻きとしてあり、湾曲部８に対応する部分では
疎巻きになっている。また、各湾曲用コイル18,18の先
端はそれぞれ固形剤19,19により挿入部２の先端に固着
されている。しかも、上下の各ルーメン12,12の先端は
その固形剤19,19によって閉塞されている。また、湾曲
用コイル18,18の密巻き部20と疎巻き部21との境界部分
は湾曲部８の後端側壁部に形成した側孔22,22に流し込
んだ固形剤23,23により固着されている。湾曲用コイル1
8,18の基端は操作部３内において図示しない部材に固着
されている。

さらに、上記湾曲用コイル18,18にはそれぞれ操作ワ
イヤ24,24が挿通されている。この操作ワイヤ24,24の各
先端は第１図で示すように上記固形剤19,19により湾曲
用コイル18,18の先端にそれぞれ固着されている。ま
た、この操作ワイヤ24,24の基端側は操作部３に導か
れ、上記湾曲レバー６に連動する図示しない操作機構の
たとえばプーリに接続されている。そして、この操作機
構を上記湾曲レバー６により操作して操作ワイヤ24,24
を交互に押し引きするようになっている。

しかして、湾曲レバー６を操作することにより一方の
操作ワイヤ24が引かれ、他方の操作ワイヤ24は繰り出さ
れる。そして、第４図で示すように引かれた操作ワイヤ
24側では湾曲用コイル18の密巻き部20が密着して力が先
端側へ伝わり、疎巻き部21のピッチが縮まり湾曲部８を
湾曲する。つまり、操作ワイヤ24の引込み量に応じて確
実に湾曲部８を湾曲する。なお、このときその操作ワイ
ヤ24は湾曲用コイル18に挿通されているため、マルチル
ーメンチューブ11の内面に対して直接に触れないので、
その操作ワイヤ24でチューブ内面を削ることがない。

第５図は本発明の第２の実施例を示すものである。

この実施例において第１の実施例のものと異なる点は
湾曲用コイル18の疎巻き部21のピッチが一様ではなく、
先端側へ行くに従って密にしたことである。このように
すれば、操作ワイヤ24を引き込んだ場合、より可撓性の
高いピッチの密な部分から湾曲し始める。つまり、湾曲
部８を先端側から次第に湾曲する。したがって、このよ
うに先端側から湾曲させることにより体腔内の狭い部位
への挿入性がよく、また、安全に湾曲操作できる。

第６図は本発明の第３の実施例を示すものである。

この実施例は湾曲用コイル18の密巻き部20での素線を
太く、疎巻き部21での素線を細くした。したがって、湾
曲部８の湾曲が軽く、疎巻き部21の剛性が高く、操作ワ
イヤ24を引いたとき湾曲部８以外の部分が曲ることが少
なく操作性を向上できる。しかも、密巻き部20が完全に
密着していないときでも湾曲できる。また、その各素線
の断面形状を矩形状として隣接素線部分を密着させたと
きの横ずれを防止できるようにした。

なお、湾曲用コイル18の最先端において素線は密巻き
として確実に固着しやすくしてある。

また、湾曲用コイルの疎巻き部においてその素線径を
先端側へ行くに従って小さくしてもよい。このようにす
れば、操作ワイヤを引いたとき、可撓性のより高い部
分、つまり、先端側から湾曲し始める。

なお、上記各実施例ではそれぞれに湾曲用コイル、操
作ワイヤを設けて上下いずれの方向へも湾曲できる方式
であったが、１組の湾曲用コイル、操作ワイヤを設けて
一方向のみに湾曲させるものであってもよい。

第７図は本発明の第４の実施例を示すものである。

この実施例の内視鏡１はその挿入部２の湾曲部８に湾
曲用芯材として多数の湾曲駒30を用いたものである。す
なわち、各湾曲駒30は挿入部２の長手方向に沿って一列
に並べてない、隣接する湾曲駒30を軸ピン31により互い
に枢着して回動自在としたものである。この各湾曲駒30
からなる湾曲用芯材の外周はブレード32および外皮33に
より被覆されている。また、最先端の湾曲駒30には挿入
部２の先端部９が連結されている。最後端の湾曲駒30に
は挿入部２の可撓管７が接続管34を介して連結されてい
る。

さらに、上記挿入部２内には上下一対の湾曲操作用の
操作ワイヤ35,36が挿通されている。この各操作ワイヤ3
5,36は第７図で示すように挿入部２の内腔における上下
に片寄って配置され、この各先端は最先端の湾曲駒30の
内面に設けてある取付け具37,38に対して取着されてい
る。また、各操作ワイヤ35,36の後端側は内視鏡１の操
作部３内に導びかれて図示しない湾曲操作機構に連結さ
れている。そして、この湾曲操作機構を湾曲レバ６で操
作することにより各操作ワイヤ35,36を押し引きして挿
入部２の湾曲部８を上下方向に湾曲するようになってい
る。

また、上記各操作ワイヤ35,36はそれぞれコイル41,42
に挿通して案内されている。この各コイル41,42は挿入
部２の可撓管７に対応する部分は密着巻きコイル部43と
して形成し、挿入部２の湾曲部８に対応する部分は疎巻
きコイル部44として形成してある。密着巻きコイル部43
の先端はそれぞれ上記接続管34の内面にろう付け固定さ
れている。

さらに、疎巻きコイル部44の巻きピッチは等しくな
く、基端側から先端側へ行くに従って順次小さく（密巻
き）なるようになっている。

しかして、上記構成によれば各コイル41,42は挿入部
２の可撓管７において密巻きコイル部43として形成して
あるから、操作ワイヤ35,36を押し引きする際の圧縮力
を受け、可撓管７自体にその圧縮力を与えない。したが
って、操作ワイヤ35,36の押引き操作量が正確に伝わ
る。また、可撓管７を不必要に曲げたりしない。

一方、各コイル41,42は挿入部２の湾曲部８に対応し
た部分を疎巻きコイル部44として形成してあるから、湾
曲部８の湾曲作用を損わない。さらに、その疎巻きコイ
ル部44のピッチは先端側を順次小さく密巻きとしたか
ら、先端側が湾曲しやすくなる。したがって、湾曲部８
が湾曲する場合、ピッチの密な先端側から湾曲し始め
る。

このように湾曲部８は先端から曲がり始めるので、体
腔内での小まわりのよい湾曲状態が得られ、観察性能が
向上する。

第８図は本発明の第５の実施例を示すものである。

この実施例は上記第４の実施例でのコイル41,42の疎
巻きコイル部44の変形例で、巻きピッチを連続的に変え
ることなく、段階的に変えるようにしたものである。す
なわち、疎巻きコイル部44を複数の部分44a,44b,44c,14
d,…に分け、各部分44a,44b,44c,…におけるピッチは等
しいが、先端側に行くに従い、その各部分44a,44b,44c,
…のピッチを小さくしたものである。

この形式のものでも上記第４の実施例と同様の作用効
果が得られる。また、このように各部分44a,44b,44c,…
に分ければ数ピッチ分ずつ引っ張って作れるので、製作
が容易になる。

第９図は本発明の第６の実施例を示すものである。

この実施例は上記第４の実施例におけるコイル41,42
の密着巻きコイル部43と疎巻きコイル部44を別体とした
もので、疎巻きコイル部44は湾曲駒30に対し少なくとも
最後端の湾曲駒30に対してはんだや接着剤等50により固
着されている。この実施例によれば、コイル41,42にお
ける密着巻きコイル部43と疎巻きコイル部44とを別々に
作れるので、製作が容易である。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は挿入部内に、湾曲操作用
ワイヤを挿通案内するガイド用コイルを設け、このガイ
ド用コイルは挿入部の湾曲させる部位に対応した部分を
疎巻きとし、上記コイルの疎巻き部分のピッチを任意に
変化させて設定したものであるから、上記湾曲操作用ワ
イヤを手元側で押し引きすることにより上記挿入部の湾
曲せる部位を湾曲させ得るとともに、その湾曲する部分
を所望の状態で湾曲するように設定できる。また、その
挿入部の湾曲部を容易かつ確実に湾曲させることができ
る。

また、操作ワイヤはコイル内に挿通されるので、挿入
部内面を削ったり内蔵物との干渉を防止したりすること
がなく、耐久性を向上できるとともに、挿入部の細径化
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の実施例の挿入部先端付近の側断面図、第
２図は同じくその内視鏡全体の側面図、第３図は同じく
挿入部先端の斜視図、第４図は同じくその湾曲動作部分
の断面図、第５図は第２の実施例の挿入部先端付近の側
断面図、第６図は第３の実施例の挿入部先端付近の側断
面図、第７図は第４の実施例の挿入部の側断面図、第８
図は第５の実施例のコイルの側断面図、第９図は第６の
実施例の挿入部の側断面図である。１……内視鏡、２……挿入部、７……可撓部、８……湾
曲部、９……先端部、11……マルチルーメンチューブ、
12……ルーメン、18……湾曲用コイル、20……密巻き
部、21……疎巻き部、24……操作ワイヤ、30……湾曲
駒、35,36……操作ワイヤ、41,42……コイル、43……密
着巻きコイル部、44……疎巻きコイル部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者羽鳥鶴夫東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者大野国男東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者川嶋正博東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献特開昭55−8709（ＪＰ，Ａ) 特開昭58−103431（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】挿入部内に、湾曲操作用ワイヤを挿通して
なる内視鏡において、上記挿入部内に、湾曲操作用ワイ
ヤを挿通案内するガイド用コイルを設け、このガイド用
コイルは挿入部の湾曲させる部位に対応した部分を疎巻
きとし、上記コイルの疎巻き部分のピッチを任意に変化
させたことを特徴とする内視鏡。