JPS644446B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、彎曲管操作ワイヤを挿通するパイ
プ状コイルを多条巻コイルで形成し、彎曲管操作
時に可撓管が彎曲しないように構成したパイプ状
多条巻コイルを備えた内視鏡用可撓管に関する。

一般に、医療用等に用いられる内視鏡は、第１
図に示すように、操作部本体２と、体腔内に挿入
される可撓性の長尺の体腔内挿入部３とから構成
されており、この内視鏡１の上記操作部本体２に
は、接眼部４、彎曲用操作ノブ５、鉗子等の処置
具挿入口６、処置具起上用操作ノブ７、送気送水
ボタン８、吸引ボタン９等が配設されており、更
に、光源装置に接続されるライトガイドコード１
０が連結されている。また、上記体腔内挿入部３
は、操作部本体２に連設された屈曲自在な長尺の
可撓管１１と、この可撓管１１に連設されてい
て、操作部本体２の彎曲用操作ノブ５の操作によ
つて先端構成部１３を任意の向きに変位させるた
めの彎曲管１２と、この彎曲管１２に連設されて
おり、照明窓、観察窓、処置具出入口、送気送水
口等が設けられている先端構成部１３とから構成
されている。そして、この体腔内挿入部３の可撓
管１１内と彎曲管１２内には、イメージガイドフ
アイバ等の伝達用部材、処置具挿通管、送気送水
チユーブ及び処置具起上装置等の操作部材等、多
くの内蔵部材が挿通されており、これらの各内蔵
部材の各先端部は先端構成部１３内に固定されて
いる。

このように構成されている内視鏡１は、彎曲用
操作ノブ５により、先端構成部１３を任意の向き
に変位させる彎曲管１２を彎曲させ、体腔内の所
望の患部の観察、撮影、処置などを行うものであ
るが、この際、上下左右方向に彎曲・変位するの
は、彎曲管１２より先端にかけての部分であり、
彎曲用操作ノブ５を操作し、第２図に示されてい
るアングルワイヤと呼ばれる彎曲管操作ワイヤ１
４を、矢印方向に牽引することによつて、彎曲管
１２を彎曲させて、先端部１３を変位させるもの
である。しかして、この彎曲管操作時には、アン
グルワイヤ１４の牽引により、可撓管１１が同時
に彎曲しないように、アングルワイヤ１４にかか
る牽引力の方向とは反対方向に力を加え、可撓管
１１を支えておく必面がある。従来、かかる可撓
管１１の支持手段としては、第２図に示すよう
に、パイプ状に形成されたコイル１５が用いられ
ており、このコイル１５は、可撓管１１内に配置
され、その内部にはアングルワイヤ１４が挿通さ
れており、そして、可撓管に対して、そのばね力
により、常の操作部本体２から先端構成部１３へ
向う方向の力をかけている。しかして、アングル
ワイヤ１４を牽引して彎曲管１２を大きな角度で
彎曲させようとする場合には、可撓管１１を支え
るコイル１５は、それに応じた同きなばね支持力
を必要とされるものであり、この可撓管１１を支
えるコイルのばね力が弱いと、可撓管１１が彎曲
してしまい、彎曲管１２を大きな角度で彎曲させ
ようとしても、所定の角度に彎曲させることがで
きず、所望の変位も得られなくなる。

このような可撓管１１を支えるパイプ状のコイ
ルとしては、従来は、第３図に示すような１条巻
コイル１６が用いられていた。しかしながら、１
条巻コイルは、コイルの腰が弱く使用を続ける
と、経時変化によりコイルが密着して、力のかか
る向きにコイルの長さが縮小するため、ばね効果
が著しく減少する。その結果、可撓管１１を彎曲
しないように支える力が減少し、彎曲管１２を彎
曲させるべく操作しても、可撓管１１が彎曲して
しまい、彎曲管１２を所望角度に彎曲させること
ができず、したがつて、先端構成部１３を所望の
患部へ変位させることができなくなるという欠点
があつた。

本願発明は、かかる欠点を改善するためになさ
れたもので、パイプ状コイルを形成するコイルと
して、多条巻コイルを用い、可撓管１１を支える
ばね力を大にして、可撓管１１の剛性を増大なら
しめる如く構成した多条巻コイルを備えた内視鏡
用可撓管を提供することを目的としている。

次に、本願発明の実施例について説明する。第
４図は、５条巻コイルで形成したパイプ状コイル
１７を示すもので、このような多条巻コイルは、
第５図に示すように、堅い芯金１８を、張力をつ
けて真直ぐに張り、これにコイル素線１９を数本
づつ（この実施例では５本づつ）密着させて同時
に巻き付けて製造されるものである。

このようにして形成した、例えば５条巻のよう
な多条巻コイルを、可撓管１１内に配置して使用
した場合は、多条巻コイルを形成している各素線
は密着してばね作用を行うため、この多条巻コイ
ルにアングルワイヤ１４の操作により圧縮力が加
えられても、経時的にコイルの長さを縮小する割
合は、１条巻コイルと比べて極めて小さくなる。
したがつて、彎曲管１２を彎曲させる際の、可撓
管１１を支えるためのばね力は、１条巻コイルに
比べて大きくなり、それにともない、可撓管１１
の剛性を増大させることができる。なお、第４図
に示した実施例では、パイプ状コイルを５条巻と
したが、２条巻ないし５条巻程度のものが実用上
好ましい。

以上、実施例により詳細に説明したように、本
願発明によれば、アングルワイヤを内部に挿通す
る如く構成したパイプ状コイルを、多条巻コイル
で形成したので、従来の１条巻コイルで形成した
ものに比べて、ばね効力の経時的変化が少く、且
つ、腰が強く、したがつて、この多条巻コイルを
備えた可撓管の剛性は、１条巻コイルを用いたも
のより大となり、その結果、彎曲管を所望の角度
に彎曲させて、先端構成部を正確に変位させるこ
とができ、内視鏡の性能を向上させることができ
るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、一般の内視鏡の一部省略した外観
図、第２図は、同じく一般の内視鏡のアングルワ
イヤ及びパイプ状コイルの可撓管への挿入部分を
示す斜視図、第３図は、従来の１条巻コイルの側
面図、第４図は、本願発明に係る多条巻コイルの
側面図、第５図は、本願発明による多条巻コイル
の製法を示す説明図である。 図中、１は内視鏡、２は操作部本体、３は体腔
内挿入部、５は彎曲用操作ノブ、１１は可撓管、
１２は彎曲管、１３は先端構成部、１４はアング
ルワイヤ、１５はコイル、１６は１条巻コイル、
１７は５条巻コイル、１８は芯金、１９はコイル
素線である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端に操作部本体を、他端に彎曲管を備え、
   内部には彎曲管操作ワイヤ挿通用のパイプ状コイ
   ルを装着した内視鏡用可撓管において、前記パイ
   プ状コイルを多条巻コイルで構成し、可撓管の剛
   性を増大せしめたことを特徴とする多条巻コイル
   を備えた内視鏡用可撓管。