JP2571568B2 - フロントサスペンションメンバの取付部構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車のフロントサスペンシヨンメンバの取
付部構造に関する。

従来の技術 第５〜７図は従来の構造を示すもので、１はフードレ
ツジパネル２の下側に接合したクロージングプレート
で、そのエンジンルーム側の側面にはフロントサイドメ
ンバ３を接合して、該フロントサイドメンバ３とで閉断
面を形成している。このフロントサイドメンバ３内の所
要部位には一対のカラー４を上下方向に配設してある。
カラー４は略Ｕ字状に曲折成形してあつて、フランジ部
５をクロージングプレート１にスポツト溶接により接合
して、フロントサイドメンバ３の上，下壁3a,3bの内側
面に突合わせてある。そして、フロントサスペンシヨン
メンバ６を、その側端部をフロントサイドメンバ３の下
壁3b面にあてがつて、前記カラー４にボルト７を通して
前記上，下壁3a,3b間に跨つてナツト８締結して取付け
てある。また、本例ではスプリング別置きストラツトタ
イプのフロントサスペンシヨン仕様車を示しており、前
記クロージングプレート１の側面にスプリングマウント
ブラケツト９を接合して、このスプリングマウントブラ
ケツト９と図外のサスペンシヨンロアアームとの間にコ
イルスプリング10を弾装するようにしてある。この類似
構造は、例えば実開昭54−22719号公報に示されてい
る。

発明が解決しようとする問題点 カラー４をクロージングプレート１に接合して、この
カラー４を通してフロントサイドメンバ３の上，下壁3
a,3bに跨つてフロントサスペンシヨンメンバ６をボルト
・ナツト7,8結合してあつても、フロントサスペンシヨ
ンメンバ６からフロントサイドメンバ３に過大なサスペ
ンシヨン入力が作用すると、該フロントサイドメンバ３
の隅角度が角度変化して閉断面の変形が生じ易い傾向に
あつて、強度的および防音・防振対策上不利となつてし
まう。特に、クロージングプレート１の側面にスプリン
グマウントブラケツト９を接合して、コイルスプリング
10からのサスペンシヨン入力も作用するものにあつて
は、クロージングプレート１がサスペンシヨン入力によ
つて内側に倒れ変形する傾向となつて、前述の不具合が
更に助長されてしまう。そこで、本発明は簡単な構成に
よりフロントサイドメンバの隅角部の角度変化を抑えて
取付強度を高めることができると共に、防音・防振対策
を徹底することができるフロントサスペンシヨンメンバ
の取付部構造を提供するものである。

問題点を解決するための手段 クロージングプレートに接合されて閉断面を形成した
フロントサイドメンバ内に一対のカラーを上下方向に配
設し、このフロントサイドメンバの上下壁と前記カラー
のそれぞれにボルトを挿通してフロントサスペンション
メンバを締結する一方、前記クロージングプレートの外
面にスプリングマウントブラケットを接合してなる構造
において、前記一対のカラーを、断面略Ｕ字型の本体部
と、該本体部の両端から延出するフランジ部とでそれぞ
れ構成するとともに、該フランジ部をステイフナーで連
結して前記一対のカラーを一体に構成し、このステイフ
ナーを前記スプリングマウントブラケットの接合位置に
おいてフロントサイドメンバの側壁とクロージングプレ
ートとに跨って接合し、前記フランジ部をフロントサイ
ドメンバの側壁またはクロージングプレートに接合して
ある。

作用 ステイフナーがフロントサイドメンバの側壁とクロー
ジングプレートとの間で突張り材として機能し、サスペ
ンシヨン入力に対抗する。

実施例 以下、本発明の実施例を図面と共に前記従来の構成と
同一部分に同一符号を付して詳細する。

第１〜３図において、フードレツジパネル２下側のク
ロージングプレート１に接合して閉断面を形成したフロ
ントサイドメンバ３内に一対の略Ｕ字状のカラー４を上
下方向に配設し、このフロントサイドメンバ３の下壁に
フロントサスペンシヨンメンバ６をあてがつて、前記カ
ラー４にボルト７を挿通してフロントサイドメンバ３の
上，下壁3a,3b間に跨つてナツト８締め固定する基本的
構造は前記従来と同様である。ここで、前記一対のカラ
ー4,4は、断面略Ｕ字型の本体部4aと、該本体部4aの両
端から延出するフランジ部5,5とからなり、該フランジ
部5,5をステイフナー11で連結してカラー4,4を一体に構
成してある。本実施例ではステイフナー11を境にカラー
4,4を、各一方のフランジ部5,5に連続して互いに逆向き
に一体成形して、これらフランジ部5,5をステイフナー1
1の接合用のフランジ部として共用している。そして、
これらカラー4,4は、一方をクロージングプレート１
に、他方をフロントサイドメンバ３の側壁3cにそれぞれ
のフランジ部５をスポツト溶接により接合し、前記ステ
イフナー11をクロージングプレート１とフロントサイド
メンバ３の側壁3cとに跨つて接合してある。また、クロ
ージングプレート１の側面に接合されて、図外のロアア
ームとの間でコイルスプリング10を弾装，支持するスプ
リングマウントブラケツト９の上壁と、フードレツジパ
ネル２とに跨つて、ブレース12を斜状に接合してある。

以上の実施例構造によれば、一対のカラー4,4と一体
に形成したステイフナー11が、クロージングプレート１
とフロントサイドメンバ３の側壁3cとの間に跨つて接合
してあつて、このステイフナー11がクロージングプレー
ト１とフロントサイドメンバ３の側壁3cとの間で突張り
材として機能するため、フロントサスペンシヨンメンバ
６からのサスペンシヨン入力に十分に対抗することがで
きて、フロントサイドメンバ３の隅角部の角度変化乃至
閉断面の変形を抑制することができる。また、コイルス
プリング10からスプリングマウントブラケツト９に作用
するサスペンシヨン入力も、ブレース12を経由してフー
ドレツジパネル２（ストラツトタワー部分に相当する）
に分散することができるので、より一層閉断面の変形を
抑えることができるのである。

前記実施例ではステイフナー11を境に一対のカラー4,
4を逆向きに一体に連設しているが、第４図に示すよう
にステイフナー11Aを断面コ字状にして、一対のカラー
4,4を該ステイフナー11Aの両側に同じ向きに一体に連設
し、カラー4,4をクロージングプレート１に、ステイフ
ナー11Aの頂部をフロントサイドメンバ３の側壁3cにそ
れぞれ接合するようにしてもよい。

発明の効果 以上のように本発明によれば、一対のカラーと一体に
形成したステイフナーが、クロージングプレートとフロ
ントサイドメンバの側壁とに跨って接合されて、これら
両者間で突張り材として機能するため、フロントサスペ
ンションメンバからの過大な入力があっても、フロント
サイドメンバの隅角部の角度変化乃至フロントサイドメ
ンバ，クロージングプレート間の閉断面の変形を抑える
ことができばかりでなく、ステイフナーとスプリングマ
ウントブラケットのクロージングプレートに対する接合
位置を一致させてあるため、スプリングマウントブラケ
ットにかかる押し上げ荷重をステイフナーで受け止め
て、フロントサイドメンバ，クロージングプレート間の
閉断面が下方に倒れ変形するのを抑えることができ、以
て、フロントサスペンションメンバの取付強度を一段と
高められると共に、防音・防振対策を徹底することがで
きるという実用上多大な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す要部の斜視図、第２
図，第３図は第１図のII−II線,III−III線に沿う断面
図、第４図は本発明の異なる例を示す第２図と同様の断
面図、第５図は従来の構造の要部を示す斜視図、第６
図，第７図は第５図のVI−VI線,VII−VII線に沿う断面
図である。 １……クロージングプレート、２……フードレツジパネ
ル、３……フロントサイドメンバ、3a……上壁、3b……
下壁、3c……側壁、４……カラー、６……フロントサス
ペンシヨンメンバ、７……ボルト、11,11A……ステイフ
ナー。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】クロージングプレートに接合されて閉断面
   を形成したフロントサイドメンバ内に一対のカラーを上
   下方向に配設し、このフロントサイドメンバの上下壁と
   前記カラーのそれぞれにボルトを挿通してフロントサス
   ペンションメンバを締結する一方、前記クロージングプ
   レートの外面にスプリングマウントブラケットを接合し
   てなる構造において、前記一対のカラーを、断面略Ｕ字
   型の本体部と、該本体部の両端から延出するフランジ部
   とでそれぞれ構成するとともに、該フランジ部をステイ
   フナーで連結して前記一対のカラーを一体に構成し、こ
   のステイフナーを前記スプリングマウントブラケットの
   接合位置においてフロントサイドメンバの側壁とクロー
   ジングプレートとに跨って接合し、前記フランジ部をフ
   ロントサイドメンバの側壁またはクロージングプレート
   に接合したことを特徴とするフロントサスペンションメ
   ンバの取付部構造。