JP2562448Y2 - 往復葉書 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、往復葉書に関し、特
に、往信時には暗証番号、アンケート内容、抽選番号等
の隠蔽すべき情報（以下隠蔽情報という）を被覆隠蔽し
た状態で伝達でき、また、返信時にはあらかじめ印字し
た返信用宛名情報を露出させるとともに前記隠蔽情報表
示部分は切り取った状態で使用する往復葉書に関する。
なお、本明細書において隠蔽情報とは、必ずしも秘匿性
を有するものに限定されない。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的な往復葉書の構成は、往信
用葉書と返信用葉書とを切り取り部を介して連接したも
のであり、各葉書に表示する情報は常に視認可能な状態
にある。また、往信時には二枚の葉書を折り重ねた状態
で使用され、返信時には往信用葉書が切り取られて、返
信用葉書のみとなって使用される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このため、従来の往復
葉書にあっては、情報を隠蔽状態で伝達することは不可
能であり、また、往信時の二つ折り状態の葉書は取り扱
い難いという不都合があった。本考案はこのような不都
合を解消した往復葉書を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために本考案の往復葉書は、返信用宛名片と往信用情報
表示片とを切り取り部を介して連接してなる下位シート
の表面側に、往信用宛名片と隠蔽片とを切り取り部を介
して連接してなる上位シートの裏面側を、前記各宛名片
同士及び前記往信用情報表示片と前記隠蔽片とがそれぞ
れ対応するように重ね合わせ、この重ね合わせ面の前記
各切り取り部に挟まれた部分は剥離不能に、他の部分は
剥離可能に、それぞれ接着する一方、前記返信用宛名片
の重ね合わせ面には返信用宛名情報を表示し、前記往信
用宛名片の表出面には往信用宛名情報を表示するととも
に、前記往信用情報表示片の重ね合わせ面あるいは前記
往信用宛名片の重ね合わせ面の少なくとも一方に隠蔽す
べき情報を表示し、他の重ね合わせ面及び他の表出面の
所定面には案内文や説明文等の適宜な伝達情報を表示し
たものである。

【０００５】より具体的には、例えば、表面に返信用宛
名情報を表示した返信用宛名片と、同じく表面に隠蔽す
べき情報を表示した往信用情報表示片とを、切り取り部
を介して連接するとともに、所定面には案内文や説明文
等の適宜な伝達情報を必要に応じて表示し、前記返信用
宛名片の表面側の切り取り部に沿った部分には、通常で
は接着せず所定の圧を加えると接着可能となり接着後は
剥離不能な感圧性接着剤を塗布する一方、前記両片の表
面側の残りの部分には、通常では接着せず所定の圧を加
えると接着可能となり接着後に剥離可能な感圧性接着剤
を塗布してなる通常の葉書と同一大の下位シートの表面
側に、表面に往信用宛名情報を表示した往信用宛名片
と、前記往信用情報表示片に表示した隠蔽情報を被覆隠
蔽するための隠蔽片とを、切り取り部を介して連接する
とともに、所定面には案内文や説明文等の適宜な伝達情
報を必要に応じて表示し、前記隠蔽片の裏面側の切り取
り部に沿った部分には通常では接着せず所定の圧を加え
ると接着可能となり接着後は剥離不能な感圧性接着剤を
塗布する一方、前記両片の裏面側の残りの部分には、通
常では接着せず所定の圧を加えると接着可能となり接着
後に剥離可能な感圧性接着剤を塗布してなる前記下位シ
ートと同一大の上位シートの裏面側を重ね合わせ、前記
各感圧性接着剤により、前記下位シートの表面側に前記
上位シートの裏面側を、前記各切り取り部に沿った感圧
性接着剤塗布部分は剥離不能に、他の部分は剥離可能
に、それぞれ接着したものである。

【０００６】

【作用】往信時には、通常の葉書と同一大の下位シート
と上位シートとが重なって中央部分は剥離不能に、他の
部分は剥離可能に接着された状態にあり、往信用情報表
示片に表示された隠蔽情報は隠蔽片によって被覆隠蔽さ
れた状態で伝達される。一方、返信時には、各切り取り
部から往信用宛名片と、往信用情報表示片とを切り取っ
て剥離し、返信用宛名片の返信用宛名情報を露出すると
ともに、この返信用宛名片に隠蔽片が剥離可能な感圧性
接着剤によって接着された状態で使用される。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の好適な実施例を添付図面に基
づき詳細に説明する。ここにおいて、図１は往復葉書の
往信時の状態を示す概略的な断面図、図２は往復葉書を
作成するための葉書用シートの表面側を示す平面図、図
３はその裏面側を示す平面図、図４は往復葉書の返信時
の状態を示す概略的な断面図、図５はその表面側を示す
平面図、図６はその裏面側を示す平面図である。

【０００８】はじめに、説明の便宜上、図２及び図３に
基づいて、往復葉書を作成するための葉書用シートにつ
いて説明する。葉書用シート１は、通常の葉書と同一大
の下位シート２と上位シート３がスリッタマーク１３を
境として一体的に連接されてなり、その両側にはそれぞ
れスリッタマーク１４ａ，１４ｂを境として等間隔に多
数の移送孔１５ａ，１５ｂが透設されたマージナル部１
６ａ，１６ｂが設けられている。前記葉書用シート１
は、図示してはいないが、図２及び図３に示す前記マー
ジナル部１６ａ，１６ｂの伸びる方向に折り兼切り用ミ
シン目を介して単位片が多数連接された連続状態にあ
る。

【０００９】下位シート２は切り用ミシン目１２を介し
て連接された返信用宛名片８と往信用情報表示片１１と
からなる。前記返信用宛名片８の表面には返信用宛名情
報６があらかじめ印刷され、また、その裏面には適宜な
案内文７があらかじめ印刷されている。前記往信用情報
表示片１１の表面には隠蔽情報記入欄９があらかじめ印
刷され、ここには適宜な隠蔽情報１７が印字されるもの
であり、また、その裏面には隠蔽する必要のない案内文
１０と、前記切り用ミシン目１２に向けた矢印とともに
「ミシン目からこの紙片を切り取って剥して下さい」と
の説明文２４があらかじめ印刷されている。一方、上位
シート３は切り用ミシン目１８を介して連接された往信
用宛名片１９と前記往信用情報表示片１１に表示される
隠蔽情報１７を被覆隠蔽するための隠蔽片２０とからな
る。前記往信用宛名片１９の表面には往信用宛名情報２
１が印字されるもので、あらかじめ前記切り用ミシン目
１８に向けた矢印とともに「ミシン目からこの宛名部分
を切り取って剥して下さい」との説明文２２が印刷さ
れ、また、その裏面にはあらかじめ適宜な案内文２３が
印刷されている。前記隠蔽片２０は返信用情報表示片と
して機能するもので、表面には適宜な案内文２５があら
かじめ印刷される一方、裏面には返信用情報を記載する
ために何らの情報も表示されていない。

【００１０】図２及び図３に示すように、返信用宛名片
８における表面側の切り用ミシン目１２に沿った部分
と、隠蔽片２０における裏面側の切り用ミシン目１８に
沿った部分とには、通常では接着せず所定の圧を加える
と接着可能となり接着後に剥離不能な感圧性接着剤５が
塗布されている。また、図２及び図３では明らかではな
いが、葉書用シート１の各マージナル部１６ａ，１６ｂ
を除いた部分の表裏面には、図１で理解できるように、
通常では接着せず所定の圧を加えると接着可能となり接
着後は剥離可能で、印字及び印刷が可能な感圧性接着剤
４が塗布されている。前記感圧性接着剤５は、公知の一
般的な感圧性接着剤を使用すればよく、また、前記感圧
性接着剤４は、例えば天然ゴム１００重量部に対し、ス
チレン２重量部とメタクリル酸１０重量部とをグラフト
共重合させて得られた天然ゴムラテックスに、テルペン
樹脂系粘着付与剤５重量部に対し、平均粒系５μｍのシ
リカゲル２０重量部を添加したものを加えてなるものが
好適である。

【００１１】続いて、上述した葉書用シート１を用いて
作成する往復葉書の構成を、その作成手順とともに説明
する。あらかじめ感圧性接着剤４，５が塗布されたう
え、所定事項が印刷された連続状態にある葉書シート１
を、その移送孔１５ａ，１５ｂに図示していないトラク
タ装置のピンを係合して所定方向に移送しながら、同じ
く図示していないコンピュータの出力装置であるプリン
タによって、その表面側の往信用宛名片１９の所定位置
には往信用宛名情報２１を印字するとともに、往信用情
報表示片１１の隠蔽情報記入欄９には前記往信用宛名情
報２１の宛名人に対応する適宜な隠蔽情報１７を印字す
る。続いて、図示していないスリッタでスリッタマーク
１３位置で上位シート３と下位シート２に切断したう
え、下位シート２の表面側に上位シート３の裏面側を重
ね合わせ、図示していない上下一対の圧着ローラで挟ん
で所定の圧力を加え、感圧性接着剤４塗布部分は剥離可
能に、感圧性接着剤５塗布部分は剥離不能に、それぞれ
接着する。次いで、各マージナル部１６ａ，１６ｂを図
示していないマージナルスリッタにより各スリッタマー
ク１４ａ，１４ｂ位置で切断除去し、図示していない適
宜な切断装置により単位片毎に切断すると、図１に示す
往復葉書３０となる。

【００１２】この往復葉書３０は、下位シート２と上位
シート３とが各切り用ミシン目１２，１８で挟まれた部
分は感圧性接着剤５で剥離不能に、他の部分は感圧性接
着剤４で剥離可能に接着されることにより、往信用情報
表示片１１に印字された隠蔽情報１７は隠蔽片２０で被
覆隠蔽され、返信用宛名片８に表示された返信用宛名情
報６は往信用宛名片１９で被覆隠蔽されたものとなる。
そして、表面側には、前記往信用宛名片１９表面に印字
した往信用宛名情報２１と前記隠蔽片２０の表面に印刷
した案内文２５が表面側に表出する一方、裏面側には、
返信用宛名片８と往信用情報表示片１１の裏面に印刷し
た各案内文７，１０がそれぞれ表出する。

【００１３】この往復葉書３０を受け取った宛先人は、
往信用宛名片１９に印刷された説明文２２にしたがい前
記往信用宛名片１９を切り用ミシン目１８から切り取っ
て剥離する一方、往信用情報表示片１１に印刷された説
明文２４にしたがい、前記往信用情報表示片１１を切り
用ミシン目１２から切り取って剥離する。すると、図４
〜図６に示す状態となり、返信用宛名片８の返信用宛名
情報６が露出し、隠蔽片２０の白紙状態にある裏面側が
露出した返信用葉書３１となる一方、剥離した往信用情
報表示片１１に印字されていた隠蔽情報１７を視認する
ことができる。したがって、前記隠蔽情報１７に関連し
た回答を前記隠蔽片２０の裏面側に記入したうえ、返信
用葉書３１を投函することができる。

【００１４】なお、本考案は上述した実施例に限定され
るものではなく、例えば、感圧性接着剤４は、上位シー
ト３と下位シート２の重ね合わせ面にのみ塗布しておけ
ば足り、前記上位シート３の表面と前記下位シート２の
裏面には必ずしも塗布しておく必要はない。また、隠蔽
情報７を往信用宛名片１９の裏面側に印字してもよい。
さらに、往復葉書３０を作成するための葉書用シート１
は連続状態ではなく当初から単位片状態にあってもよ
く、また上位シート３と下位シート２は切り重ねるほ
か、折り重ねるものでもよい。

【００１５】

【考案の効果】以上説明したところで明らかなように、
本考案によれば、往信時に封書と同様に所定の情報を隠
蔽し、しかも一枚の葉書の状態で伝達でき、また、上位
シートと下位シートの中央部は剥離不能に接着するので
郵送中に前記各シートが剥離する虞がなく、さらに、あ
らかじめ返信用宛名情報を印刷しておけるので、返信時
における記入作業が軽減されて宛先人の負担が少なくな
り、加えて、往信時の情報伝達量が増大するという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】往復葉書の往信時の状態を示す概略的な断面
図。

【図２】往復葉書を作成するための葉書用シートの表面
側を示す平面図。

【図３】葉書用シートの裏面側を示す平面図。

【図４】往復葉書の返信時の状態を示す概略的な断面
図。

【図５】往復葉書の返信時の表面側を示す平面図。

【図６】往復葉書の返信時の裏面側を示す平面図。

【符号の説明】

１ 葉書用シート ２ 下位シート ３ 上位シート ４，５ 感圧性接着剤 ６ 返信用宛名情報 ８ 返信用宛名片 ９ 隠蔽情報記入欄 １１ 往信用情報表示片 １２ 切り用ミシン目 １７ 隠蔽情報 １８ 切り用ミシン目 １９ 往信用宛名片 ２０ 隠蔽片 ２１ 往信用宛名情報 ３０ 往復葉書 ３１ 返信用葉書

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 返信用宛名片と往信用情報表示片とを切
   り取り部を介して連接してなる下位シートの表面側に、
   往信用宛名片と隠蔽片とを切り取り部を介して連接して
   なる上位シートの裏面側を対向させて重ね合わせ、前記
   各宛名片同士及び前記往信用情報表示片と前記隠蔽片と
   をそれぞれ対応させるとともに、前記各切り取り部を重
   ならないようにさせてなり、前記上位シートと前記下位
   シートの重ね合わせ面の前記各切り取り部に挟まれた部
   分は剥離不能に、他の部分は剥離可能に、それぞれ接着
   する一方、前記返信用宛名片の重ね合わせ面には返信用
   宛名情報を表示し、前記往信用宛名片の表出面には往信
   用宛名情報を表示するとともに、前記往信用情報表示片
   の重ね合わせ面あるいは前記往信用宛名片の重ね合わせ
   面の少なくとも一方に隠蔽すべき情報を表示し、他の重
   ね合わせ面及び他の表出面の所定面には適宜な伝達情報
   を表示したことを特徴とする往復葉書。