JP2518983Y2 - 隠蔽情報表示部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、隠蔽すべき伝達情報、すなわち隠蔽情報を
表示したシート状基材に、隠蔽片を折り重ねて剥離可能
に接着することにより、前記隠蔽すべき伝達情報を隠蔽
した葉書やカード等の隠蔽情報表示部材に関する。

［従来の技術］ 従来、他人には知られたくない伝達情報、例えば、預
金残高通知、ローン返済金残高通知、クレジット返済金
滞納者等に対する督促通知、等の情報を特定人に伝達す
るには、封書内にこれら情報を表示した通知書を封入し
て郵送するのが一般的である。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、封書の場合には、隠蔽情報を確実に隠蔽す
ることはできるものの、葉書と比較して郵送料が高く、
大量の封書を郵送しなければならない場合にはその差額
は膨大なものになってしまう。また、通知書を封書内に
封入する作業も煩雑であり、作業効率が悪いものであ
る。

従来においても、これら封書の欠点を解消すべく各種
のラベルやシールを用いた隠蔽情報表示部材が開発され
ているが、この種の隠蔽情報表示部材を受け取った者
は、隠蔽状態が解消されて視認可能となった隠蔽情報の
表示にのみ視線が向き易く、隠蔽情報に関する説明文は
見落とされがちであった。このため、隠蔽情報の内容の
理解が、差出人が意図する程度までには十分になされ
ず、例えば、一定の応答を希望している場合でもこれが
適切になされないことが多かった。

本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、
隠蔽情報を隠蔽できる葉書やカード等の隠蔽情報表示部
材を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上述した目的を達成するために、隠蔽すべ
き伝達情報を表示したシート状基材と、このシート状基
材の一端に折り部を介して連設され、前記隠蔽すべき伝
達情報を隠蔽すべく前記折り部から折り重ねられた隠蔽
片とからなり、この隠蔽片の折り重ね面と前記シート状
基材の隠蔽すべき伝達情報表示面とが互いに剥離可能に
接着されてなると共に、隠蔽片の折り部と反対側の端部
に切り用ミシン目が設けられてなるものである。

［作用］ 隠蔽片が折り部から折り重ねられ、シート状基材の隠
蔽情報表示部分に剥離可能に接着されたことにより、前
記隠蔽情報が前記隠蔽片で隠蔽されている。一方、前記
隠蔽片を切り用ミシン目より分割しシート状基材から剥
離すれば、隠蔽されていた隠蔽情報が露出して視認可能
になる。

［実施例］ 以下、本考案を葉書に適用した場合の好適な実施例を
添付図面に基づいて詳細に説明する。

ここにおいて、第１図は隠蔽情報表示部材となるべき
葉書シートの表面側を示す平面図、第２図は同じく裏面
側を示す平面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第
４図は隠蔽片をシート状基材たる葉書片に折り重ねて接
着し隠蔽情報表示部材たる葉書とした状態を示す断面
図、第５図は隠蔽片を葉書片から剥離した状態を示す断
面図、第６図は同じく平面図である。

第１図〜第３図に示すように、隠蔽情報表示部材にな
るべき葉書シート１は折り部たる折り用ミシン目２を介
して上下に連設されたシート状基材たる葉書片３と隠蔽
片４とからなる。

第１図に示すように、縦長の葉書片３の表面側には、
上部である折り用ミシン目２側に督促通知等の隠蔽情報
５が適宜手段で印字され、また、下端部には前記隠蔽情
報５を発信する会社の名称及び住所を表示した差出人表
示６が適宜手段で印字あるいは印刷されている。また、
第２図に示すように、葉書片３の裏面側には、隠蔽情報
５の宛先表示７が適宜手段で印字されている。前述した
各印字は、コンピュータに連繋されたノンインパクトプ
リンタ等のプリンタによって行うと好適である。

一方、第２図及び第３図に示すように、隠蔽片４に
は、折り用ミシン目２と反対側の縁に沿って切り用ミシ
ン目８が設けられている。また、前記隠蔽片４の表面側
には、第３図で理解できるように、隠蔽情報５に関する
説明文９が印字あるいは印刷されている（第６図参
照）。さらに、第２図及び第３図に示すように、前記隠
蔽片４の裏面側には、切り用ミシン目８に沿って表示さ
れた「矢印の方向にはがして下さい。」の文を含む案内
文10が印刷されている。

第３図に示すように、隠蔽片４の表面側には、常時接
着性を有する粘着剤11によってポリエチレン、ポリプロ
ピレン等からなる合成樹脂製の透明フィルム12が接着さ
れている。そして、この透明フィルム12上には、同様の
合成樹脂製の透明フィルム13が重ねられ、不完全な溶着
によって剥離可能に形成された剥離層14を介して疑似的
に接着されるとともに、切り用ミシン目８に対応位置す
るよう各切り用ミシン目15,16が設けられている。さら
に、前記透明フィルム13の前記透明フィルム12とは反対
面側には、常時接着性を有する粘着剤17が折り用ミシン
目２側の所定幅の縁部を除いて塗布され、この粘着剤17
は剥離処理が施された剥離紙18で被覆されている。この
剥離紙18には、各切り用ミシン目8,15,16に対応位置す
るよう切り用ミシン目19が設けられるとともに、折り用
ミシン目２側の縁に沿った表面に、「ここからはがして
下さい。」という案内表示20（第１図参照）が印刷され
ている。

本実施例は以上のように構成したので、剥離紙18を案
内表示20にしたがい、粘着剤17の非塗布縁側を摘んで剥
離したうえ、隠蔽片４を折り用ミシン目２で折り、隠蔽
情報５表示面に重なるように折ると、第４図に示すよう
に、前記隠蔽情報５が隠蔽片４によって隠蔽され、外部
からは視認不能となった隠蔽情報表示部材たる葉書21が
作成される。この葉書21は、すでに宛名表示７等の必要
事項が印字あるいは印刷されているので、そのままの状
態で投函可能である。

一方、葉書21を受け取った宛名人は、隠蔽片４に表示
された案内文10の「矢印の方向にはがして下さい。」に
したがって、前記隠蔽片４を切り用ミシン目８から左右
に切り開くと、各透明フィルム12,13の剥離層14部分が
剥離される。これによって、第５図及び第６図に示すよ
うに、前記隠蔽片４を前記透明フィルム12とともに、葉
書片３から剥離することができ、透明フィルム12を通し
て説明文９を視認できる一方、透明フィルム13を通して
葉書片３の隠蔽情報５を視認することができる。この視
認動作に際して、第６図で明らかなように、説明文９を
表示した隠蔽片４が隠蔽情報５を表示した葉書片３の上
部に連設されているので、受取人の視線はまず説明文９
に向けられることになり、この説明文９が見落とされる
ことがない。

なお、本考案は上述した各実施例に限定されるもので
はなく、例えば、透明フィルム13と剥離紙18とは全面的
に接着したり、剥離を容易にするための切り用ミシン目
を設けることもでき、また、隠蔽片４と葉書片３との剥
離可能な接着は、剥離層14を介して剥離可能に接着され
た２枚の透明フィルム12,13によって行うほか、前記隠
蔽片４と前記葉書片３との重ね合わせ面に接着後に剥離
可能な接着力の弱い接着剤を塗布したり、前記重ね合わ
せ面に剥離処理を施したうえ剥離不能な接着剤を全体に
塗布する等種々の構成を採用できる。さらに、宛名表示
７は、隠蔽片４の裏面側に表示したり、葉書片３の表面
側下端部の非重ね合わせ部分に表示してもよい。この場
合、差出人表示６や案内文10は、当然、他の空いている
部分に表示されることになる。さらにまた、隠蔽片４と
葉書片３とは同一大でもよい。またさらに、本考案は葉
書21以外のカードをはじめとする各種シート状部材にも
適用できることはいうまでもない。

［効果］ 以上の説明で明らかなように、本考案によれば、隠蔽
情報を確実に隠蔽できることはもちろん、隠蔽情報の改
竄も防止でき、さらには、隠蔽情報確認時における隠蔽
片の剥離においても、隠蔽片の切り用ミシン目から隠蔽
片を分割し、折り曲げることにより分割された隠蔽片の
主体部の端部が剥離し、指掛け部が形成されるので、剥
離作業が正確かつスムースに行えるという多くの効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案を葉書に適用した場合の好適な実施例を示す
もので、第１図は葉書シートの表面側を示す平面図、第
２図は同じく裏面側を示す平面図、第３図は第１図のＡ
−Ａ線断面図、第４図は隠蔽片を葉書片に折り重ねて接
着し葉書とした状態を示す断面図、第５図は隠蔽片を葉
書片から剥離した状態を示す断面図、第６図は同じく平
面図である。 １…葉書シート、２…折り用ミシン目、３…葉書片 ４…隠蔽片、５…隠蔽情報、８…切り用ミシン目 ９…説明文、11…粘着剤、12,13…透明フィルム 14…剥離層、17,18…粘着剤、19…剥離紙 22…葉書

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】隠蔽すべき伝達情報を表示したシート状基
   材と隠蔽片とが折り部を介して連接してなり、前記隠蔽
   片は、前記シート状基材の隠蔽すべき伝達情報を隠蔽し
   て前記折り部から折り重ねられてなり、この隠蔽片の折
   り重ね面と前記シート状基材の隠蔽すべき伝達情報表示
   面とが互いに剥離可能に接着されてなると共に、隠蔽片
   の折り部と反対側の端部に切り用ミシン目が設けられて
   なることを特徴とする隠蔽情報表示部材。