JP2594996Y2 - 隠蔽情報伝達用シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、隠蔽情報を伝達するた
めのシートに関し、特に、隠蔽情報記載部分に隠蔽片を
折り重ねて剥離可能に接着することにより、隠蔽情報を
被覆隠蔽して伝達するための隠蔽情報伝達用シートに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の隠蔽情報伝達用シートと
しては、隠蔽情報記載片と隠蔽片とが同一大で、隠蔽片
で隠蔽情報記載片を全面的に被覆隠蔽する構成と、隠蔽
片の方が小さく、隠蔽片で隠蔽情報記載片を部分的に被
覆隠蔽する構成とが知られているが、いずれの構成にし
ても、隠蔽情報記載部分に対する隠蔽片の重ね合わせ面
側に剥離可能な接着構造を設け、この接着構造を剥離紙
で被覆する構成が一般的である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このため従来にあって
は、剥離可能な接着構造を被覆している剥離紙は使用時
には不要となるので廃棄しているが、この廃棄作業が煩
雑であるとともに、剥離剤が塗布されているので廃棄し
た剥離紙を再生することは困難で省資源化に反するとい
う不都合がある。また、隠蔽情報伝達用シートを葉書と
して利用する場合には、隠蔽情報記載片と隠蔽片とが同
一大であると、宛名情報と隠蔽情報とを反対側の面に表
示しなければならないので、両面プリンタを使用しなけ
れば同時に印字することができないという不都合があ
り、一方、隠蔽情報記載片よりも隠蔽片が小さいと、片
面プリンタで前記隠蔽情報記載片の露出部分には宛名情
報を、また被覆部分には隠蔽情報を同時に印字すること
ができるが、両情報をともに隠蔽情報記載片に印字しな
ければならないので、大きさが限定されている葉書では
前記隠蔽情報記載片の大きさも必然的に限定されてしま
い、情報の伝達量が少ないという不都合がある。本考案
はこのような不都合を解消した隠蔽情報伝達用シートを
提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために本考案の隠蔽情報伝達用シートは、折り部を境に
隠蔽情報記載片と隠蔽片とを連接し、前記隠蔽情報記載
片の隠蔽情報記載面と同一面側の隠蔽片の面に透視可能
なシートを剥離可能に設け、このシート上に表示情報記
載片を重ね合わせるとともに、互いの対向面に交互に接
着域と剥離域とを対向するよう複数設けて剥離可能に接
着したものである。

【０００５】

【作用】隠蔽情報記載片の隠蔽情報記載面と表示情報記
載片の表出面とに、片面プリンタにより同時に所望の隠
蔽情報と宛名情報のような表示情報とを印字し、前記表
示情報記載片を剥離して露出した透視可能なシートの接
着域によって、前記隠蔽片を前記隠蔽情報記載片の隠蔽
情報記載面に折り重ねて接着し、隠蔽情報を被覆隠蔽す
る一方、前記表示情報記載片はその露出した接着域で、
前記隠蔽片または前記隠蔽情報記載片の表出面の適所に
接着して使用する。前記隠蔽片を前記隠蔽情報記載片か
ら捲り上げると、前記隠蔽片と前記透視可能なシートと
の接着面から剥離し、隠蔽情報は前記透視可能なシート
を透して視認可能となる。

【０００６】

【実施例】以下、本考案を葉書に適用した場合の好適な
実施例について添付図面に基づき詳細に説明する。ここ
において、図１〜図４は第１実施例を示すもので、図１
は必要事項を印字した隠蔽情報伝達用シートたる葉書用
シートの平面図、図２はそのＡ−Ａ線断面図、図３は作
成した葉書の断面図、図４は隠蔽情報を視認可能状態と
した葉書の断面図であり、また図５〜図８は第２実施例
を示すもので、図５は必要事項を印字した隠蔽情報伝達
用シートたる葉書用シートの平面図、図６はそのＢ−Ｂ
線断面図、図７は作成した葉書の平面図、図８は隠蔽情
報を視認可能状態とした葉書の断面図である。

【０００７】まず、第１実施例について説明すると、図
１及び図２に示すように、隠蔽情報伝達用シートたる葉
書用シート１は、折り部たる折り用ミシン目２を境にし
て隠蔽情報記載片３と隠蔽片４が連接されてなり、前記
折り用ミシン目２と反対側の各側部には切り用ミシン目
５ａ，５ｂを境として移送孔６ａ，６ｂが等間隔に多数
透設されたマージナル部７ａ，７ｂが設けられている。
図示してはいないが、前記葉書用シート１は、図１上、
上下方向に折り兼切り用ミシン目を介して多数連接され
た連続状態にある。そして、前記隠蔽情報記載片３の表
面側には、隠蔽情報記載欄８があらかじめ設けられる一
方、その裏面側には、図示してはいないが、作成された
葉書の使用方法に関する説明文があらかじめ印刷されて
いる。

【０００８】隠蔽情報記載片３の隠蔽情報記載欄８に
は、暗証番号や会員番号等の適宜な隠蔽情報９が印字さ
れている。一方、隠蔽片４の表面側には、合成樹脂製の
透明シート１０が接着剤１１によって剥離不能に接着さ
れ、この透明シート１０は、不完全な溶着等の手段によ
り形成された疑似接着層１２を介して、同じく合成樹脂
製の透明シート１３と剥離可能に接着されている。前記
透明シート１３上には、表示情報記載片たる宛名情報記
載片１４が重ねられ、互いの対向面は、透明な接着剤が
帯状に塗布されてなる接着域１５ａ，１５ｂと、透明な
剥離剤が帯状に塗布されてなる剥離域１６ａ，１６ｂと
が、交互に対向するよう設けられて剥離可能に接着され
ている。また、前記宛名情報記載片１４には、隠蔽情報
９の固有の宛名人を示す宛名情報１７が印字されてい
る。なお、この宛名情報１７と前記隠蔽情報９とは、連
続状態にある葉書用シート１を移送孔６ａ，６ｂを利用
して、図示していないトラクタ装置により移送しなが
ら、同じく図示していないコンピュータの出力装置であ
るプリンタによって、同時に印字されるものである。

【０００９】続いて、以上のように構成した葉書用シー
ト１から図３に示す葉書１８を作成する手順について説
明する。葉書用シート１の各マージナル部７ａ，７ｂを
切り用ミシン目５ａ，５ｂから切り取り、単位状に切断
したうえ、宛名情報記載片１４を透明シート１３から剥
離し、隠蔽片４を折り用ミシン目２から隠蔽情報記載片
３の隠蔽情報９面側に折り重ね、前記透明シート１３の
露出した接着域１５ｂによって、前記隠蔽片４を前記隠
蔽情報記載片３に接着し、隠蔽情報９を被覆隠蔽する。
そして、剥離した宛名情報記載片１４を、露出した接着
域１５ａによって隠蔽片４の表出面側、すなわち隠蔽情
報記載片３との接着面とは反対面側に接着すれば、葉書
１８となり、通常の葉書と同様に投函可能となる。

【００１０】一方、この葉書１８を受領した宛名人は、
隠蔽情報記載片３の裏面側、すなわち隠蔽情報記載片３
の接着面とは反対面側に印刷した図示していない説明文
にしたがって、前記隠蔽情報記載片３から隠蔽片４及び
宛名情報記載片１４を捲り上げると、この隠蔽片４は疑
似接着層１２から透明シート１０とともに剥離される。
これによって、図４に示すように、前記隠蔽情報記載片
３の隠蔽情報９は、透明シート１３を透して視認可能な
状態となる。

【００１１】次に、第２実施例について説明すると、図
５及び図６に示すように、葉書用シート２１は、折り部
たる折り用ミシン目２２を境にして隠蔽情報記載片２３
と隠蔽片２４が連接されてなり、前記隠蔽情報記載片２
３は前記隠蔽片２４のほぼ２倍の大きさになっている。
そして、前記隠蔽情報記載片２３の表面側には、折り用
ミシン目２２側ほぼ半分、すなわち前記隠蔽片２４を折
り用ミシン目２２から折り重ねた時に被覆される部分に
隠蔽情報記載欄２５があらかじめ設けられる一方、残り
の半分には一般的な案内文２６と、前記隠蔽情報記載欄
２５側との境界部分に向けた矢印及び「ここから剥がし
て下さい」という説明文２７があらかじめ印刷されてい
る。

【００１２】隠蔽情報記載片２３の隠蔽情報記載欄２５
には、第１実施例と同様の適宜な隠蔽情報２８が印字さ
れている。一方、隠蔽片２４の表面側には、合成樹脂製
の透明シート２９が接着力の弱い接着剤３０によって剥
離可能に接着され、この透明シート２９上には、宛名情
報記載片３１が重ねられ、第１実施例と同様に設けた接
着域３２ａ，３２ｂと、剥離域３３ａ，３３ｂとによっ
て、剥離可能に接着されている。また、前記宛名情報記
載片３１には、スリット３４によって宛名情報記載部３
５が区画形成され、この宛名情報記載部３５には隠蔽情
報２８の固有の宛名人を示す宛名情報３６が印字されて
いる。なお、この宛名情報３６と前記隠蔽情報２８と
は、単片状態にある葉書用シート２１を図示していない
移送ローラにより移送しながら、同じく図示していない
コンピュータの出力装置であるプリンタによって、同時
に印字されるものである。

【００１３】続いて、以上のように構成した葉書用シー
ト２１から図７に示す葉書３７を作成する手順について
説明する。葉書用シート２１の宛名情報記載片３１を透
明シート２９から剥離し、隠蔽片２４を折り用ミシン目
２２から隠蔽情報記載片２３の隠蔽情報２８面側に折り
重ね、前記透明シート２９の露出した接着域３２ｂによ
って、前記隠蔽片２４を前記隠蔽情報記載片２３に接着
し、隠蔽情報２８を被覆隠蔽する。そして、剥離した宛
名情報記載片３１から宛名情報記載部３５を分離し、こ
の宛名情報記載部３５を、露出した接着域３２ａによっ
て隠蔽片２４の表出面側、すなわち隠蔽情報記載片２３
との接着面とは反対面側に接着すれば、葉書３７とな
り、通常の葉書と同様に投函可能となる。

【００１４】一方、この葉書３７を受領した宛名人は、
説明文２７にしたがって隠蔽情報記載片２３から隠蔽片
２４を捲り上げると、この隠蔽片２４は接着剤３０が剥
離可能であるから、透明シート２９との接着面から剥離
される。これによって、図８に示すように、前記隠蔽情
報記載片２３の隠蔽情報２８は、透明シート２９を透し
て視認可能な状態となる。

【００１５】なお、本考案は上述した実施例に限定され
るものではなく、例えば、宛名情報記載片１４や宛名情
報記載部３５の葉書１８，３７に対する接着位置は、表
出面側の他の表示を被覆しない位置であればどこでもよ
い。また、第１実施例の宛名情報記載片１４にスリット
で宛名情報記載部を区画形成してもよく、第２実施例の
宛名情報記載片３１に宛名情報記載部３５を形成しなく
てもよい。さらに、第１実施例で１枚の透明シートを使
用し、第２実施例で２枚の透明シートを使用してもよい
ものである。さらに、隠蔽片４，２４を剥離し易いよう
に、指掛け部を形成したり、剥離開始部分の接着力を弱
めておくことも可能である。さらにまた、透視可能なシ
ートとしては、透明シート１０，１３，２９のほか、半
透明シートを使用してもよい。

【００１６】

【考案の効果】以上説明したところで明らかなように、
本考案によれば、表示情報記載片を隠蔽片に剥離可能に
設けることによって、使用に際しては前記表示情報記載
片を有効利用し、従来のようにこれをすべて廃棄してし
まうことはないので、無駄をなくして省資源に貢献する
とともに、同一面側に宛名等の表示情報と隠蔽情報とを
印字できるので、通常の片面プリンタで前記両情報を同
時に印字でき、さらには、従来も片面プリンタで宛名等
の表示情報と隠蔽情報を同時に印字可能であった、隠蔽
片が隠蔽情報記載片よりも小さくて部分的に被覆する構
成にあっては、宛名情報等の表示情報は隠蔽情報記載片
にではなく、表示情報記載片に印字するので、隠蔽情報
記載片には隠蔽情報をはじめとする伝達情報のみを印字
することができて情報伝達量を増加できるという効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例を示す必要事項を印字した葉書用シ
ートの平面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図。

【図３】作成した葉書の断面図。

【図４】隠蔽情報を視認可能状態とした葉書の断面図。

【図５】第２実施例を示す必要事項を印字した葉書用シ
ートの平面図。

【図６】図５のＢ−Ｂ線断面図。

【図７】作成した葉書の平面図。

【図８】隠蔽情報を視認可能状態とした葉書の断面図。

【符号の説明】

１，２１ 葉書用シート ２，２２ 折り用ミシン目 ３，２３ 隠蔽情報記載片 ４，２４ 隠蔽片 ９，２８ 隠蔽情報 １０，１３，２９ 透明シート １２ 疑似接着層 １４，３１ 宛名情報記載片 １５ａ，１５ｂ，３２ａ，３２ｂ 接着域 １６ａ，１６ｂ，３３ａ，３３ｂ 剥離域 １７，３６ 宛名情報 １８，３７ 葉書 ２７ 説明文 ３５ 宛名情報記載部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 折り部を境に隠蔽情報記載片と隠蔽片と
   を連接し、前記隠蔽情報記載片の隠蔽情報記載面と同一
   面側の隠蔽片の面に透視可能なシートを剥離可能に設
   け、このシート上に表示情報記載片を重ね合わせるとと
   もに、互いの対向面に交互に接着域と剥離域とを対向す
   るよう複数設けて剥離可能に接着したことを特徴とする
   隠蔽情報伝達用シート。