JP2549049Y2 - 車両用ドアロック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、防盗性の面で大変優
れたロック機構付の車両用ドアロック装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ドアロック装置は、キーシリン
ダ又はドアロックノブによるロック操作及びロック解除
操作することでロック状態、ロック解除状態がそれぞれ
得られるようになっている。

【０００３】ロック状態のドアロック装置は、外から不
正手段によって攻撃をかけられると、ロック解除され、
防盗性の面で望ましくないことから、不正手段によって
攻撃をかけられてもロック状態を確保し続ける防盗機構
を組込んだドアロック装置が既に公知となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】前記した如く防盗機構
が組込まれたドアロック装置にあっては、不正手段によ
って攻撃をかけられても防盗機構の働きによってロック
状態が確実に確保され、防盗性の面で大変優れた威力を
発揮する。反面、セット完了後に防盗機構が故障を起こ
すとロック状態が解除されず、オーナであってもドアを
開けることができない問題が発生する。

【０００５】そこで、この発明にあっては、防盗機構に
故障が発生した際に、ロック解除ができるようにした車
両用ドアロック装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この考案は、キーシリンダ及びロックノブによるロ
ック操作時に、ノブレバーが第１作動位置へ移動してド
アロックをロック状態とし、ロック解除操作時に、ノブ
レバーが第２作動位置へ移動してドアロックをロック解
除状態とするドアロック装置において、前記ノブレバー
に、アンロック位置の時にノブレバーの第１、第２作動
位置への移動を許すと共に、ロック位置の時にノブレバ
ーの動きを拘束するノブレバー拘束装置を連結する一
方、トランク内に設けられた操作スイッチによりノブレ
バーとノブレバー拘束装置との連結部を解除する連結解
除手段を設けてある。

【０００７】

【作用】かかる車両用ドアロック装置によれば、ノブレ
バーに連結されたノブレバー拘束装置をアンロック位置
とすることで、前記ノブレバーは第１、第２作動位置へ
の移動が可能となり、ドアロックのロック、ロック解除
が支障なく行なえるようになる。

【０００８】次に、ノブレバー拘束装置をロック位置に
するとノブレバーは拘束状態におかれるため、不正手段
によって攻撃をかけられてもロック状態は解除されるこ
とはない。

【０００９】この場合、作動中に、ノブレバー拘束装置
が故障した際には、キーによってトランクを開け、操作
スイッチにより連結解除手段を働らかせてノブレバーと
の連結を解除することで、ドアロックのロック解除が可
能となる。

【００１０】

【実施例】図１乃至図９の図面を参照しながらこの考案
の一実施例を詳細に説明する。

【００１１】図中１はドアロックを示している。ドアロ
ック１はキーシリンダ３によるロック操作（図３矢印
イ）又はロック解除操作（矢印ロ）と、ロックノブ５に
よるロック操作（図３矢印ハ）又はロック解除操作（矢
印ニ）によりロック状態となる第１作動位置Ｐ１とロッ
ク解除状態となる第２作動位置Ｐ２とに移動可能なノブ
レバー７を有している。

【００１２】ノブレバー７は、ロッド９を介して直接前
記ロックノブ５と連結し合う一方、ドアロック１内の伝
達機構及びロッド１１を介して前記キーシリンダ３と連
結している。

【００１３】ドアロック１は、ノブレバー７が第１作動
位置Ｐ１となるロック時において、ドアロック１とロッ
ド１４，１６を介して連動連結されたインサイドハンド
ル１３又はアウトサイドハンドル１５を操作してもハン
ドル操作は空振りするようになっている。ノブレバー７
が第２作動位置Ｐ２となるロック解除時には、インサイ
ドハンドル１３、アウトサイドハンドル１５のハンドル
操作を可能とする。

【００１４】一方、ドアロック１のノブレバー７には、
ノブレバー拘束装置１７が連結している。

【００１５】ノブレバー拘束装置１７は、ハウジング１
９内に設けられた正転、逆転可能な駆動モータ２１と、
駆動モータ２１によって回転制御されるウォームホィー
ル２３と、ウォームホィール２３のガイドピン２５を介
して連動連結し合うカム体２７とを有している。

【００１６】駆動モータ２１は、後述する第１の制御部
２９からの信号によって正転又は逆転可能に制御される
と共に駆動モータ２１のモータ軸３１にはウォーム３３
が設けられ、ウォーム３３は前記ウォームホィール２３
と噛み合っている。

【００１７】ウォームホィール２３は、ホィール軸２３
ａに回転自在に装着されると共に前記ガイドピン２５が
設けられている。

【００１８】カム体２７は、カム軸３５を支点としてロ
ック位置Ｒ１とアンロック位置Ｒ２とに回転自在に装着
支持され、検出スイッチ３０によってロック位置Ｒ１と
アンロック位置Ｒ２が検出されるようになっている。カ
ム体２７には前記ガイドピン２５と係合し合う係合溝３
７が設けられている。

【００１９】係合溝３７は、カム軸３５を中心とする弧
状溝３７ａと、弧状溝３７ａのほぼ中央部位から延長さ
れた真直な規制溝３７ｂとでほぼＴ字状の形状となって
いる。

【００２０】係合溝３７とガイドピン２５との関係は、
図４、図６に示すように駆動モータ２１が正転し、ガイ
ドピン２５が弧状溝３７ａ内に臨むことで、カム体２７
のロック位置Ｒ１、アンロック位置Ｒ２への動きが可能
となる。また、駆動モータ２１が逆転し、ガイドピン２
５が規制溝３７ｂ内に臨むことでカム体２７をロック位
置Ｒ１で拘束するようになっている。

【００２１】カム体２７とノブレバー７とは連結部材３
９を介して連動連結している。

【００２２】即ち、連結部材３９の一端はカム体２７の
カム軸３５に固着される一方、他端はノブレバー７と結
合ピン４１を介して一体に結合されている。

【００２３】連結部材３９は合成樹脂材で作られ、連結
解除手段４３により切断されるようになっている。

【００２４】連結解除手段４３は、連結部材３９の上面
と下面に電熱線４５が挟みつけるようにして接触し、電
熱線４５の両端は、金属製の保持ブラケット４７によっ
て外側へ向け（図１矢印ホ方向）に強く引張られた状態
で支持されている。

【００２５】電熱線４５は、第２の制御部４９によって
トランク５１内に設けられたオン、オフ可能な操作スイ
ッチ５３をオン操作することでバッテリ５５からの電流
が流れるようになっている。

【００２６】これにより、電熱線４５が加熱されること
で連結部材３９を溶かしながら喰い込んでいき、上下の
電熱線４５は常に一つになろうとする作用が働らくよう
になっている。

【００２７】図８は第１、第２の制御部２９，４９を有
する全体のブロック図を示したものである。第１の制御
部２９には、リモコン５７からの施錠、解錠信号と、前
記検出スイッチ３０からのロック位置Ｒ１、アンロック
位置Ｒ２の信号がそれぞれ入力される。また、第２の制
御部４９から信号に基づいてノブレバー拘束装置１７の
駆動モータ２１を正転あるいは逆転させる信号を出力す
る一方、検出スイッチ３０及びリモコン５７からの信号
を第２の制御部４９へ出力する。

【００２８】第２の制御部４９は、タイマＴが内蔵さ
れ、第１の制御部２９からの信号が所定時間内である
と、正常と判断し、操作スイッチ５３のオン操作を空振
りさせる。また、信号が所定時間以上入力され続ける
と、ノブレバー拘束装置１７の故障と判断し、バッテリ
５５からの回路部５９をオン状態として操作スイッチ５
３のオン作動受け入れ待機状態が得られるよう機能す
る。

【００２９】次に、図９に基づいてドアロック装置の動
作を説明する。ドアが閉められ（ステップＳ１）、ノブ
レバー拘束装置１７の作動時、即ちデッドロック状態に
おいて（ステップＳ２）、リモコン５７により第１の制
御部２９へ解錠信号を入力する。第１の制御部２９に
は、検出スイッチ３０からのロック位置Ｒ１の信号と施
錠信号が入力され、第２の制御部４９へ出力される（ス
テップＳ４，Ｓ５）。第２の制御部４９において、入力
信号が２秒以下か以上かを判断する（ステップＳ６）。
２秒以下の時、ノブレバー拘束装置１７の駆動モータ２
１を正転させる。

【００３０】ガイドピン２５が弧状溝３７ａ内に位置し
たかを判断し、完了時まで動作を続ける（ステップＳ
７）。動作完了後、ノブレバー拘束装置１７による拘束
が解除されキー操作によるドアロック１のロック解除が
行なえるようになる（ステップＳ８，Ｓ９）。

【００３１】一方、第２の制御部４９内に２秒以上続け
て信号が入力されると、ノブレバー拘束装置１７の故障
と判断し、バッテリ５５の回路部５９をオン状態とする
（ステップＳ１０）。次に、トランクリッドを開けて操
作スイッチ５３をオン操作する（ステップＳ１１）。操
作スイッチ５３のオン操作で、連結解除手段４３が働ら
いて、連結部材３９を切断し、ノブレバー拘束装置１７
とノブレバー７との連結を解除する結果、キーによるド
アロック１のロック解除が可能となる（ステップＳ８，
Ｓ９）。したがって、ノブレバー拘束装置１７が故障し
てもドアを開けられるようになる。

【００３２】なお、連結部材３９は、工場において新し
いものと交換することで再使用が可能となる。

【００３３】

【考案の効果】以上、説明したようにこの考案の車両用
ドアロック装置によれば、ノブレバー拘束装置が作動状
態で故障を起こしても、連結解除手段によってドアロッ
クのロック解除ができるようになり、支障なくドアを開
けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案にかかる連結解除手段を示した拡大斜
視図。

【図２】この考案を実施した自動車の側面図。

【図３】ドアロック全体の説明図。

【図４】ロック解除時のノブレバー拘束装置全体の説明
図。

【図５】ロック解除時のガイドピンと係合溝との関係を
示した斜視図。

【図６】ロック解除時のノブレバー拘束装置全体の説明
図。

【図７】ロック時のガイドピンと係合溝との関係を示し
た斜視図。

【図８】ドアロック全体のブロック図。

【図９】ドアロック装置の動作を示すフローチャート
図。

【符号の説明】

１ ドアロック ３ キーシリンダ ５ ロックノブ ７ ノブレバー １７ ノブレバー拘束装置 ４３ 連結解除手段 ５１ トランク ５３ 操作スイッチ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キーシリンダ及びロックノブによるロッ
   ク操作時に、ノブレバーが第１作動位置へ移動してドア
   ロックをロック状態とし、ロック解除操作時に、ノブレ
   バーが第２作動位置へ移動してドアロックをロック解除
   状態とするドアロック装置において、前記ノブレバー
   に、アンロック位置の時にノブレバーの第１、第２作動
   位置への移動を許すと共に、ロック位置の時にノブレバ
   ーの動きを拘束するノブレバー拘束装置を連結する一
   方、トランク内に設けられた操作スイッチによりノブレ
   バーとノブレバー拘束装置との連結部を解除する連結解
   除手段を設けたことを特徴とする車両用ドアロック装
   置。