JP2526028B2 - エレベ―タの制御方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベータの制御方式
に係り、特にエレベータによる警備状態となった区域へ
の侵入を防止するエレベータの制御方式に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】一般に、エレベータは、乗場呼び登録が
行なわれると、その呼びに応答し、また乗かご内に設け
た行先登録釦を操作することによって、所望の階へ誰で
も自由に行くことができるように構成されている。

【０００３】ところで、最近のビルでは、特にテナント
方式のビルにおいては、玄関階に相当する階床に警備員
を配置せず、その代わりに各テナント毎に警備装置を設
け、これらの警備装置を一括して所定の管理室で集中監
視する方式がとられている。このため、不審者は誰にも
とがめられずにエレベータを利用して目的階へ侵入する
ことができる。

【０００４】そこでエレベータのかご操作盤あるいは乗
場にその特定階の階床へエレベータが運行できないよう
にする不停止スイッチを設けたり、また、特開昭６２−
４６８８１号公報に示されたエレベータの運転装置によ
って、不審者の侵入を防止することが行なわれていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者に
よる従来技術では、操作の煩わしさ等から生ずる操作忘
れがあり、不審者の侵入を完全に防止することは難しい
という問題点があった。また、後者は、設備が大掛りと
なって構成が複雑化したり高価なものとなってしまうと
いう問題点があった。

【０００６】しかも、不停止スイッチを開放しないと、
いつまでも、エレベータのサービスの停止状態を続ける
問題点があった。

【０００７】本発明は上述した問題点を解決するもの
で、その目的とするところは、最終退出者が退出した階
床を警備状態にすると、自動的にその警備状態となった
階床へのサービスを確実に停止すると共に、しかも、設
定された時刻になると最終退出者が退出した階床の警備
が解除され、かつ、その解除された階床へのエレベータ
のサービスを自動的に再開することのでき、しかも、安
価に構成することのできるエレベータの制御方式を提供
することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、各階床毎に区割した単位警備区域にそれ
ぞれ設けられかつ、それぞれの単位警備区域への警備開
始指令を発する警備開始指令装置と、これら各警備開始
指令装置のいずれか一つ以上を、各階床の出入口近傍で
キー操作あるいはＩＤカードの差込みにより作動させて
警備開始指令が発せられるとその警備開始指令が発せら
れた単位警備区域を警備する集中監視盤を備えてなる警
備システムを有し、この警備システムをエレベータ制御
回路に結合してなるエレベータ制御方式であって、最終
退出者によるキー操作あるいはＩＤカードの差込みによ
り前記警備開始指令が発せられて警備状態となった単位
警備区域の階床へのエレベータのサービスを停止させ、
かつ、設定された時刻になると警備解除指令が発せられ
て警備状態となった単位警備区域の階床へのエレベータ
のサービスを再開させることを可能にする行先登録阻止
回路を設けたことを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】本発明によるエレベータの制御方式は、上述の
如き構成であるから、各階床の最終退出者が退出して無
人化状態となるときにキー操作あるいはＩＤカードの差
込みにより警備開始指令装置を作動させて警備開始指令
が発せられると、この警備開始指令によって、当該階床
を警備状態にし、その警備状態にした階床へのエレベー
タのサービスが自動的に停止させられ、最終退出者が退
出した階床への不審者の侵入が確実に防止される。

【００１０】さらに、設定された時刻になると、警備開
始指令装置により警備解除指令が発せられ、単位警備区
域の警備が自動的に解除され、かつエレベータのサービ
スの停止が自動的に解除される。

【００１１】

【実施例】以下本発明の実施例を図によって説明する。

【００１２】図示のビルは各階床毎に単位警備区域が形
成され、それぞれの単位警備区域には、各種信号を感知
する防犯および防災用の感知器１と、警備開始指令装置
２が設けられている。この警備開始指令装置２は各階の
出入口近傍に設けられたキー操作あるいはＩＤカードの
差込みによつて、または出入口の扉が施錠されることに
よって、その単位警備区域の警備開始指令を発すると共
に、設定された時刻、例えば出勤時間帯になると解除指
令を発する。この警備開始指令装置２による警備開始指
令は、信号線５，７を介して機械室８に設けた行先登録
阻止回路４と管理室３に設けた集中監視盤３ａとに与え
られ、また警備開始指令装置２による解除指令は同様に
行先登録阻止回路４と集中監視盤３ａとに与えられる。
図において、警備システム９は、２階から６階の各階に
設けた警備開始指令装置２と、集中監視盤３ａと、２階
から６階の各階に設けた感知器３とを備えている。

【００１３】今、警備開始指令装置２の作動によって警
備開始指令が発せられると、感知器１からの信号は集中
監視盤３ａへ送られて警備状態となり、これと同時に警
備開始信号が行先登録阻止回路４に与えられて、当該単
位警備区域の階床へのエレベータのサービスを停止する
ようエレベータ制御回路６が作動する。例えば、６階の
最終退出者が出入口扉を施錠したとすると、警備開始指
令装置２が作動して、感知器１の信号を集中監視盤３ａ
へ送って警備状態に入ると共に、行先登録阻止回路４に
よって行先階登録釦による６階への登録が阻止される。
従って、最終退出者が退出した後は、エレベータを利用
して６階へ行くことはできず、不審者の侵入は防止され
る。

【００１４】しかし、設定された時刻、例えば出勤時間
帯になると、警備開始指令装置２等により行先登録阻止
回路４へ解除指令が与えられ、行先階登録釦による６階
の登録が可能となり、通常の如くエレベータによるサー
ビスが再開される。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、消灯したか否かあるい
は閉店したか否かに関係なく、最終退出者によるキー操
作あるいはＩＤカードの差込みによって、最終退出者が
退出した単位警備区域の階床を、警備状態にすると、そ
の警備状態にした階床へのエレベータのサービスが自動
的に停止するので、従来のような乗りかご内若しくは乗
場に設けた不停止階スイッチによるエレベータのサービ
ス停止忘れを防止でき、かつ、大掛かりな設備を必要と
することなく、最終退出者が退出した階床へエレベータ
を介して不審者が侵入するのを確実に防止でき、生産性
及びセキュリティ精度のすぐれたエレベータ制御方式が
得られる。

【００１６】しかも、出勤時間帯などの設定された時刻
になり、警備システムによる単位警備区域の警備が解除
されると、自動的にエレベータのサービスが再開される
ので、きわめて、使い勝手のすぐれたエレベータ制御方
式が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるエレベータの制御方式
の結線図である。

【符号の説明】

１ 感知器 ２ 警備開始指令装置 ３ａ 集中監視盤 ４ 行先登録阻止回路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各階床毎に区割した単位警備区域にそれ
   ぞれ設けられかつ、それぞれの単位警備区域への警備開
   始指令を発する警備開始指令装置と、これら各警備開始
   指令装置のいずれか一つ以上を、各階床の出入口近傍で
   キー操作あるいはＩＤカードの差込みにより作動させて
   警備開始指令が発せられるとその警備開始指令が発せら
   れた単位警備区域を警備する集中監視盤を備えてなる警
   備システムを有し、 この警備システムをエレベータ制御回路に結合してなる
   エレベータ制御方式であって、 最終退出者によるキー操作あるいはＩＤカードの差込み
   により前記警備開始指令が発せられて警備状態となった
   単位警備区域の階床へのエレベータのサービスを停止さ
   せ、かつ、設定された時刻になると警備解除指令が発せ
   られて警備状態となった単位警備区域の階床へのエレベ
   ータのサービスを再開させることを可能にする行先登録
   阻止回路を設けたことを特徴とするエレベータ制御方
   式。